JPH08524Y2 - 自動車用エンジンの吸気ダクト構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用エンジンの吸気ダクト構造に関し、
特に吸気ダクトの湾曲部に吸気騒音を消音する為の吸音
材が設けられた吸気ダクト構造に関する。

（従来技術） 一般に自動車用エンジンの吸気系では、エンジンルー
ム内から外気を吸入しているが、この際、吸入に伴う吸
気騒音が発生する。そこで例えば特開昭62-174560号公
報に開示されているように、エアクリーナ上流に接続さ
れる吸気ダクトの外周に吸音材を設けたものがある。

しかしながら、このような構成では、エアクリーナ上
流に接続される吸気ダクトの先端を車体に固定する上、
吸気ダクトの外周に吸音材を設けた為吸気ダクト自体の
剛性が向上し、エアクリーナとの係合の際接続誤差を許
容し難くなり、組付性が悪いものであった。

一方、エアクリーナ上流側の吸気ダクトはなるべく長
い方が吸気音低減のためには望ましいのであるが、この
吸気ダクトを長くすると、ますます組付性を悪化させる
要因となった。

（考案の目的） そこで本考案は、エアクリーナ上流に接続される比較
的長い吸気ダクト外周に吸音材を設けられた吸気系に於
て、組付性の向上を図った吸気ダクト構造を提供するこ
とを目的とする。

（考案の構成） 本考案に於ては、エアクリーナ上流に接続され、更に
湾曲部に吸音材を設けられた吸気ダクトに接続されるエ
アクリーナ上流端をテーパ状にすると共に車体へのエア
クリーナ取付方向と、上記吸気ダクトと上記エアクリー
ナとの取付け係合方向とが一致するように構成されてい
ることを特徴とする。

（考案の効果） 本考案では、吸気ダクトとエアクリーナとのはめ合い
方向がエアクリーナの車体への取付方向と一致し、更に
吸気ダクトの下流端がテーパ状にされているので、吸気
ダクトをその上流端においてあらかじめ車体に固定して
おけば、エアクリーナの車体への取付けに伴ってエアク
リーナとのはめ合い係合と吸気ダクトの下流端の支持と
が同時に達成され、これにより、湾曲部に吸音材が設け
られる比較的長い吸気ダクトがエアクリーナ上流に接続
されるように構成された吸気系の組付性を向上すること
ができる。

（実施例） 以下、図面を参照して本考案の実施例について説明す
る。

第１図は、エアクリーナと、このエアクリーナの上流
に接続される吸気ダクトとがエンジンルーム内に取付け
られた状態を示す斜視図、第２図はその断面図、第2a図
は要部拡大図である。

図において、１はエンジンルーム、２はエンジンルー
ム１の側壁を構成するホイールエプロン、３はフェンダ
ーパネルで、ホイールエプロン２とフェンダーパネル３
との間に、外気の導入されるフェンダー内空間４が形成
されている。

５は、ホイールエプロン２に対し所定の間隔を保って
車体の前後方向に延びるフロントサイドフレームで、こ
のフロントサイドフレーム５とホイールエプロン２との
間に、エアクリーナ６の上流側に接続される吸気ダクト
７を収容するための空間８が形成されている。

エアフローメータ９と一体になったエアクリーナ６
は、フロントサイドフレーム５の上面に取付けられてお
り、このエアクリーナ６の下面から、上記吸気ダクト７
の下流端に円筒部7a内に嵌入されるテーパ状の接続用円
筒10が一体に形成されている。吸気ダクト７はＪ字状に
形成され、その上方へ向って開口する円筒部7aが上記エ
アクリーナ６の接続用円筒10内に嵌合されて一旦空間８
内を下方へ延び、次に上方へ折曲げられて上方へ延びて
いる。そして吸気ダクト７の上流端である上端部はホイ
ールエプロン２に形成された孔11からフェンダー内空間
４に挿入され、この空間４内に吸気口12が開口してい
る。吸気ダクト７の上流端には固定用ブラケット13が取
付けられており、このブラケット13がボルト14によって
ホイールエプロン２に固定されることによって吸気ダク
ト７の上流端が車体に支持されている。

