JPH0875986A - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JPH0875986A
JPH0875986A JP6212491A JP21249194A JPH0875986A JP H0875986 A JPH0875986 A JP H0875986A JP 6212491 A JP6212491 A JP 6212491A JP 21249194 A JP21249194 A JP 21249194A JP H0875986 A JPH0875986 A JP H0875986A
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JP
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photoelectric conversion
amount
output signal
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JP6212491A
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Shigeyuki Uchiyama
重之 内山
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Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/34Systems for automatic generation of focusing signals using different areas in a pupil plane

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮影レンズが合焦状態にある時に一対のイメ
ージセンサーの出力信号列の間に誤差があっても、短時
間に正確な焦点検出を可能にする。 【構成】 撮影レンズが合焦状態にある時の一対の光電
変換素子列の出力信号列間の誤差量に関する数値に基づ
いて、一対の光電変換素子列の一対の出力信号列から一
対の有効信号列を抽出し、この一対の有効信号列に基づ
いて撮影レンズの焦点調節状態を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカメラやビデオなどに用
いられる焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差検出方式のカメラの焦点検出装置
が知られている。図6は位相差検出方式による焦点検出
装置の概要を示す。撮影レンズ100の領域101から
入射した光束は視野マスク200、フィールドレンズ3
00、絞り開口部401および再結像レンズ501を通
り、入射強度に応じた出力を発生する複数の光電変換素
子を一次元状に並べたイメージセンサーアレイA上に結
像する。同様に、撮影レンズ100の領域102から入
射した光束は視野マスク200、フィールドレンズ30
0、絞り開口部402および再結像レンズ502を通
り、イメージセンサーアレイB上に結像する。これらイ
メージセンサーアレイA列、B列上に結像した一対の被
写体像は、撮影レンズ100が予定焦点面よりも前に被
写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに遠ざ
かり、逆に予定焦点面よりも後ろに被写体の鮮鋭像を結
ぶいわゆる後ピン状態では互いに近づき、ちょうど予定
焦点面に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる合焦時にはイメ
ージセンサーアレイA列、B列上の被写体像は相対的に
一致する。したがって、この一対の被写体像をイメージ
センサーアレイA列、B列により光電変換して電気信号
に変え、これらの信号を演算処理して一対の被写体像の
相対的な位置ずれ量を求めることにより、撮影レンズ1
00の焦点調節状態、ここでは合焦状態から離れている
量とその方向(以後、デフォーカス量と略す)が分か
る。
【0003】図6における視野マスク200、フィール
ドレンズ300、絞り開口部401と402、再結像レ
ンズ501と502、イメージセンサーA列とB列は一
つのモジュール600に組み込まれ、カメラボディ内に
搭載される。
