JPH08502641A - 発酵麦芽飲料の泡特性を向上する方法及び組成物 - Google Patents

発酵麦芽飲料の泡特性を向上する方法及び組成物

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JPH08502641A JP5513496A JP51349693A JPH08502641A JP H08502641 A JPH08502641 A JP H08502641A JP 5513496 A JP5513496 A JP 5513496A JP 51349693 A JP51349693 A JP 51349693A JP H08502641 A JPH08502641 A JP H08502641A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は麦芽飲料の泡特性を向上する方法及び組成物を提供する。要約して述べると、本発明の方法は、該飲料に、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppmのイソフムロン抽出物、及び該飲料の重量の約2ppm〜約250ppの起泡性タンパク質を加えることを含む。該発酵麦芽飲料泡増強組成物は、イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質の混合物を含み、該イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質の比率が、約1:約1〜約1:約2,500の間である。さらに、この飲料組成物は、(a)発酵麦芽飲料、(b)イソフムロン抽出物及び(c)起泡性タンパク質を含むものであって、該イソフムロン抽出物は、前記発酵麦芽飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppm、該起泡性タンパク質は、前記発酵麦芽飲料の重量の約2ppm〜約250ppm含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 発酵麦芽飲料の泡特性を向上する方法及び組成物発明の分野 本発明は麦芽飲料の泡特性を向上する方法及び組成物に関する。特に、本発明 は発酵麦芽飲料の上にできる泡のヘッドの量及び持続性の向上に関するものであ る。 本願明細書において、用語“麦芽飲料”とは、泡を形成する発酵麦芽飲料を含 み、例えば、ビール、エール、ドライビール、ニアビール、ライトビール、低ア ルコールビール、ポーター、ボックビール、スタウト、麦芽酒、非アルコール性 麦芽飲料などをいう。他に記載しない限り、用語“ビール”とは、この明細書全 体を通して包括的な用語として使用されるものであり、発酵麦芽飲料の全体を指 す。発明の背景 発酵麦芽飲料の製造工程は、普通、醸造と言われる。一般に、これらの飲料製 造に使用される主な原料は、水、ホップ及び麦芽である。さらに、普通のコーン グリッツ、精製コーングリッツ、醸造用(粉砕された)米のような添加物を、デ ンプン源として使用してもよい。これらのデンプンは、最終的にデキストリン及 び発酵性の糖類に転換される。 幾つかの理由により、主に大麦の選ばれた品種から製造された麦芽は、ビール の一般的性質及び品質に関し、通常最も大きな影響を有する。第1に麦芽は、ビ ールにおける主要な香味剤である。第2に麦芽は、発酵性糖類の大部分を提供す る。第3に、麦芽はビールのコク及び泡特性に寄与する蛋白質を提供する。第4 に、麦芽は、マッシュ状態にある時に必要とされる酵素活性を発揮する。 ホップは、香味を含むビールの品質に大きく寄与する。特にホップ(ホップ成 分)はビールに所望の苦み成分を与える。さらに、ホップはタンパク質沈殿剤、 防腐剤、及び泡形成、安定化における助剤として作用する。マッシング 醸造工程は、大きな管の中で、粉砕した麦芽と温水を、ポリッジ状(かゆ状) コンシステンシーの麦芽マッシュを形成するまで混合することにより開始する。 次いで、各工程でデンプンを発酵性糖類に転換する各種酵素の作用を可能にする だけの時間をかけ、このマッシュの温度を工程毎に上げる。 米及びコーンの添加物を使用する場合、これらを別々に調理して、クッカーマ ッシュを得る。未糊化デンプンを発酵性糖類に転換するために、このクッカーマ ッシュの製造では、添加物とともに麦芽(又は市販の酵素を添加する。)10%〜 30%を使用する。添加物(及び麦芽部分)は、徐々に沸騰させ、該生成物が完全 にゼラチン化するまで維持する。マッシングの最終段階(より高温である。)の 間に、クッカーマッシュと麦芽マッシュを混合する。 マッシングは三種の目的に役立つ。第1にマッシングは、温水に容易に溶ける 麦芽(及び添加物)の物質を溶液にする。第2に麦芽酵素を不溶性物質に作用さ せ、それらを可溶性にすることを可能にする。第3にマッシングは、デンプン、 タンパク質、及びガムを広範囲に酵素的に減成し、より小さく、低分子量の生成 物を作り出す。濾過及び分散処理 濾過は、不溶性穀物残渣、すなわち“搾った穀類”から液体(麦汁という。) を取り出すことからなる。濾過はマッシング工程の最終時点に始まり、それによ り出来上がったマッシュを濾過管に移す。そこで、搾った穀類が底部に溜まるま での約10〜30分間静置する。濾過管は、多くの穿孔を有する疑似底部と、該管の 本来の底部に導く出口を備えている。麦汁を取り出し、透明な生成物が得られる まで、穀類を通して循環させる。次いで、透明な麦汁をポンプで醸造用ケトルに 入れる。搾った穀類に熱水を通し、残った麦汁を洗い出す(分散処理)。麦汁の煮沸及びホッピング 醸造用ケトルで、麦汁を1〜2時間及び1.5時間、激しく沸騰させる。さらに 、求められる最終製品の性質に応じて、ホップを煮沸工程の様々な段階で加えて もよい。 麦汁の煮沸はいくつかの目的に役立つ。この目的を挙げると、(1)分散処理 された麦汁の濃縮、(2)最終マッシング工程で残留することがある酵素の完全 な不活性化、(3)高分子量タンパク質及び固形分の凝固及び沈殿(“ケトルブ レイク”又は“熱ブレイク”という。)、(4)所望のホップ成分の抽出及び(5 )麦汁の滅菌がある。冷却、発酵及び貯蔵 煮沸した後、麦汁を漉して固形分を除く、いわゆる“トルブ”を行う。次いで 、麦汁を冷却して、一般に温度を約8.3℃(47゜F)にする。 麦汁に、適量の純粋な酵母培養体を投入することにより、発酵を開始する。2 4時間経過すると、発酵は安定し、速い速度で進行する。発酵は、通常約7日〜 10日続く。この間、麦汁の温度を制御しなければならない。その理由は発酵工 程で麦汁の温度が上昇するからである。一旦、酵母が麦汁の発酵性成分をすベて 代謝してしまうと、酵母は底に溜まるようになり、続いて他の醸造に投入して使 用するために回収する。発酵工程が最終段階に至ると、麦汁の温度は下がり始め る。この発酵した麦汁(“グリーンビール”という。)を取り出してタンクに貯 蔵する、いわゆる“ルー(ruh)”を行う。ここでは、その温度を約2.2℃(36゜ F)に下げる。熟成、加工及び容器詰め “ルー”ビールを熟成工程を完了させるために、“ルー”タンクに保存して おくこともできるが、また残っている酵母及び他の固形分が沈んだ時点で、“ル ー”ビールを分離熟成タンクに移してもよい。個々の醸造所によるが、該ビール を約14日〜約3ケ月経時処理する。熟成した時点で、一般にビールを濾過又は 低温殺菌する。 該ビールに、単一又は二重濾過工程を実施する。二重濾過工程は2段階、第1 回(粗目)濾過及び仕上げ(細目)濾過からなる。