JPH09182343A - 回転電機の固定子 - Google Patents
回転電機の固定子Info
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- JPH09182343A JPH09182343A JP34031295A JP34031295A JPH09182343A JP H09182343 A JPH09182343 A JP H09182343A JP 34031295 A JP34031295 A JP 34031295A JP 34031295 A JP34031295 A JP 34031295A JP H09182343 A JPH09182343 A JP H09182343A
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- Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高電圧回転機の固定子コイルの表面放電を防止
する構造を提供する。 【解決手段】固定子コイル１と固定子鉄心１０との位置
が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位した場合に
も、スロット６内半導電性構成物１１，１２と積層鉄心
の一部の層と固定子鉄心背後部の固定部分とで鉄心の一
部を一周するように形成されているループ回路の電気的
接続を遮断しないように、鉄心１０とスロット６内面で
一体化している半導電性層を配置する。
する構造を提供する。 【解決手段】固定子コイル１と固定子鉄心１０との位置
が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位した場合に
も、スロット６内半導電性構成物１１，１２と積層鉄心
の一部の層と固定子鉄心背後部の固定部分とで鉄心の一
部を一周するように形成されているループ回路の電気的
接続を遮断しないように、鉄心１０とスロット６内面で
一体化している半導電性層を配置する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は固定子コイルをスロ
ットに収納した後、樹脂含浸を行う全含浸方式の高圧回
転電機の固定子コイルことにその表面コロナ防止構造の
改善に関する。
ットに収納した後、樹脂含浸を行う全含浸方式の高圧回
転電機の固定子コイルことにその表面コロナ防止構造の
改善に関する。
【０００２】
【従来の技術】誘導電動機や発電機等の高電圧回転電機
の固定子コイルは図５のように、コイル導体，対地主絶
縁層，コロナ防止構造からなり、固定子鉄心のスロット
内に収納されている。コロナ防止構造はコイル表面を半
導電性としてスロット壁と電気的に接触させ、コイルと
スロット壁との電位をほぼ同一にして、この部分での放
電を防止するものである。表面コロナ防止構造を形成す
る方法はいろいろあるが、本発明はスロット導体の上に
対地主絶縁基材層と表面コロナ防止層を形成した未含浸
状態の固定子コイルをスロットに収納し、さらにコイル
相互の電気的接続を行った後、樹脂含浸を行う全含浸方
式に関する。この全含浸方式の固定子コイルは固定子コ
イルと鉄心とスロットとの隙間が含浸樹脂の硬化物によ
り充填され、鉄心とコイルとが一体化されている。した
がって、全含浸方式の固定子は起動停止時に、一体化さ
れた鉄心と固定子コイルとの間に相互の熱膨張係数の差
に起因する熱応力が発生し、この熱応力に耐えない弱点
部に剥離が発生する。この剥離する場所が対地主絶縁層
の層間あるいは対地主絶縁層と表面コロナ防止構造との
界面で発生するとこの部分の内部部分放電により構成材
料の放電劣化が発生し、固定子コイルの絶縁性能の低下
を招く。
の固定子コイルは図５のように、コイル導体，対地主絶
縁層，コロナ防止構造からなり、固定子鉄心のスロット
内に収納されている。コロナ防止構造はコイル表面を半
導電性としてスロット壁と電気的に接触させ、コイルと
スロット壁との電位をほぼ同一にして、この部分での放
電を防止するものである。表面コロナ防止構造を形成す
る方法はいろいろあるが、本発明はスロット導体の上に
対地主絶縁基材層と表面コロナ防止層を形成した未含浸
