JPH0749687Y2 - 電気機器の絶縁構造 - Google Patents

電気機器の絶縁構造

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JPH0749687Y2
JPH0749687Y2 JP3300291U JP3300291U JPH0749687Y2 JP H0749687 Y2 JPH0749687 Y2 JP H0749687Y2 JP 3300291 U JP3300291 U JP 3300291U JP 3300291 U JP3300291 U JP 3300291U JP H0749687 Y2 JPH0749687 Y2 JP H0749687Y2
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JP
Japan
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ceramic coating
coating layer
conductor
undercoat layer
particle size
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JP3300291U
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JPH0656928U (ja
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久 諏訪原
良一 山本
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アドバンス・コージェネレーションシステム技術研究組合
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、導体と鉄心との間の絶
縁を必要とする電気機器に適用される絶縁構造に関す
る。
【0002】近年のセラミックス薄膜作成技術の進歩に
より、セラミックコーティングによる絶縁電線が開発さ
れており、従来の有機系材料被覆では成し得なかった3
00℃以上の高耐熱性や高電圧性が実現されるようにな
った。そして、このセラミックコーティング絶縁電線を
高耐熱性の要求される回転電機,変圧器,リアクトルな
どの電機器へ応用することが検討されている。
【0003】すなわち、例えば回転電機の回転子におい
て、従来、導体に有機系材料の絶縁を施したコイルを鉄
心の溝内に嵌め込んでいたが、図3に示すように導体0
1にセラミックコーティング層02を施したコイル03
を、鉄心04の溝05内に嵌め込んで収納することによ
り耐熱性を向上させている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、導体01の
表面に結合されているセラミックコーティング層02
は、数μm〜数百μmの厚さであり、導体01と比較し
て線膨張率が著しく小さい。特に、導体01としては通
常、銅を用いるが、銅の線膨張率はα=1.6×10-5
/℃と非常に大きいので、これと比べるとセラミックコ
ーティング層02の線膨張率は約1ケタ小さくなる。
【0005】したがって、かかるコイル03に熱がかか
ると、セラミックコーティング層02は導体01と一緒
に伸びることができず、大きな熱応力がセラミックコー
ティング層02に加わることになる。そして、このよう
な温度上昇及び下降の繰り返し、いわゆるヒートサイク
ルなどによりセラミックコーティング層02にクラック
が発生し、導体01の表面から剥離してしまい、電
器の故障・事故に至るという問題がある。この為、従来
においては上記問題を解決するために種々の提案がなさ
れている。 導体01の外周に二層の絶縁部を設け、上記導体に
近い内方部分の成分が外方部分の成分に比べてセラミッ
クスの割合を高くしている(特開平3−1407号公報
参照)。 導体01の外周に二層以上のセラミックス層を設
け、上記導体に近い内方部分の成分が外方部分の成分に
比べてセラミックスコーティング層の線膨張率を大きく
している(実願平1−74856号;実開平3−154
18号公報)。 導体01の外周に気孔量の異なる二層以上のセラミ
ックス層を設け、導体に近い内方部分の成分が外方部分
の気孔量に比べて相対的に多くしている(実願平1−1
13544号;実開平3−53822号公報)。 導体01の外周に粒度分布の異なる二層以上のコー
ティング層を設けると共 に更にその外周にセラミックス
層を設け、且つ導体に近い上記コーティング層内方部分
の粒度分布が外方部分の粒度分布に比べて相対的に小さ
くしている(実願平2−10196号;実開平3−10
1503号公報)。しかしながら、上記いずれの場合に
も、導体01の外周に各々種類の相違する二層以上の層
を設けることにより、絶縁性を向上させているものの、
その種類の相違する層の調整に手間及び費用が嵩み、よ
り簡易な方法によって更に絶縁性を向上させることが望
まれている。
【0006】本考案はこのような事情に鑑み、セラミッ
クコーティング層の結合強度を大きくして剥離を防止し
た絶縁構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本考
案の電機器の絶縁構造は、粒度分布として44〜10
μmを主体とするNi−Crからなる金属材料によるア
ンダーコート層と、このアンダーコート層上に形成され
アルミナからなるセラミックコーティング層とを有す
る導体を、鉄心の溝内に配してなることを特徴とする。
【0008】
【作用】特定の粒度分布、すなわち44〜10μmを主
体とする金属材料によるアンダーコート層の上にセラミ
ックコーティング層を設けた構造とすると、アンダーコ
ート層の表面に適度な凹凸が形成されてセラミックコー
ティング層が強固に結合され、しかも絶縁用皮膜として
要求される耐電圧特性も良好となる。
