JP3099588U - 小型の固定床型焼却炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室内の耐火材の保護および燃焼空気の予熱を図りつつ、高含水率のゴミを完全燃焼させることのできる小型の固定床型焼却炉を提供する。
【解決手段】小型の固定床型焼却炉1(以下焼却炉という)の外形は立方体状の形状をなし、その外殻3は鉄板で構成されており、外殻3の内部は耐火材5で築炉されている。焼却炉1は主として、ゴミ貯留室下部9、第1次空気貯留部13、第1次燃焼用空気入口15(a、b)、第1次燃焼用空気ノズル17、第2次空気貯留部21、第2次燃焼用空気入口23(a、b)、第2次燃焼用空気ノズル25、水冷用ロストル27(a、b、c、d)、ゴミ貯留室上部29、第1次助燃用バーナー31、ゴミ取り出し扉 33および排ガス出口41から構成されている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、高含水率のゴミなどの廃棄物を焼却するための小型の固定床型焼却炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来の小型の固定床型焼却炉の断面正面図を示す。符合50は焼却炉、52は炉本体、54は煙道、56は燃焼室、58はゴミ投入開閉扉、60はゴミ投入口、62は燃焼用空気導入口、64は助燃用バーナー、66はゴミである。なお、ここでゴミとは、厨房から出る約80重量%以上の高含水率を有するゴミ66を言う。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、従来から知られている図4に示すこの種の焼却炉50は、炉本体52内に一つの燃焼室56を形成し、約80重量%以上の高含水率を少量ずつ投入して回分式で燃焼するようにしているため火炎を塞ぐことになり、このため燃焼効率が悪く、完全燃焼させることができず、不完全燃焼のまま残灰として処理されるおそれがあった。
【0004】
本考案は、上記問題点に鑑み、これらの問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、燃焼室内の耐火材の保護および燃焼空気の予熱を図りつつ、高含水率のゴミを完全燃焼させることのできる小型の固定床型焼却炉を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案に係わる第1の考案では、ゴミ貯留室と、第1次燃焼室で構成された焼却炉であって、最上部に位置し開閉自在なゴミ投入用扉を備えた該ゴミ貯留室上部と、中間部に位置し対向する一対の壁体が上方に向かって拡径された傾斜壁体をなすとともに残りの対向する壁体が垂直に起立した立方体形状の構造をなすゴミ貯留室下部と、該ゴミ貯留室下部の外周部を外殻で囲繞されて配設された第1次空気貯留部と、該第1次空気貯留部にゴミを燃焼する第1次燃焼用空気を導入するための第1次燃焼用空気入口と、該1次燃焼用空気入口から導入された第1次燃焼用空気をゴミ貯留室下部に導入するために該傾斜壁体に水平方向でかつ略等間隔に複数開口された第1次燃焼用空気ノズルと、最下部に位置し4つの相対する壁体が垂直に起立した立方体形状の構造をなす該第1次燃焼室と、該第1次燃焼室の外周部を外殻で囲繞されて配設された第2次空気貯留部と、該第2次空気貯留部にゴミを燃焼する第2次燃焼用空気を導入するための第2次燃焼用空気入口と、該2次燃焼用空気入口から導入された第2次燃焼用空気を第1次燃焼室に導入するために該傾斜壁体と同一列びの垂直壁体に水平方向でかつ略等間隔に複数開口された第2次燃焼用空気ノズルと、該第1次燃焼室を水平方向に貫通しかつ離間して段差状に複数配設された水冷用ロストルと、該第1次燃焼室に該第1次燃焼室で燃焼して生成した燃焼ガスを排出する排ガス出口とで構成したものである。
【0006】
