JPH08500826A - Lfa−1仲介疾患を処置する方法 - Google Patents

Lfa−1仲介疾患を処置する方法

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JPH08500826A JP6506552A JP50655294A JPH08500826A JP H08500826 A JPH08500826 A JP H08500826A JP 6506552 A JP6506552 A JP 6506552A JP 50655294 A JP50655294 A JP 50655294A JP H08500826 A JPH08500826 A JP H08500826A
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Abstract

(57)【要約】 LFA−1仲介疾患に罹患している、またはその危険性がある哺乳動物に、LFA−1アンタゴニストの治療的有効量である初期用量を投与し、続いて1日を基準に計算してアンタゴニストの初期用量の100%未満であるLFA−1アンタゴニストの治療的有効量であるその後の間欠的用量を投与するための方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 LFA−1仲介疾患を処置する方法 発明の背景 発明の分野 本発明は、望ましくない免疫反応に陥っている哺乳動物、好ましくは人間を処 置する方法に関するものである。特に本発明は、移植された移植片および免疫疾 患により惹起されるようなLFA−1仲介疾患を改善する方法に関するものであ る。 背景および関連技術の説明 Tリンパ球により仲介される異常および疾病の処置は、多くの経路から取り組 まれてきた。慢性関節リウマチ(RA)はこのような異常の1つである。RAに 対する現行の治療は臥床、温熱の適用、および薬物である。サリチラートが現在 好ましい薬物であるが、これは特に、免疫抑制剤および副腎皮質ステロイド類の ような他の代替薬物が基礎疾患自身よりも大きな病的状態を引き起こし得るため である。非ステロイド性抗炎症薬が利用でき、それらの多くはRA患者において 有効な鎮痛、解熱、および抗炎症活性を有する。これらは、インドメタシン、フ ェニルブタゾン、フェニル酢酸誘導体、例えばイブプロフェンおよびフェノプロ フェン、ナフタレン酢酸類(ナプロキセン)、ピロールアルカン酸(トメチン) 、インドール酢酸類(スリンダック)、ハロゲン化アントラニル酸(メクロフェ ナム酸ナトリウム)、ピロキシカム、ならびにジフルニサルを包含する。RAに おける使用のためのその他の薬物は、クロロキンのような抗マラリア薬、金塩類 およびペニシラミンを包含する。これらの代替薬はしばしば網膜の損傷ならびに 腎および骨髄毒性を包含する重篤な副作用を産む。メソトレキサートのような免 疫抑制剤は、それらの毒性の故に、重篤で緩解しないRAの処置にのみ使用され てきた。コルチコステロイド類もまた望ましくない副作用(例えば白内障、骨粗 鬆症、およびクッシング病症候群)の原因となり、多くのRA患者において良好 に寛容されない。 Tリンパ球により仲介されるもう1つの障害は、移植後の宿主または移植片の 拒絶である。移植された同種移植片および異種移植片の生着を延長し、または移 植片対宿主の拒絶を防止するための試みは、実験モデルおよび医学的実践の両者 において、主に受容者の免疫装置の抑制を中心に置いてきた。この処置は予防的 免疫抑制および/または移植片拒絶の処置をそのねらいとしている。予防的免疫 抑制のために使用される薬物の例は、細胞毒性薬物、抗代謝薬、コルチコステロ イド類、および抗リンパ球血清を包含する。予防的免疫抑制において特に有効で あることがわかった非特異的免疫抑制剤(アザチオプリン、プロモクリプチン、 メチルプレドニソロン、プレドニソン、そして最も最近ではシクロスポリンA) は、移植の臨床的成功を著しく改善した。腎臓移植後のシクロスポリンAの腎毒 性は、プレドニソロンのようなステロイドの同時投与、またはアザチオプリンと 共にプレドニソロンを同時投与することによって軽減された。さらに、抗リンパ 球グロブリン、引続きシクロスポリンAを使用して、腎臓がうまく移植された。 評価されている別のプロトコルは、移植前に受容者に全リンパ照射を実施し、そ の後最少限の免疫抑制剤を移植後に使用することである。 拒絶に対する処置には、ステロイド、2−アミノ−6−アリール−5−置換ピ リミジン類、ヘテロローガスな抗リンパ球グロブリン、および、OKT−3を包 含する種々の白血球集団に対するモノクローナル抗体の使用が含まれる。一般に はJ.Pediatrics、111巻1004−1007頁(1987)、そして詳細に は米国特許第4665077号を参照されたい。 免疫抑制剤の主たる合併症は感染症である。これに加えて、全身的免疫抑制は 、望ましくない毒性効果(例えば腎臓移植後にシクロスポリンAが使用された場 合の腎毒性)、および造血幹細胞のレベルの低下を伴う。免疫抑制薬はさらに、 肥満、創傷治癒の遷延、ステロイド高血糖、ステロイド精神病、白血球減少症、 胃腸出血、リンパ腫、および高血圧を引き起こし得る。 これらの合併症を考慮して移植免疫学者等は、抗原特異的なやり方で免疫応答 性を抑制する(その結果、ドナーの同種抗原に対する反応のみが失われる)方法 を追求してきた。さらに、自己免疫疾患を専門とする医師等は、自己抗原に対す る反応のみが失われるように自己免疫反応を抑制する方法を捜し求めている。こ のような特異的免疫抑制は一般に、移植される組織の抗原性または拒絶を仲介す ることのできる特異的細胞のいずれかを修飾することによって達成されてきた。 或る事例では、免疫または寛容のいずれが誘導されるかは、抗原が免疫系に提示 されるやり方に依存する。移植の前に同種移植組織を組織培養中で生育させるこ とにより前処理すると、2つのマウスのモデル系においてMHC障壁に対して永 久許容が導かれることが判明した。ラファティー等、TranspIantation、22巻 138−149頁(1976);ボウエン等、Lancet、2巻585−586頁 (1979)。このような処置は、通過するリンパ系細胞の涸渇、そしてそれ故 に組織免疫原性に必要な刺激細胞集団の不在をもたらすという仮説が提示されて いる。ラファティー等、Annu.Rev.Immunol.、1巻143頁(1983) 。さらに、ラファティー等、Science、188巻259−261頁(1975) (臓器培養中に維持された甲状腺)、およびゴアズ等、J.Immunol.、13 7巻1482−1485頁(1986)およびフォーストマン等、Proc.Natl .Acad.Sci.U.S.A.、78巻5156−5159頁(1981)(移 植前にマウス抗Ia抗血清および補体で処理したランゲルハンス島細胞)を参照 されたい。また、リンパ球毒性薬物およびガンマ線照射により前処置したドナー 動物から取得しインビトロで10日間培養した甲状腺は、いかなる正常な同種受 容者によっても拒絶されなかった。ゴーズおよびバッハ、J.Exp.Med.、1 49巻1254−1259頁(1979)。これらの技術は全てドナーのリンパ 球細胞の涸渇または除去を含んでいる。 血管および腎臓移植のような幾つかのモデルにおいては、皮膚移植には存在し ない相関である、クラス11適合と同種移植片生着の延長との相関が存在する。 ペスコヴィッツ等、J.Exp.Med.、160巻1495−1508頁(198 4);コンティ等、Transplant.Proc.、19巻652−654頁(1987 )。故にドナー−受容者のHLA適合が利用された。加えて、移植前の輸血が有 効であることがわかった。オペルズ等、Transplant.Proc.、4巻253頁( 1973);パーシジュン等、Transplant.Proc.、23巻396頁(197 9)。 移植前の輸血、ドナー−受容者のHLAの適合、および移植後の免疫抑制療法( シクロスポリンA)の組合せは移植片の生着率を有意に改善し、その効果は相加 的であることがわかった。オペルズ等、Transplant.Proc.、17巻2179 頁(1985)。 移植の応答は、MHC抗原のための免疫レセプターに対する抗体によって修飾 することもできる。ブルーストーン等、Immunol.Rev.、90巻5−27頁( 1986)。さらに、移植片の生着は、特異的免疫抑制を産む宿主反応を導く抗 移植片抗体の存在下で延長され得る。ランカスター等、Nature、315巻33 6−337頁(1985)。MHC抗原に対する宿主の免疫反応は、臓器移植の 準備手順としての骨髄移植を使用することにより特異的に修飾することができる 。即ち、ドナーの骨髄接種物から成熟T細胞を涸渇させるために抗T細胞モノク ローナル抗体を使用し、骨髄移植が移植片対宿主病を招かないようにするのであ る。ミュラー−ラックホルツ等、Transplant.Proc.、8巻537−541頁 (1976)。さらに、骨髄移植のために残っている宿主リンパ系細胞の成分が 、全く同種の移植片を用いた場合に起こる免疫不全の問題を解決する。 内皮細胞へのリンパ球の接着が、炎症の過程における重要な事象である。T細 胞および内皮細胞の活性化状態に応じて、知られている内皮細胞へのリンパ球の 接着経路が少なくとも三つある。T細胞の免疫認識は、T細胞レセプターおよび 接着レセプターの寄与を必要とし、これらは抗原提示細胞へのT細胞の付着を促 進し、且つT細胞活性化のための調節シグナルを伝達する。幾つかの病的状態に つながるこれらの細胞接着相互作用に関与するリンパ球上の主要なインテグリン レセプターとして、リンパ球機能関連(LFA)抗原−1(LFA−1、CD1 1a、α鎖/CD18、β鎖)が同定されている。内皮細胞免疫グロブリン様接 着分子であるICAM−1が、LFA−1に対する既知のリガンドであり、移植 片拒絶、乾癖、および関節炎に直接関係している。 LFA−1は、抗原提示細胞に応答しヘルパーT細胞によるリンホカインの産 生、キラーT細胞の仲介する標的細胞の溶解、およびT細胞−B細胞相互作用に よる免疫グロブリン産生を含む幅広い白血球機能に必要とされる。T細胞およ びB細胞上の抗原レセプターの活性化は、LFA−1を高い親和性でそのリガン ドに結合することを可能にする。 LFA−1に対するモノクローナル抗体(MAb)は、LFA−1の機能の最 初の同定および研究を導いた。ダヴィグノン等、J.Immunol.、127巻59 0頁(1981)。LFA−1は白血球上にのみ存在し[クレンスキー等、J. Immunol.、131巻611頁(1983)]、そしてICAM−1は、活性化 白血球、皮膚繊維芽細胞、および内皮上に分布している。ダスティン等、J.I mmunol.、137巻245頁(1986)。 かつての研究は、多くのインビトロT細胞依存免疫機能および限られた数のイ ンビボ免疫反応に及ぼす抗CD11a MAbの作用を調べている。インビトロ では、抗CD11a MAbは、T細胞の活性化[キュイパーズ等、Res.I mmunol.、140巻461頁(1989)]、T細胞依存B細胞増殖および分化 [ダヴィグノン等、上記;フィッシャー等、J.Immunol.