JPH0857171A - 車両用シートの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数を増大させる虞れがなく、然も位置
合わせ作業が容易で、作業能率を向上させることができ
る車両用シートの取付構造を提供する。 【構成】 車体側のクロスメンバー２にボルト穴３を形
成し、車両用シートの前後スライド機構のロアーレール
５の端部に固定ブラケット７を固着する。固定ブラケッ
ト７にボルト穴７ａを形成する。車体側のボルト穴３の
背面側に補強板１０と一体にカシメ固着されたナット９
を配設する。ナット９には車体の表面側に突出する突起
２１を形成する。固定ブラケット７のボルト穴７ａにバ
ーリング加工による突起部１７を形成する。ナット９の
車体の表面側に突出する突起２１がガイドの作用をす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両用シートの取付構造
に関し、更に詳細に説明すると、車体側にボルト穴を形
成し、車両用シートの前後スライド機構のロアーレール
の端部に固定ブラケットを固着し、該固定ブラケットに
ボルト穴を形成し、該固定ブラケットのボルト穴よりボ
ルトを挿通し、該ボルトを前記車体側のボルト穴に挿通
し、ナット止めするようになされた車両用シートの取付
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図４乃至図６に示す如く、車
両等の車体フロアー１にクロスメンバー２が形成され、
このクロスメンバー２にボルト穴３を形成し、車両用シ
ートの前後スライド機構のロアーレール５の端部に固定
ブラケット７を固着し、この固定ブラケット７を前記ク
ロスメンバー２にボルト８止めすることにより、車両用
シートを車体側に取付けていた。

【０００３】図４及び図５に示す如く、前記車体フロア
ー１のクロスメンバー２のボルト穴３の背面側には補強
板１０を介してナット９が溶着等により固着されている
が、固定ブラケット７のボルト穴７ａをクロスメンバー
２のボルト穴３に位置合わせし、ボルト８止めするのが
困難であった。

【０００４】また、図６に示す如く、固定ブラケット７
にガイドピン１１を形成し、車体フロアー１のクロスメ
ンバー２にガイド穴１３を形成し、ガイドピン１１とガ
イド穴１３を嵌合させることにより、固定ブラケット７
のボルト穴７ａをクロスメンバー２のボルト穴３に位置
合わせし、ボルト８止めを容易に行うようになされた取
付構造も存在している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、クロスメン
バー２に何らかのガイドが存在しない場合には、位置合
わせ作業が煩雑で、作業能率を向上させることができな
い欠点を有し、またガイドピン１１とガイド穴１３を嵌
合させる場合には、部品点数が増大して、コストアップ
となる欠点を有していた。

【０００６】本発明の目的は、部品点数を増大させる虞
れがなく、然も位置合わせ作業が容易で、作業能率を向
上させることができる車両用シートの取付構造を提供す
るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、車体側にボルト穴を形成し、車
両用シートの前後スライド機構のロアーレールの端部に
固定ブラケットを固着し、該固定ブラケットにボルト穴
を形成し、該固定ブラケットのボルト穴よりボルトを挿
通し、該ボルトを前記車体側のボルト穴に挿通し、ナッ
ト止めするようになされた車両用シートの取付構造にお
いて、前記車体側のボルト穴の背面側に補強板と一体に
カシメ固着されたナットを配設し、該ナットには車体の
表面側に突出する突起が形成され、前記固定ブラケット
のボルト穴にはバーリング加工による突起部が形成さ
れ、前記ナットの車体の表面側に突出する突起が前記固
定ブラケットのボルト穴の突起部をガイドし得るように
なされていることを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明によれば、車体側のボルト穴の背面側に
補強板と一体にカシメ固着されたナットを配設し、該ナ
ットには車体の表面側に突出する突起が形成され、前記
固定ブラケットのボルト穴にはバーリング加工による突
起部が形成され、前記ナットの車体の表面側に突出する
突起が前記固定ブラケットのボルト穴の突起部またはボ
ルト穴に挿通されるボルトをガイドし、位置合わせを簡
易迅速に行うことができる。

【０００９】

【実施例】以下本発明に係わる車両用シートの取付構造
を図面を参照して詳述する。図１乃至図３は本発明の一
実施例の概略を夫々示すもので、前述せる従来技術で示
した図４乃至図６と対応する部分には同一符号を付して
これ以上の詳細説明はこれを省略する。