【0004】ここで、デフォーカス量を求める演算処理
方法について述べる。イメージセンサーアレイA列、B
列はそれぞれ複数の光電変換素子からなっており、複数
の出力信号列a[1],...,a[n]、b
[1],...b[n]を出力する(図8(a)、
(b)参照)。そして、この一対の出力信号列の内の所
定範囲のデータを相対的に所定のデータ分Lずつシフト
しながら相関演算を行う。最大シフト数をlmaxとす
るとLの範囲は−lmaxからlmaxとなる。具体的
には相関量C[L]を数式1で算出する。
【数1】C[L]=Σ|a[i+L]−b[i]|, L=-lmax,...,-2,-1,0,1,2,...,lmax、 ここで、Σはi=k〜rの総和演算を表わす。数式1に
おいてLは上述のごとくデータ列のシフト量に当たる整
数である。初項kと最終項rは例えば数式2に示すよう
に、シフト量Lに依存して変化させる。
【数2】L≧0の時、 k=k0+INT{−L/2}, r=r0+INT{−L/2}、 L<0の時、 k=k0+INT{(−L+1)/2}, r=r0+INT{(−L+1)/2}、 ここで、k0、r0はシフト量Lが0の時の初項と最終
項である。この数式2によって初項kと最終項rを変化
させた時の、数式1におけるA列信号とB列信号との差
分の絶対値を算出する信号の組み合わせと、それらの差
分の絶対値を加算する演算範囲とを図9に示す。このよ
うに、シフト量Lの変化にともなってA列、B列の相関
演算に使用する範囲が互いに逆方向にずれていく。初項
kと最終項rをシフト量Lにかかわらず一定とする方法
もあり、この場合は、一方の列の相関演算に使用する範
囲は常に一定となり、他方の列のみがずれる。そして、
相対的な位置ずれ量は一対のデータが一致したときのシ
フト量Lとなるので、こうして得られた相関量C[L]
の中で極小値となる相関量を与えるシフト量を検出し、
これに図6に示す光学系及び、イメージセンサーアレイ
の光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数を掛けた
ものがデフォーカス量となる。よって、最大シフト数l
maxが大きいほど大きなデフォーカス量でも検出でき
ることになる。
【0005】ところで、相関量C[L]は図8(c)に
示すように離散的な値であり、検出可能なデフォーカス
量の最小単位はイメージセンサーアレイA列、B列の光
電変換素子のピッチ幅によって制限されてしまう。そこ
で、離散的な相関量C[L]に基づいて補間演算を行う
ことにより、新たに真の極小値Cexを算出し、綿密な
焦点検出を行う方法が本出願人により特開昭60−37
513号公報に開示されている。これは、図7に示すよ
うに、極小値である相関量C[l]と、その両側のシフ
ト量における相関量C[l+1]、C[l−1]を用い
て、真の極小値Cexとこれを与えるずれ量Lsを数式
3、数式4により算出するものである。
【数3】DL=(C[l−1]−C[l+1])/2, Cex=C[l]−|DL|, E=MAX{C[l+1]−C[l],C[l−1]−
C[l]}
【数4】Ls=l+DL/E 数式3においてMAX{Ca,Cb}はCaとCbの内
の大なる方を選択することを意味する。そしてデフォー
カス量DFは前記ずれ量Lsから数式5によって算出さ
れる。
【数5】DF=Kf×Ls 数式5においてKfは図6に示す光学系及びイメージセ
ンサーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定まる
定数である。
【0006】こうして得られたデフォーカス量が真にデ
フォーカス量を示しているのか、ノイズなどによる相関
量の揺らぎによるものなのかを判定する必要があり、数
式6に示す条件を満たしたとき、デフォーカス量は信頼
ありとする。
【数6】E>E1 & Cex/E<G1 数式6におけるE1、G1は所定のしきい値である。数
値Eは相関量の変化の様子を示し被写体のコントラスト
に依存する値であり、値が大きいほどコントラストが高
く信頼性が高いことになる。Cexは一対のデータが最
も一致したときの差分であり本来は0となる。しかしな
がらノイズの影響や、さらに領域101と領域102と
で視差が生じているために、一対の被写体像に微妙な差
が生じることにより、0とはならない。ノイズや被写体
像の差の影響は被写体のコントラストが高いほど小さい
ので、一対のデータの一致度を表す数値としてはCex