、136巻3198 頁(1986)]、細胞傷害性T細胞による標的細胞の溶解[クレンスキー等、 上記]、免疫複合体の形成[サンダーズ等、J.Immunol.、137巻2395 頁(1986);メンツァー等、J.Immunol.、135巻9頁(1985)] および血管内皮へのT細胞の接着を阻害する。ロー等、J.Immunol.、143 巻3325頁(1989)。さらに、CD11b/CD18に対する抗体5C6 は、マクロファージおよびT細胞の両者によるランゲルハンス島内浸潤を防止し 、マウスにおけるインシュリン依存性真性糖尿病の進行を阻害することが判明し た。ハッチングズ等、Nature、348巻639頁(1990)。 LFA−1−ICAM−1相互作用がインビトロでのT細胞機能の最適化に必 要であるという所見、および、抗CD11aMAbが蛋白抗原に対する寛容を誘 導し[ベンジャミン等、Eur.J.Immunol.、18巻1079頁(1988) ]そしてマウスにおける腫瘍移植片の生着を延長する[ヘギー等、Transplanta tion、37巻520−523頁(1984)]という所見は、これらの分子に対 するMAbを人間での移植片拒絶の防止について試験するための基礎であった。 霊長類での実験もまた実施されている。例えば、サルでの実験に基づくと、I CAM−1に対するMAbが腎臓移植片拒絶を防止または覆しさえすることが示 唆されている。コシミ等、「R6.5、細胞間接着分子−1に対するモノクロー ナル抗体による、カニクイザル受容者の腎臓同種移植片の免疫抑制」、スプリン ガー等(編)、Leukocyte Adhesion Molecules(ニューヨーク:スプリン ガー、1988)、274頁;コシミ等、J.Immuno1ogy、144巻4604 −4612頁(1990)。さらに、カニクイザルへのインビボでの抗CD11 a MAbの投与は、皮膚同種移植片の生着を延長した。バーリン等、Transpl an tat1on、53巻840−849頁(1992)。 遺伝病を持つ子供において骨髄不適合の半数体移植片の拒絶をうまく防止した 最初のラット抗マウスCD11a抗体(25−3;IgG1)の使用は、フィッ シャー等、Lancet、2巻1058頁(1986)によって報告された。最小限 の副作用が観察された。さらに、フィッシャー等、Blood、77巻249頁(1 991);ヴァン・ディジュケン等、Transp1antation、49巻882頁(19 90);およびペレッツ等、Bone Marrow Transp1antion、4巻379頁( 1989)をも参照されたい。さらに、抗体25−3は、人間におけるステロイ ド耐性の急性移植片対宿主病の制御に有効であった。ストッパ等、Transplant .Int.、4巻3−7頁(1991)。 しかしながらこれらの結果は、このMAbを用いる、または別の試験的研究に おいての、LFA−1の不変鎖に対する抗CD18 MAbを用いる白血病成人 患者の移植[マラニンチ等、Bone Marrow Transp1ant、4巻147−150 頁(1989)]においては再現性が無かった。バウム等、Transp1antation4 7巻472頁(1989)。さらに、ラット抗マウスCD11a MAb、25 −3は、人間の腎臓移植における急性拒絶の過程を制御することができなかった 。ルモーフ等、Transp1antation、52巻291頁(1991)。 人間の移植におけるモノクローナル抗体の使用についての総説は、ダンタルお よびソウリロー、Current Opinion in Immuno1ogy、3巻740−747 頁(1991)により供されている。 最近の報告は、抗LFA−1または抗ICAM−1 MAbのいずれかによる 短時間の処置が、最初から脈管化された異所性心臓同種移植片の生着をマウスに おいて僅かに延長する事を示した。イソベ等、Science、255巻1125頁( 1992)。しかしながら、このモデルで長期間の移植片の生着を達成するため には、両方のMAbによる併用処置が必要であった。 個別的には、抗LFA−1 MAb単独では、最大用量4mg/kg/日で毎日 投与後週に1回の処置を用いる場合、最初から脈管化されていない異所性(耳介 )マウス心臓移植片の生着を強力且つ有効に延長することが示された。ナカクラ 等、J.Heart Lung Transplant.、11巻223頁(1992)[The N ew York Times、B6頁(1992年3月10日、火曜日)、サンドラ・ブレ イクスリーによる「研究所における新しい技術が臓器移植の拒絶を防止する」を も参照されたい。]。最初から脈管化されていない心臓同種移植は最初から脈管 化されている心臓同種移植よりMAbによる生着の延長に対し、より免疫原性且 つ抵抗性である。ワレン等、Transplant.Proc.、5巻717頁(1973 );トレージャー等、Transp1antation、47巻587頁(1989)。後者の 文献は、初期に高用量そしてその後はより低用量を用いたL3T4に対する抗体 による処置を論じている。 ナカクラ等、上記により用いられたものと同様の抗体を使用した齧歯類の硬化 症型疾患の処置に関する別の研究が、イェドノック等、Nature、356巻63 −66頁(1992)により報告されている。 LFA−1仲介疾患を処置するための抗LFA−1抗体ならびにICAM−1 、ICAM−2、およびLFA−3ならびにこれらの抗体の使用についてのさら なる開示は、91年11月28日公開のWO91/18011号、91年11月 14日公開のWO91/16928号、91年11月14日公開のWO91/1 6927号、91年6月13日公開のカナダ国特許出願2008368号、90 年12月13日公開のWO90/15076号、90年9月20日公開のWO9 0/10652号、90年9月19日公開のEP387668号、90年7月2 6日公開のWO90/08187号、90年8月1日公開のEP379904号 、89年12月13日公開のEP346078号、米国特許第5071964号 、 米国特許第5002869号、88年11月10日公開のオーストラリア国特許 出願8815518号、88年11月9日公開のEP289949号、および8 9年2月22日公開のEP303692号を包含する。 抗LFA−1または抗ICAM−1抗体をうまく利用する上の方法は伝統的な 免疫抑制薬物療法の改善を示す。しかしながらこれらは、免疫系を過度に抑制( 且つ感染の有意な危険性を創出する)するかまたは長期の寛容には不十分である かいずれかであると予想される、最小または固定用量より高い用量を主張してい る。当分野には、自己免疫疾患、移植片対宿主または宿主対移植片拒絶、および T細胞炎症反応のようなLFA−1により仲介される疾患をより良く処置し、そ の結果副作用を最小限にし、自己または外来抗原に対する特異的寛容を維持する 必要性が存在する。 したがって、LFA−1仲介疾患に対する耐性を維持するための、副作用が最 小限である改善法を提供することが本発明の1つの目的である。 移植において移植片の生着を延長することがもう1つの目的である。 移植患者に大用量の免疫抑制剤を使用することから起こる毒性および他の望ま しくない作用を最小限とすることが、さらなる目的である。 さらに別の目的は、宿主に、特異的免疫疾患を惹起する物質または抗原に対す る選択的寛容を提供し、その結果、常套的な免疫抑制剤または用量が使用された 場合に起こる感染および免疫系へのその他の侵襲に対し罹患性を低下させること である。 これらのおよびその他の目的は、当業者にとって明らかとなるであろう。 発明の要約 これらの目的は、哺乳動物にLFA−1アンタゴニストの治療的有効量である 初期用量を投与し、続いて1日を基準に計算してLFA−1アンタゴニストの初 期用量の100%未満であるLFA−1アンタゴニストの治療的有効量であるそ の後の間欠的用量を投与し、それにより当該哺乳動物に当該疾患の選択的寛容を 獲得させることからなる、哺乳動物においてLFA−1仲介疾患を処置する方法 によって達成される。好ましくは、LFA−1アンタゴニストは抗LFA−1抗 体、特に抗CD11aである。 驚くべきことに、特異的寛容は用量計画を調節することにより誘導される事、 そして処置の過程を通じてアンタゴニストの用量を最初のレベルと同じに維持す る必要は無い事が判明した。さらに、移植時の移植片の生着が、最初高用量を与 え、その後持続的維持用量を与える投与計画を用いることにより延長されること もまた意外なことであった。ただ1種類の薬物を使用するこの投与法が、疾患を 引き起こす物質に対する宿主の選択的寛容をもたらし、その結果宿主の防御系が 著しく低下しなかったこともまた予想外であった。 本明細書に記載の移植法は同種移植および異種移植の両者に適用可能であり、 異種移植の使用は、人間からの組織の供給が限られていることにより遭遇する困 難を克服するものである。 図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、それぞれ、C3Hマウス受容者における最初から脈管化 されていない異所性(耳介)BALB/c心臓移植片の生着の延長についての、 1−13日のM17(抗CD11aMAb、星印)およびシクロスポリンA(C sA、丸印)による処置の、効力比較および力価を示す図である。 図2は、BALB/cからC3Hマウスへの計数的心臓移植バイオアッセイか ら誘導されたデータのイソボログラムプロットである。この検定を用いて、異な る用量のM17およびCsA(n=5/用量群)による毎日の併用処置が移植片 の生着に及ぼす効果を評価した。移植後14日における生着移植片パーセントを この検定の終点として使用した。 図3は、C3Hマウス受容者(n=4−14/群)における異所性(耳介)の 、最初から脈管化されていないBALB/c心臓移植片の生着に及ぼすM17用 量(腹腔内、i.p.)および投与計画の効果を示す図である。マンーフィット ニーU試験を用いて、群間の生着時間における相違についての統計学的有意性の レベル(小サイズの試料用に補正)を決定した。p>0.05を有意でない(N S)と考えた。白抜きの丸はラットIgG2aイソタイプ対照2mg/kgの0−1 3日間毎日投与であり、塗りつぶした正方形は、M17 2mg/kgの0−13日 間毎 日投与であり、塗りつぶした丸はM17 2mg/kgの0−13日間3日毎の投与 であり、三角形はM17 2mg/kgの0−20日間毎日投与、続いて98日まで 週に1回投与であり、そして星印はM17 8mg/kgの0−14日間毎日投与、 続いて99日まで2mg/kgの2過間毎の投与である。 図4は、BALB/c同種抗原に対して前感作されたC3H受容者マウスにお けるBALB/c耳一心臓同種移植片生着に及ぼす異なったM17処置計画の効 果を示す図である。正方形はラットIgG2aイソタイプ対照であり、丸はM1 7であり、ここで塗りつぶしてあるものは−7ないし−3日であり、陰を付して あるものは−7ないし13日であり、そして白抜きは0ないし13日である。 図5は、フローサイトメトリーにより測定された、脾臓リンパ球数の相対的比 率に及ぼすM17処置の効果を示す図である。白抜きの棒は非処置であり、陰付 きの棒はラットIgG2aイソタイプ対照による処置であり、そして塗りつぶし た棒はM17による処置であり、ここで、処置とは、0ないし13日の4mg/kg /日i.p.