JPH0875983A - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JPH0875983A
JPH0875983A JP6211393A JP21139394A JPH0875983A JP H0875983 A JPH0875983 A JP H0875983A JP 6211393 A JP6211393 A JP 6211393A JP 21139394 A JP21139394 A JP 21139394A JP H0875983 A JPH0875983 A JP H0875983A
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    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/36Systems for automatic generation of focusing signals using image sharpness techniques, e.g. image processing techniques for generating autofocus signals
    • G02B7/365Systems for automatic generation of focusing signals using image sharpness techniques, e.g. image processing techniques for generating autofocus signals by analysis of the spatial frequency components of the image

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  • Focusing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のデフォーカス量の中から焦点検出精度
の高いデフォーカス量を最終デフォーカス量に決定し、
焦点検出結果の信頼性を向上する。 【構成】 撮影画面内の複数の焦点検出領域のそれぞれ
において、光電変換手段の出力信号から任意の周波数成
分の信号を抽出するとともに、その信号に基づいて撮影
レンズの焦点調節状態を算出し、各焦点検出領域の信号
成分の周波数と焦点調節状態とに基づいて、例えば周波
数の高い信号成分に基づいて算出された焦点調節状態を
優先し、撮影レンズの最終的な焦点調節状態を決定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカメラやビデオなどに用
いられる焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位相差検出方式のカメラの焦点検出装置
が知られている。図11は位相差検出方式による焦点検
出装置の概要を示す。撮影レンズ100の領域101か
ら入射した光束は視野マスク200、フィールドレンズ
300、絞り開口部401および再結像レンズ501を
通り、入射強度に応じた出力を発生する複数の光電変換
素子を一次元状に並べたイメージセンサーアレイA上に
結像する。同様に、撮影レンズ100の領域102から
入射した光束は視野マスク200、フィールドレンズ3
00、絞り開口部402および再結像レンズ502を通
り、イメージセンサーアレイB上に結像する。これらイ
メージセンサーアレイA列、B列上に結像した一対の被
写体像は、撮影レンズ100が予定焦点面よりも前に被
写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに遠ざ
かり、逆に予定焦点面よりも後ろに被写体の鮮鋭像を結
ぶいわゆる後ピン状態では互いに近づき、ちょうど予定
焦点面に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる合焦時にはイメ
ージセンサーアレイA列、B列上の被写体像は相対的に
一致する。したがって、この一対の被写体像をイメージ
センサーアレイA列、B列により光電変換して電気信号
に変え、これらの信号を演算処理して一対の被写体像の
相対的な位置ずれ量を求めることにより、撮影レンズ1
00の焦点調節状態、ここでは合焦状態から離れている
量とその方向(以後、デフォーカス量と略す)が分か
る。そしてイメージセンサーアレイA列、B列の再結像
レンズ501、502による投影像は予定焦点面近傍で
重なることになり、図15に示すように撮影画面におけ
る中央部の領域とするのが一般的であり、この領域が焦
点検出領域となる。
【0003】ここで、デフォーカス量を求める演算処理
方法について述べる。イメージセンサーアレイA列、B
列はそれぞれ複数の光電変換素子からなっており、複数
の出力信号列a[1],...,a[n]、b
[1],...b[n]を出力する(図13(a)、
(b)参照)。そして、この一対の出力信号列の内の所
定範囲のデータを相対的に所定のデータ分Lずつシフト
しながら相関演算を行う。最大シフト数をlmaxとす
るとLの範囲は−lmaxからlmaxとなる。具体的
には相関量C[L]を数式1で算出する。
【数1】C[L]=Σ|a[i+L]−b[i]| L=-lmax,...,-2,-1,0,1,2,...,lmax ここで、Σはi=k〜rの総和演算を表わす。数式1に
おいてLは上述のごとくデータ列のシフト量に当たる整
数である。初項kと最終項rは例えば数式2に示すよう
に、シフト量Lに依存して変化させる。
