JPH085891B2 - ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2無水物類およびその製法 - Google Patents

ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2無水物類およびその製法

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JPH085891B2 JP61201378A JP20137886A JPH085891B2 JP H085891 B2 JPH085891 B2 JP H085891B2 JP 61201378 A JP61201378 A JP 61201378A JP 20137886 A JP20137886 A JP 20137886A JP H085891 B2 JPH085891 B2 JP H085891B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、新規にして有用なるビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2無水物類および
その製法に関する。
「従来の技術」 一般にテトラカルボン酸2無水物類は、耐熱性に優る
ポリイミド樹脂の原料として有用である。
従来より汎用されているテトラカルボン酸2無水物類
の例としては、ピロメリット酸2無水物、ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸2無水物、ビフェニルテトラカルボ
ン酸2無水物等の芳香族系のテトラカルボン酸2無水物
類;および5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フ
ラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸無水物(特開昭55-36406号公報)、ブタンテ
トラカルボン酸2無水物等の脂肪族系テトラカルボン酸
2無水物類が挙げられる。
「発明が解決しようとする問題点」 しかし、芳香族系テトラカルボン酸2無水物類を原料
として得られる芳香族ポリイミド樹脂は耐熱性に優れる
ものの、溶剤に不溶性であったり、溶剤に溶解する場合
でもクロルフェノールの様な毒性の強い溶剤に限定さ
れ、それらを使用するさいには作業性に問題がある上、
コスト的にも高価であるためにその使用は限定されてい
るというのが実情である。
一方、脂肪族系テトラカルボン酸2無水物類を原料と
して得られる脂肪族ポリイミド樹脂は、溶剤溶解性に優
れるものの、芳香族ポリイミド樹脂に比較して耐熱性が
劣り、実用上問題がある。
したがって、テトラカルボン酸2無水物類を使用する
ポリイミドにおいて、従来の芳香族系テトラカルボン酸
2無水物類に比べて、各種溶剤に対する溶解性の良好
な、しかも従来の脂肪族系テトラカルボン酸2無水物類
に比べて耐熱性に優れるポリイミドが得られる新規なテ
トラカルボン酸2無水物類の出現が望まれている。
その1つとしてメチルビシクロオクテンテトラカルボ
ン酸2無水物(特開昭60-61579号公報、特開昭60-61582
号公報)があり、これは低融点で、かつ溶剤溶解性に優
れるが、耐熱性に関してはいま一つ芳香族系テトラカル
ボン酸2無水物類に及ばないという欠点がある。
「問題点を解決するための手段」 本発明者等は、この様な状況に鑑み、鋭意検討した結
果、下記一般式(I)で示される新規なテトラカルボン
酸2無水物類が、従来のテトラカルボン酸2無水物類に
ない、各種溶剤に対する溶解性が良好で、かつ耐熱性に
も優れるポリイミドを与えること、および特定の不飽和
ビシクロジカルボン酸ジエステルをパラジウム触媒、酸
化剤の存在下、アルコールおよび一酸化炭素と反応させ
てテトラエステルとし、続いてこれを加水分解して対応
するテトラカルボン酸を得、これを脱水することにより
下記一般式(I)で示される新規なテトラカルボン酸2
無水物類が得られることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
すなわち本発明は、 1.一般式 (但し、式中のR1は、水素原子又は低級アルキル基を表
わす。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
ラカルボン酸2無水物類、および 2.一般式 (但し、式中のR1は、水素原子又は低級アルキル基、R2
およびR3は、同一又は異なってもよい、アルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を表わ
し、かつビシクロ環の2位,3位−のアルコキシカルボニ
ル基はendo,endo−又はexo,exo−の立体構造を有す
る。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
ジカルボン酸ジエステル類をパラジウム触媒、酸化剤の
存在下、アルコールおよび一酸化炭素と反応させ、一般
(但し、式中のR1は前記と同じであり、R2,R3,R4および
R5は、それぞれ同一又は異っていても良い、アルキル
基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基
を表わし、かつビシクロ環の2位,3位−および5位,6位
−のアルコキシカルボニル基はendo,endo−又はexo,exo
−の立体構造を有する。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
ラカルボン酸テトラエステル類とし、次いでこれを加水
分解して、一般式 (但し、式中のR1は前記と同じであり、かつビシクロ環
の2位,3位−および5位,6位−のカルボキシル基はend
o,endo−又はexo,exo−の立体構造を有する。)で示さ
れるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸類を得、更にこれを脱水閉環反応させることを特
徴とする、一般式 (但し、式中のR1は前記と同じ。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
ラカルボン酸2無水物類の製法を提供するものである。
本発明で用いる一般式(II)で示されるビシクロ〔2.
