JPH0881569A - マット化フィルムおよび積層体 - Google Patents

マット化フィルムおよび積層体

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JPH0881569A
JPH0881569A JP22032994A JP22032994A JPH0881569A JP H0881569 A JPH0881569 A JP H0881569A JP 22032994 A JP22032994 A JP 22032994A JP 22032994 A JP22032994 A JP 22032994A JP H0881569 A JPH0881569 A JP H0881569A
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acid group
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Nariaki Fujii
就明 藤井
Kaoru Ikeda
薫 池田
Shigeyuki Harita
滋行 榛田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】EVOH(a)を40〜90重量%およびホウ
素含有基を有するポリオレフィン(b)10〜60重量
%からなる組成物、または、前記(a)40〜90重量
%、(b)5〜30重量%に熱可塑性樹脂(c)あるい
は無機フィラー(d)を5〜30重量%配合した組成物
からなり、かつ少なくとも片面の表面光沢度が50%以
下のマット化フィルムおよびそれを用いた積層体。 【効果】本発明によれば、汚れ防止機能が優れ、とくに
無機フィラーを用いた場合、加熱時に艶消しの戻りにく
い安価なマット化フィルムが得られ、壁紙として、また
ガスバリアー性の要求される和紙の代替物として有用で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マット化フィルム、特
に加熱時に艶消しが戻りにくい安価なマット化フィルム
および積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、壁紙はポリ塩化ビニル樹脂層を含
む物が知られている。しかしこれらポリ塩化ビニル樹脂
層を含む壁紙、一般家庭、飲食店、工場、電車、自動車
などの天井材、壁面材、床材などに用いられる化粧板、
家具、事務機などに用いられる塩ビ鋼板(以下これらを
壁紙類と総称する)は、たばこの煙、手垢、落書き、各
種食品中の色素などで汚染されやすい。またポリ塩化ビ
ニル樹脂用の可塑剤が、壁紙類の表面にブリードする。
このブリードした可塑剤に埃が付着し、壁紙類はさらに
汚れ易くなるという問題がある。また和菓子や防虫剤、
石鹸などの包装において和紙の代替物として各種マット
化フィルムが用いられているが、ガスバリアー性が不足
するためガスバリアー性の改善が求められている。
【0003】特開昭58−23973号などに示されて
いる様に、アクリル樹脂フィルムを、塩ビ壁紙にラミネ
ートした耐汚染性壁紙が知られている。しかしこれらの
壁紙では、ラミネートしていない塩ビ壁紙に比べ耐汚染
性は優れてはいるものの、完全とは言い難く、特にラミ
ネート後長期間経過した場合にその傾向が大きくなる問
題がある。さらにアクリル樹脂フィルムは、耐薬品性に
劣り、特にエステル類、ケトン類、芳香族化合物などに
侵され易いため、汚れの拭き取りに注意を払う必要があ
り、満足できるものではない。
【0004】特開昭60−135225号および特開昭
60−195129号にはタルクをアクリル樹脂にブレ
ンドしたマット化フィルムに関する記述があるが、艶消
し効果が不十分であり、やはり前記した問題点がある。
【0005】実開昭59−172797号に示されてい
る様に、エチレンビニルアルコール共重合体(以下EV
OHと称す)のフィルムを、塩ビ壁紙にラミネートした
耐汚染性壁紙が知られている。この壁紙は、耐薬品性と
可塑剤遮断性に優れており、ラミネートしていない塩ビ
壁紙に比べ耐汚染性が優れている。さらにEVOHのフ
ィルムは、電気抵抗が比較的小さく、静電気を帯びにく
いので、壁紙の表面に埃が付きにくいと言う利点もあ
る。しかし、EVOHは表面光沢度が高く、エンボス加
工をしてもなお光沢度が高いため、EVOH系のマット
化フィルムが要求されている。
【0006】特開昭60−224542号、特開昭60
−239233号、特開昭60−242053号および
特開昭62−15265号にも、EVOHがポリ塩化ビ
ニル樹脂用の可塑剤の遮断性に優れており、EVOHを
ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断に用いることによ
り、耐汚染性が改善できることが記載されている。しか
し上記特開昭にも、マット化フィルムに関する記述は全
く無い。
【0007】特公昭51−21822号、特開昭61−
242841号および特開昭62−143980号には
EVOHと無機フィラーのブレンド物に関する記述があ
るが、耐汚染性、マット化フィルムに関する記述は無
い。
【0008】特開昭64−74252および特開平1−
