JPH0852276A - 遊戯用乗物装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の遊戯用乗物装置においては到底味わうこ
とのできない、従来のものとは異質な、スリリングな感
触を味わうことができる遊戯用乗物装置を提供する。 【構成】一定の軌道を有する走行軌道と該走行軌道に沿
って走行する走行車両（１）とを備えた遊戯用乗物装置
において、走行軌道を、第１の走行軌道（６）と第１の
走行軌道（６）に沿って設けた第２の走行軌道（７）と
から構成し、第１の走行軌道（６）に対して第２の走行
軌道（７）の軌道を上下方向に波状に湾曲せしめるとと
もに、走行車両（１）の前輪（３）を第１の走行軌道
（６）に係合せしめ、後輪（４）を第２の走行軌道
（７）に係合せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は遊園地などに設置される
ジェットコースタ又はその他軌道を用いて走行する遊戯
用乗物装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】遊園地等に娯楽を目的とした各種遊戯施
設が設置されているのは周知の通りであり、従来より、
遊戯者にスピード感やスリル感を味わわせる乗物として
ジェットコースタ等がよく知られている。そして近年で
は、更にスピード感やスリル感の増した乗物として宙返
り部や急反転部を設けたものが提案されており、日常生
活では到底味わうことのできない特異な感覚を手軽に体
感できることから、若年層をはじめとして多くの人に人
気を集めている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、叙上の
従来のジェットコースタ等にあっては、走行車両自体の
移動速度若しくは走行軌道の変化により遊戯者に視覚的
な変化やスピード感を感じさせ、スリリングな感触を味
わわせるものであり、走行車両の移動速度や走行軌道の
変化に一定の限界があることから、かかる視覚的な変化
やスピード感の多様化には限界があった。

【０００４】本発明はかかる実情の下なされたものであ
り、従来の遊戯用乗物装置においては到底味わうことの
できない、従来のものとは異質な、緊張感とスピード感
が相まったスリリングな感触を味わうことができる遊戯
用乗物装置の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明の請求項１に係る発明は、一定の軌道を有する走
行軌道と該走行軌道に沿って走行する走行車両とを備え
た遊戯用乗物装置において、前記走行軌道を、第１の走
行軌道と該第１の走行軌道に沿って設けた第２の走行軌
道とから構成し、前記第１の走行軌道に対して前記第２
の走行軌道の軌道を波状に湾曲せしめるとともに、前記
走行車両の前輪を前記第１の走行軌道に係合せしめ、後
輪を前記第２の走行軌道に係合せしめたことを特徴とす
る。

【０００６】また、請求項２にかかる発明は、一定の軌
道を有する走行軌道と該走行軌道に沿って走行する走行
車両とを備えた遊戯用乗物装置において、前記走行軌道
を、第１の走行軌道と該第１の走行軌道に沿って設けた
第２の走行軌道とから構成し、前記第２の走行軌道に対
して前記第１の走行軌道の軌道を波状に湾曲せしめると
ともに、前記走行車両の前輪を前記第１の走行軌道に係
合せしめ、後輪を前記第２の走行軌道に係合せしめたこ
とを特徴とする。

【０００７】また、請求項３に係る発明は、一定の軌道
を有する走行軌道と該走行軌道に沿って走行する走行車
両とを備えた遊戯用乗物装置において、前記走行軌道
を、第１の走行軌道と該第１の走行軌道に沿って設けた
第２の走行軌道とから構成し、相互に離隔又は接近する
ように前記第１の走行軌道及び第２の走行軌道を上下方
向に波状に湾曲せしめるとともに、前記走行車両の前輪
を前記第１の走行軌道に係合せしめ、後輪を前記第２の
走行軌道に係合せしめたことを特徴とする。

