JPH08510182A - 木材の圧縮成形乾燥方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、木材（１）の圧縮成形乾燥方法およびその装置に関する。工程の第１段階においては、生木を、同時に加熱しながら、所望の形状に圧縮する。本発明にしたがえば、第１段階中、木材（１）を所望の厚さまで迅速にガス透過性表面（３および４）に対し圧縮し、圧縮工程の第２段階中、木材の乾燥により生じる厚さ減少に等しいか、またはそれ以上の厚さ減少を生じる水準まで圧縮圧を下げ、圧縮工程の進行と共に木材の内部温度を下げる。

Description

【発明の詳細な説明】 木材の圧縮成形乾燥方法 本発明は、木材の圧縮成形乾燥のための請求の範囲１記載の方法に関する。 木材の表面硬度を改良するため、乾燥木材を圧縮する方法は、当該分野の技術 で既知である。これらの方法では、圧縮操作は極度にエネルギーを必要とし時間 のかかる乾燥段階で行われる。 生木用に開発された相当する方法は、落葉木材だけに応用できる。上記従来技 術の方法は、最終製品の品質を害する圧縮セットした木材に乾裂を引き起こして きた。 本発明の目的は、全く新規な木材の圧縮成形乾燥方法とその装置を達成するこ とである。 本発明は、生木を第１段階で高圧で迅速に圧縮し、上記圧縮段階に次いで、木 材をその初期の寸法の方向に回復させ、この段階の後、所望の圧縮した最終寸法 の方向に低圧で圧縮を続ける方法に基づくものである。圧縮段階の初めには、木 材を約150℃に保ち、作業段階の終わりには温度は有利には約125℃である。 さらに詳しくは、本発明の方法は、請求の範囲１の特徴部分の記載によって特 徴づけられている。 本発明は著しい利点をもたらすものである。 本発明は針葉樹木材のノルディツク等級の処理に特に 有利である。この方法は、危険な薬品を使うことなく１回の工程によって木材の 色を変えることができるから、環境的に安全である。本乾燥法は、従来の乾燥法 に比べて迅速である。さらに、この方法の変形は、木材の表面の硬さ、強さ、剛 さ、および色の変化性を変性する制御技術を提供するものである。 次に、添付図面に示した実施態様に関し、本発明をさらに詳細に説明する。 第１図は本発明の実施に適した圧縮装置の側面図である。 第２図は、本発明に従う方法の圧力−時間グラフである。 第３図は第２図に示した方法の厚さ−時間グラフである。 第１図を参照すると、圧縮装置は上部圧縮プラテン５、上部圧縮プラテンの支 持柱８、油圧アクチュエータシリンダー７を有する下部圧縮プラテン６からなっ ている。プラテンの木材に向き合う表面は加熱できる。両プラテン表面は水蒸気 透過性の線３および４で被覆されており、その木材は例えば多孔のシート金属ま たは金属布であることができる。圧縮されるべき厚板１を線布３および４の間に 置き、圧縮ストロークを圧縮プラテン５および６の端に置いた裏当てゲージ２に より制限する。 第２図を参照すると、圧縮を20kp/cm²の高い初期圧で開始し、これを例示の実 施態様にしたがって10分間保持 する。次に、圧縮圧を５kp/cm²に下げる。この低圧水準での圧縮を２時間50分維 持する。 第３図を参照すると、50×100mm（高さ×幅）の断面をもつ厚板の厚さは第１ 圧縮段階でゲージ２の高さ（33mm）に減少し、次いで圧縮圧を５kp/cm²に減らす と、一部分初期の厚板の厚さの方向に回復し、37mm厚さに達する。次いで、低い 圧縮圧はゲージ２の高さにより決められる最終厚さの方向に徐々に厚板を圧縮す る。一般に、この段階で使われる圧縮圧は第１段階中に得られた最高厚さ圧縮の 約10％の厚板の厚さの回復を許すような圧縮圧である。しかし、加える低圧は、 少なくとも、木材の乾燥により起こる自然の厚さ減少に等しい圧縮を達成するよ うな高さでなければならず、それによって内部のハニカム状乾裂が起こるのを回 避する。 圧縮プラテン５および６の温度は木材１の内部で測定される温度に相当する水 蒸気圧をかけた圧縮圧よりも小さく維持するように調節され、それによって水蒸 気の膨張が圧縮段階中の乾裂の発生を防ぐ。高温の目標は一層短い圧縮時間を達 成することである。プラテンの表面温度は150乃至125℃の範囲に制御される。 プレスを減圧する丁度前に、圧縮プラテンをゲージ２に対し休めることによっ て、圧縮圧の制御を実施する。 印加する圧縮時間と温度は木材の所望最終水分含量により決められる。目標は ３％以下の最終水分含量を達成することである。 木材の内部温度は、圧縮段階の開始時においては、典型的には約150℃に制御 され、圧縮段階の終わりには温度は約125℃に下げられ、それによってプレスを 減圧するときの水蒸気膨張の危険を回避する。 第２図および第３図の方法は次の試験の結果から開発された。試験１： 生木の松の厚板（50×100mm²）を150℃で圧縮した。ゲージの高さは33mmであ り、圧縮圧は20kp/cm²であり、それによって圧縮プラテンは、ゲージにより停止 されるまで、約10分間で連続的に互いに接近した。その後、圧縮時間の全期間中 圧縮プラテンをゲージに対し留めて維持した。圧縮段階の時間は４時間であり、 プレスを減圧にしたとき、水蒸気膨張により起こる轟音が聞こえ、多くの乾裂が 厚板表面に見出された。試験２： 厚板の上表面および下表面を、第１図にしたがい線布で被覆した以外は、この 試験は試験１と同じであった。４時間の圧縮時間後プレスを減圧にしたとき、水 蒸気膨張の轟音は起こらず、厚板表面は無傷で残った。その中央長さの所で厚板 を鋸で横切りした後、内部乾裂が見出された。上記内部割れ目は乾燥段階中木材 の収縮により生じた。 第２図および第３図の時間−圧力グラフにしたがって方法を実施することによ り、水蒸気膨張轟音および内部 乾裂の両者を回避できた。 圧縮による相対厚さ減少（初期厚さに対する％）は木材の等級によって20乃至 50％の範囲が有利である。最大の実用的厚さ減少は針葉樹木材では40％、落葉樹 木材では50％である。 第１圧縮段階中に加える典型的な圧縮圧は15乃至20kp/cm²の範囲である。 第１の迅速な圧縮段階の典型的な時間は圧縮工程の全時間の約３乃至10％であ る。第２図および第３図に示した実施例では、第１圧縮段階は全圧縮時間の約５ ％を占めた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ， ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 コンティネン，パーヴォ フィンランド．エフアイエヌ ― 02100 エスポー，レヴォントゥレンティエ ３ デー