【数2】L≧0の時 k=k0+INT{−L/2} r=r0+INT{−L/2} L<0の時 k=k0+INT{(−L+1)/2} r=r0+INT{(−L+1)/2} ここで、k0、r0はシフト量Lが0の時の初項と最終
項である。この数式2によって初項kと最終項rを変化
させた時の、数式1におけるA列信号とB列信号との差
分の絶対値を算出する信号の組み合わせと、それらの差
分の絶対値を加算する演算範囲とを図14に示す。この
ように、シフト量Lの変化にともなってA列、B列の相
関演算に使用する範囲が互いに逆方向にずれていく。初
項kと最終項rをシフト量Lにかかわらず一定とする方
法もあり、この場合は、一方の列の相関演算に使用する
範囲は常に一定となり、他方の列のみがずれる。そし
て、相対的な位置ずれ量は一対のデータが一致したとき
のシフト量Lとなるので、こうして得られた相関量C
[L]の中で極小値となる相関量を与えるシフト量を検
出し、これに図11に示す光学系及び、イメージセンサ
ーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数
を掛けたものがデフォーカス量となる。よって、最大シ
フト数lmaxが大きいほど大きなデフォーカス量でも
検出できることになる。
【0004】ところで、相関量C[L]は図13(c)
に示すように離散的な値であり、検出可能なデフォーカ
ス量の最小単位はイメージセンサーアレイA列、B列の
光電変換素子のピッチ幅によって制限されてしまう。そ
こで、離散的な相関量C[L]に基づいて補間演算を行
うことにより、新たに真の極小値Cexを算出し、綿密
な焦点検出を行う方法が本出願人により特開昭60−3
7513号公報に開示されている。これは、図12に示
すように、極小値である相関量C[l]と、その両側の
シフト量における相関量C[l+1]、C[l−1]を
用いて、真の極小値Cexとこれを与えるずれ量Lsを
数式3、数式4により算出するものである。
【数3】DL=(C[l−1]−C[l+1])/2 Cex=C[l]−|DL| E=MAX{C[l+1]−C[l],C[l−1]−
C[l]}
【数4】Ls=l+DL/E 数式3においてMAX{Ca,Cb}はCaとCbの内
の大なる方を選択することを意味する。そしてデフォー
カス量DFは前記ずれ量Lsから数式5によって算出さ
れる。
【数5】DF=Kf×Ls 数式5においてKfは図11に示す光学系及びイメージ
センサーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定ま
る定数である。
【0005】こうして得られたデフォーカス量が真にデ
フォーカス量を示しているのか、ノイズなどによる相関
量の揺らぎによるものなのかを判定する必要があり、数
式6に示す条件を満たしたとき、デフォーカス量は信頼
ありとする。
【数6】E>E1 & Cex/E<G1 数式6におけるE1、G1は所定のしきい値である。数
値Eは相関量の変化の様子を示し被写体のコントラスト
に依存する値であり、値が大きいほどコントラストが高
く信頼性が高いことになる。Cexは一対のデータが最
も一致したときの差分であり本来は0となる。しかしな
がらノイズの影響や、さらに領域101と領域102と
で視差が生じているために、一対の被写体像に微妙な差
が生じることにより、0とはならない。ノイズや被写体
像の差の影響は被写体のコントラストが高いほど小さい
ので、一対のデータの一致度を表す数値としてはCex
/Eを用いている。当然ながらCex/Eが0に近いほ
ど一対のデータの一致度が高く信頼性が高いことにな
る。なお、数値Eの代わりに一対のデータの一方に関す
るコントラストを算出し、それを用いて信頼性判定を行
う場合もある。そして、信頼性ありと判定されるとデフ
ォーカス量DFに基づく撮影レンズ100の駆動、ある
いは表示を行う。以上、数式1から数式6までの相関演
算、補間演算、条件判定をまとめて焦点検出演算と呼ぶ
ことにする。
【0006】以上の説明では、イメージセンサーアレイ
A列、B列の出力信号列a[1],...,a[n]、
b[1],...,b[n]そのものを焦点検出演算に
用いている。しかしながら、被写体のナイキスト周波数
より高い周波数成分や、A列とB列の出力のアンバラン
スの影響で正しい焦点検出が出来ないことがある。そこ
で、出力信号列に対してフィルター演算処理を施し、得
られたフィルター処理データを用いて焦点検出演算を行
う方法が本出願人より特開昭61−245123号公報
に開示されている。例えばナイキスト周波数以上の高周
波成分を除去するフィルター処理演算は数式7により実
現され、A列、B列の出力信号列a[1],...,a
[n]、b[1],...,b[n]からフィルター処
理データPa[1],...,Pa[n−2]、Pb
[1],...,Pb[n−2]を得る。
【数7】Pa[i]=(a[i]+2×a[i+1]+
a[i+2])/4 Pb[i]=(b[i]+2×b[i+1]+b[i+
2])/4 ここで、i=1〜n−2
【0007】こうして得られたフィルター処理データP
a[1],...,Pa[n−2]、Pb
[1],...,Pb[n−2]に対し、例えば数式8
によってA列とB列の出力のアンバランスの影響を除去
するフィルター処理演算を施し、フィルター処理データ
Fa[1],...,Fa[n−2−2s]、Fb
[1],...,Fb[n−2−2s]を得る。
【数8】Fa[i]=−Pa[i]+2×Pa[i+
s]−Pa[i+2s] Fb[i]=−Pb[i]+2×Pb[i+s]−Pb
[i+2s] ここで、i=1〜n−2−2s 数式8において、sは1〜10程度の整数であり、数値
が大きいほど被写体パターンのより低周波数成分を抽出
