JPH0859585A - α−アセトアミド桂皮酸の製造法 - Google Patents
α−アセトアミド桂皮酸の製造法Info
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- JPH0859585A JPH0859585A JP19815594A JP19815594A JPH0859585A JP H0859585 A JPH0859585 A JP H0859585A JP 19815594 A JP19815594 A JP 19815594A JP 19815594 A JP19815594 A JP 19815594A JP H0859585 A JPH0859585 A JP H0859585A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 β−フェニルセリンを無水酢酸中、塩基性物
質の存在下に処理して2−メチル−4−ベンザル−5−
オキサゾロンを生成させた後、該化合物を反応系より単
離することなく、引き続き塩酸で処理することによりα
−アセトアミド桂皮酸を製造する方法において、2−メ
チル−4−ベンザル−5−オキサゾロン生成反応混合物
中の塩酸水溶液の濃度を20〜60%に保ち加水分解処
理し、その後必要に応じて水を加えて固液分離するα−
アセトアミド桂皮酸の製造法。 【効果】 精製操作を必要としない程の無色の製品とし
てα−アセトアミド桂皮酸を得ることが出来る。
質の存在下に処理して2−メチル−4−ベンザル−5−
オキサゾロンを生成させた後、該化合物を反応系より単
離することなく、引き続き塩酸で処理することによりα
−アセトアミド桂皮酸を製造する方法において、2−メ
チル−4−ベンザル−5−オキサゾロン生成反応混合物
中の塩酸水溶液の濃度を20〜60%に保ち加水分解処
理し、その後必要に応じて水を加えて固液分離するα−
アセトアミド桂皮酸の製造法。 【効果】 精製操作を必要としない程の無色の製品とし
てα−アセトアミド桂皮酸を得ることが出来る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−アミノ酸、例えばフ
ェニルアラニンなどの原料として、あるいは各種有機合
成反応の中間体として有用なα−アセトアミド桂皮酸の
製造法に関する。さらに詳しくは、β−フェニルセリン
を原料として2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを経由するα−アセトアミド桂皮酸の製造法での改
良された方法を提供するものである。
ェニルアラニンなどの原料として、あるいは各種有機合
成反応の中間体として有用なα−アセトアミド桂皮酸の
製造法に関する。さらに詳しくは、β−フェニルセリン
を原料として2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを経由するα−アセトアミド桂皮酸の製造法での改
良された方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】α−アセトアミド桂皮酸の製造法として
は、従来フェニルピルビン酸を原料としてアセトアミド
と反応させて製造する方法(オーガニック,シンセイシ
ス3巻、205ペ−ジ)が知られているが、この方法は
収率的には50%以下と低いのみならず、原料のフェニ
ルピルビン酸の製造が厄介であり、工業的な製造法とす
るには問題のある方法である。
は、従来フェニルピルビン酸を原料としてアセトアミド
と反応させて製造する方法(オーガニック,シンセイシ
ス3巻、205ペ−ジ)が知られているが、この方法は
収率的には50%以下と低いのみならず、原料のフェニ
ルピルビン酸の製造が厄介であり、工業的な製造法とす
るには問題のある方法である。
【0003】また、もう一つの方法としては、グリシン
とベンズアルデヒドから製造できるβ−フェニルセリン
を原料とし、2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを経由する方法が知られている。この方法はβ−フ
ェニセリンを無水酢酸中、塩基性物質の存在下に処理す
ることにより2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを生成し、このものを反応系より一旦単離したの
ち、水中にて酸で加水分解する方法である(特公平01
042935号公報)。しかしながら、この方法では2
−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロンを単離する
ために、工業的にはプロセスが煩雑化になるだけでな
く、収率の低下も来し、必ずも満足できる方法とは言い
難い。
とベンズアルデヒドから製造できるβ−フェニルセリン
