JPH087483Y2 - 数字表示器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えばカウンタやタイマ等のように、並列
された複数の数字車とこれらの数字車の桁送りを行う複
数個のピニオンギアを組合わせた数字表示器に関するも
のである。

［従来の技術］ 一般に、この種の数字表示器においては、断面コ字形
をなすフレームの対面する側板間に、複数の数字車を軸
装した数字車軸と、これらの数字車間に介在して桁送り
を行う複数個のピニオンギアを軸装したピニオン軸を架
設しているが、数字車やピニオンギアを組立てるにはか
なりの手数と熟練が必要である。

第６図（ａ）は従来の数字表示器に使用されているフ
レーム１、（ｂ）は数字車２を示し、組立てには次のよ
うな手順が必要である。この場合には、フレーム１の両
側板に設けられている軸孔３に数字車２の数字車軸４を
嵌め込んだ後に、各数字車２の表示数を位置止めピン又
は位置決めストッパを利用して任意の数値に合わせ、そ
の状態でピニオンギアを並べた図示しないピニオン軸を
一方のフレーム１の側板の軸孔５に取り付け、数字車２
と正しく噛合させるという極めて面倒な作業を行ってい
る。

第７図に示す従来例においては、フレーム１の両側板
には数字車軸４を嵌め込むための嵌め込み溝６とピニオ
ン軸を嵌め込むための嵌め込み溝７が設けられている。
この場合は、数字車２を数字車軸４に軸装した後に数字
車軸４を嵌め込み溝６に組込み、次いで各数字車２の表
示数を位置止めピン又は位置決めストッパを用いて合わ
せ、その状態でピニオンギアをピニオン軸に軸装した後
に、治具を用いてピニオンギアの歯方向を位置合わせし
て嵌め込み溝７に嵌め込むようにしている。

［考案が解決しようとする課題］ このように、従来例においては数字車２及びピニオン
ギアをフレーム１内に組込むために、上述のような面倒
でかつ熟練を要する作業が必要となり、また組立作業を
自動化するとしても、装置が非常に複雑になって高価に
なり、採算性に問題がある。

本考案の目的は、数字車とピニオンギアとの噛み合わ
せ作業を比較的簡易な手段によって行うようにした数字
表示器を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するための本発明に係る数字表示器
は、複数個の数字車を軸装する数字車軸と、前記数字車
の間に介在して前記数字車の桁送り用歯車を介して桁送
りを行う複数個のピニオンギアを軸装するピニオン軸と
をフレーム側板間に架設する数字表示器において、前記
数字車軸又はピニオン軸は前記フレーム側板に設け端部
を外部に開放すると共に全体を略「く」の字に屈曲した
嵌め込み溝の通路を通して嵌め込むことにより軸装する
ようにし、前記嵌め込み溝の通路の行き止まり部に前記
通路の幅よりも稍々径の大きな略円形の孔から成り、前
記数字車軸又はピニオン軸を回転自在に軸支する本軸止
め部を設け、前記嵌め込み溝の通路の途中の屈曲部に前
記通路の幅よりも稍々径の大きな略円形の孔から成る仮
軸止め部を設け、前記数字車軸又はピニオン軸が前記仮
軸止め部に仮保持された状態では前記数字車の桁送り用
歯車とピニオンギアとは噛合せず、前記仮保持状態から
移行して前記数字車又はピニオン軸が前記本軸止め部に
軸止めされた状態で前記数字車の桁送り用歯車と前記ピ
ニオンギアが噛合するようにしたことを特徴とする。

［作用］ 上述の構成を有する数字表示器は、数字車軸又はピニ
オン軸が嵌め込み溝の仮軸止め部に仮保持された状態で
は数字車及びピニオン軸は自由に回転可能であるので、
この段階で数字車の表示数合わせを行い、その後に２段
目に押し込むことにより、数字車の桁送り用歯車とピニ
オンギアとが噛合して回転が互いに規制される状態にな
る。

［実施例］ 本発明を第１図〜第５図に図示の実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本考案に係る数字表示器の実施例を示し、11
はフレーム、12は数字車、13は数字車軸、14はピニオン
ギア、15はピニオン軸を示している。数字車軸13の両端
部を嵌め込むための嵌め込み溝16は第７図に示す従来例
と同様であるが、ピニオン軸15の両端部を嵌め込むため
の嵌め込み溝17は略「く」の字状に屈曲され、更に軸止
め部が２段階になっている。