また、第1の考案を主体とする第2の考案では、該水冷用ロストルの下方部の該第1次燃焼室の壁体に助燃用バーナーを配設した。さらに、第1の考案を主体とする第3の考案では、該第1次燃焼室の下部に開閉自在に配設されゴミ燃焼灰を取り出すためのゴミ取り出し扉を配設した。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下に、本考案に係る小型の固定床型焼却炉の具体的な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本考案の小型の固定床型焼却炉の基本的な構成を示す断面図、図2は図1のA−Aから見た断面図、図3は図1のB−Bから見た断面図である。
【0008】
【実施例】
小型の固定床型焼却炉1(以下焼却炉という)の外形は立方体状の形状をなし、その外殻3は鉄板で構成されており、外殻3の内部は耐火材5で築炉されている。焼却炉1は主として、ゴミ貯留室下部9、第1次空気貯留部13、第1次燃焼用空気入口15(a、b)、第1次燃焼用空気ノズル17、第2次空気貯留部21、第2次燃焼用空気入口23(a、b)、第2次燃焼用空気ノズル25、水冷用ロストル27(a、b、c、d)、ゴミ貯留室上部29、第1次助燃用バーナー31、ゴミ取り出し扉 33および排ガス出口41から構成されている。
【0009】
焼却炉1の内部は、図1および図2に示すように大きく分けて、上部に位置するゴミ貯留室上部29、中間部に位置するゴミ貯留室下部9、最下部に位置する第1次燃焼室19の3つのセクションから構成されている。
【0010】
まず、ゴミ貯留室下部9について説明する。ゴミ貯留室下部9は水平断面が矩形状の燃焼室であり、矩形状の長辺側に上方に向かって拡径された対向する一対の傾斜壁体37(a、b)を形成するとともに、短辺側に垂直に対向する一対の垂直壁体39(c、d)を形成している。ゴミ貯留室下部9の外周部には鉄板の外殻3で囲繞された第1次空気貯留部13が配設されている。この第1次空気貯留部13を鉄板で囲繞する外殻3のうち、傾斜壁体37(a、b)と対向する外殻3の左右の位置に一対の1次燃焼用空気入口15(a、b)が配設されている。
【0011】
また、ゴミ貯留室下部9を矩形状の長辺側に上方に向かって拡径された対向する一対の傾斜壁体37(a、b)を形成することにより、次のような特徴がある。すなわち、
(1)ゴミ投入口36からゴミ貯留室上部29に投入されたゴミの全量がそのまま第1次燃焼室19側に落下せずに、かなりのゴミが一旦傾斜壁体37(a、b)上に落下するためにクッションの役目を奏するとともに、左右対称を有した一対の傾斜壁体37(a、b)形状にすることで、左右の傾斜壁体37(a、b)上を少しつづ滑りながら移動したゴミと、傾斜壁体37(a、b)の下端部近傍で、傾斜壁体37(a、b)を介さないで直接、水冷用ロストル27(a、b、c、d)上に堆積したゴミとが互いに押し合うこととなるため、ゴミが一時的に架橋現象を形成し易くなっている。
【0012】
そして、この架橋現象を呈している間に、ゴミは第2次燃焼用空気によって燃焼した一部の燃焼ガスの顕熱によりゴミを予熱乾燥させることで、約80重量%のゴミの含水率をできるだけ低下できるため、燃えやすいようになっている。なお、架橋現象は一時的なものであり、水冷用ロストル27(a、b、c、d)上に堆積しているゴミの堆積層が燃焼によって燃焼灰として水冷用ロストル27(a、b、c、d)間をすり抜けて下方に落下するとともに、予備乾燥の完了した水冷用ロストル27(a、b、c、d)上のゴミの堆積層は移動層となって下方側に移動するため、架橋現象は一時的に崩壊する。崩壊した後、再度ゴミの架橋現象が形成されることがある。また、傾斜壁体37(a、b)を介さないで直接、水冷用ロストル27(a、b、c、d)上に堆積したゴミは、第2次燃焼用空気の燃焼ガスの顕熱が第1次燃焼室9を上昇する間に予備乾燥と燃焼が同時並行的に行われる。
【0013】