状態の固定子コイルをスロットに収納し、さらにコイル
相互の電気的接続を行った後、樹脂含浸を行う全含浸方
式に関する。この全含浸方式の固定子コイルは固定子コ
イルと鉄心とスロットとの隙間が含浸樹脂の硬化物によ
り充填され、鉄心とコイルとが一体化されている。した
がって、全含浸方式の固定子は起動停止時に、一体化さ
れた鉄心と固定子コイルとの間に相互の熱膨張係数の差
に起因する熱応力が発生し、この熱応力に耐えない弱点
部に剥離が発生する。この剥離する場所が対地主絶縁層
の層間あるいは対地主絶縁層と表面コロナ防止構造との
界面で発生するとこの部分の内部部分放電により構成材
料の放電劣化が発生し、固定子コイルの絶縁性能の低下
を招く。
【０００３】このような事態を回避するため、従来特開
平6−38424号公報のように固定子コイルはコイル導体の
表面上にガラス基材集成マイカやフィルム基材集成マイ
カ等のマイカテープを所定回数テーピングした後、表面
にコロナ防止層をテーピングで形成し、この層内に応力
緩和層を設けた表面コロナ防止層が採用されていた。
平6−38424号公報のように固定子コイルはコイル導体の
表面上にガラス基材集成マイカやフィルム基材集成マイ
カ等のマイカテープを所定回数テーピングした後、表面
にコロナ防止層をテーピングで形成し、この層内に応力
緩和層を設けた表面コロナ防止層が採用されていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなコイル表
面に設けた応力緩和層を有する表面コロナ防止層によ
り、固定子コイル鉄心との間で発生する熱膨張差を吸収
することができ、対地主絶縁層内の剥離や対地主絶縁層
と表面コロナ防止層との界面の剥離を防止できるためこ
の部分での放電劣化を防止することができるとされてい
る。しかし、この熱応力による剪断力は、コイル中央部
からの距離とともに指数関数的に急増するため、コイル
長さが長大になるとその鉄心端部近くの熱応力は、内層
側がコイル導体に拘束されている上記のようなコイル表
面の応力緩和層では、到底吸収できない大きなものとな
る。その場合、対地主絶縁層の層間や対地主絶縁層と表
面コロナ防止層との界面での剥離を防止するため表面コ
ロナ防止層とスロット壁との間の接着強度を小さくし、
この部分で剥離を発生させて大きな熱応力の発生を防止
することが考えられる。しかし、このような対策をした
回転機では表面コロナ防止層の一部はスロット壁に接触
しているにもかかわらず、表面コロナ防止層が著しく放
電劣化していることがあった。この放電の原因を検討し
た結果、図６に示すように、固定子鉄心の磁束による起
電力により固定子鉄心を囲んで積層鉄心の一部の層と鉄
心背後部の固定部分と表面コロナ防止層の半導電性層と
で形成するループ回路に電流が流れており、表面コロナ
防止層とスロット壁との間で剥離した場合、コイル振動
時に過渡的にこの回路電流が遮断され、放電が発生する
ことが分かった。
面に設けた応力緩和層を有する表面コロナ防止層によ
り、固定子コイル鉄心との間で発生する熱膨張差を吸収
することができ、対地主絶縁層内の剥離や対地主絶縁層
と表面コロナ防止層との界面の剥離を防止できるためこ
の部分での放電劣化を防止することができるとされてい
る。しかし、この熱応力による剪断力は、コイル中央部
からの距離とともに指数関数的に急増するため、コイル
長さが長大になるとその鉄心端部近くの熱応力は、内層
側がコイル導体に拘束されている上記のようなコイル表
面の応力緩和層では、到底吸収できない大きなものとな
る。その場合、対地主絶縁層の層間や対地主絶縁層と表
面コロナ防止層との界面での剥離を防止するため表面コ
ロナ防止層とスロット壁との間の接着強度を小さくし、
この部分で剥離を発生させて大きな熱応力の発生を防止
することが考えられる。しかし、このような対策をした
回転機では表面コロナ防止層の一部はスロット壁に接触
しているにもかかわらず、表面コロナ防止層が著しく放
電劣化していることがあった。この放電の原因を検討し
た結果、図６に示すように、固定子鉄心の磁束による起
電力により固定子鉄心を囲んで積層鉄心の一部の層と鉄
心背後部の固定部分と表面コロナ防止層の半導電性層と
で形成するループ回路に電流が流れており、表面コロナ
防止層とスロット壁との間で剥離した場合、コイル振動