吸気ダクト７の湾曲部には開口部7bが複数設けられる
と共に湾曲部外周には吸気ダクトカバー24が設けられて
おり、該吸気ダクトカバー24と吸気ダクト７との間には
吸音材25が介在されている。

また吸気ダクトカバー24は２分割成形され、夫々の合
わせ面をリブによって吸気ダクト７に固定されている。

次に上述のような構成を有するエアクリーナ６と吸気
ダクト７とをエンジンルーム１内に取付ける順序につい
て第３図および第４図を参照して説明する。

第３図はエアクリーナ６および吸気ダクト７を取付け
る以前のエンジンルーム１内を示し、エアクリーナ６を
固定するために、フロントサイドフレーム５上には、上
方へ突出するボルト15とねじ孔16とが設けられている。
また、ホイールエプロン２にも、ねじ孔17を備えたブラ
ケット18が固定されている。またホイールエプロン２に
は、吸気ダクト挿入用孔11の近傍に、吸気ダクト固定用
ブラケット13を取付けるためのねじ孔19が設けられてい
る。そしてまず第４図に示すように、吸気ダクト７の上
流端が孔11に挿入され、かつブラケット13がボルト14に
よってホイールエプロン２に固定される。これにより吸
気ダクト７がその円筒部7aを上方に向って開口させた状
態で空間８内に収容される。

次にエアクリーナ６が上方からフロントサイドフレー
ム５上に載置される。このエアクリーナ６の載置作業に
伴って、エアクリーナ６の接続用円筒10が吸気ブラケッ
ト７の円筒部7a内に挿入されて嵌合されるとともに、フ
ロントサイドフレーム５の上面に突設されているボルト
15がエアクリーナ６の取付孔20に挿入される。このよう
な態様でフロントサイドフレーム５上に載置されたエア
クリーナ６は、ボルト15にナット21を締着するととも
に、２本の取付用ボルト22、23を他の２個に取付孔（図
示は省略）にそれぞれ通し、かつこれらボルト22、23を
ねじ孔16、17にそれぞれ締着することによってエンジン
ルーム１内に固定され、同時に吸気ダクト７の下流端が
エアクリーナ６によって支持されるようになっている。

以上の説明から明らかな様に、本考案に於ては、流入
吸気が吸気ダクト７の湾曲部に衝突して発生する騒音防
止の為吸音材25を設け吸気ダクト７の剛性が向上したに
もかかわらず、エアクリーナ６の接続用円筒10と吸気ダ
クト７の円筒部7aとのはめ合い方向と、エアクリーナ６
の車体への取付方向とが一致し、エアクリーナ６の接続
用円筒10がテーパ状になっているので、上記はめ合いに
よるエアクリーナ６と吸気ダクト７との接続及び吸気ダ
クト７の下流端支持をエアクリーナ６の車体への取付に
伴って一挙に行なうことができ、吸気系の組付性が向上
する。

また、吸気ダクト７がエアクリーナ６から一旦下方へ
延ばされ、次いで上方に折曲げられて上方へ延びるよう
に構成されているので、比較的長い吸気ダクト７を見映
えよくエンジンルーム１内に収容することができ、吸気
騒音を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の吸気ダクト構造を備えたエンジンルー
ムの斜視図、第２図はその断面図、第2a図は要部拡大
図、第３図及び第４図は組付け手順を示す斜視図であ
る。 ２……ホイールエプロン ６……エアクリーナ、７……吸気ダクト 7a……円筒部、7b……開口部 10……接続用円筒、12……吸気口 24……吸気ダクトカバー 25……吸音材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体に固定されたエアクリーナ上流に接続
   される吸気ダクトの湾曲部に、吸音材が設けられた自動
   車用エンジンの吸気系に於て、上記エアクリーナの上流
   側接続端をテーパ状にすると共に車体へのエアクリーナ
   取付方向と、上記吸気ダクトと上記エアクリーナとの取
   付係合方向とが一致するように構成されていることを特
   徴とする自動車用エンジンの吸気ダクト構造。