JP2975527B2 - 無水銀アルカリ電池用亜鉛合金粉末 - Google Patents

無水銀アルカリ電池用亜鉛合金粉末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ電池用亜鉛合金
粉末に関し、詳しくはビスマスとインジウムもしくはこ
れに加えて特定の添加元素を含有し、かつ見掛け密度を
4.0〜4.5g/cm3にすることにより、有害な水
銀および鉛を使用せずに、水素ガスの発生を抑制し、電
池の耐洩液性を向上させ、さらに電池作製時における亜
鉛の秤量性を向上させ、特にマイクロ電池用として有用
な球状のアルカリ電池用亜鉛合金粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛の腐食による水素ガス発生に
よって引き起こされていた電池の洩液を防止するため
に、水素過電圧の高い水銀を亜鉛粉末に含有させて水素
ガス発生を抑制していた。しかし、環境の面から無汞
化、すなわち水銀の含有量が0%の電池が社会的に要求
され、この要求に応えるべく多くの研究がなされてき
た。その結果、アルカリ電池用の負極材料に使用されて
いる亜鉛合金粉末は、近年、種々の方法によって無水銀
化が達成され、現在では無水銀の電池が販売されるに到
っている。
【0003】電池を無水銀化するにあたって、亜鉛粉末
をアルカリ水溶液中で防食するための技術としては、大
きく分けて以下の4つの方法が考えられている。
【0004】 亜鉛より水素過電圧の高い、水銀以外
の金属を亜鉛表面に付着させ、亜鉛表面の水素過電圧を
高める方法。 亜鉛より水素過電圧の高い、水銀以外の金属を亜鉛
に添加し合金化させ、亜鉛の水素過電圧を高める方法。 電解液にインヒビターを添加する方法。 亜鉛中の不純物を低下させて耐食性を高める方法。
【0005】ここで、に対応する技術としては、特開
平4−237952号公報、特開平5−151958号
公報等に示されるように、金属インジウム、ビスマス等
で亜鉛合金粉末の表面を被覆する方法が挙げられる。
【0006】しかし、これらの方法は、亜鉛合金粉末の
製造後に、さらに別の工程を設ける必要があるため、コ
ストの面から考えるとあまり好ましい方法ではない。
【0007】また、に対応する技術としては、有機お
よび無機インヒビターに関する数多くの特許が出願され
ている。そして、かかるインヒビターの中で特に効果的
であるものが、ポリエチレングリコール基を化合物の構
造中に含む有機物であることが以前から知られている。
【0008】しかしながら、これらのインヒビターを電
解液に添加した場合、耐食性の向上は著しいものの、電
池性能を極端に劣化させる(特に、開回路電圧の低下、
低温放電特性の劣化等)という致命的な欠点が存在す
る。そのため、現在ではインヒビターは最小限の添加量
で使用されているのが現実である。
【0009】一方、亜鉛の腐食に影響する不純物に関す
る知見としては、亜鉛粉末に存在する有害不純物元素と
して知られているSb、As、Mo、Sn、Cu、N
i、Co、Mg、Geの「ppmオーダーの混在でも腐
食によるガス発生を伴う。」との記載が“「防食技
術」、第23巻、p.557〜572(1974年)、
社団法人 腐食防食協会発行”になされている。しかし
ながら、その当時は汞化によって亜鉛粉末の腐食作用が
抑制されていたため、通常の分析でこれらの元素の含有
量が数十ppm以下であれば殆ど問題となっていなかっ
たのが事実である。
【0010】また、亜鉛中の不純物の含有量を低減する
ことによって水素ガスのガス発生を抑制し、かつ放電性
能を向上させる試みが、例えば特開昭62−12365
3号公報に開示されている。同公報には、鉄やクロム等
の不純物を低減することが記載されており、鉛、インジ
ウムおよびアルミニウムを一定量含有し、かつ水銀を1
重量%含有する汞化亜鉛合金粉末を用いた負極活物質に
おいては、鉄を10ppm程度に低減することによって
水素ガスの発生を抑制しつつ放電性能が向上している
(同公報第1表)。
【0011】しかしながら、水銀含有量が0重量%の無
汞化亜鉛合金粉末では、上記のように不純物としての鉄
の含有量を10ppm程度に低減し、かつ鉛等の添加元
素を含有させても水素ガスの発生を抑制する効果は充分
