JPH0872682A - パーキング用ブレーキレバーの枢支部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキレバーの枢支部周りの見栄えを向上
させ、この見栄えの向上が簡単な構成でなされるように
し、かつ、車室フロアに対する上記ブレーキレバーの枢
支強度を十分に確保させる。 【構成】 車室フロア２を、断面形状がほぼＵ字状のク
ロスメンバ５と、このクロスメンバ５上に取り付けられ
るフロアパネル６とで構成する。上記車室フロア２にブ
ラケット１４を取り付けると共に、このブラケット１４
にパーキング用ブレーキレバー１６を枢支させる。上記
フロアパネル６に開口１１を形成し、この開口１１を通
して上記クロスメンバ５内に上記ブラケット１４を収容
する。このブラケット１４を上記クロスメンバ５に取り
付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車におけるパー
キング用ブレーキレバーの枢支部構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車におけるパーキング用ブレーキに
は、従来、実開昭６１‐５１２８２号公報で示されるも
のがある。

【０００３】これによれば、車室フロアのフロアパネル
の上面にブラケットが突設され、このブラケットにパー
キング用ブレーキレバーが上下方向に回動自在に枢支さ
れている。このブレーキレバーは、車輪を制動可能とさ
せるブレーキ本体側に連結されており、駐車時に、上記
ブレーキレバーを上方へ回動させれば、上記ブレーキ本
体が車輪を制動し、自動車がその位置に制動させられた
状態で駐車可能とされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、ブラケットはフロアパネルの上面から車室内に
突出しており、このため、このブラケットにより、ブレ
ーキレバーの枢支部周りの見栄えが悪いという問題があ
る。

【０００５】そこで、上記ブラケットを弾性のブーツで
覆うことが考えられるが、上記ブーツを設ける分、上記
ブレーキレバーの枢支部の構成が複雑になるという問題
がある。

【０００６】また、上記フロアパネルは平坦な形状の板
金製であることから強度が低く、このため、車室フロア
に対するブレーキレバーの枢支強度を十分に確保するこ
とは容易でない。

【０００７】

【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、ブレーキレバーの枢支部周りの見栄
えを向上させ、この見栄えの向上が簡単な構成でなされ
るようにし、かつ、車室フロアに対する上記ブレーキレ
バーの枢支強度を十分に確保させることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明のパーキング用ブレーキレバーの枢支部構造
は、車室フロア２を、断面形状がほぼＵ字状のクロスメ
ンバ５と、このクロスメンバ５上に取り付けられるフロ
アパネル６とで構成し、上記車室フロア２にブラケット
１４を取り付けると共に、このブラケット１４にパーキ
ング用ブレーキレバー１６を枢支した自動車において、
上記フロアパネル６に開口１１を形成し、この開口１１
を通して上記クロスメンバ５内に上記ブラケット１４を
収容し、このブラケット１４を上記クロスメンバ５に取
り付けたものである。

【０００９】

【作 用】上記構成による作用は次の如くである。

【００１０】断面形状がほぼＵ字状のクロスメンバ５内
にブレーキレバー１６を枢支させるブラケット１４を収
容したため、その分、上記ブラケット１４が外観上、容
易に見えることが抑制される。

【００１１】また、上記したように、ブラケット１４が
外観上、容易に見えないようにすることは、本来、車室
フロア２の強度向上のために設けられた上記クロスメン
バ５の利用によりなされている。

【００１２】更に、上記したように、クロスメンバ５は
車室フロア２の強度向上のために設けられたものであっ
て、それ自体十分の強度を備えており、このように強度
のある上記クロスメンバ５に、上記ブラケット１４を取
り付けてある。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。

【００１４】図１と図２において、図中符号１は、自動
車の車体である。２はこの車体１の下部を構成する車室
フロアであり、この車室フロア２の上方空間が車室３と
なっている。また、図中矢印Ｆｒは自動車の前方を示し
ている。なお、下記する左右とは、上記前方に向っての
車幅方向をいうものとする。

【００１５】上記車室フロア２は、左右に延びる板金製
のクロスメンバ５を前後に複数備えている。これら各ク
ロスメンバ５は上記車室フロア２の左右各下側部をそれ
ぞれ構成するサイドメンバに架設され、これらクロスメ
ンバ５と左右サイドメンバとで車室フロア２が十分に強
固に補強されている。また、同上車室フロア２は、上記
クロスメンバ５上にスポット溶接Ｓにより強固に取り付
けられる板金製で平坦なフロアパネル６を備え、このフ
ロアパネル６は上記クロスメンバ５によって十分に補強
されている。

【００１６】上記クロスメンバ５は、一枚の板をプレス
加工することによって成形されたもので、その横断面形
状はほぼＵ字状をなし、前後に離れて対面する前面板５
ａ、後面板５ｂと、これら前面板５ａ、後面板５ｂの各
下縁を互いに一体的に連結させる底板５ｃと、同上前面
板５ａ、後面板５ｂの各上縁に一体成形される外向きフ
ランジ５ｄ，５ｄとで構成されて、十分の強度と、剛性
とを備えている。そして、上記各外向きフランジ５ｄ上
にフロアパネル６が接合させられて、スポット溶接Ｓさ
れている。

【００１７】上記車室フロア２の左右方向の中央部は上
方に向って膨出しており、この膨出部は前後に延びて、
これがトンネル部７を構成している。上記車室フロア２
の下側で、上記トンネル部７の内部空間８には、エンジ
ンから車輪へ動力を伝達する推進軸が収容されている。

【００１８】上記自動車はパーキングブレーキ装置１０
を備えている。このパーキングブレーキ装置１０につき
説明する。

【００１９】上記クロスメンバ５の上方で、かつ、上記
トンネル部７の頂部におけるフロアパネル６に矩形の開
口１１が形成されている。この開口１１は車室３と、ク
ロスメンバ５の内部空間１２とを互いに連通させてい
る。

