JPH0871624A - タンデム圧延機の速度制御方法 - Google Patents

タンデム圧延機の速度制御方法

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JPH0871624A
JPH0871624A JP6211616A JP21161694A JPH0871624A JP H0871624 A JPH0871624 A JP H0871624A JP 6211616 A JP6211616 A JP 6211616A JP 21161694 A JP21161694 A JP 21161694A JP H0871624 A JPH0871624 A JP H0871624A
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健一 鈴木
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富雄 長南
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 応答性の異なるスタンドが同一タンデムミル
内に存在しても各スタンドの応答性を低応答スタンドに
制限されずに揃速性を保つようにする。 【構成】 タンデム圧延機において、ゼロスタート時以
外には、低応答のスタンドの実速度と、速度指令から計
算した実速度予測値とで算出した値を高応答のスタンド
の速度指令とし、ゼロスタート時には、低応答のスタン
ドの速度指令から高応答のスタンドの速度指令を求める
ことにより、各スタンドの応答性を低応答スタンドによ
って制限されずに揃速制を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンデム圧延機の速度
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、冷間圧延に用いられる複数スタ
ンドのタンデム圧延機においては、各スタンド毎に圧延
ロールを駆動する駆動用電動機の速度制御系が設けられ
ており、電動機軸に取付けられた速度検出器により各ス
タンド毎に検出された実速度信号をフィードバックし
て、該実速度信号と実速度指令信号との偏差をなくすよ
うに前記速度制御系によって駆動用電動機の回転数が制
御される。
【0003】このとき、1つの圧延ライン中に速度応答
性の異なる圧延スタンドが混在している場合には、各ス
タンドの揃速性を確保するため、全スタンドの速度応答
性を同等にする方法が一般的であり、この方法は最も低
応答のスタンドに速度応答性の制限を受ける。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のような全スタンドの速度応答性を合わせる方法で
は、最も低応答のスタンドに応答性を制限されてしま
い、高応答に調整可能なスタンドにおいても、ラインの
加減速・母板板厚変動・摩擦変動等の外乱に対する迅速
な速度制御を行うことができないという問題がある。
【0005】これに対し、本願発明者のうちの一人は、
未公知先願(特願平5−326450)において、高応
答が可能なスタンドは高応答に調整し、低応答なスタン
ドの実速度と、低応答と高応答の両スタンド間の板厚比
から算出した値を高応答スタンドの速度指令に用いると
いう改良技術を提案している。
【0006】しかし、この改良技術に係る、高応答が可
能なスタンドを高応答に調整して、低応答スタンドの実
速度に高応答スタンドが追従制御するという方法におい
ては、ゼロスタート時のように低応答スタンドの実速度
が低過ぎる場合において、これを速度指令としている高
応答スタンドがゼロスタートするのに必要な分のトルク
出力を得られずにゼロスタートが困難となり、板破断発
生やゼロスタートできないといった問題があった。
【0007】本発明は、上記のような従来技術及び未公
知改良技術の有する問題を解決するべくなされたもの
で、各スタンドの応答性を低応答スタンドに制限されず
に揃速性を確保することのできるタンデム圧延機の駆動
電動機の速度制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延ミル駆動
用電動機の速度制御系の速度応答性が異なる圧延スタン
ドを有したタンデム圧延機の速度制御方法において、ゼ
ロスタート時以外には、低応答のスタンドの実速度と、