166951号にはEVOHとカルボン酸変性ポリエチ
レン樹脂(以下CMPEと略称する)からなるマット化
フィルムとポリ塩化ビニルとの積層体に関する記述があ
る。しかし、EVOHとCMPE共に高価であり、安価
なマット化フィルムが要望されている。またエンボス加
工のための加熱時に艶消しが戻りやすいという欠点があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、汚れ防止機能を有し、特に加熱時に艶消しが戻りに
くい安価なマット化フィルム、とくに壁紙類が強く求め
られている。また和紙の代替物として、ガスバリアー性
が良好なマット化フィルムが求められている。
【0010】しかして、本発明は上記のような従来技術
の欠点を解消するために創案されたものであり、ポリ塩
化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断機性、汚れ防止機能など
を合せ有し、特に加熱時に艶消しが戻りにくい安価なマ
ット化フィルム、および該積層体、とくに壁紙類や和紙
代替のガスバリアー性が良好なマット化フィルムを得る
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、EVOH
(a)40〜90重量%、ボロン酸基、ボリン酸基、水
の存在下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素
含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポ
リオレフィン(b)10〜60重量%からなる組成物、
または(a)40〜90重量%、(b)5〜30重量%
および熱可塑性樹脂(c)5〜30重量%からなる組成
物、または(a)40〜90重量%、(b)5〜30重
量%および無機フィラー(d)5〜30重量%からなる
組成物からなり、かつ少なくとも片面の表面光沢度が5
0%以下のマット化フィルムを提供することによって達
成される。また該マット化フィルムを可塑剤を含有する
ポリ塩化ビニル樹脂層などの基材の少なくとも片面に、
特に最外層に積層した積層体や、該マットフィルムを各
種基材と積層した包装材料を提供することによって達成
される。
【0012】本発明において、EVOHとはエチレン−
ビニルエステル共重合体けん化物であり、エチレン含有
率が20〜65モル%、好ましくは25〜60モル%、
ビニルエステル成分のけん化度が90モル%以上、好ま
しくは95モル%以上の物が好適に使用される。エチレ
ン含有率が20モル%未満では耐水性に劣り、65モル
%を超えると耐油性とガスバリアー性が劣ってきて、油
性の汚染物質が浸透し易く、耐汚染性に劣り好ましくな
い。ビニルエステル成分のけん化度が90モル%未満で
も耐油性とガスバリアー性が劣ってきて、油性の汚染物
質が浸透し易く、やはり耐汚染性に劣り好ましくない。
EVOHの原料に用いられるビニルエステルとしては、
経済性より酢酸ビニルが望ましい。このEVOHにエチ
レン、ビニルエステル以外のコモノマー成分を本発明の
目的を阻害しない範囲で使用することができる。
【0013】EVOHはエチレン含有率やけん化度や重
合度の異なる2種以上のEVOHの組成物であっても良
く、本発明を阻害しない範囲で、ホウ酸、酸化防止剤、
スリップ剤、着色剤、消臭剤、抗菌剤、ポリアミド、ポ
リオレフィンなどの熱可塑性樹脂をブレンドしても良
い。
【0014】本発明におけるボロン酸基、ボリン酸基、
水の存在下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ
素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する
ポリオレフィン(b)(以下B−POと称す)とは、詳
しくは、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在下でボロン
酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基からなる郡
より選ばれる少なくとも一つの官能基がホウ素−炭素結
合により主鎖、側鎖または末端に結合したポリオレフィ
ンである。このうち、前記官能基が側鎖または末端に結
合したポリオレフィンが好ましく、末端に結合したポリ
オレフィンが最適である。ここで末端とは片末端または
両末端を意味する。また、ホウ素−炭素結合の炭素は後
述するポリオレフィンのベースポリマーに由来するも
の、あるいはベースポリマーに反応させるホウ素化合物
に由来するものである。ホウ素−炭素結合の好適な例と
しては、ホウ素と主鎖あるいは末端あるいは側鎖のアル
キレン基との結合があげられる。本発明においてボロン
酸基を有するポリオレフィンが好適であるので、以下こ
の点につき説明する。
【0015】本発明においてボロン酸基とは、下記に示
されるものである。
【0016】
【化1】
【0017】また水の存在下でボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基(以下単にホウ素含有基と略記する)とし
ては、水の存在下で加水分解を受けて上記式(I)で示
されるボロン酸基に転化しうるホウ素含有基であれば、