に得られなかった。
【0012】その後、亜鉛の腐食による水素ガス発生機
構の研究の成果によって、ガス発生部位に亜鉛粉末に含
まれる不可避不純物としての鉄あるいはその酸化物、合
金等の微粒子が存在することが見出され、このことが特
開平5−86430号公報で開示されている。
【0013】そして、上記した特開平5−86430号
公報、特開平5−166507号公報、並びに米国特許
第5,108,494号において開示されたように、亜
鉛中の不純物としての鉄の含有量を1ppm以下に低減
することによって、無汞化でも水素ガス発生の抑制があ
る程度達成される亜鉛合金粉末の開発に成果が上げられ
ている。
【0014】しかしながら、一般的な場合、亜鉛粉末ま
たは亜鉛合金粉末を球形に近付けていくと、見掛け密度
3.3〜3.4g/cm3までは亜鉛の溶解による水素
ガス発生量は徐々に低下していくが、見掛け密度がそれ
を超えて大きくなった場合は亜鉛の溶解による水素ガス
発生量は激増してしまう傾向がある。そのため、亜鉛中
の不純物としての鉄の含有量を1ppm以下にしても一
定の水素ガス発生を抑制する効果は得られるものの、水
素ガス発生量を所定のレベルまで抑制することは困難で
あった。
【0015】一方、近年電池の小型化が進められ、これ
に伴って活物質の使用量が小さくなっている。マイクロ
電池用の負極活物質としては、その電池の寸法上、充填
量が小さいことから秤量性が重視される。秤量性の悪い
活物質の使用は、電池の放電性能のバラツキを大きくす
るため、負極活物質の形状はできるだけ均一であること
が望まれる。そのことが、特開昭60−56366号公
報および特開昭58−218760号公報等に記載され
ている。前者においては、亜鉛粉末の90重量%以上が
100〜200メッシュの粒度を有し、その長軸径/短
軸径の比が1.1以下の球状の亜鉛粒子にすることによ
り、電池特性の安定化を図っている。しかしながら、該
公報においては水銀を含有した亜鉛粉末を使用していた
ため、電池の致命的な欠陥となる洩液の原因となる、亜
鉛粉末の腐食による水素ガス発生に関することについて
は、一切記載されていない。また、後者等においては、
形状指数1.0〜1.3の範囲にある球状亜鉛粉末にお
いて、水銀含有量が0%、かつタリウム、インジウム、
ガリウム、鉛、錫、カドミウムから選ばれる特定の元素
の添加により、秤量性の向上と亜鉛粉末の溶解による水
素ガス発生を抑制する効果が得られている。しかしなが
ら、水銀含有量が0重量%、かつ形状係数1.0〜1.
3の範囲にある球状亜鉛合金粉末では、該公報に提案さ
れた方法によっては、一定の水素ガス発生を抑制する効
果は得られるものの、水素ガス発生量を所定のレベルま
で抑制することは上記の方法と同様に困難であった。従
って、現在においても球状の亜鉛合金粉末を用いた無水
銀のマイクロ電池は未だ実用化されていないのである。
【0016】このように、負極活物質を無汞化かつ無鉛
化することは、低汞化の場合と根本的に異なる困難さを
伴い、また、形状を球状にすることで、さらなる困難さ
が加わり、無汞化かつ無鉛化の球状亜鉛合金粉末を負極
活物質として用い、水素ガスを抑制し、ひいては耐洩液
性を向上させたアルカリ電池は未だ得られていない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の課題を解決すべくなされたもので、無汞化かつ無
鉛化において、水素ガス発生を大幅に抑制し、秤量性を
高めた球状のアルカリ電池用亜鉛合金粉末を提供するこ
とを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
に沿って鋭意研究の結果、亜鉛にビスマスとインジウム
もしくはこれに加えて特定の添加元素を加えることによ
り、上記目的が達成されることを知見し、本発明に到達
した。
【0019】すなわち、本発明の無汞化かつ無鉛化の球
状のアルカリ電池用亜鉛合金粉末は、遠心噴霧法により
製造され、下記(1)または(2): (1)ビスマス0.01〜0.1重量%、インジウム
0.01〜0.1重量%、残部が不純物としての鉄の含
有量1ppm以下の亜鉛、 (2)ビスマス0.01〜0.1重量%、インジウム
0.01〜0.1重量%、アルミニウム、カルシウム、
