JP6665808B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

本発明は、磁性トナー及びその製造方法に関する。
特許文献1には、主として磁性粉と熱可塑性樹脂からなる磁性トナーにおいて、磁性粉をチタン系カップリング剤で被覆する技術が開示されている。
特開昭55−28019号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、連続印刷に耐え得るようなトナーの耐久性を確保することは難しい。また、特許文献1では、トナーの耐付着性については十分な検討がなされていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、連続印刷において、十分なトナーの耐久性を確保し、継続的に高画質の画像を形成することを目的とする。
本発明に係る磁性トナーは、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。前記トナー母粒子は、コアと、前記コアの表面を覆うシェル層とを備える。前記コアは、結着樹脂と、前記結着樹脂中に分散している磁性粉とを含有する。前記磁性粉は、表層部にカップリング剤コーティング層を備える磁性粒子を、複数含む。前記複数の磁性粒子は、前記コアの表面に露出する前記磁性粒子を含む。前記シェル層は、前記コアの表面領域のうち、前記露出した磁性粒子を選択的に覆っている。
本発明に係る磁性トナーの製造方法が、溶融混練工程と、粉砕工程と、シェル層形成工程とを含む。前記溶融混練工程では、等電点3.0以上5.5以下の結着樹脂と、等電点6.5超8.5以下の磁性粒子とを含むトナー材料を溶融混練して、溶融混練物を得る。前記粉砕工程では、前記溶融混練物を粉砕して、トナーコアを得る。前記シェル層形成工程では、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物と、前記トナーコアとを含み、前記結着樹脂の等電点よりも大きくて6.5以下であるpHを有する液を攪拌しながら加熱することにより、前記トナーコアの表面にシェル層を形成する。
本発明によれば、連続印刷において、十分なトナーの耐久性を確保し、継続的に高画質の画像を形成することが可能になる。
本発明の実施形態に係る磁性トナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。 図1に示されるトナー粒子に関して、シェル層を構成する島状樹脂ドメインの1つを拡大して示す平面図である。 図1に示されるトナー粒子に関して、磁性粒子の断面を拡大して示す図である。 図1に示されるトナー粒子に関して、シェル層を構成する島状樹脂ドメインの1つを拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態に係る磁性トナーについて測定されたゼータ電位とpHとの関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る磁性トナーの製造方法について、シェル層形成工程を説明するための図である。
本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、粉体(より具体的には、トナーコア、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。また、融点(Mp)の測定値は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定される吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)中の最大吸熱ピークの温度である。また、分子量(例えば、数平均分子量)の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
疎水性の強さ(又は親水性の強さ)は、例えば水滴の接触角(水の濡れ易さ)で表すことができる。水滴の接触角が大きいほど疎水性が強い。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
本願明細書中では、未処理のシリカ粒子(以下、シリカ基体と記載する)も、シリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子(表面処理されたシリカ粒子)も、「シリカ粒子」と記載する。また、表面処理剤で正帯電化されたシリカ粒子を「正帯電性シリカ粒子」と記載する場合がある。
本願明細書中では、実質的に強磁性物質のみからなる粒子(以下、強磁性物質粒子と記載する)も、強磁性物質粒子の分散体を含む樹脂粒子も、「磁性粒子」と記載する。ここで、「強磁性物質粒子の分散体」は、樹脂粒子中に分散した状態で存在する複数の強磁性物質粒子である。強磁性物質粒子の例としては、酸化鉄粒子が挙げられる。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。なお、正帯電性トナーは、摩擦により正に帯電する。
トナー粒子は、トナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤は、トナー母粒子の表面に付着している。トナー母粒子は、結着樹脂及び磁性粉を含有する磁性粒子である。磁性トナーは、キャリアと混合せずに、そのまま1成分現像剤として好適に用いることができる。トナー母粒子は、必要に応じて、磁性粉以外の内添剤(例えば、離型剤、着色剤、及び電荷制御剤の少なくとも1つ)を含有してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、コア(以下、トナーコアと記載する)と、トナーコアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とを備える。シェル層は、トナーコアの表面を部分的に覆っている。シェル層を備えるトナー粒子を主に含む(例えば、80個数%以上の割合で含む)トナー中に、シェル層を備えないトナー粒子が混じっていてもよい。以下、シェル層を形成するための材料を、シェル材料と記載する。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、電子写真装置の像形成部(例えば、帯電装置及び露光装置)が、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。続けて、電子写真装置の現像装置(詳しくは、トナーがセットされた現像装置)が、トナーを感光体に供給して、感光体に形成された静電潜像を現像する。現像装置は、現像ローラー(表層部:現像スリーブ)と、現像ローラーの表面に担持されたトナーを帯電させるためのトナー帯電部材(例えば、ブレード)とを備える。トナー帯電部材は、現像ローラー上のトナーの量(トナー層の厚さ)を規制する役割を担ってもよい。トナーは、感光体に供給される前に、現像装置内で現像スリーブ又はトナー帯電部材との摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体に供給され、供給されたトナーが感光体の静電潜像に付着することで、感光体上にトナー像が形成される。消費されたトナーは、補給用トナーを収容するトナーコンテナから現像装置へ補給される。
続く転写工程では、電子写真装置の転写装置が、感光体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、電子写真装置の定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)がトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。転写工程の後、感光体上に残ったトナーは、クリーニング部材(例えば、クリーニングブレード)により除去される。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する磁性トナーである。
(トナーの基本構成)
磁性トナーが、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む。トナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。トナーコアは、結着樹脂と、結着樹脂中に分散している磁性粉とを含む。磁性粉は、表層部にカップリング剤コーティング層を備える磁性粒子を、複数含む。複数の磁性粒子は、トナーコアの表面に露出する磁性粒子を含む。シェル層は、トナーコアの表面領域のうち、露出した磁性粒子を選択的に覆っている。
トナーコアの表面に露出する磁性粒子は、リークサイトとなり得る。こうしたリークサイトの存在は、トナーの帯電不良の原因となり得る。上記基本構成を有するトナーでは、トナーコアの表面に露出する磁性粒子を、シェル層が覆っている。このため、トナーの帯電不良を抑制できる。
