JPH0853583A - ポリオレフィン用樹脂組成物 - Google Patents
ポリオレフィン用樹脂組成物Info
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- JPH0853583A JPH0853583A JP19061194A JP19061194A JPH0853583A JP H0853583 A JPH0853583 A JP H0853583A JP 19061194 A JP19061194 A JP 19061194A JP 19061194 A JP19061194 A JP 19061194A JP H0853583 A JPH0853583 A JP H0853583A
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Abstract
どの物性の改良効果を同時に発現しうるポリオレフィン
用樹脂組成物を提供すること。 【構成】 ポリオレフィン(a)およびコア−シェルグ
ラフト共重合体(b)から選ばれた少なくとも1種のベ
ースポリマー100重量部に対してポリテトラフルオロ
エチレン(c)0.1〜50重量部を配合してなり、該
ポリテトラフルオロエチレン(c)が繊維化されてなる
ポリオレフィン用樹脂組成物。
Description
組成物に関する。さらに詳しくは、表面性、耐衝撃性、
剛性などの物性の改良効果のみならず、溶融特性をいち
じるしく改良し、いちじるしい加工性の改良効果をも発
現しうるポリオレフィン用樹脂組成物に関する。
特性にすぐれていることから、各種成形体などに広く利
用されている。
は、溶融時の粘度および張力が小さいため、シートへの
真空成形性(以下、熱成形性という)、カレンダー成形
性、ブロー成形性、発泡成形性などに劣り、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などと比較して剛性が
小さく、また低温での耐衝撃性が小さく、表面性(表面
光沢)、硬度、塗布性などに劣るなどといった加工性の
面で欠点がある。
良する目的で、一般にポリエチレンなどが機械的に混合
されているが、加工性の改良効果が不充分であるため、
多量のポリエチレンが必要とされ、えられる混合物の剛
性が低下するという欠点がある。また、ポリオレフィン
の分子量を高くすることにより、その溶融時の粘度およ
び張力を改良する試みが行なわれているが、分子量が高
いポリオレフィンは、その重要な加工法の1つである押
出成形が困難であるという大きな問題がある。
重合体を添加し、その加工性を改良することが提案され
ているが(米国特許第4,156,703号明細書)、
両者の相溶性が不充分であり、またアクリル系重合体が
未架橋であるため、カレンダー成形時、押出成形時など
に、該アクリル系重合体がポリオレフィンから分離し、
カレンダーのロール面、押出機のダイス面などに付着し
(以下、このことをプレートアウトという)、かえって
加工性が低下するという問題がある。
とえば前記ポリプロピレンにポリエチレンなどを添加す
ることによる剛性の低下を阻止する目的で、ポリオレフ
ィンに無機充填剤などが添加されているが、両者の相溶
性が低く、無機充填剤の分散不良が起こり、たとえばシ
ートなどの成形体の表面性がいちじるしく低下するとい
う問題がある。
オレフィンに添加し、ブロー成形性を改良したり(特開
平3−183524号公報)、ポリテトラフルオロエチ
レンをポリプロピレンに添加して加工性を改良する(特
開平5−214184号公報)といった試みがなされて
いるが、いずれの試みにおいても、フッ素化オレフィン
ポリマーやポリテトラフルオロエチレンは単に配合され
るのみであり、ブロー成形などの加工性の改良効果は満
足しうるものではない。
にエチレン−プロピレンゴムなどのゴム成分を機械的混
合、ブロック共重合法などによってポリプロピレンに導
入することなどが行なわれている。しかしながら、ゴム
成分の機械的混合やブロック共重合法などによる導入
は、分散粒子径のコントロールが困難であるため、ゴム
成分の使用効率が低く、耐衝撃性の改良効果が不充分と
なり、またこのため多量のゴム成分が必要とされ、えら
れる混合物の剛性が低下するという欠点がある。さら
に、分散ゴム成分の粒子径が大きいことに起因して、表
面光沢が低下するという欠点もある。
耐衝撃性の改良剤として広く用いられているコア−シェ
ル型の変性剤は、あらかじめ設定した粒子径のゴム成分
(コア層)を効率よく分散させることができ、剛性の低
下をおさえて耐衝撃性を改良することができるものであ
る。しかしながら、非極性であるポリオレフィンに対し
ては、該コア−シェル型の変性剤は、相溶性が小さく、
ほとんど使用することができないという問題がある。
剤の存在下で前記コア−シェル型の変性剤を添加するこ
とが提案されているが(特開平3−185037号公
報、米国特許第4,997,884号明細書)、前記相
溶化剤の合成工程が煩雑であり、該相溶化剤の使用によ
るコストアップや、系が複雑になるなどの問題がある。
剛性、表面性などの物性を同時に満足するポリオレフィ
ン系樹脂はいまだ提案されていないのが実状であり、ポ
リオレフィン系樹脂のかかる物性を同時に改良しうる樹
脂組成物の開発が待ち望まれている。
は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ポリ
オレフィンおよびコア−シェルグラフト共重合体の少な
くともいずれか一方にポリテトラフルオロエチレンを特
定量配合し、該ポリテトラフルオロエチレンを繊維化さ
せたばあいには、シートなどの成形体への成形性(以
下、加工性という)、耐衝撃性、剛性、表面性などの物
性の改良効果にすぐれた樹脂組成物がえられることをよ
うやく見出し、本発明を完成するにいたった。
リオレフィン(a)およびコア−シェルグラフト共重合
体(b)から選ばれた少なくとも1種のベースポリマー
100重量部に対してポリテトラフルオロエチレン
(c)0.1〜50重量部を配合してなり、該ポリテト
ラフルオロエチレン(c)が繊維化されてなるポリオレ
フィン用樹脂組成物に関する。
成物は、前記したように、ポリオレフィン(a)および
コア−シェルグラフト共重合体(b)から選ばれた少な
くとも1種のベースポリマー100部(重量部、以下同
様)に対してポリテトラフルオロエチレン(c)0.1
〜50部を配合してなり、該ポリテトラフルオロエチレ
ン(c)が繊維化されているものである。
