JPH087863B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH087863B2
JPH087863B2 JP3293189A JP3293189A JPH087863B2 JP H087863 B2 JPH087863 B2 JP H087863B2 JP 3293189 A JP3293189 A JP 3293189A JP 3293189 A JP3293189 A JP 3293189A JP H087863 B2 JPH087863 B2 JP H087863B2
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、潤滑特性の優れた磁気記録媒体の製造方
法に関する。
〔従来の技術〕
近年、高記録密度の磁気記録媒体(以下、単に媒体と
も称する)として、強磁性合金薄膜を磁性層とする媒体
が注目されている。このような媒体においては、媒体表
面の潤滑特性を良好にして磁性層の磨耗を防ぎ、また、
磁性層を外部雰囲気から保護してその変質を防ぐため
に、磁性層表面にカーボン保護層が設けられているのが
一般的である。すなわち、磁性層上にスパッタ法でカー
ボンを数百Åの厚さに成膜し、そのカーボン層表面をバ
ニシ(Burnish)して微小突起を除去して潤滑性能の良
いカーボン保護層を形成することが行われている。
このようなカーボン保護層の潤滑性能は、下地層であ
る磁性層の表面形状,例えば表面粗さにより大きく左右
されることが知られており、磁性層表面が所望の表面形
状となるように媒体製造上種々の工夫がなされている。
例えば、媒体の基体表面にテクスチャ加工を施し、その
上に磁性層を形成して必要な表面形状とする製造方法な
どが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、磁性層の表面形状を所望の一定の形状とし
た場合でも、その上に形成されたカーボン保護層の潤滑
性能が大きくばらつくことがあり、媒体の潤滑特性にば
らつきが発生するという問題があった。
この発明は、上述の問題点を解消して、潤滑性能のば
らつきの少ないカーボン保護層を形成することができ、
ばらつきの少ない優れた潤滑特性を有する媒体を製造す
ることが可能な媒体の製造方法を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的は、磁性層上にカーボン保護層を備えた磁
気記録媒体の製造方法において、カーボン保護層形成
後、その表面の純水の接触角が60゜以上になるよう所定
時間放置したのちに、このカーボン保護層表面にバニシ
加工を施す製造方法とすることによって達成される。
第1図は、媒体のカーボン保護層上に純水を滴下した
状態を示す部分断面図で、磁性層1上に形成されたカー
ボン保護層2の表面に滴下された純水3は偏平な水玉状
となり、接触角θでカーボン保護層表面と接する。
カーボン保護層2の表面への純水3の接触角θは、カ
ーボン保護層形成後の媒体を常温常湿の雰囲気中に12時
間以上放置することにより60゜以上となる。この接触角
θが60゜以上となる放置時間は、カーボン保護層表面に
風をあてることによって短縮することができ、風速0.5m
/秒以上の風を2時間以上あてると接触角θを60゜以上
とすることができる。また、高湿雰囲気とすることによ
っても短縮することができ、相対湿度70%以上の雰囲気
中に2時間以上放置すると接触角θを60゜以上とするこ
とができる。
〔作用〕
カーボン層の潤滑性能についてはまだ解明されていな
い部分が多いが、真空中では極端に悪いが大気中に長時
間放置しておくと非常に良くなることが知られており、
これには、カーボン層の最表面にハイドロカーボンから
なる硬化層が形成されることが大きく関与していること
は経験的事実として認められている。すなわち、大気中
に放置することによりカーボン層の最表面にハイドロカ
ーボンからなる硬化層が徐々に形成されていき、充分な
時間放置すると膜厚数十Åの良好な被覆層となり、優れ
た潤滑特性を示すようになると考えられている。
媒体の製造においては、カーボン保護層はその表面の
微小突起を除去し磁気ヘッドの走行がスムーズに行われ
るように最終的に表面にバニシ加工が施される。本発明
者等は、カーボン保護層形成後バニシ加工までの放置時
間により、得られる媒体の潤滑特性が大きく変動するこ
とを見出した。これは上述の経験的事実より、カーボン
保護層表面のハイドロカーボンからなる硬化層の形成が