どのようなものでもよいが、代表例として下記一般式
(II)で示されるボロン酸エステル基、下記一般式(II
I )で示されるボロン酸無水物基、下記一般式(IV)で
示されるボロン酸塩基があげられる。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】{式中、X,Yは水素原子、脂肪族炭化水
素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表わし、
X,Yは同じ基でもよいし、異なっていてもよい。また
XとYは結合していてもよい。ただしX,Yがともに水
素原子である場合は除かれる。またR1 、R2 、R3 は
上記X,Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表わし、R1 、R2
、R3 は同じ基でもよいし、異なっていてもよい。ま
たMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表わす。
また上記のX,Y,R1 、R2 、R3 には他の基、たと
えばカルボキシル基、ハロゲン原子などを有していても
よい。}
【0022】一般式(II)〜(IV)で示されるボロン酸
エステル基の具体例としてはボロン酸ジメチルエステル
基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピル
エステル基、ボロン酸ジイソプロピルエステル基、ボロ
ン酸ジブチルエステル基、ボロン酸ジヘキシルエステル
基、ボロン酸ジシクロヘキシル基、ボロン酸エチレング
リコールエステル基、ボロン酸プロピレングリコールエ
ステル基(ボロン酸1,2−プロパンジオールエステル
基、ボロン酸1,3−プロパンジオールエステル基)、
ボロン酸トリメチレングリコールエステル基、ボロン酸
ネオペンチルグリコールエステル基、ボロン酸カテコー
ルエステル基、ボロン酸グリセリンエステル基、ボロン
酸トリメチロールエタンエステル基等のボロン酸エステ
ル基;ボロン酸無水物基;ボロン酸のアルカリ金属塩
基、ボロン酸のアルカリ土類金属塩基等が挙げられる。
【0023】前記の官能基の中でもとくにボロン酸エチ
レングリコールエステル基などのボロン酸エステル基が
EVOH(a)との相溶性の点から好ましい。なお前記
の水の存在下でボロン酸基に転化しうるホウ素含有基と
は、ポリオレフィンを、水または水と有機溶媒(トルエ
ン、キシレン、アセトンなど)との混合液体中で、反応
時間10分〜2時間、反応温度室温〜150℃の条件下
に加水分解した場合に、ボロン酸基またはボリン酸基に
転化しうる基を意味する。
【0024】前記官能基の含有量は特に制限はないが、
0.0001〜1meq/g(ミリ当量/g)が好まし
く、特に、0.001〜0.1meq/gが好ましい。
この程度の少量の官能基の存在により、樹脂組成物の相
溶性、透明性等が著しく改善されることは驚くべきこと
である。ボロン酸変性ポリオレフィン(b)のベースポ
リマーとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、イ
ソブテン、3−メチルペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン等のα−オレフィン類で代表されるオレフィン系
単量体等があげられる。
【0025】ベースポリマーはこれらの単量体の一種ま
たは二種あるいは三種以上からなる重合体として使用さ
れる。これらのベースポリマーのうち、特にエチレン系
重合体{超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体の金属塩(Na,K,Zn系アイオノマ
ー)、エチレン−プロピレン共重合体等}、プロピレン
系重合体が好適なものとして挙げられる。
【0026】本発明に使用するポリオレフィン(b)の
好適なメルトインデックス(MI)(210℃、216
0g荷重下で測定した値)は0.005〜1000g/
10分が好ましく、0.1〜100g/分がより好まし
い。
【0027】次に本発明に用いるボロン酸基およびホウ
素含有基を有するポリオレフィン系重合体の代表的製法
について述べる。ボロン酸基あるいは水の存在によりボ
ロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有するオレフィン
系重合体は、窒素雰囲気下で炭素−炭素二重結合を有す
るオレフィン系重合体にボラン錯体およびホウ酸トリア
ルキルエステルを反応させることによって、ボロン酸ジ
アルキルエステル基を有するオレフィン系重合体を得た
後、水あるいはアルコール類を反応させることによって
得られる。この製法において原料として末端に二重結合
を有するオレフィン系重合体を使用すれば、末端にボロ
ン酸基あるいは水の存在によりボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基を有するオレフィン系重合体が得られ、側
鎖または主鎖に二重結合を有するオレフィン系重合体を
原料として使用すれば、側鎖にボロン酸基あるいは水の
存在によりボロン酸基に転化しうるホウ素含有基を有す
るポリオレフィン系重合体を得られる。
