JPH0951647A - 高圧回転電機固定子コイルのコロナ防止処理法 - Google Patents
高圧回転電機固定子コイルのコロナ防止処理法Info
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- JPH0951647A JPH0951647A JP22263995A JP22263995A JPH0951647A JP H0951647 A JPH0951647 A JP H0951647A JP 22263995 A JP22263995 A JP 22263995A JP 22263995 A JP22263995 A JP 22263995A JP H0951647 A JPH0951647 A JP H0951647A
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- JP
- Japan
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- layer
- coil
- corona
- insulating layer
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- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】集成マイカとフイルム基材とからなる乾式絶縁
方式の高圧回転電の固定子コイルの絶縁層表面に施され
る低抵抗コロナ防止塗料の塗布性を改良したコロナ防止
層の処理法を提供する。 【解決手段】加熱・加圧して形成されたコイル絶縁層6
の最外層のフイルム基材5b一層部を剥離して、コイル
絶縁層6の外周面に集成マイカ絶縁層6aを露出させ、
この集成マイカ絶縁層面61aに低抵抗コロナ防止塗料
を塗布してコロナ防止層を形成する。
方式の高圧回転電の固定子コイルの絶縁層表面に施され
る低抵抗コロナ防止塗料の塗布性を改良したコロナ防止
層の処理法を提供する。 【解決手段】加熱・加圧して形成されたコイル絶縁層6
の最外層のフイルム基材5b一層部を剥離して、コイル
絶縁層6の外周面に集成マイカ絶縁層6aを露出させ、
この集成マイカ絶縁層面61aに低抵抗コロナ防止塗料
を塗布してコロナ防止層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転電機の絶縁
コイル、特に高圧回転電機の鉄心のスロット内に収納さ
れる固定子コイルの絶縁層表面に施されるコロナ防止層
の処理法に関する。
コイル、特に高圧回転電機の鉄心のスロット内に収納さ
れる固定子コイルの絶縁層表面に施されるコロナ防止層
の処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3〜図6は高圧回転機の固定子コイル
の構成図であり、図3は固定子コイルの外形図、図4は
回転電機の鉄心のスロット内に収納された固定子コイル
の断面図、図5は集成マイカシートが巻回された固定子
コイルの断面図、図6は図4のP部の固定子コイルの拡
大断面図である。高圧回転電機の固定子コイルの製造方
法には、予め半硬化状の樹脂を処理した絶縁シート又は
テープを巻線導体束に巻回した後、加熱・加圧してコイ
ル絶縁層を形成させる乾式絶縁方式がある。この乾式絶
縁方式に用いられる絶縁は、巻線導体束への巻回性が良
好なことと、加熱・加圧後に均質な絶縁層が得られるこ
とから、耐電界性の優れたマイカ箔を焼成あるいは高圧
水流等により粉砕して微細な鱗片状にして抄造した集成
マイカに、ポリエステルフイルムあるいはガラスクロス
基材を裏打して構成された材料が用いられる。
の構成図であり、図3は固定子コイルの外形図、図4は
回転電機の鉄心のスロット内に収納された固定子コイル
の断面図、図5は集成マイカシートが巻回された固定子
コイルの断面図、図6は図4のP部の固定子コイルの拡
大断面図である。高圧回転電機の固定子コイルの製造方
法には、予め半硬化状の樹脂を処理した絶縁シート又は
テープを巻線導体束に巻回した後、加熱・加圧してコイ
ル絶縁層を形成させる乾式絶縁方式がある。この乾式絶
縁方式に用いられる絶縁は、巻線導体束への巻回性が良
好なことと、加熱・加圧後に均質な絶縁層が得られるこ
とから、耐電界性の優れたマイカ箔を焼成あるいは高圧
