JP3678438B2 - 測距装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、被写体からの光束を異なる瞳を通った2つの像のずれ量から求める、いわゆる位相差式焦点検出法を用いた測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カメラの自動焦点検出方法として、被写体からの光束を異なる瞳を通った2つの像のずれ量から求める、いわゆる位相差式焦点検出法というものが知られている。例えば、特開昭59ー126517号公報のカメラのピント検出装置によれば、一対のラインセンサ上に形成される2像のうち、基準部となるラインセンサを複数の重なり合ったブロックに分けて、各ブロックのコントラストを求め、コントラストが高いブロックについて参照部の対応する大きさの部分との2像の一致度を相関演算によって求める方法が開示されている。この方法では、まず初めに基準部の中からコントラストの高い部分を探し、それに対応する参照部の部分とでしか相関演算を行わないため、この相関演算に要する時間を短くすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手法では広視野で十分なデフォーカスの検出ができるような仕様、すなわち、ラインが長く、画素数が多いものに対して演算を行うときに以下のような問題が生じる。
【0004】
広視野の場合、遠景と近景とが同じ視野内に存在する、いわゆる遠近競合のため演算結果の精度が悪くなるという問題点である。この対策としては、従来例では基準ブロックの大きさを小さく設定することで同じ視野内が狭くなり、これによって遠近情報の分離が可能となるという手法がある。
【0005】
ところが、この手法では参照部との一致度を調べる相関演算を行うときには基準ブロックが小さくてもデフォーカス量に対応した分の相関演算が必要であるため、全デフォーカス範囲対して演算しなければならない。よって、基準ブロックを小さくすることにより、かえって対策前よりも演算時間が相当長くなってしまう。
【0006】
これに対し、データを間引いて演算を行うことでデータ処理時間の短縮を図ることが考えられるが、単にデータを間引くだけでは演算精度を低下させるだけで、信頼性が低くなってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、合焦点検出が短時間で行え、かつ、広視野内で起こる遠近競合の影響を受けない測距装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の測距装置は、所定面上に第1像と第2像とからなる一対の像を結像する光学系によって導かれた2像をそれぞれ受光し、これらの像に対応する像信号を出力する光電変換手段と、この光電変換手段により得られた2つの像信号のうち、上記第1像の像信号を複数の視野ブロックに分割する分割手段と、上記分割された視野ブロック毎に、視野ブロック両端の像信号と視野ブロック内の像信号の最大値及び最小値とを抽出する抽出手段と、上記抽出された視野ブロック内の像信号の最大値と最小値との差が所定の大きさを満たす場合には、上記抽出された視野ブロック内の全像信号のうち、上記抽出された視野ブロック両端の位置の像信号と視野ブロック内の最大値及び最小値となる位置の像信号と、上記第2像の対応する各位置に限られた像信号との一致度を、上記視野ブロック毎に所定回数シフトしながら比較する第1演算手段と、上記第1演算手段による比較の結果得られた一致度を基に上記第1像の視野ブロックを選択する視野選択手段と、上記視野選択手段で選択された視野ブロック内の全像信号と上記第2像の対応する位置の全像信号に対して、少なくとも補完計算に必要な回数のシフト演算を行う第2演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の測距装置は、上記視野選択手段は、上記第1演算手段で得られた視野ブロック毎の一致度の最小値を与える位置に基づいて上記第1像の視野ブロックを選択することを特徴とする。