時に過渡的にこの回路電流が遮断され、放電が発生する
ことが分かった。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によれば、上記した固定子鉄心を囲むループ
回路の電気的接続がコイル振動時等の過渡的状態におい
ても遮断されぬようにスロット壁と電気的に強固に接続
された半導電性シートまたは半導電性塗膜層を設けた。
そして、固定子コイルと鉄心との熱膨張差は、この半導
電性シートまたは半導電性塗膜層とコイル表面に設けた
表面コロナ防止層との間で吸収する構造とした。この熱
膨張差を吸収する具体的な手段としては、半導電性シー
トの表面コロナ防止層に対向する面またはコイル表面に
設けた表面コロナ防止層のスロット壁に対向する面に非
接着性の塗膜面を形成するものとした。なお熱応力が小
さな鉄心中央部では、このような塗膜面の形成せず、半
導電性シートまたは半導電性シートとコイル表面のコロ
ナ防止層との電気的接続を確保する構造とした。
に、本発明によれば、上記した固定子鉄心を囲むループ
回路の電気的接続がコイル振動時等の過渡的状態におい
ても遮断されぬようにスロット壁と電気的に強固に接続
された半導電性シートまたは半導電性塗膜層を設けた。
そして、固定子コイルと鉄心との熱膨張差は、この半導
電性シートまたは半導電性塗膜層とコイル表面に設けた
表面コロナ防止層との間で吸収する構造とした。この熱
膨張差を吸収する具体的な手段としては、半導電性シー
トの表面コロナ防止層に対向する面またはコイル表面に
設けた表面コロナ防止層のスロット壁に対向する面に非
接着性の塗膜面を形成するものとした。なお熱応力が小
さな鉄心中央部では、このような塗膜面の形成せず、半
導電性シートまたは半導電性シートとコイル表面のコロ
ナ防止層との電気的接続を確保する構造とした。
【０００６】スロット壁に固着した半導電性シートまた
は半導電性塗膜層は固定子鉄心の熱膨張に追従できるた
め、上記した固定子鉄心を囲む電気的なループ回路の電
流をコイル振動時等の過渡的な場合にも遮断することが
ないのでこの部分の放電を防止できる。またこの半導電
性シートまたは半導電性塗膜層とコイル表面コロナ防止
層との間の電気的接続は少なくとも、鉄心中央部の固定
部分で完全にとることができる。
は半導電性塗膜層は固定子鉄心の熱膨張に追従できるた
め、上記した固定子鉄心を囲む電気的なループ回路の電
流をコイル振動時等の過渡的な場合にも遮断することが
ないのでこの部分の放電を防止できる。またこの半導電
性シートまたは半導電性塗膜層とコイル表面コロナ防止
層との間の電気的接続は少なくとも、鉄心中央部の固定
部分で完全にとることができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施例に基づいて
説明する。図１はこの発明になる固定子を示す断面図で
ある。図において、固定子コイル１は対地主絶縁層３と
その外側に配置した表面コロナ防止層１８とからなる。
この外側に半導電性ライナ層１１を配置する。半導電性
ライナ層１１は、あらかじめ複数個の貫通孔をあけたア
ラミド不織布の両面にカーボン粒子を含む半導電性のレ
ジンを塗布硬化させたもので、表面方向，貫層方向とも
所定の半導電性特性を有する半導電性シートで構成し
た。樹脂含浸前のスロット内構成物は固定子導体と対地
主絶縁層等を構成する基材とからなるが、スロット幅寸
法は、これら固定子導体も含むスロット内構成物のスロ
ット幅方向の厚さの総和に１mm以下の余裕をもった値に
設定した。このスロット内構成物をスロット内に挿入し
た後、ウェッジを挿入すると、対地主絶縁層等を構成す
る基材はスロット壁側に広がり、半導電性シートはスロ
ット内壁に密着させることができる。またこの半導電性
シートのコイルに対向する面のコイル軸方向の中央部１
００mm以外の部分にはシリコーン系樹脂を塗布した。そ
の後、従来技術の項で説明した処理を施した後、樹脂含
浸処理をした。全含浸方式で含浸された熱硬化性樹脂に
より、対地主絶縁層および表面コロナ防止層がボイドレ
スに含浸され、熱硬化処理により耐電圧性能が付与され
るとともに、半導電性シートはスロット内面に密着した
状態で固着されるため、スロット壁との電気的接続が達
