【発明の詳細な説明】チオエステル化合物並びに該化合物を含む混合物及びデバイス
本発明は、チオエステル基を含む化合物、特に液晶性を有するチオエステル化
合物に係わる。本発明は更に、液晶材料におけるチオエステル化合物の使用、並
びに、チオエステル化合物及びチオエステル化合物を含む材料のデバイスにおけ
る使用にも係わる。
液晶材料及び電気光学表示装置におけるそれらの使用はよく知られている。最
も一般に使用されているタイプの液晶材料は、ねじれネマチック(TN)デバイス
、超ねじれネマチック(STN)デバイス及び電圧制御複屈折(ECB)デバイスとい
ったデバイスにそれらのネマチック特性を利用し得るものである。
チオエステル化合物は公知であり、例えば、S R Pandasら,Synthesis,(198
3),pp605-621;Z-C Chenら,Synthesis,(1988),pp723-724;及びB S Pede
rsenら,Bull Soc.Chim.Belg.,(1978)Vol.87,pp293-297に記載されてい
る。液晶チオエステル化合物は、M E Neubertら,Mol.Cryst.Liq.Cryst.,(
1981)Vol.76,pp43-77に記載されている。チオエステル化合物は、ドイツ特許
DE 2603293号明細書、同DD 01459
14号明細書、特開昭55-023129号公報、特開昭56-108761号公報、特開昭60-16385
8号公報、Isr.J.Chem.,1980,volume data 1979,Vo1.18(3-4),pp197-19
8;J.Prakt,Chem.,1979,Vol.321(4),pp619-628にも記載されている。
液晶材料は通常は、個々にまたは一緒になって液晶相を示す化合物の混合物で
ある。かかる化合物及び材料において多数の望ましい特性が求められており、特
に、化学的安定性、好ましくは室温を含む広範囲の温度での適正液晶相の持続性
、装置によっては高複屈折(Δn)が求められている。
本発明によれば、式I:
Rl−(Z1−A1)m−(Z2)−A3−X−(Z3)−(A2−Z4)n−R2 式I
〔式中、Xは、
から選択され;
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々独立に、フェニル、置換フェニル(ここで置換基
は、F、Cl、Br、NO2、CN及びNCSから選択される側方置換基である
);ナフタレン、置換ナフタレン(ここで置換基は、F、Cl、Br、NO2
、CN、NCS及びCH3から選択される側方置換基である);チオフェン、ピ
リジン及びピリミジンから選択され;
A1及びA2は各々独立に、単結合、C≡C及びCH=CHから選択され;
A3は、C≡C及び単結合から選択され;
R1及びR2は各々独立に、CN、NCS、CH=C(CN)2、C≡C−CN
、C≡C−CF3、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルケニル及びアル
キニルから選択され;
m及びnは独立に1及び0から選択されるが、
但し、m及びnが0であるときは、XはCOSであり、R1及びR2はそれぞれ
アルキル及びアルコキシから選択され、A3は単結合であり、Z2及びZ3はそれ
ぞれフェニルである〕
の液晶化合物が提供される。
液晶材料に使用するのに特に望ましい液晶性、特に高複屈折をもとに、構造及
び他の点で好ましいものを以下に示す。
R1及び/またはR2がアルキル、アルコキシ、アルキニ
ル及び/またはチオアルキルである場合、それらは好ましくは1〜15個の炭素
原子、より好ましくは1〜9個の炭素原子、更に好ましくは2〜5個の炭素原子
を有する。
式Iの化合物は、高複屈折(Δn)の点で有利である。
全般的に好ましい式Iの構造体を以下に挙げる:
式Iの化合物は種々の経路で製造し得る。典型的には、適当な安息香酸と適当
なチオール化合物を水を除去してエステル化することにより、XがCOSである
チオエステルを合成し得る。XがCS2であるような化合物は、適当なグリニャ
ール試薬を用いて二硫化炭素反応させてジチオ酸を生成し、次いで該酸を適当な
チオール化合物と反応させることにより製造し得る。XがCSOである場合は、
適当なジチオ安息香酸を適当なヒドロキシ基を用いてエステル化することにより
