JP2001082715A

JP2001082715A - 廃棄物ガス化溶融炉における廃棄物投入方法及び廃棄物ガス化溶融炉

Info

Publication number: JP2001082715A
Application number: JP25537299A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Sudo; 雅弘須藤; Sunao Nakamura; 直中村; Yuichi Yamakawa; 裕一山川; Tsuneo Matsudaira; 恒夫松平
Original assignee: NKK Corp; Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1999-09-09
Filing date: 1999-09-09
Publication date: 2001-03-30

Abstract

(57)【要約】【課題】二次燃焼炉への廃棄物の飛散を防ぐことがで
き、廃棄物が減容化される度合いを向上させることがで
きる廃棄物投入方法及びその方法を実施するためのガス
化溶融炉を提供すること。【解決手段】底部に移動床３０が形成され、この移動
床３０の上に投入された廃棄物が流動層３１を形成する
ように構成され、その上にフリーボード部２が設けられ
た竪型のガス化溶融炉であって、炉頂部からフリーボー
ド部２へ挿入された廃棄物投入用筒体１２を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は廃棄物ガス化溶融炉
における廃棄物投入方法及びその方法を実施するための
ガス化溶融炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、廃棄物の焼却に伴って発生するダ
イオキシン類による環境汚染の防止や、資源リサイクル
の必要性が叫ばれるようになり、廃棄物をガス化・溶融
する技術の開発が進められている。この処理技術は、廃
棄物をガス化することによって高温の燃焼ガスを発生さ
せ、廃棄物を溶融して減容化し、さらにダイオキシン類
を分解して無害化させることができると言う特徴を有し
ている。

【０００３】廃棄物をガス化溶融処理する技術には幾つ
かの方法があるが、その一つとして、燃焼しているコー
クス層の上に廃棄物を投入して溶融させる方法がある。
この方法による場合、特に、竪型炉が使用される。この
竪型のガス化溶融炉は、底部にコークスよりなる移動床
が形成され、この移動床の上に投入された廃棄物の流動
層が形成されるように構成され、その上にフリーボード
部が設けられている。

【０００４】このガス化溶融炉による廃棄物のガス化溶
融処理は次のように行なわれる。炉頂部から廃棄物と共
にコークスや石灰石などの副原料を装入し、炉底部にコ
ークスの移動床を形成させる。そして、このコークス移
動床へ空気又は酸素富化された空気を吹込んでコークス
を燃焼させ、高温の燃焼帯を形成させながら、その上に
廃棄物を投入する。投入された廃棄物は吹込まれた空気
によって流動層を形成し、予熱されながら熱分解して可
燃性ガスを生成する。この可燃性ガスはフリーボード部
或いは溶融炉の後段に接続して設けられている２次燃焼
炉で空気が吹込まれて燃焼し、高温ガスとなって熱回収
装置へ送られる。

【０００５】一方、灰分は高温のコークス移動床上へ降
下して溶融し、溶融スラグとなってコークスの層を通っ
て滴下し、炉底部に溜まって排出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記竪型の廃棄物ガス
化溶融炉においては、炉頂部から廃棄物と共にコークス
や石灰石などの副原料が装入され、これらの装入に伴っ
て発生した炉内ガスはフリーボード部を通過して炉上部
のガス排出口から二次燃焼炉へ送られる。しかし、この
際、炉頂部から投入された廃棄物中の紙類やプラスチッ
クなどの一部が炉内ガスの上昇流によって落下が阻止さ
れ、炉内ガスと共に二次燃焼炉へ送られてしまうと言う
問題が起こる。二次燃焼室へ送られた廃棄物は、送り込
まれる過程或いは二次燃焼室で燃焼する。このため、そ
の灰分は溶融されることなく、ガス処理系統から飛灰と
して排出される。

【０００７】上記のようにして、廃棄物の飛散量が多く
なると、ガス処理系統から排出される飛灰の量が多くな
って、投入された廃棄物が減容化される度合いが低下
し、ガス化溶融処理を採用する目的の一つである減容化
に対する効果が損なわれてしまう。

【０００８】本発明は、以上の問題点を解決し、二次燃
焼炉への廃棄物の飛散を防ぐことができ、廃棄物が減容
化される度合いを向上させることができる廃棄物投入方
法及びその方法を実施するためのガス化溶融炉を提供す
ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題は次の発明に
より解決される。