【0028】原料の二重結合を有するオレフィン系重合
体の代表的製法としては、1)通常のオレフィン系重合
体の末端に微量に存在する二重結合を利用する方法;
2)通常のオレフィン系重合体を無酸素条件下、熱分解
し、末端に二重結合を有するオレフィン系重合体を得る
製法;3)オレフィン系単量体とジエン系重合体の共重
合によりオレフィン系単量体とジエン系単量体との共重
合体を得る製法;が挙げられる。1)については、公知
のオレフィン系重合体の製法を用いることができるが、
特に、連鎖移動剤として水素を用いず、重合触媒として
メタロセン系重合触媒を用いる製法(例えば、DE40
30399)が好ましい。2)については、公知の方法
(例えばUS2835659,3087922)により
オレフィン系重合体を窒素雰囲気下や真空条件下等の無
酸素条件下で300℃〜500℃の温度で熱分解するこ
とによって得られる。3)については公知のチーグラー
系触媒を用いたオレフィン−ジエン系共重合体の製法
(例えば特開昭50−44281、DE302127
3)を用いることができる。
【0029】ボラン錯体としては、ボラン−テトラヒド
ロフラン錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、ボラ
ン−ピリジン錯体、ボラン−トリメチルアミン錯体、ボ
ラン−トリエチルアミン等が好ましい。これらのなか
で、ボラン−トリエチルアミン錯体およびボラン−トリ
メチルアミン錯体がより好ましい。ボラン錯体の仕込み
量はオレフィン系重合体の二重結合に対し、1/3当量
から10当量の範囲が好ましい。ホウ酸トリアルキルエ
ステルとしては、トリメチルボレート、トリエチルボレ
ート、トリプロピルボレート、トリブチルボレート等の
ホウ酸低級アルキルエステルが好ましい。ホウ酸トリア
ルキルエステルの仕込み量はオレフィン系重合体の二重
結合に対し1から100当量の範囲が好ましい。溶媒は
特に使用する必要はないが、使用する場合は、ヘキサ
ン、ヘブタン、オクタン、デカン、ドデカン、シクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサン、デカリン等の飽和炭化
水素系溶媒が好ましい。ボロン酸ジアルキルエステル基
を二重結合を有するオレフィン系重合体へ導入する反応
は、反応温度室温〜300℃、好ましくは100〜25
0℃、反応時間1〜10時間、好ましくは5〜5時間行
うのがよい。
【0030】水あるいはアルコール類を反応させる条件
としては通常、トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エ
チル等の有機溶媒を反応溶媒として用い、水またはメタ
ノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類;エ
チレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3
−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール等の多価アルコール類をボロン
酸基に対し、1から100等量以上の六過剰量を用い、
室温〜150℃の温度で1分〜1日程度反応を行うこと
によって得られる。なお、前記の官能基の中でボロン酸
基に転化しうるホウ素含有基とは、水または水と有機溶
媒(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混合溶媒
中で、反応時間10分〜2時間、反応温度室温〜150
℃の条件下に加水分解した場合に、ボロン酸基に転化し
うる基を意味する。
【0031】本発明において、第3成分である熱可塑性
樹脂(c)としては、ポリオレフィンが代表例としてあ
げられ、とくにポリエチレン樹脂およびカルボン酸変性
ポリエチレン樹脂(CMPE)が好適である。
【0032】ポリエチレン樹脂とは、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが
挙げられるが、高密度ポリエチレンが好適である。
【0033】CMPEとは、ポリエチレン樹脂にα,β
−不飽和カルボン酸または該カルボン酸無水物をグラフ
ト重合したものである。またα,β−不飽和カルボン酸
または該カルボン酸無水物含量(グラフト量)は0.0
005〜0.5モル%、好ましくは0.001〜0.4
モル%である。全てのポリエチレン樹脂にα,β−不飽
和カルボン酸または該カルボン酸無水物がグラフト変性
している方が望ましいが、高濃度カルボン酸変性の種ポ
リマーと未変性ポリマーとのブレンド物で、最終的なグ
ラフト量が上記範囲内にあっても良い。α,β−不飽和
カルボン酸または該カルボン酸無水物とは、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸などが挙げられるが、無水マレ
ン酸が好適である。ポリエチレン樹脂とは、高密度ポリ
エチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レンが挙げられるが、高密度ポリエチレンが好適であ
る。
【0034】EVOHとB−POと熱可塑性樹脂との配