を原料とし、2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを経由する方法が知られている。この方法はβ−フ
ェニセリンを無水酢酸中、塩基性物質の存在下に処理す
ることにより2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを生成し、このものを反応系より一旦単離したの
ち、水中にて酸で加水分解する方法である(特公平01
042935号公報)。しかしながら、この方法では2
−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロンを単離する
ために、工業的にはプロセスが煩雑化になるだけでな
く、収率の低下も来し、必ずも満足できる方法とは言い
難い。
【0004】これに対して、特公昭63−066824
号公報には、β−フェニセリンを無水酢酸中、塩基性物
質の存在下で反応させて生成する2−メチル−4−ベン
ザル−5−オキサゾロンを反応系より単離することな
く、当該反応混合物に塩酸などの酸を加えて直接加水分
解する方法が開示されている。当該方法はプロセスが一
段と簡素化される為、工業的なα−アセトアミド桂皮酸
の製造法として適した方法の一つと言える。しかしなが
ら、当該方法はその発明の詳細の項にも記載されている
ように、酸で加水分解する際の具体的実施態様は2−メ
チル−4−ベンザル−5−オキサゾロン生成の反応混合
物中に水および0.1〜5モルの塩酸等の酸を加えて処
理されるものである。さらに詳しくはその実施例からも
明らかなように2−メチル−4−ベンザル−5−オキサ
ゾロン生成反応混合物中にβ−フェニルセリン0.1モ
ルスケ−ルの場合で先ず水40gを加えた後、35%塩
酸15.6gを加えて加水分解する方法である。他の実
施例についてもほぼ同様である。しかるに、本発明者ら
の当該先行技術追試の結果、当該先行技術には以下のよ
うな問題点があることがわかった。
号公報には、β−フェニセリンを無水酢酸中、塩基性物
質の存在下で反応させて生成する2−メチル−4−ベン
ザル−5−オキサゾロンを反応系より単離することな
く、当該反応混合物に塩酸などの酸を加えて直接加水分
解する方法が開示されている。当該方法はプロセスが一
段と簡素化される為、工業的なα−アセトアミド桂皮酸
の製造法として適した方法の一つと言える。しかしなが
ら、当該方法はその発明の詳細の項にも記載されている
ように、酸で加水分解する際の具体的実施態様は2−メ
チル−4−ベンザル−5−オキサゾロン生成の反応混合
物中に水および0.1〜5モルの塩酸等の酸を加えて処
理されるものである。さらに詳しくはその実施例からも
明らかなように2−メチル−4−ベンザル−5−オキサ
ゾロン生成反応混合物中にβ−フェニルセリン0.1モ
ルスケ−ルの場合で先ず水40gを加えた後、35%塩
酸15.6gを加えて加水分解する方法である。他の実
施例についてもほぼ同様である。しかるに、本発明者ら
の当該先行技術追試の結果、当該先行技術には以下のよ
うな問題点があることがわかった。
【0005】即ち、該方法によって得られる目的のα−
アセトアミド桂皮酸は不純物の着色が抜けずに、通常著
しく着色した製品として得られることがわかった。因み
に当該先行技術の実施例1に従って得られたα−アセト
アミド桂皮酸の着色度はメタノ−ル中6%濃度での40
0nmにおける吸光度で1.86であった。それ故、当
該方法にて得られるα−アセトアミド桂皮酸の製品価値
を高めるには、さらに再結晶等の精製操作が必要となる
ことがわかった。
アセトアミド桂皮酸は不純物の着色が抜けずに、通常著
しく着色した製品として得られることがわかった。因み
に当該先行技術の実施例1に従って得られたα−アセト
アミド桂皮酸の着色度はメタノ−ル中6%濃度での40
0nmにおける吸光度で1.86であった。それ故、当
該方法にて得られるα−アセトアミド桂皮酸の製品価値
を高めるには、さらに再結晶等の精製操作が必要となる
ことがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はβ−フ
ェニルセリンから2−メチル−4−ベンザル−5−オキ
サゾロンを経由し、当該化合物を反応系より単離するこ
となく、塩酸で処理してα−アセトアミド桂皮酸を製造
する方法において、前記したような先行技術の包含する
製品の着色の問題点を解決し、敢えて再結晶などの精製
操作を経ることなく、品質良好なα−アセトアミド桂皮
酸を製造することを課題とするものである。
ェニルセリンから2−メチル−4−ベンザル−5−オキ
サゾロンを経由し、当該化合物を反応系より単離するこ
となく、塩酸で処理してα−アセトアミド桂皮酸を製造
する方法において、前記したような先行技術の包含する
製品の着色の問題点を解決し、敢えて再結晶などの精製
