JPH085262A - 煉瓦積装置 - Google Patents

煉瓦積装置

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JPH085262A
JPH085262A JP15665894A JP15665894A JPH085262A JP H085262 A JPH085262 A JP H085262A JP 15665894 A JP15665894 A JP 15665894A JP 15665894 A JP15665894 A JP 15665894A JP H085262 A JPH085262 A JP H085262A
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JP
Japan
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brick
bricks
sliding plate
container
conveying means
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Pending
Application number
JP15665894A
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English (en)
Inventor
Masaru Sato
賢 佐藤
Kazunori Takahara
一典 高原
Eiji Inoue
英二 井上
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH085262A publication Critical patent/JPH085262A/ja
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  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送手段にて供給された煉瓦を所定の位置へ
詰め寄せるための移動を円滑かつ迅速に行うことができ
る煉瓦積装置を提供する。 【構成】 転炉1の炉体2の内側に煉瓦Bを積むた
め、積み上げ済みの下段煉瓦Bの上に搬送手段12に
よって煉瓦Bを一個ずつ供給しつつ、煉瓦積作業の進
行に連れてその供給箇所を順次に横へ移行していく煉瓦
積装置10である。煉瓦B0・B1の積み上げ範囲よりも
炉体2の内側となる箇所から先の部分に、下段煉瓦B
上に載って搬送手段12からの煉瓦Bの供給を受け
る、表面の平滑な滑り板13を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転炉をはじめとする溶
融金属炉や各種の高温反応炉など比較的大型の容器の内
側に煉瓦の壁を構築するための煉瓦積装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】高温の溶融金属を扱う転炉などの炉体の
内側には、耐火物である煉瓦の壁が構築されている。構
築の作業は、小型の容器であれば煉瓦の搬送から供給・
積み上げなどすべてを手作業で行うことも容易だが、転
炉ほどの大型の容器になると、煉瓦の数が1万個前後に
達する場合もあり、専用の煉瓦積装置を用いて行われる
のが一般である。なお、転炉など比較的大型の容器にお
ける通常の煉瓦は、各個が概ね直方体形状をしており、
その長手方向が容器の壁面とほぼ直角になるように配置
され、互いの間にほとんど隙間がないように積み上げら
れる。
【0003】特開平5−231781号公報には、その
ような転炉用煉瓦積装置の一例が記載されている。同公
報の装置は、煉瓦積作業をなすためのタワー(炉修タワ
ー)を下方から組み上げてその上部を転炉の内部に入
れ、そのタワーを利用して煉瓦を運び上げ、かつローラ