合成し得る。中間化合物の典型的な製造方法は当業者には明らかである。
本発明の別の態様は、少なくとも2種の成分を含むが、そのうちの少なくとも
1種は式Iの化合物である液晶材料である。式Iの化合物、特に上述の好ましい
化合物は、液晶材料に極めて有効な成分となる多数の望ましい特性を有し、特に
高複屈折を有する。
液晶材料の他の成分に適した化合物は当業者には明らかであり、予定される材
料の用途に対して材料に要求される特性、例えば誘電異方性、複屈折、作動温度
範囲などに従う。数種の適当な材料を以下に簡単に記載する。
1種以上の式Iの化合物を含むと共に、混合物は1種以
上の式II:
〔式中、RBは、好ましくは1〜8個の炭素原子を含み、好ましくは直鎖状であ
る、アルキル、チオアルキルまたはアルコキシであり、dは1または0である〕
の化合物を含むのが好ましい。このような材料は、英国特許第1433130号明細書
及び英国特許出願第90/19268.5号明細書に記載されている。該液晶材料は、例え
ば欧州特許出願公開第01322377号明細書に記載のごとき正の誘電異方性を有する
他の液晶化合物を含み得る。
混合物は更に、式III:
〔式中、典型的にはR1はCN、アルキル、アルコキシなどである〕
に示したような典型的構造のフェニルチアゾリンのごとき材料を含み得る。
本発明材料は、或いはまたは更に、低誘電異方性の液晶化合物または熱変色性
であり得るコレステリック混合物を含み得る。このような化合物の例は欧州特許
出願公開第0132377号明細書に記載されている。
本発明材料は、或いはまたは更に、例えばネマチック相から異方性相への(N
−I)転移温度を高めるために、高澄明点を有する液晶化合物を含み得る。この
ような化合物の例は欧州特許出願公開第0132377号明細書に記載されている。
本発明のこの態様の材料がコレステリックまたはキラルネマチック相を示すた
めには、材料は、少なくとも1種の光学的に活性な化合物を含む必要がある。こ
れは式Iのキラル化合物でもよいし、或いはまたは更に1種以上の上記式IIのキ
ラル化合物、例えばS(+)4−(2−メチルブチル)−4’−シアノビフェニ
ルまたはS(+)4−(2−メチルブトキシ)−4’−シアノビフェニルを含ん
でもよい。
本発明材料は、1種以上の多色性染料、例えば欧州特許出願公開第82300891.7
号明細書に記載の染料を含んでもよい。
本発明のこの態様の材料に使用される上記化合物の割合
は、予定される用途に従い、本発明材料は通常は2種以上の式Iの化合物を含む
。本発明材料が2種以上の式Iの化合物を含む場合、それらの割合は共融混合物
に近い割合とし得る。
本発明のこの態様の材料は、例えばねじれネマチックデバイス、フレデリクス
効果デバイス、コレステリック記憶モードデバイス、コレステリック−ネマチッ
ク相変化効果デバイス、動的散乱効果デバイスまたは超ねじれ効果デバイスなど
多数の公知の形態の液晶表示装置に使用し得る。このようなデバイスの構築及び
操作方法並びにこれらに使用するのに適した液晶材料の特性は当分野においてよ
く知られている。一般に電気光学表示装置は、液晶材料層を挟持し得る2つの基
板から構成される。少なくとも一方の基板は光学的に透明であり、両基板の向か
い合った面上には、好ましくは透明材料でできたアドレッシング可能な電極を有
する。電極を介して液晶材料層を横切る電場を印加することにより、直接にまた
は好ましくは1つ以上の偏光フィルターを通して目視し得る電気光学効果が得ら
れる。
本発明のネマチック材料は、高複屈折の故に、ECB効果デバイスに使用する
のに特に適している。また本発明の
ネマチック材料は、液晶材料の小滴が透明ポリマーマトリックス内に分散されて
いるポリマー分散液晶(PDLC)材料に使用するのに特に適している。
本発明は、式Iの化合物が、異方性相の液晶材料の転移前駆特性を利用するデ
バイスに含めるのに適している別の態様を提供する。典型的にはかかる特性は光
学的カー効果デバイスのごときものに使用され得る。このようなデバイスは、光
学シャッターまたは光学モジュレーターとしてしばしば使用されており、媒体の
複屈折(Δn)が印加電場の2乗に比例することに依存している。かかる効果は
2次電気光学効果と称されることも多く、縮退4波混合(P Maddenら,IEEE J.