としては、たとえばポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポ
リ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチ
レンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのラ
ンダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプ
ロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が10重
量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチ
レンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状
ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量
%以下のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエ
ステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルな
どのビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック
共重合体またはグラフト共重合体などがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。
(a)としては、プロピレンを50重量%以上含有する
単量体成分を重合してえられたプロピレン系ポリオレフ
ィン、および該プロピレン系ポリオレフィン100部に
対して、エチレンを50重量%以上含有する単量体成分
を重合してえられたエチレン系ポリオレフィン0.1〜
100部を混合したものが、入手しやすく、安価である
という点で好ましい。
としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンラン
ダム共重合体およびエチレン−プロピレンブロック共重
合体から選ばれた少なくとも1種が、入手しやすく、安
価であるという点で好ましく、また前記エチレン系ポリ
オレフィンとしては、低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれた少
なくとも1種が、入手しやすく、安価であるという点で
好ましい。
メルトフローインデックスが10g/10分以下、好ま
しくは5g/10分以下、さらに好ましくは3g/10
分以下のものが、溶融時の張力が大きく加工性にすぐれ
るなどの効果が充分に発現されることから望ましい。な
お、かかるメルトフローインデックスは、ASTMD1
238に準じて荷重2.16kgで測定されたもので、
たとえばプロピレン系ポリオレフィンでは230℃での
値であり、エチレン系ポリオレフィンでは190℃での
値である。
共重合体(b)は、耐衝撃性、加工性、表面性などの改
良効果をさらに付与せしめるものであり、たとえば、架
橋ゴム状重合体をコア層とし、ビニル系化合物からなる
硬質層をシェル層とするコア−シェル型のグラフト共重
合体である。さらに、本明細書にいうコア−シェルグラ
フト共重合体(b)とは、たとえばコア層を形成する架
橋ゴム状重合体の存在下で硬質シェル成分をグラフト共
重合させたものを含む概念のものである。
としては、架橋ゴム状重合体(b−1)に共重合可能な
ビニル系化合物からなる単量体成分(b−2)(以下、
単量体成分(b−2)という)をグラフト共重合させる
ことによってえられたものを好ましく用いることができ
る。
(b−1)としては、ガラス転移温度が25℃以下のも
のが好ましい。かかる架橋ゴム状重合体(b−1)のガ
ラス転移温度が25℃をこえるばあいには、えられるコ
ア−シェルグラフト共重合体(b)によって発現される
加工性、耐衝撃性などの改良効果が低下するようになる
傾向がある。
それのみで重合せしめたときのガラス転移温度が25℃
以上のものが好ましい。かかる単量体成分(b−2)を
それのみで重合せしめたときのガラス転移温度が25℃
未満であるばあいには、コア−シェルグラフト共重合体
(b)が塊状化するようになる傾向がある。
法は、たとえばポリマーハンドブック(INTERSC
IENCE PUBLISHERS、第2版、197
5)などに記載されており、本発明においては、重合体
のガラス転移温度として、以下の式にもとづいて求めら
れた値が採用される。
移温度(℃) Tga:成分aのガラス転移温度(℃) Tgb:成分bのガラス転移温度(℃) Wa:成分aの重量分率 Wb:成分bの重量分率 前記架橋ゴム状重合体(b−1)としては、たとえばジ
エン系ゴム、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴム、シリ
コーンゴムなどを単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。
えばジエン系化合物60〜100重量%および該ジエン
系化合物と共重合可能な他のビニル化合物0〜40重量
%からなるジエン系ゴムなどがあげられる。
合物としては、たとえばブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができるが、これらのなかで
は、えられるコア−シェルグラフと共重合体が呈する加
工性および耐衝撃性の改良効果がすぐれるという点から
ブタジエンが好ましい。
のビニル化合物としては、たとえばスチレン、α−メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ルなどのたとえばアルキル基の炭素数が1〜22である
メタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのたとえばアル
キル基の炭素数が1〜22であるアクリル酸アルキルエ
ステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
不飽和ニトリル化合物;無水マレイン酸、メタクリル
酸、アクリル酸、メタクリルアミド、アクリルアミド、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレートなどの酸無水物基、カルボ
キシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基など