一般に、1成分現像剤は、2成分現像剤よりも安価で入手できるというメリットを有する。こうしたメリットを損なわないために、磁性トナーは、安価で製造できることが望ましい。上記基本構成に規定されるようなシェル層の構造(選択被覆構造)は、シェル材料の削減にとって有益である。
以下、図1〜図4を参照して、上記基本構成を有するトナーに含まれるトナー粒子の一例について説明する。図1は、トナーに含まれるトナー粒子10の断面構造を示す図である。
図1に示されるトナー粒子10は、トナー母粒子と、外添剤(複数の外添剤粒子13)とを備える。外添剤は、トナー母粒子の表面に付着している。トナー母粒子は、トナーコア11と、トナーコア11の表面に形成されたシェル層12とを備える。シェル層12は、トナーコア11の表面を部分的に覆っている。トナーコア11は、結着樹脂21と、結着樹脂21中に分散している磁性粉(複数の磁性粒子22)とを含有する。複数の磁性粒子22は、トナーコア11の全体に分散している。トナーコア11は、離型剤(複数の離型剤ドメイン23)をさらに含有する。なお、トナーコアは、離型剤及び磁性粉以外の内添剤を含有していてもよい。
図1に示すトナー粒子10では、外添剤が、シェル層12の表面に付着している外添剤粒子13と、シェル層12で覆われていないトナーコア11の表面領域に付着している外添剤粒子13との両方を含む。ただし、外添剤は、トナーコアの表面(詳しくは、シェル層で覆われていないトナーコアの表面領域)のみに付着していてもよい。図1に示すように、トナーコア11の表面で複数の外添剤粒子13が凝集して、外添剤粒子13の凝集体Rが形成されていてもよい。外添剤粒子13は、例えばシリカ粒子である。
シェル層12は、複数の島状樹脂ドメインを含む。図2は、島状樹脂ドメインの1つを拡大して示す平面図である。図2に示すように、これら島状樹脂ドメインはそれぞれ、トナーコア11の表面に露出している磁性粒子22の表面を覆っている。各島状樹脂ドメインは、例えば半球状又は円錐台状の外形を有する。トナーコア11の表面領域のうち、島状樹脂ドメインで覆われていない領域には、例えば結着樹脂21が露出している。また、島状樹脂ドメインで覆われていない領域に離型剤ドメイン23が露出していてもよい。トナーコアが、離型剤及び磁性粉以外の内添剤を含有している場合には、その内添剤が、島状樹脂ドメインで覆われていない領域に露出していてもよい。
図3は、磁性粒子22の断面を拡大して示す図である。磁性粒子22は、基体221と、カップリング剤コーティング層222とを備える。カップリング剤コーティング層222は、磁性粒子22の表層部に存在する。基体221は、例えばマグネタイト粒子である。
本願発明者は、1成分現像方式で高画質の画像を形成するためには、現像ローラーの表面に磁性トナーの均一な薄層を安定して形成することが重要であることを見出した。現像ローラーの表面で磁性トナーが凝集すると、薄層の均一性が低下する傾向がある。トナー母粒子の表面に高低差の大きい凹凸を形成することで、その凹凸により、現像ローラーの表面におけるトナーの凝集を抑制できる。例えば、外添剤によって、トナー母粒子の表面に凹凸を形成することが考えられる(後述するトナーTB−2参照)。しかし、トナー母粒子の表面に十分な凹凸(高低差の大きい凹凸)を形成するためには、粒子径の大きい外添剤(例えば、樹脂粒子)を使用する必要がある。こうした外添剤は、トナー粒子から脱離し易い。このため、外添剤の作用だけでは、トナー母粒子の表面に十分な凹凸を連続印刷において継続的に確保することは難しい。前述の基本構成を有するトナーでは、図1及び図2に示すように、シェル層12が、トナーコア11の表面領域のうち、露出した各磁性粒子22の表面を選択的に覆っている。このため、シェル層12によってトナー母粒子の表面に凹凸が形成される。外添剤として樹脂粒子を使用しなくても、シェル層12によってトナー母粒子の表面に十分な凹凸を確保できる。詳しくは、外添剤として樹脂粒子を使用しなくても、トナー母粒子のBET比表面積を1.40m/g以上1.80m/g以下にすることが可能である。こうしたトナー母粒子の表面に存在する凹凸は、スペーサーとして機能し、トナーの耐付着性を向上させると考えられる。
トナーの流動性を向上させるために、粒子径が小さい外添剤を使用することがある。こうした外添剤としては、個数平均1次粒子径5nm以上40nm以下のシリカ粒子が好ましく、個数平均1次粒子径10nm以上30nm以下のシリカ粒子が特に好ましい。シェル層によってトナー母粒子の表面に凹凸を形成することで、こうしたシリカ粒子の脱離及び埋没を抑制することができる。
シリカ粒子の脱離及び埋没を好適に抑制するためには、図4に示すような、トナーコアの表面F1からシェル層12の表面F2までの高さDが、60nm以上180nm以下であることが好ましい。トナー母粒子の表面において、シェル層12の表面F2(凸部)ではなく、トナーコアの表面F1(凹部)に存在するシリカ粒子は、シェル層12によって保護され、ストレスを受けにくくなる。
個数平均1次粒子径10nm以上30nm以下のシリカ粒子は、互いに凝集し易く、シリカ粒子の凝集体(例えば、図1に示すような凝集体R)を形成し易い。このため、外添剤として、個数平均1次粒子径10nm以上30nm以下のシリカ粒子を使用する場合には、トナーコアの表面からシェル層の表面までの高さが、シリカ粒子の個数平均1次粒子径の5倍以上であることが好ましい。シリカ粒子が凝集しても、シリカ粒子の凝集体がシェル層の表面から突出しにくくなる。
以下、トナーコアの表面からシェル層の表面までの高さを、「シェル突出量」と記載する場合がある。
結着樹脂と磁性粒子とを含むトナー材料を溶融混練し、得られた溶融混練物を粉砕することで、トナーコアを作製できる。磁性粒子の添加量を調整することで、適量の磁性粒子をトナーコアの内部に分散させるとともに、適量の磁性粒子をトナーコアの表面に露出させることができる。トナーコアの表面に露出する磁性粒子の量(詳しくは、トナーコアの表面領域のうち磁性粒子の表面が占める面積割合)は、シェル層の被覆率(面積割合)に対応する。概ねのシェル層の被覆率は、磁性粒子の添加量に基づいて制御できる。磁性粒子の添加量を増やすほどトナーコアの表面に露出する磁性粒子の量(ひいては、シェル層の被覆率)が増える傾向がある。
低温定着性及び帯電性に優れるトナーを得るためには、シェル層が、トナーコアの表面全域のうち、15%以上60%以下の面積を覆っていることが好ましい。すなわち、シェル層の被覆率が15%以上60%以下であることが好ましい。また、シェル層の被覆率が20%以上40%以下であることがより好ましい。シェル層の被覆率が100%であることは、トナーコアの表面全域がシェル層で覆われていることを意味する。シェル層の被覆率は、例えば、電界放射型走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)で撮影したトナー粒子(予め染色されたトナー粒子)の画像を解析することで測定できる。トナーコアの表面における被覆領域とそれ以外の領域(非被覆領域)とは、例えば輝度値の違いにより区別できる。
上記のようにして得たトナーコアと、シェル材料とを含む液を攪拌しながら加熱することにより、トナーコアの表面にシェル層を形成することができる。
前述の基本構成に規定されるようなシェル層の構造を得るためには、シェル材料として、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物を使用するとともに、トナーコア中の結着樹脂の等電点(以下、第1等電点と記載する場合がある)が3.0以上5.5以下であり、トナーコア中の磁性粒子の等電点(以下、第2等電点と記載する場合がある)が6.5超8.5以下であることが好ましい。第1等電点のより好ましい範囲は4.0以上5.0以下であり、第2等電点のより好ましい範囲は7.0以上8.0以下である。なお、トナーコアが複数種の結着樹脂を含む場合には、質量基準で最も多い結着樹脂の等電点が、第1等電点に相当する。また、トナーコアが複数種の磁性粒子を含む場合には、質量基準で最も多い磁性粒子の等電点が、第2等電点に相当する。
第1等電点よりも大きくて6.5以下であるpHを有する液に、トナーコアとシェル材料(詳しくは、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物)とを添加した後、その液を攪拌しながら加熱することで、アクリル酸系樹脂又はその共重合体を含有するシェル層を、トナーコアの表面に形成することができる。シェル層の形成は、弱酸性で進行し易い傾向がある。シェル層は、トナーコアの表面領域のうち、露出した磁性粒子を選択的に覆う態様で形成されると考えられる。以下、このことについて説明する。
図5に、前述の基本構成を有するトナーについて測定されたゼータ電位とpHとの関係を示す。以下、ゼータ電位とpHとの関係を示すグラフを、「ζ電位特性曲線」と記載する場合がある。図5中、線L1は、結着樹脂のζ電位特性曲線を示し、線L2は、磁性粒子のζ電位特性曲線を示す。図5に示すζ電位特性曲線は、温度23℃の水性媒体中でレーザードップラー方式の電気泳動法により測定した値である。
