JP3216587B2 - 連続圧延機における圧延ロールの主機電動機制御装置 - Google Patents

連続圧延機における圧延ロールの主機電動機制御装置

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JP3216587B2
JP3216587B2 JP26473297A JP26473297A JP3216587B2 JP 3216587 B2 JP3216587 B2 JP 3216587B2 JP 26473297 A JP26473297 A JP 26473297A JP 26473297 A JP26473297 A JP 26473297A JP 3216587 B2 JP3216587 B2 JP 3216587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の圧延スタン
ドを有する連続圧延機において、圧延ロールを駆動する
主機電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のスタンドを連続的に配置して圧延
する連続圧延機においては、一般的に、主機電動機を介
して圧延ロール周速度を調整することによって、スタン
ド間張力、材料ループ量、材料寸法、材料形状等の諸量
を制御するようにしている。従って、主機電動機の応答
特性は、先述の諸量の制御応答に直接影響を及ぼす重要
な特性となる。
【0003】また、上記のように主機電動機を介してあ
る圧延ロールの周速度を操作することは、他のスタンド
間張力変動、材料ループ量速度変動、材料寸法変動、材
料形状変動などの要因となる。このため、ある圧延ロー
ルの周速度を操作する場合には、この操作によって影響
を受けるスタンドの圧延ロールの周速度も変更する必要
が生じる。そこで、これらの変動を考慮して全スタンド
の主機電動機を一斉に制御する、例えば図5に示すよう
なサクセシブ制御が実施されている。
【0004】すなわち、図5において、F1〜Fnは圧
延スタンド、1〜6は図中に示すF1〜Fnに対応する
圧延ロール、7〜12は1〜6のそれぞれの圧延ロール
を各々駆動する低応答型の主機電動機、16〜21は7
〜12のそれぞれの主機電動機に各々対応する駆動装置
である。また、23はサクセシブ制御部であり、このサ
クセシブ制御部23には、駆動装置16〜21の各々に
対して、それぞれの一台下流側から出力された周速度補
正値と当該駆動装置に出力する周速度補正値とを加算す
る加算器23a〜23dをそれぞれ有している。22は
各圧延スタンドF1〜Fn-1 に対して圧延ロールの張力
又は角度を調整するための周速度補正値を演算する制御
部である。
【0005】上記図5に示した構成において、例えば圧
延スタンドFn-1 と圧延スタンドFn間の張力を増加さ
せるべく最下流側の主機電動機12の周速度を増加させ
るよう駆動装置21に対して周速度設定値Vnを出力し
たとき、制御部22は、Vnに応じて演算した周速度補
正値ΔV1〜ΔVn-1 をそれぞれの駆動装置16〜20
に出力する。
【0006】さらに、周速度補正値ΔVn-1 と周速度設
定値Vn-1 とを加算して得た周速度設定値Vn-1'が駆動
装置20に出力される。また、周速度補正値ΔVn-1 は
サクセシブ制御部23における加算器23dへも出力さ
れ、ここで周速度補正値ΔVn-2 と加算されて周速度補
正値ΔVn-2'を得て、この周速度補正値ΔVn-2'と周速
度設定値Vn-2 とを加算して得た周速度設定値Vn-2'が
駆動装置19に出力される。また、周速度補正値ΔVn-
2'はサクセシブ制御部23における加算器23cへも出
力され、以下、周速度補正値ΔVn-3 〜ΔV1について
も上記同様に処理され、駆動装置16〜18の各々に対
してそれぞれ周速度設定値Vn-3'〜V1' が出力され
る。
【0007】このように、圧延ロール6の周速度を操作
するときには、圧延スタンドF1〜Fn-1 の圧延ロール
1〜5の周速度も一斉に制御して、各圧延スタンドF1
〜Fn-1 における変動を調整するように制御していた。
