JPH0871423A - 排ガス浄化触媒、窒素酸化物の浄化方法およびゼオライトの製造方法 - Google Patents

排ガス浄化触媒、窒素酸化物の浄化方法およびゼオライトの製造方法

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JPH0871423A
JPH0871423A JP6211231A JP21123194A JPH0871423A JP H0871423 A JPH0871423 A JP H0871423A JP 6211231 A JP6211231 A JP 6211231A JP 21123194 A JP21123194 A JP 21123194A JP H0871423 A JPH0871423 A JP H0871423A
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zeolite
catalyst
exhaust gas
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nitrogen oxides
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Yuji Ozeki
雄治 尾関
Niro Nakatani
仁郎 中谷
Hajime Kato
元 加藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 オキソ酸イオンを用いたゼオライトの製造方
法、およびオキソ酸処理を施したゼオライトからなる排
ガス浄化触媒およびかかる触媒の存在下、炭化水素を用
いて、酸素を含む燃焼排ガスから窒素酸化物を浄化する
ことを特徴とする窒素酸化物の浄化方法。 【効果】 酸素濃度が実用レベルの高いレベルであって
も十分な窒素酸化物浄化率を示し,酸素を含む燃焼排ガ
スから窒素酸化物を効率よく除去できる。また、10万
h−1以上でのガス空間速度(GHSV)で、しかも硫
黄酸化物共存下でも高い窒素浄化率が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排ガス浄化触媒および
窒素酸化物の浄化方法に関し、さらに詳しくは、酸素を
含む燃焼排ガスから大気汚染物質である窒素酸化物を効
率的に浄化する触媒および方法に関するものである。ま
た、本発明はゼオライトの触媒活性、吸着能を増大させ
るゼオライトの製造方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】従来より天然ゼオライト及び合成ゼオラ
イトを触媒、吸着分離剤として使用することが知られて
いる。ゼオライト触媒は様々な石油化学製品の製造およ
び石油処理などに広く使用されており、例えば、クラッ
キング、アルキル化、異性化、重合、添加反応、不均化
反応、および酸化反応などに有効な触媒となる。
【0003】ゼオライトの活性が強すぎるときにはその
活性を低下させ、ゼオライトの活性が不十分なときには
その活性を増大させることにより、ゼオライトの活性を
変性させる方法が従来から提案されている。このような
処理として、例えば脱アルミニウムを目的として、スチ
ーミング法("Fluid Catalitic Cracking With Zeolite
Catalysis" Venuto and Ha-bib 著、Marcel Dekker In
c.1979年発行)、塩酸処理("Catalysis by Acids and
Bases" F.Mange ら著、Elsevier, 1984年発行)、およ
びけい素置換(Chem.Lett.(1984) P817 )がある。ま
た、吸着分離剤や形状選択性触媒の性能を高める方法と
してカチオンの導入(J.Cat.(1979) P445)、金属塩の含
浸(J.Chem.Soc.Faraday Trans.I (1980) p180)、およ
び表面水酸基と結合するけい素化合物の添加(触媒、(1
983) p371 )などがある。また、酸性を制御するために
フッ素処理により強酸点を形成(J.Chem.Soc.Faraday
Trans.I (1985) p1161)したり、リン化合物で処理する
ことで強酸点を被毒する方法(J.Cat.(1980) p155 )が
ある。
【0004】環境保全の観点から、大気汚染物質の浄化
は大きな社会的課題である。とりわけ産業活動の拡大に
伴う燃焼排ガスの浄化は、現在の緊急課題である。
【0005】固定発生源である工場や移動発生源である
自動車から排出される燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化
物は、光化学スモッグの原因といわれ、また人体に有害
なガスであり、特に一酸化窒素(NO)は浄化が難し
く、最も重要な検討課題となっている。
【0006】これまでにも燃焼排ガス中の窒素酸化物を
浄化する幾つかの方法が提案されている。例えば接触還
元法と呼ばれる方法は、アンモニアや水素等の還元剤を
用い、触媒上でNOをN2 とH2 Oにして浄化する方法
である。しかしながら、この方法は危険な還元剤を利用
するため、その回収や漏れの対策が必要で、規模が大き
な固定発生源については有効であるが、自動車のような
移動発生源には適さない。
【0007】一方、理論空燃比付近で運転されるガソリ