合割合は、EVOH40〜90重量%、B−PO10〜
60重量%、または、EVOH40〜90重量%、B−
PO5〜30重量%、熱可塑性樹脂5〜30重量%、好
ましくは、EVOH60〜85重量%、B−PO15〜
40重量%、または、EVOH60〜85重量%、B−
PO5〜25重量%、熱可塑性樹脂5〜25重量%であ
る。熱可塑性樹脂、とくにポリエチレン樹脂を配合する
ことにより、目的とするマット化フィルムが安価に得る
ことができた。
【0035】本発明において、第3成分である無機フィ
ラー(d)とは、Kett光電式白度計による反射率測
定による白色度が80以上のものが望ましく、また重量
平均フレーク径が「フィルム厚さ×0.8」μm以下の
粒径であることが好ましい。白色度は該マット化フィル
ムの色相の点から80以上のものが望ましく、重量平均
フレーク径については「フィルム厚さ×0.8」μmを
越えるとEVOHとのブレンド性およびブレンドして得
られたマット化フィルムの製膜性が悪くなる。すなわち
重量平均フレーク径は、フィルム厚みに依存するが、好
適には6μ以下、より好適には4μ以下である。下限値
についてはとくに限定されない。なお上記した無機フィ
ラーの重量平均フレーク径は、EVOHに混合する前の
原料無機フィラーの値とマット化フィルム中に存在する
無機フィラーの値とはほとんど差のないことが走査型電
子顕微鏡により確認されており、本発明において無機フ
ィラーの重量平均フレーク径は、EVOHに混合する前
の原料無機フィラーの重量平均フレーク径であるか、マ
ット化フィルム中に存在する無機フィラーの重量平均フ
レーク径を意味する。
【0036】本発明において重量平均フレーク径とは、
無機フィラーを各種目開きのマイクロシーブまたは篩で
分級し、その結果をRosin−Rammlar線図に
プロットし、測定に供した無機フィラーの全重量の50
%が通過するマイクロシーブまたは篩の目開きL↓50
に相当する値である。すなわち無機フィラーの重量平均
フレーク径Lとは(I)または(II)式で定義され
る。 L=L↓50(マイクロシーブの場合) (I) L=20↑1/2*L↓50(篩の場合) (II)
【0037】ここで、無機フィラーのうち粒度の大きい
部分については篩で分級されるものであり、粒度の小さ
い部分についてはマイクロシーブで分級されるものであ
る。本発明において無機フィラーとしては、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ、タル
ク、クレー、カオリン、セリサイト、ガラスフレーク、
マイカ、スメクタイトやバーミキュライトなどの粘度鉱
物などがあげられるが、このうちタルク、マイカがEV
OHとの均一混合性、マット化フィルムの製膜性の点で
好適である。これらの無機フィラーは単一で使用しても
良いし、2種以上混合して使用しても良い。またこれら
の無機フィラーはそのままの状態で使用しても良いし、
必要に応じて界面活性剤、シランカップリング剤などで
表面処理したものも使用できる。
【0038】EVOHとB−POと無機フィラーの配合
割合は、EVOH40〜90重量%、B−PO10〜6
0重量%、または、EVOH40〜90重量%、B−P
O5〜30重量%、無機フィラー5〜30重量%、好ま
しくは、EVOH60〜85重量%、B−PO15〜4
0重量%、または、EVOH60〜85重量%、B−P
O5〜25重量%、無機フィラー5〜25重量%であ
る。EVOHとB−POからなる場合も目的とするマッ
ト化フィルムが得られるが、無機フィラーをさらに配合
すれば、高温のエンボス加工やヒートシールなどの加熱
時に艶消しが戻りにくく、より高級感のあるマット化フ
ィルムが得られる。さらにEVOHとB−POのメルト
インデックス(温度190℃、荷重2.16kgの条件
下でASTM D1238に準じて測定:ただし、融点
が190℃付近あるいは190℃を越えるものは荷重
2.16kg下、融点以上の複数の温度で測定し、片対
数グラフで絶対温度の逆数を横軸、メルトインデックス
を縦軸としてプロットし、190℃に外插した値)を各
々MIa、MIbとする時、3≦MIa/MIb≦80
の範囲の時により良好なマット化フィルムが得られる。
【0039】本発明において無機フィラー(d)と前記
した熱可塑性樹脂(c)を同時に使用することもでき
る。
【0040】本発明において、EVOHとB−POと無
機フィラーあるいは熱可塑性樹脂を溶融ブレンドするに
は、二軸スクリュー押出し機、ブラベンダープラストグ
ラフなどを用いて予めブレンドした後成形する方法、あ
るいは直接各種成形機に供給して、成形機で混練しなが
ら成形する方法、一旦押出し機で高濃度のマスターペレ
ットを作製し、1/1〜1/30程度に希釈した物を溶
融押出し成形を行う方法などがある。無機フィラーをよ
り均一に分散させるために、ステアリン酸ナトリウム、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの金
属石鹸、エチレンビス脂肪酸アミド、ポリエチレンワッ
クスなどの分散助剤を加えてもよい。また、酸化防止
剤、紫外線吸収剤を加えてもよい。ブレンドの順序にと
くに制限はなく、EVOHとB−POと無機フィラーあ
るいは熱可塑性樹脂を同時にブレンドしても良いし、E