図5中、線L1及びL2で示されるように、結着樹脂のζ電位特性曲線も磁性粒子のζ電位特性曲線も、pHが大きくなるにつれてゼータ電位が小さくなっている。例えば、粒子の表面に水酸基(−OH)を有する場合、pHが小さくなる(酸性が強くなる)と、水酸基がプロトン化されて(−OH になって)、粒子の表面は正の電荷を帯びる傾向がある。また、pHが大きくなる(塩基性が強くなる)と、水酸基からプロトン(H)が解離し、水酸基が「−O」になって、粒子の表面は負の電荷を帯びる傾向がある。
図5中の線L1で示されるように、結着樹脂の等電点(第1等電点P1)は4.8である。図5中の線L2で示されるように、磁性粒子の等電点(第2等電点P2)は7.5である。このため、第1等電点(4.8)よりも大きく6.5以下のpHを有する液中では、図6に示すように、トナーコア11の表面において、結着樹脂21は負(−)に帯電し、磁性粒子22は正(+)に帯電する。前述のシェル材料M(詳しくは、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物)は、弱酸性の液中において負に帯電し易い。このため、シェル材料Mは、結着樹脂21とは静電的に反発し、磁性粒子22に静電的に引き付けられ易い。トナーコア11の表面領域のうち、露出した磁性粒子22の表面に対して選択的にシェル材料Mが付着し、その状態でシェル層の形成が進行する。その結果、シェル層は、トナーコア11の表面領域のうち、露出した磁性粒子22を選択的に覆う態様で形成される。
上記トナーの製法では、液中でシェル材料が負に帯電しなければならない。しかし、摩擦により正に帯電し得るシェル層が形成されなければ、十分なトナーの正帯電性を確保することが困難になる。前述の基本構成を有するトナーでは、シェル層の選択被覆構造によって、シェル層を構成する各島状樹脂ドメインに対する、摩擦の頻度、及び摩擦の強度を向上させることができる。このため、十分なトナーの正帯電性を確保できる。トナーの正帯電性をさらに向上させるためには、シェル層が、メタクリル酸メチルを50質量%以上(より好ましくは、80質量%以上)の割合で含む単量体(樹脂原料)の重合物を含有することが特に好ましい。樹脂中の短鎖アルキル基(特に、メチル基)が、樹脂の正帯電性を向上させる傾向がある。
シェル層を構成する樹脂中に炭素数3以上6以下のアルキル基を含ませることで、シェル層の被覆性が向上し、シェル層が磁性粒子の表面を均一に被覆し易くなる。また、シェル層の被覆性が向上することで、シェル層の脱離が抑制される。画像形成(特に、連続印刷)に適したトナーを得るためには、シェル層が、エステル部に炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、エステル部に炭素数3以上6以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含む単量体(樹脂原料)の重合物を含有することが好ましい。また、アクリル酸系モノマーは、安価で入手し易い。
ビニル化合物に由来する繰返し単位は、炭素二重結合「C=C」により付加重合(「C=C」→「−C−C−」)していると考えられる。ビニル化合物は、ビニル基(CH=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された基を有する化合物である。ビニル化合物の例としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、又はスチレンが挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、付加重合により下記式(1)に示す繰返し単位になって重合物を構成すると考えられる。
Figure 0006665808
式(1)中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子又はメチル基を表す。R13は、アルキル基を表す。エステル部に炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰返し単位では、R13が、炭素数1又は2のアルキル基を表す。エステル部に炭素数3以上6以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する繰返し単位では、R13が、炭素数3以上6以下のアルキル基を表す。メタクリル酸メチルに由来する繰返し単位では、R11が水素原子を表し、R12がメチル基を表し、R13がメチル基を表す。
磁性粒子の基体(例えば、強磁性物質粒子)をカップリング剤で表面処理することによって、表層部にカップリング剤コーティング層を備える磁性粒子が得られる。カップリング剤コーティング層は、磁性粒子の表面全域に存在していてもよいし、磁性粒子の表面に部分的に存在していてもよい。カップリング剤は、有機材料と結合可能な第1反応性基と、無機材料と結合可能な第2反応性基とを、1分子内に持っている。これら第1及び第2反応性基はそれぞれ、カップリング剤の中心原子に付いている。カップリング剤の中心原子の例としては、Si(珪素原子)、Al(アルミニウム原子)、Zr(ジルコニウム原子)、又はTi(チタン原子)が挙げられる。第1反応性基の例としては、不飽和炭化水素基(より具体的には、ビニル基等)、アミノ基、又はエポキシ基が挙げられる。第2反応性基の例としては、アルコキシ基、アセトキシ基、又はハロゲノ基が挙げられる。
シェル層を構成する樹脂がアクリル酸系樹脂又はその共重合体である場合、磁性粒子の表面処理剤(カップリング剤)としては、アルミネートカップリング剤が好ましい。酸化鉄粒子をアルミネートカップリング剤で表面処理することで、酸化鉄粒子の表面に、アルミニウムを含むカップリング剤コーティング層が形成される。弱酸性の液中で、アクリル酸系樹脂又はその共重合体は、負に帯電し易く、アルミニウムを含むカップリング剤コーティング層は、正に帯電し易い。このため、カップリング剤コーティング層が正に帯電すると、負に帯電したシェル材料(1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物)を引き付け易くなる。また、静電的な力により、トナーコアの表面で、磁性粒子とシェル層とが強く結合し易くなる。
一般に、トナーコアは、粉砕コア(粉砕トナーとも呼ばれる)と重合コア(ケミカルトナーとも呼ばれる)とに大別される。粉砕法で得られたトナーコアは粉砕コアに属し、凝集法で得られたトナーコアは重合コアに属する。前述の基本構成を有するトナーにおいて、トナーコアは、ポリエステル樹脂を含有する粉砕コアであることが好ましい。トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、トナーコアが、溶融混練された1種以上の結晶性ポリエステル樹脂と1種以上の非結晶性ポリエステル樹脂とを含有することが特に好ましい。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーが、前述の基本構成で規定されるトナー粒子を、80個数%以上の割合で含むことが好ましく、90個数%以上の割合で含むことがより好ましく、100個数%の割合で含むことがさらに好ましい。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナーの体積中位径(D50)が4μm以上9μm以下であることが好ましい。
次に、トナーコア(結着樹脂及び内添剤)、シェル層、及び外添剤について、順に説明する。トナーの用途に応じて必要のない成分を割愛してもよい。
[トナーコア]
(結着樹脂)
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。
結着樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。結着樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を、結着樹脂として使用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が特に好ましい。ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコール(より具体的には、以下に示すような、脂肪族ジオール、ビスフェノール、又は3価以上のアルコール等)と1種以上の多価カルボン酸(より具体的には、以下に示すような2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸等)とを縮重合させることで得られる。また、ポリエステル樹脂は、他のモノマー(多価アルコール及び多価カルボン酸のいずれでもないモノマー)に由来する繰返し単位を含んでいてもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸(より具体的には、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸等)、不飽和ジカルボン酸(より具体的には、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸等)、又はシクロアルカンジカルボン酸(より具体的には、シクロヘキサンジカルボン酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
