JP2002179851A - ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる成形体

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JP2002179851A
JP2002179851A JP2001294469A JP2001294469A JP2002179851A JP 2002179851 A JP2002179851 A JP 2002179851A JP 2001294469 A JP2001294469 A JP 2001294469A JP 2001294469 A JP2001294469 A JP 2001294469A JP 2002179851 A JP2002179851 A JP 2002179851A
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polyolefin
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graft copolymer
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Taizo Aoyama
泰三 青山
Kazuhiro Hara
和宏 原
Nagahiko Okimura
祥彦 沖村
Akinori Shu
明徳 周
Hiroki Kobayashi
広樹 小林
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた加工性、耐衝撃性、剛性および表面
性を同時に呈するポリオレフィン系樹脂組成物およびそ
れからなる成形体を提供すること。 【解決手段】 ポリオレフィン(A)100重量部に対
して、コア−シェルグラフト共重合体(B)0.5〜7
0重量部および無機充填剤(C)0〜400重量部をマ
スターバッチ法を除く方法で混合してなり、該コア−シ
ェルグラフト共重合体(B)がガラス転移温度が25℃
以下である架橋ゴム状重合体(a)70〜95重量部
に、それのみで重合せしめたときのガラス転移温度が2
5℃以上である共重合可能なビニル化合物からなる単量
体成分(b)5〜30重量部をグラフト共重合してえら
れたものである耐衝撃性の改良された成形体を与えるポ
リオレフィン系樹脂組成物およびそれからなる各種成形
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂組成物およびそれからなる成形体に関する。さらに
詳しくは、すぐれた加工性、耐衝撃性、剛性、表面性な
どを呈するポリオレフィン系樹脂組成物およびそれから
なる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィンは、安価で物理的
特性にすぐれていることから、各種成形体などに広く利
用されている。
【0003】しかしながら、たとえばポリプロピレンに
は、溶融時の粘度および張力が小さいため、シートへの
真空成形性(以下、熱成形性という)、カレンダー成形
性、ブロー成形性、発泡成形性など劣り、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などと比較して剛性お
よび低温での耐衝撃性が小さく、表面性(表面光沢)、
硬度、塗布性などに劣るなどといった加工性の面で欠点
がある。
【0004】そこで、前記ポリプロピレンの加工性を改
良する目的で、一般にポリエチレンなどが機械的に混合
されているが、加工性の改良効果が不充分であるため、
多量のポリエチレンが必要とされ、えられる混合物の剛
性が低下するという欠点がある。また、ポリオレフィン
の分子量を大きくすることにより、その溶融時の粘度お
よび張力を改良する試みが行なわれているが、分子量が
大きいポリオレフィンは、その重要な加工法の1つであ
る押出成形が困難であるという大きな問題がある。
【0005】また、ポリエチレンに未架橋のアクリル系
重合体を添加し、その加工性を改良することが提案され
ているが(米国特許第4156703号明細書)、両者
の相溶性が不充分であり、またアクリル系重合体が未架
橋であるため、カレンダー成形時、押出成形時などに、
該アクリル系重合体がポリオレフィンから分離し、カレ
ンダーのロール面、押出機のダイス面などに付着し(以
下、このことをプレートアウトという)、かえって加工
性が低下するという問題がある。
【0006】また、ポリオレフィン本来の低剛性、ポリ
エチレンなどの添加による剛性低下を改良する目的で、
無機充填剤などの添加が試みられているが、該無機充填
剤などはポリオレフィンとの相溶性に劣り、分散不良を
おこすことから、たとえば押出シートなどに用いたばあ
いには、その表面性がいちじるしく低下するといった欠
点がある。
【0007】さらに、耐衝撃性を改良する目的で、一般
にエチレン−プロピレンゴムなどのゴム成分の機械的混
合、ブロック共重合法などによる導入などが行なわれて
いる。しかしながら、ゴム成分の機械的混合やブロック
共重合法などによる導入は、分散粒子径のコントロール
が困難であるため、ゴム成分の使用効率が低く、耐衝撃
性の改良効果が不充分となり、またこのため多量のゴム
成分が必要とされ、えられる混合物の剛性が低下すると
いう欠点がある。さらに、分散ゴム成分の粒子径が大き
いことに起因して、表面光沢が低下するという欠点があ
る。
【0008】従来、ポリ塩化ビニル系樹脂などにおいて
耐衝撃性の改良剤として広く用いられているコア−シェ
ル型の変性剤は、あらかじめ設定した粒子径のゴム成分
(コア層)を効率よく分散させることができ、剛性の低
下をおさえて耐衝撃性を改良することができるものであ
る。しかしながら、非極性であるポリオレフィンに対し
ては、該コア−シェル型の変性剤は、相溶性が小さく、
ほとんど使用することができないという問題がある。
【0009】そこで、ポリオレフィンに、特定の相溶化
剤の存在下で前記コア−シェル型の変性剤を添加するこ
とが提案されているが(特開平3−185037号公
報、米国特許第4997884号明細書)、前記相溶化
剤の合成工程が煩雑であり、該相溶化剤の使用によるコ
ストアップや、系が複雑になるなどの問題がある。
【0010】このように、すぐれた加工性、耐衝撃性、
剛性、表面性などの物性を同時に満足するポリオレフィ
ン系樹脂はいまだ提案されていないのが実状であり、か
かる物性を同時に満足するポリオレフィン系樹脂の開発
が待ち望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ポリオレ
フィンに特定の架橋ゴム状重合体および単量体成分から
えられたコア−シェルグラフト共重合体、ならびに無機
充填剤を混合したばあいには、すぐれた前記物性を同時
に呈するポリオレフィン系樹脂組成物がえられることを
ようやく見出し、本発明を完成するにいたった。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
ポリオレフィン(A)100重量部に対して、コア−シ
ェルグラフト共重合体(B)0.5〜70重量部および
無機充填剤(C)0〜400重量部をマスターバッチ法
を除く方法で混合してなり、該コア−シェルグラフト共
重合体(B)がガラス転移温度が25℃以下である架橋
ゴム状重合体(a)70〜95重量部に、それのみで重
合せしめたときのガラス転移温度が25℃以上である共
重合可能なビニル化合物からなる単量体成分(b)5〜
30重量部をグラフト共重合してえられたものである耐
衝撃性の改良された成形体を与えるポリオレフィン系樹
脂組成物、および該ポリオレフィン系樹脂組成物から
なるフィルムないしシート状成形体、熱成形体、射出成
形体、中空成形体および発泡体に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物は、前記したように、ポリオレフィン(A)100
部(重量部、以下同様)に対して、コア−シェルグラフ
ト共重合体(B)0.5〜70部および無機充填剤
(C)0〜400部をマスターバッチ法を除く方法で混