である。 図6は、ConAに対するC3H脾臓細胞のインビトロ増殖反応に及ぼすイン ビボのM17処置の効果を示す図である。3H−TdR取り込みにおける平均の 変化パーセント対ConA濃度のグラフの陰付きの部分は阻害を表わし、一方陰 の無い部分は活性化を表わす。p値は対照に対する値である。 図7は、宿主対移植片膝窩リンパ節(PLN)過形成検定に及ぼすM17によ る処置の効果を示す図である。p値は対照に対する値である。 図8は、人間の混合リンパ球反応に及ぼす抗CD18(白抜きの丸)、抗CD 11a(塗りつぶした丸)、抗ICAM(白抜きの正方形)およびイソタイプ対 照(塗りつぶした正方形)の阻害効果を示す図である。 図9は、細胞傷害性Tリンパ球が標的細胞を死滅させることに対する対照抗体 (塗りつぶした棒)、H52(破線でうめた棒)、抗CD11b(中等度に陰を 付した棒)、抗CD11a(白抜きの破線付きの棒)、抗CD18(白抜きの棒 )、および抗gp120(濃い陰を付した棒)の効果を示す図である。 図10は、免疫原ジニトロフルオロベンゼンに対するマウスの接触感受性に及 ぼすM17の効果を示す図である。 好ましい態様の説明 I.定義 「LFA−1仲介疾患」という語は、リンパ球上のLFA−1レセプターの関 与する細胞接着相互作用により引き起こされる病的状態を意味する。係る疾患の 例は、T細胞炎症反応、例えば乾癖を包含する炎症性皮膚疾患;炎症性腸疾患に 付随する反応(例えばクローン病および潰瘍性大腸炎);成人呼吸窮迫症候群; 皮膚炎;髄膜炎;脳炎;ブドウ膜炎;アレルギー状態、例えば湿疹および喘息な らびにT細胞の浸潤および慢性炎症反応を含むその他の状態;皮膚過敏反応(ツ タウルシおよび毒カシを含む);アテローム性動脈硬化症;白血球接着不全症; 自己免疫疾患、例えば慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、 真性糖尿病、多発性硬化症、レイノー症候群、自己免疫性甲状腺炎、実験的自己 免疫性脳脊髄炎、シェーグレン症候群、若年性糖尿病、および結核、サルコイド ーシス、多発性筋炎、肉芽腫症および脈管炎に典型的に見いだされるサイトカイ ンおよびTリンパ球により仲介される遅延型過敏症に付随する免疫反応;悪性貧 血;白血球漏出を含む疾患;CNS炎症性疾患、敗血症または外傷から派生する 多臓器傷害症候群;自己免疫性溶血性貧血;重症筋無力症;抗原抗体複合体仲介 疾患;移植片対宿主または宿主体移植片病を含む全ての型の移植等を包含する。 このような疾患の「処置」とは、治療、予防処置、移植片の拒絶の防止、およ び長期的基礎に基づく移植片の寛容の誘導を包含する。 「初期」投与とは、その処置において投与される最後の投与ではない投与を意 味し、その疾患が最初に課された(または最初に現われまたは最初に診断された )時および/またはその前、例えば移植片の移植が行なわれた日、好ましくは少 なくともその疾患が最初に課され、現われ、または診断された時に投与される投 与を意味する。初期投与は1回の投与である必要はないが、最後の投与ではない 。「その後の」投与は、初期投与に続く投与であって、その処置のために投与さ れる最後の投与を含む。この後者の投与は、第二の移植片を単独で寛容するのに は通常不充分である維持用量である。 本明細書中使用される「移植片」という語は、受容者への移植のためにドナー から誘導される生物学的材料を意味する。移植片は、例えばランゲルハンス島細 胞のような単離細胞、新生児の羊膜のような組織、骨髄、造血前駆細胞、ならび に臓器、例えば皮膚、心臓、肝臓、脾臓、膵臓、甲状腺葉、肺、腎臓、管状臓器 (例えば腸管、血管、または食道)等、様々な材料を包含する。管状臓器は、食 道、血管、または胆管の損なわれた部分と置き換えるのに使用することができる 。皮膚移植片は、火傷のみならず、損傷を受けた腸管の仕上げとして、または横 隔膜ヘルニアのような或る種の欠陥の閉鎖にも使用することができる。移植片は 、死体または生きているドナーであるとに拘らず、人間を含む任意の哺乳動物の 供給源から誘導される。好ましくは、移植片は骨髄または心臓のような臓器であ り、移植片のドナーおよび宿主はHLAクラス11抗原が適合している。 「哺乳動物」という語は、人間、飼い慣らされたおよび農場の動物、ならびに 動物園、スポーツ、または愛玩動物、例えば犬、馬、猫、牛等を包含する哺乳類 に分類される任意の動物を意味する。好ましくは、本明細書中の哺乳動物は人間 である。 本明細書中使用される「哺乳動物宿主」という語は、任意の適合する移植受容 者を意味する。「適合する」という語は、提供された移植片を受け入れるであろ う哺乳動物宿主を意味する。好ましくは宿主は人間である。移植片のドナーおよ び宿主のいずれもが人間である場合、これらは、組織適合性が改善されるよう、 好ましくはHLAクラス11抗原が適合している。 本明細書中使用される「ドナー」という語は、そこから移植片が誘導される、 死んだまたは生きている哺乳動物種を意味する。好ましくはドナーは人間である 。人間のドナーは好ましくは、身体検査において正常であり、また、主要血液型 障壁の交差は同種移植片の生着を害する可能性があるため、主要ABO血液型が 同じである、ボランティアの血族のドナーである。しかしながら、例えばO型の ドナーの腎臓をA、BまたはAB型の受容者に移植することは可能である。 「移植する」という語およびその変化形は、その移植が同系(ドナーおよび受 容者が遺伝的に等しい場合)、同種(ドナーおよび受容者が異なった遺伝的起源 を有するが同じ種である場合)、または異種(ドナーおよび受容者が異なった種 である場合)であるとに拘らず、宿主への移植片の挿入を意味する。したがって 典型的な筋書きにおいては、宿主は人間であり、移植片は、同じまたは異なる遺 伝的起源を有する人間から誘導される同種移植片である。別の筋書きにおいては 、ヒヒの心臓を人間の受容宿主に移植するといったように、移植片はこれが移植 される種とは異なる種から誘導され、例えば豚の心臓弁、または動物のβランゲ ルハンス島細胞もしくは神経細胞を人間の宿主に移植するといったように、系統 発生学上遠く隔たった種の動物を包含する種から誘導される。 「LFA−1アンタゴニスト」という語は一般に、CD11aもしくはCD1 8のいずれかまたはこの両者に対する抗体を意味するが、さらに、ICAM−1 、ICAM−1の可溶性型(例えば、ICAM−1細胞外ドメインの単独または 免疫グロブリン配列と融合したもの)、ICAM−1に対する抗体、およびその フラグメント、またはLFA−1およびICAM−1の相互作用を阻害できるそ の他の分子をも包含する。 「抗LFA−1抗体」または「抗LFA−1 MAb」という語は、CD11 aもしくはCD18のいずれかまたはこの両者に対する抗体を意味する。抗CD 11a抗体は、例えばMHM24[ヒルドレス等、Eur.J.Immunol.、13 巻202−208頁(1983)]、R3.1(IgG1)[R.ロスライン、 ベーリンガー・インゲルハイム・ファーマシューティカルズ・Inc.、リッジフ ィールド、CT]、25−3(または25.3)、イムノテク、フランスから入 手し得るIgG1[オリーヴ等、フェルドマン編、「ヒトT細胞クローン、免疫 調節への新たな試み」、クリフトン、NJ、ヒューマナ、1986、173頁] 、KBA(IgG2a)[ニシムラ等、Cell.Immunol.、107巻32頁(1 987),ニシムラ等、同書、94巻122頁(1985)]、M7/15(I gG2b)[スプリンガー等、Immunol.Rev. 、68巻171頁(1982) ]、IOT16[フェルモット・デスロチェス等、Scand. J.Immunol.、3 3巻277−286頁(1991)]、SPVL7 [フェルモット・デスロチ ェス等、上記]、およびATCCより入手し得るラット抗マウスCD11a抗体 であるM 17(IgG2a)を包含する。 抗CD18抗体の例は、MHM23[ヒルドレス等、上記]、M18/2(I gG2a)[サンチェスーマドリッド等、J.Exp.Med.、158巻586頁 (1983)]、H52[フィキート等、J.Clin.Lab.Immunol.、31 巻145−149頁(1990)]、Mas191c [フェルモット・デスロ チェス等、上記]、IOT18[フェルモット・デスロチェス等、上記]、60 .3[テイラー等、Clin.Exp.Immunol.、71巻324−328頁(19 88)]、および60.1[カンパーナ等、Eur.J.Immunol.、16巻53 7−542頁(1986)]を包含する。 抗体を包含するその他の好適なLFA−1アンタゴニストの例は、ハッチング ズ等、上記、91年11月28日公開のWO91/18011号、91年11月 14日公開のWO91/16928号、91年11月14日公開のWO91/1 6927号、91年6月13日公開のカナダ国特許出願2008368号、90 年12月13日公開のWO90/15076号、90年9月20日公開のWO9 0/10652号、90年9月19日公開のEP387668号、90年8月1 日公開のEP379904号、89年12月13日公開のEP346078号、 米国特許第5071964号、米国特許第5002869号、88年11月10 日公開のオーストラリア国特許出願8815518号、88年11月9日公開の EP289949号、および89年2月22日公開のEP303692号に記載 されている。 抗体は、鶏ならびに齧歯類、ヤギ、霊長類、および人間のような哺乳動物を包 含する任意の供給源からのものが適当である。好ましくは、抗体は、処置される 種と同じ種由来のものであり、より好ましくは抗体はヒト化(即ち人間の構成成 分を全て持っている)されており宿主は人間である。抗体はポリクローナルまた はモノクローナル抗体とすることができるが、好ましくはモノクローナル抗体で あって、これは常套的技術により製造することができる。抗体はIgG−1、2 、−3、もしくは−4、IgE、IgA、IgM、IgD、または一方のクラス 由来のFvもしくはCDRが別のクラスに置き換えられているクラス内キメラ である。抗体はエフェクター機能の可能なFcドメインを有していてよく、また は補体の結合もしくはADCCへの参加ができなくともよい。 補助療法のために本明細書中使用される「免疫抑制剤」という語は、移植片が 移植される宿主の免疫系を抑制または遮断するように作用する物質を意味する。 これはサイトカイン産生を抑制し、自己抗原の発現を下方調節または抑制し、ま たはMHC抗原を遮断する物質を包含するであろう。