JP2763197B2 - トレランスを誘導するためのモノクローナル抗体 - Google Patents

トレランスを誘導するためのモノクローナル抗体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、モノクローナル抗体を用いたトレランス誘
導に関する。
外来抗原又は外来組織、或いは自己抗原又は自己組織
に対するトレランスは、その他の点では正常な成熟免疫
系が、前記抗原/組織に対しては特異的かつ攻撃的に反
応することができず、従って前記抗原/組織を正常な
(非病的な)体細胞/成分のように取り扱うが、同時
に、自己トレランスの自然のプロセス或いは治療的トレ
ランス誘導法により特異的にトレランスが誘導されてい
ない外来或いは病的な抗原/組織に対して攻撃的に反応
することができる状態である。トレランスのための試験
は、通常、トレランスを有する個体が、無関係な抗原/
組織に対しては反応を示すことができる後に免疫するた
めの1或いは好ましくはそれ以上の試みを行ったとき、
特定の抗原/組織に対しては免疫できないことを明らか
にすることが必要である。
マウスCD4(L3T4)抗原に対するモノクローナル抗体
(mAb)は、液性免疫、移植拒絶及び自己免疫を制御す
るための有力な免疫抑制因子であることが証明されてい
る。更に、CD4mAbsは、インビボでトレランスを許容す
る環境を作り出し、これを用いて移植抗原及び可溶性蛋
白質抗原に対するトレランスを達成できることが明らか
になっている。しかし、CD4mAbsがこれらの効果を生じ
る機構はまだ明らかになっていない。最近の報告による
と、免疫抑制は、インビボで標的細胞を枯渇した状態下
で得られる。簡単に解釈すれば、この達成された免疫抑
制は、CD4T細胞の不存在によるものである。
一方、CD4(及びCD8)mAbsが、細胞を溶解することな
く、細胞表面上の抗原に単に結合することによってリン
パ球の機能に影響を与え得るということが、インビトロ
における仕事によって証明されている。
従来の研究ではCD4細胞を枯渇する抗体が用いられて
いた。今回、我々は非枯渇性(non−depleting)CD4
は、場合によってCD8抗体と共に、外来の免疫グロブリ
ン、骨髄及び皮膚移植に対してトレランスを誘導するこ
とができることを見い出した。実際、この所見はあらゆ
る抗原に対して一般的に適用できる。更に、我々は、非
枯渇性mAbsの投与に先だって枯渇性CD4mAbs及び/又は
枯渇性CD8mAbを投与することが、トレランスを許容する
環境を作るのに有用であることを見い出した。
本発明は、非枯渇性抗CD4モノクローナル抗体を非枯
渇性抗CD8モノクローナル抗体と共に対象に投与し、抗
原の存在下に該抗体によって対象内に免疫トレランス許
容環境を誘導することを包含する方法によって、抗原に
対する免疫トレランス状態を誘導する医薬を製造するた
めの非枯渇性抗CD4モノクローナル抗体の使用に関す
る。
また、本発明は、非枯渇性抗CD8モノクローナル抗体
を非枯渇性抗CD4モノクローナル抗体と共に対象に投与
し、抗原の存在下に該抗体によって対象内に免疫トレラ
ンス許容環境を誘導することを包含する方法によって、
抗原に対する免疫トレランス状態を誘導する医薬を製造
するための非枯渇性抗CD8モノクローナル抗体の使用に
関する。
また、本発明は、非枯渇性抗CD4モノクローナル抗体
を対象に投与し、抗原の存在下に該抗体によって人体内
に免疫トレランス許容環境を誘導することを包含する方
法によって、自己抗原、移植抗原及びイムノグロブリン
から選ばれる抗体に対する免疫トレランス状態を誘導す
る医薬を製造するための非枯渇性抗CD4モノクローナル
抗体の全体抗として使用に関する。
更に、本発明は、単位用量当り1〜400mgの非枯渇性
抗CD4モノクローナル抗体又4は非枯渇性抗CD8モノクロ
ーナル抗体を、人体への投与に適した形態の薬学的受容
性キャリヤー又は希釈剤と共に包含する薬学的組成物を
提供するものである。
非枯渇性CD4及びCD8mAbsを併せて投与することによっ
て、患者の一次抗原に対するトレランスを与えることが
できる。CD4及びCD8mAbsは、自己免疫患者を治療するた
めに、また長期の免疫抑制化学治療法を必要とすること
なく移植拒絶を防止するために用いることができる。器
官織移植または骨髄移植等の移植に対するトレランスが
達成され得る。
インビボにおいて、非枯渇性mAbsを使用する利点が存
在する。例えば、非枯渇性mAbsを短いコースで注射した
場合、適格細胞が阻害から迅速に回復することができ、
従ってmAb処理に続く免疫不全による日和見感染及び合
併症(例えばT枯渇性骨髄移植後の白血病の再発)の危
険を減らすことができる。加えて、CD4細胞は更に異な
る機能的サブセットに分けられ、そのいくつかは免疫調
節に係わり得ることが判った。T細胞の集団排除はもち
ろん免疫抑制を引き起こすが、CD4+調節細胞のなし得る
