JPH08508394A - 電動回転機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 磁性材料製の回転子コア（７）と、該回転子コアに設の各スロット（５）内に配設され端部において互いに連結されて巻線を構成する銅製バー型導体（３）とから成る回転子を有する大型電動回転機であって、バー型導体が、該導体に被覆されたセラミック系材料のコーチングによって回転子コアから電気的に絶縁されていることを特徴とする電動回転機。このコーチングは、導体バーと回転子コアとの問にスパークが生じるのを防上する働きをする。

Description

【発明の詳細な説明】 電動回転機技術分野 本発明は、磁性材料製の回転子コアと、回転子コアに設けられた複数のスロッ ト内の各々に配設され互いに連結されて巻線を構成する銅又は銅系材料のバー型 導体とから成る回転子を有するタイプの１０キロワットを越す定格パワーを有す る電動回転機に関する。技術背景 そのような電動回転機（「回転機」又は単に「機械」とも称する）の具体的な 例としては、回転子のバー型導体が端部において互いに結合されて籠形巻線とさ れている誘導モータや、回転子の導体が互いに結合されて籠形乱調防止巻線とさ れている同期モータがある。 そのような機械においては、回転子のバー型導体（「導体バー」とも称する） は、通常、絶縁処理されていないが、近年、ある状況下においては絶縁処理され ていない導体バーと回転子コアとの間にスパークが発生することがあることが分 かった。そのようなスパークは、爆発性雰囲気中で作動させる必要のある機械に おいては許容し得ない。 そのようなスパークは、バー型導体が回転子コアに常時完璧に電気的に接触し た状態に保持されるようにすることによって防止することができることが分かっ ている。しかしながら、そのような接触は新しい機械において は可能であるが、そのような接触がその機械の有効寿命中終始維持されることを 保証することは、例えばバー型導体の素材と回転子コアの素材との間に熱膨張の 差があるために不可能である。 スパークの問題に対する別の解決法は、バー型導体を回転子コアから電気的に 絶縁することである。しかしながら、従来は、絶縁処理のための好適な方法を選 択することは困難であることが分かっている。例えば、導体を絶縁テープ又はシ ートで巻くのは、不適当であることが判明している。なぜなら、導体バーの疲労 破損を回避するために回転子コアのスロット内の導体バーを十分に固く締め付け るように絶縁テープ又はシートをきつく巻きつけることができないからである。発明の開示 本発明の目的は、この問題を解消する上記タイプの電動回転機を提供すること である。 本発明によれば、回転子のバー型導体にセラミック系材料のコーチングを被覆 することによって該導休を回転子コアから電気的に絶縁したことを特徴とする上 記タイプの電動回転機が提供される。 このコーチングは、アルミナセラミック系材料で構成し、５００μｍ未満の厚 さとすることが好ましい。 又、このコーチングは、微孔質のセラミック系材料で構成することが好ましく 、プラズマ溶射を用いて導体バーに塗布するのが好適である。 このコーチングは、微孔質材料である場合は、合成樹脂材に含浸させるのが好 適である。図面の簡単な説明 添付図は、本発明による電動回転機の一部分の概略透視図である。好ましい実施形態の説明 添付図を参照して本発明による２つの電動回転機を説明する。 最初に説明する第１の電動回転機は、回転子コア７と、該コアの周りのスロッ ト５内に配設された５０本の銅製回転子導体バー（「バ一型導体」とも称する） ３とから成る籠形回転子を有する１５００キロワットの定格の誘導モータである 。各導体バー（単に「導体」とも称する）３は、１０．０４ｍｍ×４５．７４ｍ ｍの全体寸法を有する断面Ｌ字形であり、３．５ｍｍ×１０ｍｍの寸法のウエブ 部分即ち垂直突出部分９を有する。 回転子コア７は、積層構造であり、厚さ０．５ｍｍの磁性材料の単層から慣用 の態様で製造される。 本発明によれば、各回転子導体バー３を回転子スロット５内に挿入する前に、 プラズマスプレーガンを用いて不活性ガスと共にアルミナセラミック粉末をプラ ズマ溶射することによって回転子導体バー３に電気絶縁性コーチングを施す。