JP4787432B2 - 木材の圧密固定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、木材の圧密固定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築用或いは家具用材料として木材を使用する場合には、木材の表面硬度や表面の耐摩耗性等の表面特性を改善したり、水分や熱に対する耐久性及び強度を高めたりすること等を目的として、木材を軟化点以上に加熱して圧縮(圧密化)した後、木材を圧縮状態で冷却して固定化する圧密固定化処理が実施されることがある。
【0003】
しかし、このように普通に圧密固定化処理を行っただけでは、その後、木材に水分や熱が作用して、木材が膨潤して元の形状(状態)へ経時回復してしまったり、反対に乾燥が進んで収縮や反りや曲がり等、変形が著しくなる等、形状安定性が悪いといった不具合が知られている。
【0004】
近年、前記形状安定性が悪いといった不具合を解消する対策として、特開平10−58407号公報等に記載されているように、圧力容器内で水蒸気により木材を軟化点以上に加熱して圧縮(圧密化)した後、圧力容器内にさらに高温・高圧の水蒸気を導入して当該木材を固定化する永久固定化処理法がある。また、特開平6−238616号公報や特開平11−10608号公報等には、密閉可能な金型の互いに対向する熱盤間に木材を収容して熱盤により木材を軟化点以上に加熱すると共に圧縮した状態で、前記熱盤間の密閉空間内へ高温・高圧の水蒸気を導入して、該水蒸気を木材に浸透させて圧密固定化を行う永久固定化処理法が記載されている。
【0005】
ところが、上記何れの固定化処理法においても、圧力容器内或いは密閉空間内へ導入した水蒸気を木材に均一に浸透させ、当該木材の含水率を適正な値に均一に調整して、適切な固定化処理を施すことは難しく、完全に前記不具合を解消するまでには至っていない。詳しく言えば、上記各固定化処理法で固定化処理する際に、木材の含水率が低すぎる場合には、十分に化学変化を起こさせることができず、固定化処理後に、木材が吸湿により元の形状に経時回復してしまう。特に、木材の木口と側面は乾燥し易いため固定化が甘く、吸湿による経時回復が発生し易い。一方、前記含水率が高すぎる場合には、固定化処理中に木材に割れや裂け等の損傷が発生し、歩留まりが悪くなると共に、固定化処理後における木材の乾燥に起因して、収縮等の変形が著しく製品としての価値を失うことがある。
【0006】
また、前記特開平10−58407号公報に記載の固定処理法は、設備が大がかりになってしまうのに加え、木材内部への水蒸気の浸透が困難であり、木材の中央部と周辺部での処理状態が異なる場合が生じる問題がある。
【0007】
加えて、従来既存の固定化処理方法における共通の問題点として、木材の十分な固定化を図るため、圧縮状態を維持して木材を加熱する際の固定化処理用設定温度(最高加熱温度)を高く設定しなければならず、その高温の固定化処理用設定温度が原因で、木材の劣化を誘発し、木材の機械的強度が著しく低下したり、木材特有の香りや色調が損なわれるといった問題もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような点に鑑み提案されたものであって、当該木材の含水率の調整が容易となり、木材を十分かつ均一に圧密固定化することができ、それによって、良好な形状安定性及び表面特性、さらには十分な耐久性及び強度を有し、しかも香りや色調が損なわれることのない木材を得ることができる木材の圧密固定化方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、互いに対向する熱盤を有する密閉可能な金型を用いて木材を加熱及び圧縮することによって木材の圧密固定化処理を行う方法において、前記金型の熱盤間に木材を収容して熱盤により木材を加熱及び圧縮すると共に前記熱盤の温度を固定化処理用設定温度まで上昇させ、前記熱盤が固定化処理用設定温度に到達した後に前記熱盤間の密閉空間内へ水蒸気を導入して木材の含水率を調整しながら圧縮状態を維持し、その後に前記圧縮状態で熱盤を冷却することを特徴とする木材の圧密固定化方法に係る。