非結晶性ポリエステル樹脂の好適な例としては、アルコール成分として、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物及び/又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物)を含み、酸成分として、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸)及び/又は不飽和ジカルボン酸(例えば、フマル酸)を含む非結晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂としては、アルコール成分として、炭素数8以上12以下のα,ω−アルカンジオール(例えば、炭素数9の1,9−ノナンジオール)を含み、酸成分として、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸)を含む結晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。
トナーコアが適度なシャープメルト性を有するためには、トナーコア中に、結晶性指数0.90以上1.50以下の結晶性ポリエステル樹脂を含有させることが好ましい。樹脂の結晶性指数は、樹脂の融点(Mp)に対する樹脂の軟化点(Tm)の比率(=Tm/Mp)に相当する。非結晶性樹脂については、明確なMpを測定できないことが多い。結晶性ポリエステル樹脂の結晶性指数は、結晶性ポリエステル樹脂を合成するための材料の種類又は使用量(配合比)を変更することで、調整できる。トナーコアは、結晶性ポリエステル樹脂を1種類だけ含有してもよいし、2種以上の結晶性ポリエステル樹脂を含有してもよい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、融点(Mp)50℃以上100℃以下の結晶性ポリエステル樹脂を含有することが特に好ましい。
十分なトナーの強度及び定着性を確保するためには、質量基準で最も多くトナーコアに含有される結着樹脂が非結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、その非結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000以上2000以下であることが好ましい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子に含まれる結晶性ポリエステル樹脂の量は、トナー母粒子中のポリエステル樹脂の総量(結晶性ポリエステル樹脂と非結晶性ポリエステル樹脂との合計量)に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
(着色剤)
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。画像形成に適したトナーを得るためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。黒色着色剤として、後述する磁性粉を用いてもよい。すなわち、トナーコアは、磁性粉以外の着色剤を含まなくてもよい。
(離型剤)
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアに負帯電性の電荷制御剤(より具体的には、有機金属錯体又はキレート化合物等)を含有させることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。また、トナーコアに正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナーコアのカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナーコアに電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
前述の基本構成を有するトナーでは、トナーコアが磁性粉(詳しくは、複数の磁性粒子を含む粉体)を含有する。トナーコアにおいて、磁性粉は、結着樹脂中に分散している。磁性粉の一部は、トナーコアの表面に露出している。磁性粒子は、表層部にカップリング剤コーティング層を備える。磁性粒子の基体(例えば、強磁性物質粒子)をカップリング剤で表面処理することによって、表層部にカップリング剤コーティング層を備える磁性粒子が得られる。好適な一例では、磁性粒子が、酸化鉄粒子を備える。そして、酸化鉄粒子の表面にカップリング剤コーティング層が存在する。
酸化鉄粒子の材料の好適な例としては、マグネタイト(スピネルフェライト)、バリウムフェライト、Mnフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、Cu−Znフェライト、又はMn−Mg−Srフェライトが挙げられる。酸化鉄粒子としては、市販品を使用してもよい。また、酸化鉄粒子を自作してもよい。
カップリング剤としては、アルミネートカップリング剤が特に好ましい。アルミネートカップリング剤の例としては、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート(より具体的には、アルミニウムエチルアセトアセテートジイソプロピレート等)、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート、又は環状アルミニウムオキサイドイソステアレートが挙げられる。これらアルミネートカップリング剤の中でも、下記式(2)で表されるアルミネートカップリング剤が特に好ましい。
Figure 0006665808
式(2)中、Rは、炭素数2以上30以下の飽和炭化水素基、又は炭素数2以上30以下の不飽和炭化水素基を表す。
画像形成に適した磁性トナーを得るためには、トナーコア中の磁性粉の量が、結着樹脂100質量部に対して、40質量部以上120質量部以下であることが好ましい。
[シェル層]
例えば、液中でトナーコアの表面に樹脂粒子を付着させて、液を加熱することで、樹脂粒子を溶かして(又は、変形させて)樹脂の膜化を進行させることができる。トナーコアの表面で膜化した樹脂の層が、シェル層に相当する。シェル層は、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体(樹脂原料)の重合物を含有することが好ましい。シェル層を構成する樹脂の好適な例としては、実質的にメタクリル酸メチル及びアクリル酸ブチルのみの重合物が挙げられる。
[外添剤]
前述の基本構成を有するトナーでは、トナー母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)が付着している。外添剤は、内添剤とは異なり、トナーコアの内部には存在せず、トナー母粒子の表面(トナー粒子の表層部)のみに選択的に存在する。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。トナー母粒子と外添剤粒子とは、互いに化学反応せず、化学的ではなく物理的に結合する。トナー母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、攪拌条件(より具体的には、攪拌時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。
トナー粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。ただし、外添剤粒子として、脂肪酸金属塩(より具体的には、ステアリン酸亜鉛等)のような有機酸化合物の粒子、又は樹脂粒子を使用してもよい。また、外添剤粒子として、複数種の材料の複合体である複合粒子を使用してもよい。1種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
[トナーの製造方法]
前述の基本構成を有するトナー(詳しくは、磁性トナー)を製造する方法は、次に示す、溶融混練工程と、粉砕工程と、シェル層形成工程とを含むことが好ましい。
溶融混練工程では、等電点3.0以上5.5以下の結着樹脂と、等電点6.5超8.5以下の磁性粒子とを含むトナー材料を溶融混練して、溶融混練物を得る。
粉砕工程では、溶融混練物を粉砕して、トナーコアを得る。
シェル層形成工程では、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物と、トナーコアとを含み、結着樹脂の等電点(第1等電点)よりも大きくて6.5以下であるpHを有する液を攪拌しながら加熱することにより、トナーコアの表面にシェル層を形成する。
(トナーコアの準備)
良質なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することが特に好ましい。