Quantum Electronics QE22 No.8 1986年8月,p1287)を使用して調査し得る。
以下、式Iの例示化合物の合成経路を示す図1〜14を参照し、非限定的な実
施例により本発明を説明する。図15及び16は例示の目的で与えたものであり
、それぞれ本発明の液晶デバイス及び本発明のカーセルの概略を表わしている。
実施例1.S−(4−イソチオシアナトフェニル)4−ブチルスルファニルチオ
ベンゾエート(4)の製造
1−ブロモ−4−ブチルスルファニルベンゼン(1)
ナトリウムエトキシド(100mlの超乾燥エタノール中2.46gのナトリウ
ム金属)中に4−ブロモベンゼンチオール(20.00g,0.106mol)を含
む撹拌溶液に、1−ブロモブタン(29.04g,0.212mol)を室温で滴下
して加えた。溶液を80℃で2時間加熱し(GLC及びTLC分析により反応完
了を確認した)、臭化ナトリウムを濾別した。溶剤を真空除去し、残留物を蒸留
して無色液体を得た。
収量24.81g(96%),20mmHgにおける沸点155〜157℃,純度(
GLC)>99%。
4−ブチルスルファニル安息香酸(2)
乾燥THF(200m1)中に化合物1(16.56g,0.067mol)を含む
撹拌・冷却(−78℃)溶液に、n
−ブチルリチウム(6.8m1,ヘキサン中10.0M,0.068mol)を乾燥窒素
下に−78℃で加えた。混合物をかかる条件下に更に0.5時間維持してから(
GLC分析により反応完了を確認した)、“Cardice”及び乾燥THFのスラリ
ー中に注ぎ込んだ。混合物を一晩で室温まで暖めた。合わせた有機抽出物を真空
蒸発させ、残留物を沸騰酢酸中に溶解した。溶液に氷(400g)を加え、生成
物を濾別し、真空乾燥した(KOH,P2O5)。
収量10.00g(71%),融点113〜114℃。
4−(イソチオシアナト)チオフェノール(3)
クロロホルム(75ml)中に4−アミノチオフェノール(7.00g,0.05
6mol)を含む溶液を、水(40ml)、クロロホルム(20ml)、炭酸カルシウ
ム(6.60g,0.066mo1)及びチオホスゲン(6.95g,0.060mol)
の撹拌・冷却(0℃)溶液に、0〜5℃で添加した。混合物を35℃で1時間加
熱し、水(50ml)中に注ぎ込み、2つの層に分離した。有機層を塩酸(1%,
100ml)で洗い、乾燥した(MgSO4)。溶剤を真空除去してオレンジ色半
固体を得、これを精製することなく次のステッ
プに使用した。
収量8.83g(95%),純度(GLC)>98%。
S−(4−イソチオシアナトフェニル)4−ブチルスルファニルチオベンゾエー
ト(4)
乾燥ジクロロメタン(50ml)中に化合物2(1.67g,0.008mo1)、
化合物3(1.59g,0.009mol)及び4−(N−ピロリジノ)ピリジン(
0.39g,0.003mol)を含む撹拌溶液に、N,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(1.95g,0.009mol)を室温で一度に加えた。反応混合物
を室温で一晩撹拌した。生成物をエーテル(200ml)中に抽出し、水酸化カリ
ウム水溶液(5%,2×250ml)で洗浄した。エーテル層を真空蒸発させ、生
成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60℃)
,ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、シクロヘキサンから再結晶させて
白色固体を得、これを真空乾燥した。
収量1.09g(38%),純度(HPLC)>99%。
実施例2.S−(4−イソチオシアナトフェニル)2−ブ
チルスルファニル−5−チオフェンチオカルボキシレート(9)の製造
チオフェン−2−チオール(5)
乾燥THF(250ml)中にチオフェン(20.0g,0.238mol)を含む
撹拌・冷却(−40℃)溶液に、n−ブチルリチウム(24.0ml,ヘキサン中
10.0M,0.24mo1)を乾燥窒素下に−40℃で加えた。反応混合物の温度
を−20〜−30℃に1時間維持し、次いで−78℃に低下させた。粉末硫黄(
7.62g,0.238mol)を一度に加えると、30分後に温度は−10℃まで
上昇した。溶液を、急速に撹拌している氷水中に注ぎ込み、有機層を分離し、水
(3×100ml)で洗浄した。合わせた水性抽出物を水性層と一緒にし、冷却し
、硫酸(100ml,4.0M)を用いて酸性化した。生成物を即座にエーテル(
2×100ml)中に抽出し、合わせた有機層を水(500ml)で洗浄し、乾燥(
MgSO4)した。残留物を蒸留して無色液体を得たが、これを放置するとオレ
ンジ色に変
色した。生成物を窒素下に保存した。
収量15.83g(57%),20mmHgにおける沸点60〜64℃。
2−ブチルスルファニルチオフェン(6)
ナトリウムエトキシド(100mlの超乾燥エタノール中2.75gのナトリウ
ム金属)中に化合物5(13.87g,0.120mol)を含む撹拌溶液に、1−
ブロモブタン(32.76g,0.239mol)を室温で滴下して加えた。溶液を
80℃で2時間加熱し(GLC及びTLC分析により反応完了を確認した)、臭
化ナトリウムを濾別した。溶剤を真空除去し、残留物を蒸留して無色液体を得た
。
収量12.02g(58%),2mmHgにおける沸点70〜75℃,純度(GLC
)>99%。
2−ブロモ−5−ブチルスルファニルチオフェン(7)
クロロホルム(80ml)及び氷酢酸(80ml)中に化合物6(5.18g,0.