コンベヤによって水平に転炉の内壁面付近までその煉瓦
を搬送するものである。ローラコンベヤは全体的に水平
旋回可能なように構成してあり、横方向(周方向)に煉
瓦が積み進められるに連れて煉瓦の供給箇所をその方向
に移行させていく。こうしたローラコンベヤにより転炉
の内壁面付近へ搬送された煉瓦は、一個ずつ、積み上げ
済みの下段の煉瓦の上、しかも隣り合う煉瓦と接する所
定の位置に、詰め寄せるように並べて置かれる。そのよ
うな詰め寄せのための煉瓦の移動は、人手によって、ま
たは煉瓦を持ち上げる力を軽減する作業補助器(バラン
スアーム)を用いて行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した詰め寄せのた
めの煉瓦の移動は、狭い意味での積み上げ作業というこ
ともできるが、転炉における煉瓦積を能率的に行うため
にはこれをいかに円滑・迅速に行うかが極めて重要であ
る。転炉には上述のように数多くの煉瓦を積み上げる必
要があり、しかも近年の傾向として、煉瓦の長寿命化を
図る等の観点から各煉瓦そのものが大型化(長尺化)
し、ハンドリングし難くなっているからである。
【0005】とくに転炉の場合、一個あたりの重量が1
00kg前後のものも珍しくないほどに煉瓦は大型化し
ており、所定位置に積み上げる作業を人手にて行うこと
はもはや不可能に近い状況である。その一方、コンベヤ
等により煉瓦を運び上げて所定の位置の付近へ搬送した
のち、さらに上記のような詰め寄せを行うことは、通常
のコンベヤ類でなすのは極めて難しい。また、詰め寄せ
のために作業補助器やロボット等を用い、それらに、煉
瓦を持ち上げたうえ横へ移動して下ろすといった三次元
的な動きを行わせる場合には、煉瓦の移動距離が長くな
って各個の詰め寄せに時間がかかるため、設備コストが
高いわりには十分な能率化がはかれないことが多い。
【0006】重い煉瓦を人が持つことなく、しかも上げ
下ろしの動きを省いて迅速に所定の位置まで詰め寄せる
方法として、それぞれの煉瓦を、すでに積んだ下段の煉
瓦の上面で擦り動かすやり方も考えられる。しかしその
場合は、人手によるとしても機械力を用いるとしても、
図5(転炉等の内側から煉瓦を見た図)に示すとおり下
段の煉瓦Bの上面に僅かな段差(図では段差を強調して
示している)が必ず存在するため、詰め寄せようとする
煉瓦Bはかかる段差と引っ掛かり、単に横へ押すだけ
の力では必要な移動をさせることが不可能である。
【0007】本発明の目的は、所定の位置へ詰め寄せる
ための煉瓦の移動を円滑化および迅速化することができ
る煉瓦積装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の煉瓦積装置は、
容器(転炉など比較的大型のもの)の内側に煉瓦を積む
ため、積み上げ済みの下段の煉瓦の上に搬送手段(駆動
ローラやフリーローラまたは搬送ベルト等を用いるコン
ベヤ類など)にて煉瓦を一個ずつ供給しつつ、煉瓦積作
業の進行に連れてその供給箇所を順次に横(容器の内壁
に沿ったほぼ水平な方向)へ移行していく煉瓦積装置で
あって、煉瓦の積み上げ範囲よりも容器の内側となる箇
所から先(容器の外寄り)の部分に、下段の煉瓦上で
(すなわち積み上げ済みの煉瓦の上に載って)上記搬送
手段からの煉瓦の供給を受ける、表面の平滑な滑り板を
設けたものである。
【0009】この煉瓦積装置についてはさらに、請求項
2に記載したように、上記の滑り板を、上記移行方向に
いう先方側の縁部を上向きに曲げ、かつ上下に揺動自在
なようにピン(水平またはそれに近い向きのピン)を介
して基端部を搬送手段の先に取り付けた、厚さが2mm
以上・6mm以下の鉄板によって形成するのがよい。
【0010】また請求項3のように、容器の内壁面(外
殻または外周煉瓦の内側面)に対して滑り板の先端を、
100mm以上・煉瓦の奥行き(容器の壁面とほぼ直角
に置かれる、煉瓦の長手方向寸法)の2分の1以下とな