/Eを用いている。当然ながらCex/Eが0に近いほ
ど一対のデータの一致度が高く信頼性が高いことにな
る。なお、数値Eの代わりに一対のデータの一方に関す
るコントラストを算出し、それを用いて信頼性判定を行
う場合もある。そして、信頼性ありと判定されるとデフ
ォーカス量DFに基づく撮影レンズ100の駆動、ある
いは表示を行う。以上、数式1から数式6までの相関演
算、補間演算、条件判定をまとめて焦点検出演算と呼ぶ
ことにする。
【0007】特開昭60−37513号公報に開示され
た焦点検出装置では、相関量C[L]を全シフト範囲
(−lmax〜lmax)に対して算出せず、シフト量
Lを0、1、−1、2、−2、...、Lmax、−L
maxの順に変化させて相関量C[L]を算出し、数式
6を満たす信頼性のあるデフォーカス量が得られた時点
で相関量の演算を中止するようにしている。このように
すると、撮影レンズ100が合焦状態に近い場合にはC
[0]が極小値となるので、C[0]、C[1]、C
[−1]の3個の相関量を算出するだけで短時間にデフ
ォーカス量を算出することができ、被写体が移動物体で
ある場合には被写体の動きに追従して撮影レンズをすば
やく合焦させることができる。
【0008】ところで、実際には、モジュール600を
カメラに搭載する際の装着位置の誤差などによって、撮
影レンズ100が合焦状態にあってもイメージセンサー
A列、B列の出力信号列は完全に一致せずに誤差を生じ
る。したがって、撮影レンズが合焦状態にある時に一対
のイメージセンサーの出力信号列の間に生じる誤差量
(以下、この明細書では単に誤差量と呼ぶ)を補正する
必要があり、そのために上述した数式5に代えて数式7
によりデフォーカス量を算出する。
【数7】DF=Kf×(Ls−Hz) 数式7におけるHzは誤差量Zの補正項であり、誤差量
Zが光電変換素子のピッチ幅を単位とした場合にZであ
ったとすると、数式7における補正項HzはZとなる。
誤差量Zはカメラボディごとに異なるので、カメラの組
み立て後、あるいは組み立て中に測定装置により誤差量
Zを測定し、カメラボディ内の例えばEEPROMなど
の記憶装置に格納する。
【0009】換言すれば、上述した一対のイメージセン
サーアレイの誤差量Zをカメラごとに記憶しておき、デ
フォーカス量を算出するたびにこの誤差量Zを用いて演
算結果を補正すれば、撮影レンズが合焦状態にあっても
イメージセンサーアレイの一対の出力信号列を完全に一
致させる必要がなくなるので、図6に示す焦点検出光学
系の設計の自由度が増し、モジュール600をカメラに
搭載する際の厳密な調整の必要がなくなる。なお、誤差
量Zには符号があり、図9から明らかなようにA列の被
写体像がB列の被写体像に対して光電変換素子番号の小
さい側にずれた場合にマイナスとなり、逆にずれた場合
にプラスとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た一対のイメージセンサーの誤差量Zが光電変換素子の
ピッチ幅より小さい場合には問題はないが、光電変換素
子のピッチ幅を越えるほど大きくなると、合焦時に極小
値となる相関量を与えるシフト量が0ではなく、誤差量
Zだけ移動するために、次のような問題が発生する。 (1) 合焦点が−lmax〜lmaxのシフト範囲の
中心からずれるので、その分だけデフォーカス量の大き
さが前ピンと後ピンとで大きく異なる。 (2) シフト量Lを0,1,−1,2,−2,・・・
の順に変えて相関量C[L]を算出し、数式6を満たす
信頼性のあるデフォーカス量が得られた時点で相関量の
演算を中止するようにした焦点検出装置では、合焦時に
C[0]が極小値にならない場合にはその分だけ演算時
間がかかることになる。例えば誤差量Zが光電変換素子
の2素子分であるとすると、合焦時にはシフト量L=2
の時に相関量C[L]は極小値となる。合焦時にC
[0]が極小値になる場合は、3個の相関量C[0]、
C[1]、C[−1]を算出すれば真の極小値を演算で
きるのに対し、合焦時に相関量C[L=2]が極小値と
なる場合は、6個の相関量C[0]、C[1]、C[−
1]、C[2]、C[−2]、C[3]を算出しなけれ
ば真の極小値を演算できない。
【0011】本発明の目的は、撮影レンズが合焦状態に
ある時に一対のイメージセンサーの出力信号列の間に誤
差があっても、短時間に正確な焦点検出を可能にした焦