水流等により粉砕して微細な鱗片状にして抄造した集成
マイカに、ポリエステルフイルムあるいはガラスクロス
基材を裏打して構成された材料が用いられる。
【0003】フイルム基材を集成マイカの裏打材として
使用する場合には、フイルムが均質で寸法安定性に優れ
ていることから、加熱・加圧により形成される固定子コ
イルは耐電界性の優れた緻密な絶縁層が得られる。ま
た、幅広の絶縁シートを巻線導体束に一括して巻回する
方式は、絶縁テープを重ね合わせながら巻回する方式と
比して、コイル長さ方向のラップ部がなく電気的弱点部
のない均一な絶縁層が得られるという特徴を有してお
り、高電圧が印加される高圧回転電機の鉄心のスロット
内に収納される固定子コイルのスロット部の絶縁方式と
して用いられている。
使用する場合には、フイルムが均質で寸法安定性に優れ
ていることから、加熱・加圧により形成される固定子コ
イルは耐電界性の優れた緻密な絶縁層が得られる。ま
た、幅広の絶縁シートを巻線導体束に一括して巻回する
方式は、絶縁テープを重ね合わせながら巻回する方式と
比して、コイル長さ方向のラップ部がなく電気的弱点部
のない均一な絶縁層が得られるという特徴を有してお
り、高電圧が印加される高圧回転電機の鉄心のスロット
内に収納される固定子コイルのスロット部の絶縁方式と
して用いられている。
【0004】図3及び図4に示すように、フイルム基材
の集成マイカシートからなる高圧回転電機の固定子コイ
ル1は、前記したように集成マイカシートから形成され
た絶縁層からなる鉄心2のスロット3内に収納される直
線状のコイルスロット部1aと、巻回作業性から集成マ
イカテープを巻回した絶縁層からなる湾曲形状のコイル
エンド部1bとから構成されている。この固定子コイル
1のコイルスロット部1aのコイル絶縁層6の形成に
は、図5に示すように、半硬化状に樹脂処理されたスロ
ット長さの幅寸法を有する幅広の集成マイカシート5の
集成マイカ5a面を、素線を複数回巻回して形成された
断面矩形状の素線導体束4側にして重ね合わせながら所
定回数巻回した後、金型内にセットして所定絶縁寸法に
加熱・加圧して図6に示すようなコイル絶縁層6を形成
する。
の集成マイカシートからなる高圧回転電機の固定子コイ
ル1は、前記したように集成マイカシートから形成され
た絶縁層からなる鉄心2のスロット3内に収納される直
線状のコイルスロット部1aと、巻回作業性から集成マ
イカテープを巻回した絶縁層からなる湾曲形状のコイル
エンド部1bとから構成されている。この固定子コイル
1のコイルスロット部1aのコイル絶縁層6の形成に
は、図5に示すように、半硬化状に樹脂処理されたスロ
ット長さの幅寸法を有する幅広の集成マイカシート5の
集成マイカ5a面を、素線を複数回巻回して形成された
断面矩形状の素線導体束4側にして重ね合わせながら所
定回数巻回した後、金型内にセットして所定絶縁寸法に
加熱・加圧して図6に示すようなコイル絶縁層6を形成
する。
【0005】上記のようにして作製された固定子コイル
1を図4に示す鉄心2のスロット3内に収納する場合に
は、高電圧が印加されている素線導体束4のコイル絶縁
層6と鉄心2との間とに空隙部が存在すると、その空隙
部で部分放電(コロナ放電)が発生して、コイル絶縁層
6を損傷するために、固定子コイル1のコイルスロット
部1aの絶縁層表面に、数十KΩの低抵抗のコロナ防止
層7を設けて、鉄心2との電気的接触を保つようにして
いる。
1を図4に示す鉄心2のスロット3内に収納する場合に
は、高電圧が印加されている素線導体束4のコイル絶縁
層6と鉄心2との間とに空隙部が存在すると、その空隙
部で部分放電(コロナ放電)が発生して、コイル絶縁層
6を損傷するために、固定子コイル1のコイルスロット
部1aの絶縁層表面に、数十KΩの低抵抗のコロナ防止
層7を設けて、鉄心2との電気的接触を保つようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した乾式絶縁方式
による集成マイカシート5の固定子コイル1のコイル絶
縁層6の表面に施されるコロナ防止層7を形成するに
は、カーボン等の低抵抗粉体を樹脂とともにポリエステ
ルフイルム,ポリイミドフイルム等のフイルム基材、ま
たはガラスクロスに塗布し焼き付けた低抵抗のシートあ
るいはテープをコイル絶縁層6に巻付け接着して構成す
る方法と、前記した低抵抗粉体を混合した樹脂からなる