VOHとB−POをまずブレンドし、そこに無機フィラ
ーあるいは熱可塑性樹脂をブレンドしても良いし、EV
OHと無機フィラーあるいは熱可塑性樹脂をまずブレン
ドし、そこにB−POをブレンドしても良いし、B−P
Oと無機フィラーあるいは熱可塑性樹脂をまずブレンド
し、そこにEVOHをブレンドしても良い。
【0041】またEVOHの溶液に無機フィラーを分散
させる方法や、無機フィラーの分散液にEVOHを溶解
させ、溶剤を除去した後B−POとブレンドしても良
い。エチレン−ビニルエステル共重合体の溶液に無機フ
ィラーを分散させた後、けん化、溶剤を除去してEVO
Hを得、B−POとブレンドしても良いし、エチレン−
ビニルエステル共重合体の重合時に無機フィラーを分散
させておいても良い。さらにまたB−POの溶液に無機
フィラーを分散させる方法や、無機フィラーの分散液に
B−POを溶解させ、溶剤を除去した後EVOHとブレ
ンドしても良い。
【0042】本発明のマット化フィルムの厚さはとくに
制限は無いが、10〜40μmが好適であり、10〜3
0μmがより好適である。この組成物層の厚みは、たと
えばポリ塩化ビニル樹脂層と積層する場合、10μm未
満ではエンボス加工時に、マット化フィルムにピンホー
ルが発生しやすく、ポリ塩化ビニル樹脂層中の可塑剤の
遮断性が良好であるので好ましく、40μmを越えると
コストが高くなる。
【0043】本発明において、マット化フィルムは少な
くとも片面の表面光沢度が50%以下、好適には45%
以下、より好適には40%以下であることが重要であ
る。表面光沢度が50%を越えるとマット化フィルムと
して不十分である。ここで光沢度とは、村上式光沢度計
で、角度75度で測定した任意の5か所の平均値であ
る。
【0044】本発明のマット化フィルムは、Tダイ法ま
たはインフレーション法などの溶融押出し法によって得
られる。例えばTダイ法によりフィルムを得る場合、押
出されたフィルムを急冷することは重要な条件である。
徐冷した場合、光沢度が大きくなり艶消しフィルムとし
て不満足となる。ここで急冷とはダイのエアーギャップ
をできるだけ小さくしかつエアースリットによりキャス
トロールで急速に冷却することである。本発明におい
て、組成物層(マット化フィルム層)は他の樹脂との積
層体として有効に使用される。ここで他の樹脂層として
は、ポリ塩化ビニル樹脂、とくに可塑剤を含有するポリ
塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリ
プロピレンなど)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ
アミドなどがあげられる。積層体はドライラミネート、
熱ラミネート、ポリサンドラミネートすることによって
得られる。また本発明の組成物を他の樹脂フィルムに押
出ラミネートする方法、あるいは本発明に用いる組成物
と他の樹脂を共押出しすることによっても積層体とする
ことができる。
【0045】本発明において、用途の代表例の1つとし
ては本発明のマット化フィルムを可塑剤を含有するポリ
塩化ビニル樹脂層を含む壁紙類に積層したものがあげら
れる。ここで壁紙類とは、壁紙(難燃紙、不織布、ガラ
ス繊維、アスベスト紙などからなる支持体の上に、ポリ
塩化ビニル樹脂に、可塑剤、必要に応じ、顔料、充填
剤、安定剤などを配合した組成物をカレンダー法、コー
ティング法などにて積層した物、さらにはこれら積層物
の上に印刷加工が施された物、また発泡剤を配合させる
ことにより、最終製品で1.5〜15倍にポリ塩化ビニ
ル樹脂を発泡させた物)、化粧板(薄葉紙などに印刷を
施し、これを合板、パーティクルボードなどからなる支
持体に積層したプリント化粧板)、化粧石膏ボード、塩
ビ鋼板、塩ビ不燃板、塩ビ化粧板を総称したものであ
る。
【0046】本発明において、ポリ塩化ビニル樹脂用の
可塑剤は、20℃で液状であり、全重量に対し20〜7
5重量%含まれている。20℃で液状である可塑剤とし
てはフタール酸ジブチル、フタール酸ジ−2−エチルヘ
キシル、フタール酸ジイソオクチル、フタール酸ジイソ
デシル、フタール酸ジデシル、フタール酸ジノニル、フ
タール酸ブチルラウリル、フタール酸ジラウリル、フタ
ール酸ブチルベンジルなどのフタール酸エステル系可塑
剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸ト
リ−2−エチルヘキシルなどのリン酸エステル系可塑
剤、塩素化パラフィンなどの含塩素系可塑剤などがあ
る。
【0047】本発明において、積層体を得る方法に特に
限定はない。実開昭59−172797号に示される様
にウレタン系接着剤を用いる方法、特開昭60−224
542号や特開昭60−239233号や特開昭60−
242053号に示される様に、酢酸ビニルと塩化ビニ
ルの共重合体の変性物と、ウレタン系接着剤とを混合し
た物用いる方法などが例示される。また組成物と、ポリ
塩化ビニルと組成物との両者に接着可能な熱可塑性樹脂
を共押出し、得られたフィルムを積層しても良い。
【0048】この様にして得られた本発明の積層体は、
長期間の使用においても、ラミネート強度に変化が無
く、さらに汚れ防止機能を維持し、とくに組成物に無機