【００１０】第一の発明に係る廃棄物投入方法は、底部
に移動床が形成され、この移動床の上に投入された廃棄
物の流動層が形成されるように構成され、その上にフリ
ーボード部が設けられた竪型のガス化溶融炉における廃
棄物の投入方法であって、フリーボード部内に炉内ガス
の上昇が遮られるように遮蔽体により区画された部分を
設け、この区画された部分に廃棄物を投入することを特
徴としている。

【００１１】第二の発明に係る廃棄物ガス化溶融炉は、
底部に移動床が形成され、この移動床の上に投入された
廃棄物が流動層を形成するように構成され、その上にフ
リーボード部が設けられた竪型のガス化溶融炉であっ
て、炉頂部からフリーボード部へ挿入された廃棄物投入
用筒体を有することを特徴としている。

【００１２】第三の発明に係る廃棄物ガス化溶融炉は、
第二の発明において、炉頂部から挿入された廃棄物投入
用筒体の下端部が流動層に達するように構成されたこと
を特徴としている。

【００１３】フリーボード部内に炉内ガスの上昇流が遮
られる区画を設けると、この区画部分はフリーボード部
内にできた淀みの部分になる。このため、この区画部分
に廃棄物を投入すれば、廃棄物は自然落下の状態で下降
し、区画部分から排出された時点で、初めて炉内ガスに
よる上昇流の影響を受ける状態になる。しかし、この時
点においては、廃棄物は区画部分を落下する間に加速さ
れ、十分な落下速度を得ているので、区画部分から排出
された廃棄物は上昇飛散することなく落下して燃焼す
る。このため、未燃焼廃棄物が上昇して飛散する問題は
起こらない。

【００１４】炉内ガスの上昇流が遮られる区画を設ける
ために、炉頂部からフリーボード部内へ筒体を挿入し、
この筒体を経由して廃棄物を投入すれば、投入された廃
棄物はその筒体の下端部から排出され、上昇飛散せずに
燃焼する。

【００１５】上記の廃棄物装入用の筒体をその下端部が
流動層に達する長さにしておくと、投入された廃棄物は
すべて流動層中へ落下して燃焼するので、未燃焼廃棄物
の上昇飛散は全く起こらない。

【００１６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の形態に係る
一例の説明図である。１は竪型で円筒形状の溶融炉であ
って、炉頂部から廃棄物、コークス、スラグ成分の調整
剤である石灰石などが装入され、その下部で溶融処理が
行われるようになっている。上部の拡径された部分はフ
リーボード部２である。１０は溶融炉の上方に配置され
た廃棄物装入装置、３は溶融炉上部の側壁に設けられた
燃焼ガスの排出口、４は溶融炉の最下部に設けられた溶
融スラグの排出口である。又、３０はコークスの移動
床、３１は廃棄物の流動層を示す。

【００１７】炉下部のコークスの移動床３０が形成され
る位置にはコークスを燃焼させる空気又は酸素富化され
た空気を吹込むための主羽口５が設けられている。又、
廃棄物の流動層３１が形成される位置には廃棄物を流動
させる空気を吹込むための副羽口６が設けられている。
さらに、流動層３１上方のフリーボード部には、生成し
た可燃性ガスを燃焼させる空気を吹き込むための三段羽
口７が設けられている。上記の各羽口５，６，７は何れ
も炉体の周囲に複数配置されており、空気又は酸素富化
された空気が供給されるヘッダーに接続されている。

【００１８】上記廃棄物装入装置１０は、廃棄物、コー
クス、石灰石などを炉内へ装入する廃棄物供給機１１と
それらのホッパー類、及び廃棄物供給機１１の排出口に
連結された鋼製の廃棄物投入用筒体１２よりなる。１３
は廃棄物ホッパー、１４はコークスの供給口、１５は石
灰石の供給口である。

【００１９】この廃棄物装入装置１０において、廃棄物
投入用筒体１２の上部は廃棄物供給機１１内に供給され
ている廃棄物などの投入物によってシールされているの
で、廃棄物投入用筒体１２内は炉内ガスの上昇が遮られ
るように区画された部分になる。

【００２０】廃棄物投入用筒体１２は炉頂の中心部に取
り付けられている。又、廃棄物投入用筒体１２は高温の
フリーボード部２内へ挿入されているので、水冷構造に
なっている。このため、廃棄物投入用筒体１２は３重管
状に形成され、各管の間の空間に冷却水が流通する二重
の流路が設けられている。そして、内側の流路へ供給さ
れた冷却水が外側の流路を経て排水されるようになって
いる。このため、廃棄物投入用筒体１２の内部が冷却さ
れ、落下中の廃棄物の燃焼防止が図られている。