低抵抗のコロナ防止塗料を塗布し硬化してコロナ防止層
を構成する方法とがある。後者の低抵抗のコロナ防止塗
料をコイル絶縁層表面に施す処理法は、前記したシート
あるいはテープを巻回する方法と比してコロナ防止層が
薄くできること、及び処理作業工数,時間が少ないとい
う特徴を有している。
による集成マイカシート5の固定子コイル1のコイル絶
縁層6の表面に施されるコロナ防止層7を形成するに
は、カーボン等の低抵抗粉体を樹脂とともにポリエステ
ルフイルム,ポリイミドフイルム等のフイルム基材、ま
たはガラスクロスに塗布し焼き付けた低抵抗のシートあ
るいはテープをコイル絶縁層6に巻付け接着して構成す
る方法と、前記した低抵抗粉体を混合した樹脂からなる
低抵抗のコロナ防止塗料を塗布し硬化してコロナ防止層
を構成する方法とがある。後者の低抵抗のコロナ防止塗
料をコイル絶縁層表面に施す処理法は、前記したシート
あるいはテープを巻回する方法と比してコロナ防止層が
薄くできること、及び処理作業工数,時間が少ないとい
う特徴を有している。
【0007】前記した集成マイカシート5を構成するフ
イルム基材5bは、電気的特性、寸法安定性及び耐熱性
が優れていることから、厚さ数十μのポリエステルフイ
ルム,ポリイミドフイルム等が用いられいる。したがっ
て、これらのフイルム基材は表面平滑性が優れているた
めに、素線導体束4に巻回して加熱・加圧して形成され
たコイル絶縁層6の表面の前記フイルム基材5b面にコ
ロナ防止塗料を塗布して形成したコロナ防止層7は、フ
イルム基材5bとの接着性が劣り、回転電機の稼働時の
固定子コイル1の振動でコイル絶縁層6のコロナ防止層
7が欠落する恐れがある。このコロナ防止層7のコイル
絶縁層6からの欠落は図4のコイル絶縁層6と鉄心2間
で空隙部を形成して、この空隙部でコロナ放電が発生す
る原因となる。このために、コロナ防止塗料とフイルム
基材5bとの濡れ性及び付着性の向上のために、加熱・
加圧硬化して得られたコイル絶縁層6の最外層のフイル
ム基材5b面を、サンドペーパ等で面荒らしをして、コ
ロナ防止塗料の塗布性の向上と硬化後のコロナ防止層7
との接着性を向上するようにしているが、このコイル絶
縁層6のフイルム基材5b面を均一に面荒らしする作業
に多くの時間を要しており、作業性に劣るという問題が
あった。
イルム基材5bは、電気的特性、寸法安定性及び耐熱性
が優れていることから、厚さ数十μのポリエステルフイ
ルム,ポリイミドフイルム等が用いられいる。したがっ
て、これらのフイルム基材は表面平滑性が優れているた
めに、素線導体束4に巻回して加熱・加圧して形成され
たコイル絶縁層6の表面の前記フイルム基材5b面にコ
ロナ防止塗料を塗布して形成したコロナ防止層7は、フ
イルム基材5bとの接着性が劣り、回転電機の稼働時の
固定子コイル1の振動でコイル絶縁層6のコロナ防止層
7が欠落する恐れがある。このコロナ防止層7のコイル
絶縁層6からの欠落は図4のコイル絶縁層6と鉄心2間
で空隙部を形成して、この空隙部でコロナ放電が発生す
る原因となる。このために、コロナ防止塗料とフイルム
基材5bとの濡れ性及び付着性の向上のために、加熱・
加圧硬化して得られたコイル絶縁層6の最外層のフイル
ム基材5b面を、サンドペーパ等で面荒らしをして、コ
ロナ防止塗料の塗布性の向上と硬化後のコロナ防止層7
との接着性を向上するようにしているが、このコイル絶
縁層6のフイルム基材5b面を均一に面荒らしする作業
に多くの時間を要しており、作業性に劣るという問題が
あった。
【0008】この発明の課題は、高圧回転電の固定子コ
イル絶縁層表面に施される低抵抗のコロナ防止塗料の塗
布性を改良したコロナ防止層の処理法を提供することに
ある。
イル絶縁層表面に施される低抵抗のコロナ防止塗料の塗
布性を改良したコロナ防止層の処理法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、この発明は、集成マイカとフイルム基材とから
なる乾式絶縁方式の固定子コイル絶縁層において、コイ
ル絶縁層の最外層の集成マイカシートのフイルム基材一
層を剥離して露出した集成マイカ絶縁層面にコロナ防止
塗料を塗布してコロナ防止層を形成するようにした。前
記した乾式絶縁方式では、集成マイカとフイルム基材が
均質に積層された緻密構造とすることができる。しかし
ながら、前記したようにフイルム基材面の平滑性が優れ
