JPH085915A - 固定焦点式ズームレンズ - Google Patents

固定焦点式ズームレンズ

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JPH085915A
JPH085915A JP6132882A JP13288294A JPH085915A JP H085915 A JPH085915 A JP H085915A JP 6132882 A JP6132882 A JP 6132882A JP 13288294 A JP13288294 A JP 13288294A JP H085915 A JPH085915 A JP H085915A
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distance
zoom lens
zooming
focal length
focus
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Application number
JP6132882A
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English (en)
Inventor
Junji Hashimura
淳司 橋村
Hiroshi Mukai
弘 向井
Hideki Osada
英喜 長田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B15/00Optical objectives with means for varying the magnification
    • G02B15/14Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective
    • G02B15/142Optical objectives with means for varying the magnification by axial movement of one or more lenses or groups of lenses relative to the image plane for continuously varying the equivalent focal length of the objective having two groups only

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Abstract

(57)【要約】 【目的】低コストで操作性に優れた焦点調節不要の固定
焦点式ズームレンズを提供する。更に特定の用途・使用
目的に適したピント状態の良い撮影を可能とする。 【構成】2成分から成り、第1成分を光軸に沿って移動
させることによりズーミングを行うが、そのズーミング
は、各焦点距離fについて予め決められた物体距離aで
ピントが合うように第1成分を繰り出したズーム曲線L
1で行われる。物体距離aは、用途・使用目的によっ
て、過焦点距離,被写界深度の遠側がフラッシュの最大
到達距離となる物体距離,被写界深度の近側が最近接撮
影距離となる物体距離又は撮影倍率が一定となる物体距
離とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定焦点式ズームレン
ズに関するものであり、例えばレンズ付きフィルムに用
いることができる焦点調節を必要としない固定焦点式ズ
ームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のレンズ付きフィルム,レンズシャ
ッター式カメラ等の安価なカメラには、単焦点光学系
(例えば、プラスチックレンズ1枚から成る単焦点レン
ズ)や2焦点光学系が用いられている。これらの光学系
には、固定焦点式やゾーンフォーカス式といったメリッ
トの多いピント合わせの方式が採用されている。例え
ば、固定焦点式は、物体距離を過焦点距離に固定するこ
とによって無限遠(∞)から近接までの幅広い範囲の撮影
を可能とする方式であり、通常の撮影における焦点調節
及びそのための機構が不要であるため、操作性やコスト
の面で特に優れている。
【0003】一方、レンズ付きフィルムのような安価な
カメラの光学系としてズームレンズが望まれている。し
かし、過焦点距離は焦点距離によって異なるため、ズー
ムレンズのピント合わせのために上記固定焦点式を採用
することはできない。また、一眼レフカメラに採用され
ているような通常のフォーカシング方式も、操作性,コ
ストの面等において不利であるため、採用することがで