以下、粉砕法の一例について説明する。まず、等電点3.0以上5.5以下の結着樹脂と、等電点6.5超8.5以下の磁性粉と、磁性粉以外の内添剤(例えば、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤の少なくとも1つ)とを混合する。続けて、得られた混合物を溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕し、得られた粉砕物を分級する。その結果、所望の粒子径を有するトナーコアが得られる。
(シェル層の形成)
次に、得られたトナーコアの表面にシェル層を形成する。以下、シェル層の形成方法の好適な例について説明する。なお、シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、水性媒体中でシェル層を形成することが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体が溶媒として機能し、水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体が分散媒として機能し、水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。水性媒体の沸点は約100℃である。
まず、イオン交換水に酸性物質(例えば、塩酸、又はp−トルエンスルホン酸水溶液)を加えて、水性媒体のpHを、結着樹脂の等電点(第1等電点)よりも大きくて6.5以下になるように調製する。水性媒体のpHは、例えば5.7以上6.3以下であることが好ましい。
続けて、pHが調整された水性媒体に、トナーコアと、シェル材料とを添加する。シェル材料としては、例えば、アクリル酸系樹脂のサスペンションを添加する。アクリル酸系樹脂は、メタクリル酸メチルを50質量%以上の割合で含む単量体(樹脂原料)の重合物であることが好ましい。サスペンション(シェル材料)の体積中位径(D50)は、80nm以上200nm以下であることが好ましい。サスペンション(シェル材料)の粒子径が大きいほど、シェル突出量が大きくなる傾向がある。
トナーコアの表面に均一にシェル材料を付着させるためには、シェル材料を含む液中にトナーコアを高度に分散させることが好ましい。液中にトナーコアを高度に分散させるために、液中に界面活性剤を含ませてもよいし、強力な攪拌装置(例えば、プライミクス株式会社製「ハイビスディスパーミックス」)を用いて液を攪拌してもよい。界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩、又は石鹸を使用できる。
続けて、上記トナーコア及びシェル材料を含む液を攪拌しながら液の温度を所定の速度(例えば、0.1℃/分以上3℃/分以下から選ばれる速度)で所定の保持温度(例えば、45℃以上85℃以下から選ばれる温度)まで上昇させる。さらに、液を攪拌しながら液の温度を上記保持温度に所定の時間(例えば、30分間以上4時間以下から選ばれる時間)保つ。液の温度を高温に保っている間(又は、昇温中)に、トナーコアの表面にシェル材料(樹脂粒子)が付着するとともに、シェル層の固定化及び膜化が進行すると考えられる。トナーコアとシェル材料との間で結合(シェル層の固定化)が進行するとともに、トナーコアの表面で樹脂粒子が2次元的に連なって、粒状感のある膜(シェル層)が形成される。液中でトナーコアの表面にシェル層が形成されることで、トナー母粒子の分散液が得られる。
上記のようにしてシェル層を形成した後、トナー母粒子の分散液を、例えば常温(約25℃)まで冷却する。続けて、例えばブフナー漏斗を用いて、トナー母粒子の分散液をろ過する。これにより、トナー母粒子が液から分離(固液分離)され、ウェットケーキ状のトナー母粒子が得られる。続けて、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子を洗浄する。続けて、洗浄されたトナー母粒子を乾燥する。
混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、トナー母粒子に外添剤が埋没しないような条件でトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤(例えば、シリカ粒子)を付着させる。なお、乾燥工程でスプレードライヤーを用いる場合には、外添剤(例えば、シリカ粒子)の分散液をトナー母粒子に噴霧することで、乾燥工程と外添工程とを同時に行うことができる。こうして、トナー粒子を多数含むトナーが製造される。
なお、上記トナーの製造方法の内容及び順序はそれぞれ、要求されるトナーの構成又は特性等に応じて任意に変更することができる。例えば、シェル材料を、一度に液に添加してもよいし、複数回に分けて液に添加してもよい。また、外添工程の後で、トナーを篩別してもよい。また、必要のない工程は割愛してもよい。例えば、市販品をそのまま材料として用いることができる場合には、市販品を用いることで、その材料を調製する工程を割愛できる。樹脂を合成する場合、樹脂を合成するための材料としては、モノマーを使用してもよいし、プレポリマーを使用してもよい。また、所定の化合物を得るために、原料として、その化合物の塩、エステル、水和物、又は無水物を使用してもよい。効率的にトナーを製造するためには、多数のトナー粒子を同時に形成することが好ましい。同時に製造されたトナー粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2(それぞれ正帯電性を有する磁性トナー)を示す。また、表1に示されるトナーの製造に用いられる磁性粉(磁性粉M−1及びM−2)を、表2に示す。
Figure 0006665808
Figure 0006665808
以下、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。また、個数平均1次粒子径の測定値は、何ら規定していなければ、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて粒子を撮影して測定した値である。
[材料の準備]
(結晶性ポリエステル樹脂の合成)
温度計、ガラス製の窒素導入管、攪拌装置(ステンレススチール製の攪拌羽根)、及び流下式コンデンサー(熱交換器)を備えた容量1Lのフラスコ内に、テレフタル酸(濃度0.945mol/L)390gと、1,9−ノナンジオール(濃度1.0mol/L)325.5gと、5−スルホイソフタル酸ナトリウム3.7g(0.1mol)と、2−エチルヘキサン酸錫(II)1.6gとを入れた。続けて、フラスコ内を窒素雰囲気にした後、フラスコ内の温度を200℃に昇温させた。そして、窒素雰囲気かつ温度200℃の条件で、フラスコ内容物を攪拌しながら3時間反応(詳しくは、縮合反応)させた。続けて、フラスコ内を減圧し、減圧雰囲気(圧力8.0kPa)かつ温度220℃の条件で、フラスコ内容物を攪拌しながら2時間反応(縮重合反応)させた。その後、フラスコ内容物を、ステンレススチール製の容器(バット)に取り出して、室温環境で温度25℃まで冷却して、結晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂の結晶性指数は0.90以上1.50以下であった。
(磁性粉M−1の作製)
硫酸第1鉄塩水溶液と、鉄イオンに対して約0.9当量の水酸化ナトリウム水溶液とを、反応容器に入れて混合した。続けて、容器内容物を温度90℃まで加熱して、pH9かつ温度90℃の条件で、種結晶を生成させるためのスラリーを調製した。
続けて、得られたスラリー中のアルカリ量(前述の水酸化ナトリウム水溶液のナトリウム成分)に対して約1.0当量の硫酸第1鉄塩水溶液を、反応容器に加えた。その後、容器内容物のpHを8に維持し、容器内に空気を吹き込んで、容器内の第1鉄塩の酸化反応を進行させた。さらに、酸化反応の終期にpHを6に調整し、アルミネートカップリング剤(アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート:味の素株式会社製「プレンアクト(登録商標)AL−M」)を0.6質量部添加した。そして、容器内容物を十分攪拌して、酸化鉄粒子(詳しくは、マグネタイト粒子)の表面に、アルミニウムを含むカップリング剤コーティング層を形成した。その結果、表層部にカップリング剤コーティング層を備える磁性粒子(粉体)が得られた。
その後、得られた磁性粒子(粉体)を、洗浄、濾過、及び乾燥して、磁性粒子の凝集物を得た。続けて、得られた凝集物を解砕して、多数の磁性粒子を含む磁性粉M−1を得た。
(磁性粉M−2の作製)
磁性粉M−2の作製方法は、酸化鉄粒子(マグネタイト粒子)の表面処理を行わなかったこと以外は、磁性粉M−1の作製方法と同じであった。すなわち、磁性粉M−2の作製では、アルミネートカップリング剤を添加しなかった。磁性粉M−2に含まれる磁性粒子は、カップリング剤コーティング層を備えていなかった。