作用をも破壊するかもしれない。従って、より巧妙な操
作が免疫系を所望の状態に導くためにより有益であり得
る。
トレランスは、好ましくは、患者に対してまず枯渇性
CD4及び/又はCD8mAbsを投与することにより達成でき
る。
非枯渇性CD4及びCD8mAbの組み合わせは、他の免疫抑
制剤を必要とすることなく、いかなる抗原に対してもト
レランスを誘導することができる。非枯渇性mAbは、イ
ンビボにおいて、50%未満、例えば10〜25%、好ましく
は10%未満の標的細胞を破壊するmAbである。それら
は、クラスI抗原又はクラスII抗原或いはクラスI又は
クラスII抗原によって示される抗原に対するトレランス
を導入するために用いることができる。それらは両抗原
に対するトレランスを誘導するために用いることができ
る。移植の場合、例えば、クラスI及びクラスII主要組
織適合性(MHC)抗原及び非MHC或いはマイナー組織適合
性(マイナー)抗原が存在するかもしれない。移植抗原
とは別に、本発明は、球状蛋白質、免疫グロブリン等の
糖蛋白質、花粉蛋白質等の粒子上にある物質、インター
フェロン、インターロイキン−2又は腫瘍壊死因子等の
治療上の使用を意図したポリペプチド、或いは黄体形成
ホルモン、その類似物質及び拮抗物質等のホルモン置換
物質(hormone replacement)に対するトレランスを誘
導するために用いることができる。更に、トレランスを
与えることができる特定の抗体は、受容体の遮断助剤
(block aid)及びアロ抗原に使用される蛋白質治療剤
の合成ペプチド類似物質を包含する。アロ抗原は、組織
移植或いは皮膚移植における外来組織の拒絶の原因であ
ると考えられる。
使用できるmAbsは、CD4細胞表面抗原に対して特異的
(CD4mAb)或いはCD8細胞表面抗原に対して特異的(CD8
mAb)であるmAbsである。CD4及びCD8mAbsの語は、ヒトC
D4及びCD8表面抗原に対する特異的mAbsのみならず、ヒ
トCD4抗原と均等のマウスの抗原であるマウスにおけるL
3T4抗原等の他種の対応する表面抗原に対する特異的mAb
sも意味する。該mAbsは典型的にはラットIgG2a、マウス
IgG2b又はヒトIgG2等のIgG2クラスであるが、ヒトIgG4
てもよい。Fab及びF(ab)断片等の抗体結合部位を
有するmAb断片は使用できる。
CD4及びCD8mAbsは、一緒に宿主に投与される。これら
は、同一製剤の一部として或いは別途製剤として投与で
きる。典型的には、両mAbsは週に1〜7回、好ましくは
1〜4回、例えば3回を、2〜4週間、好ましくは3週
間投与される。非枯渇性mAbsの有効量が投与される。血
清中の抗体の飽和量に対する試験によって、十分な抗体
が存在することが示されるに違いない。十分な各非枯渇
性mAbは、結果として治療中の患者にトレランスを許容
する環境を誘導するために投与される。こうしてCD4及
びCD8細胞は遮断され得る。
患者に投与される非枯渇性CD4mAb及び非枯渇性CD8mAb
の量は、患者の年齢及び体重、治療条件、及びトレラン
スを誘導することが望まれる抗原を含む種々の因子に依
存する。マウスのモデルシステムにおいては、1μgか
ら2mg、好ましくは400μgから1mgのmAbが何時でも1度
に投与される。人間においては、1〜400mg、3〜30mg
ぐらい、例えば5〜20mgの抗体が投与される。非枯渇性
mAbであるCD11amAbは、CD4及びCD8mAbsに加えて用いる
ことができ、また、CD4またはCD8mAbsの一方或いは両方
と置き換えて用いることもできる。
トレランスを誘導するのが望まれる外来抗原は、非枯
渇性CD4及びCD8mAbsのコースが開始される前5日までか
ら、前記コースが完了した後5日或いはさらに2〜3週
間まで宿主に投与することができる。しかしながら、一
般には、抗原は前記コースが始まる最初の14日以内、典
型的には該コース開始の7日以内に投与される。抗原
は、CD4及びCD8mAbs処置のコースが始まったときに投与
できる。
従って、トレランスは非渇枯性CD4及びCD8mAbs、並び
にmAbsのカバーの下で該抗原を投与することによって、
宿主中の抗原に対して誘導することができる。患者は、
非枯渇性CD4及びCD8mAbsの援護のもと、外科的に手術で
き、器官移植或いは骨髄移植等の組織を移植することが
できる。また、トレランスは、患者が既に保持している
抗原に対しても誘導することができる。長期間の特異的
なトレランスは、多発性硬化症或いは慢性関節リウマチ
等の自己免疫患者の治療のために、1以上の自己抗原に
対して誘導することができる。従って自己免疫患者にか
かった患者の状態は緩和できる。
持続的な抗原がトレランスを維持するために要求され
る。例えば組織移植は、それ自身に対してトレランスを
維持するための抗原を提供する。同じことが自己免疫疾
患の治療における自己抗原にも当てはまる。アレルゲン