【０００８】更に、請求項３に係る発明は、請求項１又
は２の発明における前記走行車両の走行路内又は近傍に
障害物を設けたものである。

【０００９】

【作用及び効果】本発明の請求項１の発明によれば、ま
ず、走行車両の座席部に遊戯者を搭乗せしめ、当該走行
車両を走行軌道に沿って走行せしめる。走行車両は、前
輪が第１の走行軌道に係合し、後輪が第２の走行軌道に
係合した状態で走行する。そして、第２の走行軌道の波
状に湾曲した部分に走行車両が達すると、後輪が当該波
状の軌道に沿って移動する結果、走行車両は前輪部を支
点として後輪部が上下に揺動移動しながら前方に走行す
る。また、請求項２の発明によれば、波状に湾曲する第
１の走行軌道に走行車両の前輪を係合せしめているの
で、走行車両が当該波状に湾曲した部分を通過する際
に、走行車両は、後輪部を支点として前輪部が上下に揺
動移動するという上下動を伴いながら前方に走行する。
これにより、遊戯者は前方への移動の体感に加え、従来
に比して小刻みの上下動を体感し、これまでにない感覚
を得ることができ、趣味感の増した遊戯を楽しむことが
できる。また、走行軌道全体として斜めに降下する部分
に当該波状の湾曲部を設けると、走行車両は走行軌道の
全体的な斜降角度よりも大きい角度で傾くので、登場し
た遊戯者は更にスリリングな感覚を味わうことができ
る。

【００１０】また、請求項３の発明によれば、前輪部が
係合する第１の走行軌道並びに後輪部が係合する第２の
走行軌道を波状に湾曲せしめているので、走行車両は自
体の前輪部及び後輪部の双方を上下動しながら前進す
る。これにより、遊戯者は上述したよりも更に増した小
刻みの上下動を体感し、更に趣味感の増した遊戯を楽し
むこてができる。また、請求項４の発明によれば、前記
走行車両の走行路内又はその近傍に障害物を設けている
ので、遊戯者が当該障害物を視覚し、当該障害物に衝突
するという恐怖感と、走行するスピード感が相俟ったス
リル感を味わうことができ、遊戯者は趣味感の更に増し
た遊戯を楽しむことができる。そして、前述のように走
行車両を上下動させることができるので、この動作によ
り前記走行車両が前記障害物に衝突するのを回避せしめ
ることができる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面に基
づき説明する。

【００１２】（実施例１）図１は本発明の一実施例に係
る遊戯用の乗物装置を示す斜視図であるが、同図に示す
ように、この乗物装置は走行車両（１）と、走行軌道た
る第１の走行レール（６）及び第２の走行レール（７）
と、障害物（８）とを備えたものである。

【００１３】図１に示すように、前記第１の走行レール
（６）及び第２の走行レール（７）はそれぞれ２本の平
行なレールからなり、このレールには各種遊戯用乗物に
おけるレールを適用することができる。また、この第１
の走行レール（６）及び第２の走行レール（７）を図示
しない支持構造体により支持している。そして、第２の
走行レール（７）を第１の走行レール（６）の外側のや
や上方に設けるとともに、所定の部分について上方に凸
となるように湾曲せしめている。尚、第１の走行レール
（６）及び第２の走行レール（７）によって形成される
走行軌道は全体的にも起伏を有する軌道とすることがで
きる。

【００１４】前記走行車両（１）は自走式若しくは惰走
式の車両であり、車体（２）と、前輪（３）と、後輪
（４）と、座席部（５）とを備えたものである。この車
体（２），前輪（３），後輪（４）及び座席部（５）に
は各種遊戯用乗物におけるものを適用することができ
る。特に付言するならば、座席部（５）は、遊戯者
（Ｙ）をしっかりと保持する保持具を備えたものが好ま
しい。

【００１５】そして、前輪（３）を前記第１の走行レー
ル（６）に係合せしめ、後輪（４）を前記第２の走行レ
ール（７）に係合せしめている。尚、後輪部には後輪
（４）の他に補助輪（４ａ）を設け、これを前記第１の
走行レール（６）に係合せしめているが、これは通常状
態での走行時に、この補助輪（４ａ）で車体（２）を支
持し、後輪（４）の負担を軽減することを目的としたも
のであり、後輪（４）及び第２の走行レール（７）が必
要な強度を備えていれば特に必要なものではない。ま
た、前輪（３）及び後輪（４）は上下に設けた車輪によ
り第１の走行レール（６）又は第２の走行レール（７）
を挟んだ構造としたがこれに限るものではなく、レール
の側方に接する車輪をもう１つ設け３個の車輪によりレ
ールを挟んだ構成としてもよい。このように構成すれば
車輪がレールから更に脱輪し難い。

