JPH0860192A - 洗浄溶剤組成物 - Google Patents

洗浄溶剤組成物

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JPH0860192A
JPH0860192A JP17298995A JP17298995A JPH0860192A JP H0860192 A JPH0860192 A JP H0860192A JP 17298995 A JP17298995 A JP 17298995A JP 17298995 A JP17298995 A JP 17298995A JP H0860192 A JPH0860192 A JP H0860192A
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JP
Japan
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cleaning
petroleum
boiling point
content
solvent composition
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JP17298995A
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English (en)
Inventor
Masao Isobe
政雄 磯部
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Eneos Corp
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Nippon Oil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芳香族炭化水素の含有量が極めて少ないが、
ハンダフラックス、油脂、加工油などに対して優れた洗
浄性を有し、引火性が低く、性状安定性が高く、被洗浄
物に対して優れた防錆性を有する洗浄溶剤組成物の開
発。 【構成】 (A)沸点範囲150〜250℃、芳香族炭
化水素含量が1容量%以下、非芳香族オレフィン炭化水
素含量が1容量%以下、かつ飽和炭化水素中のシクロパ
ラフィン炭化水素含量が40%以上である石油系溶剤1
00重量部に対して、(B)特定の一般式(1)、
(2)および(3)(略す)より選ばれる少なくとも1
種の化合物を2〜25重量部含有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洗浄溶剤組成物に関する
ものであり、さらに詳しくは機械部品製造工程において
使用される油脂、加工油、切削油、防錆剤、グリースさ
らに電子・電気部品製造工程において使用されるハンダ
フラックスなどの汚れを除去するための洗浄溶剤組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油脂、加工油、切削油、防錆剤、
グリースなどが機械部品上に残存し、除去が必要な場合
にはトリクロロエタン、トリクロロエチレンなどの塩素
溶剤が主として使用されていた。電子・電気部品などの
精密部品については、トリクロロエタンなどの他に洗浄
性が優れたトリクロロトリフロロエタンなどのフロン系
溶剤が使用されていた。塩素系溶剤は人体に対する毒性
があるものの難燃性であるため火災の心配がなく、また
使用設備を大がかりにする必要もないため大量に使用さ
れていた。またフロン系溶剤は価格が高いが人体に対す
る毒性が少なく、難燃性であるため塩素系溶剤と同様に
使用されていた。
【0003】しかしながら、トリクロロトリフロロエタ
ン、クロロトリフロロメタン、ジクロロジフロロエタン
などで代表される特定なフロン化合物は成層圏中のオゾ
ン層を破壊するため、紫外線の地上到達量が増加し、そ
の結果皮膚ガンなどの病気が増加することが明らかにな
ってきた。1992年11月に開かれたモントリオール
議定書第4回締約国会合で特定のフロン化合物、トリク
ロロエタンおよび四塩化炭素の使用を1995年末まで