【0010】
また、前記密閉空間内へ導入する水蒸気の圧力を、熱盤の加熱温度が固定化処理用設定温度に到達した時における密閉空間内の水蒸気圧力に対して低いことを特徴とする。そして、熱盤の冷却開始前に、密閉空間内への水蒸気の導入を終了することを特徴とする。更に、固定化処理用設定温度が140℃〜200℃であること、圧密固定化を行う木材の含水率が10〜25%であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、熱盤により木材を加熱及び圧縮すると共に前記熱盤の温度を固定化処理用設定温度まで上昇させる際、互いに対向する熱盤を近接させ、該熱盤を木材に密着させた状態で熱盤の近接を一旦停止して当該熱盤の温度を木材の軟化温度まで上昇させ、次いで、前記対向する熱盤の近接を再開して所定の厚みまで木材を圧縮し、前記熱盤を固定化処理用設定温度まで上昇させることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載において、密閉可能な金型について、圧縮方向に複数段とされた熱盤を備えると共に互いに対向する熱盤同士が近接及び離間可能なようにされ、前記互いに対向する熱盤の少なくとも一方の熱盤の対向面周縁には熱盤同士の近接によって熱盤間に密閉空間を形成する型枠が形成され、前記熱盤又は型枠に金型外から密閉空間に通じる水蒸気導入口が形成されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る木材の圧密固定化方法を実施するプレス装置全体を示す断面図、図2は図1の2−2断面図、図3はプレス装置及びそれに接続される配管等を示す概略図、図4は同実施例における木材を圧密する前のプレス装置の金型の一部分を示す断面図、図5は同実施例における木材を圧密した後のプレス装置の金型の一部分を示す断面図、図6は本発明の圧密固定化方法における加熱冷却制御の一例を示す図である。
【0017】
図1に示すプレス装置(圧密固定化装置)10は、本発明の一実施例に係る木材の圧密固定化方法を実施するために用いられるものである。このプレス装置10は、公知の多段プレス装置により構成されており、内部に油圧シリンダ等の駆動部材12が配設された基台11と、前記駆動部材12の作動により進退(ここでは昇降)する加圧盤15と、前記基台11の四隅部に立設された支柱13の先端(ここでは上端)に固定された固定盤16と、前記加圧盤15と固定盤16間に配設される複数段(ここでは4段)の熱盤21(21a,21b,21c,21d)や後述の型枠25で構成される密閉可能な金型20とを備えている。
【0018】
前記複数の熱盤21は、圧縮方向(プレス方向、ここでは上下方向)に所定間隔で配設され、互いに対向する熱盤21同士が近接及び離間可能に構成されている。この例では、最も固定盤16に近い(図では最上段の)熱盤21bは前記固定盤16に固定されており、それ以外の熱盤21は、前記基台11と固定盤16間の前記4本の支柱13より内側位置に立設された4本のシャフト17に沿って進退(ここでは昇降)するようになっている。そして、この例では、前記駆動部材12の前進(上昇)作動により、加圧盤15がまず前進(上昇)して、それによって各熱盤21同士が順次近接するようになっている。一方、前記駆動部材12の後退(下降)作動により、加圧盤15が後退(下降)して、それによって各熱盤21同士が順次離間するようになっている。なお、各熱盤21同士を近接及び離間させる構成は、上記例示に限定されない。
【0019】
また、図示の例では、前記各支柱13の内側面の適所に支柱側係合片k1,k2が突設されると共に、中間の熱盤21c,21d(最も加圧盤15に近い熱盤21aと最も固定盤16に近い熱盤21bを除く熱盤)の外側面の適所に前記支柱側係合片k1,k2と係合する熱盤側係合片k3,k4が突設され、非加圧状態では前記支柱側係合片k1,k2と熱盤側係合片k3,k4の係合によって、前記中間の熱盤21c、21dの下降がそれぞれ規制されている。なお、上側の支柱側係合片k1と下側の熱盤側係合片k4とを互いに干渉しないような位置に設ける等、適宜手段により、下側の熱盤21cの上方移動が前記支柱側係合片により規制されないようにする必要がある。