フィラーを配合した場合は加熱時の艶消しの戻りもな
く、壁紙類として非常に有用である。
【0049】本発明においてもう1つの用途の代表例と
しては、本発明のマット化フィルムをガスバリアー性を
付与した和紙の代替として用い、他の樹脂と積層したも
のがあげられる。積層方法は前述したように、組成物と
他の樹脂とを共押出しする方法、組成物を他のフィルム
に押出ラミネートする方法、他のフィルムとマット化フ
ィルムをドライラミネートする方法、マット化フィルム
に他の樹脂を押出ラミネートする方法など公知の方法が
採用可能である。このようにして得られた積層体は、和
紙とガスバリアー性フィルムを積層した積層体よりも安
価である。和紙代替の用途としては、和菓子、豆菓子、
珍味、鰹節削り節などの食品、防虫剤、石鹸などの薬品
があげられる。
【0050】以下実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれによってなんら限定を受け
るものではない。
【0051】
【実施例】
合成例1 末端にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する
高密度ポリエチレンの合成:冷却器、撹拌機および滴下
ロート付きセパラブルフラスコに高密度ポリエチレン
{MI0.3g/10分(210℃、荷重2160g)
密度0.90、末端二重結合量0.048meq/g}
1000g、デカリン2500gを仕込み、室温で減圧
することにより脱気を行った後、窒素置換を行った。こ
れにホウ酸トリメチル78g、ボラン−トリエチルアミ
ン錯体5.8gを添加し、200℃で4時間反応後、蒸
留器具を取り付け、さらにメタノール100mlをゆっ
くり滴下した。メタノール滴下終了後、減圧蒸留によ
り、メタノール、ホウ酸トリメチル、トリエチルアミン
等の低沸点の不純物を留去した。さらにエチレングリコ
ール31gを添加し、10分間撹拌後、アセトンに再沈
し、乾燥することにより、ボロン酸エチレングリコール
エステル基量0.027meq/g、MI0.2g/1
0分の高密度ポリエチレン(ボロン酸変性ポリエチレ
ン)(B−PE)を得た。
【0052】実施例1 エチレン含量が33モル%、酢酸ビニル成分のけん化度
が99.5モル%,MI5.5g/10分のEVOH7
5重量部、合成例1で得たMI0.2g/10分の末端
にボロン酸エチレングリコールエステル基を有する高密
度ポリエチレン(B−PE)15重量部、重量平均フレ
ーク径1.5μm、白色度95のタルク粉体10重量部
を、30mmφの二軸スクリュー押出機を用い、220
℃でブレンドペレット化した。該ブレンドペレットを2
0mmφの一軸スクリュー押出機(押出温度220℃、
L/D=20)を用い、エアーギャップ0.5mm、キ
ャストロール温度60℃で厚さ15μmのマット化フィ
ルム(光沢度18%)を得た。
【0053】このフィルムにグラビヤコーターを用い、
固形分濃度20重量%のウレタン系接着剤アドコートA
D−335Aと硬化剤Cat−10(東洋モートン
(株)製、混合比17:1)を塗布量2g/m↑2(固
形分基準)となる様にコートし、70℃で4分乾燥した
上に、再度グラビヤコーターを用い、固形分濃度18重
量%に溶解した酢酸ビニルと塩化ビニルの共重合体の変
性物であるMPR−TM(日進化学工業(株)製)を、
塗布量2g/m↑2(固形分基準)となる様にコート
し、70℃で1分乾燥した。
【0054】一方、紙100重量部に対し、スルファミ
ン酸グアニジン系難燃剤を24重量部含浸させた裏打ち
用難燃紙に、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、充填剤
50重量部、可塑剤(フタール酸ジ−2−エチルヘキシ
ル)55重量部、顔料20重量部、難燃剤3重量部、安
定剤2重量部、発泡剤2重量部、およびバイナジン(有
機ヒ素系抗菌剤)2重量部の配合物を積層した後、塩ビ
を発泡させて、塩ビ壁紙を得た。
【0055】マット化フィルムに塗布した接着剤面と、
紙に積層したポリ塩化ビニル樹脂面を合わせ、150℃
の熱エンボスロールで圧着し、同時にエンボス加工を行
い、汚れ防止機能を持つ壁紙を得た。エンボス時に艶消
しの戻りはなく、良好な外観を保持していた。
【0056】汚れ防止機能を調べるために、該壁紙のE
VOH面に2cm×2cmの大きさに油性の赤色インキ
{三菱鉛筆(株)製三菱マーカー)、醤油(キッコーマ
ン(株)製キッコーマン濃口}を塗布し、24時間後に
ベンジンを付けたガーゼで拭き取ったが跡は全く残らな
かった。また、中性洗剤で湿らせたガーゼで拭き取って
も醤油の場合には跡は全く残らず、しかも水により表面
が損われることもなく十分な耐水性を有していることが
確認でき、表1に示す様に汚れ防止機能は完全であっ
た。
【0057】得られたマット化フィルムにドライラミネ
ート用接着剤{武田薬品工業(株)製 タケラック A
−385/タケネート A−50を6対1の比で混合}
を、固形分として3g/m↑2塗布し、70℃で溶剤を
蒸発させた後、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィ
ルム{アイセロ化学(株)製 スズロンL S201}