点検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数の光電変換素子からなり、
一対の被写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出
力する一対の光電変換素子列と、撮影レンズを通過した
被写体からの一対の光束を前記一対の光電変換素子列へ
導き、前記一対の被写体像を結像する焦点検出光学系
と、前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列に基
づいて、前記撮影レンズの焦点調節状態を演算する焦点
検出演算手段とを備えた焦点検出装置に適用される。そ
して、前記撮影レンズが合焦状態にある時の前記一対の
光電変換素子列の出力信号列間の誤差量に関する数値を
記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶されている誤
差量に関する数値に基づいて前記一対の光電変換素子列
の一対の出力信号列から一対の有効信号列を抽出する信
号抽出手段とを備え、前記焦点検出演算手段によって、
前記信号抽出手段により抽出された一対の有効信号列に
基づいて、前記撮影レンズの焦点調節状態を演算する。
請求項2の発明は、複数の光電変換素子からなり、一対
の被写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出力す
る一対の光電変換素子列と、撮影レンズを通過した被写
体からの一対の光束を前記一対の光電変換素子列へ導
き、前記一対の被写体像を結像する焦点検出光学系と、
前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列を、予め
設定されたシフト範囲内で所定量ずつ相対的にシフトし
ながらそれぞれのシフト位置における相関量を算出し、
極小となる相関量を与えるシフト位置に基づいて前記撮
影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出演算手段と
を備えた焦点検出装置に適用される。そして、前記撮影
レンズが合焦状態にある時の前記一対の光電変換素子列
の出力信号列間の誤差量に関する数値を記憶する記憶手
段を備え、前記焦点検出演算手段によって、前記記憶手
段に記憶されている誤差量に関する数値に基づいて前記
相関量の算出におけるシフト範囲を設定する。
【0013】
【作用】請求項1の焦点検出装置では、撮影レンズが合
焦状態にある時の一対の光電変換素子列の出力信号列間
の誤差量に関する数値に基づいて、一対の光電変換素子
列の一対の出力信号列から一対の有効信号列を抽出し、
この一対の有効信号列に基づいて撮影レンズの焦点調節
状態を演算する。請求項2の焦点検出装置では、撮影レ
ンズが合焦状態にある時の一対の光電変換素子列の出力
信号列間の誤差量に関する数値に基づいて相関量の算出
におけるシフト範囲を設定し、そのシフト範囲内で一対
の光電変換手段の一対の出力信号列を所定量ずつ相対的
にシフトしながらそれぞれのシフト位置における相関量
を算出し、極小となる相関量を与えるシフト位置に基づ
いて撮影レンズの焦点調節状態を検出する。
【0014】
【実施例】
−第1の実施例− 第1の実施例では、イメージセンサーの出力信号列の内
のある範囲を有効信号列として抽出し、抽出した有効信
号列に基づいて焦点検出演算を行う場合に、上述した誤
差量Zに応じて有効信号列の範囲を決定する。この第1
の実施例の有効信号列の範囲の決定動作を、図4(a)
に示すように、撮影レンズが合焦状態にある時に、一対
のイメージセンサーA列、B列の出力信号列が−2.2
素子分だけずれている場合を例に上げて説明する。この
ような出力信号列を用いて数式1、数式2により相関量
C[L]を算出すると、図4(b)に示すようにC[−
2]が極小値となる。そこで、B列の有効信号列として
図4(a)に破線で示す範囲の信号列を抽出し、このB
列の有効信号列に対して2素子分だけ素子番号の小さい
側にシフトした範囲(図4(a)に実線で示す範囲)を
A列の有効信号列として抽出する。その結果、図5
(a)に示すように−0.2素子分だけずれた一対の有
効信号列が得られる。このような有効信号列を用いて数
式1、数式2により相関量C[L]を算出すると、図5
(b)に示すようにC[0]が極小値となり、上述した
問題が解決される。