030mol)及びN−ブロモスクシンイミド(5.34g,0.030mol)を含む
溶液を0.5時間(撹拌しながら)静かに還流加熱した。(GLC分析
により反応完了を確認した)。反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(2×
100ml)で洗浄した。合わせた有機抽出物を水(300ml)及び水酸化カリウ
ム水溶液(5%,300ml)で順次洗浄してから、乾燥(MgSO4)した。溶
剤を真空除去し、残留物を蒸留して無色液体を得た。
収量6.37g(88%),2mmHgにおける沸点104〜108℃,純度(GL
C)>98%。
2−ブチルスルファニル−5−チオフェンカルボン酸(8)
実験方法は化合物2に対して記載した通りであるが、化合物7(8.99g,
0.036mol)及びn−ブチルリチウム(15.0ml,へキサン中2.5M,0.
037mol)を使用した。白色固体を得た。
収量7.78g(100%),融点95〜96℃。
S−(4−イソチオシアナトフェニル)2−ブチルスルファニル−5−チオフェ
ンチオカルボキシレート(9)
実験方法は化合物4に対して記載した通りであるが、化合物8(0.89g,
0.004mol)、化合物3(0.61
g,0.004mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.91g
,0.004mol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.18g,0.004mo
l)を使用した。生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(
沸点40〜60℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、シクロヘキサ
ンから2回再結晶させて白色固体を得、それを真空乾燥した。
収量0.37g(27%),純度(HPLC)>99%。
実施例3.S−(4−シアノフェニル)4−ブチルスルファニルチオベンゾエー
ト(11)の製造
4−シアノチオフェノール(10)
乾燥THF(250ml)中に4−ブロモベンゾニトリル(7.18g,0.03
9mol)を含む撹拌・冷却(−100℃)溶液に、n−ブチルリチウム(4.4ml
,10.0M,0.04mol)を乾燥窒素下に−100℃で加えた。反応混合物の
温度を−100℃に1時間維持した。粉末硫黄(1.
32g,0.041mol)を一度に加えると、30分後に温度は−10℃まで上昇
した。混合物を、氷及び10%塩酸中に注ぎ込んだ。粗生成物を水酸化カリウム
溶液(5%,3×100ml)中に抽出し、合わせた水性抽出物をエーテルで洗浄
し、濃塩酸を用いて酸性化した。生成物をエーテル(2×250ml)中に抽出し
、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空除去し、無色固体を得た。
収量2.89g(55%),融点41.9〜43.5℃。
S−(4−シアノフェニル)4−ブチルスルファニルチオベンゾエート(11)量
:化合物2(1.04g,0.005mol)、化合物10(0.56g,0.00
4mol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.20g,0.002mol)、N,N′
−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.99g,0.005mol)。
乾燥ジクロロメタン(50ml)中に化合物2(1.04g,0.005mol)、
化合物10(0.56g,0.004mol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン
(0.20g,0.002mol)を含む撹拌溶液に、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミド(0.99g,0.005mol)を室温で
一度に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。生成物をエーテル(200ml
)中に抽出し、水酸化カリウム水溶液(5%,2×250ml)で洗浄した。エー
テル層を真空蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油
留分(沸点40〜60℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、エタノ
ールから再結晶させて白色固体を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.72g(55%),純度(HPLC)>99%。
実施例4.S−(4−シアノフェニル)6−ブチルスルファニル−2−チオナフ
トエート(14)の製造
2−ブロモ−6−ブチルスルファニルナフタレン(12)
乾燥ベンゼン(150ml)中に6−ブロモナフト−2−オール(21.00g
,0.094mol)及びブタン−1−チオール(8.90g,0.0099mol)を
含む撹拌溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸(25.00g,0.167mol
)を乾燥窒素下に添加した。反応混合物を50℃
で3時間撹拌し(GLC及びTLCにより反応完了を確認した)、氷冷水(40
0ml)中に注ぎ込み、生成物をエーテル(2×300ml)中に抽出した。合わせ
た有機抽出物を水(400ml)及び水酸化ナトリウム水溶液(5%,250ml)
で順次洗浄してから乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空除去し、生成物を蒸留
して白色固体を得た。
収量16.95g(61%),0.5mmHgにおける沸点160〜162℃,融点
39〜41℃,純度(GLC)>97%。
6−ブチルスルファニルナフトエ−2−酸(13)量
