JP2832232B2 - アルカリ電池用亜鉛合金粉末 - Google Patents

アルカリ電池用亜鉛合金粉末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ電池用亜鉛合金
粉末に関し、詳しくは亜鉛中の随伴不純物としての鉄の
含有量が1ppm以下とし、かつ特定の添加元素を含有
し、またまた粉末の真比重を一定値以上とすることによ
り、有害な元素である水銀および鉛を使用せずに、水素
ガス発生を抑制し、電池の耐洩液性を向上させたアルカ
リ電池用亜鉛合金粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池の負極活物質に使用されて
いる汞化亜鉛粉末中の水銀は、亜鉛の腐食による水素ガ
スの発生を抑制し、これに起因する電池の洩液を防止す
る目的から、アルカリ電池の負極活物質に不可欠な成分
と考えられていた。
【0003】しかし、環境対策の面から水銀の低減が求
められており、このため亜鉛に鉛、さらにはアルミニウ
ム、ビスマス、インジウム等を添加元素として加えるこ
とにより、水銀の含有量を10重量%から1重量%前後
まで大幅に低減させても、水素ガスの発生を抑制するこ
とが可能となった。
【0004】しかるに、さらなる社会的要請として、負
極活物質中の水銀含有量を0重量%、換言すれば無汞化
とすることが近年求められている。このように負極活物
質を無汞化とすると情況は大幅に異なり、上記のような
添加元素を加えたとしても、水素ガス発生量を所定のレ
ベルまで抑制することは困難であった。すなわち、従来
より種々の添加元素を加えた負極活物質としての亜鉛合
金粉末が提案されているが(例えば特公平2−2298
4号公報、特開昭61−153950号公報)、これら
は水銀含有量が1重量%またはそれ以下でも所期の水素
ガス発生の抑制は達成できるものの、無汞化ではその実
現ができなかった。
【0005】また、水銀の含有量の低減化に伴ない、鉛
の有する亜鉛腐蝕抑制効果が近年最も重要となってい
る。現在市販されている低水銀アルカリ電池の負極活物
質は、亜鉛−鉛、亜鉛−アルミニウム−鉛、亜鉛−アル
ミニウム−インジウム−鉛、亜鉛−ビスマス−鉛等とい
った合金組成からなっているのが一般的である。つま
り、水銀含有量の低減化は、鉛の添加効果によって達成
されるところが大きく、鉛を使用せずに負極活物質にお
ける無水銀化は達成し得ないと考えられていた。
【0006】この鉛も水銀と同様に人体に悪影響を及ぼ
すことが知られている。クリーンな環境を求める社会的
なニーズを考慮すれば、人為的な鉛の添加は好ましくな
い。しかしながら、上述したように、現在までにおいて
は、負極活物質における無鉛化は、低水銀化の場合でさ
え容易に達成されない。
【0007】一方、亜鉛中の不純物の含有量を低減する
ことによって、水素ガスの発生を抑制し、かつ放電性能
を向上させる試みはなされており、例えば特開昭62−
123653号公報には、鉄やクロム等の不純物を低減
することが記載されており、同公報第4頁第1表におい
ては、鉛、インジウムおよびアルミニウムを一定量含有
し、かつ水銀を1重量%含有する汞化亜鉛合金粉末を用
いた負極活物質においては、鉄を10ppm程度に低減
することによって、水素ガスの発生を抑制しつつ放電性
能が向上している。
【0008】しかしながら、水銀含有量が0重量%の亜
鉛合金粉末では、上記のように不純物としての鉄の含有
量を10ppm程度に低減し、かつ鉛等の添加元素を含
有させても所望の水素ガスの発生を抑制する効果は得ら
れなかった。
【0009】このように、負極活物質を無汞化かつ無鉛
化とすることは、水銀含有量が0.6〜1.0重量%と
いう低汞化の場合と根本的に異なる困難さを伴ない、無
汞化かつ無鉛化の亜鉛合金粉末を負極活物質として用
い、水素ガスの発生を抑制し、ひいては耐洩液性を向上
させたアルカリ電池は未だ得らていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の課題を解決すべくなされたもので、無汞化さらに
は無鉛化において、水素ガス発生を大幅に抑制するアル
カリ電池用亜鉛合金粉末を提供することを目的とし、無
水銀アルカリ電池の耐洩液性を向上させることを最終的
な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
に沿って鋭意研究の結果、不純物としての鉄の含有量が
極めて少ない亜鉛を用い、これに特定の添加元素を加