る距離だけ離すとよい。つまり、滑り板の先端から容器
の内壁面までの間隔をsとすると、その間隔sが 100mm ≦ s ≦ (煉瓦の奥行きの2分の1) を満たすように装置を構成し配置する。煉瓦の奥行きが
200mm未満の場合には適当な間隔sが存在しないこ
とになるが、この請求項3の装置では、それ以上の寸法
を有する大型の煉瓦のみを対象とする。
【0011】請求項4のように、滑り板の基端部(つま
り上記のピンで取り付けた部分)の付近に、上記移行方
向と反対側に延びた部分を設けるのもよい。
【0012】
【作用】本発明の煉瓦積装置は、搬送手段の終端部を容
器の内部に入れ、同手段が、外部から煉瓦を搬送したう
え容器の内壁面に沿った所定位置の付近へ一個ずつ煉瓦
を供給する。煉瓦は、容器内の最下段から始めてその上
の第二段・第三段‥‥と各段を横へ形成しながら順次に
積み上げるので、ある段を積む際には、積み置く作業が
進むに連れて搬送手段がその位置もしくは向きを変え、
煉瓦の供給箇所を次第に横へ移行させていく。
【0013】上記搬送手段が搬送する煉瓦の位置は、あ
くまでも所定位置の付近、つまり積み上げ済みの下段の
煉瓦の上ではあるが、隣り合う煉瓦とは少し離れた位置
である。したがって、搬送された煉瓦を隣の煉瓦と密に
接する所定の適正な位置に置くには、さらに幾分かの距
離だけその煉瓦を移動して詰め寄せる作業が必要であ
る。その点、本発明の装置は、積み上げ済みの下段の煉
瓦の上に載って当該搬送手段からの煉瓦の供給を受ける
滑り板を有するので、上記詰め寄せのための煉瓦の移動
をつぎのように円滑かつ迅速に行うことができる。
【0014】すなわち、まず上記した搬送手段による煉
瓦の供給は、その先端部にある滑り板の上になされる。
滑り板の表面は滑らかであって図5のような段差の影響
を受けないため、その上に供給された煉瓦は人手によっ
て、あるいは簡単な押付け機によって隣の煉瓦の方へス
ムーズに詰め寄せることができる。滑り板は、煉瓦の積
み上げ範囲よりも容器の内側となる箇所から先の部分に
あり、したがってローラコンベヤなど高さのある物が煉
瓦の積み上げ範囲に張り出してはいないことから、滑り
板は下段の煉瓦の上にぴったりと沿うように載っていて
両者の上面同士の間にはごく小さな高低差しか存在せ
ず、そのため滑り板から下段の煉瓦面上への煉瓦の載り
移りも円滑である。こうして隣接の煉瓦に接するまで詰
め寄せたのちは、その煉瓦を今度は容器の内壁面に接す
るまで押し動かす必要があるが、容器の内壁面に向かう
移動は煉瓦の長手方向に沿うもので図5のような段差の
影響はないため、煉瓦同士が引っ掛かることがなく、そ
の移動はスムーズである。また、詰め寄せのためのこの
ような煉瓦の移動は、下段の煉瓦の上面に沿ったほぼ一
平面内での動きなので、煉瓦を持ち上げて三次元的な経
路で移動する場合よりも移動距離が短く、煉瓦積作業の
迅速化にも効果をもたらす。
【0015】請求項2に記載の煉瓦積装置は、上記した
煉瓦積装置を最も簡易な構成によって具体化したもので
ある。すなわち、第一に、基端部をピンで取り付けるこ
とによって滑り板を上下に揺動自在としたので、下段の
煉瓦の上面に段差や起伏(うねり)等があっても滑り板
は重力の作用でその上に沿うように載り、滑り板の上面
と下段の煉瓦の上面との間の高低差が自ずと小さく(滑
り板の板厚の程度に)なる。つまり、下段煉瓦の上面の
高さに合わせて搬送手段の高さを調整したりする必要が
ないので、装置の構造ならびに使用方法が極めて単純で
ある。第二に、滑り板のうち上記の移行方向にいう先方
側の縁部を上向きに曲げているので、煉瓦の供給箇所を
移行させるべく搬送手段とともに滑り板の位置を変えて
いく際にも、下段煉瓦の上面上を滑り板がスムーズに移
行する。滑り板が上記のように上下に揺動自在であるこ
とと、上向きに曲げた当該部分に丸みもしくは傾斜が存