操作を経ることなく、品質良好なα−アセトアミド桂皮
酸を製造することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
達成の為に、2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロン生成反応混合物を酸で処理してα−アセトアミド桂
皮酸を製造する方法において、酸の種類・濃度・反応温
度などについて種々検討の結果、或る濃度以上の塩酸を
加えて2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロンの
加水分解を行うと、驚くべきことに着色性の不純物は容
易に分解され、その結果、得られる目的のα−アセトア
ミド桂皮酸はほとんど無色の高品質のものとして取得で
き、敢えて精製操作を施す必要のないことを見い出すに
至った。例えば、0.1モルのβ−フェニルセリンを
0.4モルの無水酢酸及び0.1モルの酢酸ナトリウム
と反応させて2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを生成させた反応混合物中に0.15モルの35%
塩酸を加えて加水分解して得られるα−アセトアミド桂
皮酸は外観的にもほとんど無色であり、メタノ−ル中6
%濃度で測定した紫外分光光度計での吸光度は0.04
と前記先行技術のそれと比較して色相の改善が著しいこ
とがわかった。本発明はこれらの知見に基づいてなされ
たものである。
達成の為に、2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロン生成反応混合物を酸で処理してα−アセトアミド桂
皮酸を製造する方法において、酸の種類・濃度・反応温
度などについて種々検討の結果、或る濃度以上の塩酸を
加えて2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロンの
加水分解を行うと、驚くべきことに着色性の不純物は容
易に分解され、その結果、得られる目的のα−アセトア
ミド桂皮酸はほとんど無色の高品質のものとして取得で
き、敢えて精製操作を施す必要のないことを見い出すに
至った。例えば、0.1モルのβ−フェニルセリンを
0.4モルの無水酢酸及び0.1モルの酢酸ナトリウム
と反応させて2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾ
ロンを生成させた反応混合物中に0.15モルの35%
塩酸を加えて加水分解して得られるα−アセトアミド桂
皮酸は外観的にもほとんど無色であり、メタノ−ル中6
%濃度で測定した紫外分光光度計での吸光度は0.04
と前記先行技術のそれと比較して色相の改善が著しいこ
とがわかった。本発明はこれらの知見に基づいてなされ
たものである。
【0008】即ち、本発明はβ−フェニルセリンを無水
酢酸中、塩基性物質の存在下に処理して2−メチル−4
−ベンザル−5−オキサゾロンを生成させた後、該化合
物を反応系より単離することなく、引き続き塩酸で処理
することによりα−アセトアミド桂皮酸を製造する方法
において、2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロ
ン生成反応混合物中の塩酸水溶液の濃度を20〜60%
に保ち加水分解処理し、その後必要に応じて水を加えて
固液分離することを特徴とするα−アセトアミド桂皮酸
の製造法である。本発明の方法は前記先行技術には何ら
記載あるいは示唆されておらず、従って本発明者らによ
ってはじめて見いだされた技術であり、工業的にも利用
価値の高いα−アセトアミド桂皮酸の製造法である。本
発明においては、原料としてβ−フェニルセリンを使用
する。このβ−フェニルセリンは例えば特開昭58−1
39455号公報の方法、即ちグリシンとベンズアルデ
ヒドを水および水と非混和性の有機溶媒との混合溶媒
中、水酸化ナトリウム存在下に反応させ、引き続き酸で
処理する方法にて効率よく製造することができる。
酢酸中、塩基性物質の存在下に処理して2−メチル−4
−ベンザル−5−オキサゾロンを生成させた後、該化合
物を反応系より単離することなく、引き続き塩酸で処理
することによりα−アセトアミド桂皮酸を製造する方法
において、2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロ
ン生成反応混合物中の塩酸水溶液の濃度を20〜60%
に保ち加水分解処理し、その後必要に応じて水を加えて
固液分離することを特徴とするα−アセトアミド桂皮酸
の製造法である。本発明の方法は前記先行技術には何ら
記載あるいは示唆されておらず、従って本発明者らによ
ってはじめて見いだされた技術であり、工業的にも利用