え、また粉末の真比重を一定値以上とすることにより、
これらの相乗効果によって上記目的が達成されることを
知見し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明の無汞化アルカリ電池用
亜鉛合金粉末は、ビスマス0.01〜0.5重量%、イ
ンジウム0.01〜0.5重量%、残部が随伴不純物で
ある鉄を1ppm以下含有した亜鉛からなり、真比重が
6.4g/cm3以上であることを特徴とする。
【0013】本発明においては、亜鉛中の随伴不純物と
しての鉄の含有量が1ppm以下であることが必要であ
る。鉄の含有量が1ppmを超えた場合には水素ガスの
発生を抑制する効果が小さい。ここでいう鉄の含有量1
ppm以下とは、亜鉛と鉄との分離操作を用いずに、通
常の分析手段であるICPや原子吸光光度法を使用した
場合の分析限界値以下を意味する。従来、このような鉄
の含有量の低い亜鉛または亜鉛合金粉末を負極活物質と
して用いることは行なわれておらず、またそのような報
告も知られていない。高純度の亜鉛地金については特殊
な用途、例えば半導体用に特別に帯域溶融法等の方法を
用いて作ることはできるが、価格的にも高価で、とても
乾電池用の原料として使用できるものではない。また合
金粉末として用いた例も見当たらない。工業的量産物と
して得られる亜鉛インゴットのうち、最高純度とされる
精留亜鉛においても、日本工業規格の鉄濃度は20pp
m以下であり、そのうち不純物レベルの特に低いもので
も鉄濃度は一般的には2ppm以上である。また、電気
亜鉛も同じレベルである。
【0014】また、本発明では、上記した元素を必須成
分として含有する。各成分元素の含有量が上記範囲を逸
脱した場合には、所期の水素ガスの発生を抑制する効果
が得られなかったり、実用的な放電性能が維持できない
という問題が生じる。このような成分以外の添加元素、
例えば従来より負極活物質として用いられる亜鉛合金粉
末に含有されるアルミニウム、ビスマス、カルシウム等
を仮に単独で含有させても上記した本発明の効果は得ら
れない。
【0015】また、本発明の亜鉛合金粉末は、真比重が
6.4g/cm3以上であることが必要である。真比重
が6.4g/cm3未満では、所期の水素ガス発生を抑
制する効果が得られない。
【0016】ここでいう真比重とは、ピクノメーターに
よって測定された比重を指し、ピクノメーターとは図1
に示されるような器具である。ここにおいて真比重は次
のように求められる。すなわち、ピクノメータ−の質量
をmo(g)、ピクノメーターに粉末を1/3〜1/5
程度入れたときの質量をms(g)、それに液を満たし
た時の質量をmsl(g)、ピクノメーターに液のみを満
たした質量をml(g)とすると、真比重ρpは次式で求
められる。なお、ρlは液の比重である。 ρp={(ms−mo)/[(ml−mo)−(msl−ms)]}ρl
【0017】次に、本発明の亜鉛合金粉末の好ましい製
造方法について説明する。本発明では、随伴不純物とし
ての鉄の含有量が1ppm以下の亜鉛を用いる。このよ
うな鉄含有量の低い亜鉛としては、電解法による析離亜
鉛や真空蒸留法による亜鉛インゴットが挙げられる。従
来においては、析離亜鉛を塩化アンモニウム等のフラッ
クスと共に溶融し、鋳型に鋳造した亜鉛インゴットを負
極活物質の亜鉛原料として用いていた。このような亜鉛
インゴットでは鉄の含有量を1ppm以下とすることが
できない。その理由は、亜鉛の溶融工程で浮いたドロス
分を除去するが、その除去工程で一部分回収される亜鉛
を溶融部に戻す。このドロス分除去工程で通常、分離装
置からの鉄分の混入があるからである。また、溶湯ポン
プ、鋳型、環境からの鉄分の混入も予測される。
【0018】この鉄含有量の低い亜鉛の溶湯中で、上記
した各添加元素を所定範囲の含有量となるように溶解す
る。そして、次にこの溶湯をアトマイズ法によって粉体
化し、さらに篩分けして亜鉛合金粉末を得る。この亜鉛
の溶融温度およびアトマイズする際の溶湯温度は、52
5℃以上、好ましくは525〜600℃である。この溶
湯の温度が525℃未満では、得られる亜鉛合金粉末の
真比重が6.4g/cm3以上とならず、その結果とし
て所期の水素ガス発生を抑制する効果が得られない。ま
た溶融およびアトマイズ雰囲気中の鉄の含有量を0.0
09mg/m3以下とすることが、水素ガス発生の抑制
効果をさらに向上させるといった見地から望ましい。ま
た、得られた亜鉛合金粉末を磁力選別することも同様の
観点から望ましい。
【0019】このような従来法と本発明の亜鉛合金粉末