在することとに基づいて、とくに高さ調整のための手段
を設けなくとも滑り板が自ずと下段煉瓦上の段差を乗り
越えて横へ移行するからである。また第三に、滑り板
は、厚さが6mm以下と薄くてその上面と下段煉瓦の上
面との間の高低差を小さくしているため下段煉瓦上への
煉瓦の載り移りがスムーズであるほか、厚さ2mm以上
の鉄板製であるため、製造容易でコストが低く、強度を
確保しやすいほか、煉瓦に対する摩擦係数を低くするこ
とも容易である−といったメリットがある。
【0016】請求項3の煉瓦積装置は、転炉のように大
型の容器に、長尺で重量のある煉瓦を積む際にとくに有
利である。その理由は、まず、滑り板の先端を容器の内
壁面に対して100mm以上離してあるため、容器の外
殻が熱変形等を起こした場合にも滑り板がその内壁面に
当たることがない点にある。また、容器の内壁面から滑
り板の先端までの距離が煉瓦の奥行き寸法の2分の1以
下であるため、滑り板上に供給された煉瓦の重心は必ず
滑り板の上にあって煉瓦の一部が下段煉瓦の上に載るこ
とはなく、各煉瓦はつねに滑り板上にのみ重量を預け
る。すなわち、各煉瓦が重い場合でも、滑り板を十分に
利用して前記の詰め寄せ作業を確実に円滑化できる点に
も、上記の有利性の理由がある。
【0017】容器の種類や用途によっては、下段煉瓦の
上にそれよりも長い煉瓦を積む(したがってその部分で
は容器の内面にオーバーハングの部分ができる)場合が
あるが、請求項4の煉瓦積装置は、そのような場合に煉
瓦を取り扱うのに好都合である。下段煉瓦よりも長い煉
瓦は、容器の内壁面に接する所定の位置に押し入れられ
るまではその重心が下段煉瓦上から容器の内側へ外れが
ちであるのに対し、この装置では、滑り板の基端部付近
に設けた上記の部分(移行方向と反対側へ延びた部分)
がその煉瓦の一部(下段煉瓦から容器の内側にはみ出る
部分)を支えるので、所定位置まで詰め寄せる間、煉瓦
を安定的に取り扱うことができるからである。
【0018】
【実施例】図1〜図3に本発明の第一実施例を紹介す
る。この実施例は、転炉1の内側に煉瓦を積む煉瓦積装
置10に関するもので、図1は動作中の装置10の要部
を示す平面図、図2は図1におけるII−II矢視図、図3
は装置10と転炉1との関係を模式的に示す全体平面図
(炉体の中腹部分を上方から見た断面図)である。
【0019】転炉1は酸素吹錬による溶鋼の精錬炉であ
るが、図3に示すように、その炉体2は軸心(図の紙面
に垂直な中心線)の回りに軸対象な容器であり、二組の
軸受3によって支えられ、ギヤやモータ等の駆動源を含
む傾動装置4に連結されている。炉体2の外殻(鉄皮)
の内側には、パーマネント煉瓦(外周煉瓦)Aが積ま
れ、その内側で溶鋼と直接接する部分にはワーク煉瓦
(消耗煉瓦)Bが積み上げられる。転炉1の一基につい
て積み上げられるワーク煉瓦Bの数は1万個前後に達す
る。
【0020】煉瓦積装置10は、一辺の長い直方体形状
(その寸法は一律ではないが、たとえば150mm×1
50mm×1400mm。ただし図1のように多少のテ
ーパを有する)をした上述のワーク煉瓦Bなどを、図3
のようにその長手方向が炉体2の中心へ向くよう放射状
に配置して隙間なく積み上げることを主たる作業とする
装置で、概ねつぎのとおり構成している。すなわち、外
部の煉瓦置場(図示せず)と炉体2の内部とをつなぐよ
うに構築したフレーム11と、そのフレーム11の内部
を経て炉体2の内壁面付近にまで煉瓦Bを運ぶ搬送手段
12、および当該搬送手段12の先端部に設けた滑り板
13などを主要部分とする。搬送手段12としては、フ
レーム11内に配置した鉛直上向きのコンベヤ(図示せ
ず)と、その上部において炉内2の内壁面へ向けて煉瓦
Bを送る水平コンベヤとを用いるが、後者の一部は、図
1に示すように水平アーム12bに対し回転自在なロー
ラ12aを並べることにより構成している。そしてこの
搬送手段12の水平コンベヤ部分は、煉瓦積作業の進行