【0015】図1は第1の実施例の構成を示す機能ブロ
ック図である。焦点検出光学系1は、撮影レンズ100
を通過した被写体からの光をイメージセンサー2へ導く
焦点検出光学系であり、図6に示すように、視野マスク
200、フィールドレンズ300、絞り開口部401、
402、再結像レンズ501、502から構成される。
なお、焦点検出光学系1は図6に示す構成に限定されな
い。イメージセンサー2は、複数の光電変換素子からな
る一対のイメージセンサーアレイA列、B列を有する。
イメージセンサーアレイA列、B列はそれぞれ52個の
光電変換素子からなり、それぞれ52個のデータからな
る出力信号列a[i]、b[i]を出力する。なお、イ
メージセンサーアレイの光電変換素子数はこの実施例に
限定されない。誤差量記憶メモリ4は、一対のイメージ
センサーアレイA列、B列の誤差量に関する数値を記憶
するEEPROMなどのメモリである。信号抽出回路5
は、誤差量記憶メモリ4に格納された誤差量に関する数
値に基づいて、イメージセンサー2の出力信号列a
[i]、b[i](i=1〜52)から有効信号列ya
[i]、yb[i](i=1〜48)を抽出する。焦点
検出演算回路3は、信号抽出回路5により抽出された有
効信号列ya[i]、yb[i]を用いて数式1、2、
3、4、6、7により焦点検出演算を行い、撮影レンズ
100の焦点調節状態を検出する。
【0016】次に、第1の実施例の動作を説明する。誤
差量記憶メモリ4には誤差量に関する数値として誤差量
そのものが格納されており、誤差量はZx(単位は光電
変換素子ピッチ)であるとする。信号抽出回路5は、誤
差量Zxに基づいてイメージセンサーアレイA列、B列
の有効信号列の先頭となる出力信号列の光電変換素子番
号As、Bs(以後、先頭素子番号As,Bsと呼ぶ)
を決定し、有効信号列を抽出する。
【0017】図2により、信号抽出回路5の動作を説明
する。ステップS1でイメージセンサー2から出力信号
列a[i]、b[i](i=1〜52)を入力し、続く
ステップS2で誤差量記憶メモリ4から誤差量Zxを入
力する。そしてステップS3で、誤差量Zxに基づいて
先頭素子番号As、Bsを決定する。この決定方法は、
数式8により、有効信号列を抽出する範囲がA列とB列
とで誤差量Zxに相当する量だけずれるようにする。
【数8】Zx<−3.5 ・・・・ As=1,Bs=5, −3.5≦Zx<−2.5 ・・・・ As=2,Bs=5, −2.5≦Zx<−1.5 ・・・・ As=2,Bs=4, −1.5≦Zx<−0.5 ・・・・ As=3,Bs=4, −0.5≦Zx< 0.5 ・・・・ As=3,Bs=3, 0.5≦Zx< 1.5 ・・・・ As=4,Bs=3, 1.5≦Zx< 2.5 ・・・・ As=4,Bs=2, 2.5≦Zx< 3.5 ・・・・ As=5,Bs=2, 3.5≦Zx ・・・・ As=5,Bs=1 ステップS4で、A列の先頭素子番号Asに基づいてA
列の有効信号列を抽出する。
【数9】ya[i]=a[As+i−1], ここで、i=1〜48 さらにステップS5で、B列の先頭素子番号Bsに基づ
いてB列の有効信号列を抽出する。
【数10】yb[i]=b[Bs+i−1], ここで、i=1〜48
【0018】焦点検出演算回路3は、抽出した有効信号
列ya[i]、yb[i]を用いて数式1、2、3、
4、6、7により焦点検出演算を行い、デフォーカス量
を算出する。有効信号列ya[i]とyb[i]はほぼ
一致しているので、シフト量L=0の時に極小値となる
相関量C[L]を得ることができる。したがって、シフ
ト量Lを0、1、−1、2、−2、...、Lmax、
−Lmaxの順に変化させて相関量C[L]を算出し、
数式6を満たす信頼性のあるデフォーカス量が算出され
た時点で相関量の演算を中止するようにしても、合焦状
態に近い場合にはC[0]が極小値となるので、C
[0]、C[1]、C[−1]の3個の相関量を算出す
るだけで短時間にデフォーカス量を求めることができ
る。数式7における補正項Hzは、誤差量記憶メモリ4
に格納されている誤差量Zxと、信号抽出回路5により
決定した素子番号As、Bsとに基づいて数式11によ
り求める。
【数11】Hz=Zx−(As−Bs)
【0019】なお、誤差量記憶メモリ4に予め先頭素子
番号As、Bsを格納しておいてもよい。そうすれば、
信号抽出回路5により先頭素子番号As、Bsを決定す
