JPH085605B2 - エレベータの秤装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は積載荷重の容量以上に乗客が乗り過ぎないよ
う計量するエレベータの秤装置の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第５図〜第９図は実開昭59-116361号公報等に示され
た従来のエレベータの秤装置を示すもので、図中、
（１）はエレベータのかご枠で、このかご枠（１）は第
５図に示す如く、下枠（２）と、この下枠（２）の両端
に立設された複数の縦枠（３）と、この複数の縦枠
（３），（３）の上部間に水平に架設された断面ハット
状の上梁（４）とを備えて構成されている。（５）はか
ご枠（１）内に配設したエレベータのかごで、このかご
（５）の正面上部には、断面逆Ｌ字状の支持部材（６）
を重着し、この支持部材（６）の両端と上記複数の縦枠
（３），（３）間には、連結部材（７），（７）をそれ
ぞれ架設しており、又支持部材（６）と該上梁（４）間
には複数のステー（８）を傾斜させて架設している。
（９）は支持部材（６）の上部一側に配設した駆動装
置、（10）は支持部材（６）の下部に水平に取着したレ
ール、（11）はかご（５）の下部に水平に取着した敷
居、そして、（12）はかご（５）の出入口を開閉するド
アで、このドア（12）の上部は該レール（10）に水平方
向に移動可能に係合され、又ドア（12）の下部は上記敷
居（11）のガイド溝（11a）に摺動自在に嵌入されてお
り、該ドア（12）は上記駆動装置（９）の駆動に基づき
水平方向に移動するようになっている。

（13）は上記上梁（４）の内部対向壁間に水平に架設
した取付板、（14）は上梁（４）上に重着した板で、こ
の板（14）、上梁（４）の上面、及び取付板（13）には
第６図及び第７図に示す如く、相互に対向する６個の貫
通孔を３個ずつ２つの平面３角形状の群に分けて穿設し
ている。（15）はこの６個の貫通孔にそれぞれ垂直に挿
入した上下動自在の複数のシャックルで、この複数のシ
ャックル（15）は複数の主索（16）にそれぞれ接続され
た本体（15a）と、板（14）、上梁（４）上面、取付板
（13）を貫通したシャックルパイプ（15b）と、このシ
ャックルパイプ（15b）と本体（15a）を締結するナット
（15c）とから構成されている（第６図参照）。

（17）は上記複数のシャックル（15）のシャックルパ
イプ（15b）にそれぞれ嵌通させた複数の上発条座、（1
7A）は上記複数のシャックル（15）にそれぞれ嵌通させ
た複数の下発条座で、この複数の下発条座（17A）と該
複数の上発条座（17）間には発条（18）をそれぞれ介在
配置しており、この複数の発条（18）は相対的に上昇し
た複数のシャックル（15）を元の位置に復帰させる作用
を営む。（19）は複数のシャックル（15）のシャックル
パイプ（15b）にそれぞれ螺嵌した複数のダブルナット
で、このダブルナット（19）を螺締めすることにより、
下発条座（17A）がシャックルパイプ（15b）に固定され
るようになっている（第６図参照）。

（20）は上記板（14）上に立設した複数のガイドロッ
ドで、この複数のガイドロッド（20）は第７図に示す如
く、２つの群に分けて穿設された上記複数の貫通孔を平
面３角形状に囲む様に配設されている。（21）は板（1
4）上に対向させて配設した複数の差動トランスで、こ
の複数の差動トランス（21）は第８図に示す如く、本体
（21a）と、この本体（21a）内に往復動自在に支持され
た棒状の磁性体（21b）とを備え、電磁誘導を利用して
交流の電圧を昇降させる機能を営む。そして、この複数
の差動トランス（21）は第９図に示す如く、加算器（2
2）に接続され、この加算器（22）は増幅器（23）に接
続されている。（24）は板（14）に配設した複数の支持
部材で、この複数の支持部材（24）の立面部にはプーリ
（25）が回動自在に軸支されている。（26）は該複数の
ガイドロッド（20）、及び複数のシャックル（15）に嵌
通させた複数の検出板で、この平面３角形状の検出板
（26）は第６図に示す様に、シャックル（15）の上下動
に伴い上下動するようになっている。そして、（27）は
この複数の検出板（26）に金具を介してそれぞれ接続し
た複数のワイヤロープで、この複数のワイヤロープ（2
7）の他端は第８図に示す如く、複数のプーリ（25），
（25）を介して複数の差動トランス（21）の磁性体（21
b）の一端にそれぞれ接続されている。

従って、かご（５）に乗客が乗り込むと、その重みで
かご（５）が下方に下降し、複数のシャックル（15）が
複数の発条（18）を圧縮しつつ相対的に上昇する。そし
て、この複数のシャックル（15）の相対的な上昇に伴い
複数の検出板（26）がそれぞれ上昇して複数のワイヤロ
ープ（27）をそれぞれ引っ張り上げ、複数の差動トラン
ス（21）の磁性体（21b）が水平移動して、該複数の差
動トランス（21）が複数の発条（18）の撓み（第９図に
示すK1,K2）からかご（５）の重量をそれぞれ検出す
る。然して、複数の差動トランス（21）の検出値は加算
器（22）にそれぞれ出力され、加算器（22）はその合成
値を増幅器（23）に出力する。