に合わせて煉瓦Bの供給箇所を移行し得るように水平に
旋回ができ、また高さの変更も可能である。なお、この
実施例では転炉1がいわゆる底吹き型(吹錬用の酸素を
炉体底部から溶鋼中に吹き込む形式)であるため、フレ
ーム11と搬送手段12とは、図3のように炉底の開口
2aを通して下方より炉内へ至るものとしている。しか
し、転炉1がもし底吹き型でないならば、フレーム11
や搬送手段12等は上方の炉口部(図示せず)を通して
炉内へ通じるように配置し、煉瓦Bを一たん炉体2より
も上方へ運び上げたのちに炉内へ搬送するよう構成す
る。
【0021】搬送手段12の先端部に設けた上記の滑り
板13は、先に下段に積み上げた煉瓦(下段煉瓦)B
の上で、搬送手段12から送られる煉瓦Bの供給を受
ける板であり、つぎのように構成したものである。
【0022】1) 搬送手段12からの煉瓦Bを一旦そ
の上面に載せ、それを所定の位置、すなわち下段煉瓦B
の上であって先に積んだ煉瓦Bおよび外周煉瓦Aと
接する位置までスムーズに移動できるようにするため、
滑り板13は、煉瓦Bを載せる面積を持つものとして
その先端を下段煉瓦Bの上に延ばし、かつその表面を
平滑にしている。この平滑度については、煉瓦Bを載
せる上面をとくに滑らかにし、煉瓦Bとの間の摩擦係
数が0.3程度以下になるようにする。後述するように
滑り板13は下段煉瓦Bの上面に接触しながら移動す
るので、その下面についても平滑にするのが好ましい。
【0023】2) 煉瓦Bは滑り板13の上面から下段
煉瓦Bの上面へ載せ移す必要があるので、両者間の高
低差を小さくすべく、下段煉瓦Bの上には滑り板13
をぴったりと沿わせて載せるものとする。そのために搬
送手段12のローラ12a等は、下段煉瓦Bの積み上げ
範囲よりも炉体2の内側の箇所でとどめ、それより先は
滑り板13のみが下段煉瓦B上に張り出すようにし
た。かなりの厚さ(上下寸法)を有するローラ12a等
が下段煉瓦B上に多少でも張り出す場合に比べて、単
なる板状の滑り板13のみが張り出す場合の方が、滑り
板13と下段煉瓦Bとの間の高低差は当然に小さくな
る。
【0024】3) 上記2)と同様に滑り板13・下段煉瓦
間の高低差を小さくすべく、滑り板13は厚さを約
4mmとし、煉瓦Bを一個ずつ載せても不都合な変形
を起こさず、かつ煉瓦B等との接触による摩耗が少な
いように強度等を考慮して、鉄板(圧延鋼板)を材料と
した。
【0025】4) 滑り板13は、下段煉瓦Bの上面に
対し空間をおかずに接触する方が上述の高低差を小さく
する意味で好ましいが、この煉瓦積装置10ではそれを
簡易な構造で実現すべく、滑り板13の基端部を水平な
ピン13aを介して搬送手段12のアーム12bと連結
し、滑り板13が上下に自在に揺動するようにした。こ
のようにすれば、重力の作用で滑り板13は自然に下段
煉瓦B上に載り、特別な高さ調整手段を使用しなくて
も上記の高低差が小さくなる。
【0026】5) 下段煉瓦B上で新たに積んだ煉瓦B
が増えるに連れて煉瓦Bの供給箇所を移行させるべ
く、滑り板13は搬送手段12とともに炉体2の周方向
(図1・図3では右回り)に徐々に旋回させていく必要
があるが、かかる移行にともなう滑り板13の移動がス
ムーズに行えるよう、滑り板13のうちその移行方向に
いう先方側の縁部13bは、図1および図2に示すとお
り上向きに屈曲させている。上記4)とともにこの5)のよ
うに構成することによって、滑り板13は、炉体2の周
方向に移動するとき下段煉瓦Bの段差に引っ掛かるこ
とがなく、しかもつねに下段煉瓦Bの上面にぴったり
と載って上記高低差を小さくする。またこうすれば、下
段煉瓦Bの高さに合わせて搬送手段12の概ねの高さ
を定めておくだけで、滑り板13を移動するつど高さ調
整をする必要はなくなる。そのほか、縁部13bにこの
ような屈曲部を設けることにより滑り板13の剛性が増
すという効果ももたらされる。