を積層し、積層フィルムを得た。
【0058】酸素透過量は8.0ml/m↑2・24h
・atm(Modern Controlls社、Ox
tran 10/50A型で20℃,85%RHで測
定)を示し、ガスバリアー性は良好であった。
【0059】実施例2 実施例1において、EVOH75重量部、B−PE25
重量部に変更した以外は実施例1に準じて行った。マッ
ト化フィルムの光沢度は22%で耐汚染性も良好であ
り、また、表1に示す様に汚れ防止機能は完全であっ
た。酸素透過量は10.0ml/m↑2・24h・at
mであった。
【0060】実施例3 実施例1において、EVOH75重量部、B−PE15
重量部、MI0.2g/10minの高密度ポリエチレ
ン10重量部に変更した以外は実施例1に準じて行っ
た。マット化フィルムの光沢度は16%で耐汚染性も良
好であり、また、表1に示す様に汚れ防止機能は完全で
あった。酸素透過量は10.0ml/m↑2・24h・
atmであった。
【0061】実施例4 実施例1において、EVOH75重量部、B−PE15
重量部、MI0.3g/10minのカルボン酸変性ポ
リエチレン10重量部に変更した以外は実施例1に準じ
て行った。マット化フィルムの光沢度は20%で耐汚染
性も良好であり、また、表1に示す様に汚れ防止機能は
完全であった。酸素透過量は10.0ml/m↑2・2
4h・atmであった。
【0062】比較例1 実施例1において、EVOH20重量部、B−PE40
重量部、タルク40重量部に変更した以外は実施例1に
準じて行ったが、孔開きで良好な製膜ができず以後の評
価を中断した。
【0063】比較例2 実施例1において、重量平均フレーク径12μm、白色
度95のタルク粉体にかえた以外は実施例1に準じて行
ったが、ピンホール多発で良好な製膜ができず以後の評
価を中断した。
【0064】比較例3 実施例2において、B−PEを末端にボロン酸エチレン
グリコールエステル基を有していない通常の高密度ポリ
エチレンにかえた以外は実施例2に準じて行ったが、ピ
ンホール多発で良好な製膜ができず以後の評価を中断し
た。
【0065】比較例4 実施例3において、EVOH25重量部、B−PE35
重量部、高密度ポリエチレン40重量部に変更した以外
は実施例3に準じて行ったが、ピンホール多発で良好な
製膜ができず以後の評価を中断した。
【0066】比較例5 実施例4において、EVOH25重量部、B−PE25
重量部、カルボン酸変性ポリエチレン50重量部に変更
した以外は実施例3に準じて行ったが、酸素透過量は2
80.0ml/m↑2・24h・atmであった。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】汚れ防止機能が優れ、とくに無機フィラ
ーを用いた場合、加熱時に艶消しが戻りにくい安価なマ
ットフィルムおよび積層体が得られ、壁紙として、また
ガスバリアー性の要求される和紙の代替物として有用で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 43/00 LKA

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンビニルアルコール共重合体(a)
    40〜90重量%およびボロン酸基、ボリン酸基、水の
    存在下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含
    有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリ
    オレフィン(b)10〜60重量%からなる組成物から
    なり、かつ少なくとも片面の表面光沢度が50%以下の
    マット化フィルム。
  2. 【請求項2】エチレンビニルアルコール共重合体(a)
    40〜90重量%、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在
    下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基
    から選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレ
    フィン(b)5〜30重量%および熱可塑性樹脂(c)
    5〜30重量%からなる組成物からなり、かつ少なくと
    も片面の表面光沢度が50%以下のマット化フィルム。
  3. 【請求項3】エチレンビニルアルコール共重合体(a)
    40〜90重量%、ボロン酸基、ボリン酸基、水の存在
    下でボロン酸基、ボリン酸基に転化しうるホウ素含有基
    から選ばれる少なくとも一つの官能基を有するポリオレ
    フィン(b)5〜30重量%および無機フィラー(d)
    5〜30重量%からなる組成物からなり、かつ少なくと
    も片面の表面光沢度が50%以下のマット化フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3に記載のマット化フ
    ィルムを積層した積層体。
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