る必要がないので演算量を減らすことができる。また、
この場合、誤差量記憶メモリ4に誤差量Zxそのものを
格納せずに、数式11による演算結果の補正項Hzを格
納するようにしてもよい。そうすれば、誤差量記憶メモ
リ4から補正項Hzを読み出して数式7によるデフォー
カス量の演算にそのまま用いることができ、数式11の
演算を実行する必要がなくなり、焦点検出演算回路3の
負担を軽減することができる。
【0020】また、上述した第1の実施例では有効信号
列を抽出する際の先頭素子番号As、Bsを両方とも可
変としたが、一方の先頭素子番号を固定とし、他方の先
頭素子番号のみを可変としてもよい。そうすれば、先頭
素子番号As、Bsの一方が不要となる。さらに、焦点
検出演算回路3では有効信号列そのものを用いて数式1
の相関演算を行なわず、有効信号列に対してフィルター
処理を施してフィルター処理データを求め、そのフィル
ター処理データを用いて数式1による相関演算を行うよ
うにしてもよい。
【0021】撮影画面内に複数の焦点検出領域を有し、
各焦点検出領域ごとに焦点検出光学系とイメージセンサ
ーを設けた焦点検出装置では、各焦点検出領域ごとに誤
差量を記憶し、各焦点検出領域ごとに先頭素子番号を決
定すればよい。また、一対のイメージセンサーの出力信
号列を複数のブロックに分割し、複数のブロックごとに
焦点検出演算を行って複数のデフォーカス量を得るよう
にした焦点検出装置では、例えば複数のブロックに対応
する複数の誤差量を記憶し、複数の誤差量の平均に基づ
いて先頭素子番号を決定したり、複数の誤差量の内の一
つの誤差量に基づいて先頭素子番号を決定すればよい。
【0022】−第2の実施例− 第2の実施例では、誤差量Zの値に基づいてイメージセ
ンサーの一対の出力信号列の相関演算におけるシフト範
囲を変更して焦点検出演算を行う。この第2の実施例の
シフト範囲の変更動作を、図4(a)に示すように、撮
影レンズが合焦状態にある時に、一対のイメージセンサ
ーA列、B列の出力信号列が−2.2素子分だけずれて
いる場合を例に上げて説明する。この場合は、図4
(b)に示すようにシフト範囲が−4〜4であるが、誤
差量が−2.2であるから極小となる相関量を与えるの
はシフト量L=−2の場合である。そこで、シフト量L
=−2がシフト範囲の中心になるように、シフト範囲を
−6〜2とする。これによってC[0]が極小値となる
場合と同等になり、上述した問題が解決される。
【0023】図3は第2実施例の構成を示す機能ブロッ
ク図である。焦点検出光学系1は、撮影レンズ100を
通過した被写体からの光をイメージセンサー2へ導く焦
点検出光学系であり、図6に示すように、視野マスク2
00、フィールドレンズ300、絞り開口部401、4
02、再結像レンズ501、502から構成される。な
お、焦点検出光学系1は図6に示す構成に限定されな
い。イメージセンサー2は、複数の光電変換素子からな
る一対のイメージセンサーアレイA列、B列を有する。
イメージセンサーアレイA列、B列はそれぞれ52個の
光電変換素子からなり、それぞれが52個のデータから
なる出力信号列a[i]、b[i]を出力する。なお、
イメージセンサーアレイの光電変換素子数はこの実施例
に限定されない。誤差量記憶メモリ4は、一対のイメー
ジセンサーアレイA列、B列の誤差量に関する数値を記
憶するEEPROMなどのメモリである。焦点検出演算
回路3は、イメージセンサー2の出力信号列a[i]、
b[i]に対して焦点検出演算を行い、撮影レンズ10
0の焦点調節状態を検出する。
【0024】次に、第2実施例の動作を説明する。誤差
量記憶メモリ4には誤差量に関する数値として誤差量そ
のものが格納されており、誤差量はZx(単位は光電変
換素子ピッチ)であるとする。ここで、焦点検出演算回
路3において行なわれる演算の中で、相関量C[L]の
演算は上述した数式1、2と異なるので、それについて
説明する。まず、合焦状態において数式1、2により相
関量C[L]を算出した時に、C[Os]が極小値とな
るような変換量Osを誤差量Zxに基づいて数式12に
より決定する。
【数12】Zx<−3.5 ・・・・ Os=−4, −3.5≦Zx<−2.5 ・・・・ Os=−3, −2.5≦Zx<−1.5 ・・・・ Os=−2, −1.5≦Zx<−0.5 ・・・・ Os=−1, −0.5≦Zx< 0.5 ・・・・ Os=0, 0.5≦Zx< 1.5 ・・・・ Os=1, 1.5≦Zx< 2.5 ・・・・ Os=2, 2.5≦Zx< 3.5 ・・・・ Os=3, 3.5≦Zx ・・・・ Os=4, 続いて変換量Osを用いてシフト量LをL’に変換し、