このような物質の例は、2 −アミノ−6−アリール−5−置換ピリミジン類(米国特許第4665077号 、上記、を参照されたい)、アザチオプリン(または、アザチオプリンに対して 望ましくない反応があるならばシクロホスファミド);ブロモクリプチン;グル タルアルデヒド(米国特許第4120649号、上記、に記載されるように、こ れはMHC抗原を遮断する);MHC抗原およびMHCフラグメントに対する抗 イディオタイプ抗体;シクロスポリンA;グルココルチコステロイド類のような ステロイド類、例えばプレドニソン、メチルプレドニソロン、およびデキサメタ ゾン;サイトカインまたは抗インターフェロン−γ、−β、もしくは−α抗体を 包含するサイトカインレセプターアンタゴニスト;抗腫瘍壊死因子−α抗体;抗 腫瘍壊死因子−β抗体;抗インターロイキン−2抗体および抗IL−2レセプタ ー抗体;抗L3T4抗体;ヘテロローガスな抗リンパ球グロブリン;汎T抗体、 好ましくは抗CD3または抗CD4/CD4a抗体;LFA−3結合ドメインを 含む可溶性ペプチド(90年7月26日公開のWO90/08187号)、スト レプトキナーゼ;TGF−β;ストレプトドルナーゼ;宿主由来のRNAまたは DNA;FK506;RS−61443;デオキシスペルグアリン;ラパマイシ ン;T細胞レセプター(コーエン等、米国特許第5114721号);T細胞レ セプターフラグメント[オフナー等、Science、251巻430−432頁(1 991)];ハウウェル、WO90/11294号;イアンウェイ、Nature、 341巻482頁(1989),およびウァンダーバーク、WO91/0113 3号];およびT10B9のようなT細胞レセプター抗体(EP340109号 )を包含する。これらの物質は、本発明において使用されるCD11aまたはC D18アンタゴニストと同時にまたは別な時に投与され、文献に開示されるのと 同じま たはより少ない用量で使用される。 好ましい補助免疫抑制剤は、行なわれる移植の型を包含する処置される疾患の 型、および患者の病歴を包含する多くの因子に依存するであろうが、シクロスポ リンA、グルココルチコステロイド(最も好ましくはプレドニソンまたはメチル プレドニソロン)、OKT−3モノクローナル抗体、アザチオプリン、ブロモク リプチン、ヘテロローガスな抗リンパ球グロブリン、またはそれらの混合物から 選択するのが一般的総合的に好ましい。 宿主による「移植された移植片の寛容の増強」とは、移植される宿主において 移植片の生着を延長すること、即ち宿主の免疫系を抑制してその結果外来移植片 をより良く寛容する事を意味する。 「間欠的」または「周期的」投与とは、一定の期間連続的であって且つ好まし くは1日以上間隔の空いた規則的な間隔の空く投与である。 疾患の「選択的寛容」とは、その疾患を惹起する特異的物質に対する宿主免疫 系による寛容であるが、二回目の同種または異種移植片を拒絶する宿主の能力を 保持していることを意味する。好ましくはこの寛容は、それ以外の点で免疫系が 損なわれていないような寛容である。 II.発明を実施する様式 高用量のLFA−1アンタゴニストによる初期誘導と低用量のアンタゴニスト によるその後の継続処置を用いる処置方法において、優れた免疫抑制効果が見ら れる。 抗体をアンタゴニストとして使用する場合、これらは任意の適当な技術によっ て製造される。LFA−1またはそのαもしくはβ鎖のいずれかまたはその他の 任意の適当な免疫原を使用して、抗LFA−1または抗ICAM抗体の形成を誘 導することができ、それらは常套的スクリーニングにより同定される。このよう な抗体はポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれか、または係る抗体 の抗原結合フラグメント(例えばF (ab)またはF(ab)2フラグメント) であってよい。抗体はLFA−1またはICAM−1について一価または多価で あり、且つLFA−1もしくは1CAM−1について単一特異性であるかまたは LFA−1もしくはICAM−1および予め定められた抗原について多特異性で ある。LFA−1アンタゴニストが1つの治療過程に使用され、異なったアンタ ゴニストが別の治療段階に使用され(例えば初期または維持用量)、またはそれ らが組み合わされて使用される(例えば、ICAM−1に対する抗体およびLF A−1に対する抗体)。 LFA−1またはICAM−1に対するポリクローナル抗体は、一般に、CD 11aもしくはCD18ポリペプチドもしくはそれらの二量体またはICAM− 1を、アジュバントと共に、複数回皮下(s.c.)または腹腔内(i.p.) 注射することにより、動物で作製する。二価のまたは誘導体形成物質、例えばマ レイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介した複 合体形成)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタル アルデヒド、無水琥珀酸、SOCl2、またはR1N=C=NR [式中、Rおよ びR1は異なったアルキル基である]を使用して、免疫される種において免疫原 性のある蛋白、例えばスカシガイヘモシアニン、血清アルブミン、牛チログロブ リン、または大豆トリプシンインヒビターに、LFA−1またはICAM−1抗 原ポリペプチド(標的アミノ酸配列を含むその鎖およびフラグメントを包含する )をコンジュゲートさせるのが有用であり得る。 宿主動物またはそれから得られる培養された抗体産生細胞の抗体刺激の経路お よびスケジュールは一般に、抗体刺激および産生のための確立された常套的技術 に従う。試験モデルとしてマウスが頻繁に使用されるが、人間の対象またはここ から得られる抗体産生細胞を包含する任意の哺乳動物対象を本発明の工程に従っ て処理し、人間を包含する哺乳動物のハイブリッドセルライン産生の基礎として 役立たせることもできる。 動物は典型的には、複合体1mgまたは1μg(それぞれウサギまたはマウスの 場合)をフロイント完全アジュバント3容量と合し、この溶液を複数の部位に皮 内注射することにより、免疫原性複合体または誘導体に対して免疫する。1ヶ月 後、フロイント不完全アジュバント(またはその他の適当なアジュバント)に入 れた当初の1/5ないし1/10量の複合体を複数の部位に皮下注射することに より、この動物を追加免疫する。7ないし14日後、動物から採血し、血清を抗 体力価について検定する。動物は、この力価がプラトーに達するまで追加免疫す る。好ましくは、動物は同じLFA−1またはICAMポリペプチドの複合体で はあるが異なった蛋白にコンジュゲートさせ、および/または異なった架橋剤を 介してコンジュゲートさせた複合体によって追加免疫する。複合体は組み替え細 胞培養中で蛋白融合物として生成させることもできる。さらに、免疫反応を促進 させるため、ミョウバンのような凝集剤を使用する。 モノクローナル抗体は、免疫した動物から免疫細胞−−典型的には脾臓細胞ま たはリンパ節組織からのリンパ球−−を回収し、この細胞を常法、例えば骨髄腫 細胞との融合またはエプスタイン−バー(EB)ウイルス形質転換により不死化 し、所望の抗体を発現するクローンをスクリーニングすることにより製造する。 ケーラーおよびミルシュタイン、Eur.J.Immunol.、6巻511頁(197 6)により最初に記載され、ハマーリング等、「モノクローナル抗体およびT細 胞ハイブリドーマ」、エルセヴィア、N.Y.、563−681頁(1981) によっても記載されているハイブリドーマ技術は、多くの特異的抗原に対する高 レベルのモノクローナル抗体を分泌するハイブリッドセルラインを生産するため 広く採用されている。 或る種の細胞を別の種の細胞と融合させることは可能である。しかしながら、 免疫された抗体産生細胞と骨髄腫とは同じ種由来であることが好ましい。 ハイブリッドセルラインは細胞培養培地中インビトロで培養に維持することが できる。抗体を産生するセルラインは、ヒポキサンチン−アミノプテリンチミジ ン(HAT)培地中の連続セルラインからなる組成物中で選択および/または維 持することができる。事実、いったんハイブリドーマセルラインが確立されると それは、様々な栄養的に充分な培地上に維持することができる。その上、このハ イブリッドセルラインは、凍結および液体窒素下での貯蔵を包含するかなり多数 の常套的方法で保管および保存することができる。凍結されたセルラインは、回 復させ、無限に培養してモノクローナル抗体の合成および分泌を再開させること ができる。 分泌された抗体は、沈澱化、イオン交換クロマトグラフィー、親和クロマトグ ラフィー等のような常法により、組織培養上清から回収される。本明細書に記載 の抗体は、場合によりIgGまたはIgMをプールされた血漿から精製するため にこれまで使用されてきた、これら免疫グロブリンの精製のための常套的方法、 例えばエタノールまたはポリエチレングリコール沈澱法によってハイブリドーマ 細胞培養からも回収される。この精製された抗体は無菌濾過する。 通常はマウスモノクローナル抗体が使用されるが、本発明はこれに限定されな い。事実、人間の抗体が使用でき、好ましいことが立証され得る。このような抗 体は人間のハイブリドーマを使用することにより得ることができる(コート等、 「モノクローナル抗体および癌治療」、アラン・R.リス、77頁(1985) )。事実、本発明によれば、適当な抗原特異性のマウス抗体分子由来の遺伝子を 、適当な生物活性(例えばICAM−1を結合させる能力)の人間の抗体分子由 来の遺伝子とスプライスすることによる、キメラ抗体の産生のために開発された 技術(モリソン等、Proc.Natl.Acad.Sci.、81巻6851頁(198 4);ノイバーガー等、Nature、312巻604頁(1984);タケダ等、 Nature、314巻452頁(1985) ;EP184187号;EP171 496号;EP173494号;PCT WO86/01533号;シャウ等、 J.Nat.Canc.Inst.、80巻1553−1559頁(1988);モリソ ン、Science、229巻1202−1207頁(1985);およびオイ等、B ioTechniques、4巻214頁(1986))を用いることができ、係る抗体は本 発明の範囲内にある。 モノクローナル抗体の生成の副行路となる、抗体分子の抗原結合領域(Fab フラグメントとして知られる)の組み替えDNA版を作製する技術は、本発明の 実施の範囲内に包含される。免疫した動物から取得した免疫系細胞から抗体特異 的メッセンジャーRNA分子を抽出し、これらを相補的DNA(cDNA)に転 写し、そしてこのcDNAを細菌発現系にクローニングする。本発明の実施に好 適なこのような技術の1つの例はスクリプス/ストラタジーンの研究者により開 発され、それは、発現されたFab蛋白を周辺腔(細菌の細胞膜と細胞壁との間 ) に移動させまたは分泌させるリーダ−配列を含む適当なバクテリオファージラム ダベクターを組み込むものである。極めて多数の機能的Fabフラグメントを迅 速に生成し、該抗原を結合するものについてスクリーニングすることができる。 このようなLFA−1−またはICAM−結合分子(LFA−1またはICAM ポリペプチドに対する特異性を有するFabフラグメント)は、本明細書中に定 義され、論じられ、そして特許請求されている「抗体」という語の中に特に包含 されている。 典型的には、本発明に係る方法において使用されるLFA−1アンタゴニスト は、これを周囲温度、適当なpH、および所望の純度で、生理学上許容し得る担 体、即ち用いられる用量および濃度において受容者にとって非毒性である担体と 混合することによって製剤化される。製剤のpHは主にその用途およびアンタゴ ニストの濃度に依存するが、好ましくは大体約3ないし約8の範囲である。pH 5の酢酸緩衝液中の製剤が好適な態様である。 