きない。そのため、レンズ付きフィルムにおいては、特
にズームレンズ搭載の要望が顕著であるにもかかわら
ず、未だ製品化されていない。
【0004】特開昭57−6814号で、ズームレンズ
のピント合わせに過焦点距離を応用した鏡筒が提案され
ている。このズームレンズ鏡筒は、距離環の光軸回りの
回動でフォーカシングを行い、ズーミング時には距離環
が固定筒に対し光軸方向に直進移動するズームレンズ鏡
筒において、固定筒の外周面にズーミング時の焦点距離
に対応して連続した過焦点距離目盛を設けると共に、過
焦点距離目盛に合致させることにより簡易フォーカシン
グを行う指標を距離環に設けた構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭57−
6814号のズームレンズ鏡筒において物体距離を過焦
点距離とするには、使用者が指標を過焦点距離目盛に合
わせるように操作しなければならない。また、フォーカ
シング操作を行うことを前提とした構造が必要とされる
ため、コスト面でも不利である。従って、このズームレ
ンズ鏡筒をレンズ付きフィルムのような安価カメラに適
用することはできない。
【0006】ところで、現在、様々な用途・使用目的の
レンズ付きフィルムが市販されているが、例えば、フラ
ッシュ撮影,近接撮影,一定倍率撮影等の用途・使用目
的を考えた場合、ズームレンズが搭載されたレンズ付き
フィルムにおいて上記固定焦点式を採用することができ
たとしても、必ずしも最良の像を得ることができるとは
限らない。この理由を以下に説明する。
【0007】固定焦点式のピント合わせの方式によれ
ば、上記のように通常の撮影における焦点調節は不要に
はなるが、最もピントの合った最良の像が得られるのは
過焦点距離にある物体のみである。それにもかかわら
ず、大抵の場合、最も写したい物体は過焦点距離の位置
にはなく、しかも用途・使用目的によっては、写したい
物体が過焦点距離の位置から大きく離れてしまい、ただ
やみくもに撮影可能距離を稼いでいるにすぎないことに
なってしまう。さらに、撮影可能距離には自ずと限界が
あり、例えば、最も写したい物体が前側被写界深度より
も光学系側にある場合にはピント合わせは不可能であ
る。
【0008】従って、特定の用途・使用目的でのピント
合わせの方式として固定焦点式を採用した場合には、過
焦点距離を物体距離とする従来の固定焦点式のピント合
わせでは、必ずしも最良の像を得ることができないとい
う問題がある。この問題に対する改善策は未だ提案され
ていない。
【0009】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、低コストで操作性に優れた焦
点調節不要の固定焦点式ズームレンズを提供することに
ある。また、他の目的は、低コストで操作性に優れ、更
に特定の用途・使用目的に適したピント状態の良い撮影
が可能な焦点調節不要の固定焦点式ズームレンズを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明に係る固定焦点式ズームレンズは、2以
上の成分から成り、所定の成分の移動によりズーミング
を行うズームレンズであって、各焦点距離について予め
決められた物体距離でピントが合うように、前記成分の
全部又は一部を繰り出したズーム曲線でズーミングを行
うことを特徴とする。
【0011】また、第2の発明に係る固定焦点式ズーム
レンズは、2以上の成分から成り、所定の成分の移動に
よりズーミングを行うズームレンズであって、各焦点距
離について過焦点距離でピントが合うように、前記成分
の全部又は一部を繰り出したズーム曲線でズーミングを
行うことを特徴とする。
【0012】第3の発明に係る固定焦点式ズームレンズ
は、2以上の成分から成り、所定の成分の移動によりズ
ーミングを行うズームレンズであって、各焦点距離につ
いて被写界深度の遠側がフラッシュの最大到達距離とな
る物体距離でピントが合うように、前記成分の全部又は
一部を繰り出したズーム曲線でズーミングを行うことを
特徴とする。
【0013】第4の発明に係る固定焦点式ズームレンズ
は、2以上の成分から成り、所定の成分の移動によりズ
ーミングを行うズームレンズであって、各焦点距離につ
いて被写界深度の近側が最近接撮影距離となる物体距離
でピントが合うように、前記成分の全部又は一部を繰り
出したズーム曲線でズーミングを行うことを特徴とす
る。
【0014】第5の発明に係る固定焦点式ズームレンズ
は、2以上の成分から成り、所定の成分の移動によりズ
ーミングを行うズームレンズであって、各焦点距離につ
いて撮影倍率が一定となる物体距離でピントが合うよう
に、前記成分の全部又は一部を繰り出したズーム曲線で
ズーミングを行うことを特徴とする。