の反応性官能基を有するビニル化合物などがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。
化合物および該ジエン系化合物と共重合可能な他のビニ
ル化合物の配合量は、ジエン系化合物60〜100重量
%および他のビニル化合物0〜40重量%、なかんづく
ジエン系化合物70〜100重量%および他のビニル化
合物0〜30重量%であることが好ましく、かかるジエ
ン系化合物の配合量が前記下限値未満、すなわち他のビ
ニル化合物の配合量が前記上限値をこえるばあいには、
えられるコア−シェルグラフト共重合体(b)が呈する
加工性、耐衝撃性および表面性の改良効果が低下する傾
向がある。
とえばアルキル基の炭素数が2〜22であるアクリル酸
アルキルエステル60〜100重量%および該アクリル
酸アルキルエステルと共重合可能な他のビニル化合物0
〜40重量%からなるアクリル系ゴムなどがあげられ
る。
基の炭素数が2〜22であるアクリル酸アルキルエステ
ルとしては、たとえばアクリル酸エチル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができるが、これらのなかでは、え
られるコア−シェルグラフト共重合体(b)が呈する加
工性および耐衝撃性の改良効果がすぐれ、安価であると
いう点からアクリル酸n−ブチルが好ましい。
重合可能な他のビニル化合物としては、たとえば前記ジ
エン系化合物と共重合可能な他のビニル化合物として例
示された芳香族ビニル化合物;たとえばアルキル基の炭
素数が1〜22であるメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸メチル;不飽和ニトリル化合物;酸無水物
基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポ
キシ基などの反応性官能基を有するビニル化合物などが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
ル基の炭素数が2〜22であるアクリル酸アルキルエス
テルおよび該アクリル酸アルキルエステルと共重合可能
な他のビニル化合物の配合量は、アクリル酸アルキルエ
ステル60〜100重量%および他のビニル化合物0〜
40重量%、なかんづくアクリル酸アルキルエステル6
5〜100重量%および他のビニル化合物0〜35重量
%であることが好ましく、かかるアクリル酸アルキルエ
ステルの配合量が前記下限値未満、すなわち他のビニル
化合物の配合量が前記上限値をこえるばあいには、えら
れるコア−シェルグラフト共重合体(b)が呈する加工
性および耐衝撃性の改良効果が低下する傾向がある。
とえばエチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム
などがあげられ、また前記シリコーンゴムとしては、た
とえばポリジメチルシロキサンゴムなどがあげられる。
フィン系ゴム、シリコーンゴムなどのゴム状重合体を架
橋させることによって架橋ゴム状重合体(b−1)をう
ることができる。
とえばブタジエンによる自己架橋の方法、ジビニルベン
ゼン、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどの
多官能性架橋剤を用いる方法、メタクリル酸アリル、ア
クリル酸アリル、フタル酸ジアリルなどのグラフト化剤
を用いる方法、過酸化物を用いる方法などの通常の方法
のなかから、用いるゴム状重合体の種類に応じて適宜選
択して採用することができる。なお、アクリル系ゴムの
ばあいには、多官能性架橋剤とグラフト化剤とを併用す
る方法またはグラフト化剤を用いる方法を採用すること
が、架橋すると同時にグラフト共重合させる際にグラフ
ト活性点が生じるという点で好ましい。
架橋ゲル分が50重量%以上、なかんづく60重量%以
上となるように調整されることが好ましい。かかる架橋
ゲル分が前記下限値未満であるばあいには、えられるポ
リオレフィン用樹脂組成物を、たとえば後述する非極性
ポリオレフィンに配合し、えられるポリオレフィン系樹
脂組成物を用いてたとえばカレンダー成形などを行なっ
たときに、ロール面にかかるポリオレフィン系樹脂組成
物がプレートアウトし、加工性の改良効果が充分に発現
されなくなる傾向がある。
エン、メチルエチルケトンなどのゴム成分の良溶媒に架
橋ゴム状重合体を48時間浸漬させたのち、超遠心分離
機にて分離される不溶分の割合を示す。
えば前記架橋ゴム状重合体(b−1)においてジエン系
化合物と共重合可能な他のビニル化合物として例示され
た、芳香族ビニル化合物;たとえばアルキル基の炭素数
が1〜22であるメタクリル酸アルキルエステル;たと
えばアルキル基の炭素数が1〜22であるアクリル酸ア
ルキルエステル;不飽和ニトリル化合物;酸無水物基、
カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ
基などの反応性官能基を有するビニル化合物などがあげ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができる。
は、前記芳香族ビニル化合物および/またはメタクリル
酸アルキルエステル50〜100重量%ならびにこれら
と共重合可能なその他のビニル化合物0〜50重量%か
らなるものが、重合性の低下やコストアップが生じにく
いので好ましい。
るという点から、前記芳香族ビニル化合物としては、ス
チレンおよびα−メチルスチレンがとくに好ましく、メ
タクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭
素数が1〜4のものがとくに好ましい。
は、架橋ゴム状重合体(b−1)に単量体成分(b−
2)をグラフト共重合させることによってえられる。
量体成分(b−2)の配合割合は、架橋ゴム状重合体
(b−1)の配合量があまりにも少ないばあい、すなわ
ち単量体成分(b−2)の配合量があまりにも多いばあ
いには、えられるコア−シェルグラフト共重合体(b)
によって発現される加工性および耐衝撃性の改良効果が
低下するようになる傾向があるので、架橋ゴム状重合体
(b−1)が40重量%以上、すなわち単量体成分(b
−2)が60重量%以下となるように調整することが好
ましく、また架橋ゴム状重合体(b−1)の配合量があ
まりにも多いばあい、すなわち単量体成分(b−2)の
配合量があまりにも少ないばあいには、コア−シェルグ
ラフト共重合体(b)が塊状化するようになる傾向があ
るので、架橋ゴム状重合体(b−1)が95重量%以
下、なかんづく90重量%以下、すなわち単量体成分