【0020】
前記各熱盤21は、木材Wを加熱及び圧縮するためのもので、この例では各段毎に複数本(図では3本)の木材Wを載置できる平面サイズを有している。熱盤21の少なくとも木材Wと接触する接触面は、木材が鉄イオン汚染により黒色化しない材質からなることが好ましく、この例では図示されていないが前記接触面にステンレス鋼が取り付けられている。勿論、前記ステンレス鋼の代わりにアルミニウムや普通鋼をメッキするようにしても良い。
【0021】
前記熱盤21内部には、加熱冷却用の媒体を通す経路22が形成され、該経路22には配管及び開閉弁等を介して加熱媒体(水蒸気や油等)供給装置及び冷却媒体(冷却水や油等)供給装置が接続されている。そして、前記経路22に加熱媒体又は冷却媒体(冷却水や油等)を流通させることによって、当該熱盤21の加熱或いは冷却を行うようになっている。なお、熱盤21の加熱は、前記水蒸気や油等の加熱媒体によらないで、電気ヒータや高周波,マイクロ波等によって行われても良い。
【0022】
前記互いに対向する熱盤21の少なくとも一方の熱盤21の対向面周縁には、図1及びその2−2断面を示す図2から理解されるように、枠状の型枠25が形成され、対向する熱盤同士の近接によって熱盤21及び型枠25間に密閉空間Y(図5参照)が形成されるようになっている。前記型枠25は、十分な強度を有し、かつ木材が鉄イオン汚染により黒色化しない材質からなることが好ましい。例えば、ステンレス鋼や、非鉄金属のアルミニウム又は普通鋼をメッキしたもの等が挙げられる。
【0023】
この例の型枠25は単体で構成され、対向する熱盤21の各組において上側に位置する熱盤21(21b,21c、21d)の下面周縁に強固に固定されている。これに限らず、型枠25は、その内側の密閉空間Yの気密を保持でき、かつ木材圧縮時における内圧に耐えることができる強度を有する構造ならば、分割された枠や複数の枠で構成されても良い。加えて、この例においては、前記型枠25の内側周縁(密閉空間側周縁)と熱盤21との間には、密閉空間Yの気密保持効果を高めるためのシール部材26が介在されている。このシール部材26としては、耐水蒸気性及び耐熱性に優れたシリコンゴム,シリコン樹脂等が挙げられる。
【0024】
また、この例では、前記型枠25は、製品(圧密固定化処理後の木材)の厚さを決めるゲージの機能も有している。つまり、前記型枠25の高さは、所望する圧密固定化製品の厚さに応じて適宜設定されている。なお、これに限らず、製品の厚さを決めるゲージを、前記型枠25とは別部品として配設するようにしても良い。
【0025】
さらに、この例においては、前記型枠25には、金型20外から前記各密閉空間Yに通じる水蒸気導入口27が形成されると共に、該水蒸気導入口27には配管や開閉弁等を介して水蒸気供給装置(図では前記熱盤を加熱するための水蒸気供給装置を兼用している。)が接続され、当該水蒸気導入口27を介して密閉空間Y内へ水蒸気を導入できるようになっている。前記密閉空間Y内への水蒸気の導入は上記例示に限定されず、熱盤21に水蒸気導入口を設ける等、熱盤21側から密閉空間Y内に水蒸気を導入するようにしても良い。
【0026】
図3には、上記プレス装置10における熱盤21や型枠25の熱制御配管系統の一例が概略的に示されている。なお、図中の符号G1は熱盤21を加熱するための水蒸気(加熱媒体)及び密閉空間Y内に導入される水蒸気を供給する水蒸気供給装置、G2は熱盤21を冷却するための冷却水(冷却媒体)を供給する冷却水供給装置、H1は各熱盤21へ水蒸気又は冷却水を送るための第一入口ヘッダ、H2は各密閉空間Y内へ水蒸気を送るための第二入口ヘッダ、H3は各熱盤21からの水蒸気又は冷却水が送られる出口ヘッダ、V1は加熱蒸気弁、V2は冷却水弁、V3は密閉空間内蒸気導入弁、V4排出弁、Zは熱盤冷却時における熱盤21から流出する冷却水の温度に応じて当該冷却水の流量を制御する冷却水制御部である。
【0027】