ンエンジンの排ガス浄化には、これまでに多くの触媒が
開発されて、一般に使用されている。しかしながら、こ
れらの触媒は、過剰な酸素共存下では窒素酸化物を浄化
できないので用いることができない。
【0008】ところで、NOの接触分解、すなわちNO
を直接N2 とO2 に分解する方法は、排気ガスを触媒層
に通じるだけで済み、極めて簡単なため利用範囲は広
い。これについても従来より種々の触媒が見い出されて
いる。Pt、Cu、Co系触媒がNOの分解活性に効果
があるが、いずれも生成する酸素によって被毒を受ける
という問題があった。通常ディーゼルエンジンの排ガス
や希薄燃焼方式のガソリンエンジン排ガスは過剰な酸素
を含むため、これまでの触媒では対応できず、新規な方
法の開発が望まれている。
【0009】このような課題に対しては幾つかの触媒が
提案されている。例えば、(A)米国特許第42973
28号明細書や特開昭63−283727号公報では銅
やコバルトなどを含有するゼオライト触媒により酸素を
含む燃焼排ガス中の窒素酸化物を炭化水素の存在下で浄
化する方法が提案されている。一方、最近(B)Chemis
try Letters P.1025 - 1026 (1992)ではガリウムやイン
ジウムをイオン交換したZSM−5型ゼオライトが酸素
10%と高い条件のもとで窒素酸化物の浄化率が高いこ
とが示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ゼオライトの
改質処理に関して、上記の方法では目的とする反応にお
いて十分な活性の向上がみられない場合がある。また、
排ガス浄化触媒に関して上記(A)などの公知の触媒で
は酸素濃度が高くなると、炭化水素の酸素による燃焼反
応が増加し、窒素酸化物の浄化能力が著しく低下し、実
用化のためには多くの問題がある。また、上記(B)に
おいては、自動車排ガス中の炭化水素濃度は窒素酸化物
に対して充分存在しているわけではないために微量の炭
化水素で窒素酸化物を効率よく浄化する必要があるが、
これら触媒は炭化水素濃度が減少すると窒素酸化物の浄
化能力が低下するという問題があった。したがって、実
用化するためには窒素酸化物の浄化能力をさらに高めた
触媒が要求される。また、実際の排ガス中には硫黄酸化
物が存在することが多く、これが触媒を被毒し活性を大
きく低下させることが知られている。従って、実用化に
は触媒が耐硫黄酸化物性を有することも重要な課題であ
る。
【0011】本発明の目的は、酸素を含む燃焼排ガスか
ら炭化水素により窒素酸化物を実用化レベルで浄化する
こと、および触媒、吸着分離剤としてのゼオライトの能
力を向上させる処理をすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためのものであり、オキソ酸イオンで処理をしたゼ
オライトを含むことを特徴とする排ガス浄化触媒、およ
び該触媒の存在下、炭化水素を用いて、酸素を含む燃焼
排ガスから窒素酸化物を浄化する方法、および該ゼオラ
イトの製造方法である。
【0013】また、本発明の触媒によれば自動車排ガス
浄化触媒に要求される5万h-1以上さらには10万h-1
以上の高いガス空間速度(GHSV)で、しかも硫黄酸
化物存在下でも充分に高い窒素酸化物浄化能力を示すこ
とを見いだした。
【0014】本発明でいうゼオライトとは結晶性アルミ
ノケイ酸塩であり、組成は一般に次式(1)で示され
る。
【0015】 xM2/nO・Al2O3・ySiO2・zH2O ……(1) (式中、nは陽イオンMの原子価、xは0. 8〜2. 0
の範囲の数、yは2. 0以上の数、zは0以上の数であ
る) ゼオライトの基本構造はSi、Al、Oが規則正しく三
次元的に結合したもので、構造単位の違いにより、種々
の結晶構造をとる。ゼオライトには多くの種類が知られ
ているが、X線回折によって特徴づけられ、その結晶構
造により名称が異なる。例えば天然品として、モルデナ
イト、エリオナイト、フェリエライト、シャバサイト等
があり、合成品としてはこれら天然品の合成体、X型、
Y型、MFI型等が知られている。
【0016】本発明で使用するゼオライトは耐熱性、耐
水蒸気性の観点からSiO2 /Al2 O3 比がモル比で
10以上であることが好ましい。ゼオライト構造として
は特に限定はされないが好ましくはMFI、モルデナイ
ト、フェリエライトである。天然品、合成品どちらでも
構わないが、前者では不純物を含み精製に手間がかかる
ことから、合成品が好ましく用いられる。
【0017】一般的にゼオライトの合成法を挙げれば、
適当なシリカ源、アルミナ源、アルカリ源、または場合
によってはアルミナ源に代えて金属化合物(例えばF
e、Ga等)を混合し、100〜250℃程度の水熱条
件下で結晶化させることで容易に得られる。また前記の
混合物にテンプレートと呼ばれる有機物を添加する方法
も提案されている。ゼオライトは一般に市販されてお
り、それらを用いてもよい。
【0018】本発明でいうオキソ酸とは中心原子に結合
している原子が全て酸素原子であって、酸素原子の一部
または全部に水素が結合し、その水素が水溶液中で水素
イオンを生じて酸の性質を表すものをいい、中心原子が
一つのものは化学式XOm (OH)n (Xは中心原子)
で表される。オキソ酸は2ないし数分子縮合してポリ酸
を生じることがあり、それらもオキソ酸の中に含まれ
