JPH0996408A - 廃棄物の溶融処理方法 - Google Patents
廃棄物の溶融処理方法Info
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- JPH0996408A JPH0996408A JP25355495A JP25355495A JPH0996408A JP H0996408 A JPH0996408 A JP H0996408A JP 25355495 A JP25355495 A JP 25355495A JP 25355495 A JP25355495 A JP 25355495A JP H0996408 A JPH0996408 A JP H0996408A
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Abstract
下した場合、炉上部から装入する石灰石の量を増やして
も、直ちに、溶融スラグの流動性を改善することはでき
ない。 【解決手段】 溶融炉に廃棄物および固体燃料を装入
し、炉下部にこれらの装入物よりなる堆積層50を形成
させ、炉下部に設けられた羽口3から堆積層50へ酸素
含有ガスを吹き込んで加熱し、廃棄物を溶融させる方法
であって、排出された溶融スラグの塩基度が所定値以下
になった場合、フィーダー11を起動させて、石灰ホッ
パー10から羽口3へ石灰類の粉末を供給し、この石灰
類の粉末を酸素含有ガスと共に羽口3から吹き込む。
Description
ごみなどの廃棄物およびコークスなどの固体燃料を装入
して炉内に装入物の堆積層を形成させると共に、酸素含
有ガスを吹き込んで燃焼加熱し、廃棄物を溶融させる方
法に関する。
は、数多くの方法が知られている。しかし、これらの技
術においては、その殆どが、竪型炉を使用し、廃棄物を
乾留してガス化し、その灰分や不燃物を溶融物にして排
出するものである。
の説明図である。30は溶融炉本体、31は炉上部に設
けられた廃棄物などの装入口、32は炉下部に設けられ
た羽口、33は排ガス出口である。この方法において
は、装入口31から廃棄物あるいは廃棄物とコークスが
装入され、さらに、生成するスラグの成分を調整するた
めに、石灰石が装入される。これらの装入物は堆積さ
れ、炉下部に堆積層50を形成する。この堆積層50
は、次に述べるように、その上部が乾留ゾーン、下部が
燃焼・溶融ゾーンとなる。
ると、堆積層50下部の燃焼・溶融ゾーンに存在するコ
ークスなどの炭素分が燃焼する。そして、この燃焼熱に
よって、堆積層50下部の燃焼・溶融ゾーンにおいて
は、廃棄物中の灰分や不燃物が溶融され、また、堆積層
50上部の乾留ゾーンにおいては、廃棄物が乾留されて
ガス化する。廃棄物の乾留残渣は堆積層50下部の燃焼
・溶融ゾーンへ降下した段階でコークスと共に燃焼す
る。
下して炉底に溜まり、スラグ排出口34から抜き出され
る。なお、溶融物中には溶融メタルの層ができるが、そ
の排出に係る説明は省略する。
た際に生成する溶融物は、多量のシリカ分(SiO2 )
を含んでおり、一般に、CaO/SiO2 の比(塩基
度)が0.4〜0.5程度である。溶融物の塩基度がそ
の粘度に及ぼす影響は大きく、他の成分の含有量の多少
によるズレはあるが、塩基度が0.4〜0.5を下回る
ようになると、その粘度が急激に高くなることが知られ
ており、また、塩基度が上記の値より大きくなるに従っ
て、溶融物の粘度は低くなる傾向にあることも知られて
いる。そして、溶融物の塩基度が0.4〜0.5の付近
になると、その流動性が非常に乏しくなるので、スラグ
排出口が詰まって溶融スラグが流出しなくなったり、溶
融スラグの排出流量が減少してその排出が不十分になっ
たりし、操業異常の状態が引き起こされる。
理においては、従来から、廃棄物を装入する際に、同時
に石灰石を装入して、生成してくる溶融スラグの塩基度
を上げ、溶融スラグの粘度が上昇しないようにしてい
る。
入していても、溶融スラグの粘度を、常に良好な状態に
保つことはできず、しばしば、溶融スラグの粘度が上が
って、操業異常の状態が起こる。これは、次の二つの問
題によってもたらされる。
に、それらが混じり合っている割合が大きく変動するの
で、装入される石灰石の量が、必ずしも、スラグの塩基
度を適正な範囲にするための量になっているとは限らな
い。また、装入物は上部から投入された後、炉内で堆積
層を形成して滞留し、乾留され、燃焼され、次いで溶融
された後、炉底部から排出するので、投入された装入物
が溶融スラグとして排出されるまでには、長時間を要す
る。
の流動性が低下した場合、炉上部から装入する石灰石の
量を増やしても、直ちに、炉底部の溶融スラグの塩基度
が変化してその粘度が下がる訳ではなく、このような方
法による塩基度の調整によっては、溶融スラグの流動性
を改善することはできない。
流動性が低下してしまった場合には、炉下部から吹き込
む酸素含有ガスの流量を増量して炉底部に溜まっている
溶融スラグの温度を上昇させることによってその粘度を
下げる等の応急処置をしながら、炉上部から装入する石