さらに、水冷用ロストル27(a、b、c、d)の場合、水冷式でなく空冷式にすることもできる。すなわち、ロストル27(a、b、c、d)の側面と下面側に複数の空気吹き出し口を設けて第2次燃焼用空気の一部を負担するようにすれば、燃焼ガスの顕熱によってロストル27(a、b、c、d)内を流れる第2次燃焼用空気の顕熱が高くなるとともに、ロストル27(a、b、c、d)を構成する配管が管内を流れる第2次燃焼用空気で冷却されるために、配管の寿命を長くすることができる。
【0014】
(2)さらに、傾斜壁体37(a、b)には水平方向に複数個の第1次燃焼用空気ノズル17が一定ピッチに略等間隔に離間した状態で穿設されており、1次燃焼用空気入口15(a、b)を介して第1次空気貯留部13に吹き込まれた空気は複数個の第1次燃焼用空気ノズル17を通ってゴミ貯留室下部9に導入され、高含水率のゴミの一次燃焼に寄与するようになつている。なお、傾斜壁体37(a、b)に小径の第1次燃焼用空気ノズル17を分散して複数個設けたことにより、第1次燃焼用空気が均等に分散されてゴミ貯留室下部9に導入されるため、ゴミと第1次燃焼用空気との接触が十分に行われる。このため、予備乾燥が十分に行われることと相俟って第1次燃焼室19で完全燃焼が行われ易くなっている。なお、第1次燃焼用空気ノズル17を水平方向に配設したのは、傾斜壁体37(a、b)上に堆積したゴミや燃焼灰などが第1次燃焼用空気ノズル17に入り込まないようにするためである。
【0015】
短辺側に垂直に対向する一対の垂直壁体39(c、d)の壁面側には、傾斜壁体37(a、b)のような第1次燃焼用空気ノズル17は穿設されておらず、また壁面を垂直にすることにより、傾斜壁体37(a、b)側のように架橋現象を形成する作用はなく、ゴミが下方側に比較的スムースに落下し易いようになっている。
【0016】
次に、第1次燃焼室19について説明する。第1次燃焼室19はゴミ貯留室下部9の下方部側に位置しており、ゴミ貯留室下部9で予備乾燥したゴミを該第2次燃焼用空気入口23から導入された2次燃焼用空気で完全燃焼するための燃焼室の役目を有する。
【0017】
第1次燃焼室19は水平断面が矩形状を呈した立方体形状の燃焼室であり、ゴミ貯留室下部9を構成する一対の傾斜壁体37(a、b)の下端部と垂直に対向する一対の垂直壁体39(c、d)の下端部にそれぞれ隣接した壁体で構成されている。第1次燃焼室19の外周部を鉄板の外殻3で囲繞して第2次空気貯留部21を構成する。
【0018】
第1次燃焼室19の上部域には、矩形形状を形成する長辺側に複数本(本発明では4本)の水冷用ロストル27(a、b、c、d)が第1次燃焼室19を築炉する耐火材5と、第1次燃焼室19の周辺部に配設された第2次空気貯留部21を囲繞する外殻3を水平方向に貫通しかつ離間して段差状に配設されている。
【0019】
第2次空気貯留部21の矩形状の長辺側の外周部には、対向する位置に一対の第2次燃焼用空気を導入するための第2次燃焼用空気入口23(a、b)が配設されている。さらに、第2次燃焼用空気入口23(a、b)から導入された第2次燃焼用空気を第1次燃焼室19に導入するために、傾斜壁体37(a、b)と同一列びの一壁体を形成する垂直壁体40(a、b、c、d)に、等ピッチにて略等間隔に複数の第2次燃焼用空気ノズル25が水平方向に開口されている。
【0020】
さらに、第1次燃焼室19の下方部域には、第1次燃焼用空気と第2次燃焼用空気とでゴミを燃焼した際に発生する燃焼ガスを排出する排ガス出口41が配設されている(図1)。また、排ガス出口41の設けられた壁体40dと対向する斜め上方の壁体40cに第1次助燃用バーナー31が配設してある。第1次助燃用バーナー31の下方部側には一方をヒンジに取り付けられて開閉自在に配設された片開き式のゴミ取り出し扉33が配設してある。このゴミ取り出し扉33は燃焼灰を取り出すための開閉自在な扉であり、第1次燃焼室19の下部に燃焼灰が溜まって燃焼ガスに燃焼灰が同伴し易くなった場合に間欠的に開閉して燃焼灰を取り出すようになっている。