【0015】
【作用】このような構成によると、ズーミングを行うと
各焦点距離について予め決められた物体距離でピントが
合うように繰り出しが行われるため、焦点距離の変化に
伴うピントのズレは生じない。また、用途・使用目的に
適した撮影可能距離範囲は想定可能であるため、物体距
離を過焦点距離等に合わせた場合、写したい物体により
良くピントが合った状態となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る固定焦点式ズー
ムレンズを、図面を参照しつつ説明する。まず、本実施
例において用いられるズーム曲線を得るための被写界深
度Aを、図2に基づいて説明する。なお、図2中、1は
物体、2はズームレンズ、3は像面(フィルム面)であ
り、各符号の定義を以下に示す。 D:撮影距離 a:物体距離 b:像距離 δ:許容錯乱円径(ボケ許容量) A:被写界深度 t1:前側(近側)被写界深度 t2:後側(遠側)被写界深度 B:焦点深度 d1:像面に対してアンダー側の焦点深度 d2:像面に対してオーバー側の焦点深度 D0:有効開口径
【0017】ズームレンズ2について、焦点距離をf、
FナンバーをFとすると、次の結像の公式(1)が成り立
つ。但し、a>0とする。 (1/a)+(1/b)=1/f ……(1)
【0018】また、前側被写界深度t1の前側限界位置
を物点として式(1)を適用すると、次の式(2)が成り立
ち、後側被写界深度t2の後側限界位置を物点として式
(1)を適用すると、次の式(3)が成り立つ。 {1/(a−t1)}+{1/(b+d2)}=1/f ……(2) {1/(a+t2)}+{1/(b−d1)}=1/f ……(3)
【0019】一方、ズームレンズ2以降の光路によって
構成される幾何学的な相似関係から、次の式(4),(5)が
成り立つ。 d2/(b+d2)=δ/D0 ……(4) d1/(b−d1)=δ/D0 ……(5)
【0020】式(1)〜(5)を以下のように変形する。な
お、式(4),(5)中のD0を定義式F≡f/D0によって
f,Fで表す。 b=af/(a−f) ……(1') t1={−(b+d2)f}/{b+d2−f}+a ……(2') t2={(b−d1)f}/{b−d1−f}−a ……(3') d2=δb/(D0−δ)=δaf/[{(f/F)−δ}(a−f)] ……(4') d1=δb/(δ+D0)=δaf/[{δ+(f/F)}(a−f)] ……(5’)
【0021】式(1’),(4')及び(5')を前側・後側被
写界深度t1,t2を表す式(2'),(3')に代入すると、以
下の式(6),(7)が得られる。 t1=(aδF(a−f))/{f2+(a−f)δF} ……(6) t2={aδF(a−f)}/{f2−(a−f)δF} ……(7)
【0022】ここで、a>>fであるため、式(6),(7)
中のa−fはaに近似することができる。従って、前側
被写界深度t1及び後側被写界深度t2は、次の式(8),
(9)で表される。 t1=(δFa2)/(f2+δFa) ……(8) t2=(δFa2)/(f2−δFa) ……(9)
【0023】式(8),(9)から分かるように、前側被写界
深度t1及び後側被写界深度t2は、許容錯乱円径δ,F
ナンバー(F値),焦点距離f及び物体距離aによって定
まる。また、被写界深度A(=t1+t2)内にある物体1
は、焦点深度B(=d1+d2)内で結像して実質的にピン
トが合った状態となる。従って、物体距離aが焦点距離
fによって定まるような条件を設定することによって、
撮影可能距離範囲となる被写界深度Aを焦点距離fに応
じて前後にずらしてやれば、ズーミングによって焦点距
離fが変化しても、用途・使用目的に対応したピント合
わせを行うことが可能である。
【0024】そこで、本実施例では、2つの成分から成
り、第1成分及び第2成分の移動によりズーミングを行
うズームレンズにおいて、そのズーミングを、各焦点距
離fについて予め決められた物体距離a(又は撮影距離
D)でピントが合うように、第1成分を繰り出したズー
ム曲線で行う構成としている。なお、この構成は、2成
分ズームレンズに限らず、3以上の成分から成るズーム
レンズでも同様である。また、光学構成によっては、第
1成分に限らず、ズーミングのために移動する成分の全
部又は一部を繰り出したズーム曲線でズーミングを行う
ようにしてもよい。
【0025】図1は、本実施例における焦点距離fと物
体距離aとの関係を示している。物体距離aの曲線La
は、各焦点距離fについて予め決められた物体距離aを
表し、後述するように特定の用途・使用目的に応じて決
められる。ズーム曲線L1,L2は、それぞれ第1成分,
第2成分のワイド端(W)からテレ端(T)にかけての移動