合してなり、該コア−シェルグラフト共重合体(B)が
ガラス転移温度が25℃以下である架橋ゴム状重合体
(a)70〜95部に、それのみで重合せしめたときの
ガラス転移温度が25℃以上である共重合可能なビニル
化合物からなる単量体成分(b)5〜30部をグラフト
共重合してえられたものである。
【0014】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物がす
ぐれた加工性、耐衝撃性、剛性、表面性などの物性を同
時に呈する理由は、以下のように考えられる。
【0015】前記ポリオレフィン(A)にコア−シェル
グラフト共重合体(B)を混合することにより、ダイス
ウェルが減少し、とくに該ポリオレフィン(A)とコア
−シェルグラフト共重合体(B)との混合に際し、ポリ
オレフィン(A)の一部とコア−シェルグラフト共重合
体(B)とをあらかじめ混合してマスターバッチを調製
し、該マスターバッチと残りのポリオレフィン(A)お
よび無機充填剤(C)を混合することによって、さらに
ポリオレフィン(A)中でのコア−シェルグラフト共重
合体(B)の分散性が向上して溶融時の張力が増大し、
溶融樹脂のドローダウンが改良されることから、えられ
るポリオレフィン系樹脂組成物が呈する加工性、耐衝撃
性、表面性が向上するものと考えられる。
【0016】さらに、従来、相溶化剤が存在しなければ
ポリオレフィンと相溶しえなかったコア−シェル型のグ
ラフト共重合体が、本発明においては、相溶化剤がなく
てもポリオレフィンと相溶して該ポリオレフィンの加工
性および耐衝撃性の改良剤として作用し、さらに無機充
填剤の分散性をも向上せしめるのは、従来のコア−シェ
ル型のグラフト共重合体では、シェル層が混合されるマ
トリックス樹脂との相溶性を呈していたものが、本発明
においては、これとはまったく異なり、コア−シェルグ
ラフト共重合体(B)におけるコア層である特定のガラ
ス転移温度を有するゴム成分が、ポリオレフィン(A)
との相溶性を呈するものであることにもとづくものと考
えられる。
【0017】また、前記コア−シェルグラフト共重合体
(B)をポリオレフィン(A)に混合してえられた樹脂
組成物を加工するときに、該コア−シェルグラフト共重
合体(B)が、たとえばカレンダーロール面、押出機の
ダイス面などへプレートアウトしないのは、前記ゴム成
分の高温金属面へのべたつきがないためであり、これは
コア層であるガラス転移温度が25℃以下のゴム成分が
架橋体であるからのみならず、該架橋体にガラス転移温
度が25℃以上の硬質成分がシェル層としてグラフト共
重合されていることにもとづくものと考えられる。
【0018】本発明に用いられるポリオレフィン(A)
としては、たとえばポリプロピレン、高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポ
リ−1−ブタン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチ
レンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのラ
ンダムまたはブロック共重合体、エチレンとプロピレン
とのあらゆる比率においてジエン成分が10重量%以下
であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポ
リメチルペンテン、エチレンまたはプロピレンと50重
量%以下のたとえば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキル
エステル、アクリル酸アルキルエステル、芳香族ビニル
などのビニル化合物などとのランダム、ブロックまたは
グラフト共重合体などがあげられ、これらは単独でまた
は2種以上を混合して用いることができる。
【0019】なお、本発明においては、ポリオレフィン
(A)としては、プロピレンを50重量%以上含有した
単量体を重合したプロピレン系ポリオレフィンおよび該
プロピレン系ポリオレフィン100部に対してポリエチ
レン0〜100部を混合したものが、入手しやすく、安
価であるという点で好ましい。また該ポリオレフィン
(A)としては、230℃でのメルトフローインデック
スが4g/10分以下、なかんづく0.1〜3g/10
分のものが、コア−シェルグラフト共重合体(B)、無
機充填剤(C)などとの混練性、分散性がよく、溶融時
の張力が大きいなどの効果が充分に発現されることから
好ましい。
【0020】本発明において、コア−シェルグラフト共
重合体(B)は、前記ポリオレフィン(A)の耐衝撃
性、加工性などを改良するために用いられるものであ
り、ガラス転移温度が25℃以下である架橋ゴム状重合
体をコア層とし、それのみで重合せしめたときのガラス
転移温度が25℃以上であるビニル系化合物からなる硬
質層をシェル層とするコア−シェル型のグラフト共重合
体である。さらに、本明細書にいうコア−シェルグラフ
ト共重合体とは、コア層を形成する架橋ゴム状重合体の
存在下で硬質シェル成分をグラフト共重合したものを含
む概念のものである。
【0021】本発明に用いられるコア−シェルグラフト
共重合体(B)は、ガラス転移温度が25℃以下である
架橋ゴム状重合体(a)(以下、架橋ゴム状重合体
(a)という)に、それのみで重合せしめたときのガラ
ス転移温度が25℃以上である共重合可能なビニル化合
物からなる単量体成分(b)(以下、単量体成分(b)
という)をグラフト共重合することによってえられる。
【0022】本発明において、架橋ゴム状重合体(a)
のガラス転移温度は、前記したように、25℃以下であ
るが、かかるガラス転移温度が25℃をこえるばあいに
は、えられるコア−シェルグラフト共重合体(B)によ
って発現される加工性、耐衝撃性などの改良効果が低下
するようになる。また単量体成分(b)それのみで重合
せしめたときのガラス転移温度は、前記したように、2
5℃以上であるが、かかるガラス転移温度が25℃未満
であるばあいには、コア−シェルグラフト共重合体
(B)が塊状化するようになる。
【0023】なお、前記ガラス転移温度およびその測定
法は、たとえばポリマーハンドブック第2版(197
5)などに記載されており、本発明においては、重合体
のガラス転移温度として、以下の式にもとづいて求めら
れた値が採用される。
【0024】1/Tg=Wa/Tga+Wb/Tgb Tg:成分aおよび成分bからなる共重合体のガラス転
移温度(℃) Tga:成分aのガラス転移温度(℃) Tgb:成分bのガラス転移温度(℃) Wa:成分aの重量分率 Wb:成分bの重量分率 前記架橋ゴム状重合体(a)には、たとえばジエン系ゴ
ム、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴム、シリコーンゴ
ムなどが用いられるが、これらのなかでは、乳化重合に
供しやすく、粒子構造の設計が容易であり、また安価で
あるという点からジエン系ゴムおよびアクリル系ゴムが
好ましく、さらに熱安定性にすぐれるという点からアク
リル系ゴムがとくに好ましい。
【0025】前記ジエン系ゴムの代表例としては、たと
えばジエン系化合物60〜100重量%および該ジエン
系化合物と共重合可能な他のビニル化合物0〜40重量
%からなるジエン系ゴムなどがあげられる。
【0026】前記ジエン系ゴムに用いられるジエン系化
合物としては、たとえばブタジエン、イソプレン、クロ
ロプレンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができるが、これらのなかでは
えられるコア−シェルグラフト共重合体(B)のポリオ
レフィン(A)との相溶性ならびに加工性および耐衝撃
性の改良効果がすぐれ、安価であるという点からブタジ
エンが好ましい。
【0027】また前記ジエン系化合物と共重合可能な他
のビニル化合物としては、たとえばスチレン、α- メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ルなどのたとえばアルキル基の炭素数が1〜22である
メタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i