る。オキソ酸は酸素酸、オキシ酸ともいわれる。
【0019】本発明で使用するオキソ酸イオンはオキソ
酸を水に溶かすことで生じたものであるが、オキソ酸の
水素の一つまたはそれ以上をアンモニウムイオンなどの
他のイオンで置換したものを水に溶かして生じたものを
用いてもよい。
【0020】本発明でいうオキソ酸はホウ素、モリブデ
ン、タングステン、バナジウム、リン、クロム、スズ、
ガリウム、レニウム、ルテニウム、及びウランから選ば
れる少なくとも一種類を中心原子とするものが用いられ
る。本発明で用いられるオキソ酸としてはホウ素、モリ
ブデン、タングステン、およびバナジウムから選ばれる
少なくとも一種類を中心原子とするものが好ましく用い
られる。
【0021】本発明でいうオキソ酸は中心金属が2ない
し数分子縮合したポリ酸でもよく、例えば、(NH4 )
2 O・5B2 O3 , (NH4 )2 Mo7 O24 および
5(NH4 )2 O・12WO3 などが好ましく用いられ
るが中心原子の数は特に限定されるものではない。
【0022】本発明でいうゼオライトの製造方法はオキ
ソ酸イオンを含む水溶液中でゼオライトを処理すること
であり、オキソ酸の濃度は特に限定されない。また、水
溶液のpHも酸性であるなら特に限定されないが、好ま
しくはpH5.0以下、さらにこのましくはpH1.5
から3.0の間である。水溶液の温度は好ましくは50
℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。処理時間
も特に限定されないが好ましくは1から24時間であ
る。
【0023】また、本発明はオキソ酸処理を施したゼオ
ライトを含む排ガス浄化触媒である。 本発明の排ガス
浄化触媒に含まれるゼオライトは、銅、コバルト、イン
ジウムガリウム、チタン、および水素イオンから選ばれ
る少なくとも1種を含有するのが好ましい。これらのゼ
オライトへの導入方法は特に限定されない。導入方法と
してはゼオライト中のカチオンとこれらのカチオンを交
換するイオン交換法や、ゼオライトを目的とする金属を
含む溶液に浸す含浸法等が挙げられる。イオン交換法の
場合、ゼオライトをこれらの金属の塩の溶液に分散し、
その中にアルカリ性の溶液例えばアンモニア水を添加し
てpHを調整する方法もまた好ましく用いられる。ま
た、水素イオンのゼオライトへの導入方法としては直接
酸水溶液でイオン交換するか、またはアンモニウムイオ
ンで交換して、次いで焼成する方法などが挙げられる。
また、カチオンサイトのイオンが有機窒素含有カチオン
である場合には焼成によりこれを分解して、水素イオン
に転化する。本発明で用いるゼオライト触媒としては、
反応選択性の高いインジウム、ガリウム、チタンを含ん
だ酸型ゼオライトが好ましく用いられる。
【0024】ゼオライトに、銅、コバルト、インジウ
ム、ガリウム、チタンおよび水素イオンから選ばれる少
なくとも1種を含有させる場合は、これらの原料化合物
は水溶性塩であればどの様な形でも使用できる。例え
ば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。
また、酸水溶液としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸など
の水溶液が挙げられる。
【0025】また導入の順序として、特定の金属カチオ
ンおよび/または水素イオンを先に導入する方法および
同時に導入する方法が考えられるが特に限定されない。
また、オキソ酸イオンを含む酸性水溶液中でのゼオライ
トの処理と金属カチオンおよび/または水素イオンの導
入の順序も特に限定されないが、好ましくはゼオライト
の処理をした後に金属カチオンおよび/または水素イオ
ンを導入する。ゼオライトにインジウムを含有させる場
合、インジウム含有量はゼオライトの重量に対し0.4
〜12重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜8重量
%である。また、水素イオンを含有させる場合は、その
含有量は、ゼオライト構造を構成しているアルミニウム
1当量に対し、0.1〜1.0当量が好ましく、さらに
好ましくは0.4〜1.0当量である。
【0026】本発明の触媒はゼオライトに銅、コバル
ト、インジウム、ガリウム、チタンおよび水素イオンを
導入する場合は、導入した後、例えば、シリカ、アルミ
ナ等の無機酸化物や粘土をバインダーとして、球状、柱
状、ハニカム状等の適当な形に成型してもよく、あるい
はアルミナ、コージェライトなどからなる例えばハニカ
ムのような成型体にコーテングしてもよい。またゼオラ
イトにバインダーを添加して成型した後、銅、コバル
ト、インジウム、ガリウム、チタンおよび/または水素
イオンを導入しても良い。いずれにしても特に限定され
るものではない。
【0027】本発明の窒素酸化物の浄化方法で用いる炭
化水素類とは、炭素と水素から構成される化合物であ
り、通常いわゆるオレフィン類、パラフィン類、環状化
合物あるいはこれらの化合物を含有する炭化水素類であ
る。好ましくは、揮発性で本発明の処理温度において気
体状のものが好ましい。さらに好ましくは炭素数が1〜
10程度のオレフィン類、パラフィン類、ナフテン類お
よび環状不飽和炭化水素類から選ばれる少なくとも1種
の炭化水素である。好ましい炭化水素の具体例として