を示しており、物体距離aでピントが合うように第1成
分を繰り出す設計となっている。
【0026】従来のズームレンズの場合、通常、ズーミ
ング時の第1成分の移動はD=∞で設計されたズーム曲
線L1’(破線)で行われ、ピント合わせは第1成分の全
部又は一部を繰り出すことにより行われる。これに対
し、本実施例は、各焦点距離fでの物体距離aが曲線L
aで決められ、焦点距離fが変化してもズーム曲線L1
各焦点距離fに合わせて目的とする物体距離aにある物
体1が像面3にくるように、第1成分を繰り出したまま
ズーミングが行われる。従って、ピント合わせのための
操作及びそのための機構等は不要である。このように本
実施例は操作性に優れ低コストで実現可能であるため、
レンズ付きフィルムのような安価なカメラに好適であ
る。
【0027】次に、上記特定の用途・使用目的として、
通常撮影,フラッシュ撮影,近接撮影,一定倍率撮影を
例に挙げて、上記物体距離aを説明する。なお、撮影距
離Dは物体距離aと焦点距離fとで決まるため(D=a
+b)、設定されるズーム曲線L1に関しては撮影距離D
は物体距離aと等価である。
【0028】[通常撮影]通常撮影は、従来の固定焦点式
と同様、撮影可能距離範囲を広くとることにより極端な
ピンボケが生じないようにする撮影であって、例えば被
写体に背景を含むような広い撮影距離範囲で行う撮影で
ある。通常撮影では、ズーミングにおいて、各焦点距離
fについて過焦点距離でピントが合うようにする(つま
り、物体距離aを過焦点距離とする。)。
【0029】その物体距離aは、以下のようにして求め
る。過焦点距離は、後側被写界深度t2が無限遠(t2
∞)となる物体距離aである。従って、前述の式(9)にt
2=∞を適用すると、次の式(A)が得られる。また、式
(1')から式(A')が得られる。 a=f2/(δF) ……(A) D=a+b =f2/{δF(f−δF)} ……(A')
【0030】式(A)においてδ及びFを固定すれば、物
体距離aが焦点距離fによって定まり、撮影可能距離範
囲となる被写界深度Aを焦点距離fに応じて前後にずら
すことができる。従って、式(A)で表される物体距離a
(又は式(A')で表される撮影距離D)にある物体1が像面
3で結像するように、第1成分を繰り出したままズーミ
ングを行えば、前側被写界深度t1=a/2,後側被写
界深度t2=∞となる被写界深度Aを撮影可能距離範囲
とすることができる。
【0031】[フラッシュ撮影]フラッシュの最大到達距
離をSとすると、フラッシュ撮影では、ズーミングにお
いて、各焦点距離fについて被写界深度Aの遠側(即
ち、後側)がフラッシュの最大到達距離Sとなる物体距
離aでピントが合うようにする。
【0032】その物体距離aは、以下のようにして求め
る。フラッシュの位置とフィルム面(像面)3の位置とが
ほぼ同じ位置とし、フラッシュのガイドナンバーをGと
すると、フラッシュの到達距離Sは次の式(10)で表され
る。一方、撮影距離Dは次の式(11)で表される。 S=G/F ……(10) D=a+b ……(11)
【0033】被写界深度Aの遠側として後側被写界深度
2の後側限界位置を採れば、フラッシュ光は確実に被
写界深度Aをカバーして物体1に到達する。従って、撮
影距離Dに更に後側被写界深度t2を加えた距離をフラ
ッシュの最大到達距離Sとすると、式(11)から次の式(1
2)が得られる。 S=D+t2 =a+b+t2 ……(12)
【0034】式(10)と(12)から得られた式(13)に、前述
の式(1')と(9)を代入すると式(B)が得られる。 G/F=a+b+t2 ……(13) =a+af/(a−f)+(δFa2)/(f2−δFa) ……(B)
【0035】式(B)においてδ,F及びGを固定すれ
ば、物体距離aが焦点距離fによって定まり、撮影可能
距離範囲となる被写界深度Aを焦点距離fに応じて前後
にずらすことができる。従って、式(B)から求まる物体
距離aにある物体1が像面3で結像するように、第1成
分を繰り出したままズーミングを行えば、近接撮影可能
領域が近づくことにより余分な撮影可能距離が排除され
るので、フラッシュの到達距離Sから近接領域までを撮
影可能範囲とすることができる。
【0036】[近接撮影]近接撮影領域は焦点距離fによ
って異なることが多い(例えば、過焦点距離にピントを
合わせたズームレンズ)。このため、撮影のたびに近接
撮影領域を焦点距離fに合わせて確認しながら撮影しな
ければならないという煩わしさがある。これを避けるた
めには近接撮影領域が一定のズームレンズが必要とされ
る。そこで、最近接撮影距離(最短撮影距離)をNとする
と、近接撮影では、ズーミングにおいて、各焦点距離f