本発明における使用のためのLFA−1アンタゴニストは好ましくは無菌であ る。無菌性は、(0.2ミクロン)膜で無菌濾過することにより容易に達成され る。LFA−1アンタゴニストは、再構成のための凍結乾燥製剤も許容し得るが 、通常は水溶液として保存する。 このアンタゴニスト組成物は、良好な医学的実践に合致した方法で製剤化され 、用量決定され、そして投与される。この状況における考慮のための因子は、処 置されるその疾患、処置されるその哺乳動物、個々の患者の臨床的状態、疾患の 原因、薬物のデリバリー部位、投与の方法、投与のスケジュール、および臨床医 に知られるその他の因子を包含する。投与されるべきLFA−1アンタゴニスト の「治療的有効量」は、このような考察により決定され、且つ、慢性関節リウマ チを処置し、炎症反応を低下させ、免疫刺激物の寛容を誘導し、宿主による移植 片の拒絶もしくは逆の拒絶をもたらす免疫反応を防止し、または移植された移植 片の生着を延長することを包含する、LFA−1仲介疾患を防止、緩解、または 処置するために必要な最少量である。このような量は、好ましくは、宿主にとっ て毒性でありまたは宿主を有意により感染させ易くする量より少ない。 一般的な案として、非経口的に投与される用量当りのLFA−1アンタゴニス トの初期の薬学的有効量は、1日当り約0.1ないし20mg/kg(患者の体重) の範囲であり、使用されるLFA−1アンタゴニストの典型的な初期の範囲は0 .3ないし15mg/kg/日であろう。 しかしながら上に述べたように、これらの示唆される抗体量は治療上の裁量に 任されるところ大である。適当な用量および投与スケジュールを選択する際の重 要な因子は、上に指摘したように、得られる結果である。例えば、進行中のそし て急性の移植片拒絶の処置のためには初期に、または、移植片の機能の突然の低 下を特徴とする急性の拒絶の処置のためには後の段階で、比較的高用量が必要と され得る。 その後の用量が初期用量の100%より低い場合、これは日用量を基礎として 計算される。したがって、例えば、投与計画2mg/kg/日で毎日2週間の注射と これに続く0.5mg/kg/日で2週間に1回99日間の投与から成る場合、これ は1日を基に計算すると、後の用量が初期用量の約1.8%となる(即ち、2/ 日/100%=0.5/14日/x%、x=〜1.8%)。好ましくは、後の用 量は、LFA−1アンタゴニストの初期用量の約50%未満、より好ましくは約 25%未満、より好ましくは約10%未満、さらに好ましくは約5%未満、そし て最も好ましくは約2%未満である。 最も有効な結果を得るために、疾患にもよるが、初期用量は、その疾患の最初 の徴候、診断、出現、または存在とできるだけ近接して、または自己免疫疾患の 緩解中に投与する。好ましくは、初期投与は、移植された移植片の場合と同様、 抗原への暴露前に開始する。さらに、初期投与が抗原への暴露に先立ってまたは それと実質上同時である場合、後の投与は、特に移植では初期投与より長期間行 なわれる事、そして患者の生涯継続する必要はないが持続的間欠的維持用量であ る事が好ましい。 好ましいスケジュールでは、初期用量(即ち、1日に1回投与よりは頻繁で連 続的注入まで且つこれを含む用量で、望ましくない免疫反応の時点またはその前 に投与される)およびその後の用量が、ほぼ週に1回より多くなく定期的に投与 されるような投与スケジュールである。より好ましくは、特定の疾患に応じて、 そして特に移植のためには、初期の日用量は、抗原、例えば移植片への暴露また は急性免疫反応(自己免疫疾患の場合のように)の開始後少なくとも約1週間、 好ましくは少なくとも約2週間投与され、その後の用量は、初期投与が終了した 後、2週間に1回よりは頻繁でなく(好ましくは2週間に1回)少なくとも約5 週間、好ましくは少なくとも約10週間投与する。 別の好ましい態様、特にアンタゴニストが抗CD11aまたは抗CD18抗体 である態様においては、初期投与は、移植の実施後約1日ないし4週間、より好 ましくは約1週間ないし3週間、より好ましくは約2週間ないし3週間で終了し 、移植実施前約1週間から移植とほぼ同時までに開始する。 LFA−1アンタゴニストは、非経口的、皮下、腹腔内、肺内、および鼻腔内 、そして局所免疫抑制処置が望まれるならば病変内投与(移植前に移植片をアン タゴニストで潅流またはその他の方法でアンタゴニストと接触させることを包含 する)を包含する任意の適当な手段により投与する。非経口的注入は筋肉内、静 脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を包含する。さらに、LFA−1アンタ ゴニストは特に、漸減する用量のLFA−1アンタゴニストをパルス注入する事 により好適に投与される。好ましくはこの投与は注射によって、最も好ましくは その投与が短時間であるか長期間であるかに部分的に応じて静脈内または皮下注 射によってなされる。 LFA−1アンタゴニストは所望により、問題の疾患の防止または処置に現在 使用されている1またはそれ以上の薬物と共に製剤化されるが必ずしもその必要 はない。例えば慢性関節リウマチの場合、この抗体はグルココルチコステロイド と組み合わせて投与することができる。さらに、T細胞レセプターペプチド療法 は、自己免疫性脳脊髄炎の臨床徴候を防止する好適な補助療法である。オフナー 等、上記。移植のために、この抗体は、免疫抑制効果を調節するため、上に定義 されたような免疫抑制剤、例えばシクロスポリンAと同時にまたは別個に投与す ることができる。このようなその他の薬剤の有効量は、製剤中に存在するLFA −1アンタゴニストの量、疾患または処置の型、および上に論じたその他の因子 に依存する。これらは一般に上文で使用されたのと同じ用量および投与経路で、 またはこれまで用いられた用量の約1ないし99%で使用される。 上述の様々な自己免疫疾患は、その疾患の結果として攻撃する自己抗原に対す る免疫寛容を誘導する様式でLFA−1アンタゴニストにより処置される。この 点において自己免疫疾患は宿主対移植片拒絶に似ており、同様の様式でLFA− 1アンタゴニストで処置される。しかしながらこれらの疾患では、移植前の移植 片とは異なり患者は既に標的抗原に対する免疫反応を開始している。したがって 、このような患者では常法、例えばシクロスポリンAまたはその他の常套的免疫 抑制剤(単独またはLFA−1アンタゴニストと共に)の常套的使用によってま ず免疫抑制の一過性状態を誘導し且つこれを維持し、または、緩解(自己免疫反 応の病理学的または機能的徴候の消失または実質的な減少)の期間が出現するま で患者を監視することが望ましい。 好ましくは、一過性免疫抑制は、例えば実施例1でさらに記載されるように常 套的治療を用いたT細胞の涸渇によって誘導される。その後、免疫抑制誘導剤を 投与停止した場合または緩解がその他の理由で破棄された場合のリバウンドを防 ぐために、LFA−1アンタゴニストを投与する。別法として、緩解した患者の 状態を突発の徴候について注意深く監視し、最初の機能的または生化学的突発の 出現時に速やかに初期投与法を開始し、突発がおさまるまで継続する。この期間 内のLFA−1投与は、本明細書の他の箇所に記載されている初期用量を構成す る。 自己免疫疾患の場合、初期投与は約1週間ないし16週間持続させることにな るであろう。その後、より低用量のLFA−1アンタゴニストの維持用量を、移 植片または宿主拒絶の緩解のために本明細書中に開示される様式と実質上同じ様 式で投与するが、幾つかの例においては、その後のまたは維持的投与を移植の場 合より長い期間に延長することが望ましい。本発明のある態様においては、或る 抗原または抗原を含有する組成物がその自己免疫反応の原因であることがわかっ ているならば、LFA−1アンタゴニストの初期投与の後にその抗原を患者に投 与し(所望によりIL−1および/またはガンマインターフェロンと共に)、他 の抗原に対する患者の反応を最小限に免疫抑制しつつ該抗原に対する自己免疫反 応の再現を抑制するため、その後そのアンタゴニストの用量を維持する。 患者は隔離するのが最適であり、好ましくは、LFA−1アンタゴニストによ る初期の処置の時点で、移植医療で現在用いられているような無菌環境に隔離す る。患者にはいかなる感染もあってはならない。この状態を維持用量の間も保つ 必要はなく、実際これが本発明の一つの利点である。即ち、患者は維持用量で処 置される間、周囲抗原(移植片または自己抗原以外)に対する実質上正常な免疫 反応を開始することができる。 本発明は特に移植された移植片の生着を延長および寛容を増強し易い。移植片 は、所望により、任意の適当な方法を用いて重要な手術後の期間(最初の3ヶ月 )系統的、機能的に監視する。このような方法の1つは、トムスン等、Acta Radiol.、29巻138−140頁(1988)により記載されるような99 Tcm−ペルテクネタートを用いる放射性核種静脈内血管造影法である。さらに 、本明細書に記載の方法は、同時的多臓器潅流および移植に従い易い(トレドー ペレイラおよびマッケンジー、Am.Surg.、46巻161−164頁(198 0))。 幾つかの例においては、例えば適当なアミノ酸またはポリマーの使用により、 または生理学上許容し得る荷電官能基の供給源を結合させることにより、正また は負に荷電した基を供給するよう移植片の表面を修飾することが望ましい。例え ば、負に荷電した表面は、血管が血液凝固を減少させるのに適している。さらに 、或る状況では、例えばフェニルアラニン、セリンまたはリジンを表面に結合さ せることにより、表面を疎水性または親水性とすることが望ましい。これら表面 修飾のために特に有効な免疫抑制剤はグルタルアルデヒドである。 上に述べたように、移植片の寛容を誘導するため、所望により移植前に有効量 の抗体を投与してもよい。移植後初期に用いられるのと同じ用量およびスケジュ ールを使用することができる。さらに、移植に先立ち所望により移植片を米国特 許第5135915号に記載のようにTGF−β組成物と接触させてもよい。簡 単に述べるとこの接触は、好適には、移植片を該組成物と共にインキュベートま たは該組成物で潅流し、または該組成物を移植片の1またはそれ以上の表面に適 用することを含む。この処理は、製剤中のTGF−βの濃度、処理される移植片 、および製剤の個々の型、といった因子に応じて、一般に少なくとも1分間、好 ましくは1分間ないし72時間、より好ましくは2分間ないし24時間行なう。 やはり記載したように、移植片はLFA−1アンタゴニストと同時にまたは別個 に潅流される。潅流は任意の適当な方法によって達成される。例えば、臓器は、 1984年9月5日公開のDD213134号に記載のような、圧調節器ならび にポンプおよび臓器の間に位置するオーバーフローを有する定圧潅流を供する装 置を介して潅流することができる。別法として、1984年11月21日公開の EP125847号に記載のように、臓器を密閉扉を介した高圧室に置き、容器 から流体を吸引するポンプによって潅流液をこの室に供給し、使用済みの潅流液 をバルブにより容器に戻す。 移植片を処理した後、これを適切に長期間保存しまたは直ちに移植操作に使用 する。