【0009】
【実施例】以下、本考案を実施例に基づいて説明する。
【0010】図1には一実施例に係る回転機の回転子の
断面を示す。同図に示すように鉄心1の溝2内には、導
体である銅線3が納められており、この銅線3の表面に
はアンダーコート層4及びセラミックコーティング層5
が施されている。
【0011】ここで、外側のセラミックコーティング層
5には、耐熱性の他、耐電圧特性,耐機械強度特性など
が優れた素材、例えばアルミナ(Al2 3 )は、線膨
張率が一般に(6〜9)×109 /℃と小さく、銅線3
の線膨張率との差が著しいので、直接、銅線3上にコー
トした場合には剥離し易い。よって、本実施例ではセラ
ミックコーティング層5の剥離を防止するためにアンダ
ーコート層4を設けている。
【0012】アンダーコート層4は特定の粒度分布を有
する金属材料、例えばNi−Crなどの一般のアンダー
コート用材料で形成すればよく、好ましくは線膨張率が
なるべく小さいものを用いるのがよい、アンダーコート
層4の形成に先立って、銅線3の表面の洗浄・脱脂処
理、並びにサンドブラストによる銅線3の表面の粗面化
を行い、当該アンダーコート層4が強固に銅線3に結合
するようにするのが望ましい。また、アンダーコート層
4は特定の粒度分布を有する金属粉体を銅線3の表面に
溶射などすることにより、表面が金属の粒に応じて凹凸
面になるように形成するのがよい。
【0013】一方、セラミックコーティング層5は、例
えばプラズマジェットによる熱でセラミックパウダを溶
融しつつ噴射する溶射法などにより形成すればよい。こ
のプラズマプロセスではN2 ,H2 などを電離させて作
った1万℃以上の高温・高速のプラズマジェット中にア
ルミナなどの溶射材を送って溶融・噴射するが、溶射材
は被溶射材に到達するときには200℃前後となるので
特に問題はない。なお、セラミックコーティング層5を
溶射等した後は、その表面を研摩し、超音波洗浄等する
のが望ましい。
【0014】上述したように、特定粒度の、すなわち後
述するように粒度分布として44〜10μmを主体とす
る金属材料を用いてアンダーコート層4を形成すること
によりアンダーコート層4の表面は適度な凹凸面とな
り、セラミックコーティング層5はアンダーコート層の
粗面にくい込むように形成され、そのアンカー効果の向
上により結合力が極めて大きくなる。しかも、絶縁用被
膜として要求される耐電圧特性が良好なセラミックコー
ティング層5が形成される。
【0015】以下、試験例を示す。銅線3として9mmφ
の銅線を用い、これに50μm厚のNi−Crからなる
アンダーコート層4と、50μm厚のアルミナからなる
セラミックコーティング層5を形成し、アンダーコート
層に用いたNi−Crの粒度分布を次のように変化させ
た。 試験例1 105〜44μm 試験例2 44〜10μm 試験例3 10μm以下 試験例4 アンダーコート層なし これらについて、アンダーコート層4とアルミナコーテ
ィング層5との間の接着強度及び各試験例の絶縁破壊電
圧を測定した。これらの結果は図2に示す。
【0016】図2に示す結果より、アンダーコート層4
に用いた金属材料の粒度分布が大きい方が接着強度が大
きいが、粒度分布が大きくなると絶縁耐力が小さくなる
ことが判る。したがって、粒度分布として44〜10μ
mが主体の金属材料を用いてアンダーコート層4を形成
することにより、接着強度及び絶縁破壊耐力が共に良好
な絶縁皮膜が実現できる。
【0017】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係る電
機器の絶縁構造は、導体に施すセラミックコーティング
層の下に、粒度分布として44〜10μmを主体とする
Ni−Crからなる金属材料によるアンダーコート層
と、このアンダーコート層上に形成されたアルミナから
なるセラミックコーティング層とを有する導体を、鉄心
の溝内に配してなるを設けているので、セラミックコー
ティング層の結合力が大きくなって剥離しにくくなると
共に、絶縁破壊耐力が大きなものとなり、然もその製造
も従来提案されているものに較べ簡易なものとなる、と
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る電機機器の絶縁構造を
示す断面図である。
【図2】その試験結果を示すグラフである。
【図3】従来技術に係る絶縁構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 鉄心 2 溝 3 銅線(導体) 4 アンダーコート層 5 セラミックコーティング層

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒度分布として44〜10μmを主体と
    するNi−Crからなる金属材料によるアンダーコート
    層と、このアンダーコート層上に形成されたアルミナか
    らなるセラミックコーティング層とを有する導体を、鉄
    心の溝内に配してなることを特徴とする電気機器の絶縁
    構造。
JP3300291U 1991-05-13 1991-05-13 電気機器の絶縁構造 Expired - Lifetime JPH0749687Y2 (ja)

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JP3300291U JPH0749687Y2 (ja) 1991-05-13 1991-05-13 電気機器の絶縁構造

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JPH0656928U JPH0656928U (ja) 1994-08-05
JPH0749687Y2 true JPH0749687Y2 (ja) 1995-11-13

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