【0008】図5を参照して説明したような、全圧延ス
タンドF1〜Fnの主機電動機7〜12を全て低応答型
電動機で揃えて制御した場合には、応答性が悪いといっ
た問題がある。そこで、応答性の改善を図るため、例え
ば下流側のスタンドだけ高応答型電動機を用いて圧延ロ
ールを駆動し、その他の上流側のスタンドは低応答型電
動機を用いるといったことが検討されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、主機電
動機の中に直流電動機などの低応答型電動機と交流可変
速電動機などの高応答型電動機とが並存する場合には、
高応答型電動機を低応答型電動機の応答にあわせて運転
する必要が生じるといった不具合があった。つまり、低
応答型電動機と高応答型電動機とが並存する連続圧延機
において圧延ロールの周速度を制御するには、低応答型
電動機によって高応答型電動機の応答が制限され、スタ
ンド全体の制御応答が低応答型電動機の応答によって決
定されて高応答型電動機が活かされないという問題があ
った。
【0010】なお、上記問題は、低応答型電動機を全て
高応答型電動機に置き換えることによって解決するが、
コスト面から見ても得策とは言い難い。また、一台の圧
延ロールを複数台の電動機によって駆動する場合に、制
御応答を向上させるためには、全ての主機電動機を高応
答型電動機に変える必要があり、結果としてコストアッ
プを招く。
【0011】本発明は、上記の不具合を解消するために
なされたものであり、圧延ロールを駆動する主機電動機
に低応答型電動機と高応答型電動機とが並存する際に、
低応答型電動機の応答に制限されることなく、高応答型
電動機の能力を活かすことができ、結果としてスタンド
全体の制御応答の向上を図ることができる連続圧延機に
おける圧延ロールの主機電動機制御装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、低応答型電動機と高応答型電動機と
が並存している場合に、低応答型電動機にはサクセシブ
制御部を介して周速度補正値をそのまま与え、一方、隣
接する高応答型電動機の上流側又は下流側の高応答型電
動機には周速度補正値を補償要素に通して与え、隣接す
る上流側又は下流側の高応答型電動機を低応答型電動機
と等価的に同一の応答性とすると共に、隣接する上流側
又は下流側の高応答型電動機に与えられる周速度補正値
をハイパスフィルタに入力し、ここで得られる周速度補
正値を隣接する下流側又は上流側の高応答型電動機に与
えるようにした。このように制御することにより、高応
答型電動機は、低応答型電動機の制限を受けることがな
くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の連続圧延機における圧延
ロールの主機電動機制御装置は、複数の圧延スタンドを
備えた連続圧延機の、圧延材に加わる張力又は圧延スタ
ンド間に設けたルーパーロールの角度又は圧延材の板厚
等の寸法を制御するために、各圧延ロールの主機電動機
として高応答型電動機と低応答型電動機とを並存させ、
これら電動機の各々の駆動装置に対して各圧延ロールの
周速度を同時にサクセシブ制御する主機電動機制御装置
であって、それぞれの駆動装置に対して周速度補正値を
設定し出力する制御装置と、これら制御装置のうち低応
答型電動機に対応する制御装置と駆動装置との間に設け
られ、周速度補正値を制御するサクセシブ制御部と、低
応答型電動機に隣接する高応答型電動機に対応する制御
装置の周速度補正値を受けて低応答型電動機と等価的な
応答特性として高応答型電動機の駆動装置に出力する補
償要素と、残りの高応答型電動機に対応する制御装置か
らの周速度補正値を受けて所定の応答特性とし、それぞ
れ対応する残りの高応答型電動機の駆動装置に出力する
ハイパスフィルタとを備えたものである。
【0014】上記構成によれば、スタンド間張力が変動
すると、周速度補正値が各々の電動機の駆動装置に出力
される。このとき、低応答型電動機にはサクセシブ制御
部を介した周速度補正値をそのまま与える。いま、例え