(b−2)が5重量%以上、なかんづく10重量%以上
となるように調整することが好ましい。
は、通常のラジカル重合によって重合させてうることが
でき、たとえば懸濁重合法、乳化重合法などの重合法を
採用することができるが、これらのなかでは、粒子径、
粒子構造などのコントロールが容易であるという点か
ら、乳化重合法が好ましい。
重合体(b)の平均粒子径は、3μm以下、なかんづく
2.5μm以下であることが、えられるポリオレフィン
用樹脂組成物が呈する表面性を向上させるうえで好まし
い。なお、本発明においては、重合時に、酸、塩、凝集
剤などを添加することにより、えられるコア−シェルグ
ラフト共重合体(b)の粒子を肥大化させ、たとえば後
述するような比較的大い粒子径を有する粉末などにする
ことができる。
記ポリオレフィン(a)およびコア−シェルグラフト共
重合体(b)から選ばれた少なくとも1種である。これ
らポリオレフィン(a)およびコア−シェルグラフト共
重合体(b)は、それぞれ単独で用いてもよく、両者を
併用してもよく、また両者を併用するばあいの混合割合
は、とくに限定がない。
テトラフルオロエチレン(c)を剪断力によって充分に
繊維化せしめ、えられるポリオレフィン用樹脂組成物を
用いたポリオレフィンから形成された成形体の表面性
が、ポリテトラフルオロエチレン(c)の塊状物によっ
て悪化するおそれが生じるのを防ぎ、ポリオレフィン用
樹脂組成物が呈する加工性の改良効果をより大きくする
ためには、前記ベースポリマーとして、平均粒子径が
0.1μm以上、また800μm以下、好ましくは75
0μm以下の粉末および粒子径が0.1〜10mmのペ
レットの少なくとも1種を用いることが好ましい。
ン(a)を用いるばあいには、その全量が前記平均粒子
径を有する粉末であってもよく、一部がかかる粉末であ
ってもよいが、たとえば前記ポリテトラフルオロエチレ
ン(c)の繊維化によるポリオレフィン用樹脂組成物が
呈する加工性の改良効果がさらに大きくなるという点か
ら、ポリオレフィン(a)全量の5重量%以上、好まし
くは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上
が前記平均粒子径を有する粉末であることが望ましい。
また、ベースポリマーとしてのポリオレフィン(a)の
うち、一部が前記平均粒子径を有する粉末であるばあ
い、その残部としては、たとえば前記粒子径を有するペ
レットなどがあげられる。
チレン(c)は、たとえば乳化重合などによってえられ
た乳化分散体を凝集させてえられるパウダーなどの、ポ
リオレフィン用樹脂組成物をうる際に加えられる剪断力
などによって繊維化するポリテトラフルオロエチレンで
あればよい。このように、ポリテトラフルオロエチレン
がポリオレフィン用樹脂組成物中で繊維化されているの
で、かかるポリオレフィン用樹脂組成物をたとえば後述
する非極性ポリマーなどに混合することによって、えら
れるポリオレフィン系樹脂組成物が呈する加工性の改良
効果がさらに大きくなる。
リテトラフルオロエチレンの代表例としては、たとえば
ポリフロンTFE−F103、ポリフロンTFE−F1
04(以上、ダイキン工業(株)製)や、テフロンTF
E−6J、テフロン6C−J(以上、三井・デュポンフ
ロロケミカル(株)製)などがあげられる。
ポリテトラフルオロエチレンの繊維径は、あまりにも大
きいばあいには、前記加工性の改良効果が充分に発現さ
れにくくなる傾向があるので、10μm以下、好ましく
は5μm以下、さらに好ましくは2μm以下であること
が望ましい。なお、かかる繊維化したポリテトラフルオ
ロエチレンの繊維径は、あまりにも小さいばあいであっ
ても、やはり前記加工性の改良効果が充分に発現されに
くくなる傾向があるので、通常0.001μm程度以
上、なかんづく0.01μm程度以上であることが好ま
しい。さらに、これらのポリテトラフルオロエチレンの
繊維長には、とくに限定がない。
前記ポリオレフィン(a)およびコア−シェルグラフト
共重合体(b)から選ばれた少なくとも1種のベースポ
リマーにポリテトラフルオロエチレン(c)を配合して
えられる。
エチレン(c)との配合割合は、かかるポリテトラフル
オロエチレン(c)の配合量があまりにも少ないばあい
には、ポリオレフィン用樹脂組成物が発現する加工性の
改良効果が充分でなくなるので、ベースポリマー100
部に対して0.1部以上、好ましくは0.5部以上、さ
らに好ましくは1部以上となるように調整し、またポリ
テトラフルオロエチレン(c)の配合量があまりにも多
いばあいには、低コスト化が困難となって汎用性が低下
するほか、かかるポリテトラフルオロエチレン(c)の
繊維が凝集体を生成するようになるので、ベースポリマ
ー100部に対して50部以下、好ましくは30部以
下、さらに好ましくは20部以下となるように調整す
る。
るには、前記ベースポリマーおよびポリテトラフルオロ
エチレン(c)をたとえば高剪断力下で混合し、該ポリ
テトラフルオロエチレン(c)が充分に繊維化されるよ
うにすればよく、ベースポリマーおよびポリテトラフル
オロエチレン(c)を、たとえばヘンシェルミキサーな
どの撹拌機を用いて撹拌混合するか、たとえば単軸押出
機、二軸押出機やロールなどを用いて溶融混練するなど
の方法を採用することができる。
ン(a)とコア−シェルグラフト共重合体(b)とを併
用するばあいに、該コア−シェルグラフト共重合体
(b)、ポリテトラフルオロエチレン(c)およびポリ
オレフィン(a)の一部をたとえばヘンシェルミキサー
にて撹拌混合したのち、えられた混合物に残りのポリオ
レフィン(a)を加え、溶融混練するなどしてもよい。
用いるばあいには、各成分を常温にて撹拌混合してもよ
く、ベースポリマーおよびポリテトラフルオロエチレン
(c)が劣化、変質しない程度に加熱してもよい。
前記のようにして製造されるが、該ポリオレフィン用樹
脂組成物には、ポリオレフィン用樹脂組成物が発現する
たとえば表面性などの改良効果をより大きくするため
に、必要に応じて、たとえば安定剤、滑剤、造核剤など
の添加剤を添加することができ、これら添加剤は、たと
えば前記撹拌時や溶融混練時に他の成分とともに添加し
てもよく、その添加時期はとくに限定されるものではな
い。
ンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]などのフェノール系安定剤、トリス(モノノ
ニルフェニル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系安定