上記プレス装置10(金型20)を用いる、本発明の一実施例に係る木材の圧密固定化方法について説明する。まず、図1又は図4に示すように、各熱盤21上の型枠25内側に複数(図では一つの熱盤に3本、合計9本)の木材Wを並列に載置し、木材Wを互いに対向する熱盤21間に収容する。なお、本実施例では、木材として幅130mm、厚さ30mm、長さ2000mmのスギ板目材が用いられている。ここで、木材Wの含水率は、気乾の約10%から繊維飽和点の約25%の間が好適であり、より好ましくは13〜18%の間である。なお、本実施例では、9本の木材の平均全乾含水率は13.2%であった。
【0028】
次に、前記駆動部材12の前進(上昇)作動により加圧盤15を前進(上昇)させる。その際、まず最下段における下側の熱盤21aが木材Wと共に前進(上昇)して前記木材Wが上側の熱盤21cと接触し、更なる駆動部材12の前進(上昇)により熱盤21cが押し上げられて該熱盤21c上の木材Wがその上の熱盤21dと接触し、更なる駆動部材12の前進(上昇)により前記熱盤21dが押し上げられて該熱盤21d上の木材Wが最上位の熱盤21bと接触する。このようにして互いに対向する熱盤21同士を近接させ、熱盤21間で木材を挟むように該熱盤21を木材Wに密着させた状態で熱盤21の近接を一旦停止させ、その後、前記熱盤21の経路22内に高温・高圧の水蒸気を流通させることにより、当該熱盤21の温度を木材Wの軟化温度まで上昇(昇温)させる。前記軟化温度は、木材Wの含水率に応じて変わるが、約40〜約140℃であり、本実施例では120℃とした。
【0029】
なお、前記軟化温度まで上昇させるのに代えて、軟化温度よりも高い温度である後述の固定化処理用設定温度まで熱盤21を加熱するようにしても良いが、その場合には熱盤21の温度が不均一になり、ひいては木材Wの温度も不均一になって固定化処理に必要となる時間が木材Wの部分毎に異なり、圧密固定化製品の品質が安定しなくなるおそれがある。したがって、この例のように、一旦軟化温度まで熱盤21を加熱してその温度付近で維持するのが好ましい。
【0030】
次いで、再び前記駆動部材12を前進(昇降)作動させることにより、前記対向する熱盤21同士の近接を再開して、図5に示すように木材Wを所定の厚み(ここでは17mm)まで圧縮する。このとき、圧縮速度が早い場合には、木材W内の空気や水蒸気が抜けにくく、木材Wに作用する圧力が高くなるため、木材Wに割れや亀裂等が発生したり、木材の軟化が不十分となって内部割れが起こったりして品質が低下するおそれがある。一方、前記圧縮速度が遅い場合には、作業効率が悪化してしまう。このことを考慮すると、具体的な圧縮速度としては、1分当たり2mm〜10mm、より好ましくは1分当たり3mm〜5mmとするのが良い。
【0031】
その後、前記木材Wの圧縮状態を維持したまま、前記各熱盤21の温度を固定化処理用設定温度(最高加熱温度)まで上昇させ、木材Wの固定化を行う。前記固定化処理用設定温度は約140℃〜約200℃の範囲に設定され、特に150℃〜170℃に設定するのが好ましい。本実施例では前記固定化処理用設定温度を160℃とした。なお、前記固定化処理用設定温度が低い場合には、木材Wの固定化が甘くなり、後述の熱盤21間の密閉空間Yに導入される水蒸気の作用による化学変化を十分に起こさせることができなくなるため、圧密固定化処理後の製品が吸湿に起因して元の形状に経時回復し易くなる。反対に、前記固定化処理用設定温度が高い場合には、木材Wの固定化の効果は大きいが、木材Wの劣化による機械的強度の低下が著しくなり、さらには木材特有の香りや色調も著しく損なわれてしまう。
【0032】
前記熱盤21の温度が固定化処理用設定温度に到達した後、その状態を所定の固定化処理時間維持すると共に、前記熱盤21又は型枠25(実施例では型枠25)に形成された水蒸気導入口27を介して密閉空間Y内へ高温・高圧の水蒸気を導入する。前記固定化処理時間は、木材Wの含水率等を考慮して適宜設定され、本実施例では60分とされている。
【0033】