し、数値が小さいほど被写体パターンのより高周波数成
分を抽出することになる。また、フィルター処理データ
の数はsが大きいほど減少する。合焦状態に近いほど被
写体像は高周波数成分を多く含むのでsとしては比較的
小さい値が好ましく、非合焦状態では被写体像がぼけて
低周波数成分のみとなるのでsは大きな値が好ましい。
sが小さい場合は低周波数成分はほとんど除去されてし
まうので、デフォーカス量が大きくて高周波数成分がな
い場合には検出不能となる。したがって、この場合には
数式1における最大シフト数lmaxをあまり大きくし
ても意味がなく、比較的小さな値でよい。反対にsが大
きい場合には低周波数成分を抽出するためにデフォーカ
ス量が大きくても検出可能であるので、lmaxには比
較的大きな値を設定する。
【0008】今後、被写体パターンの周波数成分につい
て論じる場合はイメージセンサーアレイ上に結像した像
ではなく予定焦点面における空間周波数のこととする。
よって、数式8のフィルター処理演算によって得られる
フィルター処理データの周波数成分はsの値の他に、予
定焦点面の像が再結像レンズ501、502によってイ
メージセンサーアレイA列、B列上に結像する時の倍率
と、イメージセンサーアレイA列、B列を形成する光電
変換素子のピッチ幅にも関係する。通常、再結像レンズ
は予定焦点面の像がイメージセンサーアレイ上に縮小さ
れるように構成されているので、前記倍率を縮小倍率と
呼び、縮小倍率が大きいほど予定焦点面の像がイメージ
センサーアレイ上により縮小されて結像するものとす
る。そして、数式8のフィルター処理演算によって得ら
れるフィルター処理データの周波数成分はsの値が大き
く、縮小倍率が大きく、光電変換素子のピッチ幅が広い
ほど低周波数成分を含み、sの値が小さく、縮小倍率が
小さく、光電変換素子のピッチ幅が狭いほど高周波数成
分を含むことになる。
【0009】また、sの値が比較的大きい時には数式8
で得られたフィルター処理データFa[i]、Fb
[i]をそれぞれ1データおきに抜き出してデータ数を
半分に間引くことがある。このようにすると、1つのデ
ータで2画素分の幅を持つことになるので同じ焦点検出
領域とするのに間引かない場合と比べて半分の演算範囲
ですむ。また、間引いた場合のシフト量1は間引かない
場合のシフト量2に相当するので、最大シフト数を半分
としても同じ大きさのデフォーカス量を検出できる。
【0010】図6は低周波数成分のみの被写体の例であ
り、(a)は出力信号列、(b)はs=2のフィルター
処理データ、(c)はs=8のフィルター処理データで
ある。合焦状態なのでA列の出力信号列とB列の出力信
号列が重なっていることとする。この様にs=2による
フィルター処理データはほとんどコントラストが無く平
らであり、s=8とすることによりコントラストが十分
となり信頼性のあるデフォーカス量を得ることができ
る。
【0011】図7は高周波成分のみからなる被写体の場
合であり、(a)〜(c)のデータの種類は図6と同じ
であり、合焦状態とする。この場合はs=2でコントラ
ストが十分となり信頼性のあるデフォーカス量を得るこ
とが出来る。
【0012】図8は高低周波数成分を両方とも十分に含
む被写体の場合であり、(a)〜(c)のデータの種類
は図6と同じであり、合焦状態とする。これは図13に
示す焦点検出領域内に被写体の白い部分と黒い部分の境
界が位置している場合に得られるパターンである。この
パターンではsの値にかかわらず十分なコントラストが
得られる。
【0013】被写体像に含まれる周波数成分は被写体ご
とに異なるので、最初はsを2として高周波数成分を抽
出するフィルター処理を行ない、得られたフィルター処
理データを用いて数式1から数式6の焦点検出演算を行
なう。そして、信頼性のあるデフォーカス量が得られれ
ば終了し、得られない場合にはsを4として低周波数成
分を抽出するフィルター処理を行ない、得られたフィル
ター処理データを用いて数式1から数式6の焦点検出演
算を行なう。このような手順で信頼性のあるデフォーカ
ス量が得られるまでsの値を増大させていくという方法
がある。この方法によれば最初は高周波成分を抽出する
ので、通常の被写体の合焦状態付近であればこの時点で
信頼性のあるデフォーカス量を得ることができる。被写
体が人物の顔などで低周波数成分のみを持つ場合には、
低周波成分を抽出するフィルター処理を行ない、得られ
たフィルター処理データに基づく焦点検出演算でデフォ
ーカス量を得ることができる。算出されたデフォーカス
量が大きい場合には、低周波成分を抽出するフィルター
処理を行ない、得られたフィルター処理データに基づい
て最大シフト数lmaxを大きくして焦点検出演算を行
うことにより、デフォーカス量を求めることができる。
よって、合焦状態付近では演算時間が短くて済むので被
写体が移動体である場合にも容易に追従し、低周波成分
のみの被写体であっても合焦可能であり、大きなデフォ
ーカス量も検出することができる。
【0014】以上で説明した焦点検出装置においては、
イメージセンサーアレイA列、B列は一方向のみに設置
されているので、例えばイメージセンサーアレイが撮影
画面に対して水平方向に設置されているとすると、撮影
画面に垂直な方向のみにコントラストを有する被写体に
対して焦点検出を行なうことができない。そこで、垂
直、水平の両方向にイメージセンサーアレイを配置し、
このような問題を解決する焦点検出装置があり、図9に
よりその種の焦点検出装置を説明する。撮影レンズ10
0の光軸上に視野マスク20、フィールドレンズ30、
絞り40、再結像レンズ50、イメージセンサーアレイ