−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのたとえばアル
キル基の炭素数が1〜22であるアクリル酸アルキルエ
ステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
不飽和ニトリル化合物;無水マレイン酸、メタクリル
酸、アクリル酸、メタクリルアミド、アクリルアミド、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどの
酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル
基などの反応性官能基を有するビニル化合物などがあげ
られ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いる
ことができるが、これらのなかでは、えられるコア−シ
ェルグラフト共重合体(B)のポリオレフィン(A)と
の相溶性ならびに加工性および耐衝撃性の改良効果がす
ぐれ、安価であるという点からスチレンおよびアクリル
酸n−ブチルが好ましい。
【0028】なお、前記ジエン系ゴムにおけるジエン系
化合物および該ジエン系化合物と共重合可能な他のビニ
ル化合物の配合量は、ジエン系化合物60〜100重量
%および他のビニル化合物0〜40重量%、なかんづく
ジエン系化合物70〜100重量%および他のビニル化
合物0〜30重量%であることが好ましく、かかるジエ
ン系化合物の配合量が60重量%未満、すなわち他のビ
ニル化合物の配合量が40重量%をこえるばあいには、
えられるコア−シェルグラフト共重合体(B)のポリオ
レフィン(A)との相溶性ならびに加工性および耐衝撃
性の改良効果が低下する傾向がある。
【0029】前記アクリル系ゴムの代表例としては、た
とえばアルキル基の炭素数が2〜22であるアクリル酸
アルキルエステル60〜100重量%および該アクリル
酸アルキルエステルと共重合可能な他のビニル化合物0
〜40重量%からなるアクリル系ゴムなどがあげられ
る。
【0030】前記アクリル系ゴムに用いられるアルキル
基の炭素数が2〜22であるアクリル酸アルキルエステ
ルとしては、たとえばアクリル酸エチル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができるが、これらのなかでは、え
られるコア−シェルグラフト共重合体(B)のポリオレ
フィン(A)との相溶性ならびに加工性および耐衝撃性
の改良効果がすぐれ、安価であるという点からアクリル
酸n−ブチルおよびアクリル酸2−エチルヘキシルが好
ましい。
【0031】また前記アクリル酸アルキルエステルと共
重合可能な他のビニル化合物としては、たとえば前記ジ
エン系化合物と共重合可能な他のビニル化合物として例
示された芳香族ビニル化合物;たとえばアルキル基の炭
素数が1〜22であるメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸メチル;不飽和ニトリル化合物;酸無水物
基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基などの
反応性官能基を有するビニル化合物などがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きるが、これらのなかでは、コア−シェルグラフト共重
合体(B)の加工性の改良効果がすぐれ、安価であると
いう点からスチレンおよびメタクリル酸メチルが好まし
い。
【0032】なお、前記アクリル系ゴムにおけるアルキ
ル基の炭素数が2〜22であるアクリル酸アルキルエス
テルおよび該アクリル酸アルキルエステルと共重合可能
な他のビニル化合物の配合量は、アクリル酸アルキルエ
ステル60〜100重量%および他のビニル化合物0〜
40重量%、なかんづくアクリル酸アルキルエステル6
5〜100重量%および他のビニル化合物0〜35重量
%であることが好ましく、かかるアクリル酸アルキルエ
ステルの配合量が60重量%未満、すなわち他のビニル
化合物の配合量が40重量%をこえるばあいには、えら
れるコア−シェルグラフト共重合体(B)のポリオレフ
ィン(A)との相溶性ならびに加工性および耐衝撃性の
改良効果が低下する傾向がある。
【0033】また、前記オレフィン系ゴムとしては、た
とえばエチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム
などがあげられ、また前記シリコーンゴムとしては、た
とえばポリジメチルシロキサンゴムなどがあげられる。
【0034】前記ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、オレ
フィン系ゴム、シリコーンゴムなどのゴム状重合体を架
橋することによって架橋ゴム状重合体(a)をうること
ができる。
【0035】前記架橋の方法にはとくに限定がなく、た
とえばブタジエンによる自己架橋の方法、ジビニルベン
ゼン、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどの
多官能性架橋剤を用いる方法、アリルメタクリレート、
アリルアクリレート、ジアリルフタレートなどのグラフ
ト化剤を用いる方法、過酸化物を用いる方法などの通常
の方法のなかから、用いるゴム状重合体の種類に応じて
適宜選択して採用することができる。なお、アクリル系
ゴムのばあいには、多官能性架橋剤とグラフト化剤とを
併用する方法またはグラフト化剤を用いる方法を採用す
ることが、架橋すると同時にグラフト共重合する際にグ
ラフト活性点が生じるという点で好ましい。
【0036】えられた架橋ゴム状重合体(a)は、架橋
ゲル分が50重量%以上、なかんづく60重量%以上と
なるように調整されることが好ましい。かかる架橋ゲル
分が50重量%未満であるばあいには、えられるポリオ
レフィン系樹脂組成物を用いてたとえばカレンダー成形
などを行なったときに、ロール面にポリオレフィン系樹
脂組成物がプレートアウトし、加工性の改良効果が充分
に発現されなくなる傾向がある。
【0037】なお、前記架橋ゲル分とは、たとえばトル
エン、メチルエチルケトンなどのゴム成分の良溶媒に架
橋ゴム状重合体を48時間浸漬したのち、超遠心分離機
にて分離される不溶分の割合を示す。
【0038】前記単量体成分(b)としては、たとえば
前記架橋ゴム状重合体(a)においてジエン系化合物と
共重合可能な他のビニル化合物として例示された芳香族
ビニル化合物;たとえばアルキル基の炭素数が1〜22
であるメタクリル酸アルキルエステル;たとえばアルキ
ル基の炭素数が1〜22であるアクリル酸アルキルエス
テル;不飽和ニトリル化合物;酸無水物基、カルボキシ
ル基、アミノ基、ヒドロキシル基などの反応性官能基を
有するビニル化合物などがあげられ、これらは単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。
【0039】なお、前記単量体成分(b)としては、前
記芳香族ビニル化合物および/またはメタクリル酸アル
キルエステル50〜100重量%ならびにこれらと共重
合可能なその他のビニル化合物0〜50重量%からなる
ものが、重合性の低下やコストアップが生じにくいので
好ましい。
【0040】また、重合性が良好であり、低コストであ
るという点から、前記芳香族ビニル化合物としては、ス
チレンおよびα−メチルスチレンがとくに好ましく、メ
タクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭
素数が1〜8のものがとくに好ましい。
【0041】前記コア−シェルグラフト共重合体(B)
は、架橋ゴム状重合体(a)に単量体成分(b)をグラ
フト共重合することによってえられる。
【0042】前記架橋ゴム状重合体(a)および単量体
成分(b)の配合割合は、架橋ゴム状重合体(a)70
〜95部に対して単量体成分(b)5〜30部、好まし
くは架橋ゴム状重合体(a)70〜90部に対して単量
体成分(b)10〜30部である。
【0043】架橋ゴム状重合体(a)の配合量が70部