【００１６】また、前記障害物（８）は前記第２の走行
レール（７）の湾曲部（９）の矢示Ａ方向（走行車両
（１）の走行方向）下手側であり且つ、前記走行車両
（１）の走行路上方に設けたものであり、これを前記支
持構造体（図示せず）により支持している。尚、この障
害物（８）を発泡スチロール等の脆弱な部材で構成すれ
ば、万が一、走行車両（１）が障害物（８）に衝突する
こととなった場合にも遊戯者（Ｙ）に怪我がなく好適で
ある。また、この障害物（８）に岩などを模写したもの
を適用すれば、遊戯が更に趣味感に富んだものとなる。

【００１７】以上の構成を備える遊戯用乗物装置によれ
ば、まず、遊戯者（Ｙ）が走行車両（１）の座席部
（５）に着座した状態で、走行車両（１）が第１の走行
レール（６）及び第２の走行レール（７）に沿って略水
平な状態で走行する。そして、図１に示すように、走行
車両（１）が第２の走行レール（７）の湾曲部（９）に
達すると、前輪（３）が第１の走行レール（６）に沿っ
て、後輪（４）が第２の走行レール（７）に沿ってそれ
ぞれ移動する結果、走行車両（１）は前輪（３）部が下
に、後輪（４）部が上になった傾斜状態となる。この
際、図示するように、遊戯者（Ｙ）は障害物（８）を正
面に視覚し、当該障害物（８）に衝突するという恐怖感
を覚える。

【００１８】ついで、後輪（４）が第２の走行レール
（７）の下り勾配の部分に至ると、走行車両（１）の傾
斜角度は徐々に減少して走行車両（１）は水平状態とな
り、障害物（８）の下方を第１の走行レール（６）及び
第２の走行レール（７）に沿って通過する。

【００１９】以上のように、この装置によれば、第１の
走行レール（６）及び第２の走行レール（７）により形
成される全体的な軌道の変化の他に、局部的にも走行車
両（１）を上下動させるという変化を与えることができ
るので、従来に増して、趣味感に富んだ遊戯を提供する
ことができる。また、全体的な走行軌道が斜め下方に斜
降している部分に前記湾曲部（９）を設けると、走行車
両（１）の傾斜角度は更に大きくなり、遊戯者（Ｙ）は
更にスリリングに感じる一方、走行車両（１）の走行速
度は全体的な走行軌道の傾斜角度に対応した速度であ
り、走行車両（１）の傾斜角度に対応した通常の走行速
度よりも遅いため、走行車両（１）の制御が容易であ
る。

【００２０】更に、上述のように、遊戯者（Ｙ）は障害
物（８）に衝突するという恐怖感を覚え、当該恐怖感と
走行するスピード感とが相俟ったスリル感を味わうこと
ができ、趣味感の更に増した遊戯を楽しむことができ
る。

【００２１】（実施例２）次に、実施例２の乗物装置に
ついて図２及び３に基づき説明する。

【００２２】図２に示すように、この乗物装置は上述の
実施例１の装置と、第２の走行レール（７）の構成及び
補助輪（４ａ）を備えていない点で異なる他は、実施例
１の装置と同じ構成である。

【００２３】即ち、実施例２の装置は、前記第２の走行
レール（７）を前記第１の走行レール（６）の下方に設
けるとともに、所定の部分においてこれを下方に凸とな
るように湾曲させたものである。