灰石の量を増加させ、溶融スラグの塩基度が上がるのを
待つほかに実施すべき手段はない。
溶融スラグの粘度の変化に対し、直ちに対処することが
できる廃棄物の溶融処理方法を提供することを目的とす
る。
めに、本発明においては、排出された溶融スラグの塩基
度が所定値以下になった場合、羽口から酸素含有ガスと
共に石灰類の粉末を吹き込む。
またはマグネシウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩を含む
ものであって、具体的な物質名としては、消石灰、生石
灰、石灰石、ドロマイト、および転炉スラグなどを指す
ものとする。
直ちに変え、その粘度を下げる方法について種々検討し
た結果、酸素含有ガスを吹き込む際に一緒に石灰類を吹
き込むのがよいと言う結論を得た。酸素含有ガスと共に
石灰類を吹き込むと、酸素含有ガスが吹き込まれる付近
は非常な高温状態になっているので、吹き込まれた石灰
類は直ちに溶融され、生成する溶融物中に溶け込んでし
まう。そして、石灰類が溶け込んで塩基度が上がった溶
融物は流下して炉底部に溜まっている溶融物と混合する
ので、炉底部の溶融物の塩基度は急速に変化する。
グの塩基度が出滓限界値付近まで低下した際に実施する
ものであるが、石灰類の吹き込みを開始すべき時点とな
る塩基度の限界値は、必ずしも、一義的に決定すること
はできない。これは、溶融スラグの粘度が、塩基度だけ
でなく、例えばAl2 O3 などのような他の成分の多寡
によっても変わる値であるためである。従って、その組
成が種類や発生源によって異なるものである廃棄物を溶
融処理する場合、上記塩基度の限界値は、過去の操業デ
ーに基づいて決定する必要がある。
備の一例を示す図である。1は竪型の溶融炉本体、2は
炉上部に設けられた廃棄物などの装入口、3は炉下部に
設けられた羽口、4は排ガス出口、5はスラグ排出口で
ある。羽口3は炉下部の周上の複数箇所に設けられてい
る。また、羽口3は炉内に形成される装入物よりなる堆
積層50下部の燃焼・溶融ゾーンに位置する箇所に配置
されている。
て、石灰粉ホッパー10、フィーダー11、石灰吹き込
みノズル12が備えられている。石灰吹き込みノズル1
2は下段の羽口3に挿入されて取り付けられており、石
灰類の粉末を、羽口3へ吹き込まれる酸素含有ガスの気
流に乗せて炉内へ吹き込むようになっている。石灰吹き
込みノズル12は羽口3のすべてに取り付けてもよい
が、石灰類の吹き込みを最も効果的に行うためには、ス
ラグ排出口5に最も近い羽口またはスラグ排出口5の両
側に配置された羽口に取付け、スラグ排出口5の付近だ
けに石灰類の吹き込むようにした方がよい。
ように行われる。装入口2から廃棄物、コークス、石灰
類の所定量か断続的または連続的に装入され、炉下部に
堆積層50ができる。この際、乾留ゾーンの廃棄物が下
方から送られてくる熱風によって乾留され、生成ガスは
排ガス出口5から排出し、乾留残渣は降下する。また、
羽口3から、空気と酸素が混合され、かつ加熱されたガ
スが吹き込まれ、堆積層50下部の燃焼・溶融ゾーンに
存在するコークスおよび廃棄物の乾留残渣が燃焼する。
これによって、廃棄物中の灰分や不燃物が溶融され、そ
の溶融物が流下して炉底に溜まる。この溶融物51(溶
融スラグ)は連続的に抜き出されて水砕装置22へ送ら
れ、スラグとなる。21はスラグの保熱炉である。
において、溶融スラグの粘度が上がってその流れが悪く
なり、所定量の溶融スラグを抜き出すことができなくな
った場合には、フィーダー11を起動し、石灰類の粉末
を所定流量でノズル12へ供給する。ノズル12が取り
付けられている羽口3においては、空気と酸素の混合ガ
スが高速で流れているので、供給された石灰粉は気流輸
送されて炉内へ送られる。炉内へ送られた石灰類の働き
については、次の図2によって説明する。
内の状況を模式的に示した図である。1は溶融炉本体、
3は炉下部の燃焼・溶融ゾーンの位置に設けられた羽
口、12は石灰吹き込みノズル、50は堆積層、51は
溶融スラグ、5はスラグ排出口である。羽口3の付近に
は、レースウェイ52が形成されており、このレースウ
ェイ52を起点にして高温のガスが堆積層50中へ送り
込まれる。これによって、堆積層50の可燃物が燃焼す
ると共に灰分などが溶融される。溶融物は堆積層50内
を流下し、炉底に溜まる。この際、レースウェイ52内
に石灰類の粉末が吹き込まれると、レースウェイ52内
は非常な高温状態になっているので、石灰類の粉末は直
ちに溶融し、周辺の溶融物中へ溶け込む。石灰類の粉末
が溶け込んだ溶融物は、レースウェイ52の付近から流
下すると、間もなく炉底の溶融物51と混合され、その
流下箇所近傍の溶融物の塩基度が大きくなり、その粘度
が下がる。そして、その溶融物はスラグ排出口5から順
調に排出されるようになる。
度を早急によくするためには、炉底に溜まっている溶融
スラグのうち、スラグ排出口5付近の溶融スラグの塩基
度を上げるだけでもよい。
粒径は、気流輸送が可能な大きさであればよく、500
μm以下程度であればよいが、通常は200メッシュ篩
を通過する程度の大きさにする。