鉛から選ばれる少なくとも1種0.0001〜0.1重
量%、残部が不純物としての鉄の含有量1ppm以下の
亜鉛、からなり、かつ見掛け密度4.0〜4.5g/c
であることを特徴とする。
【0020】本発明においては、上記(1)〜(2)か
ら選択される成分を含有することが必要である。各成分
元素の含有量が上記の範囲を逸脱した場合には、所期の
水素ガスの発生を抑制する効果が得られなかったり、実
用的な放電性能が維持できないという問題が生じる。本
発明に用いられる添加元素以外の従来より負極活物質と
して用いられる亜鉛合金粉末に含有される添加元素の単
独や組み合わせ、あるいは本発明に用いられる添加元素
であるアルミニウム、ビスマス、インジウム等を単独で
含有させても本発明の効果は得られない。
【0021】また、亜鉛原料については、随伴不純物と
しての鉄の含有量が1ppm以下である。
【0022】従来、亜鉛の腐食による水素ガスの発生機
構について、その粒子の形状等についての検討はあまり
行われていない。特に、無水銀アルカリ電池用の亜鉛合
金粉末においての形状に関することについては報告され
ていない。
【0023】本発明者等は、まず、亜鉛合金粉末におい
てその形状が変化すると、亜鉛の腐食による水素ガス発
生量に変化が現れること知見した。
【0024】現在マイクロ電池用の亜鉛合金粉末として
使用されている鉛500ppm含有亜鉛合金粉末の見掛
け密度と原粉ガス発生速度の変化についての評価を行っ
た。また、ビスマス200ppmとインジウム200p
pmを含有する亜鉛合金粉末についても同様に評価し
た。その結果を図1に示す。ここでいう原粉ガス発生速
度とは、次の方法で測定した亜鉛粉末の電解液中での水
素ガス発生量である。
【0025】すなわち、図2に示すように、亜鉛粉末1
0gと無水銀アルカリ電池の電解液と同様な水酸化カリ
ウム水溶液(40%KOH+4%ZnO)5mlを専用
の容器に入れ、その電解液上部に流動パラフィンを注
ぎ、容器内にガスが入らないよう十分注意しながら目盛
りの入ったチューブで容器に蓋をする。そして、その容
器を60℃の恒温槽に保存してガス測定を行う。単位は
1gの亜鉛粉末から1日に発生したガス量に換算した値
(μl/g/day)として表記する。
【0026】また、見掛け密度とはJIS Z 250
4に規定されているカサ比重測定器にて測定した値であ
り、その値がより大きい方が充填性が良いことを示し、
さらにその粉体の形状がより球形に近付いていることも
同時に示している。
【0027】図1に示すように、亜鉛に鉛を500pp
m含有させた亜鉛合金粉末は、見掛け密度が2.8〜
3.2g/cm3までは原粉ガス発生速度は減少の傾向
を示すが、見掛け密度3.4g/cm3以上になるとガ
ス発生速度は激増することが判った。その他の合金系お
よび亜鉛単独の場合においてもガス発生速度にかなりの
違いはあるものの傾向としては、ほぼ同様の傾向が確認
された。
【0028】一方、亜鉛にビスマス200ppmとイン
ジウム200ppmを含有させた亜鉛合金粉末は、図1
に示されるように見掛け密度が4.0g/cm3以上の
場合においても、ガス発生速度は一定限度上昇するもの
の現在マイクロ電池用に使用されている亜鉛合金粉末
(鉛500ppm含有亜鉛合金粉末:見掛け密度2.8
g/cm3)のガス発生速度とほぼ同等であり、ガス発
生速度上限値である10μl/g/dayを下回る。こ
の傾向は、ビスマスとインジウムを含有する亜鉛合金粉
末、もしくはビスマスとインジウムとアルミニウム、カ
ルシウム、鉛より選ばれる1種以上を含む亜鉛合金粉末
において認められる。但し、この図1に示される亜鉛合
金粉末の原粉ガス発生速度と見掛け密度の関係は、アル
ミニウム、ビスマス、インジウムを含む亜鉛合金粉末に
おいては、例外的に上記の結果とは一致せず、見掛け密
度がより大きくなれば原粉ガス発生速度が小さくなるこ
とも確認されている。
【0029】また、本発明の亜鉛合金粉末を製造する方
法は、亜鉛合金粉末を球状にする方法であればアトマイ
ズ法以外の方法、例えば遠心噴霧法等でも構わない。但
し、粉末を製造する雰囲気中の酸素濃度が0.2容量%
〜0.01容量%であることが望ましい。雰囲気中の酸
素濃度が0.2容量%を超えるとでは見掛け密度が4.