価値の高いα−アセトアミド桂皮酸の製造法である。本
発明においては、原料としてβ−フェニルセリンを使用
する。このβ−フェニルセリンは例えば特開昭58−1
39455号公報の方法、即ちグリシンとベンズアルデ
ヒドを水および水と非混和性の有機溶媒との混合溶媒
中、水酸化ナトリウム存在下に反応させ、引き続き酸で
処理する方法にて効率よく製造することができる。
【0009】本発明においては、無水酢酸は使用量がと
くに限定されるものではないが、通常は、β−フェニル
セリン1モルに対して2〜10モル、好ましくは2〜6
モルの範囲である。2モル未満では、反応混合物が粘稠
になり、反応が充分に進行せず収率が低下する。一方6
モルを越えても反応上は特に問題はないが、容積効率の
低下ならびに経済上の見地から好ましくない。
くに限定されるものではないが、通常は、β−フェニル
セリン1モルに対して2〜10モル、好ましくは2〜6
モルの範囲である。2モル未満では、反応混合物が粘稠
になり、反応が充分に進行せず収率が低下する。一方6
モルを越えても反応上は特に問題はないが、容積効率の
低下ならびに経済上の見地から好ましくない。
【0010】塩基性物質は、アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の酢酸塩、炭酸塩もしくは重炭酸塩、または
それらのアンモニュウム塩、あるいはアルカリ土類金属
の酸化物などの無機塩基、あるいは炭素数1〜4個のア
ルキル基を有するトリアルキルアミン、置換または無機
置換のピリジンもしくはキノリン等の有機塩基である。
リ土類金属の酢酸塩、炭酸塩もしくは重炭酸塩、または
それらのアンモニュウム塩、あるいはアルカリ土類金属
の酸化物などの無機塩基、あるいは炭素数1〜4個のア
ルキル基を有するトリアルキルアミン、置換または無機
置換のピリジンもしくはキノリン等の有機塩基である。
【0011】具体的には無機塩基としては酢酸リチウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、重炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭
酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウム、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酢酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、ギ酸アンモ
ニウムなど、また有機酸塩としてはトリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン、キノリンなどを挙げることができる。
これらの塩基性物質の使用量は特に限定されるものでは
なく、通常は、β−フェニルセリンに対して0.1〜1
0モル、好ましくは0.1〜4モルの範囲である。0.
1未満では反応が十分進行せず、2−メチル−4−ベン
ザル−5−オキサゾロンの収率が低下するために、好ま
しくない。また、4モルを越えても、反応時に反応混合
物の攪拌が困難になるだけであるが、経済的に不利であ
る。
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸リチウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、重炭酸リチウム、重炭酸ナトリウム、重炭
酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウム、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酢酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、ギ酸アンモ
ニウムなど、また有機酸塩としてはトリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコ
リン、ルチジン、キノリンなどを挙げることができる。
これらの塩基性物質の使用量は特に限定されるものでは
なく、通常は、β−フェニルセリンに対して0.1〜1
0モル、好ましくは0.1〜4モルの範囲である。0.
1未満では反応が十分進行せず、2−メチル−4−ベン
ザル−5−オキサゾロンの収率が低下するために、好ま
しくない。また、4モルを越えても、反応時に反応混合
物の攪拌が困難になるだけであるが、経済的に不利であ
る。
【0012】β−フェニルセリンを脱水閉環して2−メ
チル−4−ベンザル−5−オキサゾロンを得る反応での
反応温度および反応時間は0〜80℃で2〜10時間で
ある。好ましくは20〜60℃であり、反応温度が80
℃より高いと、不純物の副生が増加し品質が低下するの