上記のように製剤中に血液代替物(例えばペルフルオロ化学エマルジョン )を使用することにより、または1985年4月9日公開のJP6006150 1号に記載のように、冷却した等張物質および抗凝固剤を含有するTGF−βの 製剤、続いて摘出された臓器を細胞の破壊なしに凍結させるためのグリセロール により、移植片を潅流することにより、保存寿命を増進することができる。さら に、米国特許第4462215号および4494385号に記載されるように、 臓器を細胞壊死させることなく半永久的に保存するために、臓器を凍結温度まで 冷却しつつ既知の潅流液(TGF−βおよび/または既述のLFA−1アンタゴ ニストを含有)と共に保存することができる。 特に心臓移植に関して、ペアレント等、Cryobiology、18巻571−576 頁(1981)は、5℃での移植前冷冠潅流が初期の移植期間の間同種移植片の 保護を増強することを報告している。移植片の保存に必要とみなされるならば、 これらのまたはその他の方法のいずれもが本発明の範囲内にある。 移植の前に、好ましくは、移植片を生理食塩水に浸すことによりまたはこの目 的のために適当な他の手段により、移植片を洗浄してTGF−β組成物を含まな いようにする。移植前にLFA−1アンタゴニストを除去するのは望ましくない 。 さらに、移植前に、所望により宿主に1またはそれ以上のドナー特異的血液輸 血を行なって移植片生着を助けてもよい。これに代わる方法は、移植手術前また は後に宿主を全リンパ照射に付すことである。その移植受容者にとって有益であ るならば他のいかなる移植前操作も本発明方法の一部として実施することができ る。 本発明は以下の実施例を参照することによりさらに完全に理解されるであろう 。しかしながらこれらは本発明の範囲を限定するものと解してはならない。 実施例1 抗CD11a抗体を用いるマウス心臓移植モデル ババニー等、J.Pharmacol.Exp.Ther.、244巻259頁(1988 )に記載のようにして、新生児BALB/c(H−2d)の心臓を雄成体(8な いし10週齢)C3H(H−2k)マウスの背側耳介に移植した。マウスは全て 特異的無病原体条件で飼育し、スタンフォード大学メディカルセンター、ザ・デ パートメント・オブ・コンパラティヴ・メディスンより入手した。使用された試 薬は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックヴィル、MDか ら入手し得るM17(クローンM17/4.411.9、腹水から精製されたラ ットIgG2a抗マウスCd11a MAb(ATCC受理番号TIB217) 、シクロスポリンA(CsA;i.v.製剤、サンド、イースト・ハノーヴァー 、NJ)、またはIgG2a(ラットイソタイプ対照、ザイムド・S.サンフラ ンシスコ、CA)であった。M17(n=3−9/用量群)またはCsA(n= 5−20/用量群)は移植の日(M17)または移植後初日(CsA)から開始 して2週間、毎日i.p.でマウスに投与した。結果を、それぞれ効果および力 価を表わす図1Aおよび1Bに示す。非処置(n=105)またはラットIgG 2aイソタイプ対照処置(n=9)マウスにおける移植片は、それぞれ10.6 3±0.1日(メジアンの移植片生着時間[MST]±S.E.;メジアンの生 着=10.0日)および10.0±0.3日(メジアンの生着=10.0日)で 拒絶された。CsAと比較してM17は移植片の生着をはるかに効果的且つ強力 に延長した。4mg/kg/日のM17で処置したマウスのMSTは58日に拡大し たが、一方CsAの最大寛容用量(25mg/kg/日)で処置されたマウスではM S Tはわずか24日間であった(図1A)。実際、2mg/kg/日のM17は移植片 の生着を25mg/kg/日のCsAよりはるかに有意に延長した(p<0.05) 。投与されたM17の最高用量(4mg/kg/日)は観察され得る毒性をもたらさ なかった。 免疫抑制についての用量反応曲線を得るためのM17およびCsAの相対的免 疫抑制力価を定量的に比較するために、計数的インビトロマウス心臓同種移植バ イオアッセイを使用した。モリス、Transplant.Rev.、6巻39頁(199 2)。各々の用量群についてlog10用量の関数としての14日目に拍動してい る心臓同種移植片の平均パーセントをロジスティック回帰により当てはめた。M 17およびCsAのED50を比較する時(用量は、これら二つの薬物間の分子量 の相違のため、対照に対するnmol/kgとして表現する)、M17はCsAのおよ そ5000倍強力であった(M17およびCsAのED50はそれぞれ1.48nm ol/kgおよび8.10μmole/kgであった)。図1Bを参照されたい。M17お よびCsAの力価の間には劇的な格差がある。 いかなる新しい免疫抑制剤も最初はCsAと組み合わせて臨床使用される傾向 があるため、異なる用量のM17およびCsAを組み合わせてBALB/c心臓 移植のC3H受容者に2週間投与した。M17およびCsAが相互作用して拮抗 的、付加的、または共同的な免疫抑制を産むか否かを決定するために、イソボロ グラム分析を用いて移植片の生着データを評価した。ベレンバウム、Pharm acol.Rev.、41巻93頁(1989)により記載された幾何学的イソ ボログラム法によると、付加性イソボールは100%の移植片生着に要するM1 7およびCsAの最少用量を合した線として定義される。図2は、M17および CsAは拮抗的に相互作用していないことを示しており、むしろM17およびC sAによる併用処置は、これらの薬物が付加的に相互作用する場合に予想される 用量で100%の移植片生着をもたらした。 M17による2週間以上の処置が移植片の生着を増強するか否かを決定するた めに、2mg/kg/日のM17を3週間毎日投与し、引続き移植後98日目まで週 に1回の処置とした。98日目に処置を終了したにも拘らず、幾つかの心臓移植 片はさらに90日以上収縮し続けた(図3)。別の群では、受容者のマウスを、 8mg/kg/日のM17で2過間毎日、引続き2mg/kg用量で2過間に1回99日 目まで処置した。この処置法は、低用量のM17で処置したマウスと比較して、 無期限に生着する心臓移植片の数を実質上増加させた(図3)。8mg/kg/日の M17による手術後初期期間の処置が2mg/kg/日での処置より有効に移植片の 長期生着を誘導したのであるから、手術時に接近したM17の高血液レベルが長 期の移植片生着にとって重要であるのかも知れない。 2mg/kg/日のM17による長期の処置が幾つかの受容者において無期限の移 植片生着を産んだため、この免疫抑制の特異性を、これらの動物において、最初 の移植の154日後に、C57BL/6(H−2b)心臓移植片をそれらの反対 側の耳介に移植することにより、調査した。C57移植片が速やかに拒絶されて も最初のBALB/c移植片は拒絶されなかった。C57移植片に対するMST は、非免疫抑制マウスに移植されたC57移植片のMSTと有意に(p>0.0 5)異なっていなかった(第1表)。故に、処置されたマウスの免疫系は第三者 の同種抗原に対し完全に反応できることから、M17による限定された処置は長 期の非特異的免疫抑制を惹起しなかった。 a マンーフィットニーU試験(小サイズの試料用に補正)を用いてM17処 置および非処置マウス間におけるC57移植片の生着の統計学的差異のレベルを 決定した。p>0.05は有意でないと考えた(NS)。 通常、MAbによる長期の処置は、長期のMAb処置の治療効果を制限する異 種抗体の反応を導き出す。ノーマン、Sem.Nephro1ogy、12巻315頁(1 992)。しかしながらここで、M17による長期処置は短期処置より有効であ ることが判明した(図3)。本明細書中のこの結果は、M17に対するマウスの 異種反応が他のMAbに対する反応とは異なっていることを示唆した。M17処 置したマウスの血清中のマウス抗ラット抗体を、捕捉抗体としてM17を使用し 西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートさせたラット抗マウスIgG抗体 で発色させるELISAによって測定した。これらの研究の結果は、異種抗体反 応はM17処置用量に逆相関していることを示した。例えば、0.25mg/kg/ 日のM17で処置されたマウスは15日目までに抗ラット免疫グロブリン反応を 産んだが、同時に4mg/kg/日で処置されたマウスはラット免疫グロブリンに反 応しなかった。 M17が移植片拒絶を抑制する能力をさらに特性決定するために、冗進性拒絶 モデルを使用した。一次BALB/c心臓をC3H受容者に移植してこれらのマ ウスをBALB/c同種抗原に対して感作し、4日後に除去した。即ち、マウス (n=5−10/群)を、一時的なBALB/c異所性(耳介)非脈管化心臓移 植片で−7ないし−3日まで前感作し、この−3日の時点でこれらの一時移植片 を有する耳を除去した。0日目に二次BALB/c心臓移植片を移植した後、個 々の生着時間およびMST(図4中の水平線)を決定し、これらを各処置群につ いて図4に示す。相異なる処置群および対照群における移植片生着時間の間の統 計学的有意性のレベルを、マンーフィットニーU試験(小サイズの試料用に補正 )を用いて算出した。p>0.05は有意でないと考えた(NS)。 4mg/kgのイソタイプ対照ラットIgG2aで−7ないし13日までi.p. 処置したマウスの反対側耳介に移植された二次移植片は、全て冗進性拒絶を受け 、鼓動しなかった。図4を参照されたい。 異なったスケジュール(一次移植の日と比較して)を用いて4mg/kg/日のM 17を受容者にi.p.投与した。或るマウスの群は、一次心臓が移植された日 から二次移植片の移植の2週間後まで、4mg/kg/日のM17で処置した。これ らのマウスにおける移植片のMSTは42日間であった。このスケジュールおよ び用量のM17は感作を防止した。何故ならこれらのマウスにおける移植片のM STは、4mg/kg/日のM17で移植後最初の2週間処置された非感作受容者に おける移植片のMSTと有意に相違しなかった(p>0.05)からである。他 の実験結果は、M17処置の時期が、処置の持続期間より重要であることを示し た。M17による処置を一次心臓移植の日まで遅らせたマウスにおける二次移植 片のMSTは、同じようにM17で処置された非感作マウスにおける移植片のM STより有意に低かった(p<0.05)。故に、M17処置は、いったん感作 が起こってしまえば、同種活性を排除するものではなかった。 他の実験では、一次移植片が所定の位置にあった4日間だけM17で処置され たマウスにおける二次移植片のMSTは、一次心臓移植の日から二次移植片の移 植後2週間まで処置されたマウスにおける二次移植片のMSTと有意に異ならな い(p>0.05)ことが示された。即ち、M17は、冗進性拒絶を防止するた めに、感作の期間だけ投与する必要があるに過ぎなかった。二次移植片の移植前 に4日間M17で処置されたマウスにおける二次移植片のMSTもまた、0−1 3日までM17で処置された非感作受容者における移植片のMSTと有意に異な っていなかった(p>0.05)。このように、M17による短期間の前処置は 、移植後のより長いM17処置過程より有効性が低いということはなかった。 