JPH08780Y2 - 筐体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は筺体構造に関し、特に電子機器等の筺体に良
く使用される箱型の筺体において、箱と蓋の嵌合部隙間
を無くすために固定用ねじを締め付けると蓋が一部変形
してその隙間が露呈しない様にした筺体構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の筺体構造は、第５図及び第６図に示す
様に、箱型筺体11に蓋12を覆いかぶせて、止めねじ３を
締結して固定する筺体構造が一般的であった。第６図の
断面図に示す様に、箱型筺体11の一部の締結部11aにね
じ切られた例えばナット部11bを埋設し、蓋12を筺体11
に覆い、そして止めねじ３を蓋12に予じめ開けた穴を貫
通してナット部11bに締め付ける事で、箱型筺体11に蓋1
2を固定する筺体構造となっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述した従来の筺体構造は、箱型筺体に蓋を覆いかぶ
せて、止めねじにて箱型筺体に予め設けたねじ部と締結
する事により蓋を固定するだけである為、例えば、最近
の民需商品の様に、どうしても美観上の点及び軽量化の
為にプラスチック成形品で筺体を形成する場合に往々に
して部品製作上の製造上のばらつきで外形寸法等の違い
が出て蓋と箱型筺体の嵌合部に隙間が発生する事が良く
あり、外観上決して好ましいとは言えず、又、誤って落
下させた場合に衝撃を受けて隙間が更に大きくなってし
まい、商品性を失ってしまうと云う欠点があった。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために、本考案は、一面が開口面
をなす筺体に対しこの開口面を蓋部材で覆い且つ蓋部材
の面の鉛直方向からねじ締結する筺体構造において、筺
体の一部に設けられ且つ第１のねじ穴を有する第１の接
合部と、蓋部材の一部に設けられ且つ第２のねじ穴を有
し、第１の接合部と接合する第２の接合部と、筺体の端
部に設けられ、蓋部材と係合するための第１の係合部
と、蓋部材の端部に設けられ、筺体と係合するための第
２の係合部とから構成され、第１の接合部の第１のねじ
穴および第２の接合部の第２のねじ穴を含む相対する接
合面が、それぞれ一方向に傾斜した傾斜部を有し、第１
の接合部と第２の接合部とを接合させたのちに、第１お
よび第２の接合部のねじ穴にねじを挿入、締めつけるこ
とにより、第２の接合部が接合面の傾斜部に沿って移動
することにより、第１および第２の係合部が隙間なく係
合する構造を採用する。

〔実施例〕

次に、本考案について図面を参照して説明する。

第１図及び第２図は本考案の一実施例の斜視図及び分
解斜視図、第３図及び第４図は本実施例のそれぞれねじ
締結前及びねじ締結後の断面図である。

本実施例は箱型筺体１の一部に設けられ且つねじ３の
締結部1bを含む接合部1a及び蓋２において締結部1bに相
当する位置に設けられた接合部2aとにそれぞれ相対して
設けられ互いに同方向で且つ蓋２が箱型筺体１に付き当
って嵌合する方向に傾いている傾斜部1c,2bと、接合部1
a,2aにおいて蓋２の面に平行な接合面間に設けられた隙
間2cとを有してなる。

即ち、箱型筺体１の開口している面を蓋２で覆い、固
定用のねじ３で蓋２と箱型筺体１とを固定する筺体構造
において、第３図に示す断面図の様に、固定用のねじ３
を締め付け前の状態だと、箱型筺体１と蓋２の部品の寸
法精度のばらつきで、蓋２と箱型筺体１の嵌合部に隙間
４が往々にして生じてしまう。しかし本実施例において
は、箱型筺体１と蓋２のねじ３による締結部において、
箱型筺体１と蓋２の両方の接合部1a,2aの一部に、蓋２
を箱型筺体１に嵌合し突き当てる方向に傾いた傾斜部1
c,2bを設け、且つ接合部1a,2a間に隙間2cを設けること
により、ねじ３を締め付けることで蓋２が変形を起こ
し、さらに傾斜部1c,2bによって蓋２が矢印Ａ方向にす
べり、隙間2cが無くなるまで変形し、第４図のねじ締結
後の断面図に示す様に、蓋２がずれて第３図で示した嵌
合の隙間４を無くすことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、現在良く使用される、
箱に蓋をして蓋の面と鉛直方向にねじを締結し、箱に蓋
を固定する筺体構造において、蓋と箱の嵌合の隙間を無
くする様にする為、ねじ締結部の蓋と箱型筺体の内部接
合部の一部に、蓋が箱型筺体を嵌合し突き当る方向に傾
斜している傾斜部を設け、又さらに接合部に若干の隙間
を設けることにより、ねじを締め付けると接合部の隙間
分だけ蓋が接合部の傾斜部をすべって変形し、部品製作
上発生し易く回避困難な箱型筺体と蓋の嵌合隙間を無く
し、外観的に好ましい状態となり、又、常に蓋が箱型協
定に押し付ける様に嵌合している為、本考案の筺体を使
用した例えば小型携帯用の電子機器等が誤って落下して
も、嵌合部の隙間が更に開いてしまうことを防げる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例の斜視図及び分解
斜視図、第３図及び第４図は本実施例のそれぞれねじ締
結前及びねじ締結後の断面図、第５図及び第６図は従来
の筺体構造の一例の斜視図及び断面図である。 1,11……箱型筺体、2,12……蓋、３……ねじ、4,14……
隙間、1a,2a……接合部、1b……締結部、1c,2b……傾斜
部、2c……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一面が開口面をなす筺体に対しこの開口面
   を蓋部材で覆い且つ前記蓋部材の面の鉛直方向からねじ
   締結する筺体構造において、 前記筺体の一部に設けられ且つ第１のねじ穴を有する第
   １の接合部と、 前記蓋部材の一部に設けられ且つ第２のねじ穴を有し、
   前記第１の接合部と接合する第２の接合部と、 前記筺体の端部に設けられ、前記蓋部材と係合するため
   の第１の係合部と、 前記蓋部材の端部に設けられ、前記筺体と係合するため
   の第２の係合部とから構成され、 前記第１の接合部の前記第１のねじ穴および前記第２の
   接合部の前記第２のねじ穴を含む相対する接合面が、そ
   れぞれ一方向に傾斜した傾斜部を有し、 前記第１の接合部と前記第２の接合部とを接合させたの
   ちに、前記第１および第２の接合部の前記ねじ穴にねじ
   を挿入、締めつけることにより、前記第２の接合部が前
   記接合面の傾斜部に沿って移動することにより、前記第
   １および第２の係合部が隙間なく係合することを特徴と
   する筺体構造。