JP3048210B2 - タンデム圧延機の速度制御方法 - Google Patents

タンデム圧延機の速度制御方法

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JP3048210B2
JP3048210B2 JP5326450A JP32645093A JP3048210B2 JP 3048210 B2 JP3048210 B2 JP 3048210B2 JP 5326450 A JP5326450 A JP 5326450A JP 32645093 A JP32645093 A JP 32645093A JP 3048210 B2 JP3048210 B2 JP 3048210B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、速度制御の応答性の異
なる2種類の圧延スタンドが混在するタンデム圧延機に
おいて、圧延スタンド駆動用電動機を制御し、圧延速度
を制御する際に適用して好適な、タンデム圧延機の速度
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にタンデム圧延機では、該圧延機を
構成する圧延スタンド毎に駆動用電動機の速度制御系が
設けられており、各スタンド毎に電動機軸の回転速度を
検出し、その速度検出値と速度指令値との偏差がなくな
るように速度調整器により電動機をフィードバック制御
している。
【0003】各圧延スタンドの駆動用電動機の速度制御
の方式には、電動機の種類や電源の種類等によって種々
存在する。従来は、主に電動機として直流モータが用い
られていたため、その速度制御方式としてワードレオナ
ード方式やサイリスタ方式等が採用されていた。
【0004】ところが、直流モータをワードレオナード
方式で制御する圧延スタンドは速度応答性が低いため、
近年、タンデム圧延機の設備を更新するに際して、交流
モータとサイクロコンバータとを組合せた速度応答性の
高い制御方式が採用されるようになってきている。
【0005】その結果、複数のスタンドからなる同一圧
延ライン中に、速度応答性の低い旧来のワードレオナー
ド方式の圧延スタンドと、速度応答性の高い交流モータ
方式の圧延スタンドとが混在するケースが出現してき
た。
【0006】ここで、ワードレオナード方式と交流モー
タ方式の速度制御系の一例についてそれぞれ簡単に説明
しておく。
【0007】ワードレオナード方式の速度制御系として
は、その要部を図6に示すように、速度調整器50と、
電流調整器52と、電圧調整器54と、サイリスタ及び
コイルとからなる界磁電流調整器56と、誘導モータM
及び直流発電機Gからなる電動発電機58と、圧延機を
駆動する直流電動機DCMの回転速度を検出する速度検
出器60とを備えたものが知られている。なお、ワード
レオナード方式には、電流調整器52がないものもあ
る。
【0008】上記速度調整器50は、速度指令値Dと速
度検出器60からの速度フィードバック信号との偏差に
応じた電流指令値を電流調整器52に出力する。この電
流調整器52は、入力された上記電流指令値と電流フィ
ードバック信号との偏差に応じた電圧指令値を電圧調整
器54に出力すると、該電圧調整器54は調整された電
圧指令値を界磁電流調整器56に出力する。この界磁電
流調整器(変換器)56は電圧調整器54から入力され
た調整後の電圧指令値に応じた界磁電流を発生させるこ
とにより電動発電機58で指令通りの電圧を発生させ、
直流電動機DCMの速度を制御するようになっている。
【0009】交流モータ方式の速度制御系としては、そ
の要部を図7に示すように、速度調整器50と、電流調
整器52と、電圧調整器54と、電力変換器62と、圧
延機を駆動する交流電動機ACMの回転速度を検出する
速度検出器60とを備えたものが知られている。ここで
は、電圧調整器54迄の信号処理は上記ワードレオナー
ド方式の場合と同様に行われ、電圧調整器54から入力
される調整後の電圧指令値を電力変換器62でモータ駆
動電力(例えば電圧や周波数等)に変換し、交流電動機
ACMの速度を制御するようになっている。
【0010】上述した、ワードレオナード方式と交流モ
ータ方式の如く、速度応答性の異なる2種類の圧延スタ
ンドが同一の圧延ライン中に混在していると、ラインの
加減速時や停止状態からのスタート時のように速度が大
きく変化する場合には、2種類のスタンド間で速度応答
性が異なるが故に、圧延材料に破断を来たす等のトラブ
ルを引き起こす恐れがある。そこで、このようなトラブ
ルの発生を防ぐために、高応答性の圧延スタンドの速度
応答性を低応答性の圧延スタンド並みに落とすことが考
えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、交流モ
ータ方式とワードレオナード方式では、制御方式が異な
るために正確に両者の速度応答性を一致させることが困
難な場合がある。例えば、前記図6に示した電流調整器
52がないワードレオナード方式の速度制御系の場合
は、空転状態で速度応答性を交流モータ方式と合せたと
しても、負荷トルクの変動に対する速度変動の大きさが
両者で一致しないため、タンデム圧延機の加減速中にス
タンド間の張力変動が増大することになり、これが原因
で製品不良が生じたり、極端な場合には板破断が生じた
りする。
【0012】又、全ての圧延スタンドの速度応答性を単
純に合せるには、交流モータ方式の高い速度応答性を低
下させてワードレオナード方式の低い速度応答性に合せ
る以外に方法がないため、交流モータ方式が本来有して
いる高い速度応答性を犠牲にすることになる。又、この
ように全てのスタンドの速度応答性を低レベルに設定す
ることは、タンデム圧延機による圧延には、張力制御や
板厚制御等のように速度応答性が高い方が効果が大きい
制御があるため、圧延機の制御全体を考えると有効な制
御方法ではない。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、各スタンドに速度制御系が設けら
れ、且つ高応答性が実現可能な圧延スタンドと低応答性
の圧延スタンドとが混在しているタンデム圧延機におい
ても、高応答性が実現可能な圧延スタンドが本来有する
制御機能を犠牲にすることなく、スタンド間張力に変動
が生じることを確実に防止し、製品不良、板破断等のト
ラブルが発生することを防止することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延スタンド
を駆動する電動機を制御する速度制御系が圧延スタンド
毎に設けられていると共に、高応答性が実現可能な圧延
スタンドと低応答性の圧延スタンドとが混在するタンデ
ム圧延機の速度制御方法において、高応答性が実現可能
な圧延スタンドの電動機を駆動する速度指令値を、隣接
する低応答性の圧延スタンドの実速度と、該圧延スタン
ドの入側及び出側の各板厚とに基づいて算出することに
より、前記課題を解決したものである。
【0015】
【作用】本発明においては、高応答性が実現可能な、即
ち速度応答が速い電動機を備えた圧延スタンド(以下、
高応答スタンドともいう)を最大速度応答状態に設定し
ておくと共に、隣接する速度応答性が低い圧延スタンド
(以下、低応答スタンドともいう)の実速度を検出し、
この実速度に同スタンドの入側と出側における板厚比を
考慮して算出した速度値に上記高応答スタンドの速度を
追従させるようにする。
【0016】例えば、第i (i は自然数)スタンドが高
応答性で、その下流側に隣接する第i +1スタンドが低
応答性である場合について説明すると、この両スタンド
における圧延速度と板厚との間には、マスフロー一定則
から第i +1スタンドの実速度 vi+1 に対する第i スタ
ンドの実速度 vi の比( vi / vi+1 )は、第i スタン
ド出側(第i +1スタンド入側)の板厚に対する第i +
1スタンド出側の板厚の比( hi+1 / hi )に等しいと
いう関係がある。
【0017】従って、第i スタンドの速度制御系を高応
答状態に維持すると共に、第i スタンドの速度 vi を、
実測した第i +1スタンドの実速度 vi+1 に、該第i +
1スタンドの入側と出側の板厚を考慮した次式(1)で
算出される値となるように制御することにより、第i +
1スタンドの速度 vi+1 が負荷変動によって変動して
も、第i スタンドの速度を第i +1スタンドの速度変動
に確実に追従させることができるため、所定の板厚と、
張力の下で圧延することが可能となり、板破断はもとよ
り、製品不良の発生をも有効に防止することが可能とな
る。
【0018】 vi = vi+1 ×( hi+1 / hi ) …(1)
【0019】これを更に具体的に説明すると、例えば、
第1〜第3スタンドのモータの速度応答が速い高応答ス
タンドで、第4スタンドのモータの速度応答が遅い低応
答スタンドである場合であれば、第3スタンドのモータ
に対する速度指令値を、次式(2)で与えられる v3
なるように追従制御する。
【0020】 v3 = v4 ×( h4 / h3 ) …(2) ここで、 v4 :第4スタンドの実測度 h4 :第4スタンドの出側の板厚 h3 :第3スタンドの出側(第4スタンドの入側)の板
【0021】例えば、高応答スタンドが交流モータ方式