冷時濾過“ドラフド”ビール の場合、マイクロ濾過システムを使用して、起こり得る汚染を除去することによ り、低温殺菌処理の必要をなくすことができる。次いで、濾過したビールを仕上 げタンクに貯蔵する。 消費向けビールを製造するため、特定の水準まで炭酸を調整する。次いで、容 器詰めの形態によるが、ビールを低温殺菌処理する。カン及びボトルに容器詰め したビールは通常、低温殺菌処理するが、小樽(及び時にボトル)に容器詰めし たビールは、低温殺菌処理しない。容器詰めした製品の最終加工(例えば、ラベ ル付けなど)を行った後、ビールは消費者に向けた出荷の用意が終わる。発酵麦芽飲料の特性 麦芽飲料、特にビールは、消費者が容易に区別できる特性を持っている。これ らの特性には、泡、香り及び透明度がある。これらのうち、おそらく泡が最大の 特性であろう。その理由は、消費者が広告媒体を通して、継続的にビールの泡の グラス又はジョッキを見つづけるからである。また、ビールが注がれ、またつが れる場合、通常、消費者が気付く最初の特性である。いくつかのビールは、注が れた後直ぐに、比較的良い泡を作り出すが、そのようにして出来た泡は、通常消 費者が望む程の持続性はないであろう。例えば、緩く大きく発泡した泡は、一般 に良質のビール泡に伴う所望の性質をなんら示すことなく、直ぐに消えてしまう 。 ビールをグラスに注いだときにできる、良質な、いわゆる泡の“ヘッド”は、 多くの人からビールの品質の視覚的な基準と考えられている。細かい、クリーム 状の安定した泡は、多くの消費者に対する明らかな心理的アピールを有する。そ の結果、多くの消費者は、グラスに注いだ時に、ビールが飲み尽くされるまで持 続する安定したヘッドを形成する製品を望んでいる。さらに、ビールの泡が、グ ラスの表面を滑り落ち、泡の付着性カーテン(時に、“レース”又は“泡のレー ス”という。)を残すように容器に付着するのが好ましい。 更に、前記品質を示しながら、人工的な添加物又は付加物が全く入っていない 、全く自然のビール製品を望む消費者が増えている。 非常に多くの醸造マスターらがそのビールの泡の品質を改善することを求めて きたということができる。それなりに、醸造所の実務として、添加剤の使用によ るビールの泡の改善が、長い間試みられてきた。 例えば、米国特許第2,478,988号は、プロピレングリコールアルギナート(P GA)をビール飲料に添加して、泡の持続時間を延ばし、持続性を向上させるこ とを開示する。この特別な添加剤について、Jacksonらの論文(“Mechanism of Beer Foam Stabilization by Propylene Glycol Alginate,”J.Inst.Brew. 8 6:34(1980))は次のように示唆している。すなわち、グリコールアルギネート 分子のカルボン酸とペプチドアミノ基との間の静電気的相互作用によるPGAの 泡安定作用は、個々の気泡の壁に見いだされる。 米国特許第3,223,529号は、PGAと水溶性亜鉛塩の混合物を添加して、ビー ルの泡特性を改善することを開示する。 米国特許第3,266,902号は、亜鉛とマンガンの塩をPGAに加えることにより 、グラスの壁で“レース”となる泡の傾向を向上させることを含む、泡の品質に 明らかな改善が得られることを開示する。 米国特許第3,526,510号は、ビールに対するある種の化学的な低温殺菌におい て、“泡安定剤”及び“カーテン形成剤”として化合物を用いることを開示する 。この化合物は、ジオクチルコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナ トリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、N-オクタデシルスルホコハク酸 二ナトリウム、N-(1,2-ジカルボキシエチル)-N-オクタデシルスルホコハク酸 四ナトリウムからなる群より選ばれる。 米国特許第3,966,976号は、ポリサッカライドコロイドS-10の添加により、良 好な泡安定性と改善されたレース及び付着性とを有する麦芽飲料を製造する方法 を開示する。 特に注目すべきなのは、泡の品質の改善に使用する前記方法及び組成物(ポリ サッカライドコロイドS-10を除く。)は、ビールに天然には見い出されない添加 剤を使用するものであることである。 また、ビールに天然に見いだされる、ある種の化合物が良好な泡の品質に寄与 できることが見い出されている。例えば、一般に、これらの泡促進性物質には、 イソフムロン及び還元されたイソフムロンのようなイソアルファ酸、一部が加水 分解されたタンパク質、炭化水素、エタノール、空気、窒素、二酸化炭素及び幾 つかの金属イオンが含まれる。この点について下記の文献を参照されたい。 Bishopらの論文、“A Scientific Basis for Beer Foam Formation and Cling, ”JIB 80:68-80頁(1974); Aubertらの論文、“Aqueous Foams,”Scientific American 254:74-82頁(198 6); Roberts,R.T.,の論文、“Colloidal Aspects of Beer Foam,”Brewers Diges t 52:50-58頁(1977); Slack,P.T.及びBamforth,C.W.の論文、“The Fractionation of Polypeptides from Barley and Beer by Hydrophobic Interaction Chromatography”; The Influence of Their Hydrophobicity on Foam Stability,”JIB 89:397- 401頁(1983). これらのうち、前述のRobertsの論文は、ビールのタンパク性物質が主な泡形 成剤であると示唆している。 アサノ及びハシモトの論文“Isolation and Characterization of FoamingPro teins in Beer,”ASBC Journal 38:129-136頁(1980)は、ビールの発泡に大 きな役割を果たす“起泡性タンパク質”がビールに存在することを報告している 。このタンパク質は、15,000〜1,000,000ダルトンの分子量を有する3画分から なることが見い出された。 Bamforth及びCopeの論文“Original Approaches to Improving the Foam of B eer,”Proc.EBC Congress,515-522頁(1985)は、原料から泡促進物質を抽出 し、出来上がったビールにそれを戻すか、又は卵白、グルテン及び大豆のような 市販のタンパク質源を用いて、ポリペプチドをビールに添加し、ビールに適当な 水準のタンパク質が含まれるようにすることを示唆している。しかし、本発明者 らは大麦を含む若干の投入された材料から泡促進物質を抽出することはほどんど 成功しなかった。そこで、起泡性タンパク質の適当な供給源として、卵白から加 水分解したアルブミンを抽出することに焦点を絞った。 一般に、イソアルファ酸に関し、アサノ及びハシモトの論文“Contribution o f Hop Bitter Substances to Head Formation of Beer,”Rep.Res.Lab. Kir in Brewery Co.,Lid. 19:9-16頁(1976)に、イソフムロンは発泡する間、ビ ールのポリペプチドの陽荷電アミノ基と相互に作用し、さらに安定な泡を提供で きることが報告されている。