みならず、収率の低下をきたす。反応温度が0℃より低
いと、反応混合物が粘稠になり、長時間反応させても反
応が十分進行せず2−メチル−4−ベンザル−5−オキ
サゾロンの生成収率が低下して好ましくない。このβ−
フェニルセリンの脱水閉環による2−メチル−4−ベン
ザル−5−オキサゾロンを得る反応は原料の添加順序等
に特に制限はない。β−フェニルセリンを無水酢酸に懸
濁させ塩基性物質を添加してもよく、無水酢酸に塩基性
物質を添加した後、β−フェニルセリンを加えて反応さ
せてもよい。
チル−4−ベンザル−5−オキサゾロンを得る反応での
反応温度および反応時間は0〜80℃で2〜10時間で
ある。好ましくは20〜60℃であり、反応温度が80
℃より高いと、不純物の副生が増加し品質が低下するの
みならず、収率の低下をきたす。反応温度が0℃より低
いと、反応混合物が粘稠になり、長時間反応させても反
応が十分進行せず2−メチル−4−ベンザル−5−オキ
サゾロンの生成収率が低下して好ましくない。このβ−
フェニルセリンの脱水閉環による2−メチル−4−ベン
ザル−5−オキサゾロンを得る反応は原料の添加順序等
に特に制限はない。β−フェニルセリンを無水酢酸に懸
濁させ塩基性物質を添加してもよく、無水酢酸に塩基性
物質を添加した後、β−フェニルセリンを加えて反応さ
せてもよい。
【0013】上記のようにして、β−フェニルセリンか
ら先ず2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロンを
得る。生成した2−メチル−4−ベンザル−5−オキサ
ゾロンを含む反応混合溶液に塩酸を加える。加える塩酸
は反応混合物中の塩酸水溶液の濃度が20〜60%、好
ましくは25〜50%の範囲を保持することで本発明の
課題を達成することが可能である。20%未満では着色
性不純物の分解が十分進行しずらく好ましくない。また
60%を越えても反応上は問題ないが反応混合物の攪拌
が困難になる。塩酸の量は限定されるものではないが、
通常β−フェニルセリン1モルに対して0.1〜5モ
ル、好ましくは0.3〜3モルの範囲である。0.1モ
ル未満では加水分解反応が十分進行しない。一方、5モ
ルを越えても反応上は問題ないものの容積効率が低下し
て経済上不利になる。
ら先ず2−メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロンを
得る。生成した2−メチル−4−ベンザル−5−オキサ
ゾロンを含む反応混合溶液に塩酸を加える。加える塩酸
は反応混合物中の塩酸水溶液の濃度が20〜60%、好
ましくは25〜50%の範囲を保持することで本発明の
課題を達成することが可能である。20%未満では着色
性不純物の分解が十分進行しずらく好ましくない。また
60%を越えても反応上は問題ないが反応混合物の攪拌
が困難になる。塩酸の量は限定されるものではないが、
通常β−フェニルセリン1モルに対して0.1〜5モ
ル、好ましくは0.3〜3モルの範囲である。0.1モ
ル未満では加水分解反応が十分進行しない。一方、5モ
ルを越えても反応上は問題ないものの容積効率が低下し
て経済上不利になる。
【0014】この加水分解反応の温度ならびに時間は0
〜70℃で0.5〜20時間である。好ましくは、20
〜50℃で1〜10時間であり、反応温度が70℃より
高いと、反応によって生成したα−アセトアミド桂皮酸
がさらに加水分解されて、フェニルピルビン酸の副生を
誘起して好ましくない。また、反応温度が0℃より低い
と反応混合物が粘稠になり、反応が十分進行しずらく、
好ましくない。
〜70℃で0.5〜20時間である。好ましくは、20
〜50℃で1〜10時間であり、反応温度が70℃より
高いと、反応によって生成したα−アセトアミド桂皮酸
がさらに加水分解されて、フェニルピルビン酸の副生を
誘起して好ましくない。また、反応温度が0℃より低い
と反応混合物が粘稠になり、反応が十分進行しずらく、
好ましくない。
【0015】塩酸水溶液を加えて加水分解処理した後、
加える水の量は特に制限はないが、加水分解処理した溶
液中の酢酸濃度が50%以下、好ましくは加水分解溶液
中の酢酸濃度が20〜40%の範囲である。20%未満
では収率上問題はないものの容積効率が低下し経済上不
利となる。50%以上ではα−アセトアミド桂皮酸は酢
酸水溶液の濃度に対しての溶解度が上がることにより収
率が低下するために好ましくない。
加える水の量は特に制限はないが、加水分解処理した溶
液中の酢酸濃度が50%以下、好ましくは加水分解溶液
中の酢酸濃度が20〜40%の範囲である。20%未満
では収率上問題はないものの容積効率が低下し経済上不
利となる。50%以上ではα−アセトアミド桂皮酸は酢
酸水溶液の濃度に対しての溶解度が上がることにより収
率が低下するために好ましくない。