未満、すなわち単量体成分(b)の配合量が30部をこ
えるばあいには、えらえるコア−シェルグラフト共重合
体(B)によって発現される加工性および耐衝撃性の改
良効果が低下するようになり、また架橋ゴム状重合体
(a)の配合量が95部をこえる、すなわち単量体成分
(b)の配合量が5部未満であるばあいには、コア−シ
ェルグラフト共重合体(B)が塊状化するようになる。
【0044】前記コア−シェルグラフト共重合体(B)
は、通常のラジカル重合によって重合することができ、
たとえば懸濁重合法、乳化重合法などの重合法を採用す
ることができるが、これらのなかでは、粒子径、粒子構
造などのコントロールの観点から、乳化重合法が好まし
い。なお、本発明においては、重合時に、酸、塩、凝集
剤などを添加することにより、えられるコア−シェルグ
ラフト共重合体(B)の粒子を肥大化させることができ
る。
【0045】かくしてえられるコア−シェルグラフト共
重合体(B)の平均粒子径は、3μm以下、なかんづく
2.5μm以下であることが、えられるポリオレフィン
系樹脂組成物の表面性を向上させるうえで好ましい。
【0046】本発明に用いられる無機充填剤(c)は、
えられるポリオレフィン系樹脂組成物の剛性、塗装性お
よび印刷性などを向上せしめる作用を有するものであ
る。かかる無機充填剤(C)の代表例としては、たとえ
ば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、
ガラス繊維、炭酸マグネシウム、マイカ、カオリン、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、チタンホワイト、ホワイ
トカーボン、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウムなどがあげられ、これらは単独でま
たは2種以上を混合して用いることができるが、これら
のなかでは、入手しやすいという点から重質炭酸カルシ
ウム、軽質炭酸カルシウムおよびタルクが好ましい。ま
た前記無機充填剤(C)の平均粒子径は約10μm以下、
なかんづく約5μm以下であることが好ましい。無機充
填剤(C)の平均粒子径が前記範囲をこえるばあいに
は、えられるポリオレフィン系樹脂組成物による表面性
が低下するようになる傾向がある。
【0047】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
ポリオレフィン(A)にコア−シェルグラフト共重合体
(B)および無機充填剤(C)を混合することによりえ
られる。
【0048】前記ポリオレフィン(A)、コア−シェル
グラフト共重合体(B)および無機充填剤(C)の配合
割合は、ポリオレフィン(A)100部に対して、コア
−シェルグラフト共重合体(B)0.5〜70部および
無機充填剤(C)0〜400部、好ましくはコア−シェ
ルグラフト共重合体(B)0.5〜70部および無機充
填剤(C)0〜300部である。前記コア−シェルグラ
フト共重合体(B)の配合量が0.5部未満であるばあ
いには、該コア−シェルグラフト共重合体(B)によっ
て発現される加工性、表面性の改良効果が不充分とな
り、また70部をこえるばあいには、ポリオレフィン
(A)本来の特性が低下するようになる。また、前記無
機充填剤(C)の配合量が400 部をこえるばあいには、
えられるポリオレフィン系樹脂組成物の表面性が低下す
るようになる。
【0049】なお、前記ポリオレフィン(A)、コア−
シェルグラフト共重合体(B)および無機充填剤(C)
を混合する際に、該ポリオレフィン(A)の一部および
該コア−シェルグラフト共重合体(B)をあらかじめ混
合してマスターバッチを調製し、該マスターバッチと残
りのポリオレフィン(A)および無機充填剤(C)とを
混合することが、コア−シェルグラフト共重合体(B)
の分散性がさらに向上するという点から好ましいが、本
発明の組成物はマスターバッチ法以外の方法によるもの
に限られる。
【0050】あらかじめコア−シェルグラフト共重合体
(B)に混合するポリオレフィン(A)の量は、ポリオ
レフィン(A)全量の0.1〜80重量%、なかんづく
0.1〜70重量%であることが、混合性にすぐれると
いう点から好ましい。
【0051】前記マスターバッチの調製におけるポリオ
レフィン(A)とコア−シェルグラフト共重合体(B)
との配合割合は、ポリオレフィン(A)5〜95重量%
およびコア−シェルグラフト共重合体(B)5〜95重
量%、なかんづくポリオレフィン(A)5〜80重量%
およびコア−シェルグラフト共重合体(B)20〜95
重量%であることが好ましい。かかるポリオレフィン
(A)の配合量が5重量%未満、すなわちコア−シェル
グラフト共重合体(B)の配合量が95重量%をこえる
ばあいには、粘度が向上し、混合が困難となる傾向があ
り、またポリオレフィン(A)の配合量が95重量%を
こえる、すなわちコア−シェルグラフト共重合体(B)
の配合量が5重量%未満であるばあいには、分散性の改
良効果が減少する傾向がある。
【0052】ポリオレフォン(A)の一部とコア−シェ
ルグラフト共重合体(B)とをあらかじめ混合してマス
ターバッチを調製する方法には、とくに限定がなく、た
とえば押出混合法、ロール混合法などの方法を採用する
ことができるが、これらのなかでは、生産性などの点か
ら押出混合法が好ましい。
【0053】かくしてえられたマスターバッチと残りの
ポリオレフィン(A)および無機充填剤(C)との混合
方法には、とくに限定がなく、たとえば押出混合法、ロ
ール混合法などの方法のなかから、用途に応じて適宜選
択することが好ましい。
【0054】本発明の組成物は、たとえばポリオレフィ
ン(A)の一部と無機充填剤(C)とを混合したのち、
これに残りのポリオレフィン(A)およびコア−シェル
グラフト共重合体(B)を添加し、混合する方法などの
多段階の混合方法によって製造することもできる。
【0055】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
前記のごとく製造されるが、該ポリオレフィン系樹脂組
成物には、必要に応じて、さらにたとえば安定剤、滑
剤、従来ポリ塩化ビニル系樹脂などに用いられているコ
ア−シェル型の加工性の改良剤などを添加することがで
きる。
【0056】前記安定剤としては、たとえばペンタエリ
スリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエ
チレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]な
どのフェノール系安定剤、トリス(モノノニルフェニ
ル)フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイトなどのリン系安定剤、ジラウ
リルチオジプロピオネートなどのイオウ系安定剤などが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。またかかる安定剤の配合量は、ポリ
オレフィン(A)100部に対して通常0.01〜3部
程度、なかんづく0.05〜2部程度であることが好ま
しい。
【0057】前記滑剤の代表例としては、たとえばラウ
リル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸など
の飽和または不飽和脂肪酸のナトリウム、カルシウム、
マグネシウム塩などがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。またかかる滑
剤の配合量は、ポリオレフィン(A)100部に対して
通常0.1〜3部程度、なかんづく0.1〜2部程度で
あることが好ましい。
【0058】なお、前記安定剤、滑剤、加工性改良剤な
どの添加は、前記マスターバッチの調製の際でも、該マ
スターバッチと残りのポリオレフィン(A)および無機
充填剤(C)との混合の際でもよく、とくに限定がな
い。
【0059】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