は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテ
ン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、メタン、
エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロプ
ロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサ
ン、シクロヘキセンなどが挙げられる。また、燃焼排ガ
ス中に含まれる未燃の炭化水素も好ましく用いられるこ
とはもちろんのことである。触媒上で存在させる炭化水
素の量は燃焼排ガス中に含まれている窒素酸化物に対し
てメタン換算で0.2から7モル比が好ましく、より好
ましくは0.4から5モル比存在させる。0.2モル比
以下では窒素酸化物の浄化率が低くなり、一方7モル比
以上では過剰な炭化水素が存在し新たな炭化水素浄化装
置が必要になり好ましくない。
【0028】また、本発明の浄化方法でいう燃焼排ガス
とは酸素を含有するものであり、好ましくは0.1容量
%以上の酸素を含有するものである。この燃焼排ガスは
通常の内燃機関やボイラー等から排出されるものであ
る。本発明はとりわけ、ディーゼルエンジン、希薄燃焼
方式のガソリンエンジンからの燃焼排ガスのように、酸
素を多量に含有する排ガスに対し特に有効である。ディ
ーゼルエンジンの燃焼排ガス中の酸素濃度は運転条件に
より変化するが、代表的にいえば8〜16%であり、希
薄燃焼方式のガソリンエンジンでは3〜8%である。
【0029】本発明による窒素酸化物浄化温度は触媒層
温度で好ましくは200から800℃、より好ましくは
250から600℃の範囲である。この浄化温度が低い
と窒素酸化物の浄化が不十分であり、また、浄化温度が
高すぎると共存させた炭化水素が燃焼を起こし、窒素酸
化物の浄化が低下し好ましくない。
【0030】従来の方法では、触媒容積当たりの燃焼排
ガス処理速度即ちガス空間速度を高くすると、例えば5
万h-1以上、さらには10万h-1以上にすると窒素酸化
物の浄化能が低下し自動車のような移動発生源に対して
は実用化レベルにほど遠いものがあった。然るに、本発
明の方法に従うと、自動車排ガスのような高いガス空間
速度において、しかも硫黄酸化物共存下でも充分な窒素
酸化物浄化能を示す。本発明の浄化方法を実施するには
燃焼排ガス中に含まれる炭化水素を利用できるのはもち
ろんのことであるが、燃焼排ガス中の炭化水素濃度を増
大させるため炭化水素として既設の燃料タンクに入った
ガソリン等の燃料油の一部を用い、これをエンジンへ送
らずにバイパスラインを通して、排ガス出口側に設けら
れた触媒層に直接添加してもよく、また、バイパスライ
ンに改質部を設け、ガソリン等の燃料油の一部を改質処
理等を施してから触媒層に添加してもよい。
【0031】さらに、ディーゼル・エンジンの場合エン
ジン内での燃料噴射時期を遅らせることにより爆発燃焼
条件を変化させ排ガス中の炭化水素濃度を増大させるこ
とができる。また、触媒層の温度を適当な範囲に維持す
るためにクーラー等で所定の温度にした燃焼排ガスを導
入してもよく、燃焼排ガスが所定の温度に達しない場合
は触媒層を加熱してもよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって説明する。
【0033】(触媒調製) 触媒1 SiO2 /Al2 O3 モル比が約25のNa型のMFI
型ゼオライト100gを10%塩化アンモニウム水溶液
200mlに分散し、80℃で2時間撹拌し、その後ろ
過した。ついで、水1000mlで2回洗浄した。さら
に、このイオン交換操作および水洗操作を4回繰り返し
た。110℃で一晩乾燥させアンモニウム型ゼオライト
を得た。残存するNa量を分析した結果、0.01wt
%以下であった。
【0034】触媒2 10.1gのホウ酸アンモニウム・8水和物を800m
lの蒸留水に溶かし、次いで0.1M硝酸水溶液をpH
が2.0になるまで加えた。ここへ触媒1のゼオライト
5.0gを加え75℃で8時間撹拌した。その後濾過
し、次いで水250mlで2回洗浄した。110℃で一
晩乾燥させた後300℃で2時間処理した。
【0035】触媒3 12.5gのモリブデン酸アンモニウム・4水和物を8
00mlの蒸留水に溶かし、次いで0.1M硝酸水溶液
をpHが2.0になるまで加えた。ここへ触媒1のゼオ
ライト5.0gを加え75℃で8時間撹拌した。その後
濾過し、次いで水250mlで2回洗浄した。110℃
で一晩乾燥させた後300℃で2時間処理した。
【0036】触媒4 19.7gのタングステン酸アンモニウム・5水和物を
800mlの蒸留水に溶かし、次いで0.1M硝酸水溶
液をpHが2.0になるまで加えた。ここへ触媒1のゼ
オライト5.0gを加え75℃で8時間撹拌した。その
後濾過し、次いで水250mlで2回洗浄した。110
℃で一晩乾燥させた後300℃で2時間処理した。
【0037】触媒5 8.8gのメタバナジン酸アンモニウムを800mlの
蒸留水に溶かし、次いで0.1M硝酸水溶液をpHが
2.0になるまで加えた。ここへ触媒1のゼオライト
5.0gを加え75℃で8時間撹拌した。その後濾過
し、次いで水250mlで2回洗浄した。110℃で一
晩乾燥させた後300℃で2時間処理した。