について被写界深度Aの近側(即ち、前側)が最近接撮影
距離Nとなる物体距離aでピントが合うようにする。
【0037】その物体距離aは、以下のようにして求め
る。被写界深度Aの近側として前側被写界深度t1の前
側限界位置を採れば、最近接撮影において写したい物体
1を被写界深度A内に入れ易くなる。従って、撮影距離
Dから前側被写界深度t1を引いた距離を最近接撮影距
離Nとすると、最近接撮影距離Nは次の式(14)で表され
る。 N=D−t1 =a+b−t1 ……(14)
【0038】式(14)に前述の式(1')と(8)を代入すると
式(C)が得られる。 N=a+af/(a−f)−δFa2/(f2+δFa) ……(C)
【0039】式(C)においてδ,F及びNを固定すれ
ば、物体距離aが焦点距離fによって定まり、撮影可能
距離範囲となる被写界深度Aを焦点距離fに応じて前後
にずらすことができる。従って、式(C)で求まる物体距
離aにある物体1が像面3で結像するように、第1成分
を繰り出したままズーミングを行えば、余分な撮影可能
距離が排除されるので、必要に応じて設定された一定の
近接撮影距離Nから被写界深度Aまでを撮影可能範囲と
することができる。
【0040】[一定倍率撮影]例えば、人物を撮影する場
合、通常、全身のショットやバストアップのショットで
撮影が行われる。従って、撮影者は物体1の大きさが一
定になるようにズーミングを行うと想定することができ
る。つまり、撮影者が行うズーミングは、撮影倍率βが
一定になるように焦点距離fを変化させるものと想定さ
れる。従って、人物の全身撮影用,バストアップ撮影用
等のように用途・使用目的が特定されたズームレンズに
おいては、ズーミングのみの操作でピント状態を良好な
ものとすることが可能である。そこで、撮影倍率をβと
すると、一定倍率撮影では、ズーミングにおいて、各焦
点距離fについて撮影倍率βが一定となる物体距離aで
ピントが合うようにする。
【0041】その物体距離aは、以下のようにして求め
る。撮影倍率βは次の式(15)で表される。 β=−b/a ……(15)
【0042】式(15)と結像の公式(1)とを連立する
ことにより、a,bをfとβで表すと、次の式(D),(E)
が得られ、また、式(11)から式(D')が得られる。 a=−{(1/β)−1}f ……(D) b=(1−β)f ……(E) D=a+b =f{2−β−(1/β)} ……(D')
【0043】式(D)においてβを固定すれば、物体距離
aが焦点距離fによって定まり、撮影可能距離範囲とな
る被写界深度Aを焦点距離fに応じて前後にずらすこと
ができる。従って、式(D)で表される物体距離a(又は式
(D')で表される撮影距離D)にある物体1が像面3で結
像するように、第1成分を繰り出したままズーミングを
行えば、設定された一定の撮影倍率βで最も写りがよい
撮影が可能となる。
【0044】ズーミングは、焦点距離fの全範囲につい
て式(A)〜(D)のいずれかで表される物体距離aでピント
が合うように繰り出しを行うズーム曲線で行うもの(即
ち、単一用途・使用目的)であってもよいが、焦点距離
fに応じて使われる物体距離aに複数の傾向を持たせる
ことにより、焦点距離fに応じて異なる用途・使用目的
に適合するようなズーム曲線で行うもの(即ち、複数用
途・使用目的)であってもよい。つまり、上述のように
用途・使用目的に応じて決定される物体距離aを特定の
焦点距離範囲ごとに変えることよって、その焦点距離範
囲において物体1が最良の像を結ぶように第1成分を繰
り出したズーム曲線を用いてもよい。例えば、広角側で
は過焦点距離にピントを合わせるようにし、望遠側では
近接撮影可能となるようにピントを合わせるようにす
る。その場合、ズーム曲線は、上記式(A)〜(D)で表され
る物体距離aやその他の物体距離の複数の組み合わせで
ピントが合うように組み合わされたものとなる。
【0045】また、前述のD=∞に設定されたズーム曲
線L1’(図1)を、ズーム曲線の一部分に組み込んでも
よい。例えば、風景撮影を行うような用途・使用目的の
ズームレンズでは、ズーム曲線のワイド(W)側にズーム
曲線L1’を組み込むことによって、最良の像を得るこ
とが可能である。
【0046】上記のようにズーム曲線に多様性を持たせ
るより、様々な物体距離aに対応できるようにすれば、
複雑なフォーカシング機構なしに広い範囲についてピン
ト状態の良い像を得ること可能となる。
【0047】ズーミングは、式(A)〜(D)で表される物体
距離aでピントが合うように繰り出しを行う1つのズー
ム曲線で行うものであってもよいが、複数のズーム曲線
について切換え可能に構成し、使用者の操作によって切
り換えられたズーム曲線で行うものであってもよい。つ