【００２４】この装置によれば、湾曲部（９’）におい
て、走行車両（１）は前輪（３）が上方に、後輪（４）
が下方に位置した状態で傾斜する。これによっても、遊
戯者（Ｙ）は局部的な上下動を体感し、更に趣味感に富
んだ遊戯を楽しむことができる。また、全体的な走行軌
道が斜め上方に上っている部分に前記湾曲部（９’）を
設けると、走行車両（１）の傾斜角度は更に大きくな
り、遊戯者（Ｙ）は更にスリリングに感じる一方、走行
車両（１）の走行速度は全体的な走行軌道の傾斜角度に
対応した速度であり、走行車両（１）の傾斜角度に対応
した通常の場合のように減速されないため、走行車両
（１）の走行がスムーズである。

【００２５】尚、走行車両（１）の走行路内に前記障害
物（８）を設ける場合には、走行車両（１）を図３に示
すような構成にするとよい。即ち、この場合には、車体
（２）に前方に延出するアーム（１０）を設け、このア
ーム（１０）に前輪（３）を設けるとよい。このように
構成すれば、第１の走行レール（６）の上方には前輪
（３）のみがあり、障害物（８）を極力第１の走行レー
ル（６）に近づけて設けることができ、遊戯者（Ｙ）は
現実感を持って衝突という恐怖を体感することができ
る。尚、走行車両（１）は容易に障害物（８）の下方を
通過することができる。

【００２６】以上、本発明の具体的実施例について説明
したが、実施例１及び２の装置はあくまでも一例として
例示したものであって、本発明の具体的態様がこれに限
られるものではないことは言うまでもない。特に付言す
るならば、これらの例では第２の走行レール（７）を湾
曲せしめた構成を示したが、第１の走行レール（６）を
湾曲せしめてもよく、更には、第１の走行レール（６）
と第２の走行レール（７）の双方を湾曲せしめた構成と
してもよい。双方を湾曲せしめた場合には、走行車両
（１）が更に複雑な動作形態で上下動するため、当該遊
戯は更に多様感の増したものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例たる実施例１の装置を示す斜
視図である。

【図２】実施例２の装置を示す斜視図である。

【図３】実施例２の装置の変形例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 走行車両 ２ 車体 ３ 前輪 ４ 後輪 ５ 座席部 ６ 第１の走行レール ７ 第２の走行レール ８ 障害物 ９ 湾曲部 １０ アーム

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定の軌道を有する走行軌道と該走行軌
   道に沿って走行する走行車両とを備えた遊戯用乗物装置
   において、前記走行軌道を、第１の走行軌道と該第１の
   走行軌道に沿って設けた第２の走行軌道とから構成し、
   前記第１の走行軌道に対して前記第２の走行軌道の軌道
   を上下方向に波状に湾曲せしめるとともに、前記走行車
   両の前輪を前記第１の走行軌道に係合せしめ、後輪を前
   記第２の走行軌道に係合せしめたことを特徴とする遊戯
   用乗物装置。
2. 【請求項２】 一定の軌道を有する走行軌道と該走行軌
   道に沿って走行する走行車両とを備えた遊戯用乗物装置
   において、前記走行軌道を、第１の走行軌道と該第１の
   走行軌道に沿って設けた第２の走行軌道とから構成し、
   前記第２の走行軌道に対して前記第１の走行軌道の軌道
   を上下方向に波状に湾曲せしめるとともに、前記走行車
   両の前輪を前記第１の走行軌道に係合せしめ、後輪を前
   記第２の走行軌道に係合せしめたことを特徴とする遊戯
   用乗物装置。
3. 【請求項３】 一定の軌道を有する走行軌道と該走行軌
   道に沿って走行する走行車両とを備えた遊戯用乗物装置
   において、前記走行軌道を、第１の走行軌道と該第１の
   走行軌道に沿って設けた第２の走行軌道とから構成し、
   相互に離隔又は接近するように前記第１の走行軌道及び
   第２の走行軌道を上下方向に波状に湾曲せしめるととも
   に、前記走行車両の前輪を前記第１の走行軌道に係合せ
   しめ、後輪を前記第２の走行軌道に係合せしめたことを
   特徴とする遊戯用乗物装置。
4. 【請求項４】 前記走行車両の走行路内又は近傍に障害
   物を設けた請求項１乃至３記載のいずれかの遊戯用乗物
   装置。