【0021】
次に、ゴミ貯留室上部29について説明する。図1に示すように、ゴミ貯留室上部29は焼却炉1の最上部に位置し、断面形状が矩形を有する。ゴミ貯留室上部29の側面側には、一方をヒンジを有する開閉自在なゴミ投入用扉35を備えたゴミ貯留室下部9より拡径されたゴミ貯留室上部29で構成されている。なお、ゴミ貯留室29の断面形状は、矩形に限定するものではなく、正方形または円形状であってもよい。
【0022】
ゴミ貯留室上部29の下方部側はゴミ貯留室下部9に隣接するとともに、ゴミ投入用扉35を除く側面側の周囲部と天井側を耐火材5で築炉された閉空間を形成している。
【0023】
第2次燃焼用空気は第1次燃焼室19内で燃焼した後、一部の燃焼ガスはゴミ貯留室下部9側へ上昇するが、大部分の燃焼ガスは排ガス出口41から煙道を通って排出され、第2次燃焼室(図示略)に導入される。
【0024】
第2次燃焼室には第2次助燃用バーナー(図示略)が配設してあり、第1次燃焼室19から導入された不完全燃焼ガスは、第2次燃焼室で輻射熱を受けて完全燃焼される。この後、第2次燃焼室から排出された燃焼ガスは次工程のサイクロン(図示略)に導入され、このサイクロン内で旋回している間に燃焼ガスに同伴した燃焼灰や未燃分などの固形分を分離する。固形分を分離した燃焼ガスはサイクロンの下流側に配設されたエジェクター(図示略)によって強制的に吸引排出され、最後は大気中に放出されるようになっている。
【0025】
以上のように構成した焼却炉1の作用について述べる。
【0026】
まず、
(1)事前に水冷用ロストル(火格子)27(a、b、c、d)に冷却水を所定量通水しておく。
(2)ゴミ投入用扉35を開放し、ゴミ投入口36からゴミ貯留室下部9とゴミ貯留室上部29に1日分の焼却用ゴミを全量投入した後ゴミ投入用扉35を閉じる。
【0027】
(3)第2次燃焼室の第2次助燃用バーナーを点火して、第2次燃焼室の昇温(約5分間程)を行う。
(4)送風機(図示略)を駆動し第1次燃焼用空気と第2次燃焼用空気の供給を開始する。
(5)次いで、第1次燃焼室19の第1次助燃用バーナー31を点火して焼却炉1内に投入されたゴミの焼却を開始する。
【0028】
(6)燃焼温度により、第1次燃焼用空気量を制御しながら、自動運転される。この後、連続してゴミの燃焼が行われる。第1次燃焼室19内の燃焼温度が約850℃以上になれば、第2次助燃用バーナーは自動で停止する。なお、第1次燃焼室19の第1次助燃用バーナー31も第1次燃焼室19内の燃焼温度が約850℃以上になれば停止するが、ゴミの含水率が高い場合は火炎を小さくしたまま引き続き第1次助燃用バーナー31の燃焼を行う。なお、ゴミの燃焼を長時間に亘り実施するとゴミの燃焼によって生じた燃焼灰が第2次燃焼室19の底部に溜まるため、これらの燃焼灰をゴミ取り出し扉33を開いて間欠的に取り出す。
【0029】
第1次燃焼用空気が第1次燃焼用空気入口15(a、b)から第1次空気貯留部13を経由した後、第1次燃焼用空気ノズル17から均等に分散した状態でゴミ貯留室下部9に導入される。この時、第1次空気貯留部13に導入された第1次燃焼用空気は、隣接するゴミ貯留室下部9の燃焼熱の顕熱で事前に予熱されると同時に、ゴミを第2次燃焼用空気で燃焼して得られた燃焼ガスの一部がゴミ貯留室下部9からゴミ貯留室上部29へ上昇する間にガスの顕熱により、約80%の高含水率のゴミは乾燥される。
【0030】
同様に、第2次燃焼用空気入口23(a、b)から第2次空気貯留部21を経由した後、第2次燃焼用空気ノズル25から均等に分散した状態で第1次燃焼室19に導入される。
なお、第2次空気貯留部21に導入された第2次燃焼用空気は、隣接する第1次燃焼室19の燃焼ガスの顕熱で事前に予熱されることになる。なお、第1次燃焼用空気の空気過剰率は約0.7程度とするとともに、第2次燃焼用空気の空気過剰率は、約1.9〜2.0程度とする。