に全面的に禁止することで合意に至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、これら塩素
系溶剤やフロン系溶剤に替わる洗浄剤が切望されてお
り、代替溶剤として代替フロン系溶剤、水系洗浄剤、炭
化水素系洗浄溶剤などが提案されてきた。代替フロン系
溶剤は前記特定フロンと比べてオゾン層を破壊する割合
が小さく洗浄性能も前記特定フロンと変わらないが、価
格が非常に高いという問題点がある。水系洗浄溶剤は他
の洗浄剤と比べ毒性が低く非可燃性であるが、洗浄性が
十分ではなく、また廃水の処理に多大な費用がかかると
いう問題があった。さらに洗浄対象が鉄製部品の場合に
は乾燥が不十分であると錆が発生するという問題があっ
た。
【0005】炭化水素系洗浄溶剤としてはミネラルター
ペン、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、工業用
ガソリン等が用いられてきた。これら洗浄溶剤には15
〜25%程度芳香族炭化水素が含まれており、芳香族炭
化水素が上記汚れに対する溶解性が高いことはわかって
いるものの、芳香族炭化水素は健康面への影響が懸念さ
れる。従って、芳香族炭化水素の含量が少なく、しかも
優れた洗浄性を併せもつ洗浄溶剤が望まれていた。
【0006】特開昭62−202000号公報には、炭
素数8〜12で沸点範囲100〜200℃の石油系溶剤
に炭素数3〜6のアルコールを混合してなる印刷機械洗
浄剤が記載されているが、ここで用いている石油系溶剤
はミネラルターペン、ミネラルスピリット、ソルベント
ナフサ、工業用ガソリンなど芳香族系炭化水素を多く含
むものであり、健康面への影響が懸念される。また、ア
ルコールの沸点が低く揮発性が高いため安全面に不安が
あり、洗浄剤の性状安定性に乏しいなどの問題がある。
本発明の目的は、芳香族系炭化水素の含有量が極めて少
ないにも関わらず、ハンダフラックス、油脂、加工油、
切削油、防錆剤、グリースなどに対して優れた洗浄性を
有し、引火性が低く、性状安定性が高く、被洗浄物に対
して優れた防錆性を有する洗浄溶剤組成物を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は芳香族炭化水
素の含有量が少なくても洗浄性が優れる洗浄剤を鋭意検
討した結果、特定の性状を有する石油系溶剤に特定の化
合物を含有することにより、芳香族炭化水素の含有量が
少なくても、油脂、加工油、切削油、防錆剤、グリー
ス、ハンダフラックスなどの汚れに対する洗浄力が優れ
る洗浄溶剤組成物を見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、(A)沸点範囲150
〜250℃、芳香族炭化水素含量が1容量%以下、非芳
香族オレフィン炭化水素含量が1容量%以下、かつ飽和
炭化水素中のシクロパラフィン炭化水素含量が40%以
上である石油系溶剤100重量部に対して、(B)以下
の一般式(1)、一般式(2)および一般式(3)より
選ばれる少なくとも1種の化合物を2〜25重量部含有
することを特徴とする洗浄溶剤組成物である。
【0009】
【化2】R1 −OH …(1) R2 O−R3 −OH …(2) R4 OCOCH(OH)CH3 …(3)
【0010】(式中、R1 は炭素数7〜9のアルキル
基、R2 は炭素数4〜5のアルキル基、R3 は炭素数2
〜3のアルキレン基、R4 は炭素数4〜5のアルキル基
を示す)
【0011】また本発明は、石油系溶剤が、(1)石油
炭化水素油を、温度350〜470℃かつ圧力30〜1
20Kg/cm2 ・Gで水素化分解する、(2)得られ
た水素化分解油を常圧蒸留し、沸点範囲140〜260
℃の留分を得る、(3)得られた留分を温度200〜3
50℃かつ圧力30〜100Kg/cm2・Gでベンゼ
ン核水素化する、各工程を経て得られるものである前述
の洗浄溶剤組成物である。以下に本発明を詳細に説明す
る。
【0012】本発明でいう成分(A)とは、沸点範囲1
50〜250℃、芳香族炭化水素含量が1容量%以下、
非芳香族オレフィン炭化水素含量が1容量%以下、かつ
