JP3299322B2 - テトラメトキシメチルベンズアルデヒドの製造方法 - Google Patents
テトラメトキシメチルベンズアルデヒドの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,3,4,5−テトラ
メトキシ−6−メチルベンズアルデヒドの新規製造法に
関するものである。
メトキシ−6−メチルベンズアルデヒドの新規製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メ
チルベンズアルデヒドは、肝疾患治療薬等の医薬品の合
成中間体として有用な物質である。
チルベンズアルデヒドは、肝疾患治療薬等の医薬品の合
成中間体として有用な物質である。
【0003】従来、この化合物の製造法としては四塩化
チタン中でジクロロメチルメチルエーテルにてホルミル
化することが知られている。しかしこの方法は、原料の
ジクロロメチルメチルエーテルが高単価で発癌性の危険
があり、また、廃液中に酸化チタンが混入してくるので
公害等環境衛生上の問題があることから、工業的には採
用し難い。また本発明者は他の方法として、トリフルオ
ロ酢酸とヘキサメチレンテトラミンにより反応させるD
uff反応を試みたが収率は約60%と低く、トリフル
オロ酢酸は高単価で使用量も多く、経済的な方法ではな
かった。さらに、ジメチルホルムアミドとオキシ塩化リ
ンによるVilsmeier反応を試みたが、反応は殆
ど進行しなかった。そしてこのVilsmeier反応
をジメチルホルムアミドに代えてN−フェニル−N−メ
チルホルムアミドを用いる場合はその収率に大差がない
ことが知られている(丸善株式会社発行、新実験化学講
座14、有機化合物の合成と反応、第688頁)ので、
N−フェニル−N−メチルホルムアミドを用いるVil
smeier反応では2,3,4,5−テトラメトキシ−
6−メチルベンズアルデヒドは殆ど得られないことが予
想された。
チタン中でジクロロメチルメチルエーテルにてホルミル
化することが知られている。しかしこの方法は、原料の
ジクロロメチルメチルエーテルが高単価で発癌性の危険
があり、また、廃液中に酸化チタンが混入してくるので
公害等環境衛生上の問題があることから、工業的には採
用し難い。また本発明者は他の方法として、トリフルオ
ロ酢酸とヘキサメチレンテトラミンにより反応させるD
uff反応を試みたが収率は約60%と低く、トリフル
オロ酢酸は高単価で使用量も多く、経済的な方法ではな
かった。さらに、ジメチルホルムアミドとオキシ塩化リ
ンによるVilsmeier反応を試みたが、反応は殆
ど進行しなかった。そしてこのVilsmeier反応
をジメチルホルムアミドに代えてN−フェニル−N−メ
チルホルムアミドを用いる場合はその収率に大差がない
ことが知られている(丸善株式会社発行、新実験化学講
座14、有機化合物の合成と反応、第688頁)ので、
N−フェニル−N−メチルホルムアミドを用いるVil
smeier反応では2,3,4,5−テトラメトキシ−
6−メチルベンズアルデヒドは殆ど得られないことが予
想された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の許で、
2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアル
デヒドを高収率かつ経済的に製造する方法の解明が求め
られている。
2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアル
デヒドを高収率かつ経済的に製造する方法の解明が求め
られている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これら課題
解決のために種々研究を重ねた結果、目的化合物を高収
率でかつ工業的生産に適した方法で得ることができるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
解決のために種々研究を重ねた結果、目的化合物を高収
率でかつ工業的生産に適した方法で得ることができるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、式(I)
【化4】 で表される2,3,4,5−テトラメトキシトルエンをオ
キシ塩化リンの存在下で、式(II)
キシ塩化リンの存在下で、式(II)
【化5】 (式中、Rは水素、メチルまたはエチルである)のホル
ムアミド誘導体と反応させたのち加水分解して式(II
I)
ムアミド誘導体と反応させたのち加水分解して式(II
I)
【化6】 で表される2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチル
ベンズアルデヒドを製造することを特徴とする。
ベンズアルデヒドを製造することを特徴とする。
【0007】本発明におけるオキシ塩化リンの使用量は
式(I)の2,3,4,5−テトラメトキシトルエンに対
して1倍モル以上、特に2〜5倍モルが好ましい。
式(I)の2,3,4,5−テトラメトキシトルエンに対
して1倍モル以上、特に2〜5倍モルが好ましい。
【0008】本発明に使用するホルムアミド誘導体に
は、N−フェニルホルムアミド、N−フェニル−N−メ
チルホルムアミド、N−フェニル−N−エチルホルムア
ミドが含まれる。ホルムアミド誘導体は、式(I)の
2,3,4,5−テトラメトキシトルエンに対して1倍モ
ル以上、特に1〜3倍モル使用することが好ましい。
は、N−フェニルホルムアミド、N−フェニル−N−メ
チルホルムアミド、N−フェニル−N−エチルホルムア
ミドが含まれる。ホルムアミド誘導体は、式(I)の
2,3,4,5−テトラメトキシトルエンに対して1倍モ
ル以上、特に1〜3倍モル使用することが好ましい。
【0009】反応温度は20〜110℃、特に70〜9
0℃が好ましい。反応時間は一般的には約1〜10時間
で終了する。反応終了後、反応混合物は加水分解工程に
付される。加水分解は過剰量の水の存在下に上記反応と
同様の反応温度、反応時間で行われる。加水分解の終了
後目的生成物は任意の精製手段を用いて取り出すことが
できる。
0℃が好ましい。反応時間は一般的には約1〜10時間
で終了する。反応終了後、反応混合物は加水分解工程に
付される。加水分解は過剰量の水の存在下に上記反応と
同様の反応温度、反応時間で行われる。加水分解の終了
後目的生成物は任意の精製手段を用いて取り出すことが
できる。
【0010】次に本発明をさらに具体的に説明するため
に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0011】実施例1 2,3,4,5−テトラメトキシトルエン55gにN−フ