A、B、C、Dが配置されている。イメージセンサーア
レイA、Bは撮影画面の水平方向に配置され、イメージ
センサーアレイC、Dは撮影画面の垂直方向に配置され
ている。視野マスク20は十字形の開口部を有してお
り、撮影レンズ100の予定焦点面近傍に配置されて撮
影レンズ100によって結像した被写体の空中像を規制
するものである。絞り40は41、42、43、44の
4つの開口部を有し、これらの開口部はフィールドレン
ズ30によって撮影レンズ上に11、12、13、14
として投影される。再結像レンズ50は図9(b)に示
すように絞り4の開口部41、42、43、44に対応
する51、52、53、54の4つのレンズからなり、
視野マスク20の像をイメージセンサー2に結像する。
したがって、撮影レンズ100の11の領域から入射し
た光束は視野マスク20、フィールドレンズ30、絞り
40の開口部41、再結像レンズのレンズ51を通りイ
メージセンサーアレイA上に結像する。同様に、撮影レ
ンズ100の12、13、14の各領域より入射した光
束はそれぞれイメージセンサーアレイB、C、D上に結
像する。そして、イメージセンサーアレイA、Bに結像
した被写体像は撮影レンズ100が前ピンの時は互いに
遠ざかり、後ピンの時は互いに近づき、合焦時にはある
所定の間隔に並ぶ。よって、イメージセンサーアレイ
A、Bの出力信号列a[i]、b[i]を前述のように
演算処理することにより、撮影レンズ100の水平方向
に関するデフォーカス量を算出することができる。同様
に、イメージセンサーアレイC、Dに結像した被写体像
は撮影レンズ100が前ピンの時は互いに遠ざかり、後
ピンの時は互いに近づき、合焦時にはある所定の間隔に
並ぶ。よって、イメージセンサーアレイC、Dの出力信
号列c[i]、d[i]を前述のように演算処理するこ
とにより、撮影レンズ100の垂直方向に関するのデフ
ォーカス量を算出することができる。このような光学
系、イメージセンサーを用いることにより水平方向と垂
直方向の焦点検出領域は図10(a)に示すように撮影
画面で交差する。
【0015】また、図11または図9に示す光学系を複
数組有することにより撮影画面の複数の位置でデフォー
カス量を得ることができる焦点検出装置もあり、この場
合の焦点検出領域は例えば図10(b)に示すような
る。このような複数のデフォーカス量を得る焦点検出装
置では、複数のデフォーカス量の中から最終的なデフォ
ーカス量を決定し、この最終デフォーカス量に基づく撮
影レンズの駆動、あるいは表示を行う。複数のデフォー
カス量の中から一つの最終デフォーカス量を決定する方
法は、特開昭60−262004号公報、特開平2−1
78641号公報、特開平4−235512号公報など
に開示されている。特開昭60−262004号公報に
は、複数のデフォーカス量を平均したり、最も至近を示
すものを選択したり、上述した数値Eが最大のものを選
択するなどの方法が開示されている。また、特開平2−
178641号方向、特開平4−235512号公報に
は、複数のデフォーカス量の中でほとんど近い値を示す
もの同士を平均して複数の平均デフォーカス量を求め、
複数の平均デフォーカス量から例えば最も至近を示すも
のを選択している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、被写体パタ
ーンに応じて最適な値を数式8のsに設定しても、一般
的に低周波数成分のみからなる被写体に対する焦点検出
演算結果は、高周波数成分を含む被写体に対する演算結
果よりも精度は低くなる。さらに、sの値が比較的大き
い場合の、低周波数成分を抽出するフィルター処理にお
いて、フィルター処理データFa[i]、Fb[i]を
それぞれ1データおきに抜き出してデータ数を半分に間
引くようにすると、1つのデータで2画素分の幅を持つ
ことになり、数式3と数式4の補間演算の精度はその分
粗くなるので、焦点検出精度の低下がより顕著になる。
【0017】撮影画面の複数の位置で焦点検出を行なう
焦点検出装置では、各焦点検出領域のイメージセンサー
から出力される出力信号に対して数式7および数式8に
よるフィルター処理を行ない、複数のフィルター処理デ
ータを算出する。ところが、算出された複数のフィルタ
ー処理データの中には、大きなsによる数式8のフィル
ター処理で得られた、低周波数成分のみからなるフィル
ター処理データが含まれていることがある。そのような
フィルター処理データに基づいて数式1〜数式6による
焦点検出演算が行なわれ、例えば最至近のデフォーカス
量が得られたとすると、最至近のデフォーカス量を最終
デフォーカス量に決定する方式の焦点検出装置ではこの
最至近のデフォーカス量を最終デフォーカス量として決
定する。この最終デフォーカス量に決定された最至近の
デフォーカス量はもともと低周波数成分のみからなるフ
ィルター処理データに基づいて算出されたものであるか
ら、上述したようにその焦点検出結果の精度は低い。つ
まり、撮影画面の複数の位置で焦点検出を行なう焦点検
出装置では、高精度な焦点検出結果が得られる高周波数
成分を含むフィルター処理データがあるにも拘らず、低
周波数成分のみからなるフィルター処理データに基づい
て得られたデフォーカス量を最終デフォーカス量として
決定することがあり、そのような場合には焦点検出精度
が低下するので、焦点検出結果の信頼性が低下するとい
う問題がある。
【0018】本発明の目的は、複数のデフォーカス量の
中から焦点検出精度の高いデフォーカス量を最終デフォ
ーカス量に決定し、焦点検出結果の信頼性を向上した焦
点検出装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、撮影レンズの予定焦点面に設定