【0031】
第1次燃焼用空気入口15(a、b)から導入された第1次燃焼用空気は、第1次燃焼用空気ノズル17から均等に分散された状態で堆積されたゴミ中を燃焼ガスと一緒になって上昇する。したがって、ゴミ投入用扉35を開いてゴミ投入口36からゴミ貯留室29に投入されたゴミは、焼却炉1内を下方から上方に向かって燃焼ガスが上昇する過程で燃焼ガスの持つ顕熱を利用して約80%の高含水率のゴミの予備乾燥を行うことができる。このように、高温の燃焼ガスの持つ顕熱を利用して約80%の高含水率のゴミの予備乾燥を行うことで、ゴミ中の含水率が急速に低下してゴミが燃焼し易くなり、燃焼効率が大幅に上昇する。なお、定常運転中の炉内の平均温度は約850℃であるため、ダイオキシンの発生が防止できる。
【0032】
本発明では、ゴミ貯留室下部9に吹き込まれる第1次燃焼用空気より、第1次燃焼室19に吹き込まれる第2次燃焼用空気に大きく支配されるといった特徴がある。すなわち、第1次燃焼室19に水平方向に貫通しかつ離間して段差状に水冷用ロストル27(a、b、c、d)が配設されているため、第2次燃焼用空気ノズル25から第1次燃焼室19に吹き込まれた第2次燃焼用空気は、流通抵抗の大きい水冷用ロストル27d側より、流通抵抗の小さい水冷用ロストル27a側に流れ易くなり、第2次燃焼用空気は第1次燃焼室19内である程度の循環流れを生じることになる。なお、第1次燃焼用空気量(Q1)と第2次燃焼用空気量(Q2)の量比は、Q1:Q2=1:4であった。
【0033】
さらに第2次燃焼用空気の流れについて詳述する。図1中の左側から右側に向かって下り勾配に傾斜した状態で離間して段差状に水冷用ロストル27(a、b、c、d)が配設されている。このため、焼却炉1のゴミの堆積量は、図1の最も左側に位置する水冷用ロストル27a近傍のゴミの堆積量が最も少なく、水冷用ロストル27bから水冷用ロストル27cになるにしたがってゴミの堆積量が漸増しており、特に水冷用ロストル27d近傍のゴミの堆積量が最も多くなっている。このため、堆積したゴミの中を流通する第2次燃焼用空気の流通抵抗は、水冷用ロストル27a近傍が最も小さくなり易く、逆に水冷用ロストル27d近傍に向かって最も大きくなり易い。
【0034】
このため、第2次燃焼用空気は、ゴミの多く堆積している流通抵抗の大きい水冷用ロストル27d近傍側より、ゴミの堆積が少なく、かつ流通抵抗の小さい水冷用ロストル27a近傍からゴミ貯留室下部9に上昇し易くなっている。焼却炉1内の燃焼ガスは、第2次燃焼用空気ノズル25から吹き込まれる第2次燃焼用空気によって高含水率のゴミの2次燃焼に寄与し、完全に燃焼される。なお、第2次燃焼用空気は第1次燃焼室19内で燃焼した後、一部の燃焼ガスはゴミ貯留室下部9側へ上昇するが、完全燃焼した大部分の燃焼ガスは排ガス出口41から煙道を通って排出され、第2次燃焼室に導入される。
【0035】
第2次燃焼室に導入された不完全燃焼ガスは、第2次燃焼室で輻射熱を受けて完全燃焼される。この後、第2次燃焼室から排出された燃焼ガスは次工程のサイクロンに導入され、このサイクロン内で旋回している間に燃焼ガスに同伴した燃焼灰や未燃分などの固形分が分離され、固形分を分離した燃焼ガスはサイクロンの下流側に配設されたエジェクターによって強制的に吸引排出され、最後は大気中に放出される。
【0036】
【考案の効果】
本考案によれば、次のような効果を有する。すなわち、
(1)第1次燃焼室の外周部に第1次空気貯留部を設けることにより、第1次燃焼用空気入口から導入された空気によってゴミ貯留室下部の耐火材を冷却するため、耐火材の寿命が著しく長くなり、再築炉の回数を減少できる。同様に第1次燃焼室の外周部に第2次気貯留部を設けることにより、第2次燃焼用空気入口から導入された空気によって第1次燃焼室の耐火材を冷却するため、耐火材の寿命が著しく長くなり、再築炉の回数を減少できる。
