JPH0878017A - アルカリ電池用亜鉛合金粉末 - Google Patents
アルカリ電池用亜鉛合金粉末Info
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Abstract
良することにより、従来技術のものに比して水素ガス発
生を抑制する、特に過放電後の水素ガス発生を抑制する
無水銀アルカリ電池用亜鉛合金粉末の提供。 【構成】 安息角40度以下、比表面積0.013〜
0.03m2/gおよび合金組成(添加元素としてアルミニ
ウム0.05%以下、インジウム0.07%以下および
ビスマス0.01%以下)の3条件項目をそれぞれ単独
あるいは組み合わせた特性を有する無水銀アルカリ電池
用亜鉛合金粉末をアルカリ電池の負極活物質として用い
ることにより過放電後の水素ガス発生を大幅に抑制する
ことができる。上記放電後のガス発生速度は、粉末をL
R6型セル4に組み込み、48時間放電後、恒温槽11
においてキャップ5つき集電棒6をはずし、流動パラフ
ィン7を満たしシリコーンゴム栓8で封じた試験管9中
でのガス発生速度をピペット10の目盛りで読んで求め
る。
Description
粉末に関し、詳しくは粉末の安息角、比表面積を所定の
範囲の値とし特定の元素を含有することにより、水素ガ
ス発生、特に放電後のガス発生を抑制し、電池の耐漏液
性を向上させたアルカリ電池用亜鉛合金粉末に関する。
アルカリ水溶液であるアルカリ電池の負極として使用さ
れるアルカリ電池用亜鉛合金粉末は概ね次のように製造
されている。すなわち4N(純度99.99%)以上の
高純度電気亜鉛を用いて少量の添加金属で合金化し、こ
れをアトマイズ法で噴霧して得た不規則形状の粒子であ
る。
アルカリ電解液中での水素過電圧が低く、電池内で放電
された場合の化学分極も比較的大きいことから、水素過
電圧を高め電解液による腐食を抑制するため水銀を添加
した汞化亜鉛合金粉末が用いられてきた。
含有量が0%すなわち無汞化亜鉛合金粉末を使用した電
池の開発が期待されるようになった。今日例えばインジ
ウムなどの亜鉛合金粉末添加元素を種々組み合わせた
り、表面処理をする等で水銀含有量を0%とした無汞化
亜鉛粉末が活物質として用いられるようになってきてい
る。
亜鉛合金粉末を使用することで汞化亜鉛電池粉に求めら
れていた特性を必ずしも満足するにはいたっておらず、
例えば負極用亜鉛合金粉末のアルカリ電解液中での腐食
による放電前後の水素ガス発生特性が十分でなく、特に
過放電後のガス発生が多い点で問題があった。
解決するためのもので、亜鉛合金粉末の物理特性および
合金組成を改良することにより、従来技術のものに比し
て水素ガス発生を抑制する、特に過放電後の水素ガス発
生を抑制する無水銀アルカリ電池用亜鉛合金粉末を提供
することを目的とするものである。
に沿って鋭意研究した結果、亜鉛合金粉末の物理特性の
うち粉末の安息角あるいは比表面積を所望の値にするこ
とにより、前記汞化亜鉛粉末に求められていた特性レベ
ルを維持でき、一方、特定の添加元素を加えて合金組成
を改良することによっても、上記レベルが維持されるこ
と、さらには上記所望の安息角を有しかつ比表面積をも
満足する粉末は特性が改善されること、さらには上記安
息角と比表面積とを満足し、かつ特定の添加元素を有し
ていると、これらの相乗効果によってさらに特性が改善
され、例えば過放電後の水素ガス発生が大巾に抑制され
ることを見いだし本発明に到達した。
下であることを特徴とする。第二の発明は、比表面積が
0.013〜0.03m2/gであることを特徴とする。第
三の発明は、アルミニウムならば0.005重量%以
下、インジウムならば0.07重量%以下、ビスマスな
らば0.01重量%以下という制限条件の下で、アルミ
ニウム、インジウムおよびビスマスからなる群から選ば
れる少なくとも1つの金属元素を含み、残部が亜鉛およ
び不可避不純物であることを特徴とする。第四の発明
は、安息角が40度以下であってかつ比表面積が0.0
13〜0.03m2/gであることを特徴とする。第五の発
明は、安息角が40度以下および比表面積が0.013
〜0.03m2/gであってさらに、アルミニウムならば
0.005重量%以下、インジウムならば0.07重量
%以下、ビスマスならば0.01重量%以下という制限
条件の下で、アルミニウム、インジウムおよびビスマス
からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属元素を含
み、、残部が亜鉛および不可避不純物からなることを特
徴とする。
作用がある。
うに推定されている。インジウムは亜鉛合金粉末表面の
水素過電圧を高めて、電池として保存中の腐食によるガ
ス発生を抑制する作用があり、アルミニウムは亜鉛に合
金化することにより、亜鉛合金粉末粒子の表面を平滑化
する効果があって、これによって反応性に関係する表面
積を減少させることとなり、ガス発生抑制効果を発揮せ
しめる効果がある。またビスマスは亜鉛の水素過電圧を
高めてガス発生を抑制する効果を有している。
逸脱した場合には、水素ガスの発生を抑制する効果が得
