JPH0853618A - 難燃性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリアミド樹脂組成物

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JPH0853618A
JPH0853618A JP7520695A JP7520695A JPH0853618A JP H0853618 A JPH0853618 A JP H0853618A JP 7520695 A JP7520695 A JP 7520695A JP 7520695 A JP7520695 A JP 7520695A JP H0853618 A JPH0853618 A JP H0853618A
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和彦 小林
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】(A) (a) ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメ
チレンテレフタルアミド共重合体を主成分とするポリア
ミド樹脂30〜89重量%、(b) 繊維状無機質補強材0
〜50重量%、(C) ハロゲン含有率50〜70重量%、
ハロゲン化ポリスチレンまたはハロゲン化ポリフェニレ
ンエーテル10〜35重量%および(d) 酸化アンチモ
ン、酸化スズ、酸化鉄、酸化亜鉛の、難燃助剤1〜10
重量%よりなる組成物100重量部に (B) 下記ハイドロタルサイト類および/またはマグネシ
ウム・アルミニウム含有無機化合物0.01〜10重量
部を添加してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物。 Mg1 -xAlx (OH)2 (CO2 x/2 ・mH2 O (I) Mg1-y Aly 1+y/2 (II) 【効果】成形時に難燃剤の部分的分解に原因して発生す
るガス発生、発泡、着色などのトラブルを効果的に抑制
し、耐熱性の良好な難燃性ポリアミド樹脂組成物を得る
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性ポリアミド樹脂組
成物に関するものであり、さらに詳しくは難燃剤として
有機ハロゲン化合物を用いる難燃ポリアミドにおいて、
溶融成形時の分解、発泡、着色などの劣化を抑制した、
耐熱安定性良好な難燃性ポリアミド樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的特性、成形加工
性、耐薬品性が良好であることを利して、自動車部品、
電気・電子部品、機械部品など種々の分野で使用されて
おり、このうち電気・電子部品用途においては、難燃性
に対する要求が強く、本来自己消火性であるポリアミド
樹脂にもさらに高度な難燃性を付与することが必要であ
る。ポリアミド樹脂に難燃性を付与する目的で有機ハロ
ゲン系難燃剤を添加することは公知であり、例えばポリ
アミド樹脂にデカブロモビフェニルエーテルを添加する
方法(特開昭47−7134号公報)、塩素置換多環式
化合物を添加する方法(特開昭48−29846号公
報)、臭素化ポリスチレンを添加する方法(特開昭51
−47044号公報、特開昭61−188463号公
報)、臭素化ポリフェニレンエーテルを添加する方法
(特公昭56−2100号公報)などが提案されてお
り、特に高分子量タイプの臭素化ポリスチレン、臭素化
ポリフェニレンエーテルは難燃剤のブリードアウトなど
の問題が少なく、耐熱安定性も優れていることから、ポ
リアミド樹脂の難燃剤として好適に用いられている。
【0003】
【発明が解決使用とする課題】しかし、従来技術のうち
では比較的耐熱安定性の良好な臭素化ポリスチレン、臭
素化ポリフェニレンエーテルを使用しても、ヘキサメチ
レンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド共重
合体(以下ナイロン66/6Tと略する)を主成分とす
るポリアミドのごとき高融点のポリアミド樹脂がマトリ
ックスになる場合にはその溶融成形温度が高いために、
難燃剤混練時あるいは成形時に難燃剤の部分的分解によ
るものと思われる異臭ガスの発生、発泡、樹脂の着色な
どが生起するという問題点がある。このような分解物に
はハロゲンおよびハロゲン化合物が含有されていると考
えられ、樹脂に与える悪影響の他に、成型機、金型を腐
食させやすいなど装置面にも重大な影響を与えるもので
あり、ハロゲン系難燃剤含有ポリアミド樹脂組成物の安
定化方法が強く望まれている。
【0004】そこで本発明者らは、溶融成形時にガス発
生、発泡、着色などの劣化のない耐熱安定性に優れたハ
ロゲン系難燃剤含有ポリアミド樹脂組成物を得るべく検
討した結果、特定の高分子量タイプのハロゲン系難燃
剤、助剤および特定のマグネシウム系無機化合物を組合
せることにより上記目的が一挙に達成されることを見出
し、本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
「(A) (a) ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン
テレフタルアミド共重合体を主成分とするポリアミド樹
脂30〜89重量%、(b)繊維状無機質補強材0〜50
重量%、(C) ハロゲン含有率50〜70重量%、重量平
均分子量5,000以上のハロゲン化ポリスチレン10
〜35重量%および(d) 酸化アンチモン、酸化スズ、酸
化鉄、酸化亜鉛の中から選ばれた少なくとも1種の難燃
助剤1〜10重量%よりなるポリアミド樹脂組成物10
0重量部に(B) 下記一般式で示されるハイドロタルサイ
ト類および/またはマグネシウム・アルミニウム含有無
機化合物0.01〜10重量部を添加してなることを特
徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物」を提供するもの
である。 Mg1-x Alx (OH)2 (CO2 x/2 ・mH2 O (I) Mg1-y Aly 1+y/2 (II) (ここで0<x<0.4、0<y<0.5、mは0また
は正の整数を表す。)
【0006】本発明で用いられる(a) 成分のポリアミド
は、ポリヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテ
レフタルアミド共重合体(ナイロン66/6T)を主成
分とするポリアミドであり、ナイロン66/6Tの共重
合比率は重量比で95/5〜20/80の範囲のものが
好ましく用いられ、さらに90/10〜30/70のも
のが好ましい。
【0007】ここで用いられるポリアミドの重合度につ
いては特に制限なく、1%濃硫酸溶液の25℃における
相対粘度が1.5〜5.0の範囲内にあるものを任意に
用いることができる。
【0008】本発明で用いられる(b) 成分の繊維状無機
質補強材の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、ス
テンレス繊維、チタン酸カリウムウイスカーなどを挙げ
ることができる。これら補強材の配合量は50%以下で
あり、配合量が50%を越えると、生成する樹脂組成物
の流動性が極端に低下するので好ましくない。本発明で
用いられる(c) 成分の臭素化ポリスチレンの難燃剤とは
次式(III )で示される、臭素含有率50〜70%、重
量平均分子量5,000以上の臭素化ポリフェニレンエ
ーテルおよび臭素化ポリスチレンである。
【化1】 (ここでmは30〜1500の整数を表す。)
【0009】上記臭素化ポリスチレンの添加量は、
(A)ポリアミド樹脂組成物中において、10〜35重
量%、好ましくは15〜30重量%である。添加量が1
0重量%に満たないと難燃化効果が不十分なので好まし
くなく、添加量が35重量%を越えると樹脂組成物の耐
衝撃性低下など機械性質低下が顕在化するので好ましく
ない。
【0010】本発明で(d) 成分として用いられる難燃助
剤は三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化第1鉄、酸化第
2鉄、酸化第1スズおよび酸化第2スズの中から選ば
れ、これらは各々単独または2種以上の混合物の形で用
いることができる。難燃助剤の配合量は(A)ポリアミ
ド樹脂組成物中において、1〜15重量%、好ましくは
3〜10重量%である。難燃助剤の配合量が1重量%に
満たないと難燃性が不足するので好ましくなく、一方1
5重量%を越えると耐衝撃性が低下するので好ましくな
い。
【0011】本発明で(B) 成分として用いられるハイド
ロタルサイトとは、前記一般式(I)で示される複合金
属化合物であり、BET比表面積が1〜25m2 /g、
好ましくは2〜20m2 /gで、平均粒径が5μm以
下、好ましくは3μm以下のものである。
【0012】また同じく(B) 成分として用いられるマグ
ネシウム・アルミニウム含有無機化合物とは、前記一般
式(II)で示される金属酸化物であり、上記ハイドロタ
ルサイト類を焼成することにより得られるものである。
(B) 成分の金属化合物は、臭素化合物を含む難燃剤の分
解主成物を有効に補促するものと思われ、(B) 成分の添
加により、臭素系難燃剤含有ポリアミド樹脂組成物の成
形時のガス発生、発泡、着色は著しく低減される。(B)
成分の金属化合物の添加量は、(A) 成分のポリアミド樹
脂組成物100重量部に対して0.01〜10重量部、
好ましくは0.05〜8重量部である。添加量が0.0
1重量部に満たない場合は耐熱性向上効果が不足するの
で好ましくなく、添加量が10重量部を越えてもやはり
それ以上の向上効果はない。
【0013】本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定
されないが、ポリアミド樹脂、補強材、難燃剤、難燃助
剤および金属化合物の混合物を単軸または2軸の押出
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール
など通常公知の溶融混練機を用いて200〜350℃、
望ましくは260〜350℃の温度で溶融混練する方法
などを例として挙げることができ、特に押出機を用いて
溶融混練する方法が簡便で効率的である。また溶融混練
の順序も特に限定されず、上記の所定の5成分の混合物
を一括混練してもよく、あらかじめポリアミドと他の成
分のうちいくつかを溶融混練した後、残りの成分を混練