プ ラズマ溶射法自体は、周知であり、例えば、「サイエンティフィック・アメリカ ン」の１９８８年９月号の第７８〜８３頁に掲載されている「プラズ マ溶射コーチング」と題する論文に記載されている。 プラズマスプレーガンは、通常、水冷円筒形陽極と、円筒形陽極内に配置され た水冷円錐形陰極とから成り、円筒形陽極は、陰極から突出してノズルを構成し ている。陽極と陰極との間の空間を通して不活性ガス（通常、水素と混合された アルゴン）が噴射され、該空間内でイオン化されてプラズマを創生する。ノズル 内に形成されるプラズマジェット内へ管を通して粉末材料が導入される。 作動中、陽極と陰極との間に接続された直流電源がアークを維持し、プラズマ 火炎がノズルから噴出される。この火炎と共にそれに包含された溶融粉末粒子が 目標に吹き付けられ目標の表面上で固化してコーチングを形成する。 プラズマ溶射法によって形成されたコーチングに、例えば真空含浸法等の任意 の周知の方法を用いて合成樹脂を含浸させる。 このようにして（電気絶縁性コーチングを）被覆された導体バー３を回転子コ アの各スロット５に挿入して互いに接続し、それらのバーの端部を銅又は銅合金 製の端部リング１１にろう付け又は溶接することによって籠形巻線を形成する。 第２の電動回転機の場合は、プラズマ溶射法によってコーチングを形成し、コ ーチングに樹脂を含浸させる方法に代えて、導体バー３を適当なセラミック系材 料の懸 濁液、例えばガラスセラミック粉末を水に懸濁させた懸濁液中に浸漬させた後導 体バー３を焼成することによって電気絶縁性コーチングを形成する。 導体バー３上に電気絶縁性コーチングを形成するのにセラミック系材料を用い ることにより、導体バーに強固に接合し、所要の度合の電気絶縁性を与えること ができ、しかも、導体バー３から回転子コア７への所要の度合の熱伝達を可能に する非常に丈夫なコーチングが得られる。更に、このコーチングは、導体バー３ を端部リング１１ににろう付け又は溶接する際に生じる導体バー３の端部の変形 に耐えるのに十分な強度を有する。 本発明による導体バーの絶縁コーチングを形成するための材料として、上述し たアルミナ及びガラスセラミック以外のセラミック材を用いるこでる。一般的に いえば、「サイエンティフィック・アメリカン」の上述した論文に記載されてい るように、内燃エンジン等の機械に耐熱及び、又は耐摩性コーチングを施す等の 目的に従来から使用されている材料、例えばジルコニウムベースの酸化物等が、 本発明のコーチングの材料として使用するのに好適であると考えられる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．磁性材料製の回転子コア（７）と、該回転子コアに設けられた複数のス ロット（５）内の各々に配設され互いに連結されて巻線を構成する銅又は銅系材 料製のバー型導体（３）とから成る回転子を有するタイプの１０キロワットを越 す定格パワーを有する電動回転機であって、 前記バー型導体（３）は、該導体に被覆されたセラミック系材料のコーチング によって前記回転子コア（７）から電気的に絶縁されていることを特徴とする電 動回転機。 ２．前記コーチングは、アルミナセラミック系材料から成ることを特徴とす る請求の範囲第１項に記載の電動回転機。 ３．前記コーチングは、５００μｍ未満の厚さを有することを特徴とする請 求の範囲第１項又は２項に記載の電動回転機。 ４．前記コーチングは、微孔質のセラミック系材料から成ることを特徴とす る請求の範囲第１〜３項のいずれかに記載の電動回転機。 ５．前記コーチングは、プラズマ溶射法を用いて前記導体に被覆されたもの であることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の電動回転機。 ６．前記コーチングに合成樹脂が含浸されていることを特徴とする請求の範 囲第４項又は５項に記載の電動 回転機。 ７．前記コーチングは、前記導体バー（３）をセラミック系材料の懸濁液中 に浸漬させた後該導体バーを焼成することによって導体バーに被覆されたのもで あることを特徴とする請求の範囲第１〜３項のいずれかに記載の電動回転機。 ８．前記セラミック系材料は、ガラスセラミック系材料であることを特徴と する請求の範囲第７項に記載の電動回転機。