られなかったり、実用的な放電性能が維持できないとい
う問題が生じる。またこれらの成分のいずれかが欠けて
も上記した本発明の効果は得られない。
013から0.03m2/gの範囲であること、安息角が4
0度以下にあることが必要である。その範囲を越えると
初期の水素ガス発生を抑制する効果が得られない。
(気体吸着法)にて求めた値である。また安息角とは図
2に示したように、水平においた直径D(mm)の皿2上
に漏斗3から亜鉛合金粉末1を流し落とし、その高さH
(mm)を求め以下の式を用いて求めた。φr=tan-1
(2H/D)
3m2/g未満でガス発生抑制効果が少なくなるのは、比表
面積値が低くなると亜鉛合金粉末の粒子形状が球状に近
くなったり、粒子全体が大きくなり反応性が悪くなって
放電前のガス発生は少なくなるが、本発明の目的とする
過放電後のガス発生については、放電により表面が露出
しその露出面が新たに活性化されガス発生量が多くなる
ことによると思われる。
るいは安息角が40度を超えるものは亜鉛合金粉末の粒
子形状が針状に近くなり反応性が良くなりすぎるものと
思われる。
的に説明する。尚以下の「%」はすべて重量%を意味す
る。
金属亜鉛にインジウム0.04〜0.06%を加えて調
整したベースメタルに各添加元素(アルミニウムとビス
マス)を所定範囲の含有量となるように溶解する。次に
この溶解物をアトマイズ法により高圧ガスによって噴射
し、粉体にして亜鉛合金粉末を得た。
るい分けして、安息角40度以下、あるいは比表面積が
0.013〜0.03m2/gの範囲の産物を得て電池用亜
鉛合金粉末とした。なお、ベースメタルの粉末で所定の
安息角、比表面積をもつものも用意した。
電後のガス発生速度、比表面積、安息角を求めた。
図1に示した測定法により行った。すなわち、亜鉛合金
粉末をゲル化後、LR6型セル4(単3アルカリ電池)
に組み込み、20℃10Ωで48時間放電後、45℃の
恒温槽11において、キャップ5つきの集電棒6をはず
し、流動パラフィン7を満たしシリコーンゴム栓8で封
じた試験官9中でのガス発生速度をピペット10の目盛
で読んで求めた。その結果を安息角、比表面積とともに
表1に示した。
%を添加したベースメタルを調製後、添加元素が所定範
囲外の含有量となるように溶解して、実施例の要領に従
い亜鉛合金粉末を得てから、ふるい分けして安息角が4
0度以上および比表面積が所定範囲外のサンプルを選ん
で各種の電池用合金粉末を用意するとともに、ベースメ
タルの粉末で所定外の安息角、比表面積をもつものも用
意した。
に過放電後のガス発生速度、比表面積、安息角を求め、
その結果を表1に示した。
ウム、インジウム、ビスマスの添加成分および安息角、
比表面積を変化させたものであり、実施例8〜10はそ
れぞれ安息角、比表面積が所定範囲の粉末について実施
例11はこれら両者のいずれもが所定範囲内の粉末につ
いての結果であって、いずれもガス発生速度の評価は良
い。
ウム、インジウム、ビスマスの添加成分の単独もしくは
2種以上の組み合わせ、かつ安息角、比表面積を変化さ
せたものであり、比較例6、10および11はそれぞれ
安息角、比表面積単独および両者が所定範囲外の粉末に
ついてであって、これらの例では水素ガス発生を抑制す
る効果は認められない。
え、安息角もしくは比表面積が特定の範囲の亜鉛粉末は
アルカリ電池の負極活物質に用いることにより、過放電
後の水素ガス発生を大幅に抑制するとともに、放電性能
を実質的な水準に維持し得る。
よび比較例に用いた過放電後ガス発生測定装置の側断面
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 安息角が40度以下であることを特徴と
するアルカリ電池用亜鉛合金粉末。 - 【請求項2】 比表面積が0.013〜0.03m2/gで
あることを特徴とするアルカリ電池用亜鉛合金粉末。 - 【請求項3】 アルミニウムならば0.005重量%以
下、インジウムならば0.07重量%以下、ビスマスな
らば0.01重量%以下という制限条件の下で、アルミ
ニウム、インジウムおよびビスマスからなる群から選ば
れる少なくとも1つの金属元素を含み、残部が亜鉛およ
び不可避不純物であることを特徴とするアルカリ電池用
亜鉛合金粉末。 - 【請求項4】 安息角が40度以下であってかつ比表面
積が0.013〜0.03m2/gであることを特徴とする
アルカリ電池用亜鉛合金粉末。 - 【請求項5】 安息角が40度以下および比表面積が
0.013〜0.03m2/gであってさらに、アルミニウ
ムならば0.005重量%以下、インジウムならば0.
07重量%以下、ビスマスならば0.01重量%以下と
いう制限条件の下で、アルミニウム、インジウムおよび
ビスマスからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属
元素を含み、、残部が亜鉛および不可避不純物からなる
ことを特徴とするアルカリ電池用亜鉛合金粉末。
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