不充分な状態でバニシ加工が行われると表面のハイドロ
カーボン層が削られてカーボン保護層表面を充分に被覆
できなくなり潤滑性能が良くないが、ハイドロカーボン
からなる硬化層が充分形成された状態でバニシ加工が行
われると表面の微小突起が削られて除去されたのちでも
ハイドロカーボン層はカーボン保護層表面を充分に被覆
しており良好な潤滑性能が得られるためと考えられる。
本発明者等は、さらに、このハイドロカーボンの硬化
層の形成の程度がその表面の純水の接触角で推定できる
こと、そして、この接触角が60゜以上となる程度にハイ
ドロカーボンの硬化層が形成された状態でバニシ加工が
行われると、表面の微小突起は除去され、かつ、良好な
潤滑特性が得られることを見出した。接触角が60゜以上
になると、ハイドロカーボンの硬化層は80%以上形成さ
れると推定される。
また、ハイドロカーボンの硬化層の形成が不充分な状
態でバニシ加工を行ってしまうと、その後大気中に放置
されてハイドロカーボン層ができても潤滑特性の良好な
硬化層とはならないことも判明した。
〔実施例〕
第2図は、磁性層表面にカーボン保護層をスパッタ法
で形成したのち、その表面にバニシ加工を施すまでの大
気中での放置時間と純水の接触角との関係を調べた結果
を示す線図である。放置時間と接触角の関係は放置条件
により異なる。第2図において、実線は常温常湿中放置
の場合、一点鎖線は相対湿度70%の高湿中放置の場合、
点線は常温常湿中で風速0.5m/秒の風をあてた場合の結
果を示す。
第2図に見られるとおりカーボン保護層をスパッタ法
で形成した直後の表面の純水の接触角は30゜であるが、
これを大気中に放置すると、放置時間につれてハイドロ
カーボンからなる硬化層が形成されていき、接触角が大
きくなってくる。ハイドロカーボンの硬化層の形成は放
置時間が充分長くなり、カーボン層表面を完全に被覆し
てその膜厚が数十Åとなると止まるがそのときの接触角
は約70゜である。接触角60゜でハイドロカーボンの硬化
層は約80%形成される。接触角が60゜以上,従ってハイ
ドロカーボンの硬化層が80%以上形成されたのちにバニ
シ加工を施すと、カーボン保護層表面の微小突起は除去
され、しかも表面はハイドロカーボンの硬化層で充分被
覆された状態となるので、潤滑特性の優れた媒体が得ら
れることになる。接触角60゜以上となる放置時間は常温
常湿中では12時間以上を要するが、相対湿度70%の高湿
中、または常温常湿中でも風速0.5m/秒の風をあてた場
合には2時間以上でよく、約1/6に短縮することができ
る。このように高湿雰囲気はハイドロカーボンの硬化層
の形成を促進するが、表面に結露が生じると好ましくな
く、結露しない状態で相対湿度70%ないし90%が望まし
い。また、風をあてることも有効であるが、風速は0.5m
/秒ないし2m/秒が好適である。さらに放置時間はハイド
ロカーボンの硬化層の形成のためには長い程好ましい
が、製造工程上は短い方が好ましい。常温常湿中放置の
場合には12時間ないし1週間、高湿中放置の場合および
常温常湿中で風をあてる場合には2時間ないし6時間の
放置時間を採るのが実用的である。
以下、具体的な実施例について説明する。
実施例1 ディスク状Al合金板表面に無電解めっきでNi−P層を
形成した基体表面に、スパッタ法でCr下地層,Co−Ni合
金磁性層,カーボン保護層を順次成膜した。このカーボ
ン保護層まで形成した媒体を常温常湿の大気中に48時間
放置した後、その表面に最終的なバニシ加工を施した。
すなわち、媒体を500rpmで回転させながら、そのカーボ
ン保護層表面にWA#8000の研磨テープを流量30n/分
のエアで押し付け、このテープを媒体の回転方向と逆の
方向に接触走行させながら、媒体の半径方向に300mm/分
の速度で5回往復動させてバニシを行った。
このようにして作製された媒体の潤滑性能をスライデ
ィングコンタクトテストで調査した。このテストは媒体
を垂直荷重(10gf程度)をかけられた磁気ヘッドが浮上
しない程度の低速で回転させ、磁気ヘッドを媒体表面に
摺動させながら、摺動摩擦係数の変動を測定する一種の
摩擦磨耗テストである。その結果は第3図に示すように
摺動60分後でも摺動摩擦係数は0.5以下であり、良好な
潤滑特性であることが判る。第3図において、摺動摩擦
係数の変動幅は2つの線で包括することによって概略表
してある。
この媒体の表面粗さは、中心線平均粗さRaで60Åであ
り、また、表面の相対負荷曲線の相対負荷長さ10%にお
けるカッティング深さから相対負荷長さ1%におけるカ