メラノイジンとビールポリペプチドとの間の同様な 相互作用が、Jackson及びWainwrightの論文“Melanoidins and Beer Foam,”Pr oceedings, ASBC 36:192頁(1978)に示唆されている。 最近、Bakerの論文、“Impact of Post-Filtration Addition of Selected Ho p Extracts on Beer Foam and Clarity,”MBAA Tech.Ouart.27:33-38頁(19 90)で次のような知見が得られた。すなわち、イソアルファ酸(IAA)又は還 元されたイソアルファ酸(RIAA)で処理されたビールには、IAAの出来上 がったビールに苦み単位/L10mg又はRIAA15mg/Lを、それぞれ加えた場合 を越えて、泡崩壊時間を有意に増加させないという知見である。テトラヒドロ イソアルファ酸(THIAA)、ヘキサヒドロイソアルファ酸(HHIAA)又 はIAA/HHIAAの組合わせのような、他の還元されたイソフムロン抽出物 で処理したビールの泡崩壊時間は、各抽出物の量を増やした添加により有意に増 加した。しかし、泡付着性では、IAA、THIAA、HHIAA 5mg/L、I AA/HHIAAの65/35容量比混合物、又はRIAA 10mg/Lを越える十分 な改善は示されない。加えて、抽出物の水準が上がるにつれて、それぞれ処置さ れたビールの濁度も上昇し、一般に、その透明度は、各抽出物の添加率が10mg/ Lまでは許容できるものであった。発明の要約 要約すると、本発明は、発酵麦芽飲料の泡特性を向上する方法及び組成物であ る。本発明の方法は、該麦芽飲料に、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppmのイソ フムロン抽出物を加えることを含むものである。さらにこの方法は、該飲料に、 該飲料の重量の約2ppm〜約250ppmの起泡性タンパク質を加えることを含む。この イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を、生産ラインにおいて、最終濾過した 後、同時に又は連続的に加えるか、又は2種の混合前の成分を単独で注入するこ とにより加えてもよい。 発酵麦芽飲料泡増強組成物は、イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を含ん でいる。特に、この組成物は、イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を含み、 該イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質の比率が、約1:約1〜約1:約2,50 0の間である。 さらに、向上した泡特性を有する飲料組成物は、(a)発酵麦芽飲料、(b)イ ソフムロン抽出物、該抽出物は発酵麦芽飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppm含まれ ている;(c)起泡性タンパク質、該タンパク質は、発酵麦芽飲料の重量の約2pp m〜約250ppm含まれている。 ここで注意すべきなのは、この明細書及び添付請求の範囲で使用されている語 句“イソフムロン抽出物”とは、比較的広い意味を有することを意図し、かつ正 規の、又は還元された、ビールの泡の向上に寄与する全てのイソフムロン抽出物 であって、それがホップ自体から誘導されたか、ホップ以外から誘導されたか、 市場の供給先から得られたかを問わない。さらにその意味は、製造することがで きる、全ての形態、(正規又は還元されたもの)の合成イソフムロン抽出物をも 意味する。 さらに注意すべきなのは、この明細書及び添付の請求の範囲で使用されている 語句“起泡性タンパク質”は、比較的広い意味を有することを意図し、かつビー ルの泡の向上に寄与するタンパク質を言い、以下に十分に説明するように、それ がビール自体から誘導されたか、ビール以外から誘導されたか、市場の供給先か ら得られたかを問わない。 本発明の方法及び組成物は、発酵麦芽飲料の泡特性の向上を図る上で有益であ る。特に本発明は、ビールに天然に見い出される成分を使用して、ビールの泡特 性、特にビール付着性、崩壊速度及びシグマ泡値に関し、著しい改善を達成する ことができる。さらに、好ましいことには、低温滅菌時の望ましくない冷却濁り が僅かに増加するだけで、これらの品質向上が得られる。 本発明のこれら及び他の利点が、次の好ましい実施態様の詳細な記述とともに 下記の実施例を読んでゆくことで、さらに良く理解できるであろう。好ましい実施態様の詳細な記載 本発明の方法の範囲において、イソフムロン抽出物及び起泡性タンパク質を麦 芽飲料に加える。好ましいのは、最初の濾過の後で、かつ最終濾過前の醸造工程 の最終段階で、又はビールが仕上げタンクに入っている間に、イソフムロン抽出 物及び起泡性タンパク質をビールに加えることである。 通常、この成分は醸造工程の初期段階では加えない。その理由は、ケトルボイ ル、発酵又は熟成の間に、沈殿する可能性があるからである。仕上げ段階で加え る場合、醸造工程の除去効果を避ける。低温殺菌では負の効果は起きない。これ らの成分は、同時に、連続して、またこの2種の混合前の成分を単独注入で加え てもよい。 本発明で用いるイソフムロン抽出物は、還元イソフムロン抽出物であってもよ い。この場合、還元イソフムロン抽出物はヘキサヒドロイソフムロン抽出物であ るのが好ましい。一般に、正規の又は還元イソフムロン抽出物の何れを使用する かの選択は、どの様な起泡性タンパク質溶液と組み合わせるかにより、今のとこ ろ、起泡性タンパク質の全種類に渡って好ましい一般的な規則性というものはな い。現在、所定の起泡性タンパク質と組合わせるのに、どのイソフムロン抽出物 が好ましいかを決める最良の方法は、実験であり、この実験は過度の負担になる ものではない。このような実験を実施するための適当な手順を実施例に記載した 。 一般に、イソフムロン抽出物は、溶媒としてヘキサン又は液体二酸化炭素を使 用して、ホップからフムロンを分離することにより得る。次いで、このフムロン を加熱蒸留により異性化し、フムロンをイソフムロン(イソアルファ酸)に転換 する。イソアルファ酸又は異性化ベータ酸の還元形態である、還元イソフムロン には、ジヒドロイソアルファ酸(RHOIAA)、テトラヒドロイソアルファ酸 (TIAA)及びヘキサヒドロイソアルファ酸(HHIAA)がある。 またイソフムロン抽出物は、市場の供給先から得てもよい。適当なイソフムロ ン抽出物が、カルセク社(Kalsec,Inc.Kalamazoo,Michigan)から“HEXALONE ”及び“ISOLONE”の名称で販売されている。同様の製品が、イングリッシュホ ッププロッセシング社(English Hop Processing Co.Ltd.,Tonbridge,Kent, England)から“ISOHOP CO2N”の名称で入手することができる。イソフムロン抽 出物は20重量%〜30重量%液性溶液で入手することができる。 さらに、本発明の方法は、該飲料に起泡性タンパク質を加えることを含む。こ の起泡性タンパク質は、多くの供給源から公知のタンパク質分離方法を用いて分 離できる天然にある種類のものであり、次いでイソフムロン抽出物と共に、同時 に、連続的に又は単独で前記飲料に加える。後に記載する実施例4〜7の方法に 従って、この天然の起泡性タンパク質を、小麦グルテン、麦芽処理された大麦、 麦芽処理された小麦、エール酵母及びラガー酵母から公知のタンパク質分離方法 を用いて分離することができる。