:化合物12(5.35g,0.018mol),n−ブチルリチウム(7.7ml,
ヘキサン中2.5M,0.02mol)。
実験方法は化合物2の製造に対して記載した通りであった。白色固体を得た。
収量3.05g(65%),融点186〜187℃。
S−(4−シアノフェニル)6−ブチルスルファニル−2−チオナフトエート(
14)量
:化合物13(0.40g,0.001mol),化合物10(0.17g,0.0
01mol),4−ジメチルアミノピリジン(0.07g,0.006mol),N,N
′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.31g,0.002mol)。
実験方法は化合物11に対して記載した通りであった。生成物をカラムクロマ
トグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60℃),ジクロロメタン,
1:1〕によって精製し、エタノール/酢酸エチル20:1から再結晶させて無
色固体を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.23g(51%),純度(HPLC)>99%。
実施例5.S−(4−イソチオシアナトフェニル)4−フェニルチオベンゾエー
ト(18)の製造
1−ブロモ−4−ペンタノイルベンゼン(15)
1−ブロモベンゼン(32.00g,0.20mol)及び塩化アルミニウム(3
3.00g,0.25mol)の撹拌・冷却(0℃)溶液に、塩化バレリル(20.0
0g,0.2
5mol)を0℃で滴下して加えた。反応混合物をかかる条件下に更に1時間維持
し、70〜80℃で2時間加熱し(GLC及びTLCにより反応完了を確認した
)、塩酸(18%,200ml)中に注ぎ込んだ。生成物をジクロロメタン(2×
200ml)中に抽出し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空除去
し、残留物を蒸留して無色固体を得た。
収量36.00g(89%),純度(GLC)>99%。
1−ブロモ−4−ペンチルベンゼン(16)
化合物15(24.87g,0.103mol)、無水ヒドラジン(15.45g,
55%ヒドラジン含有量)及びジエチレングリコール(200ml)の混合物を1
30〜160℃で1時間加熱し、水分と過剰量の無水ヒドラジンを留去した。溶
液を60℃以下に冷却し、水酸化カリウムペレット(17.37g,0.309mo
l)を添加し、溶液を200℃で2時間加熱し(GLC分析により反応完了を確
認した)、冷却し、砕いた氷(200g)及び塩酸(200ml,6M)中に注ぎ
込んだ。生成物をエーテル(2×200ml)中に抽出し、乾燥(MgSO4)し
た。溶剤を真空除去し、
残留物を蒸留して無色液体を得た。
収量19.80g(85%),純度(GLC)>99%。
4−ペンチル安息香酸(17)量
:化合物16(5.85g,0.026mol),n−ブチルリチウム(11.2ml
,ヘキサン中2.5M,0.028mol)。
実験方法は例えば化合物2の製造に対して記載した通りであった(即ちリチウ
ム塩をcardice上に注ぎ、酸性化した)。白色固体を得た。
収量5.04g(100%),融点89〜90℃。
S−(4−イソチオシアナトフェニル)4−ペンチルチオベンゼン(18)量
:化合物17(4.00g,0.021mol),化合物3(2.59g,0.01
6mol),N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.95g,0.019m
ol),4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.79g,0.019mol)。
実験方法は化合物9の製造に対して記載した通りであった。生成物をカラムク
ロマトグラフィー〔シリカゲル/石
油留分(沸点40〜60℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、エタ
ノールから2回再結晶させて白色固体を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量2.72g(50%),純度(HPLC)>99%。
実施例6.O−(4−シアノフェニル)4−ブチルスルファニルチオベンゾエー
ト(20)の製造
4−ブチルスルファニルジチオ安息香酸(19)
マグネシウム削り屑(2.41g,0.100mol)及び乾燥THF(50ml)
の撹拌混合物に化合物1を、窒素雰囲気下に室温でゆっくり添加した。1,2−
ジブロモメタン(2滴)を添加して反応を開始させた。発熱反応が静まったころ
で混合物を1時間還流加熱した。溶液を乾燥窒素下で乾燥したフラスコにデカン
トし、−10℃に冷却した。二硫化炭素(2.76g,0.036mol)を−5℃
で滴下して加え、この温度で更に3時間撹拌した。溶液を室温で1時間撹拌し、
氷(100g)及び塩酸(1M,100ml)
中に注ぎ込んだ。粗生成物をエーテル(2×200ml)中に抽出し、水酸化ナト
リウム(5%,2×200ml)で洗浄し、合わせた水性層を塩酸(1M)を用い
て酸性化した。生成物をエーテル(2×200ml)中に抽出した。ナトリウム塩
と遊離酸との相互変換を更に2回繰り返してから、生成物をエーテル(2×20
0ml)中に抽出し、水で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空除去して
紫色固体を得た。
収量5.91g(74%),融点32〜34℃。
O−(4−シアノフェニル)4−ブチルスルファニルチオベンゾエート(20)量
:化合物19(1.50g,0.006mol),4−ヒドロキシベンゾニトリル
(0.59g,0.0050mol),N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(1.24g,0.006mol),4−ジメチルアミノピリジン(0.25g,0.