また、請求項3に記載の測距装置は、上記視野選択手段は、測距視野の略中央部分に対応するブロックを優先的に選択することを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明の測距装置では、光電変換手段によって、所定面上に第1像と第2像とからなる一対の像を結像する光学系によって導かれた2像がそれぞれ受光された後、これらの像に対応する信号が像信号として出力され、分割手段によって、光電変換手段により得られた2つの像信号のうち、上記第1像の像信号が複数の視野ブロックに分割され、抽出手段によって、上記分割された視野ブロック毎に、視野ブロック両端の像信号と視野ブロック内の像信号の最大値及び最小値が抽出され、抽出された視野ブロック内の像信号の最大値と最小値との差が所定の大きさを満たす場合には、第1演算手段によって、上記抽出された視野ブロック内の全像信号のうち、上記抽出された視野ブロック両端の位置の像信号と視野ブロック内の最大値及び最小値となる位置の像信号と、上記第2像の対応する各位置に限られた像信号との一致度が上記視野ブロック毎に所定回数シフトしながら比較され、視野選択手段によって、第1演算手段による比較の結果得られた一致度を基に上記第1像の視野ブロックが選択され、第2演算手段によって、視野選択手段で選択された視野ブロック内の全像信号と上記第2像の対応する位置の全像信号に対して、少なくとも補完計算に必要な回数のシフト演算が行われる。
【0011】
また、さらに本発明の測距装置では、上記視野選択手段によって、上記第1演算手段で得られた視野ブロック毎の一致度の最小値を与える位置に基づいて上記第1像の視野ブロックが選択される。
また、さらに本発明の測距装置では、上記視野選択手段によって、測距視野の略中央部分に対応するブロックが優先的に選択される。
【0012】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明に係る実施例の測距装置を含む測距及び測光装置の構成を示す図である。
【0013】
マイクロコンピュータ(以下マイコンと略記する)1は測距及び測光装置の動作を制御し、同時に、測距部及び測光部からの出力信号をA/D変換して演算処理を行う。
【0014】
上記マイコン1は、制御部2へ信号MON、RES、ENDバー、CEN、READ、Gainを出力し、上記制御部2は上記信号を受けて測距及び測光装置の回路各部の動作を制御する。
【0015】
測光部では1対の測光用フォトダイオード3a、3bのアノード、カソードがそれぞれ図1に示したように接続され、上記測光用フォトダイオード3a、3bから出力された信号は圧縮、伸張部4で信号処理された後、出力部5から信号AEDATAとしてマイコン1のA/D変換入力部へ出力される。この測光出力はセンサが動作状態の時は常に出力される。ここで、この測光出力は温度特性を持つため、A/D変換するときは図示しないA/D用基準電圧にも温度特性を持つものを使用し、温度特性をキャンセルする。
【0016】
また、測距部は制御部2からの命令により測距各部の動作を行う。ラインセンサ6は、像信号出力部である受光部6aと遮光された画素からの出力を得る遮光部6bとからなる。ここで、上記受光部6aは図2に示した21Lと21Rに相当する。
【0017】
上記受光部6aには受光による信号の蓄積状態をモニタするためのピーク検出部7aが受光部6aに接続され、上記ピーク検出部7aによりピーク検出された出力は引き算器とサンプルホールド回路8を経て出力部9へ導かれる。なお、ピーク検出部7bは遮光部6bに接続されている。
【0018】
また、受光部6aは被写体の明るさに応じて自動的に感度が、高感度と低感度に切り替わるような構成になっている。
そして、制御部2からの命令により、上記感度の調整中には上記ピーク検出部7a、7bによりピーク検出された出力がマイコン1のA/D変換入力部へ出力され、上記感度の調整が終了し適正感度になったときに、後述するAF信号出力がマイコン1のA/D変換入力部へ出力されるように信号AFDATAの出力が切り替えられる。
【0019】
また、上記受光部6aは制御部2からの信号を受けて初期化され、蓄積を開始する。所定量の電荷を蓄積すると、各画素に蓄積された電荷は蓄積終了信号とともに読み出し部10へ同時に送られ、読み出し信号によってシフトレジスタ11が上記読み出し部10に保持された電荷を順次読み出す。読み出された信号は受光部6aの信号から遮光部6bの信号分が差し引かれ、予め設定された増幅率に基づいて増幅部12で所定の大きさの信号に増幅され、AF信号出力となる。このAF信号出力は温度特性を持たないため、A/D変換するときはA/D用基準電圧には温度変化しない基準電圧を用いる。
【0020】
以下に、本発明に係る実施例の測距装置の動作について説明する。
図2(a)は、上記実施例の受光部の一対のラインセンサを示す図である。
図2(a)において、21L、21Rはそれぞれ光学系によって導かれた測距用の光束を受光する一対のラインセンサの中の測距視野に相当する部分を表している。上記ラインセンサで受光された被写体情報は光電変換され、A/D変換されて、出力20のように各素子の光量に対応した大きさの出力として得られる。そのi番目の画素出力をD(i)と表すことにする。
