JPS6349128B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、炭素系可燃物質によつて形成した高
温炉床において産業廃棄物あるいはそれの中間処
理物を溶融させるように構成すると共に、燃焼排
ガスを排出させるための上昇流路を前記高温炉床
の上方に形成し、炭素系可燃物質、及び、産業廃
棄物あるいはそれの中間処理物を前記高温炉床に
供給する供給手段を、前記上昇流路の上端に接続
した廃棄物溶融炉に関する。

〔従来の技術〕

従来、例えば特開昭54―38672号公報に示され
るように、炭素系可燃物質、及び、産業廃棄物あ
るいはそれの中間処理物を、上昇流路の上端に接
続した１本の供給路によつて混合状態で又は交互
に上昇流路内に供給して、上昇流路内での落下に
よつて高温炉床に供給するように構成していた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、廃棄物溶融に必要な高温を高温炉床で
得るためには炭素系可燃物質に大量の燃焼用酸素
含有ガスを供給しなければならず、そのために高
温炉床の上端から上向きに燃焼排ガスが高速で噴
出され、その高速が上昇流路でも維持され、高温
炉床上の未溶融物及び上昇流路内で落下する産業
廃棄物あるいはそれの中間処理物が、高速の燃焼
排ガスにより吹上げられ、燃焼排ガスにダストが
同伴されて、排気粉塵公害や排気系統での閉塞な
どのトラブルを生じる危険性があり、一層の改良
の余地があつた。

本発明の目的は、燃焼排ガスにダストが同伴さ
れる不都合な事態を効果的に抑制できるようにす
る点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の特徴構成は、炭素系可燃物質、及び、
産業廃棄物あるいはそれの中間処理物を高温炉床
に供給するために、前記高温炉床の上方の燃焼排
ガス用上昇流路の上端に接続した供給手段におい
て、産業廃棄物あるいはそれの中間処理物を供給
する第１供給路、及び、炭素系可燃物質を供給す
る第２供給路を各別に形成すると共に、前記第１
供給路の周囲に前記第２供給路を配置し、産業廃
棄物あるいはそれの中間処理物を前記高温炉床上
の充填域あるいはその近くに導く第１導管を、前
記第１供給路に接続して前記上昇流路内に設けた
ことにあり、その作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、第１供給路からの産業廃棄物あるいは
それの中間処理物を、上昇流路内の第１導管によ
つて高温炉床上の充填域あるいはその近くに導く
から、上昇流路内で高速上昇する燃焼排ガスによ
つて吹上げられること無く充填域に供給でき、燃
焼排ガスへのダスト同伴を十分に抑制できる。

その上、産業廃棄物あるいはそれの中間処理物
を第１供給路と第１導管によつて、かつ、炭素系
可燃物質を第１供給路の周囲に配置した第２供給
路によつて高温炉床に供給するから、産業廃棄物
あるいはそれの中間処理物を高温炉床に供給した
後、炭素系可燃物質を第１導管の下端近くより上
方まで充填されるように供給することによつて、
産業廃棄物あるいはそれの中間処理物の充填域を
炭素系可燃物質によつて覆うことができ、その充
填域からの燃焼排ガスによるダスト吹上げをコー
クスなどの塊状の炭素系可燃物質の押え作用で十
分に抑制できる。

〔発明の効果〕

その結果、産業廃棄物あるいはそれの中間処理
物からのダストが燃焼排ガスに同伴することを十
分に抑制でき、排気粉塵公害や排気系統のトラブ
ルを特別なダスト回収設備無しで十分に防止で
き、公害防止面、保守面及び設備経費面で一段と
優れた廃棄物溶融炉を提供できるようになつた。

〔実施例〕

次に、第１図により実施例を示す。

産業廃棄物、例えば乾燥処理した下水汚泥を焼
却溶融するための溶融炉を構成するに、炭素系可
燃物質、例えばコークスによつて高温炉床１を形
成するための燃焼部２と、反射式などの溶融物取
出し炉体３を、燃焼部２の底部近くで炉体３が連
通する状態で架台４上に設け、燃焼部２の底部分
２ａを開閉自在に形成して、燃焼残滓を取出せる
ように構成し、高温炉床１の上方に、上拡がり部
分５ａを有する燃焼排ガスの上昇流路５を形成し
てある。