即ち、第２図に示すように、嵌め込み溝17はラッパ状
に開いた入口部18に次いで、通路の途中の屈曲部にピニ
オン軸15を一時的に仮保持するため通路の幅よりも稍々
大きな径の略円形の孔から成る仮軸止め部14が設けら
れ、更にそれよりも奥側の行き止まり部に、ピニオン軸
15を最終的に嵌め込み、ピニオン軸15を回転自在に軸支
するための通路の幅よりも稍々大きな略円形の孔から成
る本軸止め部20が設けられている。

これらの各軸止め部19、20は、ピニオン軸15の直径よ
りも僅かに大きいか又は等しい内径を有し、その間の通
路の幅はピニオン軸15を強制的に押し込めるように、ピ
ニオン軸15の内径よりも僅かに小さくなっている。

第３図〜第５図はフレーム11に数字車12とピニオンギ
ア14を組込む過程を例示し、それぞれ（ａ）は側面図、
（ｂ）は正面図を表している。第３図は何も組込まれて
いないフレーム11のみを示しているが、このフレーム11
の両側板に設けた嵌め込み溝17の仮軸止め部19に、複数
個のピニオンギア14を軸装したピニオン軸15を入口部18
から挿入し、第４図に示すように嵌め込んで仮保持す
る。

次に、第５図に示すように数字車12を軸装した数字車
軸13を嵌め込み溝16に嵌め込む。この状態では、数字車
12の桁送り用歯車とピニオンギア14とは未だ噛み合って
おらず、数字車12とピニオンギア14とは共に回転自在と
なっているので、各数字車12の表示数を合わせることが
できる。

最後に、ピニオンギア14の歯方向を位置合わせした後
に、ピニオン軸15を本軸止め部20方向に押し込めば、第
１図に示すように数字車12の桁送り用歯車とピニオンギ
ア14とが噛み合った状態になり、数字車12とピニオンギ
ア14とは互いに回転が規制されることになる。

以上の実施例では、仮保持はピニオンギア14について
述べたが、代りに数字車12について同様のことを行って
もよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る数字表示器は、数字
車軸又はピニオン軸を嵌め込むための「く」の字状の嵌
め込み溝に軸止め部を２段に設けたので、従来の組立工
程の大部分を占めていた数字車の表示数合わせ以後の数
字車とピニオンギアとの噛み合わせ作業を容易にし、製
造コストの低減、小型化に寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

図面第１図〜第５図は本考案に係る数字表示器の実施例
を示し、第１図は側面図、第２図は要部の拡大図、第３
図（ａ）はフレーム側面図、（ｂ）はその正面図、第４
図（ａ）はピニオン軸を仮保持した状態の側面図、
（ｂ）はその正面図、第５図（ａ）は数字車を取り付け
た状態の側面図、（ｂ）は正面図であり、第６図（ａ）
は第１の従来例のフレームの側面図、（ｂ）は数字車の
側面図、第７図は第２の従来例のフレームの側面図であ
る。 符号11はフレーム、12は数字車、13は数字車軸、14はピ
ニオンギア、15はピニオン軸、16、17は嵌め込み溝、19
は仮軸止め部、20は本軸止め部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個の数字車を軸装する数字車軸と、前
   記数字車の間に介在して前記数字車の桁送り用歯車を介
   して桁送りを行う複数個のピニオンギアを軸装するピニ
   オン軸とをフレーム側板間に架設する数字表示器におい
   て、前記数字車軸又はピニオン軸は前記フレーム側板に
   設け端部を外部に開放すると共に全体を略「く」の字に
   屈曲した嵌め込み溝の通路を通して嵌め込むことにより
   軸装するようにし、前記嵌め込み溝の通路の行き止まり
   部に前記通路の幅よりも稍々径の大きな略円形の孔から
   成り、前記数字車軸又はピニオン軸を回転自在に軸支す
   る本軸止め部を設け、前記嵌め込み溝の通路の途中の屈
   曲部に前記通路の幅よりも稍々径の大きな略円形の孔か
   ら成る仮軸止め部を設け、前記数字車軸又はピニオン軸
   が前記仮軸止め部に仮保持された状態では前記数字車の
   桁送り用歯車とピニオンギアとは噛合せず、前記仮保持
   状態から移行して前記数字車又はピニオン軸が前記本軸
   止め部に軸止めされた状態で前記数字車の桁送り用歯車
   と前記ピニオンギアが噛合するようにしたことを特徴と
   する数字表示器。