する方法を採ってもよい。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。なお実施例および比較例に記した諸特性は次
の方法により評価した。 (1) 耐熱安定性:理学電気(株)製8095B1型加熱
重量分析装置を用い、昇温速度20℃/分の条件下で加
熱減量を測定し、10%減量となる温度を求め耐熱性の
目安とした。 (2) 引張特性:ASTM D638 (3) 曲げ特性:ASTM D790 (4) アイゾット衝撃強度:ASTM D256 (5) 燃焼性:長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ1/
8、1/16、1/32インチの試験片を成形し、米国
UNDER WRITERS LABORATORIE
Sで定められたUL−94の規格に従って測定した。
【0015】実施例1 1%硫酸相対粘度2.60のナイロン66/6T(70
/30重量%比)共重合体74重量部、フェロー社製臭
素化ポリスチレン(“パイロチェック”68PB)21
重量部、三酸化アンチモン5重量部およびMg4.2 Al
2 (OH)12.4CO2 なる組成でBET比表面積18m
2 /gなるハイドロタルサイト0.2重量部をヘンシェ
ルミキサーで混合し、この混合物を池貝(株)製PCM
30 2軸押出機のポッパーに供給し、シリンダー温度
300℃、スクリュー回転数200rpm の条件で溶融混
練し、ストランドを冷却後ペレタイザーでペレタイズし
た。ここで得られたペレットを100℃、真空下で24
時間乾燥した後、加熱重量分析により耐熱性を測定した
ところ、第1表に示すように高い分解温度を有してお
り、耐熱性の優れた樹脂組成物であることが判明した。
また乾燥ペレットを用いて、成形機シリンダー温度30
0℃、金型温度80℃の条件で射出成形を行ったとこ
ろ、ガス発生、発泡、着色などのトラブルなく表面外観
良好な各種試験片が得られた。試験片の諸特性は第1表
に示すとおりであり、難燃性と良好な機械物性を兼ね備
えた実用価値の高いものであった。
【0016】比較例1 (ハイドロタルサイトを添加し
ない例) 1%硫酸相対粘度2.90のナイロン66(表1ではN
−66と記載)74重量部、フェロー社製臭素化ポリス
チレン(“パイロチェック”68PB)21重量部、三
酸化アンチモン5重量部およびMg4.2 Al2 (OH)
12.4CO2 をヘンシェルミキサーで混合し、この混合物
を池貝(株)製PCM30 2軸押出機のポッパーに供
給し、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数20
0rpm の条件で溶融混練し、ストランドを冷却後ペレタ
イザーでペレタイズした。ここで得られたペレットを1
00℃、真空下で24時間乾燥した後、加熱重量分析に
より耐熱性を測定した。また乾燥ペレットを用いて、成
形機シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で
射出成形を行っい、さらに実施例1と同様の評価を行な
った。
【0017】このものは成形時にシリンダー先端からの
ガス発生、試験片の着色などが起こり、安定した成形が
できなかった。また諸物性は表1に示すとおり、分解温
度が低く耐熱性が不十分であり、機械特性の低下もあ
り、実用に耐えないものであった。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明のようにナイロン66/6Tを主
成分とするポリアミド、補強材、難燃材、難燃助剤から
なる臭素系難燃剤含有ポリアミド樹脂組成物に特定のハ
イドロタルサイト類またはマグネシウム・アルミニウム
化合物を添加することにより、成形時に難燃剤の部分的
分解に原因して発生するガス発生、発泡、着色などのト
ラブルを効果的に抑制し、耐熱性の良好な難燃性ポリア
ミド樹脂組成物を得ることが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71:12)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) (a) ヘキサメチレンアジパミド/ヘキ
    サメチレンテレフタルアミド共重合体を主成分とするポ
    リアミド樹脂30〜89重量%、(b) 繊維状無機質補強
    材0〜50重量%、(C) ハロゲン含有率50〜70重量
    %、重量平均分子量5,000以上のハロゲン化ポリス
    チレン10〜35重量%および(d) 酸化アンチモン、酸
    化スズ、酸化鉄、酸化亜鉛の中から選ばれた少なくとも
    1種の難燃助剤1〜10重量%よりなるポリアミド樹脂
    組成物100重量部に (B) 下記一般式で示されるハイドロタルサイト類および
    /またはマグネシウム・アルミニウム含有無機化合物
    0.01〜10重量部を添加してなることを特徴とする
    難燃性ポリアミド樹脂組成物。 Mg1 -xAlx (OH)2 (CO2 x/2 ・mH2 O (I) Mg1-y Aly 1+y/2 (II) (ここで0<x<0.4、0<y<0.5、mは0また
    は正の整数を表す。)
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