剤、ジラウリルチオジプロピオネートなどのイオウ系安
定剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。またかかる安定剤の配合
量は、ベースポリマー100部に対して通常0.01〜
3部程度、なかんづく0.05〜2部程度であることが
好ましい。
リル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸など
の飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、
マグネシウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。またかかる滑
剤の配合量は、ベースポリマー100部に対して通常
0.1〜3部程度、なかんづく0.1〜2部程度である
ことが好ましい。
ジウムベンゾエート、ビスベンジリデンソルビトール、
ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス
(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ソジウム−
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、タルク、酸化チタン、アルミニウム
ヒドロキシ−ジ−p−t−ブチルベンゾエートなどがあ
げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用い
ることができる。またかかる造核剤の配合量は、ポリオ
レフィン用樹脂組成物100部に対して通常0.01〜
10部程度、なかんづく0.1〜5部程度であることが
好ましい。なお、かかる造核剤は、その配合量がポリオ
レフィン用樹脂組成物100部に対して0.01〜10
部程度、なかんづく0.1〜5部程度となるように、前
記ベースポリマーに含有させることができる。
脂組成物は、加工性、耐衝撃性、剛性、表面性などの物
性の改良効果にすぐれたものであるので、該ポリオレフ
ィン用樹脂組成物を、たとえば非極性ポリオレフィンな
どに配合したばあいには、前記物性にすぐれたポリオレ
フィン系樹脂組成物をうることができる。
ポリオレフィン(A)という)は、えられるポリオレフ
ィン系樹脂組成物において基材樹脂として作用する成分
である。なお、かかる非極性ポリオレフィン(A)と
は、一般に極性を呈するポリマーとの相溶性が小さいポ
リオレフィンをいう。
は、たとえばポリプロピレン、高密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリ−1
−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンお
よび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム
共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレ
ンとのあらゆる比率においてジエン成分が10重量%以
下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、
ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンお
よび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオ
レフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下
のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニルなどの
ビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重
合体またはグラフト共重合体などがあげられ、これらは
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
フィン(A)としては、プロピレンを50重量%以上含
有する単量体成分を重合してえられたプロピレン系ポリ
オレフィン、および該プロピレン系ポリオレフィン10
0部に対して、エチレンを50重量%以上含有する単量
体成分を重合してえられたエチレン系ポリオレフィン
0.1〜100部を混合したものが、入手しやすく、安
価であるという点で好ましい。
としては、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンラン
ダム共重合体およびエチレン−プロピレンブロック共重
合体から選ばれた少なくとも1種が、入手しやすく、安
価であるという点で好ましく、また前記エチレン系ポリ
オレフィンとしては、低密度ポリエチレン、線状低密度
ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンから選ばれた少
なくとも1種が、入手しやすく、安価であるという点で
好ましい。
は、メルトフローインデックスが10g/10分以下、
好ましくは5g/10分以下、さらに好ましくは2.5
g/10分以下のものが、溶融時の張力が大きく加工性
にすぐれるなどの効果が充分に発現されることから望ま
しい。なお、かかるメルトフローインデックスは、AS
TM D1238に準じて荷重2.16kgで測定され
たもので、たとえばプロピレン系ポリオレフィンでは2
30℃での値であり、エチレン系ポリオレフィンでは1
90℃での値である。
レフィン用樹脂組成物(以下、ポリオレフィン用樹脂組
成物(B)という)との配合割合は、かかるポリオレフ
ィン用樹脂組成物(B)の配合量があまりにも少ないば
あいには、えられるポリオレフィン系樹脂組成物に付与
される加工性の改良効果が不充分となるので、非極性ポ
リオレフィン(A)100部に対して0.01部以上、
好ましくは0.05部以上となるように調整することが
望ましく、またポリオレフィン用樹脂組成物(B)の配
合量があまりにも多いばあいには、低コスト化が困難と
なって汎用性が低下するので、非極性ポリオレフィン
(A)100部に対して20部以下、好ましくは10部
以下、さらに好ましくは6部以下となるように調整する
ことが望ましい。
ぞれ配合量を調整した非極性ポリオレフィン(A)およ
びポリオレフィン用樹脂組成物(B)を混合してえられ
るものであるが、これらのほかにも、たとえば無機充填
剤(C)を配合することができる。
レフィン系樹脂組成物の剛性、耐熱性、塗装性、印刷性