前記水蒸気の導入は、加熱冷却制御の一例を示す図6から理解されるように、熱盤21の温度が固定化処理用設定温度に到達してから所定時間t1経過した後に密閉空間内蒸気導入弁V3を開いて開始され、さらには、木材の固定化処理終了時(冷却開始時)の所定時間t2前に密閉空間内蒸気導入弁V3を閉じて停止される。このようにすれば、木材W内に水蒸気を浸透させ、それによって木材Wの化学変化を十分起こさせることができ、その結果、木材Wを十分かつ均一に固定化することができ、乾燥等による変形量の少ない圧密化製品を得ることができる。なお、前記密閉空間Y内への水蒸気の導入を、熱盤21の温度が固定化処理用設定温度に到達する前に開始した場合には、水蒸気が凝縮して前記密閉空間Y内が水で満たされた状態となり、圧密化製品の含水率が多くなってしまい、その結果、圧密化製品の乾燥等による変形量が増加する可能性が高い。
【0034】
また、前記水蒸気の導入開始時及び導入停止時に関する時間t1,t2は、使用する木材Wの含水率等に応じて適宜定められる。具体的に言えば、含水率の不足する過乾燥木材を圧密固定化する場合には、前記水蒸気の導入が遅れると、固定化に必要な水蒸気が不足してしまい、固定化が甘くなって、前記製品化後における経時回復が起こりやすくなったり、製品が局部的に変形したりする等、均一性に欠けた製品となり、他方、前記水蒸気の導入終了が遅れると、冷却を効率よく行えなくなって処理効率が低下するるため、それらを考慮して、前記t1,t2を設定する必要がある。本実施例では前記t1を60秒、t2を60秒とした。
【0035】
ここで、前記密閉空間Y内へ導入する水蒸気の圧力が密閉空間Y内の水蒸気圧力より高い場合には、当該水蒸気が凝縮して前記密閉空間Y内が水で満たされた状態となり、圧密化製品の含水率が多くなって圧密固定化製品の使用時における乾燥等による変形量が増加してしまう。そのため、前記導入する水蒸気の圧力A2(MPa)は、熱盤21の加熱温度が固定化処理用設定温度に到達した時における密閉空間Y内の水蒸気圧力A1(MPa)に対して等しい或いは低くされ、好ましくはA1≧A2≧(A1−0.02)MPaとなるように設定される。本実施例では、前記導入水蒸気の圧力を密閉空間Y内の水蒸気圧力より0.01MPa低くしている。また、同様の理由により、前記密閉空間Y内へ導入する水蒸気の温度B2(℃)は、前記固定化処理用設定温度B1(℃)に対し、B1≧B2≧(B1−5)℃となるように設定される。本実施例では、前記導入水蒸気の温度を前記固定化処理用設定温度より5℃低くしている。
【0036】
前記熱盤21の温度が固定化処理用設定温度に達してから前記固定化処理時間が経過した時に、木材Wの圧縮状態(対向する熱盤同士の近接状態)を保ったまま、前記熱盤21内部の経路22内に、前記高温・高圧の水蒸気(加熱媒体)の代わりに冷却水(冷却媒体)を流通させることによって、熱盤21及び木材Wを冷却する。その際、本実施例では、温度が100℃になった熱盤21については、冷却水の供給を一旦止め、全ての熱盤21の温度が100℃になった時点で、再度、全ての熱盤21内に冷却水を供給するように前記冷却水制御部Zによって冷却水を制御している。このようにすれば、熱盤21の違いによって木材が不均一に冷却されることが少なくなり、冷却不足に起因して発生する木材製品表面の膨れ等を防止でき、歩留まりが向上する。
【0037】
そして、前記熱盤21が所定温度(実施例では40℃)以下になった時に、前記駆動部材12の後退(下降)作動によって、互いに対向する熱盤21同士を離間させ(型開き)、熱盤21間から製品(圧密固定化された木材)を取り出せば、当該木材の圧密固定化処理は終了する。
【0038】
上記実施例の圧密固定化処理により得られた製品に対して、次のように固定化度の確認試験(ここでは30℃の水浸漬1時間と沸騰水浸漬1時間の2水準)を行った。今回の確認試験では、製品(圧密固定化木材)の一方の木口から10mm,100mm,200mm,500mm,1000mm,1500mm,1800mm,1900mm,1990mm位置の9箇所から長さ10mm、幅130mm、厚さ30mmの試験片を切り出し、各試験片を30℃の水及び沸騰水に1時間浸漬した。その後、全乾して厚さを測定し、変化率(厚み変化率)を次式で算出した。全乾方法は105℃雰囲気の熱風乾燥機にて24時間行った。