【0038】触媒6 触媒2のゼオライト5.0gを2.1gの硝酸インジウ
ム・3水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温
で一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗
浄した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/
minヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアン
モニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に
供した。
【0039】触媒7 触媒3のゼオライト5.0gを2.1gの硝酸インジウ
ム・3水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温
で一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗
浄した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/
minヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアン
モニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に
供した。
【0040】触媒8 触媒4のゼオライト5.0gを2.1gの硝酸インジウ
ム・3水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温
で一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗
浄した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/
minヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアン
モニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に
供した。
【0041】触媒9 触媒5のゼオライト5.0gを2.1gの硝酸インジウ
ム・3水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温
で一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗
浄した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/
minヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアン
モニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に
供した。
【0042】触媒10 触媒1のゼオライト5.0gを2.1gの硝酸インジウ
ム・3水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温
で一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗
浄した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/
minヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアン
モニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に
供した。
【0043】触媒10 触媒1のゼオライト5.0gを2.1gの硝酸インジウ
ム・3水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温
で一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗
浄した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/
minヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアン
モニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に
供した。
【0044】触媒11 触媒2のゼオライト5.0gを1.5gの酢酸コバルト
・4水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で
一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄
した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/m
inヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアンモ
ニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供
した。
【0045】触媒12 触媒1のゼオライト5.0gを1.5gの酢酸コバルト