などを向上せしめ、カレンダー成形時などにおけるロー
ル面への粘着を防止して加工性を改良し、さらに低コス
ト化を実現させる作用を有するものである。かかる無機
充填剤(C)の代表例としては、たとえば重質炭酸カル
シウム、軽質炭酸カルシウムなどの炭酸カルシウム、タ
ルク、ガラス繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリ
ン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタンホワイト、
ホワイトカーボン、カーボンブラック、水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、溶融シリカなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができるが、これらのなかでは、入手しやすいという
点から重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどの
炭酸カルシウムおよびタルクが好ましい。また前記無機
充填剤(C)の平均粒子径は、約10μm以下、なかん
づく約5μm以下であることが、えられるポリオレフィ
ン系樹脂組成物の表面性を向上させるうえで好ましい。
にも少ないばあいには、該無機充填剤(C)によって発
現される剛性などの改良効果が不充分となる傾向がある
ので、前記非極性ポリオレフィン(A)100部に対し
て0.1部以上、好ましくは1部以上であることが望ま
しく、またあまりにも多いばあいには、えられるポリオ
レフィン系樹脂組成物の表面性が低下するようになる傾
向があるので、非極性ポリオレフィン(A)100部に
対して400部以下、好ましくは350部以下、さらに
好ましくは300部以下であることが望ましい。
る方法には、とくに限定がなく、たとえば押出混合法、
ロール混合法などの通常方法によって前記非極性ポリオ
レフォン(A)、ポリオレフィン用樹脂組成物(B)、
無機充填剤(C)などを混合してポリオレフィン系樹脂
組成物とすることができる。
物(B)は、前記したように、ポリテトラフルオロエチ
レン(c)がベースポリマーに配合され、繊維化された
ものであるので、かかるポリテトラフルオロエチレン
(c)のブロッキングが改善され、該ポリオレフィン用
樹脂組成物(B)と非極性ポリオレフィン(A)との混
合が容易になる。
とく製造されるが、該ポリオレフィン系樹脂組成物に
は、必要に応じて、さらにたとえば安定剤、滑剤、造核
剤などの添加剤を添加することができる。
レフィン用樹脂組成物(B)に配合しうるものとして例
示された化合物などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。またかかる安
定剤の配合量は、非極性ポリオレフィン(A)100部
に対して通常0.01〜3部程度、なかんづく0.05
〜2部程度であることが好ましい。
フィン用樹脂組成物(B)に配合しうるものとして例示
された化合物などがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。またかかる滑剤
の配合量は、非極性ポリオレフィン(A)100部に対
して通常0.1〜3部程度、なかんづく0.1〜2部程
度であることが好ましい。
レフィン用樹脂組成物(B)に配合しうるものとして例
示された化合物などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。またかかる造
核剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂組成物100部
に対して0.01〜2部程度、なかんづく0.05〜
1.5部程度であることが好ましい。
オレフィン系樹脂組成物100部に対して0.01〜2
部程度、なかんづく0.05〜1.5部程度となるよう
に、前記ポリオレフィン用樹脂組成物(B)をうる際の
ポリオレフィン(a)および/または該ポリオレフィン
用樹脂組成物(B)に含有させることができる。
に改良されたすぐれた加工性、耐衝撃性、剛性、表面性
などを呈するものであるので、かかるポリオレフィン系
樹脂組成物から、従来のポリオレフィン系樹脂組成物を
用いたばあいには困難であった成形方法も含めて、種々
の成形方法によって有用な成形体を製造することができ
る。
れる成形方法としては、たとえばカレンダー成形法、押
出成形法、熱成形法、射出成形法、ブロー成形法、発泡
成形法などがあげられる。
レンダー成形または押出成形することにより、フィルム
ないしシート状成形体をうることができる。さらに該フ
ィルムないしシート状成形体に、用いたポリオレフィン
系樹脂組成物に適した温度で熱成形を施すことによっ
て、熱成形体をうることができる。また、たとえば前記
ポリオレフィン系樹脂組成物に押出加工を施してえられ
たペレットを射出成形またはブロー成形することによっ
て、それぞれ射出成形体または中空成形体をうることが
できる。さらに、ポリオレフィン系樹脂組成物に発泡剤
を添加し、たとえば押出機などを用いて発泡成形するこ
とによって、発泡体をうることができる。
性ポリオレフィン(A)と本発明のポリオレフィン用樹
脂組成物(B)とが混合されたものであるので、非極性
ポリオレフィン(A)中でポリテトラフルオロエチレン
(c)が均一に分散され、えられる成形体の外観が改良
される。また、溶融時の張力が増大し、カレンダー成形
時のシートの引き取り性、熱成形時、ブロー成形時の溶
融樹脂のドローダウン、押出発泡成形時のセルの連続気
泡化などが改良され、カレンダー成形、熱成形、ブロー
成形、発泡成形などの加工性が改良される。また、押出
成形時の吐出量、シート、フィルムなどの押出成形体の
表面状態が改良され、押出成形時の加工性が改良され
る。
成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
た。えられた架橋ポリブタジエンゴムの平均粒子径は
0.25μm、架橋ゲル分は85重量%であった。
(ガラス転移温度:−80℃)75部(固形分)に、メ
タクリル酸メチル(ホモポリマーとしたときのガラス転
移温度:105℃)15部およびスチレン(ホモポリマ
ーとしたときのガラス転移温度:100℃)10部から
なる単量体成分25部を添加し、乳化重合によってグラ
フト共重合を行ない、コア−シェルグラフト共重合体
(以下、共重合体(b)−1という)をえた。最終転化
率は98%で、共重合体(b)−1の平均粒子径は0.