大幅に改良されたすぐれた加工性、耐衝撃性、剛性、表
面性などを呈するものであるので、本発明のポリオレフ
ィン系樹脂組成物から、従来のポリオレフィン系樹脂組
成物を用いたばあいには困難であった成形方法も含め
て、種々の成形方法によって有用な成形体を製造するこ
とができる。
【0060】本発明で用いられる成形方法としては、た
とえばカレンダー成形法、押出成形法、熱成形法、射出
成形法、ブロー成形法、発泡成形法などがあげられる。
【0061】たとえば本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物をカレンダー加工または押出成形することにより、
フィルムないしシート状成形体をうることができる。さ
らに該フィルムないしシート状成形体に、用いたポリオ
レフィン系樹脂組成物に適した温度で熱成形を施すこと
によって、熱成形体をうることができる。また、たとえ
ば前記組成物に押出加工を施してえられたペレットを射
出成形またはブロー成形することによって、それぞれ射
出成形体または中空成形体をうることができる。
【0062】さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物に発泡剤を添加し、たとえば押出機などを用いて発
泡成形することによって、発泡体をうることができる。
【0063】前記発泡剤としては、たとえばトリクロロ
モノフルオロメタン、塩化メチレン、塩化メチル、ジク
ロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、
モノクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロ
エタン、トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン
化炭化水素類、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン
などの脂肪族炭化水素類、アルコール類、エステル類、
ケトン類、エーテル類、炭酸水素ナトリウム、アゾジカ
ルボンアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジドなどの
化学発泡剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができるが、これらのなかで
は、たとえばトリクロロモノフルオロメタン、ジクロロ
テトラフルオロエタンなどの常圧下での沸点が−40〜
60℃程度の有機揮発型発泡剤を単独でまたは2種以上
を混合して用いることが好ましい。またかかる発泡剤の
配合量は、とくに限定がないが、ポリオレフィン系樹脂
組成物100部に対して、通常3〜50部程度であるこ
とが好ましい。
【0064】つぎに、本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物およびその製造法、ならびにそれからなる成形体を
実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はか
かる実施例のみに限定されるものではない。
【0065】実施例1 ブタジエンを乳化重合して架橋ポリブタジエンゴムをえ
た。えられた架橋ポリブタジエンゴムのガラス転移温度
は−85℃、平均粒子径は0.25μm、架橋ゲル分は
85重量%であった。
【0066】前記架橋ポリブタジエンゴムラテックス7
0部(固形分)に、メタクリル酸メチル15部およびス
チレン15部からなる単量体成分(その重合体のガラス
転移温度:100℃)30部を添加し、乳化重合によっ
てグラフト共重合を行ない、コア−シェルグラフト共重
合体(以下、グラフト共重合体(B)−1という)をえ
た。最終転化率は98%で、グラフト共重合体(B)−
1の平均粒子径は0.26μmであった。
【0067】グラフト共重合体(B)−1のラテックス
を塩析し、脱水および乾燥してえられたグラフト共重合
体(B)−1の粉末20部を、ポリプロピレン(商品
名:ハイポール−B−200、三井石油化学(株)製、
230℃でのメルトフローインデックス:0.5g/1
0分)(以下、PPという)100部に混合し、二軸押
出機(スクリュー径:44mm、L/D:30)を用い
て200℃、100rpmで押出混練し、ペレット化し
た。
【0068】えられたペレットの溶融張力および230
℃でのメルトフローインデックスを以下の方法にしたが
って測定した。その結果を表1に示す。
【0069】(イ)溶融張力 キャピログラフ(東洋精機(株)製)を用い、200
℃、ダイス2mm×10mm、押出スピード20mm/
分、引き取りスピード1m/分での溶融張力(g)を測
定した。
【0070】(ロ)メルトフローインデックス(230
℃) ASTM−D 1238に準じて230℃でのメルトフ
ローインデックス(g/10分)を測定した。
【0071】つぎに、えられたペレットを200℃でロ
ール混練してロールシートを作製し、プレス成形して以
下に示す各ASTM試験に準じた試験片をえた。
【0072】なお、前記ロール混練時のロールシートの
外観としてその表面状態および熱着色の有無、ならびに
ロール面へのプレートアウトの有無を目視にて観察し、
以下の評価基準に基づいて評価した。その結果を表1に
示す。
【0073】(評価基準) (イ)ロールシートの表面状態 A:表面に凹凸がなく、光沢がすぐれている。 B:表面に少し凹凸があり、光沢が少し劣る。 C:表面の凹凸がいちじるしく、光沢が劣る。
【0074】(ロ)ロールシートの熱着色 A:熱着色がまったくない。 B:熱着色がわずかに認められる。 C:熱着色がいちじるしい。
【0075】(ハ)ロール面へのプレートアウト A:まったくない。 B:わずかに認められる。 C:いちじるしい。
【0076】えられた試験片を用い、ASTM−D25
6およびASTM−D790に準じてアイゾット耐衝撃
性試験および曲げ弾性試験を行なった。その結果を表1
に示す。
【0077】また、前記と同様にしてペレットから10
0mm×100mm、厚さ1.5mmのシートを成形
し、開口部が76mm×76mmのクランプで固定し、
190℃のオーブン中で30分間のシートのドローダウ
ン(mm)を測定した。その結果を表1に示す。
【0078】実施例2 ブタジエン70部およびスチレン30部からなる単量体
成分を乳化重合して架橋ジエン系ゴムをえた。えられた
架橋ジエン系ゴムのガラス転移温度は−50℃、平均粒
子径は0.1μm、架橋ゲル分は80重量%であった。
【0079】つぎに、実施例1において、架橋ポリブタ
ジエンゴムラテックスのかわりに前記のようにしてえら
れた架橋ジエン系ゴムラテックス70部(固形分)を用
いたほかは実施例1と同様にしてコア−シェルグラフト
共重合体(以下、グラフト共重合体(B)−2という)
をえた。最終転化率は98%で、グラフト共重合体
(B)−2の平均粒子径は0.12μmであった。
【0080】さらに、実施例1において、グラフト共重
合体(B)−1を前記グラフト共重合体(B)−2に変
更したほかは実施例1と同様にしてペレット化し、該ペ
レットを用いてロールシート、試験片およびシートを作
製した。
【0081】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0082】実施例3および4 実施例1において、グラフト共重合体(B)−1の配合
量を50部に変更(実施例3)またはグラフト共重合体
(B)−1の配合量を70部に変更(実施例4)したほ
かは実施例1と同様にしてペレット化し、該ペレットを
用いてロールシート、試験片およびシートを作製した。
【0083】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0084】実施例5 アクリル酸n−ブチル100部およびアリルメタクリレ
ート1部からなる単量体成分を乳化重合して架橋ポリア
クリル酸ブチルゴムをえた。えられた架橋ポリアクリル
酸ブチルゴムのガラス転移温度は−55℃、平均粒子径
は0.2μm、架橋ゲル分は85重量%であった。
【0085】前記架橋ポリアクリル酸ブチルゴムラテッ