等の異質外来抗原の場合は、定期的な間隔をもって抗原
リマインダー(antigen reminder)が投与され得る。
非枯渇性mAbsでの処置を開始する前に、枯渇性CD4mAb
s及び/又は枯渇性CD8mAbで宿主を処置することが好ま
しい。枯渇性CD4mAbとは、50%以上、例えば90〜99%の
インビボでの標的細胞を枯渇するmAbである。枯渇性抗
体は、ラットIgG2b又はIgG1、マウスIgG2a、及びヒトIg
G1及びIgG3を含む。従って、枯渇性CD4mAbs及び/又は
枯渇性CD8mAbは、関連するT細胞の個体数(populatio
n)を減少させるのに用いることができる。非枯渇性mAb
sは、従って、作用すべきT細胞を少ししか有しない。
また、枯渇は、CAMPATH(商標)1等の他のmAb、ステロ
イド、シクロスポリン、ALG(抗リンパ球グロブリン)
の投与、或いは照射等の通常の免疫抑制治療により達成
できる。
枯渇性mAbによりT細胞の個体数が減少されるレベル
は、トレランスの達成が望まれる抗原に依存し得る。更
に、レシピエントが以前にドナー抗原に接したことがあ
り、感作されている(例えば何度も輸血された患者)場
合のの、適合性に乏しい組織移植のような難抗原、或い
は、患者が感作され且つ自己免疫が持続的に活性状態に
ある自己免疫疾患における難抗原に対しては、T細胞の
個体数を更に減少させることが望ましい。組織適合性に
乏しいとは、例えば、1以上のクラスI主要組織適合性
抗原が適合しないことである。
従って、CD4陽性のヘルパーT細胞の個体数を通常の
レベルの約70%未満、例えば約50%、20%或いはさらに
10%未満に減少させることが必要である。トレランスを
達成するのが難しいようであればあるほどに、達成され
ることが望ましい枯渇量は増加する。CD8陽性T細胞は
同様に枯渇され得る。
枯渇性CD4mAb及び/又は枯渇性CD8mAbは、典型的に1
週間当たり1〜7回、好ましくは1週間当たり2〜4
回、例えば1週間当たり3回、或いは1回又は2回、好
ましくは1回を、1〜7日間、例えば1〜5日間、非枯
渇性CD4及びCD8mAbs処置の開始前に投与される。トレラ
ンスが誘導されるのが望まれる抗原は枯渇性mAbの投与
と同時に、或いは枯渇性mAbsの投与の5日以内に投与さ
れ得る。投与される枯渇性mAbsの量は、関連するT細胞
の個体数を減少させるのに望まれるレベル、患者の年齢
及び体重、治療の状態、及びトレランスを誘導されるこ
とが望まれる抗原を含む種々の因子に依存する。マウス
のモデル系において、1μg〜2mg、好ましくは400μg
〜1mgの量の枯渇性mAbが投与される。ヒトでは、1〜40
0mg、3〜30mgぐらい、例えば5〜20mgの抗体が投与さ
れる。
枯渇性及び非枯渇性CD4及びCD8mAbsはいずれの便宜方
法によっても作製できる。これらは、免疫ラット脾臓細
胞をY3/Ag1.2.3.のようなラットミエローマ細胞株に融
合させる通常の方法(Clark and Waldmann,chapter 1 o
f“Monoclonal Antibodies"これはP.C.L.Beverley著の
“Methods in Hematology",Longman(Churchill Living
stone),1986)シリーズの本である)により作製でき
る。免疫されたマウス脾臓細胞とマウスミエローマ、ラ
ットミエローマ又はヒトミエローマとの融合、或いは組
み換えDNAの手法のような他の方法も使用できる。
すべてのmAb投与は、非経口的に、例えば静脈内投与
で行われる。mAbsは、一般に注射或いは注入により投与
される。この目的のために、mAbは薬学的に許容できる
キャリヤー或いは希釈剤を含有する薬剤組成物として調
製できる。いかなる適切なキャリヤー或いは希釈剤も用
いることができ、例えば生理食塩水等張液を用いること
ができる。トレランスを誘導することが望まれる特定の
抗原が与えられたとき、これらは非経口的に、例えば静
脈内、筋肉内或いは皮下に投与することができる。抗原
は、典型的に上記の薬学的に許容できるキャリヤー或い
は希釈剤と共に調製される。
mAbsを生産する各ハイブリドーマ、YTS177.9、YTS19
1.1、YTS105.8、YTS169.4はEuropean Collection of An
imal Ce 11 Cultures,Porton Down,G.B.on 30 May 1990
に、受託番号ECACC90053005、ECACC87072282、ECACC900
53004、ECACC87072284をもって寄託されている。
次に例によって本発明を説明する。
添付の図面において、図1は、rIgG2a及びrIgG2bMabs
の組み合わせによる補体溶解の相乗作用及び干渉を示し
ている。51-Cr(30μCi/ml)を用いてラベルしたCBA/Ca
胸腺細胞を、各棒の下に示すMabs及び補体源として2%