高温炉床１に炭素系可燃物質と産業廃棄物を供
給する供給手段６を上昇流路５の上端に接続し、
その供給手段６において、産業廃棄物を供給する
第１供給路ｃを形成するホツパー１８、及び、炭
素系可燃物質を供給する第２供給路ｂを形成する
ホツパー１９を設け、第１供給路ｃの周囲に第２
供給路ｂを配置し、産業廃棄物を高温炉床１上の
充填域Ａあるいはその近くに導く第１導管１７
を、第１供給路ｃに接続して上昇流路５内に設
け、第２供給路ｂに接続した第２導管２４を、第
１導管１７を囲む状態で上昇流路５内に設けてあ
る。

つまり、充填域Ａに供給される産業廃棄物中の
ダストの燃焼排ガスによる吹上げを第１導管１７
の作用で防止でき、充填域Ａを炭素系可燃物質で
覆わせて、燃焼排ガスによる充填域Ａからのダス
トの吹上げを炭素系可燃物質の押え作用で防止で
きるように構成してある。

高温炉床１に対する着火用バーナ９と、排ガス
廃熱利用の熱交換器（図外）からの燃焼用酸素含
有ガスを高温炉床１に供給する羽口１０を設け、
炉体３に燃焼用酸素含有ガスの供給管１１を接続
し、高温炉床１からの溶融物を炉体３で比重選別
して第１出滓口１２又は第２出滓口１３から回収
するように構成してある。

上昇流路５の上端に複数本の立上がり排気管５
ｃを接続し、立上がり排気管５ｃの全てに接続し
た集合排気管８をサイクロン型集塵機７に接続
し、炉体３からの排ガス流路１４と後燃焼用酸素
含有ガスの供給流路１６を集塵機７の下流側流路
１５に接続し、後燃焼処理した燃焼排ガスを大気
放出するように構成してある。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

炭素系可燃物質及び産業廃棄物の供給手段６は
適当に構成変更できる。例えば第２図に示すよう
に、炭素系可燃物質を供給するホツパー１９の複
数個を、産業廃棄物を供給するホツパー１８の周
囲に分散配置し、第２導管２４を無くしてホツパ
ー１９夫々の出口に扉２１を設け、扉２１を開い
て上昇流路５内で炭素系可燃物質を落下させるよ
うに構成してもよい。また、第３図に示すよう
に、第２導管２４の外側全周にわたつて冷却兼燃
焼用空気の供給路ａを形成する第３導管２３を設
け、第２導管２４の熱損傷を抑制すると共に、上
昇流路５内で後燃焼させてもよい。

高温炉床１を形成するに、黒鉛電極屑などの各
種の炭素系可燃物質を利用でき、また上記の溶融
炉は、下水汚泥の外に、例えばタイヤ屑、都市ゴ
ミ焼却灰、廃触媒など各種の産業廃棄物あるいは
その中間処理物を処理対象にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は要部を
縦断した全体概念図、第２図及び第３図は、各別
の実施例を示す要部断面図である。 １……高温炉床、５……上昇流路、６……供給
手段、１７……第１導管、２３……第３導管、２
４……第２導管、ａ……冷却兼燃焼用空気供給
路、ｂ……第２供給路、ｃ……第１供給路、Ａ…
…産業廃棄物充填域。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 炭素系可燃物質によつて形成した高温炉床１
   において産業廃棄物あるいはそれの中間処理物を
   溶融させるように構成すると共に、燃焼排ガスを
   排出させるための上昇流路５を前記高温炉床１の
   上方に形成し、炭素系可燃物質、及び、産業廃棄
   物あるいはそれの中間処理物を前記高温炉床１に
   供給する供給手段６を、前記上昇流路５の上端に
   接続した廃棄物溶融炉であつて、前記供給手段６
   において、産業廃棄物あるいはそれの中間処理物
   を供給する第１供給路ｃ、及び、炭素系可燃物質
   を供給する第２供給路ｂを各別に形成すると共
   に、前記第１供給路ｃの周囲に前記第２供給路ｂ
   を配置し、産業廃棄物あるいはそれの中間処理物
   を前記高温炉床１上の充填域Ａあるいはその近く
   に導く第１導管１７を、前記第１供給路ｃに接続
   して前記上昇流路５内に設けてある廃棄物溶融
   炉。 ２ 前記第２供給路ｂに接続した第２導管２４
   を、前記第１導管１７を囲む状態で前記上昇流路
   ５内に設けてある特許請求の範囲第１項に記載の
   廃棄物溶融炉。 ３ 前記第２導管２４の外側全周にわたつて冷却
   兼燃焼用空気の供給路ａを形成する第３導管２３
   を設けてある特許請求の範囲第２項に記載の廃棄
   物溶融炉。