クス70部(固形分)に、メタクリル酸メチル27部お
よびメタクリル酸n−ブチル3部からなる単量体成分
(その重合体のガラス転移温度:95℃)30部を添加
し、乳化重合によってグラフト共重合を行ない、コア−
シェルグラフト共重合体(以下、グラフト共重合体
(B)−3という)をえた。最終転化率は98%で、グ
ラフト共重合体(B)−3の平均粒子径は0.22μm
であった。えられたグラフト共重合体(B)−3のラテ
ックスを塩析し、脱水および乾燥してグラフト共重合体
(B)−3の粉末をえた。
【0086】つぎに、実施例1において、グラフト共重
合体(B)−1を前記グラフト共重合体(B)−3に変
更したほかは実施例1と同様にしてペレット化し、該ペ
レットを用いてロールシート、試験片およびシートを作
製した。
【0087】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0088】比較例1〜3 実施例1において、組成を表1に示すように変更したほ
かは実施例1と同様にしてペレット化し、該ペレットを
用いてロールシート、試験片およびシートを作製した。
【0089】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0090】比較例4 アクリル酸ブチル100部からなる単量体成分を乳化重
合して未架橋ポリアクリル酸ブチルゴムをえた。えられ
た未架橋ポリアクリル酸ブチルゴムの平均粒子径は0.
2μm、架橋ゲル分は0重量%であった。
【0091】前記未架橋ポリアクリル酸ブチルゴムラテ
ックス50部(固形分)に、メタクリル酸メチル50部
を添加し、乳化重合によってグラフト共重合を行ない、
グラフト共重合体(以下、グラフト共重合体(B)−4
という)をえた。最終転化率は98%で、グラフト共重
合体(B)−4の平均粒子系は0.24μmであった。
えられたグラフト共重合体(B)−4のラテックスを塩
析し、脱水および乾燥してグラフト共重合体(B)−4
の粉末をえた。
【0092】つぎに、実施例1において、グラフト共重
合体(B)−1を前記グラフト共重合体(B)−4に変
更したほかは実施例1と同様にしてペレット化し、該ペ
レットを用いてロールシート、試験片およびシートを作
製した。
【0093】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0094】比較例5 メタクリル酸メチル100部からなる単量体成分を乳化
重合して重合体(以下、重合体−5という)をえた。最
終転化率は98%で、重合体−5の平均粒子径は0.1
μm、架橋ゲル分は0重量%であった。えられた重合体
−5のラテックスを塩析し、脱水および乾燥して重合体
−5の粉末をえた。
【0095】つぎに、実施例1において、グラフト共重
合体(B)−1を前記重合体−5に変更したほかは実施
例1と同様にしてペレット化し、該ペレットを用いてロ
ールシート、試験片およびシートを作製した。
【0096】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】なお、表1中のLDPEは、190℃での
メルトフローインデックスが0.25g/10分の低密
度ポリエチレンを表わす(以下同様)。
【0099】表1に示された結果から、実施例1〜5で
えられたコア−シェルグラフト共重合体をポリプロピレ
ンに混合したものは、いずれもポリオレフィンのみのも
の(比較例1〜3)と較べて、メルトフローインデック
スが小さく、溶融張力が大きいことから、シートのドロ
ーダウンが小さく、加工性が改良されたものであり、ま
たロール混練時のシートの表面状態が良好で、ロール面
へのプレートアウトがなく、表面性がいちじるしく改良
されたものであることがわかる。また、実施例1〜5で
えられたものは、いずれも加工性と耐衝撃性および剛性
(曲げ弾性)とのバランスにもすぐれたものであること
がわかる。
【0100】また、未架橋のゴム状重合体からなるグラ
フト共重合体(比較例4)または未架橋のアクリル重合
体(比較例5)を用いたばあいには、ロール面へのプレ
ートアウトがいちじるしく、ロールシートの表面状態も
わるいため、実用的なものがえられないことがわかる。
【0101】さらに、実施例5でえられた架橋アクリル
系ゴム状重合体を用いたものは、熱着色の面でとくにす
ぐれており、熱安定性が高いものであることがわかる。
【0102】実施例6 実施例1において、グラフト共重合体(B)−1の粉末
20部とともに脂肪酸で表面処理を施した軽質炭酸カル
シウム(平均粒子径:0.15μm)(以下、(C)−
1という)50部をPP100部に混合したほかは実施
例1と同様にしてペレット化し、該ペレットを用いてロ
ールシート、試験片およびシートを作製した。
【0103】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例1と同様にして調べた。
その結果を表2に示す。
【0104】また、前記ペレットから、単軸押出機(ス
クリュー径:50mm、L/D:20)を用いて230
℃でTダイ押出しを行ない、幅300mm、厚さ0.5
mmの押出シートをえた。
【0105】えられた押出シートの外観としてその表面
状態を目視にて観察し、ロールシートの表面状態と同様
の評価基準に基づいて評価した。その結果を表2に示
す。
【0106】実施例7〜9および比較例6〜7 実施例6において、組成を表2に示すように変更したほ
かは実施例6と同様にしてペレット化し、該ペレットを
用いてロールシート、試験片、シートおよび押出シート
を作製した。
【0107】えられたペレット、ロールシート、試験
片、シートおよび押出シートの物性を実施例6と同様に
して調べた。その結果を表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】表2に示された結果から、実施例6〜9で
えられたコア−シェルグラフト共重合体および無機充填
剤をポリプロピレンに混合したものは、いずれもポリオ
レフィンのみに無機充填剤を混合したもの(比較例6〜
7)と較べて、メルトフローインデックスが小さく、溶
融張力が大きいことから、シートのドローダウンが小さ
く、加工性が改良されたものであることがわかる。ま
た、実施例6〜9でえられたものは、いずれもロールシ
ートおよび押出シートの表面性がいちじるしく改良され
ており、さらに加工性と耐衝撃性および剛性(曲げ弾
性)とのバランスにもすぐれたものであることがわか
る。
【0110】参考例1 グラフト共重合体(B)−1の粉末60重量%およびP
P40重量%を混合し、二軸押出機(スクリュー径:4
4mm、L/D:30)を用いて200℃、100rp
mで押出し混練し、マスターバッチを調製した。
【0111】えられたマスターバッチ50部、PP80
部、脂肪酸で表面処理を施した重質炭酸カルシウム(平
均粒子径:1.8μm)(以下、(C)−2という)5
0部およびステアリン酸カルシウム(以下、CaSとい
う)0.5部を混合し、二軸押出機(スクリュー径:4
4mm、L/D:30)を用いて200℃、100rp
mで押出混練し、ペレット化した。
【0112】えられたペレットから、実施例1と同様に
してロールシート、試験片およびシートを作製し、各物
性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表4に示
す。なお、ペレットの溶融張力の測定は、ダイス1mm
×10mm、押出スピード5mm/分に変更して行なっ
た。
【0113】また、ロールシートの物性としては、えら
れたロールシートをオスミウム染色したのち、透過型電
子顕微鏡を用いてコア−シェルグラフト共重合体の分散
性を観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0114】(評価基準) A:分散性がきわめて良好である。 B:分散性が良好である。 C:分散性が良好でない。
【0115】実施例10 参考例1において、グラフト共重合体(B)−1 30
部、PP100部、(C)−2 50部およびCaS
O.5部を一括混合したほかは参考例1と同様にしてペ
レット化し、該ペレットを用いてロールシート、試験片