飽和炭化水素中のシクロパラフィン炭化水素含量が40
%以上である石油系溶剤である。
【0013】成分(A)の沸点範囲は150℃〜250
℃であるが、好ましくは150℃〜230℃である。沸
点が150℃に満たないと引火の危険性が増すため常温
での作業安全性に問題があるため好ましくない。また沸
点が250℃を越えると乾燥性が悪くなることから洗浄
後の乾燥工程が不十分になる可能性があり、大掛かりな
乾燥設備が必要となる、洗浄溶剤組成物の粘性が増加す
る、洗浄性が劣るなどの不具合が生ずるため好ましくな
い。
【0014】成分(A)中の芳香族炭化水素含量は健康
面への配慮から、1容量%以下、好ましくは0.5容量
%以下、さらに好ましくは0.1容量%である。芳香族
炭化水素含量の測定はJIS K2536 燃料油炭化
水素成分試験方法(溶出クロマトグラフィー法)を準用
して測定した。
【0015】成分(A)中の非芳香族オレフィン炭化水
素含量は1容量%以下、好ましくは0.5容量%以下、
さらに好ましくは0.1容量%である。非芳香族オレフ
ィン炭化水素含量の測定はJIS K2536 燃料油
炭化水素成分試験方法(溶出クロマトグラフィー法)を
準用して測定した。
【0016】成分(A)中の飽和炭化水素中のシクロパ
ラフィン炭化水素含量は40%以上であるが、好ましく
は55%以上である。40%に満たないと、洗浄性が十
分ではないため好ましくない。飽和炭化水素中のシクロ
パラフィン炭化水素含量はFIイオン化(ガラスリザー
バ使用)による質量分析法により、得られた分子イオン
強度を基にして求めるが、以下にその方法を説明する。
【0017】成分(A)中の飽和炭化水素は溶出クロマ
トグラフィー法により、飽和分以外の成分を除去するこ
とにより得られる。溶出クロマトグラフィー法の概略は
以下の通りである。 径18mm、長さ980mmの溶出クロマト用吸着管
に、約175℃、3時間の乾燥により活性化された呼び
径74〜149μmシリカゲル(富士デビソン化学
(株)製grade923)120gを充填する。 n−ペンタン75mlを注入し、シリカゲルを予め湿
す。 試料約2gを精秤し、等容量のn−ペンタンで希釈
し、得られた試料溶液を注入する。 試料溶液の液面がシリカゲル上端に達したとき、飽和
炭化水素成分を分離するためn−ペンタン140mlを
注入し、吸着管の下端より溶出液を回収する。 溶出液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留
去し、飽和炭化水素分を得る。
【0018】得られた飽和炭化水素分はその後質量分析
計で測定される。質量分析におけるイオン化方法として
はガラスリザーバを使用したFIイオン化法が用いられ
る。質量分析計は日本電子(株)製JMS−AX505
Hを使用した。測定条件を以下に示す。 加速電圧 :3.0kV カソード電圧 :−5〜−6kV 分解能 :約500 エミッター :カーボン エミッター電流:5mA 測定範囲 :質量数35〜700 Sub Oven温度 :300℃ セパレータ温度:300℃ Main Oven 温度:350℃ 試料注入量 :1μl
【0019】上記質量分析法によって得られた分子イオ
ンは飽和分を同位体補正後、7タイプに分類・整理し、
それぞれのイオン強度の分率を求め、組成結果とする。
タイプ分析法によるデータ処理の詳細は「日石レビュ
ー」VOL.33//NO.4,第196号, P135〜142 の特に
「2.2.3 データ処理」の項に記載されている。こうして
飽和炭化水素分中のシクロパラフィン炭化水素の含量が
イオン強度によって計算できる。
【0020】成分(A)中、硫黄分は5ppm以下であ
ることが望ましい。また、成分(A)中、窒素分は10
ppm以下であることが望ましい。成分(A)中、塩素
分は5ppm以下であることが望ましい。
【0021】成分(A)の引火点範囲は任意であるが、
安全面を考慮し、下限は40℃;上限は120℃、好ま
しくは80℃であることが望ましい。
【0022】成分(A)の動粘度は任意であるが、浸透
性を考慮し、下限が0.5mm2 /s(@40℃)、好
ましくは0.8mm2 /s(@40℃);上限が5mm