上記のようにして得られた磁性粉M−1及びM−2の各々に関して、ζ電位特性曲線(ゼータ電位とpHとの関係)を測定した結果は、表2に示すとおりであった。例えば、磁性粉M−1に関して、ζ電位特性曲線を測定したところ、等電点は7.5であり、pHが等電点よりも小さい領域ではゼータ電位が正であり、pHが等電点よりも大きい領域ではゼータ電位が負であった。また、磁性粉M−2に関して、ζ電位特性曲線を測定したところ、等電点は6.2であり、pHが等電点よりも小さい領域ではゼータ電位が正であり、pHが等電点よりも大きい領域ではゼータ電位が負であった。ζ電位特性曲線(縦軸:ゼータ電位、横軸:pH)の測定方法は、以下のとおりであった。
<ζ電位特性曲線の測定方法>
イオン交換水99.9gに、磁性粉(測定対象:磁性粉M−1又はM−2)1gと、ノニオン界面活性剤(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)120」、成分:ポリオキシエチレンラウリルエーテル)の濃度10質量%水溶液0.1gとを入れた。続けて、その液に対して、超音波液体混合装置(アズワン株式会社販売「スーパーソニックVS−F100」、高周波出力:最大100W、発振周波数:50kHz)を用いて3分間の超音波処理を行って、液中に磁性粉を分散させた。続けて、得られた磁性粉の分散液のpHを所定のpHに調整し、pHが調整された磁性粉の分散液を得た。続けて、pHが調整された磁性粉の分散液について、電気泳動法(より詳しくは、レーザードップラー方式の電気泳動法)により、温度23℃の条件で磁性粉のゼータ電位を測定した。測定装置には、レーザードップラー方式のゼータ電位計(大塚電子株式会社製「ELSZ−1000」)を用いた。
測定pH範囲は、3.0以上7.0以下であった。まず、希塩酸を用いて磁性粉分散液のpHを3.0に調整して、磁性粉のゼータ電位を測定した。続けて、水酸化ナトリウムを用いて0.5ずつ磁性粉分散液のpHを大きくして、3.0以上7.0以下のpH範囲について、各pHにおける磁性粉のゼータ電位を測定した。各pH(3.0、3.5、…、6.5、7.0)で、1つの測定対象(磁性粉)につき3回測定し、得られた3つの測定値の算術平均を、その測定対象(磁性粉)の評価値(ゼータ電位)とした。
(シェル材料:サスペンションSの調製)
温度計、窒素導入管、攪拌装置、加熱装置、及び冷却装置を備えた容量1Lの反応容器内に、イオン交換水500mLと、カチオン界面活性剤(花王株式会社製「コータミン(登録商標)24P」、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド25質量%水溶液)3.2gとを入れた。続けて、窒素導入管を通じて容器内に窒素ガスを導入し、容器内を窒素雰囲気(不活性雰囲気)にした。続けて、窒素雰囲気で、容器内容物を攪拌しながら温度90℃まで昇温させた。昇温完了後、濃度1.2質量%過硫酸カリウム水溶液(重合開始剤)110gと、イオン交換水200gとを、容器内に添加した。その後、アクリル酸n−ブチル18gと、メタクリル酸メチル195gと、連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)4.0gとの混合物を、容器内に90分間かけて一定速度で滴下した。滴下完了後、容器内の温度を90℃にさらに2時間保って、容器内容物を重合させた。その結果、樹脂微粒子を含むサスペンション(以下、サスペンションSと記載する)が得られた。得られたサスペンションSに含まれる樹脂微粒子に関して、体積中位径(D50)は92nmであった。樹脂微粒子を構成する樹脂は、91.5質量%(=100×195/(195+18))の割合でメタクリル酸メチルを含んでいた。
(シェル材料:サスペンションSの調製)
サスペンションSの調製方法は、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の添加量を3.2gから2.4gに変更した以外は、サスペンションSの調製方法と同じであった。得られたサスペンションSの体積中位径(D50)は133nmであった。
(シェル材料:サスペンションSの調製)
サスペンションSの調製方法は、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の添加量を3.2gから1.6gに変更した以外は、サスペンションSの調製方法と同じであった。得られたサスペンションSの体積中位径(D50)は174nmであった。
(シェル材料:サスペンションSの調製)
サスペンションSの調製方法は、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の添加量を3.2gから4.0gに変更した以外は、サスペンションSの調製方法と同じであった。得られたサスペンションSの体積中位径(D50)は82nmであった。
(シェル材料:サスペンションSの調製)
サスペンションSの調製方法は、カチオン界面活性剤(コータミン24P)の添加量を3.2gから1.4gに変更した以外は、サスペンションSの調製方法と同じであった。得られたサスペンションSの体積中位径(D50)は183nmであった。
(トナーコアC−1の作製)
非結晶性ポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「ポリエスター(登録商標)HP−313」)48質量部と、前述の手順で合成した結晶性ポリエステル樹脂3質量部と、磁性粉(前述の手順で作製した磁性粉M−1)40質量部と、第1電荷制御剤(ニグロシン染料:オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)1質量部と、第2電荷制御剤(ポリマー型正帯電性電荷制御剤:藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−207P」)5質量部と、カルナバワックス(東亜化成株式会社製)3質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて混合した。なお、前述の方法でζ電位特性曲線を測定したところ、上記非結晶性ポリエステル樹脂の等電点は4.8であった。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(旧東亜機械製作所製「ロートプレックス16/8型」)を用いて、設定粒子径2mmの条件で粗粉砕した。さらに、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル RS型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(コアンダ効果を利用した風力分級機:日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)8.0μmのトナーコアC−1(粉体)が得られた。トナーコアC−1中の磁性粉の量は、結着樹脂(非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂)100質量部に対して78.4質量部(=40×100/(48+3))であった。
(トナーコアC−2の作製)
トナーコアC−2の作製方法は、磁性粉M−1の代わりに磁性粉M−2を使用した以外は、トナーコアC−1の作製方法と同じであった。得られたトナーコアC−2の体積中位径(D50)は8.0μmであった。
[トナーの製造方法]
(シェル層形成工程)
温度25℃かつ湿度50%RHの環境下、混合装置(プライミクス株式会社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)を用いて、イオン交換水500mLと、表1に示すトナーコア(各トナーに定められたトナーコアC−1又はC−2)とを、回転速度50rpmで30分間攪拌して、コア分散液を得た。例えば、トナーTB−1及びTB−2の各々の製造ではそれぞれトナーコアC−2を使用し、他のトナーの製造ではそれぞれトナーコアC−1を使用した。
上記混合装置(T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型)の容器内に、0.5N−希塩酸を加えて、コア分散液のpHを6に調整した。続けて、その容器内に、表1に示すシェル材料(各トナーに定められたサスペンションS〜Sのいずれか)100gをさらに加えた。例えば、トナーTA−1の製造では、サスペンションSを添加した(表1参照)。続けて、温度25℃かつ湿度50%RHの環境下、上記混合装置(T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型)を用いて、回転速度50rpmで容器内容物を5分間攪拌して、トナーコアの表面にシェル材料を付着させた。続けて、上記混合装置(T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型)の容器内容物を、温度計及び攪拌装置(モーターで回転可能な攪拌羽根)を備えた容量1Lのセパラブルフラスコに移した。
続けて、フラスコ内容物を回転速度100rpmで攪拌しながら、フラスコ内の温度を0.33℃/分の速度で70℃まで昇温させた。昇温開始時のフラスコ内の温度は30℃であった。