速度指令から計算した実速度予測値とから算出した値を
高応答のスタンドの速度指令とし、ゼロスタート時に
は、低応答のスタンドの速度指令から高応答のスタンド
の速度指令を求めることにより前記目的を達成したもの
である。
【0009】
【作用】本発明によれば、ゼロスタート時以外には、高
応答が可能なスタンドを高応答に調整して、低応答スタ
ンドの実速度と速度指令から計算した実速度予測値とで
算出した値を高応答スタンドの速度指令に用いることに
より、高応答スタンドがこの速度指令に十分追従できる
程度の応答性を持っていれば、1つのライン中に速度応
答性が異なるスタンドを有していても、各スタンドの揃
速性を確保することができる。
【0010】又、ゼロスタート時には、低応答のスタン
ドの速度指令を、例えば1次遅れ要素等の伝達関数で補
正した値を高応答スタンドのゼロスタート時の速度指令
とすることで、低応答のスタンドの速度指令から高応答
のスタンドがゼロスタートするために必要な立上がりト
ルクを得るための速度指令を求めることができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0012】図1は、本発明の実施例を示す2スタンド
タンデム圧延機の速度制御系のブロック線図である。
【0013】図1において、Aスタンドが低応答でBス
タンドが高応答のスタンドとする。まず、Aスタンドの
速度設定器10と、加減速指令装置12の出力は、乗算
器14で掛け合わされ、Aスタンドの速度指令信号とな
り、減算器16の入力となる。速度調整器18はこの指
令を受け、トルク調整器20にトルク指令値を出力す
る。トルク調整器20は、入力されたトルク指令値に対
応した電力指令値を演算し、その電力指令値を駆動電動
機22へ出力する。Aスタンドの駆動電動機22は、こ
のように制御され、圧延ロール24を駆動し、圧延材2
6の圧延が行われる。又、速度検出器28は、電動機2
2の回転速度を検出し、減算器16へフィードバックす
る。
【0014】このとき、図2に示すように、Aスタンド
の速度指令信号は実速度予測器30にも入力され、Aス
タンドの実速度の予測値が計算される。ここで、実速度
予測器30には2次遅れ要素{k ω2 /(S2 +2ζω
S+ω2 )(但し、k は比例ゲイン、Sは複素数、ωは
固有角周波数、ζは減衰係数)}のような伝達関数が組
込まれており、これによってAスタンドの実速度をシミ
ュレーションしている。
【0015】この実速度予測器30の出力は合成器32
のFG1に入力され、FG2に入力されてくるAスタン
ド実速度(速度検出器28の出力)と合成される。合成
器32で実速度の重み付けを大きくするか、実速度予測
値の重み付けを大きくするかはそれぞれFG2とFG1
によって調整できる。当然、速度によって重み付けの比
率を変化させることも可能である。図5にFGの一例を
示す。
【0016】合成器32の出力は、ゼロスタート用合成
器34のFG3に入力され、ゼロスタート時以外ではそ
のまま通過される。つまり、合成器32の出力=ゼロス
タート用合成器34の出力であり、これはBスタンドの
乗算器36にて速度設定比((Bスタンドの設定速度)
/(Aスタンドの設定速度))38と掛け合わされ、B
スタンドの速度指令信号を作り出している。Bスタンド
の速度応答がこの速度指令信号に十分追従できるだけ高
応答であれば、A−Bスタンド間の揃速性は確保でき
る。
【0017】又、図2のゼロスタート用合成器34にお
いて、ゼロスタート後一定速度以上でFG4=1、FG
3=0の比率となる。
【0018】又、FG1とFG2の調整によって、Aス
タンドの実速度が速度検出器28の性能限界や雑音等に
よる影響を受けるような場合(この場合、予測値の重み
を大きくする)にも制御することができる。
【0019】ところで、ゼロスタート時には、Aスタン
ドの速度指令信号を入力とするゼロスタート補正器40
の出力をゼロスタート用合成器34において合成器32
の出力と合成している。この合成値と速度設定比38を
乗算器36で掛け合わせてBスタンドの速度指令とす
る。ここで、ゼロスタート補正器40は1次遅れ要素
{k /(1+ST)(但し、k は比例ゲイン、Sは複素
数、Tは時定数)}のような伝達関数が組込まれおり、
図3のe に示すようなBスタンドの速度指令の「補正
分」を補う役割がある。
【0020】図3は、ゼロスタート時の補正の様子を示