2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジエステル
類〔以下、一般式(II)のジエステル類と称す。〕とし
ては,例えばビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸ジメチル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−
5−エン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジアリル、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸ジシクロヘキシル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−
エン−2,3−ジカルボン酸ジフェニル、1−メチル−ビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸
ジメチル、1−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボン酸ジエチル、1−メチル−ビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸
ジアリル、1−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボン酸ジシクロヘキシル、1−メ
チル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸ジフェニル等が挙げられるが、なかでもビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメ
チル、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸ジエチル、1−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、1−メ
チル−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸ジエチルが好ましい。
上記一般式(II)のジエステル類のテトラエステル化
に用いるパラジウム触媒としては、無機酸塩、有機酸
塩、担体付パラジウム等が使用でき、具体的には塩化パ
ラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラ
ジウム、プロピオン酸パラジウム、パラジウム炭素、パ
ラジウムアルミナ、およびパラジウム黒等が挙げられ、
一般式(II)のジエステル類に対し0.01〜0.1倍モルの
範囲で用いると好ましい。
なお、この反応ではPd2+がPd0に還元されるため、こ
れをPd2+にする酸化剤として銅化合物あるいは鉄化合物
等の使用が必要である。具体的には、塩化第二銅、硝酸
第二銅、硫酸第二銅、酢酸第二銅、塩化第二鉄、硝酸第
二鉄、硫酸第二鉄、酢酸第二鉄等が挙げられる。その使
用量は一般式(II)のジエステル類に対して2倍モル必
要である。
また反応中、酸化剤等から酸が副生するため塩基の添
加によって除去することもできる。かかる塩基として
は、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、酪酸ナ
トリウム等の脂肪酸塩が好ましい。
テトラエステル化に用いるアルコールとしては、例え
ばアルキルアルコール、シクロアルキルアルコール、ア
ルケニルアルコール、アラルキルアルコール等がある。
具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、アリ
ルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル等が挙げられ、一種又は二種以上混合して用いる。
これらアルコールは、理論量以上に加えてそのまま溶
媒とすることもできる。さらに、n−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタン、ペンタンなどの炭化水素系溶剤を
溶媒として用いることもできる。
さらに、一酸化炭素は高純度である必要はなく、本反
応に不活性であるガスが混合されていてもよい。また、
圧力は特に制限はないが、常圧から15kg/cm2が好まし
い。
テトラエステル化の反応温度は、常温〜60℃が好まし
く、高温で反応を行うと収量がおちる傾向がある。反応
時間は15分から24時間程度で行うのが適当である。
反応終了後は、蒸留あるいは昇華等の操作により、前
記一般式(III)で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン
−2,3,5,6−テトラカルボン酸テトラエステル類〔以
下、一般式(III)のテトラエステル類と称す。〕を高
収率で得ることができる。
次いで、この一般式(III)のテトラエステル類を酸
触媒又は塩基触媒にて加水分解して、前記一般式(IV)
で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
ラカルボン酸類〔以下、一般式(IV)のテトラカルボン
酸類と称す。〕を製造する。かかる酸触媒としては、塩
酸、硝酸、硫酸等の鉱酸、塩基触媒としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリが好まし
い。この製造法において特に塩基触媒を使用した場合
は、カルボン酸塩となるため、酸を加えカルボン酸とす
る必要がある。また触媒水溶液を用いて製造を行った場
合に触媒水溶液に対する一般式(III)のテトラエステ