002mol)。
実験方法は化合物4の製造に対して記載した通りであった。生成物をカラムク
ロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60℃),ジクロロメタ
ン,1:1〕
によって精製し、エタノールから再結晶させて金色結晶を得、これを真空乾燥(
P2O5)した。
収量0.67g(41%),純度(HPLC)>99%。
実施例7.4−シアノフェニル4−ブチルスルファニルジチオベンゾエート(2
1)の製造
量:化合物19(1.50g,0.006mol),化合物10(0.67g,0.0
05mol),N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.24g,0.00
6mol),4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.25g,0.002mol)。
実験方法は化合物4の製造に対して記載した通りであった。生成物をカラムク
ロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60℃),ジクロロメタ
ン,1:1〕によって精製し、エタノール/酢酸エチル3:1から再結晶させて
赤色結晶を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.58g(34%),純度(HPLC)>99%。
実施例8.O−4−イソチオシアナトフェニル4−ブチルスルファニルチオベン
ゾエート(23)の製造
4−ヒドロキシフェニルイソチオシアナト(22)
二硫化炭素(102.14g,1.34mol)、N,N′−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミド(41.26g,0.200mol)及びピリジン(20ml)の撹拌・
冷却(−10℃)溶液に、ピリジン(100ml)中の4−アミノフェノール(2
1.83g,0.200mol)を、乾燥窒素下に−10℃で添加した。混合物をか
かる条件下に更に3時間維持し、次いで室温で3時間撹拌した(GLC分析によ
り90%の反応を確認した)。溶液を濾過し、濾液を塩酸(200ml,1M)及
び水(200ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空除去し、粗生
成物をベンゼン/石油エーテル(沸点40〜60℃)1:1から再結晶させ、オ
フホワイト固体を得た。
収量15.77g(52%),融点40〜41℃,純度(GLC)>99%。
O−4−イソチオシアナトフェニル4−ブチルスルファニルチオベンゾエート(
23)
乾燥ジクロロメタン(50ml)中に化合物19(1.14g,5mmol)、化合
物22(0.25g,1.6mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.0
8g,6.56mmol)を含む撹拌溶液に、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(0.41g,2.0mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で一晩撹
拌し、N,N′−ジシクロヘキシルウレアを濾別した。濾液を、水酸化カリウム
(2×200ml,5%)、水(200ml)、酢酸(200ml,5%)及び水(2
00ml)で順次洗浄し、乾燥(MgSO4)した。溶剤を真空除去し、生成物を
カラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60℃),ジク
ロロメタン,1:1〕によって精製し、石油留分から再結晶させて金色結晶を得
、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.46g(75%),純度(HPLC)>99%。
実施例9.4−イソチオシアナトフェニル4−ブチルスルファニルジチオベンゾ
エート(24)の製造
化合物23の製造に対して記載したのと同様の方法で化合物24を製造した。量
:化合物19(1.17g,5mmol),化合物3(0.65g,3.9mmol),
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.96g,4.7mmol),4−(
ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.5mmol)。
生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60
℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、石油留分(沸点40〜60℃
)/酢酸エチル,20:1から再結晶させて赤色結晶を得、これを真空乾燥(P2
O5)した。
収量0.40g(27%),純度(HPLC)>99%。
実施例10.S−4−シアノフェニル4−ペンチルチオベンゾエート(25)の
製造
化合物23の製造に対して記載したのと同様の方法で化合物25を製造した。量
:化合物17(0.51g,3.8mmol),化合物10(0.87g,4.5mmol
),4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.5mmol),N,N′−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(0.94g,4.6mmol)。
生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60
℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、エタノールから再結晶させて
無色結晶を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.70g(60%),純度(HPLC)>99%。
実施例11.4−シアノフェニル6−ブチルスルファニルジチオナフト−2−エ
ート(27)の製造
6−ブチルスルファニルジチオナフトエ−2−酸(26)
化合物19と同様の方法で化合物26を製造した。但し、グリニャール形成に