【0021】
上記21Lと21Rとの相関を行うときに、まずL列の出力から所定の画素出力を得る。図2(a)では(La、D(La))、(Lb、D(Lb))のみ記してあるが、同様に、L列を4分割して4つのブロック22、23、24、25に分け、それぞれの両端の位置に当たる画素出力を得る。次に、上記画素出力によって囲まれる範囲中の各々の位置での信号中の最大値と最小値とを検出する。従って、1分割内で4つの特徴点が検出される。
【0022】
図2(a)では、そのうち一番左のブロック22に相当する位置で、最大値を取るときの画素番号とそのときの最大値(mx,D(mx))、及び最小値を取るときの画素番号とそのときの最小値(mn,D(mn))のみを示す。
【0023】
このような処理で視野内をブロック分割し、各ブロック毎に両端の値とブロック内の最大値、最小値とそれぞれの画素番号(座標)が求められる。この4点をそのブロックの代表値として扱う。
【0024】
ここで、図2(a)における視野は、Vで示す大きさを持ち、フィルム面26に対しては図2(b)に示すような関係になっている。
次に、上記実施例での測距装置における測距時の合焦点検出処理の手順について説明する。
【0025】
図3は、上記実施例での測距装置における測距時の合焦点検出処理の手順を示すフローチャートである。
まず、基準とするブロックを有するL列側のブロックシフト量Saを0に初期化し(ステップS1)、さらに測距視野内のブロック変数BLを0に初期化する(ステップS2)。
【0026】
次に、測距視野内のブロック変数BLの相関計算は以下のように行われる。図2(a)に示すL列の測距視野を4分割し、ブロック22の左側端面のデータLaの値を決める。そして、ブロック22両端の値D(La)、D(Lb)を読み込む(ステップS3、S4)。
【0027】
次に、ブロック22内の最大値D(mx)、最小値D(mn)とその座標を計算し(ステップS5)、その差SINN=D(mx)−D(mn)がコントラスト条件CMIN以下になっているかが判断される(ステップS6)。
【0028】
ここで、SINNがCMIN以下になっていないとき、すなわちコントラストが十分にあるときは、シフト演算1を実行する。このシフト演算1は上記の4点を用い、L列とR列とを以下の式によって求めるものである。
【0029】
SL(BL)=|D(La)−D(La+a)|+|D(Lb)−D(Lb+a)|+|D(mx)−D(mx+a)|+|D(mn)−D(mn+a)|
ここで、aは2像間隔を表し、すなわち、それは図4に示すL列のブロック位置に対して対応するR列のブロック位置との間隔を表す。そして、その位置から前後に±3シフトした位置までaを変化させ、結局、シフト演算1の処理でブロック変数BLについて、計7回のシフト演算が行われる。その中でシフト演算の結果求められた相関値が小さい、すなわち、相関度が高いときの演算結果とシフト位置とが記憶される。
【0030】
また、ブロック両端の値La、Lbはブロック変数BLの値により定められる変数である。以上の動作で1ブロックのシフト演算1の動作を終了する(ステップS7)。
【0031】
次に、シフト演算1終了、あるいはSINNがCMIN以下のときは、ブロック変数BL>3かどうかを判断し(ステップS8)、上記ブロック変数が3より大きくないときはブロック変数BLに1を加え(ステップS9)、ステップS3へ戻る。すなわち、ステップS8、S9で次のブロックに移る処理を行う。
【0032】
これをブロック変数BL=0〜3の各ブロックについて同様に行い、ブロック毎に相関最小値とそのときのシフト位置とを求める。
全ブロックの計算が終了後、すなわち、ステップS8でブロック変数BL>3のときは、基準ブロック列Sa>Sastopかどうかを判断し(ステップS10)、上記基準ブロック列SaがSastopより大きくないときは上記基準ブロック列Sa=Sa+d(本実施例ではd=3)だけシフトし(ステップS11)、ステップS2へ戻る。
【0033】
こうして、図4に示す基準部L(24L)と参照部R(24R)の全範囲でシフト演算を行うまで、すなわち、ステップS10、S11で基準ブロック列Sa>Sastopになるまで、シフト演算を繰り返す処理を行う。
【0034】
図4は、上記シフト演算1でのシフトの仕方を示す図である。ここで、基準部Lをdだけシフトしたとき、L列のブロック内最大値、最小値はブロックがシフトするので再計算する必要がある。しかし、L列のシフトによる変化はdの大きさだけしか起こらない。よって、シフトした後のブロック内最大値、最小値は新たな移動分dに対してのみ行えば良いので、計算規模は小さくて済む。
【0035】