モルモット血清と共にインキュベートした。Mab濃度と
しては、(A)5μg/ml、(B)25μg/mlのMabを用い
た。
図2は、T細胞を枯渇することなくインビボでrIgG2a
CD4を注射した結果を示す。ATX CBA/Caマウス(n=
3)に対して、表示されたMabs(2mg/マウス)を一回の
注射で投与し、1、4及び8週間後に血液を採取した。
CD4(YTA3.1●)、CD8(YTS156.7▲)及びThy−1(YBM
29.2▼)に対するビオチン化した(biotninylated)Mab
sでBPLを染色し、引き続いてストレプトアビジン−FITC
(streptavidin−FITC)で染色した。結果をフローサイ
トメトリーで分析し、各個体群のパーセンデージを、試
験日の未処理対照のパーセンテージを100%として計算
した。
図3は、HGGに対するトレランスが、IgG2aCD4MabYTS1
77.9によってどの様に誘導されるかを示している。正常
CBA/CaマウスにYTS177.9或いはYTS191.1を−1、0、1
日に表示された量投与した。1mgの熱凝集HGGを0日に注
射した。28日及び35日に、マウスを0.5mgHGGで再誘発し
た。対照マウスは他と同様にYTS177.9を1mgを投与した
が、28日及び35日にHGGのみで免疫した。血清抗−HGGの
力価を45日目にELISAアッセイで測定した。
図4は、ラットIgG2aに対して特異的なトレランスを
誘導するためのYTS177.9の注射結果を示している。正常
CBA/CaマウスにYTS177.9或いはYTS191.1を3日間連続し
て、表示された量を3回注射した。6週間後、マウス
を、最初は完全な、その後完全なフロインドアジュバン
ド中のYTH35.4(IgG2aラット抗−ヒト)及びカムパス
(Campath)(登録商標)2(IgG2aラット抗−ヒト)を
週1回注射することによって再誘発した。10週間目、血
液を採取し、抗IgG2a(白抜きの棒)及び抗IgG2b(斜線
の棒)の力価を、それぞれHPLC精製ラットIgG2a及びIgG
2bMabsでコーティングしたプレートを用いてELISAアッ
セイで測定した。
図5は、IgG2aCD4及びCD8Mab処理後の延長した同種皮
膚移植の生存を示している。正常CBA/Caマウス(n=
6)にYTS177.9及びYTS105.18或いはYTS191.1及びYTS16
9.4(総抗体、3mg/マウス)を0、2、4日の3回注射
投与した。十分な厚さのBALB/c尾皮膚を0日目に移植し
た。統計値は、ロッグランク法(Logrank method)によ
り、IgG2bMab処理(▲)対未処理対照(●)p<0.00
5、IgG2a処理(▼)対対照p≦0.001、対IgG2b処理p≦
0.03である。
図6は、rIgG2amAbsにより同種皮膚移植に対するトレ
ランスを示している。正常CBA/CaマウスにB10.BR皮膚を
移植し、(1)0日及び2日目にYTS177.9及びYTS105.1
8混合物(2mg/マウス合計)、(2)3週間に渡って同m
Abs(9mg/マウス合計)を与えた。89日目、B10.BR(3
及び4)及びB10.D2(点線)から皮膚を再移植した。
図7は、CD4及びCD8抗体の異なる組み合わせにより処
理されたマウスにおける同種異系皮膚移植の生存を示し
ている。8〜14匹からなる3群のレシピエントCBA/Caマ
ウスに0日にBALB/c皮膚を移植し、0〜2日までモノク
ローナル抗体で例2に記載されたように処理した。第1
群(▼)はラットIgG2a抗体のみを与え、第2群(◆)
はラットIgG2b抗体のカクテルを与え、一方第3群
(●)はIgG2bと引き続いてIgG2a抗体の組み合わせプロ
トコールを与えた。この第3群のすべてのマウスに、更
に抗体を与えることなく、94日目に新しいBALB/c(▲)
及びB10(■)皮膚移植片を移植した。
移植片生存の分析:IgG2b群MST=55日に対するIgG2a群MS
T=28日は、p<0.006、IgG2a又はIgG2b群に対する組み
合わされたプロトコール群の元のBALB/c移植片MST=121
日は、p<0.001、第3のB10移植片MST=16日に対する
組み合わされたプロトコール群の第2のBALB/c移植片MS
T=43日は、p<0.04である。
図8は、MHC−不適合皮膚移植片に対するトレランス
誘導を示している。8〜12匹のCBA/Caマウス群に0日に
B10皮膚を移植し、0〜21日までモノクローナル抗体で
例2に記載されたように処理した。
(a)第1群は、抗体を投与されてない対照マウス
(▼)である。第2群(◆)はラットIgG2a抗体のみを
投与し、一方残りの群(●)はすべて組み合わされたIg
G2b及びIgG2aプロトコールを投与した。この最後の群
は、119日に新しいB10移植片(▲)及び第3のBALB/c皮
膚(■)を移植した。