は2時間の還流加熱を必要とした。
化合物12(3.71g,0.013mol),マグネシウム削り屑(0.94g,
0.039mol),二硫化炭素(1.09g,0.014mol)。紫色固体を得た。
収量0.73g(19%),融点46〜47℃。
4−シアノフェニル6−ブチルスルファニルジチオナフト−2−エート(27)量
:化合物26(0.28g,0.96mmol),化合物10(0.10g,0.74
mmol),N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.24g,1.2mmol)
,4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.05g,0.40mmol)。
生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60
℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、石油留分(沸点40〜60℃
)/酢酸エチル,1:1から再結晶させて赤色結晶を得、これを真空乾操(P2
O5)した。
収量0.05g(17%),純度(HPLC)>99%。
実施例12.S−4−イソチオシアナトフェニル4−シアノチオベンゾエート(
29)の製造
4−シアノ安息香酸(28)
化合物17に対して記載したのと同様の方法で化合物28を製造した。但し、
n−ブチルリチウムを−90℃〜−100℃で添加した。
S−4−イソチオシアナトフェニル4−シアノチオベンゾエート(29)
化合物23の製造に対して記載したのと同様の方法で化合物29を製造した。
量:化合物3(1.98g,0.012mol),化合物28(0.63g,4.3mol
),4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.29g,2.3mmol),N,N′−ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(1.46g,7mmol)。
生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油
留分(沸点40〜60℃),ジクロロメタン,1:1〕によって精製し、エタノ
ール/酢酸エチル,1:2から再結晶させて白色固体を得、これを真空乾燥(P2
O5)した。
収量0.45g(35%),純度(HPLC)>99%。
実施例13.S−4−シアノフェニル4−イソチオシアナトチオベンゾエート(
31)の製造
4−イソチオシアナト安息香酸(30)
化合物3と同様の方法で化合物30を製造した。但し、THFを溶剤として使
用し、反応混合液から水及び炭酸カルシウムを除外した。
量:4−アミノ安息香酸(8.00g,0.058mol),チオホスゲン(7.72
g,0.067mol)。
生成物をエタノール/水,50:1から再結晶させてオフホワイト固体を得、
これを真空乾燥(P2O5)した。
収量4.65g(45%),融点>300℃。
S−4−シアノフェニル4−イソチオシアナトチオベンゾエート(31)
化合物23と同様の方法で化合物31を製造した。
量:化合物10(1.06g,8mmol),化合物30(0.78g,4.4mmol)
,N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.08g,5mmol),4−(
ジメチルアミノ)ピリジン(0.22g,1.8mmol)。
生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60
℃),ジクロロメタン,5:1〕によって精製し、酢酸エチル/ジメトキシエタ
ン,10:1から再結晶させて白色結晶を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.17g(13%),純度(HPLC)>99%。
実施例14.S−4−イソチオシアナトフェニル6−ブチルスルファニルチオナ
フト−2−エート(32)の製造
量:化合物3(0.64g,2.0mmol),化合物13(0.
33g,1.9mmol),4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.10g,0.80m
mol),N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.50g,2.4mmol)
。
生成物をカラムクロマトグラフィー〔シリカゲル/石油留分(沸点40〜60
℃),ジクロロメタン,5:1〕によって精製し、酢酸エチルから再結晶させて
白色結晶を得、これを真空乾燥(P2O5)した。
収量0.60g(77%),純度(HPLC)>99%。
式Iの化合物の結晶質(K)、ネマチック(N)、スメクチックA(SA)及
び等方性(I)間の液晶転温度を表1に示す。表には更に複屈折(Δn)、秩序
パラメーター(S)及び4′−シアノ−4−ペンチルビフェニルと比較した偏光
異方性(Δα)を与える。[]は仮想相転移を示す。A1はメリット(merit)値
として公知であり、4波混合実験によって評価し得るものである。
Δn測定値は25℃に対して正規化され、アッベの屈折計を用い、典型的には
、
〔式中、R及びR1はアルキルである〕
のごとき無偏光共融ネマチックホスト中で3重量%の被化合物を使用して実施し
た。
図15に示した液晶セルは、表面に例えば酸化スズインジウムの伝導層3を有
するガラススライド2と、表面に透明な伝導層5を有するガラススライド4とに
挟まれた、式Iの化合物を含む混合物である液晶材料層1を備えている。層3及
び5を有するスライド2及び4はそれぞれポリイミド薄層6及び7で被覆されて
いる。セルを構築する前に、薄層6及び7はソフトティッシュ(sof tissue)で
所与の方向にこすられる。擦過方向は、セルの構成と平行とする。例えばポリメ
チルメタクリレートのスペーサー8によりスライド2及び4は必要な距離、例え
ば5μほど離される。液晶材料をスライド2及び4とスペーサー8との間の充填
し、スペーサー8を公知の方法で真空下に封止することに
より、スライド2及び4の間に液晶材料を導入する。
偏光子9を、その偏光軸が薄層6及び7のこすり方向と平行となるよう設置し