【００２０】上記クロスメンバ５の内部空間１２に、板
金製ブラケット１４の下部が上記開口１１を通して車室
３側から出し入れ自在に収容され、このブラケット１４
は締結具１５によって、上記クロスメンバ５の底板５ｃ
に着脱自在に取り付けられている。

【００２１】上記ブラケット１４の上部である突出部に
パーキング用ブレーキレバー１６が、枢支軸１７により
上下方向に回動自在に枢支されている。上記ブレーキレ
バー１６は、ワイヤ１８により車輪を制動可能とするブ
レーキ本体に連結されており、上記ブレーキレバー１６
を上方に回動させれば（各図中矢印Ａ）、上記ワイヤ１
８を介しブレーキ本体が制動動作して車輪が制動させら
れる。すると、自動車がその位置に制動させられ状態で
駐車可能とされる。

【００２２】上記ブレーキレバー１６を下方回動すれ
ば、上記制動が解除され、自動車が走行可能となる。

【００２３】前記車室フロア２は、フロアパネル６上に
貼り付けられた敷物であるカーペット２０を備え、この
カーペット２０は上記開口１１を閉じている。また、こ
のように開口１１を閉じたカーペット２０の部分に、ス
リット２１が形成されている。このスリット２１を貫通
して、上記ブラケット１４の上部と、ブレーキレバー１
６の上部とが車室３側に突出している。そして、上記ブ
レーキレバー１６の上下方向の回動操作がカーペット２
０が邪魔にならずにできるようになっている。

【００２４】上記構成によれば、断面形状がほぼＵ字状
のクロスメンバ５内にブレーキレバー１６を枢支させる
ブラケット１４の下部を収容したため、その分、上記ブ
ラケット１４が外観上、容易に見えることが抑制され
て、ブレーキレバー１６の枢支部周りの見栄えが向上す
る。

【００２５】また、上記したブレーキレバー１６の枢支
部の見栄えの向上は、ブラケット１４をクロスメンバ５
内に収容することにより得られたのであって、本来、車
室フロア２の強度向上のために設けられた上記クロスメ
ンバ５が有効利用されている。

【００２６】更に、上記したように、クロスメンバ５は
車室フロア２の強度向上のために設けられたものであっ
て、それ自体十分の強度を備えており、このように強度
のある上記クロスメンバ５に、上記ブラケット１４を取
り付けたため、車室フロア２に対するブレーキレバー１
６の枢支強度は十分に確保される。

【００２７】また、上記開口１１を閉じるカーペット２
０を設けたため、上記ブラケット１４が外観上、見える
ことが更に抑制され、車室フロア２に対するブレーキレ
バー１６の枢支部周りの見栄えが更に向上する。

【００２８】なお、以上は図示の例によるが、ブラケッ
ト１４を全体的にクロスメンバ５の内部空間１２に収容
させてもよく、このようにすれば、車室フロア２に対す
るブレーキレバー１６の枢支部周りの見栄えが更に向上
する。

【００２９】図３は、ブレーキレバー１６の枢支部につ
いての他の実施例を示している。

【００３０】これによれば、上記クロスメンバ５の内部
空間１２に補強板２３が設けられ、この補強板２３と上
記クロスメンバ５とによって、断面形状が箱形の高強度
部２４が形成されている。そして、この高強度部２４に
ブラケット１４が締結具１５により取り付けられてい
る。このようにして、車室フロア２に対するブレーキレ
バー１６の枢支強度がより十分に確保されている。

【００３１】他の構成や、作用は前記実施例と同様であ
るため、図面に共通の符号を付して、その説明を省略す
る。

【００３２】

【発明の効果】この発明によれば、断面形状がほぼＵ字
状のクロスメンバ内にブレーキレバーを枢支させるブラ
ケットを収容したため、その分、上記ブラケットが外観
上、容易に見えることが抑制されて、ブレーキレバーの
枢支部周りの見栄えが向上する。

【００３３】また、上記したブレーキレバーの枢支部の
見栄えの向上は、ブラケットをクロスメンバ内に収容す
ることにより得られたのであって、本来、車室フロアの
強度向上のために設けられた上記クロスメンバが有効利
用されたのであり、このため、上記ブレーキレバーの枢
支部周りの見栄えの向上は、簡単な構成で達成される。

【００３４】更に、上記したように、クロスメンバは車
室フロアの強度向上のために設けられたものであって、
それ自体十分の強度を備えている。そして、上記クロス
メンバにブラケットを取り付けたため、車室フロアに対
するブレーキレバーの枢支強度は十分に確保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】ブレーキレバーの枢支部の斜視図である。

【図２】ブレーキレバーの枢支部の側面断面図である。

【図３】他の実施例で、図２に相当する図である。

【符号の説明】 １ 車体 ２ 車室フロア ３ 車室 ５ クロスメンバ ６ フロアパネル ７ トンネル部 １０ パーキングブレーキ装置 １１ 開口 １２ 内部空間 １４ ブラケット １６ ブレーキレバー ２０ カーペット ２１ スリット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室フロアを、断面形状がほぼＵ字状の
   クロスメンバと、このクロスメンバ上に取り付けられる
   フロアパネルとで構成し、上記車室フロアにブラケット
   を取り付けると共に、このブラケットにパーキング用ブ
   レーキレバーを枢支した自動車において、 上記フロアパネルに開口を形成し、この開口を通して上
   記クロスメンバ内に上記ブラケットを収容し、このブラ
   ケットを上記クロスメンバに取り付けたパーキング用ブ
   レーキレバーの枢支部構造。