ェニル−N−メチルホルムアミド61mlとオキシ塩化リ
ン93mlを加え、室温で1時間放置した後、75℃で4
時間加熱撹拌する。この混合物を氷水に注ぎ、氷冷下3
0分間撹拌する。次いでこの溶液を70℃に加温し1時
間撹拌した後、冷却して、これに酢酸エチルを加えて抽
出し、酢酸エチル層を希水酸化ナトリウム水溶液、続い
て水で洗浄する。得られた溶液を硫酸マグネシウムで乾
燥後濃縮し、残留物をシリカゲルカラムで精製すると
2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアル
デヒドが59.1g得られた(収率95%)。
ェニル−N−メチルホルムアミド61mlとオキシ塩化リ
ン93mlを加え、室温で1時間放置した後、75℃で4
時間加熱撹拌する。この混合物を氷水に注ぎ、氷冷下3
0分間撹拌する。次いでこの溶液を70℃に加温し1時
間撹拌した後、冷却して、これに酢酸エチルを加えて抽
出し、酢酸エチル層を希水酸化ナトリウム水溶液、続い
て水で洗浄する。得られた溶液を硫酸マグネシウムで乾
燥後濃縮し、残留物をシリカゲルカラムで精製すると
2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベンズアル
デヒドが59.1g得られた(収率95%)。
【0012】実施例2 2,3,4,5−テトラメトキシトルエン55gにN−フ
ェニル−N−メチルホルムアミド55mlとオキシ塩化リ
ン81mlを加え、室温で30分間放置した後、85℃で
3時間半撹拌する。この混合物を氷水に注ぎ、30分間
撹拌した後、60℃で1時間撹拌する。冷却後、この溶
液に酢酸エチルを加えて抽出し、酢酸エチル層を希水酸
化ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄する。得られた溶
液を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、残留物に飽和亜
硫酸水素ナトリウム水溶液600mlを加えて3時間撹拌
する。析出した結晶を濾過洗浄した後、この結晶物を希
水酸化ナトリウム水溶液で分解する。これに酢酸エチル
を加えて抽出し、酢酸エチル層を洗浄、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し濃縮すると2,3,4,5−テトラメトキシ−
6−メチルベンズアルデヒドが52.9g得られた(収
率85%)。
ェニル−N−メチルホルムアミド55mlとオキシ塩化リ
ン81mlを加え、室温で30分間放置した後、85℃で
3時間半撹拌する。この混合物を氷水に注ぎ、30分間
撹拌した後、60℃で1時間撹拌する。冷却後、この溶
液に酢酸エチルを加えて抽出し、酢酸エチル層を希水酸
化ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄する。得られた溶
液を硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、残留物に飽和亜
硫酸水素ナトリウム水溶液600mlを加えて3時間撹拌
する。析出した結晶を濾過洗浄した後、この結晶物を希
水酸化ナトリウム水溶液で分解する。これに酢酸エチル
を加えて抽出し、酢酸エチル層を洗浄、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し濃縮すると2,3,4,5−テトラメトキシ−
6−メチルベンズアルデヒドが52.9g得られた(収
率85%)。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、2,3,4,5−テトラ
メトキシ−6−メチルベンズアルデヒドが極めて高収率
かつ経済的に製造することができる。
メトキシ−6−メチルベンズアルデヒドが極めて高収率
かつ経済的に製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される2,3,4,5−テトラメトキシトルエンをオ
キシ塩化リンの存在下で、式(II) 【化2】 (式中、Rは水素、メチルまたはエチルである)のホル
ムアミド誘導体と反応させたのち加水分解して式(II
I) 【化3】 で表される2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチル
ベンズアルデヒドを製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32155492A JP3299322B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | テトラメトキシメチルベンズアルデヒドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32155492A JP3299322B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | テトラメトキシメチルベンズアルデヒドの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06166655A JPH06166655A (ja) | 1994-06-14 |
JP3299322B2 true JP3299322B2 (ja) | 2002-07-08 |
Family
ID=18133865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32155492A Expired - Fee Related JP3299322B2 (ja) | 1992-12-01 | 1992-12-01 | テトラメトキシメチルベンズアルデヒドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3299322B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103833531B (zh) * | 2014-03-19 | 2015-11-18 | 中国科学技术大学 | 一种制备2,3,4,5-四甲氧基甲苯的方法 |
-
1992
- 1992-12-01 JP JP32155492A patent/JP3299322B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06166655A (ja) | 1994-06-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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