、アナライザー(直交偏光子)10を、その偏光軸が擦過方向と垂直になるよう
設置する。層3と5を接触させることにより電圧を印加することでセルはスイッ
チが切り換えられる。
図15に示したセル構造に基づく別のデバイス(図示せず)においては、層3
及び5を公知の方法、例えばマスクを通してホトエッチングまたは堆積すること
により選択的にエッチングし、例えば表示装置上に通常見られるような1つ以上
の表示シンボル、例えば文字、数字、単語またはグラフなどを与えることができ
る。それによって、多重オペレーションを含む種々の方法で電極部分を指定し得
る。
図16はカーセル20を示す。セル20は、2つの電極22及び23を有する
ガラスセル21を備えている。ガラスセル1には、式Iの化合物または少なくと
も1種の式Iの化合物を含む混合物からなる材料のごとき偏光異方性媒体を充填
し得る。セル20は、印加された電場に対して透過軸が±45°となるよう交差
して配置された直交線形偏光子24及び25の間に配置し得る。電極22及び2
3間
の電圧がゼロの場合にはセル20は閉鎖シャッターとして作用する。電源26か
ら変調電場を印加すると電場が生じ、セル20を可変ウェーブプレート(variab
le wave plate)として作用させ、開口が電場に比例する可変アパーチャシャッ
ターとして動作する。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年10月20日
【補正内容】
請求の範囲
1.式I:
R1−(Z1−A1)m−(Z2)−A3−X−(Z3)−(A2−Z4)n−R2 式I
〔式中、Xは、
から選択され;
Z1、Z2、Z3及びZ4は各々独立に、フェニル、置換フェニル(ここで置換基
は、F、Cl、Br、NO2、CN及びNCSから選択される側方置換基である
);ナフタレン、置換ナフタレン(ここで置換基は、F、Cl、Br、NO2、
CN、NCS及びCH3から選択される側方置換基である);チオフェン、ピリ
ジン及びピリミジンから選択され;
A1及びA2は各々独立に、単結合、C≡C及びCH=CHから選択され;
A3は、C≡C及び単結合から選択され;
R1及びR2は各々独立に、CN、NCS、CH=C(CN)2、C≡C−CN
、C≡C−CF3、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルケニル及びアル
キニルから選択
されるが、R1及びR2は、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、アルケニル及
びアルキニルから選択される場合は、1〜16個の炭素原子を含み得;
m及びnは独立に1及び0から選択されるが、
但し、m=n=0、Z2=Z3=フェニル、X=COS、A3=単結合、R1また
はR2の一方がチオアルキルの場合は、R1またはR2の他方はアルキルまたはア
ルコキシではなく;
X=COS、Z2=Z3=フェニル、A1及びA2が存在するならばいずれも単結
合であり、A3が単結合であり、Z1及びZ4が存在するならばフェニルである場
合は、R1及びR2は同じまたは異なっており、R1及びR2の少なくとも一方は、
NCS、CH=C(CN)2、C≡C−CN、C≡C−CF3、アルケニル及びア
ルキニルから選択される〕の液晶化合物。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年12月9日
【補正内容】
但し、X=COS、m=0、n=0、A3が単結合であり、R1及びR2がアル
キル、アルコキシ、CNから選択される場合は、Z2及びZ3は、フェニルと置換
フェニル、フェニルとフェニル、及び、置換フェニルと置換フェニルの組合せか
ら選択されない〕
の液晶化合物。
2.m+n=0である請求項1に記載の液晶化合物。
3.Z3がフェニルである請求項1または2に記載の液晶化合物。
4.Z2が、
から選択される請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶化合物。
5.R1及びR2がそれぞれ、アルキル、チオアルキル、CN、NCS、C≡C(
CN)及びCH=C(CN)2から選択される請求項1から4のいずれか一項に
記載の液晶化合物。
6.R1及びR2の一方がチオアルキル及びアルキルから選択される請求項5に記
載の液晶化合物。
7.A3が単結合である請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶化合物。
8.少なくとも1種は式Iの化合物である、少なくとも2種の化合物の混合物で
ある液晶材料。
9.間隔が置かれ、その間に液晶材料層を内包している2つのセル壁を備えてお
り、前記セル壁上に電極を有する液晶デバイスであって、前記液晶材料が請求項
8に記載の材料であることを特徴とする液晶デバイス。
10.液晶化合物及び液晶材料の転移前駆特性を使用する液晶デバイスであって
、少なくとも1種の式Iの化合物を含むことを特徴とする液晶デバイス。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
C07D 333/38 9455−4C
C09K 19/28 9279−4H
19/32
19/34
(72)発明者 ハード,マイケル
イギリス国、エイチ・ユー・6・7・アー
ル・エツクス、ハル、ユニバーシテイ・オ
ブ・ハル、スクール・オブ・ケミストリー
(番地なし)
(72)発明者 トイン,ケネス・ジヨンソン
イギリス国、エイチ・ユー・6・7・アー
ル・エツクス、ハル、ユニバーシテイ・オ
ブ・ハル、スクール・オブ・ケミストリー
(番地なし)
(72)発明者 シード,アレクサンダー・ジヨン
イギリス国、エイチ・ユー・6・7・アー
ル・エツクス、ハル、ユニバーシテイ・オ
ブ・ハル、スクール・オブ・ケミストリー
(番地なし)
(72)発明者 マクダネル,ダミアン・ジエラルド
イギリス国、ダブリユ・アール・14・3・
ピー・エス・ウースター、マルバーン、セ
ント・アンドリユーズ・ロード、デイフエ
ンス・リサーチ・エージエンシー(番地な
し)
(72)発明者 サムラ,アマルジツト・カウル
イギリス国、ダブリユ・アール・14・3・
ピー・エス・ウースター、マルバーン、セ
ント・アンドリユーズ・ロード、デイフエ
ンス・リサーチ・エージエンシー(番地な
し)