で、低応答スタンドがMG(MotorGenerator)方式で
直流電動機を駆動するワードレオナード方式である場合
には、この両者の速度応答性が10倍以上違うので、第
4スタンドのモータに負荷変動が生じたために速度が変
動する場合でもその速度変動は緩やかであるため、高応
答性である第1〜第3スタンドを駆動する交流モータの
速度は第4スタンドの速度変動に容易に追従することが
できる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0023】図1は、本実施例に適用されるタンデム圧
延機全体の概略構成を示す説明図である。
【0024】上記タンデム圧延機では、被圧延材Pの流
れの方向に沿って第1から第6までの6つの圧延スタン
ドST1〜ST6が設けられている。第1〜第4圧延ス
タンドST1〜ST4はそれぞれ、駆動用電動機として
交流モータACMを備え、速度制御系としてサイクロコ
ンバータ方式の速度制御系10を備えている。
【0025】又、第5、第6スタンドST5、ST6は
それぞれ、駆動用電動機として直流モータDCMを備え
ており、速度制御系として応答性の低いワードレオナー
ド方式の速度制御系30を備えている。
【0026】本実施例に適用されるタンデム圧延機にお
いては、第1〜第4圧延スタンドST1〜ST4それぞ
れが有する速度制御系10と、第5、第6圧延スタンド
ST5、ST6それぞれが有する速度制御系30と、該
速度制御系30に加減速指令信号を出力する加減速指令
装置40とで圧延機全体の速度制御装置が構成されてい
る。
【0027】第1〜第4圧延スタンドST1〜ST4そ
れぞれの速度制御系10は、各圧延スタンドに対して個
別に速度比の設定を行うための速度比設定器12と、交
流モータ速度調整器14と、交流モータトルク調整器1
6と、交流モータ用電力変換器18と、前記交流モータ
ACMの回転速度を検出する速度検出器20とを備えて
いる。
【0028】上記交流モータ速度調整器14は、交流モ
ータACMとサイクロコンバータを組合せて実現し得る
高いレベルの応答性を発揮するように設定されており、
各交流モータ速度調整器14は、速度比設定器12から
の設定速度比と隣接下流の圧延スタンドに対する速度指
令値との積に対応する速度指令値と、速度検出器20か
らのフィードバック信号との偏差に応じたトルク指令値
を算出し、これを交流モータトルク調整器16に出力す
る。
【0029】交流モータトルク調整器16は、入力され
たトルク指令値に対応した電力指令値を演算し、その電
力指令値を交流モータ用電力変換器18に出力する。電
力変換器18は、入力された電力指令値に応じて周波数
を調整したり、パルス幅を調整したりすることにより、
交流モータACMの速度を制御する。
【0030】本実施例では第1〜第4スタンドST1〜
ST4が有する各速度制御系10の速度比設定器12に
は、第i スタンドに隣接する下流側の第i +1スタンド
の圧延速度に対する該第i スタンドの圧延速度の速度比
( vi / vi+1 )が設定されるようになっており、該速
度比を下流側の圧延スタンドの圧延速度に対応する速度
指令値Di+1 に乗算して第i スタンドの速度指令値Di
(i =1〜4)を決定するようになっている。
【0031】本来、前記(1)式に基づいて、第i スタ
ンドの速度 vi を設定し、制御するが、前述した如く、
必ず hi+1 / hi = vi / vi+1 の関係が成り立ってい
るため、板厚比の代わりに速度比を用いることもでき
る。又、速度比で設定する方が容易であるため、本実施
例では、板厚比の代わりに速度比を採用した(3)式を
用いている。
【0032】 vi = vi+1 ×( vi ′/ vi+1 ′) …(3) ここで、 vi ′ :第i スタンドの設定速度 vi+1 ′:第i +1スタンドの設定速度
【0033】一方、第5、第6圧延スタンドST5、S
T6の各速度制御系30は、個別に速度設定を行うため
の速度設定器32と、発電機側速度調整器34と、発電
機側トルク調整器36と、界磁電流調整器38と、直流
モータ駆動用発電機40と、前記直流モータDCMの回
転速度を検出する速度検出器20とを備えている。
【0034】発電機側速度調整器34は、加減速指令装
置40からの加減速指令値と速度設定器32からの設定
速度の積として与えられる速度指令値と、速度検出器2
0からのフィードバック信号との偏差に応じたトルク指
令値を発電機側トルク調整器36に出力する。発電機側
トルク調整器36は、トルク指令値に対応した電力指令
値を演算し、演算した電力指令値を界磁電流調整器38
に出力する。この界磁電流調整器38が、入力された電