【0016】加水分解によって生成したα−アセトアミ
ド桂皮酸は反応系に析出しているので、加水分解後、必
要に応じて水を加えた後濾過洗浄するだけで、品質のよ
い無色α−アセトアミド桂皮酸を高収率で得ることがで
きる。
ド桂皮酸は反応系に析出しているので、加水分解後、必
要に応じて水を加えた後濾過洗浄するだけで、品質のよ
い無色α−アセトアミド桂皮酸を高収率で得ることがで
きる。
【0017】以下、実施例によって本発明の方法を説明
する。 実施例1 無水酢酸40.8g(0.4mol)に酢酸ナトリウム
8.2g(0.1モル)を加えた後、15〜20℃攪拌
下にβ−フェニルセリン・1水和物19.9g(0.1
モル)を加え、同温度で1時間攪拌した。その後、40
〜45℃に昇温し同温度で4時間反応させた。反応後、
同温度で35.0%塩酸15.6g(0.15モル)を
加え40〜45℃で1時間反応させた。反応後に0〜5
℃まで冷却し析出している結晶を濾過、水洗、乾燥する
ことにより無色のα−アセトアミド桂皮酸を得た。その
結晶が6%のメタノ−ル溶液の吸光度を400nmで測
定したら色調が0.04であった。 収量 14.1g(収率68.7%/対β−フェニルセ
リン) 融点 190〜191℃
する。 実施例1 無水酢酸40.8g(0.4mol)に酢酸ナトリウム
8.2g(0.1モル)を加えた後、15〜20℃攪拌
下にβ−フェニルセリン・1水和物19.9g(0.1
モル)を加え、同温度で1時間攪拌した。その後、40
〜45℃に昇温し同温度で4時間反応させた。反応後、
同温度で35.0%塩酸15.6g(0.15モル)を
加え40〜45℃で1時間反応させた。反応後に0〜5
℃まで冷却し析出している結晶を濾過、水洗、乾燥する
ことにより無色のα−アセトアミド桂皮酸を得た。その
結晶が6%のメタノ−ル溶液の吸光度を400nmで測
定したら色調が0.04であった。 収量 14.1g(収率68.7%/対β−フェニルセ
リン) 融点 190〜191℃
【0018】実施例2〜9 加える塩酸水の濃度と加えた塩酸水量をかえる以外は同
じように反応を行った。結果を第1表に示す。
じように反応を行った。結果を第1表に示す。
【0019】
【表1】
【0020】比較例1 無水酢酸40.8g(0.4mol)に酢酸ナトリウム
8.2g(0.1モル)を加えた後、15〜20℃攪拌
下にβ−フェニルセリン・1水和物19.9g(0.1
モル)を加え、同温度で1時間攪拌した。その後、40
〜45℃に昇温し同温度で4時間反応させた。反応後、
同温度で水40.8gと35%塩酸水15g(0.15
モル 塩酸水溶液塩酸濃度9.4%)を加え40〜45
℃で1時間反応させた。反応後に0〜5℃まで冷却し析
出している結晶を濾過、水洗、乾燥することにより黄色
い結晶のα−アセトアミド桂皮酸を得た。その結晶が6
%のメタノ−ル溶液の吸光度を400nmで測定したら
1.86であった。 収量 18.5g(収率90.0%/対β−フェニルセ
リン) 融点 188〜189℃ 比較例1で得たα−アセトアミド桂皮酸を水300gに
懸濁させた後、20%水酸化ナトリウム水溶液19gを
加えて溶解させて、活性炭17gを加えて50〜60℃
で0.5時間処理し、濾別した濾液を塩酸で中和後に、
0〜5℃まで冷却し析出している結晶を濾過、水洗、乾
燥することにより無色のα−アセトアミド桂皮酸を得
た。その結晶が6%メタノ−ル溶液の吸光度を400n
mで測定したら0.04であった。 収量 17.4g(収率84.8%/対β−フェニルセ
リン) 融点 190〜191℃
8.2g(0.1モル)を加えた後、15〜20℃攪拌
下にβ−フェニルセリン・1水和物19.9g(0.1
モル)を加え、同温度で1時間攪拌した。その後、40
〜45℃に昇温し同温度で4時間反応させた。反応後、
同温度で水40.8gと35%塩酸水15g(0.15
モル 塩酸水溶液塩酸濃度9.4%)を加え40〜45
℃で1時間反応させた。反応後に0〜5℃まで冷却し析
出している結晶を濾過、水洗、乾燥することにより黄色
い結晶のα−アセトアミド桂皮酸を得た。その結晶が6
%のメタノ−ル溶液の吸光度を400nmで測定したら
1.86であった。 収量 18.5g(収率90.0%/対β−フェニルセ
リン) 融点 188〜189℃ 比較例1で得たα−アセトアミド桂皮酸を水300gに
懸濁させた後、20%水酸化ナトリウム水溶液19gを
加えて溶解させて、活性炭17gを加えて50〜60℃
で0.5時間処理し、濾別した濾液を塩酸で中和後に、
0〜5℃まで冷却し析出している結晶を濾過、水洗、乾
燥することにより無色のα−アセトアミド桂皮酸を得
た。その結晶が6%メタノ−ル溶液の吸光度を400n
mで測定したら0.04であった。 収量 17.4g(収率84.8%/対β−フェニルセ
リン) 融点 190〜191℃