された撮影画面内に複数の焦点検出領域を有する焦点検
出装置であって、前記各焦点検出領域に対応して設けら
れ、被写体像の光強度分布に応じた信号を出力する複数
の光電変換手段と、前記撮影レンズを通過した被写体か
らの光を前記各光電変換手段へ導き、前記各光電変換手
段上に被写体像を結像する焦点検出光学系と、前記各光
電変換手段の出力信号から任意の周波数成分の信号を抽
出するフィルター処理手段と、このフィルター処理手段
により抽出された任意の周波数成分の信号に基づいて、
前記撮影レンズの焦点調節状態を算出する演算手段と、
前記各焦点検出領域ごとの前記フィルター処理手段によ
り抽出された信号成分の周波数と、前記各焦点検出領域
ごとに前記演算手段により算出された焦点調節状態とに
基づいて、前記撮影レンズの最終的な焦点調節状態を決
定する最終状態決定手段とを備える。請求項2の焦点検
出装置は、前記最終状態決定手段によって、周波数の高
い信号成分に基づいて算出された焦点調節状態を優先し
て最終的な焦点調節状態を決定するようにしたものであ
る。請求項3の焦点検出装置は、前記フィルター処理手
段によって、まず高い周波数の成分を抽出して前記演算
手段により焦点調節状態を算出し、算出結果に所定の信
頼性が得られるまで抽出信号成分の周波数を低減して前
記演算手段による焦点調節状態の演算を繰り返すように
したものである。
【0020】
【作用】各焦点検出領域において、光電変換手段の出力
信号から任意の周波数成分の信号を抽出するとともに、
その信号に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を算出
し、各焦点検出領域の信号成分の周波数と焦点調節状態
とに基づいて、例えば周波数の高い信号成分に基づいて
算出された焦点調節状態を優先し、撮影レンズの最終的
な焦点調節状態を決定する。これにより、複数の焦点検
出領域で検出される複数の焦点調節状態から焦点検出精
度の高い最終的な焦点調節状態が得られ、焦点検出の信
頼性が向上する。なお、光電変換手段の出力信号から任
意の周波数成分を抽出する時に、まず高い周波数の成分
を抽出して焦点調節状態を演算し、算出結果に所定の信
頼性が得られるまで信号成分の周波数を低減して焦点調
節状態の演算を繰り返す。これにより、高い周波数成分
に基づく焦点調節状態の演算結果に所定の信頼性が得ら
れれば、低い周波数に基づく焦点調節状態の演算を省略
でき、演算手段の負担が低減して焦点検出時間が短縮さ
れる。
【0021】
【実施例】図1は本発明の実施例の構成図である。焦点
検出光学系1は、撮影レンズ100を通過した被写体か
らの光を被写体像検出回路2へ導く光学系であり、例え
ば図9に示すような視野マスク20と、フィールドレン
ズ30と、絞り開口部41、42、43、44と、再結
像レンズ51、52、53、54とから成る。絞り開口
部41、42と再結像レンズ51、52は撮影画面に対
して水平方向の焦点検出のために用いられ、絞り開口部
43、44と再結像レンズ53、54は撮影画面に対し
て垂直方向の焦点検出のために用いられる。ここで、再
結像レンズ51、52による水平方向の縮小倍率と再結
像レンズ53、54による垂直方向の縮小倍率は等しい
ものとする。
【0022】被写体像検出回路2は、図9に示すように
イメージセンサーアレイA、B、C、Dの計4列を有す
る回路であり、それぞれのイメージセンサーアレイはn
個の光電変換素子からなる。したがって、それぞれがn
個のデータからなる出力信号列a[i]、b[i]、c
[i]、d[i]を出力する。なお、イメージセンサー
アレイAとBが一対のイメージセンサーを構成し、イメ
ージセンサーアレイCとDが一対のイメージセンサーを
構成する。イメージセンサーアレイA、Bは撮影画面に
対して水平方向に配置され、イメージセンサーアレイ
C、Dは撮影画面に対して垂直方向に配置されている。
この実施例では、イメージセンサーアレイA、B、C、
Dを形成する光電変換素子のピッチ幅を全て等しくした
ので、水平方向の光電変換素子のピッチ幅と垂直方向の
光電変換素子のピッチ幅は等しいことになる。
【0023】フィルター処理回路3は、被写体像検出回
路2から出力される出力信号列a[i]、b[i]、c
[i]、d[i]に対して数式7、数式8に示すフィル
ター処理を施し、フィルター処理データFa[i]、F
b[i]、Fc[i]、Fd[i]を出力する回路であ
る。水平方向と垂直方向とで縮小倍率と光電変換素子の
ピッチ幅が等しいので、水平方向と垂直方向とのフィル
ター処理演算によって抽出する周波数成分の相対的な高
低は数式8におけるsの値に依存し、sの値を変化させ
ることにより複数の種類のフィルター処理演算を実現し
ている。
【0024】焦点検出信号決定回路4は、フィルター処
理回路3から出力されるフィルター処理データFa
[i]、Fb[i]を用いて数式1から数式6までの焦
点検出演算を行い、撮影レンズ100の撮影画面に対し
て水平方向に関するデフォーカス量DfHを算出する。
同様に、フィルター処理データFc[i]、Fd[i]
を用いて数式1から数式6までの焦点検出演算を行い、
撮影レンズ100の撮影画面に対して垂直方向に関する
デフォーカス量DfVを算出する。焦点検出信号決定回
路5は、焦点検出演算回路4により算出された水平方向
デフォーカス量DfHおよび垂直方向デフォーカス量D
fVと、これらを得る際に用いたフィルター処理演算の
種類とに基づいて最終的なデフォーカス量DfLを決定
する。なお、フィルター処理回路3、焦点検出演算回路
4、焦点検出信号決定回路5はマイクロコンピューター
によって実現してもよい。