ているために、フイルム基材面と樹脂が加熱硬化し一体
化した集成マイカ絶縁層のフイルム基材を機械的に剥離
することが可能である。このために、コイル絶縁層の最
外層のフイルム基材一層を剥離することにより、樹脂が
充填し硬化されたフイルム基材と接していた集成マイカ
層の面が、集成マイカ粒子が露出して表面微細な面荒れ
が生じるために、コロナ防止塗料との濡れ性が向上し、
硬化後には集成マイカ絶縁層との接着力を保持したコロ
ナ防止層を形成させることができる。
ために、この発明は、集成マイカとフイルム基材とから
なる乾式絶縁方式の固定子コイル絶縁層において、コイ
ル絶縁層の最外層の集成マイカシートのフイルム基材一
層を剥離して露出した集成マイカ絶縁層面にコロナ防止
塗料を塗布してコロナ防止層を形成するようにした。前
記した乾式絶縁方式では、集成マイカとフイルム基材が
均質に積層された緻密構造とすることができる。しかし
ながら、前記したようにフイルム基材面の平滑性が優れ
ているために、フイルム基材面と樹脂が加熱硬化し一体
化した集成マイカ絶縁層のフイルム基材を機械的に剥離
することが可能である。このために、コイル絶縁層の最
外層のフイルム基材一層を剥離することにより、樹脂が
充填し硬化されたフイルム基材と接していた集成マイカ
層の面が、集成マイカ粒子が露出して表面微細な面荒れ
が生じるために、コロナ防止塗料との濡れ性が向上し、
硬化後には集成マイカ絶縁層との接着力を保持したコロ
ナ防止層を形成させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1及び図2は、この発明の実施の
形態からなる高圧回転電機固定子コイルのコイル絶縁層
の構成図であり、図1はコイル絶縁層のフイルム基材を
剥離する過程の固定子コイルの部分斜視図、図2は図1
のR部の拡大断面図である。この発明の形態での固定子
コイル1のコイルスロット部1a(図3)のコイル絶縁
層6を構成する集成マイカシート5のは、それぞれ所定
のコイルスロット部長の寸法を有する焼成タイプの集成
マイカ5aとポリエステルフイルムからなるフイルム基
材5bとを樹脂にて貼り合わせて構成されている。この
貼り合わせ樹脂はエポキシ樹脂に潜在性硬化剤を配合し
た組成からなり、これを溶剤で希釈してフイルム基材5
b上に塗布して、集成マイカ5aと貼り合わせて加熱炉
中にて加熱処理することにより集成マイカ5aに浸透し
た樹脂が半硬化の状態にした集成マイカシート5を作製
する。この集成マイカシート5を、従来のように素線導
体束4側に集成マイカ5aの面が位置するように複数回
巻付(図5)て絶縁コイルを作製し、この絶縁コイルを
プレス金型間に設置して、加熱・加圧して所定寸法を有
するコイルスロット部のコイル絶縁層6を成形する。
基づいて説明する。図1及び図2は、この発明の実施の
形態からなる高圧回転電機固定子コイルのコイル絶縁層
の構成図であり、図1はコイル絶縁層のフイルム基材を
剥離する過程の固定子コイルの部分斜視図、図2は図1
のR部の拡大断面図である。この発明の形態での固定子
コイル1のコイルスロット部1a(図3)のコイル絶縁
層6を構成する集成マイカシート5のは、それぞれ所定
のコイルスロット部長の寸法を有する焼成タイプの集成
マイカ5aとポリエステルフイルムからなるフイルム基
材5bとを樹脂にて貼り合わせて構成されている。この
貼り合わせ樹脂はエポキシ樹脂に潜在性硬化剤を配合し
た組成からなり、これを溶剤で希釈してフイルム基材5
b上に塗布して、集成マイカ5aと貼り合わせて加熱炉
中にて加熱処理することにより集成マイカ5aに浸透し
た樹脂が半硬化の状態にした集成マイカシート5を作製
する。この集成マイカシート5を、従来のように素線導
体束4側に集成マイカ5aの面が位置するように複数回
巻付(図5)て絶縁コイルを作製し、この絶縁コイルを
プレス金型間に設置して、加熱・加圧して所定寸法を有
するコイルスロット部のコイル絶縁層6を成形する。
【0011】次に、前記の成形後のコイル絶縁層6の最
外層のフイルム基材5bの次層のコイル絶縁層6との境
界部の表面に幅方向に切り込みをいれて、この切り込み
の位置からフイルム基材5bを図1に示すように集成マ
イカ絶縁層6aから剥がしてコイル絶縁層6の最外層の
フイルム基材5aを一層分だけ剥離する。前記したよう
にポリエステルフイルムからなるフイルム基材5aを集