移植片生存の分析:IgG2a群MST=48日に対する対照群
(抗体なし)MST=14日は、p<0.001、第2のB10移植
片MST=44日(119日から)に対する組み合わされたプロ
トコールの元のB10移植片MST>250日は、p<0.002、第
3のBALB/c移植片MST=13日に対する第2のB10移植片
は、p<0.003である。
(b)8匹のCBA/Caマウス群に、組み合わされたIgG2b
と引き続いてIgG2a抗体のプロトコールと共にB10移植片
(●)を与えた。91日目にマウスに第3のB10皮膚
(■)と共に第2のB10移植片(▲)を与えた。
移植片生存の分析:全群は、MST>200日であった。
図9は、多マイナー抗原不適合皮膚に対するトレラン
スの誘導を示している。8及び10匹のCBA/Caマウスの2
つの群に0日にAKR/J皮膚移植片を移植した。対照マウ
ス(▼)は抗体を与えていない。残りの群の組み合わさ
れたラットIgG2bと引き続いてIgG2a抗体のプロトコール
(●)を与え、122日に新しいAKR/J皮膚(▲)及び第3
のマイナー異種B10.BR皮膚(■)を再移植した。
移植片生存の分析:組み合わされたプロトコールの元の
AKR/J移植片MST>250日に対する無抗体対照MST=13日
は、p<0.001、第3のB10.BR移植片MST=27日に対する
第2のAKR/J移植片MST>128日は、p<0.009である。
図10は、感作されたレシピエントにおける多マイナー
抗原不適合皮膚に対するトレランスの誘導を示してい
る。レシピエントCBA/Caマウスに、皮膚移植の3週間前
に107照射(2000ラッド)をしたAKR/J(a,b)或いはB1
0.BR(c,d)由来の脾臓細胞を腹腔内注射することによ
って、ドナーマイナー抗原に対して感作させた(prime
d)。5〜13匹のマウスの群にAKR/J(a,b)或いはB10.B
R(c,d)皮膚(●)を、例2に記載したように、0〜21
日間のモノクローナル抗体の援護のもとに移植した。2
つの群は、組み合わされたIgG2b及びIgG2aのプロトコー
ル(a,c)及び2つの群は、ラットIgG2a抗体のみ(b,
d)を投与した。マウスは、89日(a,c)或いは96日(b,
d)に、第2のドナー−タイプ(▲)移植片(a及びb
群におけるAKR/J、c及びd群におけるB10.BR)及び第
3のマイナー異種(■)皮膚(a及びb群におけるB10.
BR、c及びd群におけるAKR/J)を再移植した。
移植片生存の分析:(a)第3のB10.BR移植片MST=41
日(89日から)に対する組み合わされたプロトコールの
元のAKR/J移植片MST>225日は、p<0.007(b)第3の
B10.BR移植片MST=42日(96日から)に対するIgG2aで処
理された元のAKR/J移植片MST>200日は、p<0.02
(c)実験の全群はMST>225日(d)実験の全群はMST
>200日であった。
図11は、第1の皮膚移植片を活発に拒絶するマウスに
おけるトレランス誘導を示している。6及び11匹のCBA/
Caマウスの2つの群に、モノクローナル抗体の処理なし
に0日のAKR/J皮膚を移植した。14日に約半数のマウス
がこれらの第1の移植片(●)を拒絶し、第2のAKR/J
皮膚移植片を移植しモノクローナル抗体処理を開始した
(▲)。その後マウスに組み合わされたIgG2bと引き続
いてIgG2a抗体の3週間のプロトコール(a)或いはラ
ットIgG2a抗体のみ(b)を投与した。
移植片生存の分析:(a)第2の組み合わされたプロト
コールの処理がなされたAKR/J移植片MST>92日に対する
第1のAKR/J移植片MST=12日は、p<0.004(b)
(a)及び(b)における全ての第1の移植片MST=12
日に対するIgG2aで処理されたAKR/J移植片MST>75日
は、p<0.003。
例 1 <材料および方法> 実験動物 CBA/Ca,B10.BR及びBALB/cマウスがケンブリッジ大学
病理学部における通常の動物施設で繁殖、飼育され、年
齢別及び性別にグループ分けして用いられた。
フローサイトメトリーによるモノクローナル抗体の同定 ラットT細胞ラインNB2−6TG(Dr.J.Howardの好意に
より提供された)が、マウスCD4遺伝子(Gorman et al,
PNAS USA 84,7644,1987)でトランスフェクトされた。
この細胞ラインNB2.L3T4/Hyg2.1は、ラットの抗マウス
胸腺細胞融合からの新規CD4 mAbsのスクリーニングに使
用された。細胞(1−5×106)は試験上清と共にイン
キュベートされ、次いでFITC−結合ウサギ抗−ラットIg
血清(Dako,Glostrup,Denmark)と共にインキュベート
された。サイトフルオログラフ(モデル50−H,オルト
社,ウエストウット,MA,uSA)上でのフローサイトメト
リーにより蛍光染色が分析され、データはオルト2150コ
ンピュータで処理された。