ル類の溶解性が悪いときは、エタノール、プロパノール
等のアルコールの添加が好ましい。
次いでこの一般式(IV)のテトラカルボン酸を加熱す
ることにより、あるいは脱水剤を用いて脱水閉環せしめ
ることにより、目的とする前記一般式(I)で示される
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン
酸2無水物類〔以下、一般式(I)のテトラカルボン酸
2無水物類と称す。〕が得られる。この脱水閉環反応
は、一般式(IV)のテトラカルボン酸類を固体のまま、
あるいは溶剤に溶かした溶液として加熱することにより
行うことができる。反応温度は100〜250℃、好ましくは
180〜220℃の範囲である。
溶液として脱水閉環反応を行う場合、生成する水の除
去を容易にするために一般式(IV)のテトラカルボン酸
類溶液用溶剤の一部に水との共沸が可能な、しかも反応
系外において水との分離が容易なキシレンなどの炭化水
素系溶剤を併用するのが望ましい。
他方、脱水剤を用いて一般式(I)のテトラカルボン
酸2無水物類を製造することもできるが、かかる脱水剤
として酸無水物があるが、代表的なものには無水酢酸、
無水プロピオン酸などが挙げられる。
かくして得られる一般式(I)のテトラカルボン酸2
無水物類は、固体のまま加熱して脱水閉環反応を行なっ
て得た場合を除いて、常圧ないしは減圧下に加熱して、
脱水剤および脱水により生成した水や溶剤等を留出させ
て、乾燥を行えば、目的とする一般式(I)のテトラカ
ルボン酸2無水物類を得ることができる。さらにアセト
ニトリル等の溶剤を用いて再結晶あるいは、減圧下にて
昇華させることにより精製することもできる。
「発明の効果」 本発明の一般式(I)のテトラカルボン酸2無水物類
は、ポリアミド酸もしくはポリイミド等の耐熱性樹脂の
原料に有用である。
事実、本発明の一般式(I)のテトラカルボン酸2無
水物類とジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニ
ルエーテル、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニル
スルホンなどの芳香族ジアミンとを、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等
の溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸を加熱、あ
るいは無水プロピオン酸、無水酢酸等の酸無水物により
脱水閉環して作られるポリイミドは、公知の芳香族系テ
トラカルボン酸2無水物類から得られるポリイミドと異
なり、溶剤可溶性であり、また熱重量分析からみた耐熱
性については、従来公知の脂肪族系テトラカルボン酸2
無水物類から作られるポリイミドには見られない高い熱
分解開始温度を示した。かくして得られたポリイミド
は、フレキシブル配線基板、耐熱絶縁テープとして使用
されるポリイミドフィルムの材料として用いる事がで
き、また、電線エナメル、半導体の保護コーティング、
液晶配向膜の材料等に用いる事ができる。
「実施例」 以下に実施例、応用例および比較応用例を示して本発
明を更に具体的に説明する。尚、例中の部および%はす
べて重量基準である(ただし、引張り伸び率は除く)。
実施例1 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)、塩化第二銅
26.9g(0.200モル)、塩化パラジウム0.05g(0.00028モ
ル)、メタノール158.0gを反応容器に仕込み、一酸化炭
素を導入しながらはげしく攪拌して1時間反応させた
後、系内から一酸化炭素を除き、反応液を過、濃縮
後、反応生成物をクロロホルム100mlに溶解し、次いで
水で洗浄した。更にこのクロロホルム層を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液で洗浄した後、濃縮し、n−ヘキサン
で再沈殿させた。沈殿物を水/エタノール(1:1)の水
酸化カリウム10%溶液40mlに加え、2時間還流し、さら
にエタノールを除去した後、塩酸にて酸性とし、次いで
20mlのエーテルで3回抽出を行なった後、硫酸ナトリウ
ムで脱水し、さらにエーテルを除去した後、無水酢酸15
0gを加え2時間還流した。次いで反応溶液を濃縮してビ
シクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2endo,3endo,5exo,6exo−テ
トラカルボン酸2無水物16.5g(収率70%)を得た。
実施例2 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)の代わりに、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2exo,3exo−ジカ
ルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)を用いた以外は実
施例1と同様にして、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2ex
o,3exo,5exo,6exo−テトラカルボン酸2無水物17.3g
(収率73%)を得た。
実施例3 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)の代わりに、
1−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2end
o,3endo−ジカルボン酸ジメチル22.4g(0.100モル)を