力指令値に応じて直流モータ駆動用発電機40の界磁電
流を調整すると、その界磁電流により直流モータ駆動用
発電機40が指令通りの電圧を発生して直流モータDC
Mの速度を制御するようになっている。
【0035】又、本実施例では、速度制御応答性の高い
第1〜第4スタンドST1〜ST4の速度指令値D1〜
D4を、速度応答性の低い第5スタンドST5の実速度
から演算により求め、各速度調整器14に出力するよう
になっている。そのため、第4スタンドST4の速度制
御系と第5スタンドST5の速度制御系との間に、該第
5スタンドST5のロール速度検出値を補償するための
補償回路42が介設されており、第5スタンドST5に
おいて設定されている速度指令値D5と、速度検出器2
0で実測された実速度とから、補償回路42により時間
遅れ等を補正し、実速度に限り無く近い補償速度値が算
出され、該補償速度値に応じた速度指令値Dc が、第4
スタンドST4の速度制御系が有する乗算器に入力され
るようになっている。
【0036】本実施例においては、第1〜第4スタンド
ST1〜ST4の各速度制御系10を、速度制御の応答
性を高い状態に設定しておく。そして、第4スタンドS
T4の速度調整器14に入力する速度指令値D4を、第
5スタンドST5における速度指令値D5と、速度検出
器20で検出した直流モータDCMの実速度とから補償
回路42で補正して算出した補償速度指令値Dc に、第
4スタンドの速度比設定器12で設定されている速度比
R4(= v4 / v5 )を乗じた値で設定する。このよう
に、第4スタンドST4の速度指令値D4が決まった
ら、この速度指令値D4を基準にして順次第3〜第1の
スタンドについても速度指令値D3〜D1を、隣接下流
スタンドの速度指令値に速度比を乗じて算出する。
【0037】即ち、第3スタンドST3の速度調整器1
4に対する速度指令値D3は、上で算出した第4スタン
ドST4の速度指令値D4と、第3スタンドST3の速
度比設定器12で設定されている速度比R3(= v3
v4 )を乗じた値で設定する。第2スタンドST2、第
1スタンドST1についても、第3スタンドST3と同
様にしてそれぞれの速度調整器14に対する速度指令値
D2、D1を算出する。
【0038】本実施例によれば、上述した如く、高応答
性の第4スタンドST4の速度指令値D4を、隣接する
低応答性の第5スタンドST5の実速度に、同スタンド
ST5の設定速度に対する第4スタンドの設定速度の比
を乗じた値で設定するようにしたので、第5スタンドS
T5に速度変動が生じた場合でも、第4スタンドST4
の速度を、確実に追従させることが可能となる。その結
果、第4スタンドST4(第1〜第3スタンドも同じ)
が有する本来の高応答性を有効に機能させ、しかも製品
不良や板破断等のトラブルを発生することを防止し、安
定した圧延作業を行うことが可能となる。
【0039】図2は、本実施例の速度制御方法に従って
実際に圧延を実施した場合の制御結果を示した線図であ
り、横軸が時間、縦軸が相対変動を表わしている。
【0040】この図2は、圧延機の加減速時等において
第5スタンドST5に(A)のような負荷変動が生じた
場合における、第5スタンドST5の速度 v5 を(B)
に、第4スタンドの速度 v4 を(C)に、第5スタンド
出側の板厚にあたる速度比(v4 / v5 )を(D)に、
第4−第5スタンド間の張力を(E)に、それぞれ示し
たものである。
【0041】又、図3は、高応答性の第1〜第4の圧延
スタンドST1〜ST4の速度応答性を、低応答性の第
5、第6スタンドST5、ST6の速度応答性に合せて
同様に圧延した従来方法による制御結果を示した、図2
に相当する線図である。
【0042】上記図3に示した従来方法によれば、第5
スタンドST5の負荷変動により同スタンドST5に速
度変動が生じると共に、第4スタンドでも何等かの負荷
変動が生じるので、この第4スタンドST4も速度変動
を起こす。前述した如く、交流モータ方式とワードレオ
ナード方式では、負荷応答を正確に合せることができな
い。仮に、合せたとしても負荷変動の大きさがスタンド
毎に異なるので、第3〜第1スタンドの速度がそれぞれ
異なる変動を起こす。その結果、図3(D)のように、
速度比( v4 / v5 )が変動し、第5スタンドST5出
側で板厚変動を起こし、同図(E)に示すように第4−
第5スタンド間の張力の変動を誘発することになる。
【0043】これに対して、本実施例によれば、図2か
らも明らかなように、速度応答の遅い第5スタンドST
5は負荷変動に対しても緩やかな速度変動を起こすの
で、速度応答の速い第4スタンドST4(第1〜第3ス