これらのうち、麦芽供給源が最も好ましい。 泡増強組成物を製造するために、イソフムロン抽出物を起泡性タンパク質と組 み合わせる。好ましい実施態様では、このイソフムロン抽出物と起泡性タンパク 質を、水、糖類、アルコール及びビールに天然に見い出され、かつ実施例に記載 されている抽出方法及び技術で本質的に得られる、他の構成成分を含む溶液に入 れる。さらに好ましいのは、イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を、醸造所 で使用するように濃縮し、包装したものである。最も好ましいのは、泡増強組成 物を、醸造所で使用するように噴霧乾燥し、粉末状態で包装したものである。 組合わせるイソフムロン抽出物及び起泡性タンパク質の最適な量を、実施例8 に概説する振盪試験(HRV)を用いて検討した。注意すべきことは、各特定のタ ンパク質とともに使用するイソフムロン抽出物の最適濃度を決定するために、こ の試験を所定の起泡性タンパク質溶液について、分けて行なわなければならない ことである。例えば、実施例2に記載されている方法及び技術に従って製造され た重合アミノ酸溶液のように、特定の起泡性タンパク質溶液は、溶液1ml当たり さらに起泡性タンパク質数種を含んでいる。この例において、重合アミノ酸溶液 よりも、最初の溶液にイソフムロン抽出物と反応する、より多くの活性部位があ ると推定されるので、最適水準を達成するためには、より多くのイソフムロン抽 出物が必要となるであろう。 後述する実施例2〜7に記載されている方法及び技術で得られた各種起泡性タ ンパク質について、振盪試験(HRV)を実施し、イソフムロン及び還元イソフム ロン抽出物濃度について次の最適範囲を求めた。ここで注意すべきなのは、次の 範囲は、特定の起泡性タンパク質との組み合わせに関連して記載されているもの であって、本発明の方法は、イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質とを、同時 に、連続的に、又は2種の混合前の成分の単独注入により添加することを意図し ていることである。 小麦グルテンから誘導された起泡性タンパク質の溶液については、実施例4に 記述した方法及び技術により製造されたタンパク質溶液に対し、イソフムロン抽 出物を、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppmとするのが好ましい。さらに好まし いのは、組み合わせるイソフムロン抽出物の量を、該飲料の約2.8ppm〜約8.5ppm とするのが好ましい。 エール酵母又はラガー酵母から誘導された起泡性タンパク質の溶液については 、実施例5に記述した方法及び技術により製造されたタンパク質溶液に対し、イ ソフムロン抽出物を、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppmとするのが好ましい。 さらに好ましいのは、組み合わせるイソフムロン抽出物の量を、該飲料の約3.3p pm〜約16.9ppmとすることである。 麦芽処理された大麦から誘導された起泡性タンパク質の溶液については、実施 例6に記述した方法及び技術により製造されたタンパク質溶液に対し、イソフム ロン抽出物を、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppm組み合わせるのが好ましい。 さらに好ましいのは、組み合わせるイソフムロン抽出物の量を、該飲料の約0.85 ppm〜約10.5ppmとすることである。 麦芽処理された小麦から誘導された起泡性タンパク質の溶液については、実施 例7に記述した方法及び技術により製造されたタンパク質溶液に対し、イソフム ロン抽出物を、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppm組み合わせるのが好ましい。 さらに好ましいのは、組み合わせるイソフムロン抽出物の量を、該飲料の約0.25 ppm〜約5.10ppmとすることである。 前記の各起泡性タンパク質について注意すべきことは、加えるイソフムロン抽 出物の量が、該抽出物が正規であるか、還元されたものであるか否かに関係なく 、同じことである。 さらに、特定の製造された重合アミノ酸を、天然起泡性タンパク質に代えて、 麦芽飲料に加えることができる。この明細書及び添付の請求の範囲を通して使用 されているように、用語“重合アミノ酸”とは、全体が不定数の単一な、繰り返 しアミノ酸単位からなるポリペプチド及びタンパク質をいう。例えば、重合リジ ンは、全体がアミノ酸である、リジンの繰り返し単位からなる。 重合アミノ酸については、実施例2に記述した方法及び技術により製造された タンパク質溶液に対し、イソフムロン抽出物を、該飲料の重量の約0.1ppm〜約20 ppm組み合わせるのが好ましい。さらに好ましいのは、組み合わせるイソフムロ ン抽出物の量を、該飲料の約2.8ppm〜約8.5ppmするのが好ましい。 現在、重合アミノ酸とイソフムロン抽出物とが相互作用して、発酵飲料の泡を 増強する全てのメカニズムが、完全には理解されていないという理由で、具体的 な重合アミノ酸を選択する最良の手段は、実験である。これと関連して、具体的 な重合アミノ酸を選択する最も効果的な試験は、イソフムロン抽出物の存在下で 選んだ重合アミノ酸を評価することである。評価する方法は、単に、選択された 重合アミノ酸を低発泡性ビールに加えること(注ぎ試験)又は単に混合する(振 盪試験(HRV))ことを含む。この方法によると、特定の重合アミノ酸は他のも のよりも、有効であることが見いだされ、同様に、若干のものはビールに有意な 濁りの増加を起こすことなく、イソフムロンにより反応性である。これらには重 合 アルギニン、重合グルタミン酸、重合グリシン、重合ロイシン、重合リジン及び 重合チロシンがある。 したがって、ビールにおいて、イソフムロン抽出物と組み合わされて良く作用 する幾つかの重合アミノ酸があり、一方、十分に作用しない若干の重合アミノ酸 がある。現在、具体的なイソフムロン抽出物とともに使用する、特定の重合アミ ノ酸の選択は、実験によるのが最も好ましい。この実験は、過剰な実験を強いる ものではなく、当業者の技能で行うことができるのは明らかである。実施例 次の実施例は、本発明を実施する手順を詳細に説明するものである。この実施 例は、純粋に詳細な説明を目的として提供されるものであり、本発明の制限を示 すものではない。実施例1 試 験 方 法 発酵麦芽飲料にイソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を加えることの利点を 、一般的に、試験したそれぞれの試料の算出したシグマ泡値、付着パーセンテー ジ、及び崩壊速度を用いて評価した。このシグマ泡値は、醸造化学者のアメリカ 学会(The American Society of Brewing Chemists)に記載された方法に従って 測定された、個々のビール泡の一般的安定性を反映している。この方法の詳細な 記述は、次の文献中に見い出される:Methods of Analysis of the American So ciety of Brewing Chemists(E.Kneen ed.1976),American Society of Brew ing chemists:St.Paul,Minn。 さらに、ビールの泡に関する付着パーセンテージ及び崩壊速度を、次の条件で 測定した。