・4水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で
一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄
した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/m
inヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアンモ
ニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供
した。
【0046】触媒13 触媒2のゼオライト5.0gを1.2gの硝酸ガリウム
・5水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で
一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄
した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/m
inヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアンモ
ニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供
した。
【0047】触媒14 触媒1のゼオライト5.0gを1.2gの硝酸ガリウム
・5水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で
一晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄
した後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/m
inヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアンモ
ニウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供
した。
【0048】触媒15 触媒2のゼオライト5.0gを1.1gの酢酸銅・1水
和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で一晩撹
拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄した後
110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/minヘ
リウム気流中、550℃で4時間処理してアンモニウム
イオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供した。
【0049】触媒16 触媒1のゼオライト5.0gを1.1gの酢酸銅・1水
和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で一晩撹
拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄した後
110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/minヘ
リウム気流中、550℃で4時間処理してアンモニウム
イオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供した。
【0050】触媒17 触媒2のゼオライト5.0gを1.8gの硫酸チタン・
2水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で一
晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄し
た後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/mi
nヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアンモニ
ウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供し
た。
【0051】触媒18 触媒1のゼオライト5.0gを1.8gの硫酸チタン・
2水和物を含む250mlの水溶液に分散し、室温で一
晩撹拌し、その後ろ過した。水100mlで2回洗浄し
た後110℃で一晩乾燥させた。これを30ml/mi
nヘリウム気流中、550℃で4時間処理してアンモニ
ウムイオンを分解し、水素イオンとした後、反応に供し
た。
【0052】(触媒評価) 実施例1〜16、比較例1〜10 前記の方法で調製した触媒6〜18を用い、表1に示す
反応条件で酸素12容量%、一酸化窒素1000pp
m、炭化水素としてプロパン682ppm、二酸化硫黄
50ppmを含むガスで反応を行い、一酸化窒素の除去
性能を調べた。NOの転化率はNOのN2 への転化率か
ら求めた。その結果を表2に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2の結果から明らかなように、オキソ酸
イオンを含む酸性水溶液中で処理したゼオライトからな
る触媒を用いれば、微量の炭化水素を用いて、酸素を含