タンドST1〜ST3でも同様)は第5スタンドST5
の実速度に板厚比(実際には速度比)を考慮した速度に
容易に追従することができるため、図2(D)に示すよ
うに、速度比( v4 / v 5 )を一定にすることができ
る。従って、板厚変動及び張力変動の発生を確実に防止
することが可能となる。
【0044】図4は、本実施例において、板厚制御や張
力制御等のために(A)に示す短い周期の制御信号を制
御系へ入力した場合の第4スタンドにおける速度制御の
応答を(B)に示した線図であり、図5は、同一の制御
を従来方法で実施した場合の制御結果を示した図4に相
当する線図である。
【0045】図5(B)より、従来方法では交流モータ
方式の速度応答性を低下させているので、(A)の制御
信号に追従できないのに対し、本実施例によれば、図4
(B)に示すように極めて正確に追従することができる
ことが分かる。
【0046】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0047】例えば、実施例では第1〜第4スタンドS
T1〜ST4が高応答性で、第5、第6スタンドST
5、ST6が低応答性である場合を示したが、これに限
られるものでなく、それぞれのスタンドの数は変更可能
である。
【0048】又、高応答性スタンドと低応答性スタンド
の配列順序も前記実施例とは逆にしてもよい。例えば、
第1〜第4スタンドST1〜ST4が速度応答が遅く、
第5、第6スタンドST5、ST6が速度応答が速い配
置にしてもよい。この配置にする場合も、前記実施例の
場合と同様に、第4スタンドST4の実速度と、第4、
第5、第6スタンドST4、ST5、ST6の出側板厚
を考えて、第5スタンド、第6スタンドの速度指令値を
計算することにより、同様に有効な速度制御を行うこと
ができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、各
スタンドに速度制御系が設けられ、且つ高応答性が実現
可能な圧延スタンドと、低応答性の圧延スタンドとが混
在しているタンデム圧延機において、高応答性が実現可
能な圧延スタンドが本来有する制御機能を犠牲にするこ
となく、スタンド間張力に変動が生じることを確実に防
止し、製品不良、板破断等のトラブルが発生することを
防止することができる。
【0050】又、本発明によれば、速度応答性の高い圧
延スタンドはその能力の最大の速度応答性に設定できる
ことから、板厚制御、張力制御のような速度応答が速い
程効果の大きい制御についても本発明を極めて有効に利
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例に適用されるタンデム圧
延機の概略構成を示す説明図
【図2】実施例の効果を示す線図
【図3】従来方法による制御結果を示す線図
【図4】実施例の効果を示す他の線図
【図5】従来方法による制御結果を示す他の線図
【図6】ワードレオナード方式による制御系の要部を示
す説明図
【図7】交流モータ方式による制御系の要部を示す説明
【符号の説明】
10…サイクロコンバータ方式の速度制御系 12…速度比設定器 14…速度調整器 16…交流モータトルク調整器 18…交流モータ用電力変換器 20…速度検出器 30…ワードレオナード方式の速度制御系 32…速度設定器 34…発電機側速度調整器 36…発電機側トルク調整器 38…界磁電流調整器 40…直流モータ駆動用発電機 42…補償回路
フロントページの続き (72)発明者 増田 博昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 斎藤 裕 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 平7−60325(JP,A) 特開 平6−63625(JP,A) 特開 平4−210809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延スタンドを駆動する電動機を制御する
    速度制御系が圧延スタンド毎に設けられていると共に、
    高応答性が実現可能な圧延スタンドと低応答性の圧延ス
    タンドとが混在するタンデム圧延機の速度制御方法にお
    いて、 高応答性が実現可能な圧延スタンドの電動機を駆動する
    速度指令値を、隣接する低応答性の圧延スタンドの実速
    度と、該圧延スタンドの入側及び出側の各板厚とに基づ
    いて算出することを特徴とするタンデム圧延機の速度制
    御方法。
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