【００１０】車両用シートはシートクッション及びシー
トバックを備え、シートクッションの下部には、前後ス
ライド機構を構成する左，右一対をなすスライドレール
が設けられ、車両用シート全体が前後摺動可能に支持さ
れているが、従来公知であるので図示説明は省略する。

【００１１】図２に示す如く、車両等の車体フロアー１
にクロスメンバー２が形成され、このクロスメンバー２
にボルト穴３が形成され、前後スライド機構のスライド
レールのロアーレール５の端部にくの字状に屈折された
固定ブラケット７の上部７ｂが固着されている。

【００１２】この固定ブラケット７の下部７ｃを前記ク
ロスメンバー２にボルト８止めすることにより車両用シ
ートが車体フロアー１に取付けられる。またスライドレ
ールのアッパーレールは、周知の通り図示しないロック
機構により所望のスライド調整位置でロックされるよう
になされている。

【００１３】前記固定ブラケット７のボルト穴７ａには
バーリング加工により突起部１７が形成され、車体フロ
アー１及びクロスメンバー２に肉厚のカーペット層１９
が配設されている場合にも、固定ブラケット７とクロス
メンバー２とのボルト８止めが緩まないようになされて
いる。

【００１４】前記車体フロアー１のクロスメンバー２の
ボルト穴３の背面側に補強板１０と一体にカシメ固着さ
れたナット９が配設され、一例として補強板１０の端部
がクロスメンバー２に溶着されている。このナット９に
は車体フロアー１のクロスメンバー２の表面側に突出す
る突起２１が形成されている。

【００１５】図３に示す如く、前記ナット９と補強板１
０とはカシメ処理により一体化される。プレス装置２５
の下型２６に突起２１を形成するための凹部２６ａが形
成され、この下型２６上に補強板１０を載置し、上型２
７に突起２１を有するナット９を配置する。

【００１６】前記ナット９の突起２１は補強板１０と対
向する側に配置され、下型２６と上型２７とを型合わせ
することにより、図１に示す如く、突起２１が変形し、
突起２１が突出した状態で、補強板１０とカシメ処理に
より一体化される。

【００１７】前記ナット９の突起２１は車体フロアー１
のクロスメンバー２の表面側に突出し、この突起２１が
前記固定ブラケット７のボルト穴３の突起部１７または
突起部１７に挿通されたボルト８をガイドし得るように
なされている。

【００１８】

【発明の効果】以上が本発明に係る車両用シートの取付
構造の一実施例の構成であるが、斯る構成によれば、車
体側のボルト穴の背面側に補強板と一体にカシメ固着さ
れたナットを配設し、該ナットには車体の表面側に突出
する突起が形成され、前記固定ブラケットのボルト穴に
はバーリング加工による突起部が形成され、前記ナット
の車体の表面側に突出する突起が前記固定ブラケットの
ボルト穴の突起部またはボルト穴に挿通されるボルトを
ガイドし、位置合わせを簡易迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる車両用シートの取付構造の一実
施例を示す断面図。

【図２】本発明に係わる車両用シートの取付構造の車体
フロアーの斜視図。

【図３】本発明に係わる車両用シートの取付構造のナッ
トと補強板のカシメ処理工程の断面図。

【図４】従来の車両用シートの取付構造の斜視図。

【図５】従来の車両用シートの取付構造の断面図。

【図６】従来の車両用シートの取付構造の斜視図。

【符号の説明】

１ 車体フロアー ２ クロスメンバー ３ ボルト穴 ５ スライドレールのロアーレール ７ 固定ブラケット ７ａ ボルト穴 ８ ボルト ９ ナット １０ 補強板 １７ 突起部 １９ カーペット層 ２１ 突起 ２５ プレス装置 ２６ 下型 ２７ 上型

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体側にボルト穴を形成し、車両用シー
   トの前後スライド機構のロアーレールの端部に固定ブラ
   ケットを固着し、該固定ブラケットにボルト穴を形成
   し、該固定ブラケットのボルト穴よりボルトを挿通し、
   該ボルトを前記車体側のボルト穴に挿通し、ナット止め
   するようになされた車両用シートの取付構造において、
   前記車体側のボルト穴の背面側に補強板と一体にカシメ
   固着されたナットを配設し、該ナットには車体の表面側
   に突出する突起が形成され、前記固定ブラケットのボル
   ト穴にはバーリング加工による突起部が形成され、前記
   ナットの車体の表面側に突出する突起が前記固定ブラケ
   ットのボルト穴の突起部をガイドし得るようになされて
   いることを特徴とする車両用シートの取付構造。