用いた以外は実施例1と同様にして、1−メチルビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプタン−2endo,3endo,5exo,6exo−テトラ
カルボン酸2無水物17.0g(収率68%)を得た。
実施例4 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)の代わりに、
1−メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2exo,
3exo−ジカルボン酸ジメチル22.4g(0.100モル)を用い
た以外は実施例1と同様にして、1−メチルビシクロ
〔2.2.1〕ヘプタン−2exo,3exo,5exo,6exo−テトラカル
ボン酸2無水物16.6g(収率66%)を得た。
実施例5 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)の代わりに、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−ジ
カルボン酸ジアリル26.2g(0.100モル)を用いた以外は
実施例1と同様にして、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2
endo,3endo,5exo,6exo−テトラカルボン酸2無水物11.3
g(収率48%)を得た。
実施例6 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)の代わりに、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−ジ
カルボン酸ジシクロヘキシル34.6g(0.100モル)を用い
た以外は実施例1と同様にして、ビシクロ〔2.2.1〕ヘ
プタン−2endo,3endo,5exo,6exo−テトラカルボン酸2
無水物15.1g(収率64%)を得た。
実施例7 ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−
ジカルボン酸ジメチル21.0g(0.100モル)の代わりに、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2endo,3endo−ジ
カルボン酸ジフェニル33.4g(0.100モル)を用いた以外
は実施例1と同様にして、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン
−2endo,3endo,5exo,6exo−テトラカルボン酸2無水物1
4.2g(収率60%)を得た。
実施例8 メタノール158.0gの代わりにアリルアルコール17.4g
とベンゼン120gを用いた以外は実施例1と同様にして、
ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2endo,3endo,5exo,6exo−
テトラカルボン酸2無水物13.0g(収率55%)を得た。
実施例9 メタノール158.0gの代わりにシクロヘキサノール30.0
gとベンゼン120gを用いた以外は実施例1と同様にし
て、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2endo,3endo,5exo,6e
xo−テトラカルボン酸2無水物16.1g(収率68%)を得
た。
実施例10 メタノール158.0gの代わりにフェノール28.3gとベン
ゼン120gを用いた以外は実施例1と同様にして、ビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプタン−2endo,3endo,5exo,6exo−テトラ
カルボン酸2無水物9.9g(収率42%)を得た。
前記実施例1〜4のテトラカルボン酸2無水物類をア
セトニトリルより再結晶させて得られた本発明のビシク
ロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2無
水物類の分析結果を表−1および表−2に示す。
応用例1(ポリイミドへの応用例) 4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)60.1g
(0.300モル)をクレゾール634gに溶解し、次いでこの
溶液中に、温度を20〜30℃に保持しならが、実施例2で
得られたビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2exo,3exo,5exo,
6exo−テトラカルボン酸2無水物70.9g(0.300モル)を
少量ずつ攪拌しながら1時間に亘って添加し、添加終了
後は温度を30〜40℃に保持して10時間反応を続行し、反
応を完結させ、ポリアミド酸のクレゾール溶液を得た。
次いでこの溶液にキシレン75gを加え、約3時間を要
して200℃まで昇温させ、その後も同温度に4時間保持
した。この間に留出する水およびキシレンの総量85gを
捕集した。しかるのちこの反応液を室温に冷却せしめて
782gのポリイミド溶液を得た。
次いで、この樹脂溶液をガラス板上に流延し、120℃
で30分、次いで200℃で1時間乾燥して膜厚25μmのフ
ィルム状のポリイミドを得た。
このポリイミドフィルムの引張り強度および引張り伸
び率を測定することにより機械的強度を、また熱重量分
析(TGA)による5%重量減少温度を測定することによ
り耐熱性を評価したところ、このポリイミドフィルムは
機械的強度および耐熱性に優れるものであった。
尚、測定法を以下に、また測定結果を表−3にそれぞ
れ示す。
引張り強度および引張り伸び率: ASTM D−882−64Tに準拠して測定した。