ば隣接する高応答型電動機が、圧延スタンド群の下流側
に位置する場合は、隣接する高応答型電動機のうち、上
流側の高応答型電動機に与える周速度補正値が、補償要
素とハイパスフィルタとに出力される。そして、補償要
素では入力された周速度補正値を、低応答型電動機と等
価的に同一の応答性となるようにして隣接する上流側の
高応答型電動機へ与える。一方、ハイパスフィルタでは
入力された周速度補正値の高周波成分を取り出して隣接
する下流側の高応答型電動機へ与える。
【0015】上記のようにすることにより、主機電動機
全体の周速度制御を行う際に、低応答型電動機の特性に
制限を受けず、高応答型電動機の特性を活かせることと
なり、従って、スタンド間張力の変動分を抑制できる。
なお、隣接する高応答型電動機が圧延スタンド群の上流
側に位置する場合は、補償要素を介して出力される周速
度補正値を隣接する下流側の高応答型電動機に、ハイパ
スフィルタを介して出力される周速度補正値を上流側の
高応答型電動機に、各々与える。
【0016】また、低応答型電動機へ出力される周速度
補正値を高応答型特性とすべく設けた第2のハイパスフ
ィルタから出力された周速度速度補正値と、高応答型電
動機に向けて出力した周速度補正値を補償要素に入力し
て得た周速度補正値との差を演算する演算器をサクセシ
ブ制御部に設け、さらに第2のハイパスフィルタから出
力された周速度補正値とハイパスフィルタを介して得た
周速度補正値とを加算する第2サクセシブ制御部を設け
ることにより、隣接する圧延スタンドの主機電動機の周
速度差は、相対的に高応答特性を呈することとなる。こ
のように、低応答型電動機と高応答型電動機とが並存す
る場合において、補償要素とハイパスフィルタとを組み
合わせることにより、低応答型電動機を有した圧延スタ
ンド群に外乱を与えることなく、高応答特性の主機電動
機で駆動される圧延スタンド群の高応答特性を活かすこ
とができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図4に基づいて説明
する。本実施例は、n段の連続圧延機において、特に最
終(最下流)の圧延スタンドFnを基準にしてサクセシ
ブ制御を行う状況である。図1において、上流から圧延
スタンドF1,F2,…,Fn-3 ,Fn-2 の圧延ロール
1,2,3,4(以下、図示する台数に対応)は、直流
で低応答型の主機電動機(以下、低応答型電動機とい
う)7,8,9,10で駆動され、これら低応答型電動
機7,8,9,10の各々は、駆動装置16〜19によ
りそれぞれ駆動制御されている。一方、圧延スタンドF
n-1 ,Fnの圧延ロール5,6(以下、図示する台数に
対応)は、交流可変速で高応答型の主機電動機(以下、
高応答型電動機という)11,12で駆動され、これら
の高応答型電動機11,12の各々は、駆動装置20,
21によりそれぞれ駆動制御されている。
【0018】また、本発明の制御装置は、低応答型電動
機7〜10の駆動装置16〜19、及び高応答型電動機
11の駆動装置20の各々に対して出力する周速度補正
値をそれぞれ演算する制御装置を有した制御部22と、
低応答型電動機7〜10に対応する制御部22と駆動装
置16〜19との間に設けられ、各々に加算器23a〜
23dを備えたサクセシブ制御部23とを備えている。
【0019】さらに、高応答型電動機11の駆動装置2
0とこれに対応する制御部22の制御装置との間には、
補償要素24が設けられている。また、高応答型電動機
12の駆動装置21と高応答型電動機11の駆動装置2
0に対応する制御部22の制御装置との間には、ハイパ
スフィルタ25が設けられている。さらに、各々の駆動
装置16〜21に至る直前には、周速度設定値V1〜V
nを加算する加算器A1〜A6がそれぞれ設けられてい
る。
【0020】上記構成の制御装置は、例えば圧延スタン
ドFn-1 ,Fn間の張力を増加させるための周速度補正
を行う際において、高応答性が必要とされる場合には、
圧延スタンドFnの高応答型電動機12によって鋼帯
(ストリップ)Sをライン下流側に引っ張り、低応答で
よいならば、圧延スタンドF1〜Fn-2 の低応答型電動