変化率(%)=〔浸漬後の全乾板厚÷圧密固定化処理後の板厚−1〕×100
【0039】
このようにして得られた変化率と、次式で算出された補正値(=5.29)から定めた判定用基準計算値(=5)とを比較して固定化度の評価(前記変化率が5以下の場合は○(可)、5より超える場合は×(不可))を行った。
補正値=0.3×10×30÷17=5.29
上の補正値を得る式は、含水率1%当たりの収縮率を0.3%、元の木材の含水率が10%、元の板厚が30mm、圧密固定化処理後の板厚が17mmであることに基づく。
【0040】
なお、幅130mm、厚さ30mm、長さ2000mm、平均全乾含水率12.3%のスギ板目材に対して、上記実施例と同じプレス装置を用い、木材の圧縮後に密閉空間内への水蒸気の導入を行わないことを除き、その他の条件は上記実施例と全て同じにして、厚さ17mmとなるよう圧密固定化処理を行って比較例1を得た。また、幅130mm、厚さ30mm、長さ2000mm、平均全乾含水率15.4%のスギ板目材に対して、上記実施例と同じプレス装置を用い、木材の圧縮後に密閉空間内へ水蒸気を導入するのに代えて該水蒸気より0.02MPa低い圧縮空気を導入したことを除き、その他の条件は上記実施例と全て同じにして厚さ17mmとなるよう圧密固定化処理を行って比較例2を得た。前記比較例1及び2に対しても前記と同様にして固定化度の確認試験(固定化評価)を行った。その結果を表1,2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
上の表1及び2からも分かるように、上記実施例では、一般の生活条件を想定した30℃浸漬試験にも、さらに過酷な煮沸浸漬試験においても変化量が少なく、木材の木口付近における固定化度の甘さを確実に改善でき、さらには木材全体も十分かつ均一に固定化されている。一方、比較例1,2では、煮沸浸漬試験において、木口付近の固定化度が耐えられず、変化量の多さが著しい結果となった。これは、木材の長手方向の中央部では含水率が十分であるが、木口付近は過乾燥であったためと推測される。
【0044】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、本発明に係る木材の圧密固定化処理方法によれば、金型の熱盤による木材の圧縮後における前記圧縮状態を維持しながら木材を加熱して固定化を行う際に、熱盤間の密閉空間内へ水蒸気を導入し、その水蒸気を木材内に十分かつ均一に浸透させることができ、木材内の含水率を均一かつ簡単に調整することができるので、木材の十分かつ均一な圧密固定化が可能となる。その結果、圧密固定化された製品(木材)の形状安定性,表面特性,耐久性,強度が向上し、反りや曲がりや局部的な膨らみ等の発生が微少となり歩留まりが改善され、品質が向上する。さらに、当該圧密固定化処理方法によれば、良好に圧密固定化処理を行える木材の含水率範囲は広がるため、特に過乾燥木材に対して効果が大きく、天乾法や人工乾燥にも対応できる。
【0045】
また、本発明の圧密固定化処理方法においては、前記熱盤の温度が固定化処理用設定温度に到達した後に、前記密閉空間内へ水蒸気を導入するため、密閉空間内で水蒸気が凝縮し難く、圧密固定化製品の含水率が多くなり過ぎるのを防ぐことができる。したがって、圧密固定化製品の、乾燥等に起因する変形を極力抑えることができる。また、圧密した木材を固定化する際の固定化処理用設定温度を下げることができるので、木材の熱劣化が減少し、圧密固定化製品の機械的強度の低下を少なくできると共に、香りや色調の悪化を防ぐことができ、本来の木材の特徴を保持できる。さらには、設備の光熱費を低減できる利点もある。
【0046】