0g/cm3以上の粉末を製造することが難しく、ま
た、雰囲気中の酸素濃度が0.01容量%未満の場合に
おいては、亜鉛粒子の歪みが大きくなり、亜鉛粒子の粒
界部分が弱くなる。そのためビスマス、インジウムが含
有されていても亜鉛の溶解による水素ガス発生量が大き
くなり、原粉ガス発生速度上限値である10μl/g/
dayを下回ることができない。
【0030】一方、秤量性について、見掛け密度4.0
g/cm3以上が必要である。4.0g/cm3未満で
は、秤量精度を高める効果が少ない。これまでの特許公
報等の方法によると、かなり狭い範囲の粒度の粉末を用
いて、秤量精度を高める方法を用いているが、見掛け密
度が4.0g/cm3以上であれば、35〜200メッ
シュのLR20型電池等に用いられている粒度の亜鉛合
金粉末を使用しても、秤量精度は大きく改善される。さ
らに、見掛け密度が大きいことにより、一定容量の容器
内に充填できる亜鉛合金粉末の量が増加するために、電
池性能の大幅な改善が期待できる。通常使用されている
亜鉛合金粉末の見掛け密度は約2.8〜2.9g/cm
3であるので、単純に考えると1.3〜1.5倍の性能
のアップということになる。
【0031】本発明の亜鉛合金粉末は、無汞化かつ無鉛
化でも未放電状態における水素ガス発生が極めて少ない
ため、これを用いれば、耐洩液性に優れた種々の無水銀
アルカリ電池を得ることが可能であり、また、秤量精度
が高いため、放電性能の安定した種々の無水銀アルカリ
電池を得ることが可能である。
【0032】
【実施例】以下、実施例等に基づいて本発明をさらに具
体的に説明する。
【0033】実施例1〜12および比較例1〜6 雰囲気中の鉄含有量が0.005mg/m3の室内にお
いて、随伴不純物としての鉄の含有量が1ppm以下で
ある電解析離亜鉛を約500℃で溶融し、これに表1に
示す各元素の所定量を添加して亜鉛合金溶湯を作製し
た。
【0034】次に、これを酸素濃度0.1容量%の雰囲
気中で直接高圧窒素ガス(噴霧圧5kg/cm2)を使
って粉体化し、得られた亜鉛粉末および亜鉛合金粉末を
35〜200メッシュの粒度に篩い分けした。
【0035】さらに、磁石を用いて磁力選別を行い遊離
鉄粉を除去した。得られた亜鉛合金粉末の鉄含有量はい
ずれも1ppm以下で、見掛け密度は4.2g/cm3
であった。
【0036】ここで、上述した方法を用いて原粉ガス発
生速度を測定し、得られた結果を表1に示した。
【0037】実施例13〜14 雰囲気中の鉄含有量が0.005mg/m3の室内にお
いて、随伴不純物としての鉄の含有量が1ppm以下で
ある電解析離亜鉛を約500℃で溶融し、これに表1に
示す各元素の所定量を添加して亜鉛合金溶湯を作製し
た。
【0038】次に、これを酸素濃度0.2容量%(実施
例13)および酸素濃度0.02容量%(実施例14)
の雰囲気中で直接高圧窒素ガス(噴霧圧5kg/c
2)を使って粉体化し、得られた亜鉛合金粉末を35
〜200メッシュの粒度に篩い分けした。
【0039】さらに、磁石を用いて磁力選別を行い遊離
鉄粉を除去した。得られた亜鉛合金粉末の鉄含有量はい
ずれも1ppm以下で、見掛け密度は4.0g/cm3
および4.5g/cm3であった。
【0040】ここで、実施例1と同様の方法を用いて原
粉ガス発生速度を測定し、得られた結果を表1に示し
た。
【0041】実施例15〜20 雰囲気中の鉄含有量が0.005mg/m2の室内にお
いて、随伴不純物としての鉄の含有量が1ppm以下で
ある電解析離亜鉛を約500℃で溶融し、これに表1に
示す各元素の所定量を添加して亜鉛合金溶湯を作製し
た。
【0042】次に、これを酸素濃度0.1容量%のチャ
ンバー内雰囲気中で、カーボンディスク(回転数160
00rpm)を使う遠心噴霧法にて粉体化し、得られた
亜鉛合金粉末を35〜200メッシュの粒度に篩い分け
した。
【0043】さらに、磁石を用いて磁力選別を行い遊離
鉄粉を除去した。得られた亜鉛合金粉末の鉄含有量はい
ずれも1ppm以下で、見掛け密度は4.2g/cm2
であった。
【0044】ここで、実施例1と同様の方法を用いて原
粉ガス発生速度を測定し、得られた結果を表1に示し
た。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示されるように、見掛け密度が4.