成される。一方シリコーン系樹脂を塗布した部分のコイ
ルに対向する面はレジンが付着せず、コイルと鉄心間の
熱応力はこの面で緩和され、その他の絶縁層の部分を剥
離させることはない。したがって、固定子鉄心を囲むル
ープ回路の電流は、コイル振動時にもこの半導電性シー
トを通して流れ続ける。
説明する。図１はこの発明になる固定子を示す断面図で
ある。図において、固定子コイル１は対地主絶縁層３と
その外側に配置した表面コロナ防止層１８とからなる。
この外側に半導電性ライナ層１１を配置する。半導電性
ライナ層１１は、あらかじめ複数個の貫通孔をあけたア
ラミド不織布の両面にカーボン粒子を含む半導電性のレ
ジンを塗布硬化させたもので、表面方向，貫層方向とも
所定の半導電性特性を有する半導電性シートで構成し
た。樹脂含浸前のスロット内構成物は固定子導体と対地
主絶縁層等を構成する基材とからなるが、スロット幅寸
法は、これら固定子導体も含むスロット内構成物のスロ
ット幅方向の厚さの総和に１mm以下の余裕をもった値に
設定した。このスロット内構成物をスロット内に挿入し
た後、ウェッジを挿入すると、対地主絶縁層等を構成す
る基材はスロット壁側に広がり、半導電性シートはスロ
ット内壁に密着させることができる。またこの半導電性
シートのコイルに対向する面のコイル軸方向の中央部１
００mm以外の部分にはシリコーン系樹脂を塗布した。そ
の後、従来技術の項で説明した処理を施した後、樹脂含
浸処理をした。全含浸方式で含浸された熱硬化性樹脂に
より、対地主絶縁層および表面コロナ防止層がボイドレ
スに含浸され、熱硬化処理により耐電圧性能が付与され
るとともに、半導電性シートはスロット内面に密着した
状態で固着されるため、スロット壁との電気的接続が達
成される。一方シリコーン系樹脂を塗布した部分のコイ
ルに対向する面はレジンが付着せず、コイルと鉄心間の
熱応力はこの面で緩和され、その他の絶縁層の部分を剥
離させることはない。したがって、固定子鉄心を囲むル
ープ回路の電流は、コイル振動時にもこの半導電性シー
トを通して流れ続ける。
【０００８】なおこの場合、半導電性ライナ層を二層の
シートにして、この層間においてどちらかの層のコイル
軸方向の中央部１００mm以外の部分にはシリコーン系樹
脂を塗布した場合にも、スロット壁に密着した半導電性
シートが形成され、この部分の電気的接続が遮断される
ことはない。
シートにして、この層間においてどちらかの層のコイル
軸方向の中央部１００mm以外の部分にはシリコーン系樹
脂を塗布した場合にも、スロット壁に密着した半導電性
シートが形成され、この部分の電気的接続が遮断される
ことはない。
【０００９】他の実施例を図２で説明する。図でも固定
子コイルは対地主絶縁層とその外側に配置した表面コロ
ナ防止層とからなる。この外側に実施例１と同様複数個
の貫通孔により表面方向，貫層方向とも所定の半導電性
特性を有する半導電性シートからなる半導電性ライナ層
を配置するが、この半導電性シートは、あらかじめ半導
電性の接着剤を塗布したのちスロット内のコイル形状を
模擬したモデル型により、スロット内面に押しつけ接着
した。半導電性の接着剤はカーボン粒子を充填した常温
硬化又はごくわずかの昇温で硬化するエポキシレジン等
である。この実施例でも実施例１と同様半導電性シート
のコイルに対向する面のコイル軸方向の中央部１００mm
以外の部分にシリコーン系樹脂を塗布した。その後、従
来技術の項で説明した処理を施した後、樹脂含浸処理を
した。本実施例では、樹脂含浸処理前にスロット壁との
電気的接続を完全にしているので、半導電性シートは樹
脂含浸処理に影響されることなく電気的な接続は維持さ
れている。また図１の実施例と同様シリコーン系樹脂を
塗布した部分で、コイルと鉄心間の熱応力は緩和され
る。したがって、固定子鉄心を囲むループ回路の電流
は、コイル振動時にもこの半導電性シートを通して流れ
続ける。
子コイルは対地主絶縁層とその外側に配置した表面コロ
ナ防止層とからなる。この外側に実施例１と同様複数個
の貫通孔により表面方向，貫層方向とも所定の半導電性
特性を有する半導電性シートからなる半導電性ライナ層
を配置するが、この半導電性シートは、あらかじめ半導
電性の接着剤を塗布したのちスロット内のコイル形状を