【0021】実施例10 無水酢酸40.8g(0.4mol)に酢酸ナトリウム
8.2g(0.1モル)を加えた後、15〜20℃攪拌
下にβ−フェニルセリン・1水和物19.9g(0.1
モル)を加え、同温度で1時間攪拌した。その後、40
〜45℃に昇温し同温度で4時間反応させた。同温度で
35%塩酸15.6g(0.15モル)を加え40〜4
5℃で1時間反応させた。反応終了後に水40gを加え
て0〜5℃まで冷却し,析出している結晶を濾過、水
洗、乾燥してα−アセトアミド桂皮酸を得た。その結晶
が6%メタノ−ル溶液の吸光度を400nmで測定した
ら0.04であった。 収量 18.6g(収率91.4%/対β−フェニルセ
リン) 融点 190〜191℃
8.2g(0.1モル)を加えた後、15〜20℃攪拌
下にβ−フェニルセリン・1水和物19.9g(0.1
モル)を加え、同温度で1時間攪拌した。その後、40
〜45℃に昇温し同温度で4時間反応させた。同温度で
35%塩酸15.6g(0.15モル)を加え40〜4
5℃で1時間反応させた。反応終了後に水40gを加え
て0〜5℃まで冷却し,析出している結晶を濾過、水
洗、乾燥してα−アセトアミド桂皮酸を得た。その結晶
が6%メタノ−ル溶液の吸光度を400nmで測定した
ら0.04であった。 収量 18.6g(収率91.4%/対β−フェニルセ
リン) 融点 190〜191℃
【0022】実施例11〜14 塩酸を加えて加水分解した後で加える水の量をかえる以
外は実施例10と同じように反応を行った。結果を表2
に示す。
外は実施例10と同じように反応を行った。結果を表2
に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、精製操作を必要
としない程の無色の製品としてα−アセトアミド桂皮酸
を得ることが出来る。
としない程の無色の製品としてα−アセトアミド桂皮酸
を得ることが出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】β−フェニルセリンを無水酢酸中、塩基性
物質の存在下に処理して2−メチル−4−ベンザル−5
−オキサゾロンを生成させた後、該化合物を反応系より
単離することなく、引き続き塩酸で処理することにより
α−アセトアミド桂皮酸を製造する方法において、2−
メチル−4−ベンザル−5−オキサゾロン生成反応混合
物中の塩酸水溶液の濃度を20〜60%に保ち加水分解
処理し、その後必要に応じて水を加えて固液分離するこ
とを特徴とするα−アセトアミド桂皮酸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19815594A JPH0859585A (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | α−アセトアミド桂皮酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19815594A JPH0859585A (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | α−アセトアミド桂皮酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0859585A true JPH0859585A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=16386383
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19815594A Pending JPH0859585A (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | α−アセトアミド桂皮酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0859585A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103524371A (zh) * | 2013-07-22 | 2014-01-22 | 安徽奥瑞化工有限公司 | 一种2-氨基-4-乙酰氨基苯甲醚的制备工艺 |
-
1994
- 1994-08-23 JP JP19815594A patent/JPH0859585A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103524371A (zh) * | 2013-07-22 | 2014-01-22 | 安徽奥瑞化工有限公司 | 一种2-氨基-4-乙酰氨基苯甲醚的制备工艺 |
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