ボトルに入れたビールを20℃で平衡させ、このビールを、数秒以内に 容器に泡がほぼ150ml発生するようなやり方で、200ml目盛り付きガラス容器に注 いだ。標準化された注ぎ込み条件を、同じ速度と角度で、複数のボトルにビール を同時に注ぎ込むことを可能にするアクリルボトルホールダーを使用することに より、達成した。ビールを注ぎ込む間、ボトルの口をガラス容器の上、5.08cm( 2インチ)に維持した。各ボトルを、異なる3種の容器に注ぎ、各容器内の泡の 容量(泡の総量(ml))を速やかに測定した。その後、泡が崩壊する時間 (泡崩壊時間(秒))を測定した。泡崩壊時間を、測定装置内で少なくとも0.5c mの泡リングが、泡の底部で観察できる時に、測定した。泡の総量及び泡崩壊時 間を、各ビールのボトルから取り出した3検体それぞれについて、記録した。こ れらの平均値から、崩壊速度を次のように求めた。 崩壊速度(ml/分)=泡の総量(ml)×60 / 泡崩壊時間(秒) この崩壊速度は、ビール泡が消えて行く速度を計るものである。 この値が大きくなる程、泡の品質は低くなる。 この明細書を通して、用語“付着”及び“レース”は相互に交換して使用する ことが可能であり、かつガラス容器に付着する泡の能力を言及するのに必須であ る。付着パーセンテージを測定するために、残留する泡の評価を泡崩壊時間の終 わりに、ガラス容器の内部表面上に残る泡の観察を通して行った。付着パーセン テージは、ビールの泡の安定性を計るものである。この値が大きく成る程、ビー ルの泡安定性は向上する。 顕著な例として、イソフムロン抽出物及び起泡性タンパク質の効力を次のビー ルで評価した。クラスI−“STROH LIGHT”及びクラスII−“PABST BLUE RIBBON ”及び“HAMMS”である。表1には、これらのビールの様々な性質について一般 的な範囲が記載されている。 実施例2 重合アミノ酸 実施例2では、市販されている各種重合アミノ酸の起泡性タンパク質としての 効果を、イソフムロン抽出物と組み合わせて評価した。先に指摘したように、重 合アミノ酸は全体が単一の繰り返しアミノ酸単位からなるポリペプチド又はタン パク質である。例えば、ポリリジンは、全体がリジンの繰り返し単位からなる。 種類の違う重合アミノ酸の試料をシグマケミカル社(Sigma Chemical Company) から得た。 重合アミノ酸のストック溶液を調製するために、全ての試料を4.75%エタノー ル溶液に溶かした。最初に少量の酸又は溶媒に溶かす必要があった若干の難溶性 (又は水に不溶性)の試料は次の通りである。 1.ポリ-L-アルギニン(硫酸塩)分子量43,600 50 mgを6M(モル)HC1(塩酸)2mlに溶解し、容積が25mlなるよう4.75 %エタノール溶液を加えた。 2.ポリ-L-アルギニン(塩酸塩)分子量11,600 50mgを4.75%エタノール溶液25mlに溶かした。 3.ポリ-L-リジン(臭化水素酸塩)分子量43,700 100 mgを4.75%エタノール溶液50mlに溶かした。 4.ポリ-L-メチオニン、分子量36,000 50mgをクロロホルム1.0mlに溶解し、容積が25mlなるよう4.75%エタノール 溶液を加えた。 5.ポリ-D-チロシン、分子量66,700 100mgを4.75%エタノール溶液50mlに溶かした。 6.ポリ-L-アラニン、分子量20,000 50mgをDCA(ジクロロ酢酸)1.0mlに溶解し、容積が25mlなるよう4.75% エタノール溶液を加えた。 7.ポリグリシン、分子量15,600 50mgを4.75%エタノール溶液50mlに溶かした。 8.ポリ-L-グルタミン酸(ナトリウム塩)、分子量50,740 50mgを4.75%エタノール溶液25mlに溶かした。 9.ポリ-L-アスパラギン酸(ナトリウム塩)、分子量42,500 50mgを4.75 %エタノール溶液25mlに溶かした。 10.ポリ-L-ロイシン、分子量21,700 10mgをTFA(トリフルオロ酢酸)1mlに溶解し、容積が25mlなるよう 4.75%エタノール溶液を加えた。 11.ポリ-L-ロイシン、分子量80,000 10mgをTFA(トリフルオロ酢酸)0.5mlに溶解し、容積が25mlなるよう4.7 5%エタノール溶液を加えた。 このストック溶液の最終濃度を、ストック溶液1ml当たり重合アミノ酸1,600 〜2,000ppmの範囲とした。これらの重合アミノ酸濃度は、濁りの有意な増加を避 けるように決めた。全ての重合アミノ酸溶液を、水酸化ナトリウムを用いてpH4. 2に調整し、この各ストック溶液1mlを、前もって0℃(32°F)で24時間冷却 した12オンスボトルビールに注入した。 混合ストック溶液を調製するために、各重合アミノ酸ストック溶液を、イソフ ムロン(“1−[アミノ酸]”とマークした。)又は還元イソフムロン(“[ア ミノ酸]+”とマークした。)と混合した。この混合ストック溶液におけるイソ フムロン又は還元イソフムロン抽出物の濃度を、2,000ppmとした。全ての重合ア ミノ酸溶液を、水酸化ナトリウムを用いてpH4.2に調整し、この各混合ストック 溶液1mlを、前もって0℃(32°F)で24時間冷却した12オンスボトルビールに 注入した。シグマ泡値、付着パーセンテージ、及び崩壊速度を測定する前に、全 ての処理されたビールを1日間、室温に平衡させた。 前記の条件下で、全ての重合アミノ酸が、イソフムロン又は還元イソフムロン 抽出物と結びついて、泡の安定性を向上させる訳ではない。しかし、クラスIの ビールでは、イソフムロン又は還元イソフムロン抽出物と下記の群から選択され た重合アミノ酸の組み合わせ混合物を加えることにより改善された。この重合ア ミノ酸はアルギニン、グリシン、グルタミン酸、ロイシン及びチロシンである。 次の表2は、イソフムロン又は還元イソフムロン抽出物と組み合わせた、泡の改 善に陽性なこれらの重合アミノ酸の添加による、クラスIビールの泡特性に関す る効果をまとめたものである。 1−=イソフムロンと重合アミノ酸の混合物 +=還元イソフムロンと重合アミノ酸の混合物 一方、幾つかの重合アミノ酸は、クラスIビールで試験を行った場合、好ま しくない結果を示した。これらの重合アミノ酸を、下記表3に列挙した。 この重合アミノ酸をクラスIIビールで同様に試験した。次の表4は、イソフム ロン又は還元イソフムロン抽出物と組み合わせた、泡の改善に陽性な重合アミノ 酸の添加による、クラスIIビールの泡特性に関する効果をまとめたものである。 L−=イソフムロンと重合アミノ酸の混合物 +=還元イソフムロンと重合アミノ酸の混合物 クラスIビールにおける場合と同様に、幾つかの重合アミノ酸は、クラスII ビールで試験を行った場合、好ましくない結果を示した。これらの重合アミノ酸 を、下記表5に列挙した。 驚くべきことに、正規又は還元イソフムロン抽出物と組み合わせた、重合チロ シンは、クラスIIビールに有意な改善を示さなかった。一方、クラスIビールに ついては非常に活性な泡安定剤というわけではない、重合リジンは、正規又は還 元イソフムロン抽出物と混合した後は、クラスIIビールにおける付着に著しい改 善を示した。 これらの結果は、試験された全ての重合アミノ酸が、シグマ泡値を等しく改善 するのではないことを示している。しかし、クラスIビールにおいて、アルギニ ン、グリシン、又はロイシンと組み合わせた、イソフムロン抽出物の添加により 、シグマ泡値が有意に増加した。一方、アルギニン、グリシン又はグルタミン酸 と組み合わせた還元イソフムロン抽出物のみが、クラスIビールに関するシグマ 泡値を増加させた。実施例3 重合アミノ酸の効果に関する、分子量の役割の検討 イソフムロン抽出物と組み合わせた場合の、ビールの泡を増強する重合アミノ 酸の能力における、分子量の役割を評価するため、実施例3を実施した。