ッティング深さを差し引いた値,ΔCv(10%−1%)値
は130Åであり、表面の断面プロファイルは第4図に示
すとおり上方向の粗さが残っている。
比較例 実施例1と同様にしてカーボン保護層まで形成した媒
体を、常温常湿の大気中に2時間放置した後、この媒体
表面に実施例1と同様にバニシ加工を施した。このよう
にして作製された媒体の潤滑特性を実施例1と同様にし
て調べた結果を第5図に示す。第5図に見られるとお
り、摺動時間約20分で摺動摩擦係数は1.0を超え、潤滑
特性が悪く、これに比べて実施例1の潤滑特性が大幅に
向上していることは明らかである。なお摺動摩擦係数の
変動幅は2つの線で包括することによって概略表してあ
る。
この比較例の媒体の表面粗さはRaで55Å,ΔCv(10%
−1%)で90Åであり、表面の断面プロファイルは第6
図に示されるように第4図に比べて上方向の粗さが小さ
く、削られていることが判る。
実施例2 実施例1と同様にしてカーボン保護層まで形成した媒
体を、常温常湿で風速0.5m/秒の環境下に4時間放置し
た後、実施例1と同様にバニシ加工を施した。この媒体
の潤滑特性を調べた結果を第7図に示す。なお、摺動摩
擦係数の変動幅は2つの線で包括することによって概略
表してある。放置時間が4時間と短いにもかかわらず、
摺動60分後の摺動摩擦係数は0.8と低い値を示し、良好
な潤滑特性を有していることが判る。
実施例3 実施例1と同様にしてカーボン保護層まで形成した媒
体を、温度33℃,相対湿度80%の高湿中に4時間放置し
た後、実施例1と同様にバニシ加工を施した。この媒体
の潤滑特性を調べた結果を第8図に示す。なお、摺動摩
擦係数の変動幅は2つの線で包括することによって概略
表してある。放置時間が4時間と短いにもかかわらず、
摺動60分後の摺動摩擦係数は0.7と低い値を示し、良好
な潤滑特性を有していることが判る。
〔発明の効果〕
この発明によれば、磁性層上にカーボン保護層を備え
た磁気記録媒体の製造方法において、カーボン保護層形
成後その表面の純水の接触角が60゜以上になるよう所定
時間放置したのち、このカーボン保護層表面にバニシ加
工を施すこととする。接触角が60゜以上となると、カー
ボン保護層表面にハイドロカーボンからなる硬化層が80
%以上形成されていると推定され、このような状態で表
面にバニシ加工が施されると、表面の微小突起は除去さ
れ、しかもハイドロカーボンの硬化層で充分に被覆され
て潤滑性能が良好でばらつきの少ないカーボン保護層が
得られることになり、ばらつきの少ない優れた潤滑特性
を有する媒体を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はカーボン保護層上に純水を滴下した状態を示す
部分断面図、第2図はカーボン保護層形成後その表面に
バニシ加工を施すまでの放置時間と表面の純水の接触角
との関係を示す線図、第3図は常温常湿中放置48時間後
にカーボン保護層表面にバニシ加工を施して得た媒体の
摺動摩擦係数の変動を測定した結果を示す線図、第4図
は常温常湿中放置48時間後にカーボン保護層表面にバニ
シ加工を施して得た媒体の表面の断面プロファイル図、
第5図は常温常湿中2時間放置後にカーボン保護層表面
にバニシ加工を施して得た媒体の摺動摩擦係数の変動を
測定した結果を示す線図、第6図は常温常湿中2時間放
置後にカーボン保護層表面にバニシ加工を施して得た媒
体の表面断面プロファイル図、第7図は常温常湿で風速
0.5m/秒の環境下に4時間放置した後カーボン保護層表
面にバニシ加工を施して得た媒体の摺動摩擦係数の変動
を測定した結果を示す線図、第8図は温度33℃,相対湿
度80%の高湿中に4時間放置した後カーボン保護層表面
にバニシ加工を施して得た媒体の摺動摩擦係数の変動を
測定した結果を示す線図である。 1……磁性層、2……カーボン保護層、3……純水。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性層上にカーボン保護層を備えた磁気記
    録媒体の製造方法において、カーボン保護層形成後その
    表面の純水の接触角が60゜以上になるよう所定時間放置
    したのちに、このカーボン保護層表面にバニシ加工を施
    すことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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