【0027】6) 図1に示す間隔s、すなわち滑り板1
3の先から外周煉瓦Aの内面までの間隔(初期の間隔)
を、約400mmに設定した。これは間隔sが、長年の
使用により炉体2が変形しても滑り板13の先端部が外
周煉瓦Aに当たることのないようにする意味で100m
m以上であるのがよく、また、煉瓦Bの重心が滑り板
13の先へはみ出さぬようにして煉瓦Bの一部(外周
煉瓦A寄りの端部)が下段煉瓦B上に載るのを防止す
る意味では、煉瓦Bの奥行き長さ(たとえば1400
mm)の2分の1以下であるのが好ましいことによる。
後者の点は、煉瓦Bは各個が大きくて重いため、その
一部でも下段煉瓦Bと接するなら上記1)に示す煉瓦の
移動がスムーズでなくなることを考慮して、必要条件に
加えたものである。
【0028】以上のような構成を有するこの煉瓦積装置
10は、図3のように正立状態にある転炉1の炉体2の
内部において、すでに積んだ下段煉瓦Bの上につぎの
ようにして新たな段の煉瓦Bを積んでいく。
【0029】 搬送手段12の先の滑り板13を図1
および図2のように下段煉瓦B上に載せ、搬送手段1
2によってその滑り板13上まで煉瓦Bを一個ずつ供
給する。煉瓦Bが外周煉瓦Aに高速度で当たるのは好
ましくないので、搬送手段12が滑り板13上へ煉瓦B
を送り出す速度は適切に調整する(煉瓦Bの大きさ
などにより異なるが、一般的には1.5m/s程度がよ
い)。
【0030】 滑り板13上に来た煉瓦Bを、炉体
2の周方向および半径方向に移動して、下段煉瓦B
外周煉瓦Aとに接する所定の位置に置く。最初の煉瓦B
については慎重にその位置を定める(図2のように、
下段煉瓦B同士の各接触面と煉瓦B同士の各接触面
とが上下に連続しないようにする)が、二個目以降の煉
瓦Bは、下段煉瓦Bおよび外周煉瓦Aのほか先に置
いた煉瓦B1(煉瓦BXの位置を定めたもの)の長辺(長
い側面)とも接するように置く。すなわち、煉瓦B
まず図1の矢印aの向きに押して煉瓦Bに詰め寄せ、
つぎに矢印bにしたがって外周煉瓦Aに押し当てればよ
い。矢印aに沿う移動は、下段煉瓦Bの各接触面にあ
る段差(凹凸)を乗り越える向きの移動であるが、平滑
な滑り板13の上でそのほとんどを行うことから、段差
での引っ掛かりはなく、大きな力も必要としない。ま
た、矢印bの方向への移動は下段煉瓦Bと接触しなが
らの移動となるが、その方向へは煉瓦Bが一体である
ため煉瓦Bが段差を乗り越える必要はなく、やはりそ
の移動は円滑に行える。したがって、煉瓦Bの必要な
移動は作業員の手作業または簡易な押付け機械によって
容易になすことができる。
【0031】 煉瓦Bが所定の位置に詰め寄せられ
て煉瓦Bとなるたびに、煉瓦Bの供給箇所を移行す
べく搬送手段12と滑り板13とを右回り(つまり矢印
aと反対の向き)に徐々に水平旋回させていく。毎回の
旋回量は煉瓦Bの各個の幅に相当する量とし、図1ま
たは図2のように、滑り板13の反移行方向の縁部とす
でに積んだ煉瓦Bの側面との間に煉瓦Bの一個の幅
に相当する間隔をとるものとする。こうすれば、所定位
置に置いたばかりの煉瓦Bと滑り板13とが離れるの
で、上記の移行方向に滑り板13が移動するときにその
煉瓦Bを動かしてしまうことがないからである。な
お、滑り板13は上下に揺動自在であるうえ、その移行
方向先方側の縁部13bに上向きの屈曲部を有するた
め、下段煉瓦Bの上面に段差等があっても上記の水平
旋回はスムーズに行われる。
【0032】 下段煉瓦Bの上面全周に新たな煉瓦
の段を積み終わると、搬送手段12の高さを一段分
だけ上げて滑り板13を新たな段の上に載せ、上記の
以降を繰り返す。
【0033】つづいて図4に本発明の第二実施例である
煉瓦積装置10’を示す。この装置10’も転炉1の炉
体2内側に煉瓦を積むもので、図4はその要部の動作状
態を示す平面図である。前記した第一実施例の装置10
と同様、パーマネント煉瓦Aの内側に長尺のワーク煉瓦