26μmであった。
折して脱水および乾燥し、平均粒子径が220μmの共
重合体(b)−1の粉末をえた。
ル1部からなる単量体成分を乳化重合させて架橋アクリ
ル系ゴムをえた。なお、メタクリル酸アリルは架橋剤お
よびグラフト化剤として用いた。えられた架橋アクリル
系ゴムの平均粒子径は0.2μm、架橋ゲル分は85重
量%であった。
ス転移温度:約−54℃)70部(固形分)に、メタク
リル酸メチル(ホモポリマーとしたときのガラス転移温
度:105℃)25部およびメタクリル酸n−ブチル
(ホモポリマーとしたときのガラス転移温度:20℃)
5部からなる単量体成分(該単量体成分のみでポリマー
としたときのガラス転移温度:約88℃)30部を添加
し、乳化重合によってグラフト共重合を行ない、コア−
シェルグラフト共重合体(以下、共重合体(b)−2と
いう)をえた。最終転化率は98%で、共重合体(b)
−2の平均粒子径は0.22μmであった。
折して脱水および乾燥し、平均粒子径が180μmの共
重合体(b)−2の粉末をえた。
ス:0.5g/10分、平均粒子径(粉末):250μ
m、以下、PP−1という)100部に、ポリテトラフ
ルオロエチレン(ポリフロンTFE−F104、ダイキ
ン工業(株)製、以下、PTFEという)2部を配合
し、ヘンシェルミキサーを用いて室温で5分間にわたっ
て高速撹拌し、ポリオレフィン用樹脂組成物(B)−1
をえた。
たほかは実施例1と同様にしてポリオレフィン用樹脂組
成物(B)−2をえた。
(b)−1を用いたほかは実施例1と同様にしてポリオ
レフィン用樹脂組成物(B)−3をえた。
0部および共重合体(b)−1 50部に変更したほか
は実施例2と同様にしてポリオレフィン用樹脂組成物
(B)−4をえた。
例4と同様にしてポリオレフィン用樹脂組成物(B´)
−1をえた。
ス:0.5g/10分、粒子径(ペレット):約3m
m、以下、PP−2という)50部、共重合体(b)−
2 50部およびPTFE1部をハンドブレンドしたの
ち、二軸押出機(スクリュー径:44mm、L/D:3
0)を用いて200℃、100rpmで押出混練し、ポ
リオレフィン用樹脂組成物(B)−5をえた。
(b)−2 50部をPP−1 100部に、PTFE
の配合量を2部にそれぞれ変更したほかは実施例5と同
様にしてポリオレフィン用樹脂組成物(B)−6をえ
た。
ミキサーを用いて室温で5分間にわたって高速撹拌し、
混合物をえた。えられた混合物とPP−2 88部とを
ハンドブレンドしたのち、実施例5で用いたものと同じ
二軸押出機にて200℃、100rpmで押出混練し、
ポリオレフィン用樹脂組成物(B)−7をえた。
かは実施例7と同様にしてポリオレフィン用樹脂組成物
(B)−8〜(B)−12およびポリオレフィン用樹脂
組成物(B´)−2〜(B´)−4をえた。
メルトフローインテックスが3.0g/10分、平均粒
子径が700μmのポリプロピレン粉末を表わす。
(B)−1 5部を混合し、単軸押出機(スクリュー
径:40mm、L/D:28)を用いて200℃、50
rpmで押出混練し、ペレット化した。
ャピログラフ(東洋精機(株)製)を用い、直径2mm
×長さ10mmのダイスで、200℃、押出スピード2
0mm/分、引き取りスピード1m/分で測定した。そ
の結果を表2に示す。
1238に準じて230℃におけるメルトフローインデ
ックスを測定した。その結果を表2に示す。
ール混練してロールシートを作製し、プレス成形して以
下に示す各ASTM試験に準じた試験片をえた。
6およびASTM−D790に準じてアイゾット耐衝撃
性試験および曲げ弾性試験を行なった。その結果を表2
に示す。
0mm×100mm、厚さ1.5mmのシートを成形
し、シートの開口部が76mm×76mmとなるように
クランプで該シートを固定し、190℃のオーブン中で
30分間のシートのドローダウン(mm)を測定した。
その結果を表2に示す。
00mm×100mm、厚さ1.5mmのシートを成形
し、その表面状態(外観)を目視にて観察し、以下の評
価基準に基づいて評価した。その結果を表2に示す。
れない。 B:凝集物がほんのわずかに認められるが、ほぼ均質で
ある。 C:不均質であり、凝集物が多く認められる。
に変更したほかは実施例13と同様にしてペレット化
し、該ペレットを用いてロールシート、試験片およびシ
ートを作製した。
各物性を実施例13と同様にして調べた。その結果を表
2および表3に示す。
90℃でのメルトフローインデックスが0.25g/1
0分の低密度ポリエチレンを表わす。
例13〜28のように、非極性ポリオレフィン(A)
に、ポリオレフィン(a)および/またはコア−シェル
グラフト共重合体(b)にポリテトラフルオロエチレン
(c)が配合され、かかるポリテトラフルオロエチレン
(c)が繊維化された本発明のポリオレフィン用樹脂組
成物(B)を混合したものは、比較例5〜11のものと
比べて、溶融張力が高められており、熱成形、ブロー成
形などの指標であるドローダウンがきわめて小さく、加
工性がいちじるしく改良されたものであると同時に、表
面状態も良好であり、成形体(シート)の外観も改良さ
れたものであることがわかる。
(B)中のポリテトラフルオロエチレン(c)の存在形
態を、実施例16でえられたロールシートから切り出し
た超薄切片を四酸化ルテニウムにて染色し、これを透過
型電子顕微鏡にて観察して調べた。その結果、PTFE
が直径0.05〜0.3μm程度、長さ5〜20μm程
度の繊維状となっていることがわかった。
表面処理を施した軽質炭酸カルシウム(平均粒子径:
0.15μm)を用い、非極性ポリオレフィン(A)1
00部に対して50部となるように配合し、組成を表4
に示すように変更したほかは実施例13と同様にしてペ
レット化し、該ペレットを用いてロールシート、試験片
およびシートを作製した。