重篤な拒絶が非処置マウスに現われる移植後4または6日目までM17処置( 2mg/kg/日)を遅らせると、移植片の生着は、対照より僅かに延長されるだけ であった(それぞれ16および14日間のMST)。同様に、他の研究者は、抗 CD11a MAbが人間において急性の腎同種移植片拒絶を逆転させないこと を見いだした。ルモーフ等、上記。これらの結果ならびにダヴィグノン等、上記 、のインビトロの発見およびスプリンガー等、Annu.Rev.Immunol.、5巻 223頁(1987)の結論は、免疫反応の初期の処置がM17の免疫抑制効果 にとって重要であることを示唆している。 4mg/kg/日のM17で2週間処置されたマウス(n=5)からの脾臓、胸腺 、およびリンパ節の組織学を、フローサイトメトリー研究を用いて決定した。処 置されなかったマウスまたは4mg/kgのイソタイプ対照ラットIgG2aまたは M17による毎日のi.p.処置後14日のマウス(n=5/群)由来の全T細 胞(抗Thy1.2−FITC)、CD4(抗L3T4−PE)、およびCD8 (抗Lyt 2−FITC)T細胞サブセット、B細胞(抗B220−PE;全 てのMAbはカルタグ、S.サンフランシスコ、CAから入手)、およびLFA −1+(抗CD11a−FITC。これはM17とは異なるエピトープを認識す る;クローン2D7、ファーミンゲン、サンディエゴ、CA)牌臓細胞のパーセ ントを、プロファイル11(クールター・エジュピクス、ヒアリー、FL)を用 いて測定した。 フローサイトメトリー研究(図5)は、汎TN CD4、およびCD8マーカ ーを発現する脾臓T細胞のパーセントの増加を示した。さらに、LFP−1+脾 臓細胞のパーセントは、M17−、IgG2a−、または非処置マウス間で実質 上相違しなかった。そのうえ、対照と比較してM17処置マウスにおける脾臓当 りの白血球の収量に低下の証拠はなかった。故に、M17は、中枢または末梢の リンパの涸渇による免疫抑制を惹起してはいないようである。さらに、これらの マウスにおける全血球数の計数は、M17処置はIgG2a処置(n=3)対照 マウスと比較してリンパ球の数を抑制していないことを示した。 M17による処置がT細胞の涸渇を惹起せず、また本明細書における結果およ び他の研究者による結果[イソベ等、上記]がLFA−1は抗LFA−1 MA bによる処置の後に発現されることを示していることから、M17はT細胞の機 能的不活性化により免疫抑制を引き起こしているかも知れない。そこで、4mg/ kg/日のM17で2週間毎日処置されたマウス由来の免疫細胞の機能を、Con Aに対する脾臓細胞のインビトロ増殖反応を測定することにより評価した。4mg /kg/日のイソタイプ対照IgG2a(n=5)またはM17(n=5)のいず れかにより14日間毎日i.p.処置した後に、脾臓を摘出し、細胞を、相異な る濃度のConA(ヴェクター、バーリンガム、CA)を含む96ウェルプレー ト中のKC2000(ヘーゼルトン・バイオロジクス、レネクサ、KS)で培養 した。細胞の増殖を3H−TdR(ICN ・ラジオケミカルズ、アーヴィン、 CA、比活性6.7Ci/mM)で16−18時間パルスすることにより評価し 、3H−TdRの取り込みをシンチレーション分光法(パッカード、ダウナーズ ・グローヴ、IL)によって測定した。各ConA濃度について平均の崩壊/分 (dpm)を、対照マウスおよびM17処置マウスから、細胞についてのバック グラウンドdpmを差し引いた後に算出した。このデータを、対照マウス由来の 脾臓細胞におけるdpmと比較したM17処置マウス由来の脾臓細胞におけるd pmの変化パーセントとして表現した。スチューデントのt試験を用いて決定さ れたp>0.05を有意でない(NS)と考えた。 図6は、低いConA濃度では、M17処置されたマウス由来の脾臓細胞の増 殖反応は、IgG2a処置された対照マウス由来の脾臓細胞の反応の150−2 00%活性化されたことを示している。これらのデータは、M17による処置が T細胞活性化を損なっていないことを示している。 宿主対移植片膝窩リンパ節(PLN)過形成検定を用いて、M17がインビボ で同種抗原に対する反応を抑制する機作を調べた。0日目に、2.5x106の 照射BALB/c脾臓細胞を、C3Hマウス(n=5/群)の各々左後足の足底 に注射し、このマウスをイソタイプ対照IgG2aまたはM17のいずれかによ り直ちに、または細胞の注射の1もしくは2日後開始で処置した。4日目に右お よび左のPLNを摘出し、左PLNおよび右PLNの間の重量の差の平均を各処 置群について決定した。M17処置群および対照群のPLN重量の差の統計学的 有意性のレベルを、マンーフィットニーU試験(小サイズの試料用に補正)を用 いて算出した。 図7に示されるようなIgG2a処置対照マウスにおける同種抗原刺激後の左 PLN重量の増加は、細胞増殖および細胞移動の変化に起因するリンパ系細胞の PLNへの補充により引き起こされる。M17による処置は、処置が0日目にま たは2日目に開始されたかに拘らず、PLN重量の増加を有意に抑制した。この 阻害は、同種抗原に対する増殖的反応に及ぼすM17の作用、またはリンパ球の 移動に及ぼすM17の作用、またはその両者によりもたらされている可能性があ る。他の研究者が、抗CD11a MAbによる処置がマウスにおいてリンパ球 の末梢リンパ節へのホーミングを阻害することを示している[ハマン等、J.Imm unol.、140巻693頁(1988)]ことから、この作用は、心臓同種移植 片の生着がM17処置マウスにおいて延長される機作の1つであるかも知れない が、これは1つの理論に過ぎず、本発明はこれに限定されない。 要約すると、同種抗原刺激の時点で高い初期用量の抗体、そして引続きより低 い用量を用いて抗CD11a抗体の投与を行なうと、困難なマウス異所性耳−心 臓モデルにおいてリンパ系細胞の涸渇無しに長期間の同種移植片生着を産み、且 つ同種抗原に対する感作が防止される。選択的非応答性の状態が顕出する:初期 移植片を拒絶しなかったマウスが第三者移植片を拒絶する。M17が抗ICAM −1 MAbの同時投与が無くとも長期の移植片生着をもたらした事から、抗接 着分子MAbによる免疫系の抑制は、ICAM−1とその他のレセプターMac −1およびCD43との相互作用の防止よりはLFA−1とICAM−1との間 の相互作用の遮断に、より依存しているのかも知れない。 単独もしくは全リンパ照射と組み合わせて使用される抗CD4による処置[ト レージャー等、上記]、または、単独もしくは抗CD−2 MAbと組み合わせ て使用される抗CD3MAbによる処置は、実質的なT細胞の涸渇またはこれら の処置がもたらす完全に近いCD3細胞表面発現の低下にも拘らず、このモデル においてM17処置より同種移植片の延長ではるかに有効性が低い。さらに、M 17による処置は、CsAよりもはるかに有効で、ずっと強力であり、そしてよ り大きな治療指数を有する。耳−心臓モデルは他の新規な生体異物の免疫抑制剤 の評価に盛んに用いられ、そのデータの分析により、拒絶の防止のためのM17 による処置は、マイコフェノラート・モフェティル(RS−61443)[モリ ス等、Transplant. Proc.、22巻1659頁(1990)]、ブレキナー[ マーフィーおよびモリス、Med.Sci.Res.、19巻835頁(1991)]、 またはFK506[モリス等、Transplant.Proc.、22巻1638頁(199 0)]より有効であり且つより高い治療指数を有することが示されている。 実施例2 抗CD11a抗体を用いる脳脊髄炎モデル 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、多発性硬化症と類似点を有する中枢 神経系の炎症状態である。どちらの疾患においても、循環するリンパ球が血液脳 関門を通過してミエリンを損傷し、その結果神経伝達を損ない麻痺をもたらす。 完全フロイントアジュバント(CFA)に入れたモルモット塩基性蛋白(GP BP)50μg[ヴァンデンバーク等、Nature、341巻541頁(1989) ]+マイコバクテリア400μgを皮下注射することにより、ルイスラットにE AEを誘発する。ラットの1つの群は非処置とし、ラットの一つの群はCFAお よびマイコバクテリア100μgと混合した1−10mg/kg/日のM17を毎日 、−4日目、−3日目、−2日目、−1日目、0日目、1日目、2日目、3日目 、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、1 2日目、または13日目(0日目とはGPBPが投与された日である)のいずれ かに皮下注射する。この投与を21日目まで続ける。次に、28日目および35 日目に、各ラットに、CFAと混合した0.25−2.5mg/kg/日のM17お よび100μgマイコバクテリアを皮下注射する。このモデルにおける平均のE AE発症は14日であり、平均の麻痺の長さは6日間であった。この実験的ラッ トモデルにおけるEAEの重篤度は、抗LFA−1抗体M17の投与によって低 下する。 別の実験においては、プールしておいたB10.PLマウスの群を、CFAに 入れた脳炎誘発性MBP1−9NAcペプチド[アーバン等、Cell、54巻 577−592頁(1988)]120μgで尾基部の皮下にチャレンジする。 注射の24および74時間後、ザンヴィル等、Nature、324巻258− 260頁(1986)に従って、このマウスに熱で死滅させたボーデテラ・パー トゥシス6x109を静脈内注射する。マウスの1つの群は非処置とし、マウス の一つの群は正常食塩水に入れた1.5−13mg/kg/日のM17を毎日、−4 日目、−3日目、−2日目、−1日目、0日目、1日目、2日目、3日目、4日 目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目 、または13日目(0日目とはMBPペプチドが投与された日である)のいずれ か に皮下注射する。この投与を21日目まで続ける。次に、28日目および35日 目に、各ラットに、0.3−4mg/kg/日のM17を皮下注射する。マウスはE AEの臨床徴候について毎日観察する。このモデルにおいて非処置マウスがEA Eを顕出する発症の日の平均は8−12日間である。この実験的マウスモデルに おけるEAEの重篤度は、抗LFA−1抗体M17の投与により低下する。 実施例3 抗CD18抗体を用いるインビトロ混合リンパ球培養モデル 移植のインビトロモデルである、この混合リンパ球培養モデル[A.J.カニ ングハム、「免疫学の理解」、Transplantation Immunology、157−159頁 (1978)]は、人間の混合リンパ球反応の増殖およびエフェクター面の両方 における、様々なα−ICAMNα−LFA−1抗体、および可溶性ICAMの 作用を調べるものである。 I.プロトコル: A.混合リンパ球反応 第1部:細胞の単離: 末梢血由来の単核球(PBMC)を、健康なドナーから採取したヘパリン処理 した全血から分離した。血液を食塩水で1:1に希釈し、積層し、そしてLSM (100mlにつきフィコール6.2gおよびジアトリゾアートナトリウム9.4g )(オルガノン・テクニカ、NJ)上で2500xgで30分間遠心した。