【0025】以上のように構成された本発明の焦点検出
装置の全体の動作を図2により説明する。ステップS1
において、被写体像検出回路2から出力された出力信号
列a[i]、b[i]をフィルター処理回路3と焦点検
出演算回路4とにより演算処理し、水平方向デフォーカ
ス量DfHを得る。この詳細は後述する。続くステップ
S2で、被写体像検出回路2から出力された出力信号列
c[i]、d[i]をフィルター処理回路3と焦点検出
演算回路4とにより演算処理し、垂直方向デフォーカス
量DfVを得る。この詳細も後述する。ステップS3
で、水平方向デフォーカス量DfHおよび垂直方向デフ
ォーカス量DfVと、これらを得る際に用いたフィルタ
ー処理演算の種類とに基づいて、焦点検出信号決定回路
5により最終的デフォーカス量DfLを決定する。この
詳細は後述する。なお、図2の動作で水平方向デフォー
カス量DfHを垂直方向デフォーカス量DfVよりも先
に算出しているが、特に意味はないので順番を逆にして
もかまわない。
【0026】図3により、図2のステップS1における
水平方向デフォーカス量DfHの算出動作を説明する。
ステップS301において出力信号列a[i]、b
[i]を入力し、続くステップS302で数式7により
フィルター処理データPa[i]、Pb[i]を算出す
る。ステップS303で数式8のsの値に2を設定して
ステップS304へ進み、数式8のフィルター処理演算
を実行して高周波数成分を含むフィルター処理データF
a[i]、Fb[i]を抽出する。ステップS305で
は、算出したフィルター処理データFa[i]、Fb
[i]を用いて数式1から数式6までの焦点検出演算を
実行する。次に、ステップS306で信頼性のあるデフ
ォーカス量が得られたか否かを判別し、得られた場合に
はステップS316へ進み、得られなかった場合にはス
テップS307へ進む。ステップS307で数式8のs
の値に4を設定してステップS308へ進み、数式8の
フィルター処理演算を実行して中周波数成分を含むフィ
ルター処理データFa[i]、Fb[i]を抽出する。
ステップS309では、算出したフィルター処理データ
Fa[i]、Fb[i]を用いて数式1から数式6まで
の焦点検出演算を実行する。
【0027】ステップS310において、信頼性のある
デフォーカス量が得られたか否かを判別し、得られた場
合にはステップS317へ進み、得られなかった場合に
はステップS311へ進む。ステップS311で数式8
のsの値に8を設定してステップS312へ進み、数式
8のフィルター処理演算を実行して低周波数成分を含む
フィルター処理データFa[i]、Fb[i]を抽出す
る。ステップS313では、算出したフィルター処理デ
ータFa[i]、Fb[i]を用いて数式1から数式6
までの焦点検出演算を実行する。そして、ステップS3
14で信頼性のあるデフォーカス量が得られたか否かを
判別し、得られた場合にはステップS318へ進み、得
られなかった場合にはステップS315へ進む。ステッ
プS315で数値Hsに99を設定して処理を終了す
る。Hsは設定された数値によって信頼性のあるデフォ
ーカス量が得られたときのフィルター処理演算の種類を
示すものであって、99が設定されているときは水平方
向デフォーカス量DfHが得られなかったということを
表す。
【0028】一方、ステップS316ではHsを1とし
て処理を終了する。Hsが1であるということは、高周
波数成分を抽出したフィルター処理データに基づいて水
平方向デフォーカス量DfHが得られたことを表す。ま
た、ステップS317では、Hsを2として処理を終了
する。Hsが2であるということは、中周波数成分を抽
出したフィルター処理データに基づいて水平方向デフォ
ーカス量DfHが得られたことを表す。さらに、ステッ
プS318では、Hsを3として処理を終了する。Hs
が3であるということは、低周波数成分を抽出したフィ
ルター処理データに基づいて水平方向デフォーカス量D
fHが得られたことを表す。
【0029】以上の水平方向デフォーカス量DfH算出
動作において、ステップS301〜S304、S30
7、S308、S311、S312はフィルター処理回
路3の動作であり、他のステップは焦点検出演算回路4
の動作である。
【0030】図4により、図2のステップS2における
垂直方向デフォーカス量DfV算出の詳細な動作を説明
する。ステップS401において出力信号列c[i]、
d[i]を入力し、続くステップS402で、数式7に
おけるa[i]、b[i]の代わりにc[i]、d
[i]を用いることによって、フィルター処理データP
c[i]、Pd[i]を算出する。ステップS403で
数式8のsの値に2を設定してステップS404へ進
み、数式8のPa[i]、Pb[i]の代わりにPc
[i]、Pd[i]を用いてフィルター処理演算を実行
し、高周波数成分を含むフィルター処理データFc
[i]、Fd[i]を抽出する。ステップS405で
は、算出したフィルター処理データFc[i]、Fd
[i]を用いて数式1から数式6までの焦点検出演算を
実行する。
【0031】ステップS406において、信頼性のある
デフォーカス量が得られたか否かを判別し、得られた場
合にはステップS416へ進み、得られなかった場合に
はステップS407へ進む。ステップS407で数式8
のsの値に4を設定してステップS408へ進み、数式
8におけるPa[i]、Pb[i]の代わりにPc
[i]、Pd[i]を用いてフィルター処理演算を実行
し、中周波数成分を含むフィルター処理データFc
[i]、Fd[i]を抽出する。ステップS409で
は、算出したフィルター処理データFc[i]、Fd