す線図である。図3において、まず一番上のAスタンド
速度指令の出力がスタートする。このグラフでa が、A
スタンドがゼロスタートに必要な分の速度指令値であ
る。ここで、ゼロスタートに必要な分の速度指令が出力
されないと、起動トルク分が得られず、電動機は回転せ
ず、2段目のグラフの点線枠b 内に示すようにAスタン
ドの実速度は0に近くほとんど検出されない。Aスタン
ドの実速度がほとんど0に近いということは、3段目の
グラフのc が示す合成器32の出力も点線枠d 内に示す
ように0に近く、これだけではBスタンドがゼロスター
トするのに必要な分(3段目のグラフのg)の速度指令
が得られない。このため、ゼロスタート補正器40を設
けて、ゼロスタート時の補正(3番目のグラフに示すe
)を行い、ゼロスタート用合成器34の出力f を得
て、Bスタンドがゼロスタートするのに必要な分g を確
保している。これにより、一番下のBスタンドの実速度
のグラフのh の部分が示すように、Aスタンドと同時に
ゼロスタートすることができる。
【0021】図4は、2スタンドより多数のスタンドに
なった場合の構成例を示すブロック線図である。
【0022】図4では、第1、第2スタンドが高応答
で、第3〜第5スタンドが低応答である場合を示した
が、これに限られるものではなく、それぞれのスタンド
の数は変更可能である。又、高応答スタンドと低応答ス
タンドの配列順序も図4とは逆にしてもよく、更に、高
応答スタンドと低応答スタンドが交互に並んでいてもよ
い。
【0023】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ゼ
ロスタート時以外には、高応答が可能なスタンドを高応
答に調整して、低応答スタンドの実速度と速度指令から
計算した実速度予測値とで算出した値を高応答スタンド
の速度指令に用い、この速度指令に高応答のスタンドが
追従することにより、応答性の異なるスタンドが同一タ
ンデムミル内に存在しても各スタンドの揃速性を保つこ
とができる。このとき、高応答スタンドの速度指令に実
速度予測値も用いているが、これにより実速度検出器の
限界(低速域での誤差)や外乱による影響を直接受ける
のを避けることができる。
【0024】又、ゼロスタート時には、低応答スタンド
の速度指令から高応答スタンドの速度指令を求めること
で、高応答スタンドがゼロスタートするために必要な分
の速度指令を得ることができる。
【0025】更に、高応答が可能なスタンドを速度応答
性の低いスタンドに制限されないために、高応答スタン
ドは外乱に対する張力変動及び板厚変動を迅速に抑制す
ることができ、製品の歩留りや品質の向上を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示すブロック線図
【図2】高応答スタンドの計算方式を示すブロック線図
【図3】ゼロスタート時の補正の様子を示す線図
【図4】本発明の多スタンドの構成を示すブロック線図
【図5】本実施例で用いられるFGテーブルの一例を示
す線図
【符号の説明】
10…速度設定器 12…加減速指令装置 14、36…乗算器 16…減算器 18…速度調整器 20…トルク調整器 22…電動機 24…圧延ロール 26…圧延材 28…速度検出器 30…実速度予測器 32…合成器 34…ゼロスタート用合成器 38…速度設定比 40…ゼロスタート補正器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延ミル駆動用電動機の速度制御系の速度
    応答性が異なる圧延スタンドを有したタンデム圧延機の
    速度制御方法において、 ゼロスタート時以外には、低応答のスタンドの実速度
    と、速度指令から計算した実速度予測値とから算出した
    値を高応答のスタンドの速度指令とし、 ゼロスタート時には、低応答のスタンドの速度指令から
    高応答のスタンドの速度指令を求めることを特徴とする
    タンデム圧延機の速度制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020121454A1 (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 東芝三菱電機産業システム株式会社 タンデム圧延機の制御装置
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