(2)また、水冷用ロストルを水平方向に離間して段差状にするとともに第1次燃焼用バーナー側を高くし反第1次燃焼用バーナー側を低くした傾斜状に配設することにより、第1次燃焼用バーナーの火炎を水冷用ロストル上に堆積してあるゴミに当てることが出来るため、ゴミを効率よく燃焼できる。
(3)燃焼が水冷用ロストルの直上近傍で行うため、第1次燃焼用バーナーからの火炎が塞がれることがなく、連続的な高温燃焼が可能である。
(4)第1次燃焼室に落下した未燃物は第1次燃焼用バーナーから吹き出る火炎により、完全に灰化され易い。
(5)排ガス出口を焼却炉の下部に設けることにより、水冷用ロストルの上部に積層されたゴミは第1次燃焼室の燃焼ガスの一部がゴミの中を上昇する間に予備乾燥されて完全燃焼し易くなり、燃焼灰中の未燃分を著しく減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の小型の固定床型焼却炉の基本的な構成を示す断面図である。
【図2】図1のA−Aから見た断面図である。
【図3】図1のB−Bから見た断面図である。
【図4】従来の焼却炉の断面正面図である。
【符号の説明】
1    小型の固定床型焼却炉
3    外殻
5    耐火材
9    ゴミ貯留室下部
13   第1次空気貯留部
15(a、b)   第1次燃焼用空気入口
17   第1次燃焼用空気ノズル
19   第1次燃焼室
21   第2次空気貯留部
23(a、b)   第2次燃焼用空気入口
25   第2次燃焼用空気ノズル
27(a、b、c、d) 水冷用ロストル
29   ゴミ貯留室上部
31   第1次助燃用バーナー
33   ゴミ取り出し扉
35   ゴミ投入用扉
36   ゴミ投入口
37(a、b)   傾斜壁体
39(c、d)   垂直壁体
40(a、b、c、d) 垂直壁体
41   排ガス出口
50   小型の固定床型焼却炉
52   炉本体
54   煙道
56   燃焼室
58   ゴミ投入開閉扉
60   ゴミ投入口
62   燃焼用空気導入口
64   助燃用バーナー
66   ゴミ

Claims (3)

  1. ゴミ貯留室と、第1次燃焼室で構成された焼却炉であって、最上部に位置し開閉自在なゴミ投入用扉を備えた該ゴミ貯留室上部と、中間部に位置し対向する一対の壁体が上方に向かって拡径された傾斜壁体をなすとともに残りの対向する壁体が垂直に起立した立方体形状の構造をなすゴミ貯留室下部と、該ゴミ貯留室下部の外周部を外殻で囲繞されて配設された第1次空気貯留部と、該第1次空気貯留部にゴミを燃焼する第1次燃焼用空気を導入するための第1次燃焼用空気入口と、該1次燃焼用空気入口から導入された第1次燃焼用空気をゴミ貯留室下部に導入するために該傾斜壁体に水平方向でかつ略等間隔に複数開口された第1次燃焼用空気ノズルと、最下部に位置し4つの相対する壁体が垂直に起立した立方体形状の構造をなす該第1次燃焼室と、該第1次燃焼室の外周部を外殻で囲繞されて配設された第2次空気貯留部と、該第2次空気貯留部にゴミを燃焼する第2次燃焼用空気を導入するための第2次燃焼用空気入口と、該2次燃焼用空気入口から導入された第2次燃焼用空気を第1次燃焼室に導入するために該傾斜壁体と同一列びの垂直壁体に水平方向でかつ略等間隔に複数開口された第2次燃焼用空気ノズルと、該第1次燃焼室を水平方向に貫通しかつ離間して段差状に複数配設された水冷用ロストルと、該第1次燃焼室に該第1次燃焼室で燃焼して生成した燃焼ガスを排出する排ガス出口とで構成したことを特徴とする小型の固定床型焼却炉。
  2. 該水冷用ロストルの下方部の該第1次燃焼室の壁体に助燃用バーナーを配設したことを特徴とする請求項1記載の小型の固定床型焼却炉。
  3. 該第1次燃焼室の下部に開閉自在に配設されゴミ燃焼灰を取り出すためのゴミ取り出し扉を配設したことを特徴とする請求項1記載の小型の固定床型焼却炉。
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