2 /s(@40℃)、好ましくは2mm2 /s(@40
℃)であることが望ましい。
【0023】成分(A)のアニリン点は任意であるが、
洗浄性を考慮すると、下限が30℃;上限が80℃、好
ましくは70℃であることが望ましい。アニリン点はJ
ISK2256の方法により測定する。
【0024】成分(A)中、芳香族炭化水素、非芳香族
オレフィン炭化水素およびシクロパラフィン炭化水素以
外の成分としては直鎖構造あるいは分岐構造のパラフィ
ン炭化水素や樹脂分を挙げることができる。成分(A)
を得る方法は任意であるが、具体的には例えば、原油を
常圧蒸留または減圧蒸留して得られた留分を、水素化精
製、接触分解、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理並びに
溶剤留分の分留処理を適宜組み合わせて精製することに
よって得ることができる。好適な製法としては、沸点が
150〜250℃の範囲にある石油留分を核水素化処理
して芳香族炭化水素をシクロパラフィン炭化水素に変化
させる方法が挙げられる。
【0025】より具体的には、(1)石油炭化水素油を
温度350〜470℃かつ圧力30〜120Kg/cm
2 ・Gで水素化分解する、(2)得られた水素化分解油
を常圧蒸留し、沸点範囲140〜260℃の留分を得
る、(3)得られた留分を温度200〜350℃かつ圧
力30〜100Kg/cm2・Gでベンゼン核水素化す
る、各工程を経て得られる石油系溶剤が特に好ましい。
【0026】ここでいう石油炭化水素油としては特に制
限はないが、通常、原油を減圧蒸留して得られる、通
常、沸点範囲350〜550℃の留分である。この石油
炭化水素油を水素化分解触媒の存在下で分子状水素と接
触させ、水素化分解油を得る。水素化分解工程に用いら
れる触媒としてはニッケル、コバルト、モリブテン、タ
ングステン等の金属の少なくとも一種以上の金属または
これらの酸化物が用いられ、特にニッケルが好ましい。
触媒は通常、担体に担持して使用するが、担体としては
シリカ、アルミナまたはボリア等が用いられる。反応温
度は、通常、350〜470℃、好ましくは350〜4
50℃、さらに好ましくは400〜430℃で行うこと
ができる。また反応圧力は、通常、30〜120Kg/
cm2 ・G、好ましくは70〜120Kg/cm2
G、さらに好ましくは90〜100Kg/cm2 ・Gで
行うことができる。次いで得られた水素化分解油を常圧
蒸留し、通常、沸点範囲が140〜260℃、好ましく
は150〜250℃の留分を得る。
【0027】次いで、得られた留分をベンゼン核水素化
触媒の存在下で核水素化を行い、実質的に芳香族分を含
まないベンゼン核水素化油を得る。ベンゼン核水素化触
媒としてはニッケル、白金、パラジウムまたはこれらの
酸化物が挙げられる。触媒は通常、担体に担持して使用
するが、担体としてはけい藻土、シリカ、アルミナまた
は酸性白土が用いられる。反応温度は、通常、200〜
350℃、好ましくは250〜300℃で行うことがで
きる。また反応圧力は、通常、30〜100Kg/cm
2 ・G、好ましくは50〜100Kg/cm2 ・Gで行
うことができる。
【0028】こうして得られたベンゼン核水素化油は必
要に応じて常圧蒸留、好適には精密常圧蒸留し、所望の
沸点範囲の留分を得ることができる。ここでいう所望の
沸点範囲としては、具体的には例えば150〜250℃
の範囲内の任意の沸点範囲を挙げることができる。こう
して得られた留分はシクロパラフィン炭化水素含量が大
きく、この留分を本発明の構成成分である石油系溶剤と
して用いることによってより高い洗浄効果を得ることが
できる。
【0029】本発明でいう成分(B)とは、上記の一般
式(1)、(2)および(3)より選ばれる少なくとも
1種の化合物である。一般式(1)中、R1 は炭素数7
〜9の直鎖状または分枝状のアルキル基である。
【0030】一般式(2)中、R2 は炭素数4〜5、好
ましくは4の直鎖状または分枝状のアルキル基、R3
炭素数2〜3の直鎖状または分枝状のアルキレン基であ
る。
【0031】R4 は、炭素数4〜5、好ましくは4の直