模擬したモデル型により、スロット内面に押しつけ接着
した。半導電性の接着剤はカーボン粒子を充填した常温
硬化又はごくわずかの昇温で硬化するエポキシレジン等
である。この実施例でも実施例１と同様半導電性シート
のコイルに対向する面のコイル軸方向の中央部１００mm
以外の部分にシリコーン系樹脂を塗布した。その後、従
来技術の項で説明した処理を施した後、樹脂含浸処理を
した。本実施例では、樹脂含浸処理前にスロット壁との
電気的接続を完全にしているので、半導電性シートは樹
脂含浸処理に影響されることなく電気的な接続は維持さ
れている。また図１の実施例と同様シリコーン系樹脂を
塗布した部分で、コイルと鉄心間の熱応力は緩和され
る。したがって、固定子鉄心を囲むループ回路の電流
は、コイル振動時にもこの半導電性シートを通して流れ
続ける。
【００１０】他の実施例を図３に示す。本案ではスロッ
ト内面に半導電性塗膜層を形成した。この半導電性の塗
膜材はカーボン粒子を充填した常温硬化又はごくわずか
の昇温で硬化するエポキシレジン等である。図でも固定
子コイルは対地主絶縁層とその外側に配置した表面コロ
ナ防止層とからなり、この外側に実施例１と同様所定の
半導電性特性を有する半導電性シートからなる半導電性
ライナ層を配置する。この半導電性シートのコイルに対
向する面又はスロット壁に対向する面のコイル軸方向の
中央部１００mm以外の部分にシリコーン系樹脂を塗布し
た。その後、従来技術の項で説明した処理を施した後、
樹脂含浸処理をした。本実施例でも、樹脂含浸処理前に
積層鉄心間は半導電性塗膜層で電気的に接続されてい
る。また図１の実施例と同様シリコーン系樹脂を塗布し
た部分で、コイルと鉄心間の熱応力は緩和される。した
がって、固定子鉄心を囲むループ回路の電流は、コイル
振動時にもこの半導電性シートを通して流れ続ける。
ト内面に半導電性塗膜層を形成した。この半導電性の塗
膜材はカーボン粒子を充填した常温硬化又はごくわずか
の昇温で硬化するエポキシレジン等である。図でも固定
子コイルは対地主絶縁層とその外側に配置した表面コロ
ナ防止層とからなり、この外側に実施例１と同様所定の
半導電性特性を有する半導電性シートからなる半導電性
ライナ層を配置する。この半導電性シートのコイルに対
向する面又はスロット壁に対向する面のコイル軸方向の
中央部１００mm以外の部分にシリコーン系樹脂を塗布し
た。その後、従来技術の項で説明した処理を施した後、
樹脂含浸処理をした。本実施例でも、樹脂含浸処理前に
積層鉄心間は半導電性塗膜層で電気的に接続されてい
る。また図１の実施例と同様シリコーン系樹脂を塗布し
た部分で、コイルと鉄心間の熱応力は緩和される。した
がって、固定子鉄心を囲むループ回路の電流は、コイル
振動時にもこの半導電性シートを通して流れ続ける。
【００１１】他の実施例を図４に示す。本案では半導電
性ライナ層は、スロット壁に対向する面に半導電性のプ
リプレグ材をあらかじめ塗布した、複数個の貫通孔によ
り表面方向，貫層方向とも所定の半導電性特性を有する
半導電性シートで形成した。このプリプレグ材はカーボ
ン粒子を充填したエポキシをＢステージにまで反応をす
すめたもので、対地絶縁用の含浸樹脂を硬化する過程で
硬化するものである。図において固定子コイルや対地主
絶縁層等は実施例１と同様である。この半導電性シート
のコイルに対向する面のコイル軸方向の中央部１００mm
以外の部分にはシリコーン系樹脂を塗布した。その後、
従来技術の項で説明した処理を施した後、樹脂含浸処理
をした。この場合も図１の実施例と同様シリコーン系樹
脂を塗布した部分で、コイルと鉄心間の熱応力は緩和さ
れる。したがって、固定子鉄心を囲むループ回路の電流
は、コイル振動時にもこの半導電性ライナ基材を通して
流れ続ける。
性ライナ層は、スロット壁に対向する面に半導電性のプ
リプレグ材をあらかじめ塗布した、複数個の貫通孔によ
り表面方向，貫層方向とも所定の半導電性特性を有する
半導電性シートで形成した。このプリプレグ材はカーボ
ン粒子を充填したエポキシをＢステージにまで反応をす
すめたもので、対地絶縁用の含浸樹脂を硬化する過程で
硬化するものである。図において固定子コイルや対地主
絶縁層等は実施例１と同様である。この半導電性シート
のコイルに対向する面のコイル軸方向の中央部１００mm