図5(a)、(b)は、上記実施例の視野の選択方法を示す図である。
シフト演算の結果、各ブロック毎に求められた相関値SL(BL)、BL=0〜3のうち最小値を与える位置をsmin(BL)とする。
【0036】
図5(a)は、5つの条件で視野を決定する表である。条件1〜条件4は各ブロックの最小相関値を与える位置smin(BL)と各条件での差の絶対値を比較する式で、ブロック変数BL=0〜3の各位置は図2に示した22、23、24、及び、25の各位置に対応する。
【0037】
条件1は、中央の2つのブロックの最小値の差が4以下かどうかを判断する。この判断値を4としたのは、信号のS/Nが低いときでもこのブロックを優先して選択するためである。
【0038】
上記条件1を満たすとき、シフト演算2の視野として、ブロック23、24の視野を選択する。このときの視野の左端の画素をL列、R列それぞれ、saL、sbLとするとsaL=san(1)、sbL=sbn(1)となる。ここで、san(1)、sbn(1)はブロック23のシフト演算1でのsmin(1)のときのL列、R列の左端の画素番号である。
【0039】
条件2ではブロック22とブロック23の最小値の差が2以下かどうかの判断を行い、この条件2を満たすとき、ブロック22、23を選択する。
同様に、条件3ではブロック24、25、条件4ではブロック22、25を選択する。条件1、2、3は隣合ったブロックを選択し、条件4は中抜け対策として両端のブロックを選択する。各ブロックの大きさは予め設定するため、左端の画素位置とブロック位置がわかればシフト演算に用いる画素の位置はわかる。
【0040】
条件5では上記の条件以外で、かつ、各ブロックの相関の最小値の中の最小のものが10以下かどうかを判断している。この条件を満たすとき、被写体は被写体が狭視野か、一つのブロック内でのみコントラストが存在していると判断し、そのブロックのみを採用する。以上の視野ブロックの選択処理がステップS12で行われる。このステップS12は上記条件1〜5を順次満足をするか判定し、満足した時点で次の条件の判定は行わず、視野選択を終了する。なお、この視野選択は画面中央が選択され易いように、条件1〜5が決められている。
【0041】
上記にて求められた視野を用いてシフト演算2を行う(ステップS13)。
図6は、シフト演算2のブロックを表し、L列の選択された視野に対し、それに対するR列の位置を±3画素分シフトする。これは、上記視野選択の条件に幅を持たせているために、選択した左端データが最小値に対してシフトしている可能性があり、その分と補完に必要なシフト分とを見込んだためである。ここで、シフト演算2の結果得られる最小値とその両端の値とを用いて補完計算を行う(ステップS14)。補完にはさまざまな方法があるが、本実施例では図7に示すような一次関数近似で求める。
【0042】
その後、求められた値の信頼性を判定するために、図8に示すような信頼性判断を行い、この値が所定値よりも大きいときは信頼性がないと判断し、非合焦扱いとする。一方、信頼性があるときは合焦と判断し(ステップS15)、合焦点検出シーケンスを終了する。
【0043】
なお、信頼性は補完に用いる3点FMIN、FM、及び、FPとを用いて、
SK=(FMIN+FP)/(FM−FMIN) (FM>FP)、
SK=(FMIN+FM)/(FP−FMIN) (FM<FP)
で計算する。
【0044】
なお、上記実施例においては、視野の選択で狭視野の場合、一つのブロックのみで行ったが、図5(b)に示すように図5(a)の条件5を更に2つの場合に分け、シフト演算1の最小値を与えるブロックが0か1のときはそのブロックの左端の値をsa1、sb1とする方法も考えられる。これはブロックを小さくすることで逆に演算精度が落ちる場合を考え、このような条件では隣合ったブロックを用いても悪影響は少ないと考えられるからである。また、上記選択方法では比較的中央のブロックのデータを優先的に使うようにしている。
【0045】
また、上記実施例においては、各ブロック内での最大値、最小値を用いて演算データとしたが、例えば各ブロック内の面積の比較によって、シフト演算1を行っても良い。この場合、予めブロック内の面積の加算値を求めておく必要がある。
【0046】
なお、本発明の上記実施態様によれば、以下のごとき構成が得られる。
(1) 被写体からの光束を受光し、光電変換する受光手段と、この受光手段から読み出された信号を基に被写体の合焦状態を求める処理手段と、を有する位相差式の焦点検出装置において、
所定の条件の位置の複数の画素信号と所定の信号中に含まれる特徴を有する画素信号とを基に複数の位置での像の一致度を求める第1演算手段と、