mAbsの競争的結合のために、L3T4/Hyg2.1細胞は、先
ず10μgの未標識mAbsの存在下において、氷上で30分間
ビオチン化mAbs(1μg/105細胞)と共にインキュベー
トされた。更に15分のインキュベーションのために、ス
トレプトアビジン−FITC(アメルシャム社、U.K.)が添
加された。その結果は、オルト社のサイトフルオログラ
フにより分析された。
マウス脾臓細胞をビオチン化した第一のmAb、ストレ
プトアビジン−フィコエリスリン(セロテック社、キド
リングトン、U.K.)、第二のmAb、およびFITC−結合さ
れたアイソタイプ特異性mAbsと共に順次連続的にインキ
ュベートすることにより、二色蛍光染色が行われた。緑
および赤の蛍光が検出され、オルト社のサイトフルオロ
グラフによって対数スケールで表示された。
末梢血液リンパ球(PBL)の免疫蛍光染色 フィコール(比密度1.079、ファーマシア社、スエー
デン)上において、3000×gで20分の遠心分離を行うこ
とにより、マウスPBLが分離された。界面の細胞を回収
し、PBS/BSA/アジドの中で洗浄した。次に、この細胞を
組織培養上清中のrIgG2bmAbsで染色し、続いてFITC−結
合NORIG7.16(抗rIgG2b)で染色するか、或いはビオチ
ン化mAbsで染色し、続いてFITC−ストレプトアビジン
(アメルシャム社)で染色した。結果は、上記のような
フローサイトメトリーによって分析された。
補体溶解 補体溶解は、先に述べたようにして行った。簡単にい
うと、51Crラベルされたマウス胸腺細胞および補体源と
して添加された2%モルモット血清でmAbsを希釈し、イ
ンキュベートした。37℃において45分後に上清を回収
し、フィリップス社製の自動ガンマ線カウンタ(フィリ
ップス、アインドボーベン、オランダ)によって放射活
性を測定した。特異的溶解は次式に従って計算された。
溶解%=(e−s)/(t−s)×100 但し、上記式において、eはサンプルカウントであ
り、sは自然放出であり、tは合計カウントである。
ヒトガンマグロブリン(HGG)に対するトレランスの誘
導 HGGにトレランスを誘導する方法は既に刊行物に記載
されている(Benjamin et al.J.Exp.Med 163,1539,198
6)。正常なCBA/Caマウスに対して、CD4 mAbsを、1日
目に静脈注射(i.v.)し、0日目および1日目に腹腔内
(i,p.)注射した。1mgの熱凝集HGGを、0日目にi.p.投
与した。このマウスに対して、21日目および31日目に0.
5mgのHGGを再投与した。38日目に、ELISAによってIgG抗
−HGG応答を測定した。
ELISAによるマウス抗体応答の検出 マウス抗体応答を測定するために、精製されたタンパ
ク抗原でコートされた平面底の可撓性プレート(ベクト
ンディッキンソン、USA)中で、サンプル血清を系列的
に稀釈し、30分間インキュベートした。このプレートを
PBS/0.05%ツイーン20(シグマ社、プール、UK)で洗浄
し、次いでビオチン化されたヒツジ抗−マウスIgG(ア
メルシャム社)と共に30分間インキュベートし、上記の
ようにして洗浄した。該プレートに対してストレプトア
ビジン−西洋わさびパーオキシダーゼ(アメルシャム
社)を15分間添加し、更に3回洗浄した後、5mg/mlの0
−フェニレンジアミンおよび0.1%過酸過水素によって
反応させた。490nmにおける吸収を読み、標準陽性コン
トロールと比較して力価を決定した。
皮膚移植 皮膚移植片を、Billingham et al(Nature 172,603,1
953)の改変方法で移植した。移植を受けるマウスは、
1μg/マウスのHypnodil及び0.2μg/マウスのSublimase
(ジャンセン社、オックスフォード、UK)のi.p.注射に
より麻酔した。ドナーの尾から得た全厚皮膚移植片(0.
5cm×0.5cm)を、横胸壁の移植ベッドに移植し、ワセリ
ンガーゼ及び綿包帯で覆い、プラスターで7日間保護し
た。その後毎日、移植片の生存を観察して記録した。生
存の最終時点は、生きた移植組織が全く見られなくなっ
た日である。
中間生存時間(MST)は、ログラン法(Logrnk metho
d;Peto et al,Br.J.Cancer35,1,1977)により計算さ
れ、分析された。マウスはManaco et al(J.Immunol.,9
6,229,1966)の方法により4週齢で胸腺を摘出され、少
なくとも4週間後に用いた。犠牲に供したときに全部を
チェックしたが、胸腺摘出が不完全なものはなかった。
<結果> CD4分子に結合するrlgG2amAbの同定 mAb、YTS177.9は、そのL3T4形質導入細胞ラインへの
結合に基づいて、免疫蛍光染色(表1)を用いて単離さ
れた。そのアイソタイプは、ELISA(データは示さな
い)を用いることにより、抗−rIgG2amAb並びにRG 7/1.