相関量C[L’]を数式13により算出する。
【数13】 C[L’]=Σ|a[i+L’]−b[i]|、 ここで、Σはi=k〜rの総和演算を表わす。数式13
におけるL’は数式14によりLから変換される。
【数14】L’=L+Os, L=-lmax,...,-2,-1,0,1,2,...,lmax 初項kと最終項rは変換したシフト量L’に基づいて数
式15により算出する。
【数15】L’≧0の時、 k=k0+INT{−L’/2}, r=r0+INT{−L’/2}、 L’<0の時、 k=k0+INT{(−L’+1)/2}, r=r0+INT{(−L’+1)/2}
【0025】数式12〜15によって相関量C[Os−
lmax]〜C[Os+lmax]が算出され、合焦時
に極小値となるOsがシフト範囲の中心となる。また、
シフト量Lを0、1、−1、2、−2、...、Lma
x、−Lmaxの順に変化させると、L’はOs、Os
+1、Os−1、Os+2、Os−2、...、Os+
Lmax、Os−Lmaxの順に変化することになり、
合焦状態に近い場合にはC[Os]が極小値となるの
で、C[Os]、C[Os+1]、C[Os−1]の3
個の相関量を算出するだけで、短時間で数式6を満たす
信頼性のあるデフォーカス量を得ることができる。数式
7における補正項Hzは、誤差量記憶メモリ4に格納さ
れている誤差量Zxと変換量Osとに基づいて数式16
により算出する。
【数16】Hz=Zx−Os
【0026】なお、誤差量記憶メモリ4に予め変換量O
sを記憶しておいてもよい。そうすれば、焦点検出演算
回路3で数式12により変換量Osを決定する必要がな
いので演算量を減らすことができる。また、この場合、
誤差量記憶メモリ4に誤差量Zxそのものを格納せず
に、数式16による演算結果の補正項Hzを格納するよ
うにしてもよい。そうすれば、誤差量記憶メモリ4から
補正項Hzを読み出して数式7によるデフォーカス量の
演算にそのまま用いることができ、数式16の演算を実
行する必要がなくなり、焦点検出演算回路3の負担を軽
減することができる。また、焦点検出演算回路3では出
力信号列そのものを用いて相関演算を行なわず、出力信
号列に対してフィルター処理を施してフィルター処理デ
ータを求め、フィルター処理データを用いて相関演算を
行うようにしてもよい。
【0027】撮影画面内に複数の焦点検出領域を有し、
各焦点検出領域ごとに焦点検出光学系とイメージセンサ
ーを設けた焦点検出装置では、各焦点検出領域ごとに誤
差量を記憶し、各焦点検出領域ごとに変換量を決定すれ
ばよい。また、一対のイメージセンサーの出力信号を複
数のブロックに分割し、複数のブロックごとに焦点検出
演算を行って複数のデフォーカス量を得るようにした焦
点検出装置では、例えば複数のブロックのそれぞれに対
応する複数の誤差量を記憶し、複数の誤差量の平均に基
づいて変換量を決定したり、複数の誤差量の内の一つの
誤差量に基づいて変換量を決定すればよい。
【0028】上述した第1およぼ第2の実施例におい
て、誤差量の測定はカメラボディ内で行ってもよいし、
ボディとは別の測定器により行ってもよい。同様に、先
頭素子番号As、Bs、変換量Osを予め誤差量記憶メ
モリ4に格納しておく場合も、これらの測定はカメラボ
ディ内で行ってもよいし、ボディとは別の測定器により
行ってもよい。
【0029】以上の実施例の構成において、イメージセ
ンサー2が一対の光電変換素子列を、焦点検出演算回路
3が焦点検出演算手段を、誤差量記憶メモリ4が記憶手
段を、信号抽出回路5が信号抽出手段をそれぞれ構成す
る。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、撮影レンズが合焦状態にある時の一対の光電変換
素子列の出力信号列間の誤差量に関する数値に基づい
て、一対の光電変換素子列の一対の出力信号列から一対
の有効信号列を抽出し、この一対の有効信号列に基づい
て撮影レンズの焦点調節状態を演算するようにしたの
で、撮影レンズが合焦状態にある時の一対の光電変換素
子列の出力信号列間の誤差量に拘らず、デフォーカス量
が前ピンと後ピンで均等になり、合焦状態では極小値と
なる相関量が直ちに演算されて、短時間に正確な焦点検