鎖状または分枝状のアルキル基を示す。
【0032】成分(B)として好適に用いられる化合物
のうち、一般式(1)で表される化合物としては1−ヘ
プタノ−ル,1−オクタノール,2−オクタノール,2
−エチル−1−ヘキサノール,1−ノナノール,2−ノ
ナノール,3,5,5−トリメチルヘキサノール、イソ
ヘプタノールと通称される1−ヘプタノ−ル,メチルヘ
キサノール,ジメチルペンタノールなどの混合物やイソ
ノニルアルコールと通称されるメチルオクタノ−ル,ジ
メチルヘプタノール,トリメチルヘキサノールなどの混
合物等;一般式(2)で表される化合物としては2−ブ
トキシエタノ−ル,2−ブトキシ−2−プロパノール
等;一般式(3)で表される化合物としては乳酸ブチル
等が挙げられ、これらはいずれも好ましく用いられる。
もちろん(B)成分としてはこれらの混合物も用いるこ
とができる。
【0033】成分(B)の引火点は任意であるが、安全
性を考慮すると、40〜120℃であることが好まし
い。成分(B)の沸点は任意であるが、作業上の安全性
及び洗浄溶剤の安定性を考慮すると、160〜240℃
であることが好ましい。
【0034】成分(B)の配合量は成分(A)100重
量部に対し、下限が2重量部、好ましくは5重量部;上
限が25重量部、好ましくは15重量部である。2重量
部未満では洗浄効果を発揮することができないので好ま
しくない。25重量部を越えるとアルコール独特の臭気
が強くなり、粘度も上昇し、また配合量に比例して洗浄
性の向上も見られないことから好ましくない。
【0035】本発明の洗浄溶剤組成物のアニリン点は任
意であるが、、洗浄性を考慮すると、80℃以下、好ま
しくは60℃以下であることが望ましい。下限には特に
限定はないが、通常30℃を下回ることはない。アニリ
ン点はJIS K2256の方法により測定する。
【0036】本発明の洗浄溶剤組成物の表面張力(@2
0℃)は任意であるが、洗浄溶剤の浸透性を考慮する
と、下限が20dyn/cm;上限が30dyn/cm
であることが望ましい。表面張力(@20℃)はJIS
K2241の方法により測定する。
【0037】本発明の洗浄溶剤組成物の全酸価は任意で
あるが、被洗浄物の耐腐触性を考慮すると、全酸価が1
mgKOH/g以下、好ましくは0.5mgKOH/g
以下であることが望ましい。全酸価はJIS K227
6の方法により測定する。
【0038】本発明の洗浄溶剤組成物の硫黄分は任意で
あるが、被洗浄物の耐腐触性を考慮すると、硫黄分が、
5ppm以下、好ましくは2ppm以下であることが望
ましい。硫黄分はJIS K2541の方法により測定
する。
【0039】本発明の洗浄溶剤組成物の塩素分は任意で
あるが、被洗浄物の耐腐触性を考慮すると、塩素分が、
5ppm以下、好ましくは3ppm以下であることが望
ましい。塩素分はJIS K2601の方法により測定
する。
【0040】本発明の洗浄溶剤組成物の臭素価は任意で
あるが、被洗浄物の耐腐触性を考慮すると、臭素価が3
mg/100g、好ましくは1mg/100g以下、さ
らに好ましくは0.5mg/100g以下であることが
望ましい。臭素価はJISK2605の方法により測定
する。
【0041】本発明の洗浄溶剤組成物の色相は任意であ
るが、組成物の純度を考慮すると、JIS K2580
の色相(セーボルト)が+30以上であることが望まし
い。
【0042】本発明の洗浄溶剤組成物の密度は任意であ
るが、密度(15℃)が下限が0.75g/cm3 ;上
限が0.85g/cm3 であることが望ましい。
【0043】本発明の洗浄溶剤組成物の流動点は任意で
あるが、寒冷地での使用における作業性を考慮すると、
流動点が−20℃以下、好ましくは−40℃以下である
ことが望ましい。流動点はJIS K2269の方法に
より測定する。
【0044】本発明の洗浄溶剤組成物の各種性能をさら
に高める目的で公知の洗浄溶剤用添加剤を単独で、また
は数種類組み合わせた形で使用することができる。
【0045】これらの添加剤としては例えば、アルケニ
ルコハク酸エステルなどの錆止め剤;こはく酸イミド、
こはく酸エステル、ベンジルアミンなどの無灰分散剤;