Bを積むことを主たる作業とし、装置10’の全体を支
えるフレーム(図示せず)と、煉瓦B(B)を運ぶ搬
送手段12、およびその先に水平ピン14aを介して揺
動自在に設けた滑り板14などを主要部分とする。搬送
手段12の終端部を炉体2の内部に入れ、積み上げ済み
の下段煉瓦Bの上に滑り板14を載せたうえで、搬送
手段12によりその滑り板14上に一個ずつ煉瓦B
供給し、滑り板14の平滑面を利用した詰め寄せ作業を
経て所定位置に煉瓦Bを積み置く、といった点も第一
実施例の装置10と同様である。ある段を積む際、搬送
手段12は、積み置き作業が進むに連れてやはり図示の
右回りに向きを変え、煉瓦Bの供給箇所を次第に横へ
移行させていく。また、そのために、滑り板14の縁部
14bは上方へ屈曲させてある。
【0034】この煉瓦積装置10’は、下段煉瓦B
上により長い煉瓦Bの段を設ける場合に、各煉瓦B
の取り扱いを容易にするよう構成した点に特徴がある。
煉瓦Bのそのような積み方は、ワーク煉瓦Bのうち、
溶鋼やスラグとの接触の仕方に起因してとくに消耗の激
しい部分に、あらかじめ長寸法の煉瓦Bを配置しておく
ことから必要となる。そのような場合、内側にオーバー
ハングの部分を形成することになるため、所定位置に置
くまでの煉瓦Bが不安定になりやすい。
【0035】具体的に言うと上記の特徴は、図4のよう
に、滑り板14の基端部付近に、上述の移行方向と反対
側へ広がる延出部分14cを形成したことである。搬送
手段12によって図示実線のような位置に煉瓦B(下
段煉瓦Bよりも長い)が供給されたのちは、作業員も
しくは押付け機(図示せず)によって矢印a・bのよう
にその煉瓦Bの詰め寄せを行うが、矢印aに沿った押
付けをしたのち矢印bの押付けをする前の煉瓦B(仮
想線にて図示)の端部を、この延出部分14cによって
支えるのである。すなわち、矢印aの向きに移動して下
段煉瓦B上に載った煉瓦Bは、長いがゆえに重心G
が下段煉瓦Bより内側へ外れる場合が多いのに対し、
その煉瓦Bの内側の端部が延出部分14cに載るよう
にして当該煉瓦Bの落下を防ぐ。矢印bの向きに移動
して所定位置に達した煉瓦Bはこの延出部分14cか
ら外れるが、そのときには重心Gが下段煉瓦B上に入
って安定しているのが通常である。
【0036】以上、二つの実施例を紹介したが、本発明
の煉瓦積装置はこれら以外の態様によっても実施できる
ことは言うまでもなく、また転炉以外の容器に煉瓦を積
む場合にも使用することができる。転炉以外の容器とし
ては、種々の溶融金属炉や高炉、あるいは流動層炉を含
む各種の高温反応容器などがあげられる。ただし、装置
の特性上、容器が比較的大型で各個の煉瓦も大きくその
数が多い場合、また煉瓦の供給・積上げ位置を順次水平
に移行していく関係上、容器の軸心が鉛直またはそれに
近い場合等にとくに有効である。
【0037】
【発明の効果】本発明の煉瓦積装置はつぎの効果をもた
らす。すなわち、 a) 煉瓦を引っ掛からせる段差や凹凸のない平滑な滑り
板を有し、一旦この上に煉瓦を置いたうえ必要な詰め寄
せのための移動を行うので、軽い力で押すことにより円
滑に所定の適正な位置へ煉瓦を並べることができる。な
おこの点から、押付けのための自動機器を併設して煉瓦
積作業の自動化を図る(つまり作業員による肉体作業を
なくする)ことも可能になる。
【0038】b) 上記のような煉瓦の移動はほぼ一平面
内で行うものなので、煉瓦を持ち上げて移動する場合よ
りも移動距離が短く、したがって煉瓦積作業の迅速化に
も寄与する。
【0039】c) 搬送手段から滑り板上への煉瓦の供給
が円滑に行えるため、従来のように下段の煉瓦上へ直接
供給していた場合に比べ、搬送手段を簡素化することも
可能になる。
【0040】請求項2に記載の煉瓦積装置は、とくに、 d) 滑り板について、基端部をピンで取り付けて上下揺
動自在としたことや、移行方向にいう先方側の縁部を上