特に、密閉空間内へ導入する水蒸気の圧力を、熱盤の加熱温度が固定化処理用設定温度に到達した時における密閉空間内の水蒸気圧力以下とすれば、前記密閉空間内の水蒸気がより凝縮し難くなり、圧密固定化製品の含水率増大防止が容易となる。また、熱盤の冷却開始前に密閉空間内への水蒸気の導入を終了するようにすれば、木材をより一層、十分かつ均一に効率よく固定化することができ、乾燥等に起因する変形量の少ない圧密固定化製品を効率よく得ることができる。そして、前記固定化処理用設定温度を140℃〜200℃とすれば、木材の固定化が甘くなるのを防ぎ、圧密固定化製品の吸湿等に起因する経時回復が一層起こり難くなると共に、木材の熱劣化が減少し、圧密固定化製品の機械的強度の低下、及び香りや色調の悪化を防止できる。更に、圧密固定化を行う木材の含水率を10〜25%とすれば、形状安定性,表面特性,耐久性,強度に優れた圧密固定化製品をより簡単に得ることができる。
【0047】
請求項2の発明のように、熱盤を木材に密着させた状態で対向する熱盤同士の近接を一旦停止して当該熱盤の温度を木材の軟化温度まで上昇させ、次いで、対向する熱盤同士の近接を再開して所定の厚みまで木材を圧縮し、前記熱盤を固定化処理用設定温度まで上昇するようにすれば、木材の圧密固定化をより効率的かつ良好に実施することができる。
【0051】
請求項3の発明のように、多段プレス装置を用いて木材の圧密固定化処理を行うようにすれば、生産効率が極めて良くなり有利である。また、当該発明のように、互いに対向する熱盤の少なくとも一方の熱盤の対向面周縁に形成された型枠、或いは熱盤に金型外から密閉空間に通じる水蒸気導入口を形成し、該水蒸気導入口を介して密閉空間内へ水蒸気を導入するように構成すれば、金型構造が簡単になり、設計上及びコスト上有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る木材の圧密固定化方法を実施するプレス装置全体を示す断面図である。
【図2】図1の2−2断面図である。
【図3】プレス装置及びそれに接続される配管等を示す概略図である。
【図4】同実施例における木材を圧密する前のプレス装置の金型の一部分を示す断面図である。
【図5】同実施例における木材を圧密した後のプレス装置の金型の一部分を示す断面図である。
【図6】本発明の圧密固定化方法における加熱冷却制御の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 プレス装置(圧縮固定化装置)
20 金型
21 熱盤
25 型枠
27 水蒸気導入口
S 密閉空間
W 木材
Claims (3)
- 互いに対向する熱盤を有する密閉可能な金型を用いて木材を加熱及び圧縮することによって前記木材の圧密固定化処理を行う方法において、
前記圧密固定化処理は、前記金型の熱盤間に前記木材を収容して前記熱盤により前記木材を加熱及び圧縮すると共に前記熱盤の温度を固定化処理用設定温度140℃〜200℃まで上昇させ、前記熱盤の加熱温度が前記固定化処理用設定温度に到達した時における密閉空間内の水蒸気圧力に対して低い水蒸気を導入し、前記木材の含水率を下げながら、前記熱盤の冷却開始前に前記密閉空間内への水蒸気の導入を終了し、その後に前記圧縮状態で前記熱盤を冷却する工程からなり、前記圧密固定化処理された製品の含水率を10〜25%としたことを特徴とする木材の圧密固定化方法。 - 前記熱盤により前記木材を加熱及び圧縮すると共に前記熱盤の温度を前記固定化処理用設定温度まで上昇させる際、互いに対向する前記熱盤を近接させ、前記熱盤を前記木材に密着させた状態で前記熱盤の近接を一旦停止して当該熱盤の温度を前記木材の軟化温度まで上昇させ、次いで、前記対向する熱盤の近接を再開して所定の厚みまで前記木材を圧縮し、前記熱盤を前記固定化処理用設定温度まで上昇させることを特徴とする請求項1に記載の木材の圧密固定化方法。
- 前記密閉可能な前記熱盤は、圧縮方向に複数段に変位すると共に互いに対向する前記熱盤同士が近接及び離間可能なようにされ、前記互いに対向する熱盤の少なくとも一方の熱盤の対向面周縁には前記熱盤同士の近接によって熱盤間に密閉空間を形成する型枠が形成され、前記熱盤または前記型枠に前記金型外から密閉空間に通じる水蒸気導入口が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の木材の圧密固定化方法。
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