これと 関連して、各種の大きさの重合アルギニン及び重合ロイシンを、単独で又は還元 イソフムロン抽出物“HEXALONE”と組み合わせて、クラスI及びクラスIIの双方 のビールで試験した。この結果を、下記表6及び7にまとめた。 +=ヘキサロン(HEXALONE)を添加したもの +=ヘキサロン(HEXALONE)を添加したもの 現在、表6及び7のデータは、重合アミノ酸の分子量を変化させた場合、少な くとも、重合アルギニン又はロイシンに関する効果について一般的なパターンを 確立するものではない。一方、所定の重合アミノ酸は、クラスIビールに関し、 泡の増強と安定について最適な分子量を有するであろうし、同じ重合アミノ酸は クラスIIビールに使用する場合は、異なる最適分子量を有するであろう。同様に 、また分子量による効果は、イソフムロン抽出物の存在により変化するであろう 。したがって、前記データが、具体的なそれぞれの重合アミノ酸が所定のビール について、最適分子量を有することを示唆しているという理由で、各特定のビー ルについて、所定の重合アミノ酸での最適分子量を決定する試験を、別々に行う ことが考えられる。その実験は過度の負担を強いるものではなく、実施例8に記 載した方法に従って当業者が容易に実施できる。実施例4 小麦グルテン起泡性タンパク質の製造 実施例4は、イソフムロン抽出物を組み合わせて使用する起泡性タンパク質の 供給源として、小麦グルテンを試験するために行う。小麦グルテンをパパイン( タンパク質分解酵素)を使用して、下記のように部分的に加水分解する。 工程1:グルテン200gを酵素220gと完全に混合し、この混合物を室温で3時間 、消化した。 工程2:水200gを加えて、混合した。この混合物をさらに1時間消化した。 工程3:該溶液を水で3倍に希釈し、濾過した。 工程4:濾液のpHをリン酸で3.0に調節する。 工程5:濾液を1分間煮沸する(低温殺菌)。 工程6:安息香酸ナトリウム(防腐剤)0.15%加える。 工程7:最終的に得られた混合物を濃縮する。 加水分解されたタンパク質の溶液を、本来のpH約2.2からpH4.2に調節し、0℃ で24時間置いて、pH4.2で等電点を有するタンパク質を沈殿させた。濁りを起こ す粒子を除去するために、沈殿したタンパク質を0.45μ膜を通す濾過により除去 した。したがって、ビールに濁りを起こすタンパク質分子は、十分に減少した。 次いで、この処理済グルテンストック溶液(残留タンパク質を含む。)pH8.5に 調節し、“グルテン発泡剤”と命名した。グルテン発泡剤の分子量を測定すると 、ほぼ15,000ダルトンであった。該ストック溶液中の小麦グルテンタンパク質を 濃縮し、ほぼ4,300ppmとした。 新しいビール泡増強組成物を製造するために、グルテン発泡剤の一部を、イソ フムロン又はヘキサヒドロイソフムロン抽出物を混合し、塩錯体を形成した。ス トック溶液中の正規又は還元イソフムロン抽出物の量を、その時点で2,000ppmで あった。 グルテン発泡剤の効果を試験するため、単独で又はイソフムロン又は還元イソ フムロン抽出物と組み合わせて、この試料1mlを、前もって0℃(32°F)で24 時間冷却した12オンスボトルビールに注入した。したがって、ビール中の小麦グ ルテンタンパク質の量は、ほぼ12.0ppmであり、イソフムロン又は還元イソフム ロン抽出物の濃度は、5.6ppmであった。注入の後、このビールに急いで王冠をし た(すなわち、ボトルキャップを付け直した。)。4.75%エタノール1mlを、同 様に12オンスボトルビールに注入してコントロールとした。 この試験結果を、下記表8及び9に示す。表8にはクラスIビールの泡特性に 対するグルテン発泡剤の効果に関する結果を示す。 1−=イソフムロンとグルテン発泡剤の混合物 +=グルテン発泡剤と還元イソフムロンの混合物 同様に、表9にはクラスIIビールの泡特性に対するグルテン発泡剤の効果に関 する結果を示す。 1−=イソフムロンとグルテン発泡剤の混合物 +=グルテン発泡剤と還元イソフムロンの混合物 グルテン発泡剤を単独で添加すると、クラスI及びクラスII双方のビールにお いて、僅かに安定性が増加するだけであることは明らかである。しかし、グルテ ン発泡剤と、イソフムロン(1-グルテン発泡剤)又は還元イソフムロン抽出物 (グルテン発泡剤+)との組み合わせは、付着パーセンテージ及びシグマ泡値を 著しく増加させる。イソフムロン抽出物とグルテン発泡剤との組み合わせは、泡 崩壊速度を、クラスIビールにおけるコントロールの81%(43/53×100)に低 下させ、さらにクラスIIビールにおけるコントロールの51%(41/80×100)に 低下させた。このヘキサヒドロ(還元)イソフムロン抽出物及びグルテン発泡剤 の組み合わせは、また崩壊速度を有意に低下させた。 これらの結果は、泡の改善に関し、明らかに、グルテン発泡剤とイソフムロン 又は還元イソフムロン抽出物との組み合わせを使用する利点を示している。実施例5 エール及びラガー酵母起泡性タンパク質の調製 イソフムロン抽出物と組み合わせた場合の、起泡性タンパク質の供給源として の酵母を試験するために、実施例5を実施した。活性乾燥エール及びラガー酵母 を使用して、起泡性タンパク質ストック溶液を調製した。活性乾燥酵母(ADY ) 10gを4.75%エタノール溶液100mlに分散し、マグネットスターラー用い、室温で 1時間攪拌した。この懸濁液のpHを測定すると、6.5±0.2の範囲であった。 5分間攪拌した後、該懸濁液のpHを塩酸を用いて、pH2に調整し(“ADY抽 出物2”とラベルした。)、さらに水酸化ナトリウムを用いてpH10に調整した( “ADY抽出物10”とラベルした。)。これらの懸濁液をそれぞれ、さらに55分 間攪拌した。 攪拌後、前記ADY懸濁液を遠心分離し、酵母の細胞を除去した。各上清をpH 4.2に調整し、濾過助剤(JOHNS-MANVILLE CELLITE 512,珪藻土の形態)5,000pp m及びシリカヒドロゲル5,000ppmと混合し、0℃で24時間置いた。冷却後、続い て、各懸濁液を粗目のフィルターを通して濾過し、懸濁液の濾過助剤及びシリカ ヒドロゲルを除去した。この濾液を追加の濾過助剤5,000ppmと混合し、0.45μ( ミクロン)膜を通して再度濾過した。得られた濾液を蒸留水で100mlに希釈し、 酵母抽出物と命名した。pH10とpH2におけるラガー酵母抽出物の分子量を評価す ると、それぞれ10,300及び10,500であった。 新しいビール泡増強組成物を製造するために、還元イソフムロン抽出物1mlを 、それぞれの前記濾液に加え、蒸留水で100mlに希釈した。泡安定効果を評価す るため、この試料1mlを、冷却したビールに注入し、王冠を被せた。この試験に 用いたビールは、使用前に前もって0℃(32°F)で24時間冷却した。4.75%エ タノール溶液を同様に注入し、コントロールとした。 クラスI及びクラスII双方のビールについて得られた試験結果を、表10及び表 11に示す。還元イソフムロンなしで、pH6.5及びpH2.0でエール酵母抽出物を注入 することにより、コントロールと比較して、クラスIビールの付着能力が低下し た。この処理済ビールのシグマ泡値も、また低下した。 加えて、全てのエール及びラガー酵母抽出物を還元イソフムロン抽出物と混合 した。試験を行うと、クラスIビールで、泡付着と崩壊速度の双方について、泡 安定性が有意に改善されているのが見い出された。表10は、クラスIビールの泡 特性に対し、様々なpH値における酵母抽出物の効果について得られた結果を示し ている。 +=酵母抽出物及び還元イソフムロンの混合物 表11は、クラスIIビールの泡特性に対し、様々なpH値における酵母抽出物の効 果について得られた結果を示している。この活性乾燥エール酵母から得られた酵 母抽出物は、クラスIIビールにおける泡付着に対する、同じ程度の反応促進作用 を示した。 +=酵母抽出物及び還元イソフムロンの混合物 各酵母抽出物を還元イソフムロン抽出物と組み合わせた場合、泡安定性は有意 に改善された。その結果は、酵母抽出物と還元イソフムロン抽出物との混合物が 、泡安定性を改善したことを明瞭に示している。実施例6 麦芽処理された大麦起泡性タンパク質の調製 イソフムロン抽出物と組み合わせた場合の、起泡性タンパク質の供給源として の麦芽処理された大麦を試験するために、実施例6を実施した。大麦麦芽を磨砕 し、0.08%硫酸カルシウムを含む45℃の醸造水に入れた。該マッシュビル(mash bill)は高度タンパク質2及び6麦芽(row malts)を含んでいた。ここで注意 しなければならないのは、硫酸カルシウムの濃度は可変的であり、所望により低 くも高くもできる。該マッシュを45℃で15分間攪拌し、大きな麦芽タンパク質分 子を加水分解し、5,000〜100,000ダルトンの分子量を有する短いアミノ酸連鎖分 子を形成する。注意すべきなのは、このタンパク質加水分解時間を通常の30分間 から短縮することである。これは5,000ダルトンよりも小さい分子量を有する小 アミノ酸分子の生成を減らすためである。 15分の養生時間が経過した後、該マッシュの温度を65℃に上げ、この温度をほ ぼ30分間維持し、麦芽デンプンを活発に加水分解する。ほとんどのデンプン分子 は加水分解されて、この時間内に糖類になる。このマッシュの温度を最終的に約 5〜10分間、80℃に上げ(完全転化に依存する。)、全ての麦芽酵素を破壊し、 このマッシュをラウタータブ(lautor tub)に移した。次いで、このマッシュを ラウタータブを通して濾過し、透明な濾過済マッシュを得た。部分的に加水分解 されたタンパク質を保護するため、ケトル沸騰を避けた。同じ理由でホップを加 えなかった。 伝統的な方法に従って、抗発泡剤の存在下で、醸造用酵母を用い、透明な濾過 済マッシュを発酵させて、所望の希薄溶液(attenuation)にした。醸造工業で 許容されている食品クレードの抗発泡剤であれば、どのようなタイプのものも認 められる。次いで、発酵したマッシュを遠心分離し、懸濁されている酵母を除去 し、粗目のフィルター床を通して濾過し、細かい粒子を除去した。得られた、ホ ップなしの発酵ビールを、−2℃〜0℃(28〜32゜F)で1日〜2日冷却した。 この発酵、ホップなしマッシュを、シリカヒドロゲルの助剤400〜800ppm及び濾 過助剤(JOHNS-MANVILLE CELITE 512)400ppmとともに濾過し、冷却−曇り原因 物質を除去した。 タンパク質複合体を分離するため、次に該発酵、ホップなしマッシュを30,000 ダルトンの分子量分離制限を有する限外濾過システムを使用し、プリセット中空 繊維カートリッジ内で抽出した。この濃縮工程の間、多くの低分子量物質が除去 された。この低分子量物質には、水、アルコール、アミノ酸、非発酵糖類及び脂 肪酸が含まれる。この限外濾過工程で該ビールが本来の容量の10%に抽出された 。このビール抽出物を麦芽発泡剤Iと命名した。 泡増強組成物として、麦芽発泡剤Iの効果を試験するため、麦芽発泡剤Iを、 イソフムロン(1-麦芽発泡剤と命名)又はヘキサヒドロイソフムロン抽出物( 麦芽発泡剤+と命名)1.0ppm〜18ppmと混合し、前記実施例2に記載したのと同 じ方法でクラスIIビールに添加した。 下記表12に示すように、イソフムロン抽出物、還元イソフムロン抽出物又は麦 芽発泡剤I単独では、有意に泡安定性を改善することはできなかった。しかし、 麦芽発泡剤Iを、イソフムロン又は還元イソフムロン抽出物と混合した場合、泡 安定効果は有意に改善された。注意すべきなのは、この新しい組み合わで処理し た、これらの試験用ビールに関し、ガラス容器に付着する該ビールの能力が有意 に増加することである。 1−=イソフムロンと麦芽発泡剤の混合物 +=麦芽発泡剤と還元イソフムロンの混合物実施例7 麦芽処理された小麦起泡性タンパク質の調製 イソフムロン抽出物と組み合わせた場合の、起泡性タンパク質の供給源として の麦芽処理された小麦を試験するために、実施例7を実施した。本来のマッシュ ビル(2及び6麦芽(row malts)以外のもの)として、6麦芽(row ma ts)及 び小麦麦芽(10%)を使用した以外は、実施例6に記載した方法に従って、透明 な濾過済マッシュを得た。発酵は、固定化酵母細胞を含むバイオリアクターで行 った。発酵は速やかに進み、仕上がったホップなしビールは、浮遊酵母細胞が低 レベルであった。したがって、酵母細胞を分離するために遠心分離を行なわなか ったが、限外濾過に進める前に、粒子を除去するために、最初の濾過が必要であ った。 30,000ダルトンの分子量分離制限を有する中空繊維カートリッジを使用して限 外濾過を行い、30,000ダルトン未満の分子量を有するタンパク質から、高分子量 のタンパク質を分離した。これらの小さなタンパク質は、ホップなしビールとと もに、単独で分離され、限外濾過システムには高分子量タンパク質画分が残った 。冷却試験の為に、タンニン酸約40〜80ppm及び濾過助剤(JOHNS-MANVILLE CELI TE512)400ppmを、この抽出した高分子量のタンパク質画分に加え、この抽出物 (MF3Tと命名)を、濾過前に、−2℃〜0℃(28〜32゜F)で1日間冷却した。 その他に、このホップなしマッシュに、タンニン酸に代えて、シリカヒドロゲル 400〜800ppmを加え、この抽出物(MF3Cと命名)で冷却試験を行った。双方の冷 却試験高分子量画を別々に、イソフムロン又は還元イソフムロン抽出物1.0ppm〜 18ppmと組み合わせて、泡安定剤MF3T及びMF3Cを製造した。この新しい組成物を 、前記実施例2に記載された方法にしたがって、クラスIIビールについて試験し た。 1-=イソフムロンと麦芽発泡剤3C又は3Tの混合物 +=麦芽発泡剤3C又は3Tと還元イソフムロンの混合物実施例8 振盪試験(HRV) 所定の麦芽飲料に加える、イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質の最適濃度 を決めるため、振盪試験(HRV)を実施した。この振盪試験(HRV)を実施するた め、特定の起泡性タンパク質溶液10mlを入れた、一連の50ml目盛り付きシリンダ ーを準備した。この起泡性タンパク質溶液を、前記実施例2〜7に記載した方法 及び技術に従って得た。次いで、様々な量のイソフムロン又は還元イソフムロン 抽出物をシリンダーに加えた。各シリンダーを固定して、5秒間激しく振盪し、 泡の高さをミリリットル単位で記録した。5分後、最終の泡の高さと液体の高さ を記録した。これらの値から、各試料毎のヘッド保持値(すなわち、ミリリット ル単 位の最終の泡と液体の高さ間の相違)を求めた。 表14は、還元イソフムロン抽出物及び麦芽発泡剤1(MF1)の20%溶液を使用 して達成したデータの例である。この麦芽発泡剤1は、前記実施例6に記載され ている方法及び技術に従って、麦芽から誘導された起泡性タンパク質である。 付着性記号:0−10%=劣、10−30%=並 30−60%=良、60%+=秀 この実施例において、ほとんどの場合、イソフムロン抽出物の最適水準に到達 した後は、ヘッド保持値の増加が止まっている。