JPH085041A - 流動床式焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来炉においては、爆発的燃焼時の圧力を逃
がす部分が、炉蓋部という小面積部分に限られていたた
め、炉蓋部以外の炉内面に前記圧力がまともにかかり、
前記内面に貼着された耐火レンガが落下したりして、異
常な事態に至ることがある、という問題があったが、そ
の問題の解消を図る。 【構成】 炉１を、その周壁部１Ａの所定高さ部分で分
断することにより、上下に二分割し、その上下分割箇所
に、炉内側のサンドシール構造Ｓ１と炉外側の水シール
構造Ｓ２との組合せよりなる二重シール構造Ｓを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、都市ゴミや産業廃棄物
等の被処理物の焼却等に使用される流動床式焼却炉に関
し、更に詳しくは、砂主体の流動床とその流動床へ被処
理物を供給する流路とを設けた炉に、燃焼用空気の供給
路と燃焼排ガスの排出路とを連通接続した流動床式焼却
炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような流動床式焼却炉を実際に操業
する場合、特殊な操業条件下で被処理物が爆発的に燃焼
することがあるため、従来の流動床式焼却炉（以下、従
来炉という）においては、前記爆発的燃焼時の圧力を逃
がす部分を、前記炉の一部、即ち、前記炉の蓋部に形成
してあった。具体的には、前記炉の蓋部の周囲の一部を
蝶番的構造にして、前記爆発的燃焼時に、前記蝶番的構
造を枢支部として前記蓋部が開放されるように構成して
あった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の従来炉においては、前記圧力を逃がす部分が、前記
炉の蓋部という小面積部分に限られていたため、前記特
殊な操業条件下で、前記炉における蓋部以外の内面に前
記圧力がまともにかかり、前記内面に取着された耐火レ
ンガが剥がれ落ちたりして、異常な事態に至ることがあ
る、という問題があった。本発明は、このような実情に
着目してなされたものであり、上述した、従来炉におけ
る特殊な操業条件下での問題を、通常操業時の新たな問
題を起こすことなく解消し得る手段を提供することを目
的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に係る流動床式焼
却炉（以下、本発明装置という）の特徴構成は、砂主体
の流動床とその流動床へ被処理物を供給する流路とを設
けた炉に、燃焼用空気の供給路と燃焼排ガスの排出路と
を連通接続した流動床式焼却炉であって、前記炉を、そ
の周壁部の所定高さ部分で分断することにより、上下複
数部分に分割し、その上下分割箇所に、炉内側のサンド
シール構造と炉外側の水シール構造との組合せよりなる
二重シール構造を形成してある点にある。

【０００５】

【作用】このような特徴構成を備えた本発明装置を使用
する場合には、前記炉が、その周壁部の所定高さ部分で
上下複数部分に分断されており、その上下分割箇所に前
記二重シール構造が形成されているので、特殊な操業条
件下で被処理物が爆発的に燃焼したとしても、その爆発
的燃焼時の圧力は、前記二重シール構造におけるサンド
シール構造中の砂、及び、前記二重シール構造における
水シール構造中の水の外方への飛散によって開放される
ようになり、その圧力開放に基づいて、従来炉における
場合よりも有効に前記爆発的燃焼に対処できるようにな
る。しかも、前記上下分割箇所に設けられた二重シール
構造は、炉内側にサンドシール構造が配置され、且つ、
炉外側の水シール構造が配置されているので、通常の操
業条件下においては、前記炉内側のサンドシール構造の
存在に基づいて、或る程度のレベルのシールが行われつ
つ、炉内から炉外方向への伝熱が前記サンドシール構造
中の砂によって抑制されるようになる。また、前記炉外
側の水シール構造の存在に基づいて、確実なシールが行
われつつ、前記砂の炉外への飛散が防止されるようにな
る。また、前記サンドシール構造の存在に基づく前記伝
熱の抑制によって、前記水シール構造中の水の蒸発量が
可及的に少なく抑えられ、その水の蒸発による不足分の
補給の頻度を減らすことができるようになる。

【発明の効果】従って、本発明によれば、特殊な操業条
件下で炉内の被処理物が爆発的に燃焼してその爆発的燃
焼時に生じる大きな圧力が炉の内面にまともにかかり、
その内面の耐火レンガが剥がれ落ちたりして異常な事態
に至ることがあるという従来の問題が、通常の操業条件
下での操業に悪影響を及ぼすことなく解消されるように
なり、もって、本発明の目的が達成されるようになる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１及び図２には、本発明装置の第１実施例が示
されている。