[i]を用いて数式1から数式6までの焦点検出演算を
実行する。そして、ステップS410で信頼性のあるデ
フォーカス量が得られたか否かを判別し、得られた場合
にはステップS417へ進み、得られなかった場合には
ステップS411へ進む。ステップS411で数式8の
sの値に8を設定してステップS412へ進み、数式8
のPa[i]、Pb[i]の代わりにPc[i]、Pd
[i]を用いてフィルター処理演算を実行し、低周波数
成分を含むフィルター処理データFc[i]、Fd
[i]を抽出する。ステップS413では、算出したフ
ィルター処理データFc[i]、Fd[i]を用いて数
式1から数式6までの焦点検出演算を実行する。
【0032】ステップS414において、信頼性のある
デフォーカス量が得られたか否かを判別し、得られた場
合にはステップS418へ進み、得られなかった場合に
はステップS415へ進む。ステップS415で数値V
sに99を設定して処理を終了する。Vsは設定された
数値によって信頼性のあるデフォーカス量が得られたと
きのフィルター処理演算の種類を示すものであって、9
9が設定されている時は垂直方向デフォーカス量DfV
が得られ無かったということを表す。一方、ステップS
416ではVsを1として処理を終了する。Vsが1で
あるということは、高周波数成分を抽出したフィルター
処理データに基づいて垂直方向デフォーカス量DfVが
得られたことを表す。また、ステップS417ではVs
を2として処理を終了する。Vsが2であるということ
は、中周波数成分を抽出したフィルター処理データに基
づいて垂直方向デフォーカス量DfVが得られたことを
表す。さらに、ステップS418ではVsを3として処
理を終了する。Vsが3であるということは、低周波数
成分を抽出したフィルター処理データに基づいて垂直方
向デフォーカス量DfVが得られたことを表す。
【0033】以上の垂直方向デフォーカス量DfV算出
動作において、ステップS401〜S404、S40
7、S408、S411、S412はフィルター処理回
路3の動作であり、他のステップは焦点検出演算回路4
の動作である。
【0034】次に、図5により、図2のステップS3に
おける最終デフォーカス量DfL決定動作を説明する。
ステップS501において、水平方向デフォーカス量D
fHの算出処理において設定されたHsと、垂直方向デ
フォーカス量DfV算出処理において設定されたVsと
を比較し、両者が等しい場合にはステップS502へ進
み、両者が異なる場合にはステップS505へ進む。ス
テップS502でHsが99であるか否か、つまり水平
方向デフォーカス量DfHが得られなかったか否かを判
別する。ステップS501においてHsとVsは等しい
と判別されているので、Hsが99である場合にはVs
も99であり、DfH、DfV共に得られなかったこと
になり、この場合はステップS503へ進む。Hsが9
9ではない場合にはDfH、DfV共に得られたことに
なり、この場合はステップS504へ進む。ステップS
503では、DfH、DfV共に得られなかったので焦
点検出不能として処理を終了する。
【0035】ステップS501でHsとVsは等しいと
判定され、且つステップS502でDfH、DfV共に
得られたと判定された時はステップS504へ進む。H
sとVsが等しいということは、DfH、DfVは共に
同じ周波数成分を抽出したフィルター処理データによっ
て得られたことになる。そこで、従来の方法で最終デフ
ォーカス量DfLを決定すればよく、ここではDfHと
DfVの内のより至近を示す方を最終デフォーカス量D
fLとして処理を終了する。一方、ステップS501に
おいてHsとVsは等しくないと判別された時はステッ
プS505へ進み、少なくともDfH、DfVの一方は
得られており、両方とも得られている場合にはフィルタ
ー処理データの抽出した周波数成分が異なっていること
になる。そこでHsとVsを比較し、Vsの方が小さい
場合にはDfVを得たフィルター処理データはDfHを
得たフィルター処理データに対してより高周波数成分を
抽出したものであり、DfVの方がより高周波数成分を
含んだ被写体によって得られたものということになる。
そこで、この場合にはDfVを最終デフォーカス量Df
LとすべくステップS507へ進む。逆にHsの方が小
さい場合にはDfHの方がより高周波数成分を含んだ被
写体によって得られたものということになり、この場合
にはDfHを最終デフォーカス量DfLとすべくステッ
プS506へ進む。ステップS506では、水平方向デ
フォーカス量DfHを最終デフォーカス量DfLとして
処理を終了する。一方、ステップS507では垂直方向
デフォーカス量DfVを最終デフォーカス量DfLとし
て処理を終了する。
【0036】以上の動作は全て焦点検出信号決定回路5
の動作である。ステップS504においてフィルター処
理演算の種類が同じ場合にはより至近を示す方を選択し
ているが、この選択方法に限定されず、数値Eの大なる
方を選択したり、ほとんど同じ距離を示す場合には両者
を平均して最終デフォーカス量DfLとしたり、一方を
優先して選択するようにしてもよい。
【0037】以上で説明した実施例では高周波数成分抽
出、中周波数成分抽出、低周波数成分抽出のフィルター
処理演算として数式8のsの値をそれぞれ2、4、8と
したが、sの値は上記実施例に限定されない。また、上
記実施例ではフィルターの種類は3種類としたが、2種
類または4種類以上でもよい。さらに、水平方向のデフ
ォーカス量算出と垂直方向のデフォーカス量算出とでフ
ィルター処理演算の種類の数を同一としたが、異なる種
類の数としてもよい。
【0038】上記実施例では水平方向、垂直方向とで縮