以外の部分にはシリコーン系樹脂を塗布した。その後、
従来技術の項で説明した処理を施した後、樹脂含浸処理
をした。この場合も図１の実施例と同様シリコーン系樹
脂を塗布した部分で、コイルと鉄心間の熱応力は緩和さ
れる。したがって、固定子鉄心を囲むループ回路の電流
は、コイル振動時にもこの半導電性ライナ基材を通して
流れ続ける。
【００１２】
【発明の効果】本発明によれば、固定子コイルと固定子
鉄心との位置が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位
した場合にも、表面コロナの発しない回転電機の固定子
を得ることができる。
鉄心との位置が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位
した場合にも、表面コロナの発しない回転電機の固定子
を得ることができる。
【図１】本発明の一実施例を示す断面図。
【図２】本発明の第二の実施例を示す断面図。
【図３】本発明の第三の実施例を示す断面図。
【図４】本発明の第四の実施例を示す断面図。
【図５】従来例を示す断面図。
【図６】固定子鉄心を囲んで積層鉄心の一部の層と鉄心
背後部の固定部分と表面コロナ防止層の半導電性層とで
形成するループ回路の斜視図。
背後部の固定部分と表面コロナ防止層の半導電性層とで
形成するループ回路の斜視図。
１…固定子コイル、２…固定子コイル導体、３…対地主
絶縁層、６…スロット、１０…固定子鉄心、１１…半導
電性ライナ層、１２…半導電性シート、１７…ウェッ
ジ、１８…表面コロナ防止層。
絶縁層、６…スロット、１０…固定子鉄心、１１…半導
電性ライナ層、１２…半導電性シート、１７…ウェッ
ジ、１８…表面コロナ防止層。
Claims (7)
- 【請求項１】コイル導体の上に対地主絶縁基材層，表面
コロナ防止層をあらかじめ形成し、これを積層構造の固
定子鉄心のスロットに挿入した後、真空加圧含浸された
熱硬化性樹脂を硬化させる工程を経てコイル絶縁層を形
成する固定子において、固定子コイルと前記固定子鉄心
との位置が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位した
場合にも、前記スロット内半導電性構成物と積層鉄心の
一部の層と固定子鉄心背後部の固定部分とで鉄心の一部
を一周するように形成されているループ回路の電気的接
続を遮断しないようにした構造であることを特徴とする
回転電機の固定子。 - 【請求項２】コイル導体の上に対地主絶縁基材層，表面
コロナ防止層をあらかじめ形成し、これを積層構造の固
定子鉄心のスロットに挿入した後、真空加圧含浸された
熱硬化性樹脂を硬化させる工程を経てコイル絶縁層を形
成する固定子において、前記表面コロナ防止層の外側
に、熱硬化性樹脂の硬化後に固定子コイルと固定子鉄心
との位置が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位した
場合にも、前記鉄心とスロット内面で一体化している半
導電性シートを配置した構造であることを特徴とする回
転電機の固定子。 - 【請求項３】請求項２において、前記熱硬化性樹脂の硬
化後に前記固定子コイルと前記固定子鉄心との位置が両
者の熱膨張差や振動等で相対的に変位した場合にも、前
記鉄心とスロット内面で一体化している半導電性シート
を配置した構造を、コイル軸方向の一部分を除き、前記
表面コロナ防止層の外側面またはかかる半導電性シート
のコイルに対向する側の面、あるいはその両方に非接着
性の層を形成する塗布剤を塗布することにより実現した
回転電機の固定子。 - 【請求項４】請求項３において、非接着性の層を形成す
る前記塗布剤はシリコーン系の樹脂である回転電機の固
定子。 - 【請求項５】請求項２において、前記熱硬化性樹脂の真
空加圧含浸前に半導電性シートを半導電性の接着剤であ
らかじめ鉄心に接着することにより、樹脂硬化後に固定
子コイルと固定子鉄心との位置が両者の熱膨張差や振動
等で相対的に変位した場合にも、前記鉄心とスロット内
面で一体化している半導電性シートを配置した構造であ
る回転電機の固定子。 - 【請求項６】コイル導体の上に対地主絶縁基材層，表面
コロナ防止層をあらかじめ形成し、これを積層構造の固