の製造方法の相違を示したフローシートを図2に示す。
【0020】このようにして得られた亜鉛合金粉末中の
鉄の含有量は、上述したように1ppm以下であり、こ
の亜鉛合金粉末は耐洩液性の許容上限である約300μ
l/day・cell(単3型)以下に水素ガスの発生
を抑制することができる。
【0021】従来、亜鉛の腐食による水素ガスの発生機
構については、巨視的なガス量の測定や推測による結晶
構造の関係が論じられるだけで、実際にガスの発生部位
にまで立入って解明されたことがなかった。そのことが
種々出願された技術が無水銀電池に対して実用に耐えな
かった原因ではないかと考えた本発明者等は、ガス発生
場所の顕微鏡観察とEPMA分析とを入念に行なうこと
によって、亜鉛粉末中に含まれる不可避不純物としての
鉄あるいはその酸化物、合金等の微粒子が、亜鉛粒子間
および/または表面に存在する場合に、その微粒子が水
素ガスの発生源になることを突きとめた。
【0022】すなわち、亜鉛粉末をアルカリ電池の電解
液と同様な水酸化カリウム水溶液中に浸漬し、連続的に
ガスが発生する特定の部位があることを光学顕微鏡で観
察した。次に、比較的大粒子や細い棒状あるいは板状の
亜鉛を用いて同様にガス発生状態を観察した。そして、
長時間にわたり同一場所からガスが発生する場所がある
ことを確認して継続ガス発生箇所に鋭利な器具を用いて
印を付した。次に、上記亜鉛をEMPAにて組成分析を
行なった。
【0023】その結果、ガスの連続発生箇所には必ず
0.5〜5μmの主として鉄を含む微粒子が偏在するこ
とが判明した。鉄以外の成分としては場合によりクロ
ム、ニッケル、銀、イオウ、酸素が検出された。このこ
とからガス発生は主として鉄または酸化鉄の粒子が極く
微量混在していることによりなされることが判明した。
【0024】表1に示されるように、0.1〜数mmの
平均粒径を有する各種の粒子を亜鉛粉末あるいは亜鉛板
に1〜数ppm程度の濃度になるように添加し、水酸化
カリウム水溶液中でガス発生の情況を観察した。結果を
表1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】この表1の結果から、鉄、酸化鉄、ステン
レスの粒子がガス発生の中心となることが判った。この
ように、ガス発生源は、微粒子、それも主として鉄系の
粒子であることが判った。
【0027】さらに、本発明者等は鉛を添加した場合の
効果が亜鉛と電解液間で発生する単純な腐食を抑制する
効果よりも、亜鉛中に偏在する鉄分によって引き起こさ
れる局部電池反応による腐食を抑制する効果の方が大き
く、亜鉛中の不純物としての鉄の含有量が極めて低減さ
れた場合には、水素ガス発生量が、鉛の添加無しに耐洩
液性の許容上限を下回わることも知見した。
【0028】また、本発明者等は、亜鉛合金粉末の真比
重がアトマイズの際の溶湯温度と正の相関関係を有する
ことを知見した。この溶湯温度と真比重との関係を図3
に示す。この真比重とは、上述したように、ピクノメー
ターによって注意深く付着ガスを除いて測定された比重
である。
【0029】次に、この真比重と水素ガス発生速度につ
いて試験を行なった。その結果を図4に示す。図4に示
されるように、真比重と水素ガス発生速度との間には負
の相関関係があり、耐洩液性の許容上限である約300
μl/day・cell(単3型)以下に水素ガス発生
速度を抑えるには、真比重を6.4g/cm3以上とす
る必要があることが判った。そして、図3から真比重を
6.4g/cm3以上とするには、アトマイズの際の溶
湯温度を525℃以上にする必要があることが判る。
【0030】この結果の理由については、現在は明らか
ではないが、真比重の意味するところは、粉末内部の空
孔部分の大きさを示し、真比重が小さい場合には内部空
孔がより多く存在している。放電を行なった場合、表面
の亜鉛が溶解していくため、内部に存在していた空孔が
表面に現われ、そのために亜鉛粉末の活性部分が増大
し、それに伴なって水素ガス発生量の増大が起こるもの
と考えられる。従って、真比重が大きい場合には表面に
現われる活性部位が小さいため、水素ガス発生量が大き
くならないものと推測される。
【0031】そこで、本発明では亜鉛中の随伴不純物と
しての鉄の含有量を極めて微量にすると共に、水銀、鉛
以外の特定の添加元素を一定量含有させ、かつ真比重を
6.4g/cm3以上とするのである。このことによっ
て、これらの相乗効果によって、水素ガスの発生が抑制