シリコーンなどの消泡剤;ベンゾトリアゾール、チアジ
アゾールなどの金属不活性化剤などが挙げられ、これら
を単独または2種以上組み合わせて添加することができ
る。
【0046】消泡剤の含有量は通常0.0005〜1重
量%、金属不活性化剤の含有量は通常0.005〜1重
量%、その他の添加剤の含有量は、それぞれ通常0.1
〜15重量%(いずれも組成物全量基準)である。
【0047】本発明の洗浄溶剤組成物は特にハンダフラ
ックスが残存した電子・電気部品の洗浄に優れた性能を
発揮するが、油脂、加工油、切削油、防錆剤、グリース
が付着した機械部品などの洗浄についても好ましい効果
を得ることができる。本発明の洗浄溶剤組成物は、浸漬
洗浄法、揺動洗浄法、超音波洗浄法、減圧蒸気洗浄法、
手拭き法等の各種洗浄方法において使用することがで
き、優れた洗浄性を得ることができる。
【0048】本発明の洗浄溶剤組成物を用いて、例え
ば、本発明の洗浄溶剤組成物の入った第1槽、および第
2槽で洗浄し、次にリンス槽で洗浄し、最後に温風等に
より乾燥する方法を連続的に行うことによって工業的に
洗浄を行うことが可能である。
【0049】
【実施例】以下、本発明の内容を実施例および比較例に
よりさらに具体的に詳細に説明するが、本発明はこれら
の実施例に何等限定されるものではない。
【0050】(石油系溶剤Aおよび石油系溶剤Bの製
造)中東系原油の減圧蒸留留出物を、活性アルミナ−ボ
リア(Al23 に対しB23 15重量%)を担体と
するニッケル3.0重量%(酸化物として)およびモリ
ブテン10.0重量%(酸化物として)を含有する触媒
の存在下で温度434℃、水素対原料比2,100s・
c・f/bbl−原料油、圧力95Kg/cm2 ・G、
液空間速度1.62V/V/Hで反応させ、得られた水
素化分解油から常圧蒸留を行って沸点範囲150〜25
0℃の留分を得た。次いで、得られた留分をアルミナを
担体とする白金0.6重量%を含有するベンゼン核水素
化触媒の存在下で温度280℃、水素対原料油比1,4
00s・c・f/bbl−原料油、圧力95Kg/cm
2 ・G、液空間速度5.0V/V/Hの条件で反応させ
た。さらに所定の沸点範囲(石油系溶剤Aの場合は15
5〜198℃、石油系溶剤Bの場合は195〜222
℃)に入るように精密常圧蒸留を行い、石油系溶剤Aお
よび石油系溶剤Bを得た。
【0051】(石油系溶剤Cの製造)中東系原油の減圧
蒸留留出物から常圧蒸留を行って沸点範囲150〜25
0℃の灯油留分を得た。次いで、得られた灯油留分をア
ルミナを担体とする白金0.6重量%を含有するベンゼ
ン核水素化触媒の存在下で温度280℃、水素対原料油
比1,400s・c・f/bbl−原料油、圧力95K
g/cm2 ・G、液空間速度5.0V/V/Hの条件で
反応させた。さらに沸点範囲154〜196℃に入るよ
うに精密常圧蒸留を行い、石油系溶剤Cを得た。
【0052】(実施例1〜10)表1に示す各種石油系
溶剤および表2に示す各種アルコールなどを表2に示す
所定の割合で混合撹拌し、均一な洗浄溶剤組成物を調整
し、以下のハンダフラックス洗浄性試験を行った。その
評価結果を表2に示す。芳香族炭化水素含量および非芳
香族オレフィン炭化水素含量はJIS K2536の方
法により測定した。また、飽和炭化水素分中のシクロパ
ラフィン炭化水素含量は前述したFIイオン化(ガラス
リザーバ使用)による質量分析法により、得られた分子
イオン強度を基にして求めた。
【0053】
【表1】
【0054】(ハンダフラックス洗浄性試験)3×3c
mのプリント基盤の銅上にハンダ(白光金属工業製He
x−Sol−46:錫60%)を1.5g載せ、ホット
プレート上で190℃で120秒加熱溶融させフラック
スを流出させたものを被洗浄物として使用した。被洗浄
物を金網かごに入れ、室温で各洗浄溶剤組成物中で3分
間揺動洗浄し、その後、1分間リンス洗浄した。その
後、溶剤を乾燥させ、試料重量を測定した。洗浄後の試
料に残存しているフラックスを四塩化炭素で45℃、1
0分間の超音波洗浄で完全に除去し、重量の差を残存フ
ラックス量とした。
【0055】(比較例1)石油系溶剤Aのみを用い、成