成マイカ絶縁層6aから剥離した時に、図2の樹脂と一
体に硬化した集成マイカ絶縁層6aのフイルム基材5a
と接着している界面で樹脂と集成マイカ粒子が剥離し
て、集成マイカ絶縁層面61aが微細な凹凸を形成する
ようになる。
外層のフイルム基材5bの次層のコイル絶縁層6との境
界部の表面に幅方向に切り込みをいれて、この切り込み
の位置からフイルム基材5bを図1に示すように集成マ
イカ絶縁層6aから剥がしてコイル絶縁層6の最外層の
フイルム基材5aを一層分だけ剥離する。前記したよう
にポリエステルフイルムからなるフイルム基材5aを集
成マイカ絶縁層6aから剥離した時に、図2の樹脂と一
体に硬化した集成マイカ絶縁層6aのフイルム基材5a
と接着している界面で樹脂と集成マイカ粒子が剥離し
て、集成マイカ絶縁層面61aが微細な凹凸を形成する
ようになる。
【0012】このように形成されたコイル絶縁層6aの
最外層の集成マイカ絶縁層面61aに低抵抗コロナ防止
塗料を塗布した場合、前記した集成マイカ絶縁層面61
aの微細な凹凸による投錨効果により、塗料との濡れ性
が良くなり、硬化後のコロナ防止塗料との接着力が向上
した振動等の機械的な応力に対してもコイル絶縁層6の
表面から剥離し脱落することのないコロナ防止層を形成
させることができる。なお、コイル絶縁層6は集成マイ
カシート5を多層巻回して構成されているので、最外層
のコイル絶縁層6のフイルム基材5bを一層分剥離除去
しても、コイル絶縁層6の長期耐電界寿命特性に与える
影響はなく、また、フイルム基材5bを剥離した集成マ
イカ絶縁層6aは樹脂と一体硬化しているので、低抵抗
のコロナ防止塗料が絶縁層内部に浸透することがなく、
コイル絶縁層6の絶縁特性を損なうことはない。
最外層の集成マイカ絶縁層面61aに低抵抗コロナ防止
塗料を塗布した場合、前記した集成マイカ絶縁層面61
aの微細な凹凸による投錨効果により、塗料との濡れ性
が良くなり、硬化後のコロナ防止塗料との接着力が向上
した振動等の機械的な応力に対してもコイル絶縁層6の
表面から剥離し脱落することのないコロナ防止層を形成
させることができる。なお、コイル絶縁層6は集成マイ
カシート5を多層巻回して構成されているので、最外層
のコイル絶縁層6のフイルム基材5bを一層分剥離除去
しても、コイル絶縁層6の長期耐電界寿命特性に与える
影響はなく、また、フイルム基材5bを剥離した集成マ
イカ絶縁層6aは樹脂と一体硬化しているので、低抵抗
のコロナ防止塗料が絶縁層内部に浸透することがなく、
コイル絶縁層6の絶縁特性を損なうことはない。
【0013】
【発明の効果】以上のように、この発明においては、半
硬化樹脂を処理した集成マイカとフイルム基材からなる
集成マイカシートを素線導体束に巻回して構成される乾
式絶縁方式による高圧回転電機の固定子コイルのコイル
絶縁層の表面に低抵抗コロナ防止塗料を塗布してコロナ
防止層を形成するのに、前記コイル絶縁層を構成する最
外層の集成マイカシートのフイルム基材を一層分剥離し
て集成マイカ絶縁層の面に低抵抗コロナ防止塗料を塗布
し形成するようにした、これにより従来のように平滑性
の良いフイルム面上に塗布するための、面荒らし作業を
省略することができるので、固定子コイルの製造工数及
び作業時間の低減ができる。また、コイル絶縁層との接
着力が向上するので鉄心のスロット内への挿着時、及び
回転電機の運転時の振動,ヒートサイクル等の応力に対
しても安定したコロナ防止層とすることができる。
硬化樹脂を処理した集成マイカとフイルム基材からなる
集成マイカシートを素線導体束に巻回して構成される乾
式絶縁方式による高圧回転電機の固定子コイルのコイル
絶縁層の表面に低抵抗コロナ防止塗料を塗布してコロナ
防止層を形成するのに、前記コイル絶縁層を構成する最
外層の集成マイカシートのフイルム基材を一層分剥離し
て集成マイカ絶縁層の面に低抵抗コロナ防止塗料を塗布
し形成するようにした、これにより従来のように平滑性
の良いフイルム面上に塗布するための、面荒らし作業を
省略することができるので、固定子コイルの製造工数及
び作業時間の低減ができる。また、コイル絶縁層との接
着力が向上するので鉄心のスロット内への挿着時、及び
回転電機の運転時の振動,ヒートサイクル等の応力に対
しても安定したコロナ防止層とすることができる。
【図1】この発明の実施の形態を説明するための高圧回