7(Springer et al,Hybridoma 1,257,1982)との反応に
より決定された。このmAbを既述した二つの他のCD4 mAb
sと比較するために、更なる分析を行った。結合阻害の
研究によって、YTS177.9は、YTS191.1(Cobblod et al,
1984,Nature 312,548)及びGK1.5(Dialyras et al,Im
m.Rev.74,29−56,1983)(両者ともCD4 mAbs)と同じエ
ピトープに結合するが、別のエピトープを認識する他の
CD4 mAb YTA 3.1(Qin et al,Eur.J.Immunol,17,1159,1
987)によって結合されるものとは異なる。二色フロー
サイトメトリーにおいて、YTS177.9及びYTA3.1はマウス
脾臓細胞の同じポピュレージョンを染色し、これはCD8
mAb、YTS169.4によって染色されるもの(Cobblod et a
l,1984,Nature 312,548)とは区別される。
また、YTS177.9の特異性は特異的51Cr放出検定によっ
て試験された。このmAbは、単独で用いたときは溶解に
効果的ではないが、CD4 mAb YTA3.1との相乗作用を示し
た(図1a)。他方、YTS177.9は、rIgG2bmAb YTS191.1に
媒介された溶解で妨害され、これは蛍光染色において交
差阻害であることが示された(図1b)。
rIgG2a CD4 mAbはin vivoでT細胞を枯渇しない rIgG2a CD4 mAbのin vivo細胞枯渇に対する影響を調
べるために、我々は成体の胸腺摘出された(ATx)マウ
スを用いた。というのは、これらの動物においては、胸
腺に依存したT細胞再生がないため、正常なマウスに比
較して、mAbの枯渇に引き続くT細胞の回復が遥かに非
効率的だからである。mAb注射後の末梢T細胞の変化を
モニターすることによって、一時的な抗原性の調節また
はリンパ球の再分布から、真の枯渇を識別することが可
能である。夫々のマウスに2mgのIgG2a抗体またはIgG2b
抗体を投与し、処理前または処理後の種々の時点におい
て、末梢血液リンパ球をフローサイトメトリーによって
分析した。図2に見られるように、IgG2b mAb治療の完
了後1週間で、約90%のCD4+細胞が末梢系から枯渇され
た。これには全T細胞のパーセンテージ減少およびCD8+
細胞の僅かな増加が伴われた。これとは対照的に、IgG2
a mAb治療はCD4+細胞のパーセンテージを減少させる
が、Thy−1+細胞の全パーセンテージ及びCD8+細胞のパ
ーセンテージは顕著な変化を示さない。これは、抗体結
合に続くCD4分子の抗原性調節の結果と思われる。治療
後4週間、YTS177.9治療群は正常なCD4レベルを維持し
たのに対し、IgG2b治療群におけるT細胞数は低く維持
された。
rIgG2a CD4 mAbの被覆下におけるHGGに対するトレラン
スの誘導 CD4 F(ab′)2mAbフラグメントを用いた先の仕事
は、タンパク抗原に対するトレランスを促進するmAbがC
D4+T細胞の枯渇を必要としないであろうことを示唆して
いる。この研究において、我々はF(ab′)フラグメ
ントのように非枯渇性CD4 mAbが同様の効果を有してい
るか否かを調べた。マウスは3日コースでYTS177.9又は
YTS191.1を与えられ、また第2日(0日)にHGG(0.5mg
/マウス)を注射された。4週間後にHGGを再投与したと
き、YTS191.1処理されたマウスおよび高投与量(1mg/マ
ウス)のYTS177.9を与えられたマウスは、HGGに対する
トレランスを獲得した(図3)。しかしながら、0.1mg
以下のmAbを投与されたマウスは、依然HGGに反応し得
た。
rIgG2a mAbに対するトレランスを誘導するYTS177.9の能
力 外因性抗体のin vivo投与によって、通常は宿主内で
抗グロブリン応答が引き出される。CD4 mAbsの一つの特
徴は、これら抗グロブリン応答を抑制し、同じアイソタ
イプの他の抗体に対するトレランスをも誘導することで
ある。この研究においてrIgG2a CD4 mAb YTS177.9が同
じ性質を有することが見出だされた。
0.1−1mg/マウスのYTS177.9を投与されたマウスは、
一次抗グロブリン応答をしない(力価:<1:20)。しか
しながら、0.01mg/マウスのYTS177.9を投与されたマウ
スは、弱い応答をした(1:160)。最初の抗体注射の6
週間後、十分な刺激を確実にするために、これら動物は
フロイントアジュバンド中の不適切(irrelevant)(ラ
ット 抗ヒト)rIgG2aおよびrIgG2b mAbを再投与され
た。該rIgG2bは、ヒトCDw52に対するmAb(Waldmann et
al,1985,Adv.Exp.Med.Biol.186,896)、即ちYTH34.5で
あった。また、rIgG2bはヒトCD3に対するmAb(Waldmann
et al,1985)、即ちYTH12.5であった。マウスは4週間
後に脱血され、その血清の抗−ラットIg力価をELISAに
よって測定した。rIgG2b mAbを与えられたマウスがrIgG
2b免疫グロブリンに対してトレランスを有するのを丁度
同じように、高投与量のYTS177.9(1mg)を与えられた
マウスは、繰り返し行われた追加免疫の後にも、rIgG2b
に対して完全にトレランスを有することが示された(図
4)。0.1mgのYTS177.9は、一次免疫応答を抑制する
が、トレランスを誘導するためには不十分である。0.01
mgのYTS177.9を与えられたマウス又は未処理の対照マウ
スは、二次タイプの抗グロブリン応答を示した。このよ
うにして誘導されたトレランスは特異的であり、YTS17
7.9処理マウスはrIgC2bに対して依然として応答可能で
あり、またYTS191.1に対してトレランスを有するマウス
はrIgG2aに応答できる。
rIgG2a mAb処理による同種移植片拒絶反応の遅延 我々は、短期治療コース後の同種皮膚移植片の生存を
延長させる能力において、YTS177.9がrIgG2b CD4 mAbs
と同様に効果的であることを見出した。最初の実験にお
いては、同種皮膚移植の3日前から、正常なCBA/Caマウ
スに対してrIgG2a(YTS177.9)またはrIgG2b(YTS191.