物をガス化溶融処理する操業を行った。この操業におい
ては、廃棄物として都市ごみを1000kg/時、コー
クスを100kg/時、石灰石を60kg/時の流量に
設定して装入し、溶融スラグを連続的に抜き出した。生
成するスラグの塩基度は目標値を0.8にした。
点から溶融スラグの流動性が悪くなり、その排出量(出
滓量)が予定値の80%程度まで低下した。この状態を
見守りながら8時間以上を経過したが、溶融スラグの流
動性が回復する傾向が見られなかったので、羽口から石
灰石の粉末を吹き込んで溶融スラグの塩基度を上げ、そ
の粘度を下げて所定量の溶融スラグを排出できるように
した。この間の状況を図3によって説明する。
よび石灰石吹き込みの経過を示す図である。出滓量
((a)図に記載)が低下していた時間帯における塩基
度((b)図に記載)は約0.5であった。この値は目
標値より低く、溶融物の粘度が定常時よりかなり高くな
る状態の値であった。そして、((c)図に示す石灰石
の吹き込みを開始した時点から、塩基度が高くなると共
に出滓量が多くなり、塩基度が約0.8まで上がってき
た時、出滓量が予定値まで戻った。この時点で、操業は
正常な状態に復帰することができた。
がると、出滓量が大幅に減少して操業異常の状態になっ
た。この結果から、都市ごみを処理する操業において
は、溶融スラグの塩基度が0.6程度まで下がった時点
で石灰石の吹き込みを開始し、塩基度が0.5付近の値
にならないようにする必要があることが分かった。
素含有ガスと共に石灰類の粉末を吹き込むので、酸素含
有ガスを吹き込んて廃棄物を溶融させる際に、同時に、
吹き込まれた石灰類が溶融されて生成する溶融スラグ中
に溶け込み、溶融スラグの塩基度が上がる。このため、
溶融スラグの粘度が上がってその流れが悪くなった場合
に、本発明を実施すれば、溶融物の粘度を短時間で下げ
ることができる。
ある。
模式的に示した図である。
吹き込みの経過を示す図である。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 溶融炉に廃棄物および固体燃料を装入
し、炉下部にこれらの装入物よりなる堆積層を形成さ
せ、炉下部に設けられた羽口から前記堆積層へ酸素含有
ガスを吹き込んで燃焼加熱し、廃棄物を溶融させる方法
において、排出された溶融スラグの塩基度が所定値以下
になった場合、前記羽口から酸素含有ガスと共に石灰類
の粉末を吹き込むことを特徴とする廃棄物の溶融処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25355495A JP3230420B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 廃棄物の溶融処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25355495A JP3230420B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 廃棄物の溶融処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0996408A true JPH0996408A (ja) | 1997-04-08 |
JP3230420B2 JP3230420B2 (ja) | 2001-11-19 |
Family
ID=17252987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25355495A Expired - Fee Related JP3230420B2 (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 廃棄物の溶融処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3230420B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5855786B1 (ja) * | 2015-07-30 | 2016-02-09 | 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 | 廃棄物ガス化溶融炉の運転方法 |
-
1995
- 1995-09-29 JP JP25355495A patent/JP3230420B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5855786B1 (ja) * | 2015-07-30 | 2016-02-09 | 新日鉄住金エンジニアリング株式会社 | 廃棄物ガス化溶融炉の運転方法 |
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---|---|
JP3230420B2 (ja) | 2001-11-19 |
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