分(B)を添加しないで実施例1と同様にしてハンダフ
ラックス洗浄性試験を行った。その評価結果を表2に合
わせて示す。実施例1〜6の本発明と比較して洗浄性に
劣るものであった。
【0056】(比較例2)石油系溶剤Aにエチルカルビ
トール(ジエチレングリコールエチルエーテル)を表2
に示す割合で混合撹拌し、均一な洗浄溶剤組成物を調整
し、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性試験
を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。比較例
2は本発明の成分(A)に、通常洗浄剤として用いられ
ているエチルカルビトールを添加したものであるが、本
発明である実施例1〜6より洗浄性が劣った。
【0057】(比較例3)石油系溶剤Aにテレピン油を
表2に示す割合で混合撹拌し、均一な洗浄溶剤組成物を
調整し、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性
試験を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。比
較例3は本発明の成分(A)に、通常洗浄剤として用い
られているびテレピン油を添加したものであるが、本発
明である実施例1〜6より洗浄性が劣った。
【0058】(比較例4)石油系溶剤Bのみを用い、成
分(B)を添加しないで実施例1と同様にしてハンダフ
ラックス洗浄性試験を行った。その評価結果を表2に合
わせて示す。実施例7〜10の本発明と比較して洗浄性
に劣るものであった。
【0059】(比較例5)石油系溶剤Dのみを用い、成
分(B)を添加しないで実施例1と同様にしてハンダフ
ラックス洗浄性試験を行った。その評価結果を表2に合
わせて示す。本発明と比較して洗浄性に劣るものであっ
た。
【0060】(比較例6)石油系溶剤Dに1−ヘプタノ
ールを表2に示す割合で混合撹拌し、均一な洗浄溶剤組
成物を調整し、実施例1と同様にしてハンダフラックス
洗浄性試験を行った。その評価結果を表2に合わせて示
す。比較例6は実施例1と同じ1−ヘプタノールを同量
添加しているが、洗浄性に劣るものである。
【0061】(比較例7)石油系溶剤Dに乳酸ブチルを
表2に示す割合で混合撹拌し、均一な洗浄溶剤組成物を
調整し、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性
試験を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。比
較例7は実施例6及び10と同じ乳酸ブチルを同量添加
しているが、洗浄性に劣るものである。
【0062】(比較例8)灯油のみを用い、成分(B)
を添加しないで実施例1と同様にしてハンダフラックス
洗浄性試験を行った。その評価結果を表2に合わせて示
す。本発明と比較して洗浄性に劣るものであった。
【0063】(比較例9)灯油に1−ヘプタノールを表
2に示す割合で混合撹拌し、均一な洗浄溶剤組成物を調
整し、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性試
験を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。本発
明と比較して洗浄性に劣るものであった。
【0064】(比較例10)エチルカルビトールのみを
用い、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性試
験を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。本発
明と比較して洗浄性に劣るものであった。
【0065】(比較例11)テレピン油のみを用い、実
施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性試験を行っ
た。その評価結果を表2に合わせて示す。本発明と比較
して洗浄性に劣るものであった。
【0066】(比較例12)石油系溶剤Cに1−ヘプタ