各物性を実施例13と同様にして調べた。その結果を表
4に示す。
3のように、さらに無機充填剤(C)を配合したばあい
には、とくに熱成形、ブロー成形などの指標であるドロ
ーダウンがきわめて小さく、加工性がいちじるしく改良
されることはもちろんのこと、耐衝撃性や成形体(シー
ト)の外観もさらに改良されることがわかる。
は、すぐれた加工性、耐衝撃性、剛性、表面性などの物
性の改良効果を同時に発現しうるものであるので、該ポ
リオレフィン用樹脂組成物をポリオレフィンに配合して
えられるポリオレフィン系樹脂組成物から、種々の成形
方法によって有用な成形体を製造することができるとい
う効果が奏される。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリオレフィン(a)およびコア−シェ
ルグラフト共重合体(b)から選ばれた少なくとも1種
のベースポリマー100重量部に対してポリテトラフル
オロエチレン(c)0.1〜50重量部を配合してな
り、該ポリテトラフルオロエチレン(c)が繊維化され
てなるポリオレフィン用樹脂組成物。 - 【請求項2】 ベースポリマーが平均粒子径が0.1〜
800μmの粉末および粒子径が0.1〜10mmのペ
レットの少なくとも1種である請求項1記載のポリオレ
フィン用樹脂組成物。 - 【請求項3】 繊維化されたポリテトラフルオロエチレ
ン(c)の繊維径が10μm以下である請求項1または
2記載のポリオレフィン用樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリオレフィン(a)がプロピレン50
重量%以上を含有する単量体成分を重合させてえられた
プロピレン系ポリオレフィンである請求項1、2または
3記載のポリオレフィン用樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリオレフィン(a)がプロピレン50
重量%以上を含有する単量体成分を重合させてえられた
プロピレン系ポリオレフィン100重量部に対して、エ
チレン50重量%以上を含有する単量体成分を重合させ
てえられたエチレン系ポリオレフィン0.1〜100重
量部を混合したものである請求項1、2または3記載の
ポリオレフィン用樹脂組成物。 - 【請求項6】 プロピレン系ポリオレフィンがポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体および
エチレン−プロピレンブロック共重合体から選ばれた少
なくとも1種である請求項4または5記載のポリオレフ
ィン用樹脂組成物。 - 【請求項7】 エチレン系ポリオレフィンが低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエ
チレンから選ばれた少なくとも1種である請求項5記載
のポリオレフィン用樹脂組成物。 - 【請求項8】 コア−シェルグラフト共重合体(b)が
ガラス転移温度が25℃以下の架橋ゴム状重合体(b−
1)40〜95重量%と、それのみで重合せしめたとき
のガラス転移温度が25℃以上の共重合可能なビニル系
化合物からなる単量体成分(b−2)5〜60重量%と
をグラフト共重合させてえられたものである請求項1、
2、3、4、5、6または7記載のポリオレフィン用樹
脂組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19061194A JP3563775B2 (ja) | 1994-08-12 | 1994-08-12 | ポリオレフィン用樹脂組成物 |
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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KR970074825A (ko) * | 1996-05-10 | 1997-12-10 | 고오사이 아끼오 | 열가소성 엘라스토머 분말 |
WO1999010431A1 (fr) * | 1997-08-22 | 1999-03-04 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Ameliorant de la tension de fusion de resines de polyolefines et son procede de preparation |
JP2002275300A (ja) * | 2001-03-16 | 2002-09-25 | Toray Ind Inc | ポリオレフィン系樹脂発泡成形品 |
JP2002275297A (ja) * | 2001-03-16 | 2002-09-25 | Toray Ind Inc | 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 |
KR100439816B1 (ko) * | 2001-01-31 | 2004-07-12 | 현대자동차주식회사 | 열가소성 수지 조성물 |
CN115109352A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-09-27 | 巢湖市金鸿电缆有限公司 | 一种抗撕裂电缆保护套及其制备方法 |
-
1994
- 1994-08-12 JP JP19061194A patent/JP3563775B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN115109352B (zh) * | 2022-07-01 | 2023-12-01 | 巢湖市金鸿电缆有限公司 | 一种抗撕裂电缆保护套及其制备方法 |
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