機7〜10、及び圧延スタンドFn-1 の高応答型電動機
11で鋼帯Sをライン上流側に引っ張るという制御を行
う。このような場合には、圧延スタンドF1〜Fn-2 の
低応答型電動機7〜10、及び圧延スタンドFn-1 の高
応答型電動機11の特性を揃える必要がある。よって、
本実施例では、高応答型電動機11により駆動される圧
延スタンドFn-1 を、圧延スタンドF1〜Fn-2 までの
低応答型電動機7〜10の特性と一致させて駆動し、全
体としては、圧延スタンドF1〜Fn-1 を低応答型電動
機の特性、圧延スタンドFnを高応答型電動機の特性で
駆動する。
【0021】このために、圧延スタンドF1〜Fn-2 の
低応答型電動機7〜10に与えるべき速度補正値ΔV1
〜ΔVn-2 、及び圧延スタンドFn-1 ,Fnの高応答型
電動機11,12に与えるべき周速度補正値ΔVn-1 を
各々制御部22で決定する。そして、圧延スタンドF1
〜Fn-2 の低応答型電動機7〜10に対応する駆動装置
16〜19には、サクセシブ制御部23において、一つ
下流側の加算器から出力された周速度補正値と当該周速
度補正値とを加算して各々周速度補正値ΔV1' 〜ΔV
n-2'を得る。この後、これら周速度補正値ΔV1' 〜Δ
Vn-2'の各々に、予め計算された周速度設定値V1〜V
n-2 をそれぞれ加えて速度設定値V1'〜Vn-2'を得
て、これらのそれぞれを駆動装置16〜19に与える。
【0022】一方、圧延スタンドFn-1 における交流可
変速の高応答型電動機11に関しては、上述した理由か
ら、低応答型電動機7〜10と応答特性を揃えるため
に、制御部22からの周速度補正値ΔVn-1 を補償要素
24に入力する。この補償要素24では、周速度補正値
ΔVn-1 を、低応答型電動機の速度応答のモデル化によ
って得られる伝達関数G1(s)を高応答型電動機の速
度応答のモデル化によって得られる伝達関数G2(s)
で除算した伝達関数Gにより演算する。そして、速度補
正値ΔVn-1 を補償要素24に通して得た周速度補正値
ΔVn-1'を、予め計算された周速度設定値Vn-1 に加
え、これにより得た速度設定値Vn-1'を高応答型電動機
11の駆動装置20に与える。
【0023】そして、圧延スタンドFnの高応答型電動
機12に関しては、隣接する上流側の圧延スタンドFn-
1 に対して与える周速度補正値ΔVn-1 を、ハイパスフ
ィルタ25に入力し、ハイパスフィルタ25から出力さ
れた周速度補正値ΔVn' を、予め計算された周速度設
定値Vnから減算し、これにより得た周速度設定値V
n' を高応答型電動機12の駆動装置21に与える。
【0024】ここで、周速度設定値Vnからハイパスフ
ィルタ25より出力された周速度補正値ΔVn' を減算
するのは、以下の理由による。補償要素24から出力さ
れた周速度補正値ΔVn-1'は、高応答型電動機11を有
する圧延スタンドFn-1 の周速度変化分として制御部2
2から出力された周速度補正値ΔVn-1 が、補償要素2
4の伝達関数Gによって低応答型電動機の速度応答特性
を呈した周速度変化分として出力される。一方、周速度
補正値ΔVn-1 をハイパスフィルタ25に入力して得た
周速度補正値ΔVn' は、該ハイパスフィルタ25によ
って高応答型電動機の速度応答特性を呈した周速度変化
分として出力される。
【0025】そして、圧延スタンドFn-1 ,Fn間の張
力を増加させる場合において、上流側の低応答型電動機
7〜10及び高応答型電動機11は、本実施例の場合、
周速度を減速するため、周速度補正値ΔVn-1'を基準と
して、順次サクセシブ制御され、加算器A1〜A5で周
速度設定値V1〜Vn-1 とΔV1' 〜ΔVn-1'を各々加
算する。
【0026】一方、下流側の高応答型電動機12では、
本実施例の場合、周速度を加速するので、従って、ハイ
パスフィルタ25から出力された周速度補正値ΔVn'
は、逆極性として加算器A6で周速度設定値Vnから減
算しているのである。
【0027】また、ハイパスフィルタ25は、例えば低
応答型電動機の速度応答のモデル化によって得られる伝