昇温完了後、フラスコ内容物を回転速度100rpmで攪拌しながら、フラスコ内容物の温度を70℃に、さらに30分間保った。その結果、トナー母粒子の分散液が得られた。その後、水酸化ナトリウムを用いてトナー母粒子の分散液のpHを7に調整(中和)し、トナー母粒子の分散液を常温(約25℃)まで冷却した。
(洗浄工程)
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
(乾燥工程)
続けて、得られたトナー母粒子を、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m/分の条件で乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。
トナーTA−1〜TA−5及びTB−1の各々の製造では、トナー母粒子の表面に下記外添工程Aで外添剤(シリカ粒子及び酸化チタン粒子)を付着させた(表1参照)。トナーTB−2の製造では、トナー母粒子の表面に下記外添工程Bで外添剤(シリカ粒子、酸化チタン粒子、及び樹脂粒子)を付着させた(表1参照)。
(外添工程A)
トナー母粒子100質量部と、正帯電性シリカ粒子(表面処理により正帯電性が付与された乾式シリカ粒子:日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA200」、個数平均1次粒子径:約12nm)1.0質量部と、酸化チタン粒子(テイカ株式会社製「MT−500B」、内容:未処理の酸化チタン微粒子、個数平均1次粒子径35nm)1.0質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて回転速度3500rpmで5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及び酸化チタン粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーTA−1〜TA−5及びTB−1が得られた。
(外添工程B)
トナー母粒子100質量部と、正帯電性シリカ粒子(表面処理により正帯電性が付与された乾式シリカ粒子:日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA200」、個数平均1次粒子径:約12nm)1.0質量部と、酸化チタン粒子(テイカ株式会社製「MT−500B」、内容:未処理の酸化チタン微粒子、個数平均1次粒子径35nm)1.0質量部と、樹脂粒子(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「ファインスフェア(登録商標)FS−102」、成分:非架橋スチレン−アクリル酸樹脂、体積中位径(D50):約100nm)1.0質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて回転速度3500rpmで5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子、酸化チタン粒子、及び樹脂粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーTB−2が得られた。
上記のようにして得られたトナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2の各々に関して、走査型電子顕微鏡(SEM)及び透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナー粒子の表面及び断面を観察した。
表1中の「選択被覆」が「○」になっているトナー(すなわち、トナーTA−1〜TA−5)ではそれぞれ、トナーコアの表面に複数の磁性粒子が露出しており、トナーコアの表面領域のうち、その露出した各磁性粒子の表面を、シェル層が選択的に覆っていた。トナーコアの表面領域のうち、磁性粒子が露出していない領域は、実質的にシェル層で覆われていなかった。トナーTA−1〜TA−5の各々では、トナーコアの表面に露出する磁性粒子がシェル層で覆われていなかった。
表1中の「選択被覆」が「×」になっているトナー(すなわち、トナーTB−1〜TB−2)ではそれぞれ、トナーコアの表面にシェル層が実質的に形成されていなかった。シェル層形成工程において、十分な強さでシェル層がトナーコアに結合しなかったと考えられる。トナーTB−1〜TB−2の各々では、トナーコアの表面に露出する磁性粒子がシェル層で覆われていなかった。
上記のようにして得られたトナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2の各々に関して、シェル突出量(トナーコアの表面からシェル層の表面までの高さ)を測定した。その測定結果は、表1中の「突出量」に示すとおりであった。例えば、トナーTA−1では、シェル突出量が80nmであった。シェル突出量の測定方法は、以下のとおりであった。
(シェル突出量の測定方法)
測定装置として、走査型プローブ顕微鏡(SPM)(株式会社日立ハイテクサイエンス製「多機能型ユニットAFM5200S」)を備えたSPMプローブステーション(株式会社日立ハイテクサイエンス製「NanoNaviReal」)を使用した。トナー粒子を切断せずにそのまま測定装置の測定台にセットし、次の測定条件でトナー粒子の表面の形状像を得た。
(SPM測定条件)
・測定ユニットの可動範囲(測定できるサンプルの大きさ):100μm(Small Unit)
・測定探針:低バネ定数シリコンカンチレバー(オリンパス株式会社製「OMCL−AC240TS−C3」、バネ定数:2N/m、共振周波数:70kHz、背面反射コート材:アルミニウム)
・測定モード:SIS−DFM(SIS:サンプリング・インテリジェント・スキャン、DFM:ダイナミック・フォース・モード)
・測定範囲(1つの視野):1μm×1μm
・解像度(Xデータ/Yデータ):256/256
上記測定モード(SIS−DFM)により、カンチレバー(先端部:探針)を共振させた状態で、振動するカンチレバーの振幅が一定になるように探針と測定対象との間の距離を制御しながら形状像を得た。得られた形状像を1次傾き補正して、補正後の画像に基づいて、シェル層に含まれる島状樹脂ドメイン(詳しくは、円錐台状のドメイン)の、トナーコアの表面からの高さを計測した。1つのトナー粒子について視野を変えながら任意に5個のドメインを選択し、選択された5個のドメインについてそれぞれ、ドメインの高さ(図4に示される高さD)を測定した。試料(トナー)に含まれる10個のトナー粒子についてそれぞれ5個の高さDを測定した。得られた50個の高さDの測定値の算術平均を、試料(トナー)の評価値(シェル突出量)とした。
上記のようにして得られたトナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2の各々に関して、全自動BET比表面積測定装置(株式会社マウンテック製「Macsorb(登録商標)HM MODEL−1208」)を用いてトナー粒子のBET比表面積を測定した。その測定結果は、表1中の「BET比表面積」に示すとおりであった。例えば、トナーTA−1では、トナー粒子のBET比表面積が1.45m/gであった。
[評価方法]
各試料(トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2)の評価方法は、以下の通りである。
(帯電安定性)
トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2のいずれか)を、常温常湿環境(温度23℃かつ湿度50%RHの環境)下で24時間静置して、第1評価用トナーを得た。トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2のいずれか)を、高温高湿環境(温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境)下で24時間静置して、第2評価用トナーを得た。
続けて、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)を用いて、第1評価用トナー及び第2評価用トナーの各々の帯電量(単位:μC/g)を測定した。第1評価用トナーの帯電量Qと、第2評価用トナーの帯電量Qとから、次の式に基づいて帯電量変化率QAB(単位:%)を求めた。
帯電量変化率QAB=100×|Q−Q|/Q
帯電量変化率QABが13%未満であれば○(良い)と評価し、帯電量変化率QABが13%以上であれば×(良くない)と評価した。
(耐刷試験)