この値は、イソフムロン抽出物 と起泡性タンパク質の飽和点であると考えられる。この安定水準は、追加のイソ フムロン抽出物が起泡性タンパク質と反応することができない水準に到達したも のであるから、さらに添加しても効果はない。 したがって、前記実施例から、イソフムロン抽出物、還元イソフムロン抽出物 又は部分的に加水分解されたタンパク質の単独での、単成分添加は、前記の特定 濃度では、有効ではない。しかし、イソフムロン又は還元イソフムロン抽出物と 、 部分的に加水分解されたタンパク質との組み合わせは、泡の安定性を増強し、濁 りや曇りの形成を増加させるような副作用はない。このような積極的な利益を引 き出すため、該成分を醸造工程の後半、濾過又は仕上げの後に加える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,SN,TD, TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,CH, DE,DK,ES,FI,GB,HU,JP,KP,K R,LK,LU,MG,MN,MW,NL,NO,NZ ,PL,RO,RU,SD,SE,UA (72)発明者 ハラー ヘルガ ジェイ アメリカ合衆国 イリノイ州 60645 リ ンカーンウッド ノース ドレイク 6619

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.発酵麦芽飲料の泡特性を向上する方法であって、該飲料に、 (a)該飲料の重量の約0.1ppm〜約20ppmのイソフムロン抽出物;及び (b)該飲料の重量の約2ppm〜約250ppmの起泡性タンパク質を加えることを含 む方法。 2.該麦芽飲料の熟成後に、イソフムロン抽出物及び起泡性タンパク質を加える 、請求の範囲第1項記載の方法。 3.該イソフムロン抽出物が、非還元イソフムロンである請求の範囲第1項記載 の方法。 4.該イソフムロン抽出物が、還元されたイソフムロンである請求の範囲第1項 記載の方法。 5.該イソフムロン抽出物が、ヘキサヒドロイソフムロンである請求の範囲第1 項記載の方法。 6.該起泡性タンパク質が重合アミノ酸である、請求の範囲第1項記載の方法。 7.前記重合アミノ酸が、重合アルギニン、重合グルタミン酸、重合グリシン、 重合ロイシン、重合リジン及び重合チロシンからなる群より選ばれたものである 、請求の範囲第6項記載の方法。 8.該起泡性タンパク質が、小麦グルテン、麦芽処理された大麦、麦芽処理され た小麦、エール酵母及びラガー酵母からなる群より選ばれた供給源から誘導され たものである、請求の範囲第1項記載の方法。 9.発酵麦芽飲料の泡特性を向上する方法であって、該飲料に、 (a)該飲料の重量の約0.8ppm〜約17ppmのイソフムロン抽出物;及び (b)該飲料の重量の約4ppm〜約100ppmの起泡性タンパク質を加えることを含 む方法。 10.該麦芽飲料の熟成後に、イソフムロン抽出物及び起泡性タンパク質を加える 、請求の範囲第9項記載の方法。 11.該イソフムロン抽出物が、非還元イソフムロンである請求の範囲第9項記載 の方法。 12.該イソフムロン抽出物が、還元されたイソフムロンである請求の範囲第9項 記載の方法。 13.該イソフムロン抽出物が、ヘキサヒドロイソフムロンである請求の範囲第9 項記載の方法。 14.該起泡性タンパク質が重合アミノ酸である、請求の範囲第9項記載の方法。 15.前記重合アミノ酸が、重合アルギニン、重合グルタミン酸、重合グリシン、 重合ロイシン、重合リジン及び重合チロシンからなる群より選ばれたものである 、請求の範囲第14項記載の方法。 16.該起泡性タンパク質が、小麦グルテン、麦芽処理された大麦、麦芽処理され た小麦、エール酵母及びラガー酵母からなる群より選ばれた供給源から誘導され たものである、請求の範囲第9項記載の方法。 17.イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を含む発酵麦芽飲料泡増強組成物で あって、該イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質の比率が、約1:約1〜約1 :約2,500の間である組成物。 18.該イソフムロン抽出物が、非還元イソフムロンである請求の範囲第17項記載 の組成物。 19.該イソフムロン抽出物が、還元されたイソフムロンである請求の範囲第17項 記載の組成物。 20.該イソフムロン抽出物が、ヘキサヒドロイソフムロンである請求の範囲第17 項記載の組成物。 21.該起泡性タンパク質が重合アミノ酸である、請求の範囲第17項記載の組成物 。 22.前記重合アミノ酸が、重合アルギニン、重合グルタミン酸、重合グリシン、 重合ロイシン、重合リジン及び重合チロシンからなる群より選ばれたものである 、請求の範囲第21項記載の組成物。 23.該起泡性タンパク質が、小麦グルテン、麦芽処理された大麦、麦芽処理され た小麦、エール酵母及びラガー酵母からなる群より選ばれた供給源から誘導され たものである、請求の範囲第17項記載の組成物。 24.イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質を含む発酵麦芽飲料泡増強組成物で あって、該イソフムロン抽出物と起泡性タンパク質の比率が、約1:約10〜約1 :約250の間である組成物。 25.該イソフムロン抽出物が、非還元イソフムロンである請求の範囲第24項記載 の組成物。 26.該イソフムロン抽出物が、還元されたイソフムロンである請求の範囲第24項 記載の組成物。 27.該イソフムロン抽出物が、ヘキサヒドロイソフムロンである請求の範囲第24 項記載の組成物。 28.該起泡性タンパク質が重合アミノ酸である、請求の範囲第24項記載の組成物 。 29.前記重合アミノ酸が、重合アルギニン、重合グルタミン酸、重合グリシン、 重合ロイシン、重合リジン及び重合チロシンからなる群より選ばれたものである 、請求の範囲第28項記載の組成物。 30.該起泡性タンパク質が、小麦グルテン、麦芽処理された大麦、麦芽処理され た小麦、エール酵母及びラガー酵母からなる群より選ばれた供給源から誘導され たものである、請求の範囲第24項記載の組成物。 31.下記成分(a)〜(c)を含む泡特性を向上した飲料組成物: (a)発酵麦芽飲料; (b)イソフムロン抽出物、なお、該イソフムロン抽出物は、前記発酵麦芽飲 料の重量の約0.1ppm〜約20ppm含まれる;及び (c)起泡性タンパク質、なお、該起泡性タンパク質は、前記発酵麦芽飲料の 重量の約2ppm〜約250ppm含まれる。 32.該イソフムロン抽出物が、非還元イソフムロンである請求の範囲第31項記載 の組成物。 33.該イソフムロン抽出物が、還元されたイソフムロンである請求の範囲第31項 記載の組成物。 34.該イソフムロン抽出物が、ヘキサヒドロイソフムロンである請求の範囲第31 項記載の組成物。 35.該起泡性タンパク質が重合アミノ酸である、請求の範囲第31項記載の組成物 。 36.前記重合アミノ酸が、重合アルギニン、重合グルタミン酸、重合グリシン、 重合ロイシン、重合リジン及び重合チロシンからなる群より選ばれたものである 、請求の範囲第35項記載の組成物。 37.該起泡性タンパク質が、小麦グルテン、麦芽処理された小麦、麦芽処理され た大麦、エール酵母及びラガー酵母からなる群より選ばれた供給源から誘導され たものである、請求の範囲第31項記載の組成物。
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