む燃焼排ガスから効率的に窒素酸化物を浄化できる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、酸素濃度が実用レベル
の高いレベルであっても十分な窒素酸化物浄化率を示
し,酸素を含む燃焼排ガスから窒素酸化物を効率よく除
去できる。また、10万h−1以上でのガス空間速度
(GHSV)で、しかも硫黄酸化物共存下でも高い窒素
浄化率が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 29/072 ZAB A 29/076 ZAB A

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキソ酸イオンで処理したゼオライト
    を含むことを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. 【請求項2】 オキソ酸イオンの中心原子がホウ素、
    モリブデン、タングステン、およびバナジウムから選ば
    れる少なくとも一種類であることを特徴とする請求項1
    記載の排ガス浄化触媒。
  3. 【請求項3】 ゼオライトが、銅、コバルト、インジ
    ウム、ガリウム、チタン、および水素イオンから選ばれ
    る少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1
    または2記載の排ガス浄化触媒。
  4. 【請求項4】 ゼオライトが、インジウム、ガリウ
    ム、チタン、および水素イオンから選ばれる少なくとも
    一つを含有することを特徴とする請求項1または2記載
    の排ガス浄化触媒。
  5. 【請求項5】 ゼオライトが、インジウム、ガリウ
    ム、およびチタンから選ばれる少なくとも一つと水素イ
    オンを含有することを特徴とする請求項1または2記載
    の排ガス浄化触媒。
  6. 【請求項6】 オキソ酸イオンで処理したゼオライト
    を含む触媒の存在下、炭化水素を用いて、酸素を含む燃
    焼排ガス中の窒素酸化物を浄化することを特徴とする窒
    素酸化物の浄化方法。
  7. 【請求項7】 触媒の温度が200〜800℃である
    ことを特徴とする請求項6記載の窒素酸化物の浄化方
    法。
  8. 【請求項8】 炭化水素を排ガス中に含まれている窒
    素酸化物に対してメタン換算で0.2〜7モル比存在さ
    せることを特徴とする請求項6または7記載の窒素酸化
    物の浄化方法。
  9. 【請求項9】 オキソ酸イオンを含む酸性水溶液中で
    処理することを特徴とするゼオライトの製造方法。
  10. 【請求項10】 オキソ酸イオンの中心原子がホウ
    素、モリブデン、タングステン、およびバナジウムから
    選ばれる少なくとも一種類であることを特徴とする請求
    項9記載のゼオライトの製造方法。
  11. 【請求項11】 オキソ酸イオンを含む酸性水溶液を
    硝酸でpH5.0以下に調節することを特徴とする請求
    項9または10記載のゼオライトの製造方法。
  12. 【請求項12】 オキソ酸イオンを含む酸性水溶液を
    50℃以上に加熱することを特徴とする請求項9、10
    または11記載のゼオライトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996041678A1 (en) * 1995-06-08 1996-12-27 Nippon Shokubai Co., Ltd. Vanadium-containing catalyst, process for the production thereof, and use thereof
US6281378B1 (en) 1995-06-08 2001-08-28 Nippon Shokubai Co., Ltd. Vanadium-containing catalysts, process for manufacturing and use of the same

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WO1996041678A1 (en) * 1995-06-08 1996-12-27 Nippon Shokubai Co., Ltd. Vanadium-containing catalyst, process for the production thereof, and use thereof
US5877330A (en) * 1995-06-08 1999-03-02 Nippon Shokubai Co., Ltd. Vanadium-containing catalysts, process for manufacturing and use of the same
US6281378B1 (en) 1995-06-08 2001-08-28 Nippon Shokubai Co., Ltd. Vanadium-containing catalysts, process for manufacturing and use of the same

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