達関数をG1(s)とし、高応答型電動機の速度応答モ
デル化によって得られる伝達関数をG2(s)とした場
合、図2(a)に示す1−G(s)、又は図2(b)に
示すように1−{G1(s)/G2(s)}の形で与え
ることができる。
【0028】従って、図2(b)におけるG1(s)/
G2(s)は、補償要素24で演算される伝達関数Gと
同一であることから、結果として周速度補正値ΔVn-1
から、該周速度補正値ΔVn-1 を補償要素24に入力し
て得られる周速度補正値ΔVn-1'を減算した図2(b)
における周速度補正値ΔVn' は、周速度補正値ΔVn-
1 をハイパスフィルタ25を通して得られる出力ΔV
n' と等価となる。このことから、周速度補正値ΔV
n' は、周速度補正値ΔVn-1 の高周波成分が取り出さ
れて高応答型電動機12に与えられることとなる。
【0029】こうして、高応答型電動機11の駆動装置
20には、補償要素24を介して得た周速度補正値ΔV
n-1'と周速度設定値Vn-1 とを加算して、また、高応答
型電動機12の駆動装置21には、ハイパスフィルタ2
5を介して得た周速度補正値ΔVn' を周速度設定値V
nから減算して、各々与えることにより、圧延スタンド
Fn-1 ,Fn間の張力を増加させるために例えば最下流
側に位置する圧延ロール6の周速度を相対的に増加さ
せ、圧延ロール6より上流側の圧延ロール1〜5の周速
度を相対的に減少させることができ、この制御において
高応答型電動機11,12の高応答特性を損なうことな
く、全体をサクセシブ制御することができるのである。
【0030】以上のように制御することにより、圧延ス
タンド間張力が急変する咬み込み時において、従来の制
御装置では、図3(b)に示すように、張力変動分の吸
収が遅いため、約2秒に亘って張力変動が見られるが、
本発明装置では、図3(a)に示すように、そのような
変動はみられない。つまり、圧延スタンド間張力が急変
したとき、速度補正値ΔVn-1 がハイパスフィルタ25
を通り、高周波成分のみを取り出した速度補正値ΔV
n' が駆動装置21に出力されることにより、圧延スタ
ンドF1〜Fn-2 の低応答型電動機7〜10、及び圧延
スタンドFn-1 の高応答型電動機11による低応答性の
制限を受けることなく、圧延スタンドFnの高応答型電
動機12の高応答性を活かすことができ、従って、咬み
込み時の張力変動を抑制することができるのである。
【0031】なお、本発明は、上記実施例に限定されず
変形又は応用が可能である。例えば、図4に示す主機電
動機制御装置は、上記実施例構成に、低応答型電動機1
0へ出力される周速度補正値ΔVn-2 を高応答型特性と
すべくハイパスフィルタ26を設けると共に、ハイパス
フィルタ26から出力された周速度速度補正値ΔVn-1'
と、高応答型電動機11に向けて出力した周速度補正値
ΔVn-1 を補償要素24に入力して得た周速度補正値Δ
Vn-1'' との差を演算する演算器23eを設け、さら
に、ハイパスフィルタ26から出力された周速度補正値
ΔVn-1'とハイパスフィルタ25を介して得た周速度補
正値ΔVn' とを加算する加算器27aを有した第2サ
クセシブ制御部27を設けている。
【0032】上記構成の制御装置は、低応答型電動機1
0を有する圧延スタンドFn-2 に与えられる周速度補正
値ΔVn-2 をハイパスフィルタ26に出力し、ハイパス
フィルタ26によって得られる周速度補正値ΔVn-1'
を、補償要素24を通して得られる周速度補正値ΔVn-
1'' から演算器23eで演算して周速度補正値ΔVn-
1'''を求め、圧延スタンドFn-1 の周速度補正値とす
る。
【0033】さらに、周速度補正値ΔVn-1'と、周速度
補正値ΔVn-1 をハイパスフィルタ25に入力して得た
周速度補正値ΔVn' とを、第2サクセシブ制御部27
の加算器27aで加算し、ここで得られる周速度補正値
ΔVn''と、圧延スタンドFnの周速度設定値Vnと
を、加算器A6にて演算して速度設定値Vn' が駆動装
置21に与えられる。
【0034】図4に示す変形例において、加算器23e