される。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例に基づいて本発明
を具体的に説明する。
【0033】実施例1〜5および比較例1〜2 雰囲気中の鉄含有量が0.005mg/m3の室内にお
いて、鉄の含有量が1ppm以下である電解析離亜鉛を
535℃で溶融し、これに表2に示す各元素の所定量を
添加して亜鉛合金溶湯を作成した。なお、比較例1は元
素を添加しなかった。
【0034】次に、これを同一の雰囲気中で溶湯温度を
535℃にして直接高圧アルゴンガス(噴出圧5kg/
cm2)を使って粉体化し、得られた亜鉛合金粉末を5
0〜150メッシュの粒度に篩い分けした。
【0035】さらに、磁石を用いて磁力選別を行ない遊
離鉄粉を除去した。得られた亜鉛合金粉末の鉄含有量は
いずれも1ppm以下であった。また真比重はいずれも
6.45g/cm3であった。
【0036】ここで、濃度40%の水酸化カリウム水溶
液に酸化亜鉛を飽和させたものに、ゲル化剤としてカル
ボキシメチルセルロースとポリアクリル酸ソーダを1.
0%程度加えて電解液を作成した。なお、水酸化カリウ
ムは特級試薬を用いた。
【0037】負極活物質として上記亜鉛合金粉末を用
い、この亜鉛合金粉末3.0gを電解液1.5gと混合
してゲル状化したものをそのまま負極材とし、図5に示
すアルカリマンガン電池を作成した。
【0038】このアルカリマンガン電池を25%部分放
電させた後、亜鉛合金粉末の腐食による発生する水素ガ
ス発生量を測定し、得られた結果を表2に示した。な
お、25%部分放電するのは、アルカリマンガン電池を
構成し、0.9Vまでの放電時間を100%とした場
合、25%部分放電あたりが水素ガス発生速度が最大と
なるからであり、1Ω、11分の放電条件をもって25
%部分放電とした。
【0039】図5のアルカリマンガン電池は、正極缶
1、正極2、負極(ゲル状化した亜鉛合金粉末)3、セ
パレーター4、封口体5、負極底板6、負極集電体7、
キャップ8、熱収縮性樹脂チューブ9、絶縁リング1
0,11、外装缶12で構成されている。
【0040】実施例6 電解析離亜鉛の溶融温度およびアトマイズの際の溶湯温
度を565℃とした以外は実施例2と全く同様の組成、
条件によって亜鉛合金粉末を得た。この亜鉛合金粉末の
鉄含有量は1ppm以下、真比重は6.53g/cm3
であった。
【0041】この亜鉛合金粉末を用い、実施例1と同様
に図5に示すアルカリ電池を作成し、25%部分放電を
行ない、水素ガス発生量を測定した。その結果を表2に
示す。
【0042】比較例3 電解析離亜鉛の溶融温度およびアトマイズの際の溶湯温
度を500℃とした以外は実施例2と全く同様の組成、
条件によって亜鉛合金粉末を得た。この亜鉛合金粉末の
鉄含有量は1ppm以下、真比重は6.36g/cm3
であった。
【0043】この亜鉛合金粉末を用い、実施例1と同様
に図5に示すアルカリ電池を作成し、25%部分放電を
行ない、水素ガス発生量を測定した。その結果を表2に
示す。
【0044】比較例4 鉄の含有量が1ppm以下の電解析離亜鉛を通常の通り
一旦鋳込んだ亜鉛インゴットを出発原料として、鉄の含
有量が5mg/m3の雰囲気中で535℃で溶融し、こ
れに表2に示す各元素の所定量を添加して亜鉛合金溶湯
を作成した。
【0045】次に、これを同一の雰囲気中で溶湯温度を
535℃にして高圧アルゴンガス(噴出圧5kg/cm
2)を使って粉体化し、得られた亜鉛亜鉛合金粉末を5
0〜150メッシュの粒度に篩い分けした。
【0046】得られた亜鉛合金粉末の鉄含有量は3pp
mであった。また真比重は6.45g/cm3であっ
た。なお、ここでは磁力選別を行なわなかった。
【0047】この亜鉛合金粉末を用い、実施例1と同様
に図2に示すアルカリ電池を作成し、25%部分放電を
行ない、水素ガス発生量を測定した。その結果を表2に
示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2に示されるように、鉄の含有量が1p
pm以下で、しかも特定の組成を有し、かつ真比重が
6.4g/cm3以上の実施例1〜6の亜鉛合金粉末
は、いずれも水素ガス発生量が耐洩液性の許容上限であ
る約300μl/day・cell(単3型)以下であ
る。これに対して比較例1〜2の亜鉛合金粉末は、鉄の
含有量が1ppm以下、かつ真比重が6.4g/cm3
以上であるにも拘らず、組成が本発明で規定する範囲を
逸脱することから、水素ガス発生を抑制する効果が認め
られない。また、比較例3の亜鉛合金粉末は、鉄の含有