およびシートを作製した。
【0116】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を実施例8と同様にして調べた。
その結果を表4に示す。
【0117】参考例2 参考例1において、(C)−2を用いなかったほかは参
考例1と同様にしてペレット化し、該ペレットを用いて
ロールシート、試験片およびシートを作製した。
【0118】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を参考例1と同様にして調べた。
その結果を表4に示す。
【0119】実施例11 実施例10において、(C)−2を用いなかったほかは
参考例1と同様にしてペレット化し、該ペレットを用い
てロールシート、試験片およびシートを作製した。
【0120】えられたペレット、ロールシート、試験片
およびシートの各物性を参考例1と同様にして調べた。
その結果を表4に示す。
【0121】なお、参考例1〜2および実施例10〜1
1における混練方法および組成をまとめて表3に示す。
【0122】
【表3】
【0123】
【表4】
【0124】表4に示された結果から、参考例1および
2でえられたコア−シェルグラフト共重合体をあらかじ
めポリオレフィンの一部と混合してマスターバッチを調
製し、該マスターバッチと残りのポリオレフィン、無機
充填剤およびその他の成分を混合したものは、実施例1
0および11でえられた全成分を一括して混合したもの
よりも、さらにポリオレフィン中のコア−シェルグラフ
ト共重合体の分散性にすぐれ、メルトフローインデック
スが小さく、溶融張力が大きいことから、シートのドロ
ーダウンが小さく、加工性がさらに改良されたものであ
り、また耐衝撃性にもさらにすぐれたものであることが
わかる。
【0125】実施例12〜14および比較例8 表5に示す組成の配合物をカレンダー加工の前処理工程
である押出機へ供給して押出混練し、えられた溶融樹脂
を逆L字型カレンダーに引き続き供給して厚さ0.5m
mの圧延シートをえた。
【0126】えられた圧延シートの表面状態を目視にて
観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結果
を表5に示す。
【0127】(評価基準) A:表面光沢がすぐれている。 B:表面光沢が少し劣る。 C:表面光沢が劣る。
【0128】
【表5】
【0129】なお、表5中のHDPEは、190℃での
メルトフローインデックスが0.25g/10分の高密
度ポリエチレンを表わす(以下同様)。
【0130】表5に示された結果から、実施例12〜1
4でえられた圧延シートはいずれも、表面性にきわめて
すぐれたものであることがわかる。
【0131】実施例15〜18および比較例9〜10 表6に示す組成の配合物を用い、実施例1と同様にして
二軸押出機で混練し、押出してペレットをえた。えられ
たペレットから、単軸押出機(スクリュー径:50m
m、L/D:20)を用いて230℃でTダイ押出しを
行ない、幅300mm、厚さ0.5mmの押出シートを
えた。
【0132】えられた押出シートの表面状態を実施例1
2〜14と同様にして調べた。その結果を表6に示す。
【0133】
【表6】
【0134】なお、表6中のEPRは、190℃でのメ
ルトフローインデックスが0.4g/10分のエチレン
−プロピレンゴムを表わす(以下同様)。
【0135】表6に示された結果から、実施例15〜1
8でえられた押出シートはいずれも、表面性にきわめて
すぐれたものであることがわかる。
【0136】実施例19〜20および比較例11〜12 実施例14および18ならびに比較例8および9でえら
れた圧延シートおよび押出シートを、ヒーター温度
(上、下)が350℃でカップ型の金型(口径:80m
m、深さ:72mm、絞り比:0.9、テーパー:約1
5度)を有する単発シート式真空成形機(浅野研究所
製)を用いてシートの表面を約170〜180℃に加熱
して真空成形を行ない、カップ状の熱成形体をえた。
【0137】加熱時のシートのドローダウンの状態を目
視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。そ
の結果を表7に示す。
【0138】(評価基準) A:ドローダウンが小さい。 B:ドローダウンがやや大きい。 C:ドローダウンが大きい。
【0139】また、えられたカップ状の熱成形体の偏肉
度を、もとのシートの厚さ(0.5mm)との比率を求
めて調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。その結
果を表7に示す。
【0140】(評価基準) A:偏肉度が小さい。 B:偏肉度がやや大きい。 C:偏肉度が大きい。
【0141】
【表7】
【0142】表7に示された結果から、実施例19およ
び20においては、圧延シートまたは押出シートを加熱
して真空成形を施したばあいであっても、加熱時のシー
トのドローダウンが小さく、えられた熱成形体は偏肉度
が小さいものであることがわかる。
【0143】実施例21〜23および比較例13〜14 表8に示す組成の配合物を用い、実施例1と同様にして
二軸押出機で混練し、押出してペレットをえた。えられ
たペレットを用い、230℃で射出成形を行なってAS
TM試験に準じた試験片をえた。
【0144】えられた試験片を用い、実施例1と同様に
してアイゾット耐衝撃性試験および曲げ弾性試験を行な
った。その結果を表8に示す。
【0145】また、前記ペレットを用い、230℃で射
出成形を行なって100mm×150mm、厚さ3mm
の平板を製造した。えられた平板のそりの有無を目視に
て観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結
果を表8に示す。
【0146】(評価基準) A:そりが小さい。 B:そりがやや大きい。 C:そりが大きい。
【0147】
【表8】
【0148】表8に示された結果から、実施例21〜2
3でえられたシートは耐衝撃性および剛性(曲げ弾性)
のバランスがよく、また平板はそりが小さく、寸法安定
性が改良されたものであることがわかる。
【0149】実施例24〜25および比較例15 表9に示す組成の配合物を用い、実施例1と同様にして
二軸押出機で混練し、押出してペレットをえた。えられ
たペレットを用い、230℃でブロー成形を行なって肉
厚0.5mmのボトルをえた。
【0150】ブロー成形時のパリソンのドローダウンの
状態を目視にて観察し、実施例19〜20で用いたもの
と同様の評価基準に基づいて評価した。その結果を表9
に示す。
【0151】また、えられたボトルの偏肉度を、ボトル
各部の厚さを測定し、その最大値と最小値との差を求め
て調べ、実施例19〜20で用いたものと同様の評価基
準に基づいて評価した。その結果を表9に示す。
【0152】
【表9】
【0153】表9に示された結果から、実施例24およ
び25においては、ブロー成形時のパリソンのドローダ
ウンが小さく、えられたボトルは偏肉度が小さいもので
あることがわかる。
【0154】実施例26〜27および比較例16 表10に示す組成の配合物を混合して樹脂組成物とした
のち、これを先端に口径10mmの円形ダイを有する口
径65mmの発泡体製造用押出機に供給した。
【0155】つぎに、前記発泡体製造用押出機の中途に
設けられた発泡剤圧入口から、発泡剤として100〜2
00kg/cm2 に圧縮したトリクロロモノフルオロメ
タンおよびジクロロテトラフルオロエタンを、前記樹脂
組成物100部に対してそれぞれ約13部圧入した。樹
脂組成物と発泡剤とを充分に混練しながら発泡に適切な
温度まで冷却し、円形ダイより空気中に押出し、丸棒状
発泡体をえた。
【0156】えられた発泡体の発泡倍率を一定重量に対
する体積変化の割合として求めた。その結果を表10に
示す。
【0157】また、えられた発泡体の表面状態を目視に
て観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。その結
果を表10に示す。
【0158】(評価基準) A:表面が平滑で、気泡構造が均一である。 B:表面にやや凹凸が認められ、少し気泡が連泡化して