細胞 を、5%の熱不活性化したプールしておいたヒトAB血清(ペニンシュラ・メモ リアル・ブラッド・バンク、バーリンガム、CA)、1mMピルビン酸ナトリウ ム、3mM L−グルタミン、1mM非必須アミノ酸、500μg/mlペニシリン 、50μg/mlストレプトマイシン、50μg/mlゲンタマイシン(ジブコ)、 および5x10-5M 2−メルカプトエタノール(シグマ、セントルイス、MO )を添加したRPMI1640培地(ジブコ、グランド・アイランド、NY)に 再懸濁した。 第2部:混合リンパ球反応(MLR): 96ウェル平底微量定量プレート中で一方向ヒト混合リンパ球培養を確立した 。簡潔に述べると、完全培地200μl中の応答PBMC1.5x105を、同 数 の同種照射(3000rad)刺激PBMCと同時培養した。可溶性ICAM− 1または抗インテグリン抗体[MHM24(抗CD11a)およびH52(抗C D18)。上に開示される文献に記載されている。]を培養開始時に加えた。培 養を5%CO2中37℃で5日間インキュベートし、次いで1μCi/ウェルの3 H−チミジン(6.7Ci/mmol、NEN、ボストン、MA)で16時間パルス した。培養をPHD細胞収穫器(ケンブリッジ・テクノロジー・ Inc.、ウォ ータータウン、MA)で収穫した。[3H] TdRの取り込みをベックマンシ ンチレーションカウンター(LS6800)で測定し、三重の測定値を平均した 。データは正味のcpmとして表わす。対照培養によって取り込まれた平均[3 H]−TdRは<1000cpmであった。 B.細胞毒性Tリンパ球(CTL)検定: 第1部:CTLの作製: (CTLは、培養を大規模にして多数の細胞を作製する外は7日間の混合リン パ球培養において作製した。)血縁の無い二人のドナー由来の末梢血リンパ球を 常法によりLSMで単離した。細胞を、上記のヒトMLR培地で3x106細胞 /mlに調節した。一方のドナーからのリンパ球をセシウム線源から3000ra dで照射し、「刺激」細胞と定めた。第二のドナーのリンパ球は「応答」細胞と 名付けた。応答および刺激細胞各々5mlをコーニングT−25cm2組織培養フ ラスコ中で合し、空気中5%CO2の下で37℃で7日間インキュベートした。 第2部:標的細胞の作製: CTLの収穫の3日前に、リンパ球が第1部で刺激細胞として使用されたドナ ーからリンパ球を単離した。これらの細胞をヒトMLR培地中1x106細胞/m lに調節した。次に、細胞10mlおよび1:500希釈のディフコPHA−Pを コーニングT−25cm2組織培養フラスコ中で合し、空気中5%CO2の下で3 7℃で3日間インキュベートした。 第3部:CTL細胞障害検定(4時間の51CR放出検定): 7日間培養した後、CTL(エフェクター細胞)を集め、3回洗浄し、次いで 1x107細胞/mlに調節した。標的細胞を集め、2回洗浄した。標的細胞は、 150μCiのNa51CrO4(5mCi/ml:アマーシャム・Corp.、ア ーリングトン・ハイツ、IL)によって、空気中5%CO2の下で37℃でおよ そ1時間ラベルした。細胞を4回洗浄し、計数し、そして2x105細胞/mlに 調節した。CTL細胞障害検定はコーニング96ウェル丸底プレートに準備した 。1ウェルにつき合計200μlの細胞を加えた。標的細胞50μlおよび種々の 濃度のエフェクター細胞100μl、ならびに500ng/mlの抗体[H52、抗 CD11b、抗CD11a、抗CD18、および抗gp120(7F11)。こ れらはすべて一般に入手可能である。]50μlをこのプレートに3ずつ加えた 。空気中5%CO2の下で37℃で4時間インキュベートした後、上清を収穫し (スカットロン、ロックヴィル、MD)、それらの放射活性を自動ガンマカウン ター(マイクロメディック・システムズ、ホーシャム、PA)で測定した。特異 的細胞毒性パーセントを、100X[合してインキュベートされた標的細胞およ びエフェクター細胞の試験上清のcpm(実験的放出)]−[単独でインキュベ ートされた標的細胞の上清のcpm(自然放出)]/{[標的細胞が2%NP− 40により溶解した後のcpm(最大放出)]−[自然放出]}において算出し た。決定された結果は、3つの培養の平均十/−SDとした。標的細胞のみの自 然放出は全ての実験について最大値の<10%であった。 11.結果: A.混合リンパ球反応 混合リンパ球反応の結果を図8に示す。抗CD18抗体が、抗CD11a反応 のそれと同様に、ヒト混合リンパ球反応に対して阻害作用を有することは明らか である。 B.CTL検定 CTL標的細胞の死滅に及ぼす種々の抗体の作用の結果を図9に示す。これら は、H52、抗CD11a、および抗CD18のみが細胞の溶解を阻害すること を示している。 上のインビトロデータから、LFA−1アンタゴニストがインビボの設定、即 ち移植において機能するであろう事が無理なく予想される。 実施例4 抗CD11a抗体を用いる接触感受性モデル。 下に述べる接触感受性モデルは乾癬の処置のためのモデルである。 プロトコル: 第0日:感作 チャールス・リヴァーから入手したBALB/cマウス(4−6週齢)を、1 群につき6−8匹のマウスを含む4つの処置群に分けた。このマウスをケタミン /キシラゼン/アセプロマジンによるi.p.で麻酔した。全てのマウスの腹部 をおよそ3x3cm2だけ剃毛した。10mg/mlジニトロフルオロベンゼン(D NFB)計50μlを、2−14群のマウスの無毛腹部に局所適用した。ピペッ トマンを使用してこの用量を適用し、先端の幅広い端がDNFBを皮膚全体に広 がらせるような使用ができるようにした。 第0−5日:抗体の投与 計20μgのM17抗体を、以下に指定した日にi.p.注射した:第1群− 第0日および第1日;第2群−第4日および第5日;第3群−第0−5日;およ び第4群−ラットIgG2aイソタイプ対照。 第0−5日:チャレンジ マウスをメタファンで麻酔した。2−14群のマウスの左耳介のいずれかの側 に、ピペットマンでDNFB5μlを局所適用した(5μl/片側)。ピペット先 端の幅広い端を用いてDNFBを耳全体に広げた。2−14群のマウスの右耳介 のいずれかの側に、DNFBの希釈液5μlを局所適用した。 チャレンジの8ないし10時間後。 全てのマウスの尾静脈に、計0.1mlの2μCi125I−UdRをi.v.注 射した。 125−UdR注射の16ないし18時間後。 マウスをCO2で殺した。全てのマウスの両耳介を毛の生え際で切り落とした 。 左および右の耳介を別々の管に入れた。各々の耳介を適当なラベルを付した12 x75のスナップキャップ付きポリエチレン管に入れた。耳介は−20℃で保存 した。 結果: 結果を図10に示す。M17で処置されたマウスは全て、対照と比較してDN FBに対する感受性の低下を表わした。0日および1日ならびに0−5日に処置 されたマウスは最も大きな感受性の低下を示した。 初期投与後間欠的にこの実験で使用された20μgより低く維持用量を低下さ せるならば、免疫原に対するマウスの感受性がさらに低下するであろう事が予想 される。さらに、上記のインビボのマウスのデータは、容認されている獣医学お よび臨床的手法に従って当該哺乳動物の体重について補正して、馬、牛、および その他の哺乳動物に外挿できるという事が無理なく予想され得る。人間もまた同 様にこの様式で応答すると信ぜられる。したがって、人間において、本明細書に 記載の投与法は、全ての患者におけるLFA−1により仲介される免疫機能に有 益な回復効果を有するであろう事が、無理なく予想され得る。 本明細書に記載の処置は、腎臓(特に、腎臓が最も影響を受け易い移植後最初 の数週間)、肝臓、膵臓、骨、骨髄、ならびに中枢神経および免疫系を包含する 身体の様々な部分に対する毒性を最小限にすることによって、常套的且つ現行の 治療より高い治療指数を供する事が期待される。急性および慢性拒絶の両方の出 現を少なくすることもまた予想される。さらに、この薬物は、再移植を受け、移 植片の1年生着率の低い危険度の高い患者において有用であると予想される。最 後に、この薬物は患者の罹患率を低下させ、したがって移植の通算コストを軽減 させることが予想される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,N O,NZ,PL,RO,RU,SD,SK,UA

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物にLFA−1アンタゴニストの治療的有効量である初期用量を投 与し、続いて1日を基準に計算して該アンタゴニストの初期用量の100%未満 であるLFA−1アンタゴニストの治療的有効量であるその後の間欠的用量を投 与することからなる、哺乳動物においてLFA−1仲介疾患を処置する方法。 2.その後の用量が該アンタゴニストの初期用量の約50%未満である、請求 項1に記載の方法。 3.その後の用量が該アンタゴニストの初期用量の約25%未満である、請求 項1に記載の方法。 4.その後の用量が該アンタゴニストの初期用量の約10%未満である、請求 項1に記載の方法。 5.その後の用量が該アンタゴニストの初期用量の約2%未満である、請求項 1に記載の方法。 6.該疾患が、移植された移植片のまたは移植された移植片による拒絶である 、請求項1に記載の方法。 7.初期投与が移植の実施の前、最中、および後に行なわれる、請求項6に記 載の方法。 8.該哺乳動物に有効量の免疫抑制剤を投与することをさらに含む、請求項1 に記載の方法。 9.該哺乳動物に有効量のシクロスポリンAを投与することをさらに含む、請 求項6に記載の方法。 10.該哺乳動物が人間である、請求項1に記載の方法。 11.該疾患が移植された移植片の拒絶であり、そして移植片のドナーおよび 受容者でHLAクラス11抗原が適合している、請求項10に記載の方法。 12.その後の投与が初期投与より長い時間実施される、請求項1に記載の方 法。 13.初期投与が毎日の投与から成り、その後の投与が大体週に1回以下で投 与される用量である、請求項6に記載の方法。 14.初期投与が移植片の移植後少なくとも1週間毎日のアンタゴニストの投 与からなり、その後の投与が、初期投与の終了後少なくとも約5週間隔週1回以 下のアンタゴニストの投与からなる、請求項13に記載の方法。 15.該アンタゴニストが抗CD11aまたは抗CD18抗体であり、初期投 与が移植実施後約1日ないし4週間で終了し、移植実施前約1週間から移植とほ ぼ同時までに開始される、請求項6に記載の方法。 16.投与が静脈内または皮下注射によりなされる、請求項6に記載の方法。 17.該アンタゴニストが抗LFA−1抗体または抗ICAM−1抗体である 、請求項1に記載の方法。 18.該抗体が抗CD11aまたは抗CD18抗体である、請求項17に記載 の方法。 19.該抗体が抗CD11a抗体である、請求項17に記載の方法。 20.宿主に抗LFA−1抗体の治療的有効量である初期用量を投与し、続い て1日を基準に計算して抗LFA−1抗体の初期用量の100%未満である抗L FA−1抗体の治療的有効量であるその後の用量を投与することからなる、哺乳 動物宿主による移植された移植片のまたは移植された移植片による該宿主の寛容 を増強するための方法。
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