まり、ゾーンフォーカス式と同様の切換え操作によっ
て、用途・使用目的に応じたズーミングを行うようにし
てもよい。
【0048】また、前述のD=∞に設定されたズーム曲
線L1’(図1)と,式(A)〜(D)で表される物体距離aと
対応するズーム曲線L1との切換操作が可能な構成とし
てもよい。この構成により、複雑なフォーカシング機構
なしに、広い範囲について合焦させることが可能であ
る。
【0049】上記のように複数のズーム曲線について切
換え可能とすることにより、様々な物体距離aに対応で
きるようにすれば、複雑なフォーカシング機構なしに広
い範囲についてピント状態の良い像を得ることが可能と
なる。
【0050】なお、式(B)〜(D)に示すような用途・使用
目的に適した物体距離aでピントが合うようにする構成
は、ズームレンズに限らず、従来から知られている単焦
点光学系(レンズ付きフィルム等),2焦点光学系等にお
いても適用可能である。この場合、上記特定の用途・使
用目的に適したピント状態の良い撮影が可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る固定
焦点式ズームレンズによれば、各焦点距離について予め
決められた物体距離でピントが合うようにズーミングに
おいて繰り出しが行われるため、焦点調節は不要であ
る。従って、焦点調節の操作が不要になるため操作性に
優れ、焦点調節用の機構が不要になるため低コストで実
現することが可能である。
【0052】繰り出しを行うときの物体距離を、過焦点
距離とした場合には通常撮影に適したものとなり、被写
界深度の遠側がフラッシュの最大到達距離とした場合に
はフラッシュ撮影に適したものとなり、被写界深度の近
側が最近接撮影距離とした場合には近接撮影に適したも
のとなり、撮影倍率が一定となる距離とした場合には一
定倍率撮影に適したものとなる。このようにズーム曲線
が用途・使用目的に適した物体距離と対応したものとな
っているため、ズーミング操作を行うだけで、特定の用
途・使用目的に適したピント状態の良い撮影が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における焦点距離と物体距離と
の関係及びズーム曲線を示す図。
【図2】本発明の実施例における物体距離と被写界深度
との関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 …物体 2 …ズームレンズ 3 …像面 a …物体距離 b …像距離 D …撮影距離 A …被写界深度 t1 …前側(近側)被写界深度 t2 …後側(遠側)被写界深度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2以上の成分から成り、所定の成分の移動
    によりズーミングを行うズームレンズであって、 各焦点距離について予め決められた物体距離でピントが
    合うように、前記成分の全部又は一部を繰り出したズー
    ム曲線でズーミングを行うことを特徴とする固定焦点式
    ズームレンズ。
  2. 【請求項2】2以上の成分から成り、所定の成分の移動
    によりズーミングを行うズームレンズであって、 各焦点距離について過焦点距離でピントが合うように、
    前記成分の全部又は一部を繰り出したズーム曲線でズー
    ミングを行うことを特徴とする固定焦点式ズームレン
    ズ。
  3. 【請求項3】2以上の成分から成り、所定の成分の移動
    によりズーミングを行うズームレンズであって、 各焦点距離について被写界深度の遠側がフラッシュの最
    大到達距離となる物体距離でピントが合うように、前記
    成分の全部又は一部を繰り出したズーム曲線でズーミン
    グを行うことを特徴とする固定焦点式ズームレンズ。
  4. 【請求項4】2以上の成分から成り、所定の成分の移動
    によりズーミングを行うズームレンズであって、 各焦点距離について被写界深度の近側が最近接撮影距離
    となる物体距離でピントが合うように、前記成分の全部
    又は一部を繰り出したズーム曲線でズーミングを行うこ
    とを特徴とする固定焦点式ズームレンズ。
  5. 【請求項5】2以上の成分から成り、所定の成分の移動
    によりズーミングを行うズームレンズであって、 各焦点距離について撮影倍率が一定となる物体距離でピ
    ントが合うように、前記成分の全部又は一部を繰り出し
    たズーム曲線でズーミングを行うことを特徴とする固定
    焦点式ズームレンズ。
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