気泡構造が不均一である。 C:表面の凹凸がいちじるしく、気泡が連泡化して気泡
構造が不均一である。
【0159】
【表10】
【0160】なお、表10中のPPEBは、230℃で
のメルトフローインデックスが0.5g/10分である
ポリプロピレン(商品名:ノーブレンEB、三井東圧
(株)製)を表わす。
【0161】表10に示された結果から、実施例26お
よび27でえられた発泡体は、高発泡倍率であるととも
に、表面が平滑であり、気泡が連泡化せず気泡構造が均
一なものであることがわかる。
【0162】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、すぐれた加工性、耐衝撃性、剛性および表面性を同
時に呈するものであるので、該ポリオレフィン系樹脂か
ら各種成形体を製造することができ、えられた成形体
は、すぐれた耐衝撃性、剛性および表面性を有するもの
であるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/26 C08K 3/26 3/34 3/34 C08L 23/10 C08L 23/10 //(C08L 23/00 (C08L 23/00 51:04) 51:04) (C08L 23/10 (C08L 23/10 23:04) 23:04) (72)発明者 小林 広樹 兵庫県神戸市垂水区塩屋町6−31−17 Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15 AA15X AA20 AA20X AA22X AA33X AA76X AA77X AB21 AB26 AE17 AF17 AF23 AF53 BA01 BB05 BB06 BB07 BC01 BC04 BC07 4F074 AA09D AA13D AA17 AA24 AA32D AA33D AA43D AB02 AB05 AC26 AC36 AG01 BA54 BA58 DA02 DA03 DA08 DA09 DA12 4J002 BB031 BB032 BB061 BB071 BB121 BB141 BB151 BB171 BN063 BN123 BN143 BP031 DA036 DE076 DE136 DE146 DE236 DG046 DG056 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA046 FD016

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン(A)100重量部に対
    して、コア−シェルグラフト共重合体(B)0.5〜7
    0重量部および無機充填剤(C)0〜400重量部をマ
    スターバッチ法を除く方法で混合してなり、該コア−シ
    ェルグラフト共重合体(B)がガラス転移温度が25℃
    以下である架橋ゴム状重合体(a)70〜95重量部
    に、それのみで重合せしめたときのガラス転移温度が2
    5℃以上である共重合可能なビニル化合物からなる単量
    体成分(b)5〜30重量部をグラフト共重合してえら
    れたものである耐衝撃性の改良された成形体を与えるポ
    リオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン(A)がプロピレン50
    重量%以上からなるプロピレン系ポリオレフィンである
    請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン(A)がプロピレン50
    重量%以上からなるプロピレン系ポリオレフィン100
    重量部に対してポリエチレン0〜100重量部を混合し
    たものである請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン(A)の230℃でのメ
    ルトフローインデックスが4g/10分以下である請求
    項1、2または3記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 架橋ゴム状重合体(a)がジエン系化合
    物60〜100重量%および該ジエン系化合物と共重合
    可能な他のビニル化合物0〜40重量%からなるジエン
    系ゴムである請求項1、2、3または4記載のポリオレ
    フィン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 架橋ゴム状重合体(a)がアルキル基の
    炭素数が2〜22であるアクリル酸アルキルエステル6
    0〜100重量%および該アクリル酸アルキルエステル
    と共重合可能な他のビニル化合物0〜40重量%からな
    るアクリル系ゴムである請求項1、2、3または4記載
    のポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 単量体成分(b)が芳香族ビニル化合物
    および/またはメタクリル酸アルキルエステル50〜1
    00重量%ならびにこれらと共重合可能なその他のビニ
    ル化合物0〜50重量%からなる請求項1、2、3、
    4、5または6記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 芳香族ビニル化合物がスチレンおよび/
    またはα−メチルスチレンである請求項7記載のポリオ
    レフィン系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 メタクリル酸アルキルエステルがアルキ
    ル基の炭素数が1〜8のものである請求項7または8記
    載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 コア−シェルグラフト共重合体(B)
    が乳化重合によってえられたものである請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8または9記載のポリオレフィン
    系樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 コア−シェルグラフト共重合体(B)
    の平均粒子径が3μm以下である請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9または10記載のポリオレフィ
    ン系樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 無機充填剤(C)が炭酸カルシウムお
    よび/またはタルクである請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10または11記載のポリオレフィン
    系樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物にカレンダー加工を施してなるフィルムないしシ
    ート状成形体。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物を押出成形してなるフィルムないしシート状成形
    体。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物からなるフィルムないしシート状成形体に熱成形
    を施してなる熱成形体。
  16. 【請求項16】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物を射出成形してなる射出成形体。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂
    組成物をブロー成形してなる中空成形体。
  18. 【請求項18】 発泡剤が配合された請求項1記載のポ
    リオレフィン系樹脂組成物を発泡成形してなる発泡体。
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