尚、この種の先行技術文献として上記公報の他に特公
昭39-16526号公報等がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のエレベータの秤装置は以上のように構成され、
主索（16）の本数が多い場合には差動トランス（21）、
プーリ（25）、検出板（26）、及びワイヤロープ（27）
をそれぞれ別に設けていたので、部品点数を削減でき
ず、又据付けや保守の調整に多大の時間を割かざるを得
なかった。さらに、秤装置取付けのための据付スペース
が極めて大きくなってしまうという問題点があった。

本発明は叙上の点に鑑みなされたもので、部品点数の
削減、作業性の向上、及び据付スペースの縮小化を図る
ことのできるエレベータの秤装置を提供することを目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明においては上述の目的を達成するため、エレベ
ータのかご枠を構成する上梁と、この上梁に上下動自在
に挿通支持された複数のシャックルと、この複数のシャ
ックルにそれぞれ接続された主索と、該上梁上に立設さ
れた複数のガイドと、この複数のガイドにそれぞれ嵌通
され上記シャックルとともに上下動する複数の検出板
と、該上梁に取着され検出板の上下動に基づきエレベー
タかごの重量を検出する差動トランスとを備えたものに
おいて、上記差動トランスの移動可能の磁性体にプーリ
を回動自在に軸支させ、このプーリにはワイヤロープを
巻回するとともに、このワイヤロープの両端を上記複数
の検出板にそれぞれ接続したことを特徴としている。

〔作用〕

本発明によれば、差動トランスの移動可能の磁性体に
プーリを回動自在に軸支させ、このプーリにはワイヤロ
ープを巻回するとともに、このワイヤロープの両端を上
記複数の検出板にそれぞれ接続しているので、部品点数
の削減、作業性の向上及び据付スペースの縮小化を図る
ことができる。

〔実施例〕

以下、第１図及び第２図に示す一実施例に基づき本発
明を詳述すると、図中、（21）は板（14）上に取着した
単一の差動トランスで、この差動トランス（21）の磁性
体（21b）の先端には、横Ｌ字状の支持板（28）を嵌着
し、この支持板（28）の水平面には、プーリ（29）を回
動自在に軸支させている。そして、（27）は単一のワイ
ヤロープでこのワイヤロープ（27）の一端は上記１の検
出板（26）の下面に接続され、ワイヤロープ（27）の他
端は複数のプーリ（25）、及びプーリ（29）を介して他
の一の検出板（26）の下面に接続されている（第１図及
び第２図参照）。

以上のように本発明によれば、磁性体（21b）にプー
リ（29）を回動自在に軸支させ、このプーリ（29）に巻
回した単一のワイヤロープ（27）の両端を複数の検出板
（26），（26）の下面にそれぞれ接続しているので、複
数の検出板（26），（26）のそれぞれの変位をプーリ
（29）で平均化することが可能となり、単一の差動トラ
ンス（21）で複数の発条（18）のそれぞれの撓み（K1,K
2）の平均値を検出することができる。従って、加算器
（22）を不要ならしめ、部品点数の削減が期待できる。
また、秤装置の構造を簡素化できるので、据付けや保守
作業の容易化が可能となる。さらに、部品点数を削減で
きるので、据付スペースの縮小化が期待できる。

次に、第３図及び第４図は本発明の他の実施例を示す
もので、この場合には、単一の差動トランス（21）を上
梁（４）の内面に配設するようにしている。

本実施例によっても上記実施例と同様の作用効果が期
待し得られ、差動トランス（21）を上梁（４）内に収納
しているので、据付けや保守作業時に上梁（４）上面を
作業足場に使用することができる。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、差動トランスの移動可
能の磁性体にプーリを回動自在に軸支させ、このプーリ
にはワイヤロープを巻回するとともに、このワイヤロー
プの両端を上記複数の検出板にそれぞれ接続しているの
で、部品点数の削減、作業性の向上、及び据付スペース
の縮小化を図ることのできるエレベータの秤装置を提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るエレベータの秤装置の一実施例を
示す平面図、第２図は本発明に係るエレベータの秤装置
の一実施例を示す側面図、第３図は本発明に係るエレベ
ータの秤装置の他の実施例を示す側面図、第４図は第３
図の矢示I-I図、第５図は従来のエレベータの秤装置を
示す斜視図、第６図は従来のエレベータの秤装置を示す
断面説明図、第７図は従来のエレベータの秤装置を示す
平面図、第８図は従来のエレベータの秤装置を示す側面
図、第９図は従来のエレベータの秤装置の回路構成図で
ある。 図中、（１）はエレベータのかご枠、（４）は上梁、
（５）はエレベータのかご、（15）はシャックル、（1
6）は主索、（20）はガイドロッド、（21）は差動トラ
ンス、（21b）は磁性体、（26）は検出板、（27）はワ
イヤロープ、（29）はプーリである。 尚、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータのかご枠を構成する上梁と、こ
   の上梁に上下動自在に挿通支持された複数のシャックル
   と、この複数のシャックルにそれぞれ接続された主索
   と、該上梁上に立設された複数のガイドと、この複数の
   ガイドにそれぞれ嵌通され上記シャックルとともに上下
   動する複数の検出板と、該上梁に取着され検出板の上下
   動に基づきエレベータかごの重量を検出する差動トラン
   スとを備えたエレベータの秤装置において、上記差動ト
   ランスの移動可能の磁性体にプーリを回動自在に軸支さ
   せ、このプーリにはワイヤロープを巻回するとともに、
   このワイヤロープの両端を上記複数の検出板にそれぞれ
   接続したことを特徴とするエレベータの秤装置。