5%重量減少温度: セイコー電子工業(株)製熱重量分析装置 SSC 560を用い、空気中、昇温速度10℃/min,サンプル量
10mgの条件でサンプル重量が5減少した時の温度を測定
した。
比較応用例1(同上) ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2exo,3exo,5exo,6exo−
テトラカルボン酸2無水物の代りに5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シ
クロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物79.2g(0.300
モル)を用いた以外は応用例1と同様にして対照用のフ
ィルム状ポリイミドを得た。次いで同様にして機械的強
度および耐熱性を評価したところ、いずれも劣ってい
た。測定結果を表−3に示す。
比較応用例2(同上) ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2exo,3exo,5exo,6exo−
テトラカルボン酸2無水物の代りにメチルビシクロオク
テンテトラカルボン酸2無水物78.7g(0.300モル)を用
いた以外は応用例1と同様にして対照用のフィルム状ポ
リイミドを得た。
次いで同様にして機械的強度および耐熱性を評価した
ところ、いずれも劣っていた。測定結果を表−3に示
す。
比較応用例3(同上) ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2exo,3exo,5exo,6exo−
テトラカルボン酸2無水物の代りに芳香族系テトラカル
ボン酸無水物である無水ピロメリット酸65.4gを用いる
以外は応用例1と同様にしてポリイミド溶液を得る事を
試みたが、ポリアミド酸を加熱する段階で生成したポリ
イミドが溶剤より析出し、ポリイミド溶液を得る事がで
きなかった。
応用例2(ポリアミド酸への応用例) 4,4′−ジアミノジフェニルメタン(DDM)59.4g(0.3
00モル)をジメチルアセトアミド634gに溶解し、温度を
20〜30℃に保持しながらこの溶液中に実施例2で得られ
たビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2exo,3exo,5exo,6exo−
テトラカルボン酸2無水物70.9g(0.300モル)を少量ず
つ攪拌下に1時間に亘って添加し、添加終了後は温度を
30〜40℃に保持して6時間反応を続行して、ポリアミド
酸のジメチルアセトアミド溶液を得た。
このポリアミド酸溶液をガラス板上に流延し、120℃
で1時間、次いで230℃で1時間乾燥して膜厚25μmの
ポリイミドフィルムを得た。
このポリイミドフィルムの機械的強度および耐熱性を
応用例1と同様に評価したところ、いずれにも優れてい
た。結果を表−3に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Chemical Abstract s,96(1982)抄録番号143364

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (但し、式中のR1は、水素原子又は低級アルキル基を表
    わす。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
    ラカルボン酸2無水物類。
  2. 【請求項2】一般式 (但し、式中のR1は、水素原子又は低級アルキル基、R2
    およびR3は、同一又は異なってもよい、アルキル基、シ
    クロアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基を表わ
    し、かつビシクロ環の2位,3位−のアルコキシカルボニ
    ル基はendo,endo−又はexo,exo−の立体構造を有す
    る。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−
    ジカルボン酸ジエステル類をパラジウム触媒、酸化剤の
    存在下、アルコールおよび一酸化炭素と反応させ、一般
    (但し、式中のR1は前記と同じであり、R2,R3,R4および
    R5は、それぞれ同一又は異っていても良い、アルキル
    基、シクロアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基
    を表わし、かつビシクロ環の2位,3位−および5位,6位
    −のアルコキシカルボニル基はendo,endo−又はexo,exo
    −の立体構造を有する。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
    ラカルボン酸テトラエステル類とし、次いでこれを加水
    分解して、一般式 (但し、式中のR1は前記と同じであり、かつビシクロ環
    の2位,3位−および5位,6位−のカルボキシル基はend
    o,endo−又はexo,exo−の立体構造を有する。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
    ラカルボン酸類を得、更にこれを脱水閉環反応させるこ
    とを特徴とする、一般式 (但し、式中のR1は前記と同じ。) で示されるビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3,5,6−テト
    ラカルボン酸2無水物類の製法。
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