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．第１段階において、生木（１）を所望の最終寸法まで迅速に所望の形状にガ ス透過性表面（３および４）に対して圧縮し、同時に木材を加熱することを含む 、木材（１）の圧縮成形乾燥方法において、 圧縮工程の第２段階中、圧縮圧を木材の乾燥により生じる厚さ減少に等しい か、またはそれ以上の厚さ減少を生じる水準に下げ、そして圧縮工程の進行と共 に木材の内部温度を下げる ことを特徴とする方法。 ２．第２段階中、第１段階中に得られた最大厚さ減少の約10％の木材厚さを回復 させるような圧力を使用して、木材（１）を圧縮することを特徴とする請求の範 囲１記載の方法。 ３．工程の開始時に150℃の木材の内部温度を使用し、木材（１）の内部温度を 第２段階の終わりに向けて125℃まで下げることを特徴とする請求の範囲１記載 の方法。 ４．相対厚さ減少が20乃至40％の範囲であることを特徴とする請求の範囲１記載 の松木材の圧縮成形乾燥方法。 ５．第１段階中の圧縮圧が約15乃至20kp/cm²であり、第２段階中の圧縮圧が約５ kp/cm²であることを特徴とする請求の範囲１記載の松木材の圧縮成形乾燥方法。 ６．第１圧縮段階の時間が、全圧縮時間の３乃至10％、好ましくは約５％である ことを特徴とする上記請求の範囲のいずれかに記載の木材の圧縮成形乾燥方法。