向きに曲げていること、および厚さが2〜6mmの鉄板
製としたことに基づき、最も簡単な構成によって必要な
機能を果たすことができる。
【0041】請求項3の装置はまた、 e) 容器の内壁面に対して滑り板の先端が適当距離だけ
離れているので、容器が大型で熱等による変形を起こし
がちな場合にも滑り板がその内壁面に当たる不都合が生
じず、また、供給された各煉瓦がつねに滑り板上にのみ
重量を預けてスムーズに移動させられる、といった利点
をもたらす。
【0042】請求項4の装置はさらに、 f) 下段煉瓦の上にそれより長い煉瓦を積む場合にも、
所定の位置に押しやるまでのその煉瓦を安定的に取り扱
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である煉瓦積装置10の要
部について、動作中の状態を示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II矢視図である。
【図3】煉瓦積装置10と、それによる煉瓦積みの対象
となる転炉1との関係を模式的に示す全体平面図で、転
炉1の炉体2のうち中腹の部分を上方から見た断面図と
して示す。
【図4】本発明の第二実施例である煉瓦積装置10’に
関し、図1と同様に動作中の要部を示す平面図である。
【図5】従来の煉瓦積装置によって煉瓦積みを行う場合
の煉瓦同士の関係を、図2と同様の方向から見て示す図
面である。
【符号の説明】
B・B・B 煉瓦 B 下段煉瓦 1 転炉(容器) 10・10’ 煉瓦積装置 12 搬送手段 13・14 滑り板 13a・14a ピン 13b・14b 縁部 14c 延出部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の内側に煉瓦を積むため、積み上げ
    済みの下段の煉瓦の上に搬送手段にて煉瓦を一個ずつ供
    給しつつ、その供給箇所を順次に横へ移行していく煉瓦
    積装置であって、 煉瓦の積み上げ範囲よりも容器の内側となる箇所から先
    の部分に、下段の煉瓦上で上記搬送手段からの煉瓦の供
    給を受ける、表面の平滑な滑り板を設けたことを特徴と
    する煉瓦積装置。
  2. 【請求項2】 上記の滑り板を、上記移行方向にいう先
    方側の縁部を上向きに曲げ、かつ上下に揺動自在なよう
    にピンを介して基端部を搬送手段の先に取り付けた、厚
    さが2mm以上・6mm以下の鉄板によって形成した請
    求項1に記載の煉瓦積装置。
  3. 【請求項3】 容器の内壁面に対して滑り板の先端を、
    100mm以上・煉瓦の奥行きの2分の1以下となる距
    離だけ離した請求項1または2に記載の煉瓦積装置。
  4. 【請求項4】 滑り板の基端部付近に、上記移行方向と
    反対側に延びた部分を設けた請求項1〜3のいずれかに
    記載の煉瓦積装置。
JP15665894A 1994-06-14 1994-06-14 煉瓦積装置 Pending JPH085262A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010134333A1 (ja) 2009-05-19 2010-11-25 新日本製鐵株式会社 窯炉、耐火物の施工方法、及び耐火物ブロック

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9719148B2 (en) 2009-05-19 2017-08-01 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Furnace, refractory installing method, and refractory block

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