【００２１】廃棄物投入用筒体１２は、投入された廃棄
物の上昇飛散を防ぐために、その下端が燃焼ガスの排出
口３の下端よりも下に位置する長さにすることが好まし
い。更に好ましくは、その下端が流動層３１が形成され
る位置に達する長さに構成するのがよい。

【００２２】上記の構成による溶融炉による廃棄物の溶
融処理は次のように行なわれる。廃棄物、コークス、石
灰石がそれぞれ計量されて廃棄物供給機１１へ送られ、
廃棄物投入用筒体１２へ投入される。廃棄物供給機１１
から投入された廃棄物はコークスや石灰石などと一緒に
廃棄物投入用筒体１２内を落下し、フリーボード部２の
下部へ投入されて燃焼する。この際、廃棄物投入用筒体
１２が冷却されているので、落下中の廃棄物が燃焼した
り、廃棄物中のプラスチックなどが溶融して廃棄物投入
用筒体１２の内壁に付着したりする問題は発生しない。

【００２３】次に、図１の構成によるガス化溶融炉によ
り、廃棄物をガス化溶融処理した結果について説明す
る。この試験で使用した溶融炉は内径が１．５ｍ、長さ
が６ｍのフリーボード部が設けられたものであった。

【００２４】（実施例）外径３００ｍｍで、長さが３ｍ
の廃棄物投入用筒体を設け、この筒体に表１に示す廃棄
物を投入する操業を行った。この操業条件は表２の通り
にした。この操業中に捕集された飛灰の量は平均６ｋｇ
／ｈであった。

【００２５】（比較例）本発明による廃棄物投入用筒体
が設けられておらず、廃棄物が炉頂部から直接フリーボ
ード部へ投入されるように構成された装置を使用し、実
施例と同じ廃棄物をガス化溶融処理する操業を行った。
操業条件は実施例と同じにした。この操業中に捕集され
た飛灰の量は平均１２ｋｇ／ｈであり、実施例の２倍で
あった。

【００２６】

【表１】

【００２７】

【表２】

【００２８】

【発明の効果】本発明においては、フリーボード部内に
炉内ガスの上昇が遮られるように区画された部分を設
け、この区画された部分に廃棄物を投入するので、廃棄
物は炉内ガスによる上昇流の影響を受けることなく落下
して燃焼する。このため、二次燃焼炉への廃棄物の飛散
が防止され、廃棄物が減容化される度合いを向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る一例の説明図であ
る。

【符号の説明】

１溶融炉２フリーボード３燃焼ガスの排出口４溶融スラグの排出口５主羽口６副羽口７三段羽口１０廃棄物装入装置１１廃棄物供給機１２廃棄物投入用筒体１３廃棄物ホッパー１４コークスの供給口１５石灰石の供給口３０コークスの移動床３１流動層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｆ２３Ｇ 5/30 ＺＡＢＢ０９Ｂ 3/00 ＺＡＢ 5/44 ＺＡＢ３０３Ｋ (72)発明者山川裕一東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内 (72)発明者松平恒夫東京都千代田区丸の内一丁目１番２号日本鋼管株式会社内Ｆターム(参考） 3K061 AA11 AA16 AB02 AB03 AC13 AC17 BA05 DA01 DB02 DB09 DB17 3K065 AA11 AA16 AB02 AB03 AC13 AC17 BA05 EA06 EA12 EA25 4D004 AA46 CA28 CA29 CB04

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】底部に移動床が形成され、この移動床の
上に投入された廃棄物の流動層が形成されるように構成
され、その上にフリーボード部が設けられた竪型のガス
化溶融炉における廃棄物の投入方法であって、フリーボ
ード部内に炉内ガスの上昇が遮られるように遮蔽体によ
り区画された部分を設け、この区画された部分に廃棄物
を投入することを特徴とする廃棄物投入方法。
【請求項２】底部に移動床が形成され、この移動床の
上に投入された廃棄物が流動層を形成するように構成さ
れ、その上にフリーボード部が設けられた竪型のガス化
溶融炉であって、炉頂部からフリーボード部へ挿入され
た廃棄物投入用筒体を有することを特徴とする廃棄物ガ
ス化溶融炉。
【請求項３】炉頂部から挿入された廃棄物投入用筒体
の下端部が流動層に達するように構成されたことを特徴
とする請求項２に記載の廃棄物のガス化溶融炉。