量が1ppm以下で、特定の組成を有するものの、真比
重が6.4g/cm3未満のため水素ガス発生を抑制す
る効果は認められなかった。さらに、比較例4の亜鉛合
金粉末は、鉄の含有量が3ppmであるため、組成およ
び真比重の値が本発明で規定する範囲に含まれるている
にも拘らず、水素ガス発生を抑制する効果が認められな
い。
【0050】実験例 実施例2および比較例4の亜鉛合金粉末に、水銀1重量
%、10重量%含有されるようにそれぞれ汞化し、汞化
亜鉛合金粉末を得た。
【0051】この汞化亜鉛合金粉末を用い、実施例1と
同様に図5に示すアルカリ電池を作成し、25%部分放
電を行ない、水素ガス発生量を測定した。その結果を実
施例2および比較例5の値と共にプロットして図6に示
す。
【0052】この図6に示されるように、鉄の含有量が
3ppmの場合には、水銀含有量が1重量%以上で耐洩
液性の許容上限を下回るのに対し、鉄の含有量が1pp
m以下では水銀の含有の有無に拘らず、耐洩液性の許容
上限を下回る。
【0053】
【発明の効果】以上説明のごとく、随伴不純物としての
鉄の含有量が1ppm以下の亜鉛と特定の添加元素を溶
湯中で溶解し、該溶湯の温度を525℃以上で直接アト
マイズすることによって、鉄の含有量が1ppm以下、
かつ真比重が6.4g/cm3以上のアルカリ電池用亜
鉛合金粉末が得られる。
【0054】この亜鉛合金粉末は、無汞化、無鉛化であ
るにも拘らず、アルカリ電池の負極活物質に用いること
により、水素ガス発生を大幅に抑制すると共に、放電性
能を実用的な水準に保持し得る。また、水銀および鉛が
含有されていないため、この亜鉛合金粉末を負極活物質
として用いたアルカリ電池は社会的ニーズにも沿ったも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真比重の測定に用いられるピクノメーターの
断面図。
【図2】 従来法と本発明の亜鉛合金粉末の製造方法を
示したフローシート。
【図3】 真比重と溶湯温度の関係を示すグラフ。
【図4】 真比重と水素ガス発生速度の関係を示すグラ
フ。
【図5】 本発明に係わるアルカリマンガン電池の側断
面図を示す。
【図6】 亜鉛合金粉末中の水銀含有量と水素ガス発生
量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:正極缶、2:正極、 3:負極、 4:セパレー
タ、 5:封口体、 6:負極底板、 7:負極集電
体、 8:キャップ、 9:熱収縮性樹脂チューブ、
10,11:絶縁リング、 12:外装缶。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−116755(JP,A) 特開 昭62−123656(JP,A) Journal of Applie d Electrochemistry 6(1976)(英)p.163−169 Journal of The El ectrochemical Soci ety 118(1971−5.)(米)p. 685−695 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/42 C22C 18/00 H01M 6/06 H01M 10/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスマス0.01〜0.5重量%、イン
    ジウム0.01〜0.5重量%、残部が随伴不純物とし
    ての鉄を1ppm以下含有する亜鉛からなり、真比重が
    6.4g/cm3以上であることを特徴とする無汞化ア
    ルカリ電池用亜鉛合金粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の亜鉛合金粉末を負極活
    物質として用いたアルカリ電池。
JP4129858A 1992-04-24 1992-04-24 アルカリ電池用亜鉛合金粉末 Expired - Fee Related JP2832232B2 (ja)

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Journal of Applied Electrochemistry 6(1976)(英)p.163−169
Journal of The Electrochemical Society 118(1971−5.)(米)p.685−695

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