0〜4.5g/cm3で、しかも特定の組成を有する実
施例1〜20の亜鉛合金粉末は、いずれも許容上限であ
る10μl/g/day以下である。これに対して比較
例1〜7の亜鉛合金粉末は、見掛け密度が4.0〜4.
5g/cm3の範囲にあるにも拘らず、合金組成が本発
明で規定する範囲を逸脱することから、水素ガス発生を
抑制する効果が認められない。
【0047】実施例21〜24 LR44用の缶(容積約0.5cc)の中に実施例13
(見掛け密度4.0g/cm3)、実施例2(見掛け密
度4.2g/cm3)、実施例14(見掛け密度4.5
g/cm3)および実施例15(見掛け密度4.2g/
cm3)の亜鉛合金粉末を投入し、その重量をそれぞれ
10回測定し、重量平均値、標準偏差および変動係数
(CV値)を測定し、得られた結果を表2に示した。
【0048】比較例8 実施例2と同様の合金組成の溶湯を高圧窒素ガス(噴霧
圧5kg/cm2)を使って粉体化し、得られた亜鉛合
金粉末を35〜200メッシュの粒度に篩い分けした。
得られた亜鉛合金粉末の見掛け密度は2.9g/cm3
であった。この粉末を実施例21と同様の方法で重量平
均値、標準偏差および変動係数(CV値)を測定し、得
られた結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】表2に示されるように、見掛け密度が4.
0〜4.5g/cm3である実施例21〜24の亜鉛合
金粉末は、35〜200メッシュの粒度であっても、比
較例8と比較して標準偏差は40%以下になり、重量の
バラツキを示す変動係数は1%未満の極めて小さい値を
示し、その秤量性が著しく改善されていることが認めら
れる。さらに、実施例24の亜鉛合金粉末は、見掛け密
度が同様の実施例22と比較して、充填量が増加し、ま
た、標準偏差、変動係数はより小さい値を示し、アトマ
イズ法よりも遠心噴霧法にて製造した亜鉛合金粉末の方
が秤量性がより良好であることが認められる。
【0051】
【発明の効果】以上説明のごとく、亜鉛とビスマスとイ
ンジウム、あるいはこれに加えて特定の添加元素(アル
ミニウム、カルシウム、鉛から選ばれる少なくとも1
種)を溶湯中で溶解し、酸素濃度0.2〜0.01容量
%の雰囲気中でアトマイズもしくは遠心噴霧することに
よって見掛け密度が4.0〜4.5g/cm3である秤
量性が著しく改良されたアルカリ電池用亜鉛合金粉末が
得られる。
【0052】この亜鉛合金粉末は、無汞化かつ無鉛化で
あり、球状であるにも拘らずアルカリ電池、特にマイク
ロ電池用の負極活物質に用いることにより、水素ガス発
生を大幅に抑制すると共に、放電性能のバラツキを大幅
に改善し得る。また、水銀および鉛が含有されていない
ため、この亜鉛合金粉末を負極活物質として用いたアル
カリ電池は社会的にもニーズにも沿ったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 亜鉛合金粉末の原粉ガス発生速度と見掛け密
度の関係を示すグラフ。
【図2】 原粉ガス発生量測定容器を示す側断面図。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/42 C22C 18/00 H01M 4/06 H01M 4/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心噴霧法により製造され、ビスマス
    0.01−0.1重量%、インジウム0.01〜0.1
    重量%、残部が不純物としての鉄の含有量1ppm以下
    の亜鉛からなり、見掛け密度が4.0〜4.5g/cm
    であることを特徴とする無汞化アルカリ電池用亜鉛合
    金粉末。
  2. 【請求項2】 遠心噴霧法により製造され、ビスマス
    0.01〜0.1重量%、インジウム0.01〜0.1
    重量%、アルミニウム、カルシウム、鉛から選ばれる少
    なくとも1種0.0001〜0.1重量%、残部が不純
    物としての鉄の含有量1ppm以下の亜鉛からなり、見
    掛け密度が4.0〜4.5g/cmであることを特徴
    とする無汞化アルカリ電池用亜鉛合金粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の亜鉛合金粉末
    を負極活物質として用いたアルカリ電池。
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