転電機固定子コイルのコイル絶縁層のフイルム基材を剥
離する過程の固定子コイルの部分斜視図である。
転電機固定子コイルのコイル絶縁層のフイルム基材を剥
離する過程の固定子コイルの部分斜視図である。
【図2】図1のR部の拡大断面図である。
【図3】高圧回転電機固定子コイルの外形図である。
【図4】鉄心のスロット内に収納された固定子コイルの
断面図である。
断面図である。
【図5】集成マイカシートが巻回された固定子コイルの
断面図である。
断面図である。
【図6】図4のP部の固定子コイルの拡大断面図であ
る。
る。
1 固定子コイル 1a コイルスロット部 1b コイルエンド部 2 鉄心 3 スロット 4 素線導体束 5 集成マイカシート 5a 集成マイカ 5b フイルム基材 6 コイル絶縁層 6a 集成マイカ絶縁層 61a 集成マイカ絶縁層面 7 コロナ防止層
Claims (1)
- 【請求項1】集成マイカとフイルム基材とを半硬化状の
樹脂で貼り合わせた集成マイカシートの集成マイカ面を
巻線導体束側にして複数回巻回した後、加熱・加圧して
前記半硬化状の樹脂を硬化して得られる所定厚の固定子
コイル絶縁層の表面に施される低抵抗のコロナ防止層の
処理法において、加熱・加圧して形成したコイル絶縁層
の最外層の集成マイカシートのフイルム基材を一層分剥
離し、このフイルム基材が剥離された集成マイカ絶縁層
面に低抵抗のコロナ防止塗料を塗布してコロナ防止層を
形成させることを特徴とする高圧回転電機固定子コイル
のコロナ防止処理法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22263995A JPH0951647A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 高圧回転電機固定子コイルのコロナ防止処理法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22263995A JPH0951647A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 高圧回転電機固定子コイルのコロナ防止処理法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0951647A true JPH0951647A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16785615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22263995A Pending JPH0951647A (ja) | 1995-08-08 | 1995-08-08 | 高圧回転電機固定子コイルのコロナ防止処理法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0951647A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113824235A (zh) * | 2021-09-15 | 2021-12-21 | 哈尔滨电气动力装备有限公司 | 10kV级电机绝缘系统 |
WO2024106834A1 (ko) * | 2022-11-16 | 2024-05-23 | 엘지마그나 이파워트레인 주식회사 | 스테이터, 및 이를 구비하는 모터 |
-
1995
- 1995-08-08 JP JP22263995A patent/JPH0951647A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113824235A (zh) * | 2021-09-15 | 2021-12-21 | 哈尔滨电气动力装备有限公司 | 10kV级电机绝缘系统 |
CN113824235B (zh) * | 2021-09-15 | 2024-04-05 | 哈尔滨电气动力装备有限公司 | 10kV级电机绝缘系统 |
WO2024106834A1 (ko) * | 2022-11-16 | 2024-05-23 | 엘지마그나 이파워트레인 주식회사 | 스테이터, 및 이를 구비하는 모터 |
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