小倍率、光電変換素子のピッチ幅を同一としたが、少な
くとも一方が異なる場合には数式8のsの値が同じであ
っても抽出する周波数成分が異なる場合がある。このよ
うな場合は高周波数成分抽出、中周波数成分抽出、低周
波数成分抽出フィルター処理演算などで、それぞれが抽
出する周波数成分が水平方向と垂直方向とでほぼ等しく
なるように、数式8のsの値を水平方向と垂直方向とで
異なるようにすればよい。
【0039】また、上記実施例では図10(a)に示す
ように撮影画面内で交差する水平方向と、垂直方向の2
つの焦点検出領域を有する焦点検出装置を例に上げて説
明したが、図10(b)に示すように撮影画面内に複数
の焦点検出領域を備えた焦点検出装置にも本発明を適用
することができる。
【0040】以上の実施例の構成において、被写体像検
出回路2が光電変換手段を、フィルター処理回路3がフ
ィルター処理手段を、焦点検出演算回路4が演算手段
を、焦点検出信号決定回路5が最終状態決定手段をそれ
ぞれ構成する。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、複
数の焦点検出領域のそれぞれにおいて、光電変換手段の
出力信号から任意の周波数成分の信号を抽出するととも
に、その信号に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を算
出し、各焦点検出領域の信号成分の周波数と焦点調節状
態とに基づいて、例えば周波数の高い信号成分に基づい
て算出された焦点調節状態を優先し、撮影レンズの最終
的な焦点調節状態を決定するようにしたので、複数の焦
点検出領域で検出される複数の焦点調節状態から焦点検
出精度の高い最終的な焦点調節状態が得られ、焦点検出
の信頼性が向上する。なお、光電変換手段の出力信号か
ら任意の周波数成分を抽出する時に、まず高い周波数の
成分を抽出して焦点調節状態を演算し、算出結果に所定
の信頼性が得られるまで信号成分の周波数を低減して焦
点調節状態の演算を繰り返すようにすれば、高い周波数
成分に基づく焦点調節状態の演算結果に所定の信頼性が
得られたらそれよりも低い周波数に基づく焦点調節状態
の演算を省略でき、演算手段の負担が低減して焦点検出
時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を表す機能ブロック図。
【図2】一実施例の動作を示すフローチャート。
【図3】一実施例の水平方向デフォーカス量DfHの算
出動作を示すフローチャート。
【図4】一実施例の垂直方向デフォーカス量DfVの算
出動作を示すフローチャート。
【図5】一実施例の最終デフォーカス量DfLの決定動
作を示すフローチャート。
【図6】低周波数成分のみからなる被写体パターンの例
を示す図。
【図7】高周波数成分のみからなる被写体パターンの例
を示す図。
【図8】高周波数成分、低周波数成分を共に含む被写体
パターンの例を示す図。
【図9】水平方向、垂直方向それぞれについて焦点検出
を行う焦点検出装置の焦点検出光学系を示す図。
【図10】撮影画面と焦点検出領域との位置関係を表す
図。
【図11】従来の焦点検出光学系の概要を示す図。
【図12】従来の焦点検出演算を説明する図。
【図13】従来の焦点検出演算を説明する図。
【図14】従来の相関演算を説明する図。
【図15】従来の撮影画面と焦点検出領域との位置関係
を示す図。
【符号の説明】
1 焦点検出光学系 2 被写体像検出回路 3 フィルター処理回路 4 焦点検出演算回路 5 焦点検出信号決定回路 100 撮影レンズ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの予定焦点面に設定された撮
    影画面内に複数の焦点検出領域を有する焦点検出装置で
    あって、 前記各焦点検出領域に対応して設けられ、被写体像の光
    強度分布に応じた信号を出力する複数の光電変換手段
    と、 前記撮影レンズを通過した被写体からの光を前記各光電
    変換手段へ導き、前記各光電変換手段上に被写体像を結
    像する焦点検出光学系と、 前記各光電変換手段の出力信号から任意の周波数成分の
    信号を抽出するフィルター処理手段と、 このフィルター処理手段により抽出された任意の周波数
    成分の信号に基づいて、前記撮影レンズの焦点調節状態
    を算出する演算手段と、 前記各焦点検出領域ごとの前記フィルター処理手段によ
    り抽出された信号成分の周波数と、前記各焦点検出領域
    ごとの前記演算手段により算出された焦点調節状態とに
    基づいて、前記撮影レンズの最終的な焦点調節状態を決
    定する最終状態決定手段とを備えることを特徴とする焦
    点検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の焦点検出装置におい
    て、 前記最終状態決定手段は、周波数の高い信号成分に基づ
    いて算出された焦点調節状態を優先して最終的な焦点調
    節状態を決定することを特徴とする焦点検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の焦点検
    出装置において、 前記フィルター処理手段は、まず高い周波数の成分を抽
    出して前記演算手段により焦点調節状態を算出し、算出
    結果に所定の信頼性が得られるまで抽出信号成分の周波
    数を低減して前記演算手段による焦点調節状態の演算を
    繰り返すことを特徴とする焦点検出装置。
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