上記第1演算手段の結果から視野を選択する視野選択手段と、
上記第1演算手段の結果と上記視野選択手段で選択された視野に基づいて像の一致度を求める第2演算手段と、
を具備することを特徴とする焦点検出装置。
(2) 上記第1演算手段は上記特徴を有する画素の関係が所定の条件を満たしている時のみ行われることを特徴とする上記(1)に記載の焦点検出装置。
(3) 上記第1演算手段の特徴抽出は少なくとも所定信号中の最大値か最小値を含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焦点検出装置。
(4) 上記第1演算手段の特徴抽出は所定信号中の信号を1度処理した信号からなることを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の焦点検出装置。
(5) 上記視野選択手段は中央部の視野が周辺に対して重み付けされていることを特徴とする上記(1)乃至(4)に記載の焦点検出装置。
(6) 上記視野選択手段は上記第1演算手段の結果、得られる複数の位置の一致度の内、第1の位置と第2の位置との関係が所定の条件を満たすときに上記第1の位置と第2の位置を視野として選択することを特徴とする上記(1)乃至(5)に記載の焦点検出装置。
【0047】
上記(1)乃至(6)に記載の実施態様によれば、複数の視野に分割し、各視野毎の特徴部分を用いて予め一致度の高い視野を選択し、この視野について位相差を演算するので、合焦点検出のための演算時間を短縮することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、短時間で行え、かつ、広視野内で起こる遠近競合の影響を受けず、円滑な合焦点検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の測距装置を含む測距及び測光装置の構成を示す図である。
【図2】(a)は本発明に係る実施例の測距装置のラインセンサ中の測距視野に相当する部分を示す図であり、(b)は上記ラインセンサ中の測距視野に相当する部分とフィルム面との関係を示す図である。
【図3】実施例での測距時の合焦点検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例のシフト演算1でのシフトの仕方を示す図である。
【図5】実施例の視野の選択方法を示す図である。
【図6】実施例のシフト演算2のブロックの様子を示す図である。
【図7】実施例の補完計算に用いる一次関数近似を示す図である。
【図8】実施例の信頼性判断について示す図である。
【符号の説明】
1…マイクロコンピュータ(マイコン)、2…制御部、3a、3b…フォトダイオード、4…圧縮、伸張部、5…出力部、6…ラインセンサ、7a、7b…ピーク検出部、8…サンプルホールド回路、9…出力部、10…読み出し部、11…シフトレジスタ、12…増幅部。
Claims (3)
- 所定面上に第1像と第2像とからなる一対の像を結像する光学系によって導かれた2像をそれぞれ受光し、これらの像に対応する像信号を出力する光電変換手段と、
この光電変換手段により得られた2つの像信号のうち、上記第1像の像信号を複数の視野ブロックに分割する分割手段と、
上記分割された視野ブロック毎に、視野ブロック両端の像信号と視野ブロック内の像信号の最大値及び最小値とを抽出する抽出手段と、
上記抽出された視野ブロック内の像信号の最大値と最小値との差が所定の大きさを満たす場合には、上記抽出された視野ブロック内の全像信号のうち、上記抽出された視野ブロック両端の位置の像信号と視野ブロック内の最大値及び最小値となる位置の像信号と、上記第2像の対応する各位置に限られた像信号との一致度を、上記視野ブロック毎に所定回数シフトしながら比較する第1演算手段と、
上記第1演算手段による比較の結果得られた一致度を基に上記第1像の視野ブロックを選択する視野選択手段と、
上記視野選択手段で選択された視野ブロック内の全像信号と上記第2像の対応する位置の全像信号に対して、少なくとも補完計算に必要な回数のシフト演算を行う第2演算手段と、
を具備したことを特徴とする測距装置。 - 上記視野選択手段は、上記第1演算手段で得られた視野ブロック毎の一致度の最小値を与える位置に基づいて上記第1像の視野ブロックを選択する請求項1に記載の測距装置。
- 上記視野選択手段は、測距視野の略中央部分に対応するブロックを優先的に選択することを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
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