ノールを表2に示す割合で混合攪拌し、均一な洗浄溶剤
組成物を調製し、実施例1と同様にしてハンダフラック
ス洗浄性試験を行った。その評価結果を表2に併せて示
す。比較例12は実施例1と同じ1−ヘプタノールを同
量添加しているが、洗浄性に劣るものであった。
【0067】(参考例1)参考のためトリクロロエタン
を用い、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性
試験を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。実
施例6及び10の本発明の洗浄溶剤組成物は参考例1の
トリクロロエタンと同等の洗浄力を呈すことが判る。
【0068】(参考例2)参考のためフロンR113を
用い、実施例1と同様にしてハンダフラックス洗浄性試
験を行った。その評価結果を表2に合わせて示す。実施
例6及び10の本発明の洗浄溶剤組成物は参考例2のフ
ロンR113と同等の洗浄力を呈すことが判る。
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明の請求項1の洗浄溶剤組成物は、
芳香族炭化水素の含有量が極めて少ないにも関わらず、
ハンダフラックス、油脂、加工油、切削油、防錆剤、グ
リースなどに対して優れた洗浄性を有し、引火性が低
く、性状安定性が高く、被洗浄物に対して優れた防錆性
を有するものである。
【0071】本発明の請求項2の洗浄溶剤組成物は、引
火性が低く、性状安定性が高く、被洗浄物に対して優れ
た防錆性を有する上、シクロパラフィン炭化水素含量の
より大きい留分を本発明の構成成分である石油系溶剤と
して用いるためより高い洗浄効果を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)沸点範囲150〜250℃、芳香
    族炭化水素含量が1容量%以下、非芳香族オレフィン炭
    化水素含量が1容量%以下、かつ飽和炭化水素中のシク
    ロパラフィン炭化水素含量が40%以上である石油系溶
    剤100重量部に対して、(B)以下の一般式(1)、
    一般式(2)および一般式(3)より選ばれる少なくと
    も1種の化合物を2〜25重量部含有することを特徴と
    する洗浄溶剤組成物。 【化1】R1 −OH …(1) R2 O−R3 −OH …(2) R4 OCOCH(OH)CH3 …(3) (式中、R1 は炭素数7〜9のアルキル基、R2 は炭素
    数4〜5のアルキル基、R3 は炭素数2〜3のアルキレ
    ン基、R4 は炭素数4〜5のアルキル基を示す)
  2. 【請求項2】 石油系溶剤が、(1)石油炭化水素油
    を、温度350〜470℃かつ圧力30〜120Kg/
    cm2 ・Gで水素化分解する、(2)得られた水素化分
    解油を常圧蒸留し、沸点範囲140〜260℃の留分を
    得る、(3)得られた留分を温度200〜350℃かつ
    圧力30〜100Kg/cm2・Gでベンゼン核水素化
    する、各工程を経て得られるものである請求項1記載の
    洗浄溶剤組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006070259A (ja) * 2004-08-04 2006-03-16 Tokuyama Corp 洗浄剤組成物
JP2006257154A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Nippon Oil Corp 低芳香族溶剤の製造方法
JP2008081626A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Denso Corp 洗浄剤組成物
JP2014019810A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Asahi Kasei Chemicals Corp 洗浄剤及び洗浄方法

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