で周速度補正値ΔVn-1'' を周速度補正値ΔVn-1'から
減算する理由は、以下の通りである。補償要素24から
出力された周速度補正値ΔVn-1'' は、高応答型電動機
11を有する圧延スタンドFn-1 の周速度変化分として
補償要素24から出力され、補償要素24によって低応
答型特性を呈している。一方ハイパスフィルタ26から
出力された周速度補正値ΔVn-1'は、ハイパスフィルタ
26を通すことによって高応答型特性を呈することとな
る。
【0035】そして、演算器23eにおいて、周速度補
正値ΔVn-1'' を周速度補正値ΔVn-1'から減算するこ
とにより、圧延スタンドFn-1 における圧延ロール11
の周速度が増加するように、圧延スタンドFnと圧延ス
タンドFn-1 との相対速度差が周速度補正値ΔVn-1'''
として出力される。
【0036】このように、低応答型電動機10を有する
圧延スタンドFn-2 に与える周速度補正値ΔVn-2 をハ
イパスフィルタ26に入力し、ハイパスフィルタ26に
よって得られる周速度補正値ΔVn-1'と、補償要素24
を通して得られる周速度補正値ΔVn-1'' を演算器23
eで減算してΔVn-1'''を求めて圧延スタンドFn-1に
与える周速度補正値とし、さらに、周速度補正値ΔVn-
1'とハイパスフィルタ25から出力された周速度補正値
ΔVn' を加算して得た周速度補正値ΔVn''を圧延ス
タンドFnの周速度補正値とすることによって、圧延ス
タンドFn-1 の高応答型特性を損なうことなく圧延スタ
ンドFn-1 ,Fn間の張力を増加させるサクセシブ制御
が行えるのである。
【0037】さらに、本発明の制御装置は、高応答型電
動機を有する圧延スタンドが3つ以上ある場合にも同様
に制御することができ、また、上記実施例では、圧延ス
タンド群の下流側に高応答型電動機を有した圧延スタン
ドを配した構成を示したが、高応答型電動機を有した圧
延スタンドを圧延スタンド群の上流側に配置した場合も
同様に制御することができる。また、上記実施例では圧
延スタンド群中にルーパを配設した場合を示したが、例
えば冷間タンデム圧延機群のようにルーパの無い場合に
も同様に制御することができる。
【0038】また、本発明の前提は、低応答型電動機と
高応答型電動機とが並存している場合であるが、例え
ば、全ての圧延スタンドの主機電動機が直流の低応答型
のものの場合は、下流圧延スタンドの主機電動機を、上
記したような交流可変速の高応答型電動機として、本制
御装置により制御すれば、全ての主機電動機を交流可変
速の高応答型電動機に置き換える必要がなく、設備コス
トを抑えることができる。また、圧延スタンド増設に伴
って、既設の主機電動機よりも高応答型電動機を新たに
設置する場合にも、本制御装置を用いることで、既設の
低応答型電動機の制限を受けることなく、高応答型電動
機の応答特性を活かすことができ、制御応答を向上させ
ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の連続圧延機にお
ける圧延ロールの主機電動機制御装置は、複数の圧延ス
タンドを備えた連続圧延機の圧延ロールを駆動する主機
電動機に、低応答型電動機と高応答型電動機とが並存す
る際、低応答型電動機にはサクセシブ制御部を介して周
速度補正値をそのまま与え、また、隣接する高応答型電
動機の上流側又は下流側の高応答型電動機には周速度補
正値を補償要素に通して与え、隣接する上流側又は下流
側の高応答型電動機に与えられる周速度補正値をハイパ
スフィルタにも出力して隣接する下流側又は上流側の高
応答型電動機に与えるようにした。これによって、低応
答型電動機の存在によって、高応答型電動機の能力が制
限されることなく有効に活用でき、圧延スタンド全体の
速度応答を向上させることができる。従って、圧延ロー
ルの周速度の調整が、圧延スタンド間張力、材料ループ
量、材料寸法、材料形状などの諸量の制御に反映され
て、制御応答を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続圧延機における圧延ロールの主機