【０００７】図１に示すように、炉１の内部に、砂を主
体とした流動床２を設け、その流動床２の下方に燃焼用
空気を供給する供給路３を接続し、前記流動床２の上方
に燃焼排ガス及び焼却灰分を取り出す排出路４を接続
し、前記流動床２の上部側横側方に、ホッパ５とスクリ
ューコンベア６とからなる被処理物供給用の流路７を設
け、もって、前記流動床２の上部側にて砂を高温化且つ
流動化させて、都市ゴミや産業廃棄物等の被処理物を砂
を媒体として浮遊燃焼処理自在な流動床式焼却炉を構成
してある。前記排出路４には、集塵器８、スクラバー９
等を介装してあり、ブロア１０によって吸引排出される
ガス中から灰分を集塵器８に捕集させると共に有害ガス
をスクラバー９で除去した後、燃焼排ガスを煙突１１を
通じて大気放出するように構成してある。前記炉１の蓋
部１ｂは、その周囲の一部が蝶番的構造Ｔに形成され、
前記炉１内にて爆発的燃焼が生じた場合には、前記蝶番
的構造Ｔを枢支部として前記蓋部１ｂが開放されるよう
に構成されている。尚、図中、１２は燃焼開始初期等に
おいて被処理物を自燃させるまでの間に使用されるバー
ナを示す。

【０００８】前記炉１は、その周壁部１Ａの所定高さ部
分で分断されることにより、上下に二分割されている。
そして、その上下分割箇所には、図２に詳しく示すよう
に、炉内側のサンドシール構造Ｓ１と炉外側の水シール
構造Ｓ２との組合せよりなる二重シール構造Ｓが形成さ
れている。前記サンドシール構造Ｓ１は、具体的には、
前記炉１における前記上下分割箇所よりも下側部分の周
壁部１Ａ最上部に、環状の砂受凹部１３を形成し、その
砂受凹部１３に砂を充填する一方、前記炉１における前
記上下分割箇所よりも上側部分の周壁部１Ａ最下部に、
前記砂受凹部１３内へ挿入自在な環状突起体１４を垂設
することにより構成されている。前記水シール構造Ｓ２
は、具体的には、前記下側部分の周壁部１Ａ最上部にお
ける前記砂受凹部１３の形成箇所の更に外側に、環状の
水受凹部１５を形成し、その水受凹部１５に水を充填す
る一方、前記上側部分の周壁部１Ａ最下部における前記
環状突起体１４の垂設箇所の更に外側に、前記水受凹部
１５内へ挿入自在な環状突起体１６を垂設することによ
り構成されている。

【０００９】前記流動床２は、具体的には、図１に示す
ように構成されている。即ち、前記流動床２のベッド１
７自体に、多数のノズル１８が上向きに開口形成され、
その多数のノズル１８から、前記供給路３経由で供給さ
れる燃焼用空気が上向きに噴出されるように構成され、
そこからの噴出空気によって前記砂が浮上して、前記流
動床２が形成されるようになっている。

【００１０】次に、別実施例について説明する。図３
に、本発明装置の第２実施例を示す。尚、第２実施例を
示す図面において第１実施例と同一の符号で表示した部
分は同一又は相当の部分を示し、その説明を省略する。
前記流動床２のベッド１７に連設した散気管１９から、
前記供給路３経由で供給される燃焼用空気が散気される
ように構成されたものにおいても、本発明を適用するこ
とができる。

【００１１】また、前記炉１を、その周壁部１Ａの所定
高さ部分で上下三つ以上に分割してもよい。

【００１２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の一実施例を示す縦断面図

【図２】その要部を示す縦断面図

【図３】本発明装置の別実施例を示す縦断面図

【符号の説明】

１ 炉 １Ａ 周壁部 ２ 流動床 ３ 供給路 ４ 排出路 ７ 流路 Ｓ 二重シール構造 Ｓ１ サンドシール構造 Ｓ２ 水シール構造

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 砂主体の流動床（２）とその流動床
   （２）へ被処理物を供給する流路（７）とを設けた炉
   （１）に、燃焼用空気の供給路（３）と燃焼排ガスの排
   出路（４）とを連通接続した流動床式焼却炉であって、 前記炉（１）を、その周壁部（１Ａ）の所定高さ部分で
   分断することにより、上下複数部分に分割し、その上下
   分割箇所に、炉内側のサンドシール構造（Ｓ１）と炉外
   側の水シール構造（Ｓ２）との組合せよりなる二重シー
   ル構造（Ｓ）を形成してある流動床式焼却炉。