出が可能となる。請求項2の発明によれば、撮影レンズ
が合焦状態にある時の一対の光電変換素子列の出力信号
列間の誤差量に関する数値に基づいて相関量の算出にお
けるシフト範囲を設定し、そのシフト範囲内で一対の光
電変換手段の一対の出力信号列を所定量ずつ相対的にシ
フトしながらそれぞれのシフト位置における相関量を算
出し、極小となる相関量を与えるシフト位置に基づいて
撮影レンズの焦点調節状態を検出するようにしたので、
撮影レンズが合焦状態にある時の一対の光電変換素子列
の出力信号列間の誤差量に拘らず、デフォーカス量が前
ピンと後ピンで均等になり、合焦状態では極小値となる
相関量が直ちに演算されて、短時間に正確な焦点検出が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図2】第1の実施例の信号抽出動作を示すフローチャ
ート。
【図3】第2の実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図4】誤差量が生じた場合の出力信号列と相関量C
[L]を表す図。
【図5】誤差量が生じた場合の出力信号列に対して第1
の実施例を適用した場合の有効信号列と相関量C[L]
を表す図。
【図6】従来の焦点検出原理を説明する図。
【図7】従来の焦点検出演算を説明する図。
【図8】従来の焦点検出演算を説明する図。
【図9】従来の相関演算を説明する図。
【符号の説明】
1 焦点検出光学系 2 イメージセンサー 3 焦点検出演算回路 4 誤差量記憶メモリ 5 信号抽出回路 100 撮影レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光電変換素子からなり、一対の被
    写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出力する一
    対の光電変換素子列と、 撮影レンズを通過した被写体からの一対の光束を前記一
    対の光電変換素子列へ導き、前記一対の被写体像を結像
    する焦点検出光学系と、 前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列に基づい
    て、前記撮影レンズの焦点調節状態を演算する焦点検出
    演算手段とを備えた焦点検出装置において、 前記撮影レンズが合焦状態にある時の前記一対の光電変
    換素子列の出力信号列間の誤差量に関する数値を記憶す
    る記憶手段と、 この記憶手段に記憶されている誤差量に関する数値に基
    づいて前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列か
    ら一対の有効信号列を抽出する信号抽出手段とを備え、 前記焦点検出演算手段は、前記信号抽出手段により抽出
    された一対の有効信号列に基づいて、前記撮影レンズの
    焦点調節状態を演算することを特徴とする焦点検出装
    置。
  2. 【請求項2】 複数の光電変換素子からなり、一対の被
    写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出力する一
    対の光電変換素子列と、 撮影レンズを通過した被写体からの一対の光束を前記一
    対の光電変換素子列へ導き、前記一対の被写体像を結像
    する焦点検出光学系と、 前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列を、予め
    設定されたシフト範囲内で所定量ずつ相対的にシフトし
    ながらそれぞれのシフト位置における相関量を算出し、
    極小となる相関量を与えるシフト位置に基づいて前記撮
    影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出演算手段と
    を備えた焦点検出装置において、 前記撮影レンズが合焦状態にある時の前記一対の光電変
    換素子列の出力信号列間の誤差量に関する数値を記憶す
    る記憶手段を備え、 前記焦点検出演算手段は、前記記憶手段に記憶されてい
    る誤差量に関する数値に基づいて前記相関量の算出にお
    けるシフト範囲を設定することを特徴とする焦点検出装
    置。
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