電動機制御装置の実施例による概略構成を示す図であ
る。
【図2】(a)は本発明装置のハイパスフィルタの一例
を示す詳細図、(b)は本発明装置のハイパスフィルタ
の他の例を示す詳細図である。
【図3】(a)本発明装置によってスタンド間張力制御
を行った時の張力変動を示し、(b)は従来装置によっ
てスタンド間張力制御を行ったときの張力変動を示す図
である。
【図4】本発明の連続圧延機における圧延ロールの主機
電動機制御装置の変形例による概略構成を示す図であ
る。
【図5】従来の連続圧延機における圧延ロールの主機電
動機制御装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1〜6 圧延ロール 7〜10 低応答型電動機(直流で低応答の主
機電動機) 11,12 高応答型電動機(交流可変速で高応
答の主機電動機) 16〜21 (主機電動機の)駆動装置 22 制御部(制御装置) 23 サクセシブ制御部 24 補償要素 25 ハイパスフィルタ F1〜Fn 圧延スタンド V1〜Vn (予め計算された)周速度設定値 V1' 〜Vn' 速度設定値 ΔV1〜ΔVn-1 周速度補正値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧延スタンドを備えた連続圧延機
    の、圧延材に加わる張力又は圧延スタンド間に設けたル
    ーパーロールの角度又は圧延材の板厚等の寸法を制御す
    るために、各圧延ロールの主機電動機として高応答型電
    動機と低応答型電動機とを並存させ、これら電動機の各
    々の駆動装置に対して各圧延ロールの周速度を同時にサ
    クセシブ制御する主機電動機制御装置であって、それぞ
    れの駆動装置に対して周速度補正値を設定し出力する制
    御装置と、これら制御装置のうち低応答型電動機に対応
    する制御装置と駆動装置との間に設けられ、周速度補正
    値を制御するサクセシブ制御部と、低応答型電動機に隣
    接する高応答型電動機に対応する制御装置の周速度補正
    値を受けて低応答型電動機と等価的な応答特性として前
    記高応答型電動機の駆動装置に出力する補償要素と、残
    りの高応答型電動機に対応する制御装置からの周速度補
    正値を受けて所定の応答特性とし、それぞれ対応する残
    りの高応答型電動機の駆動装置に出力するハイパスフィ
    ルタとを備えたことを特徴とする連続圧延機における圧
    延ロールの主機電動機制御装置。
  2. 【請求項2】 低応答型電動機として直流電動機を配置
    し、高応答型電動機として可変速交流電動機を配置する
    ことを特徴とする請求項1記載の連続圧延機における圧
    延ロールの主機電動機制御装置。
  3. 【請求項3】 補償要素には、低応答型電動機の速度応
    答のモデル化によって得られる伝達関数を、高応答型電
    動機の速度応答のモデル化によって得られる伝達関数で
    除算して得た伝達関数を用いることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の連続圧延機における圧延ロールの主機
    電動機制御装置。
  4. 【請求項4】 低応答型電動機へ出力される周速度補正
    値を高応答型特性とすべく設けた第2のハイパスフィル
    タから出力された周速度速度補正値と、高応答型電動機
    に向けて出力した周速度補正値を補償要素に入力して得
    た周速度補正値との差を演算する演算器をサクセシブ制
    御部に設け、さらに前記第2のハイパスフィルタから出
    力された周速度補正値とハイパスフィルタを介して得た
    周速度補正値とを加算する第2サクセシブ制御部を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    連続圧延機における圧延ロールの主機電動機制御装置。
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