定子鉄心のスロットに挿入した後、真空加圧含浸された
熱硬化性樹脂を硬化させる工程を経てコイル絶縁層を形
成する固定子において、積層鉄心のスロット内面に半導
電性の塗膜層を形成し、固定子コイルと固定子鉄心との
位置が両者の熱膨張差や振動等で相対的に変位した場合
にも、スロット内の半導電性塗膜層と固定子鉄心背後部
の固定部分とで鉄心の一部を一周するように形成されて
いるループ回路の電気的接続を遮断しないようにした構
造であることを特徴とする回転電機の固定子。 - 【請求項７】請求項２において、前記半導電性シートは
あらかじめスロット壁に対向する面に半導電性のプリプ
レグ材塗膜層を設けていたものである回転電機の固定
子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34031295A JPH09182343A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 回転電機の固定子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP34031295A JPH09182343A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 回転電機の固定子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09182343A true JPH09182343A (ja) | 1997-07-11 |
Family
ID=18335748
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34031295A Pending JPH09182343A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 回転電機の固定子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09182343A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008118811A (ja) * | 2006-11-07 | 2008-05-22 | Hitachi Ltd | 回転電機巻線及び回転電機並びにそれに用いる半導電性絶縁基材 |
| JP2015076906A (ja) * | 2013-10-07 | 2015-04-20 | 株式会社日立製作所 | 回転電機 |
| JP2017060320A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 株式会社東芝 | 回転電機コイル、回転電機、および回転電機コイルの製造方法 |
| EP3291418A1 (en) * | 2016-08-29 | 2018-03-07 | Hitachi, Ltd. | Electric rotating machine |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP34031295A patent/JPH09182343A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008118811A (ja) * | 2006-11-07 | 2008-05-22 | Hitachi Ltd | 回転電機巻線及び回転電機並びにそれに用いる半導電性絶縁基材 |
| JP2015076906A (ja) * | 2013-10-07 | 2015-04-20 | 株式会社日立製作所 | 回転電機 |
| JP2017060320A (ja) * | 2015-09-17 | 2017-03-23 | 株式会社東芝 | 回転電機コイル、回転電機、および回転電機コイルの製造方法 |
| EP3291418A1 (en) * | 2016-08-29 | 2018-03-07 | Hitachi, Ltd. | Electric rotating machine |
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