評価機としては、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着装置(ニップ幅8mm)を有するモノクロプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「ECOSYS(登録商標)FS−1370DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。1成分現像剤(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2のいずれか)を評価機の現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2のいずれか)を評価機のトナーコンテナに投入した。
温度23.5℃かつ湿度50%RHの環境下において印字率4%で5000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行う第1耐刷試験を行った。その後、高温高湿環境(温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境)下で12時間静置した。続けて、温度32.5℃かつ湿度80%RHの環境下において印字率4%で10000枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行う第2耐刷試験を行った。
(耐久性:BET比表面積)
前述の耐刷試験を行って、トナーのBET比表面積を評価した。詳しくは、第1耐刷試験と、高温高湿環境下での静置と、第2耐刷試験とを行った後、評価機のクリーニングブレードの先端付近に溜まったトナーを採取した。そして、このトナーに含まれるトナー粒子のBET比表面積を、全自動BET比表面積測定装置(株式会社マウンテック製「Macsorb(登録商標)HM MODEL−1208」)を用いて測定した。こうして測定されたBET比表面積X(表3中の「耐刷後」に示す値)を、初期トナーのBET比表面積X(表1に示す値)と比較して、BET比表面積の変化率を求めた。BET比表面積の変化率は、次に示す式で表される。
BET比表面積の変化率=100×|X−X|/X
BET比表面積の変化率が10%未満であり、かつ、BET比表面積Xが1.25以上であれば、◎(非常に良い)と評価した。BET比表面積の変化率が10%以上であり、かつ、BET比表面積Xが1.25以上であれば、○(良い)と評価した。BET比表面積の変化率が10%以上であり、かつ、BET比表面積Xが1.25未満であれば、×(悪い)と評価した。
(耐久性:帯電量変化)
前述の耐刷試験を行って、トナーの帯電量変化を評価した。詳しくは、第1耐刷試験中、100枚印刷したタイミングで、評価機の現像ローラー上のトナーを採取して、第3評価用トナーを得た。また、第2耐刷試験が完了したタイミングで、評価機の現像ローラー上のトナーを採取して、第4評価用トナーを得た。
続けて、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)を用いて、第3評価用トナー及び第4評価用トナーの各々の帯電量(単位:μC/g)を測定した。第3評価用トナーの帯電量Qと、第4評価用トナーの帯電量Qとから、次の式に基づいて帯電量変化率QCD(単位:%)を求めた。
帯電量変化率QCD=100×|Q−Q|/Q
帯電量変化率QCDが30%未満であれば○(良い)と評価し、帯電量変化率QCDが30%以上であれば×(良くない)と評価した。
(耐久性:フィルミング)
前述の耐刷試験を行って、トナーの耐フィルミング性を評価した。詳しくは、第2耐刷試験中、1000枚ごとに、紙(A4サイズの普通紙)の全面に印字率50%のハーフトーン画像を出力した。得られたハーフトーン画像中に、色点及び画像抜けがないか、目視で確認した。また、ハーフトーン画像形成後に、評価機の感光体の表面にトナー成分の付着がないか目視で確認した。目視での観察結果に基づいて、下記の基準で、トナーの耐フィルミング性を評価した。
○(良い):ハーフトーン画像中に色点及び画像抜けがなく、かつ、感光体の表面にトナー成分の付着物が存在しなかった。
△(普通):ハーフトーン画像中に色点及び画像抜けがなく、かつ、感光体の表面にトナー成分の付着物が存在した。
×(悪い):ハーフトーン画像中に色点若しくは画像抜けがあり、かつ、感光体の表面にトナー成分の付着物が存在した。
[評価結果]
トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−2の各々について、帯電安定性(帯電量変化率)、耐久性(BET比表面積、帯電量変化、及びフィルミング)を評価した結果を、表3に示す。
Figure 0006665808
トナーTA−1〜TA−5(実施例1〜5に係る磁性トナー)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、トナーTA−1〜TA−5はそれぞれ、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含んでいた。トナー母粒子は、トナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備えていた。トナーコアは、結着樹脂と、結着樹脂中に分散している磁性粉とを含んでいた。トナーコア中の複数の磁性粒子はそれぞれ、表層部にカップリング剤コーティング層(詳しくは、アルミニウムを含むカップリング剤コーティング層)を備えていた(表1及び表2参照)。複数の磁性粒子のうち一部の磁性粒子は、トナーコアの表面に露出していた。シェル層は、トナーコアの表面領域のうち、露出した磁性粒子を選択的に覆っていた(表1参照)。
表3に示されるように、トナーTA−1〜TA−5はそれぞれ、連続印刷に耐え得る耐久性を有していた。トナーTA−1〜TA−5の各々を用いた連続印刷では、トナーの帯電量の変動と、外添剤の脱離及び埋没と、トナーのフィルミングとを抑制しつつ、継続的に高画質の画像を形成することができた。
本発明に係る磁性トナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナーコア
12 シェル層
13 外添剤粒子
21 結着樹脂
22 磁性粒子
23 離型剤ドメイン
221 基体
222 カップリング剤コーティング層
M シェル材料

Claims (9)

  1. トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子を、複数含む磁性トナーであって、
    前記トナー母粒子は、コアと、前記コアの表面を覆うシェル層とを備え、
    前記コアは、結着樹脂と、前記結着樹脂中に分散している磁性粉とを含有し、
    前記磁性粉は、表層部にカップリング剤コーティング層を備える磁性粒子を、複数含み、
    前記複数の磁性粒子は、前記コアの表面に露出する前記磁性粒子を含み、
    前記シェル層は、前記コアの表面領域のうち、前記露出した磁性粒子を選択的に覆っている、磁性トナー。
  2. 前記外添剤は、樹脂粒子を含まず、
    前記トナー母粒子のBET比表面積が1.40m2/g以上1.80m2/g以下である、請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 前記外添剤は、個数平均1次粒子径5nm以上40nm以下のシリカ粒子を含み、
    前記コアの表面から前記シェル層の表面までの高さは、60nm以上180nm以下である、請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 前記外添剤は、個数平均1次粒子径10nm以上30nm以下のシリカ粒子を含み、
    前記コアの表面から前記シェル層の表面までの高さは、前記シリカ粒子の個数平均1次粒子径の5倍以上である、請求項3に記載の磁性トナー。
  5. 前記結着樹脂の等電点は、3.0以上5.5以下であり、
    前記磁性粒子の等電点は、6.5超8.5以下であり、
    前記シェル層は、1種以上のアクリル酸系モノマーを含む単量体の重合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  6. 前記複数の磁性粒子はそれぞれ、酸化鉄粒子と、前記酸化鉄粒子の表面に存在するカップリング剤コーティング層とを備え、
    前記カップリング剤コーティング層は、アルミニウムを含む、請求項5に記載の磁性トナー。
  7. 前記シェル層に含有される前記重合物は、エステル部に炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、エステル部に炭素数3以上6以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含む単量体の重合物である、請求項5又は6に記載の磁性トナー。
  8. 前記シェル層に含有される前記重合物は、メタクリル酸メチルを50質量%以上の割合で含む単量体の重合物である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  9. 正帯電性トナーである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の磁性トナー。
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