1)を、2週間に亘って毎日注射した(全mAb量は約7mg/
マウス)。YTS177.9治療群においては、MSTは20日まで
顕著に延長された(未治療対照群:11.3日;p≦0.05、表
2)。この延長された移植片の生存は、細胞を枯渇させ
るrIgG2b CD4 mAbによって達成されるもの(MST 19日)
に非常に近似していた。
MHCクラスI及びIIの不適合による移植拒絶反応にお
いて、CD4+およびCD8+サブセットの枯渇は、CD4 mAbsの
みの効果(Cobbold et al,Transplantation,42,239,198
6)を越えて、移植片の生存を顕著に改善することが示
された。この研究において、我々は別のrIgG2a CD8 mAb
を用いた。これもまた、IgG2a CD4 mAbと共にin vivoで
の細胞枯渇に対して殆ど効果がない。このCD8 mAb(即
ちYTS105.18)は、完全な同種皮膚移植片の生存を更に
延長させる点において、rIgG2a CD4 mAb(即ちYTS 177.
9)と相乗効果を有することが見出だされた。比較する
目的で、等量の二つのrIgG2b mAbs(YTS 191.1及びYTS
169.4)又は二つのrIgG2a mAbsを投与した。皮膚移植を
基準にして0日目、2日目及び4日目に、合計3mg/マウ
スのmAbsを与えた。このrIgG2b処理されたCBA/Caマウス
は、24日のMSTで、BALB/c皮膚を拒絶した(対照群では1
0.5日、p≦0.005、図5)。驚くべきことに、rIgG2a C
D4及びCD8 mAbsで処理された群の移植片生存は、rIgG2b
mAbsで処理したマウスのそれよりも長かった。rIgG2a
処理された4匹のCBAマウスのうちの3匹は、移植後45
日まで、BALB/c皮膚移植片を拒絶しなかった(MST 46.5
日;対するにrIgG2b処理群では、p≦0.03)。
皮膚同種移植に対するトレランス CD4 mAb処理後の、心臓または膵臓のような一定の同
種移植片の永久生存に関する報告がされてはいるが、一
般的には、mAb処理のみで皮膚移植片を長期間維持する
ことはもっと困難であることが分かっている。我々は、
CD4枯渇性mAbで処理することによって、多重マイナー不
適合性骨髄の許容が可能になること、及びこのようなマ
ウスはドナー皮膚のトレランスを有することを先に示し
た。この研究において、我々はCBA/CaマウスにB10.BRマ
ウスからの皮膚を移植し、移植を受けたマウスをYTS17
7.9(CD4)及びYTS105.18(CD8)で処理した。このH−
2適合性で、多重マイナー移植抗原不適合性のコンビネ
ーションにおいて、3週間コースのmAb治療を受けた全
てのマウスは最初の皮膚を90日間許容した。この時点
で、第二のドナータイプの皮膚が、第三パーティー(B1
0.D2)の移植片と共に移植された。図6のデータは、B1
0.D2皮膚がすぐに拒絶されたのに対して、第一および第
二の移植片は全て無期限(>90+日)に生存したことを
示している。mAbsを2回注射されただけのマウスのう
ち、6匹のうちの3匹はB10.BR皮膚を90日間維持した
が、これらは第二の皮膚移植の後に徐々に拒絶された。
例 2 <材料および方法> マウス CBA/Ca、C57BI.10/Pc、BALB/c、B10.BR及びAKR/Jマウ
スが、ケンブリッジ大学病理学部における通常の動物施
設で繁殖および飼育された。性別にグループ分けされた
マウスが、6〜12週齢で用いられた。
モノクローナル抗体 これらの実験で用いた全てのラット−モノクローナル
抗体を表3に列記した。抗体は、プリスタンで感作され
た(DAxLOU)F1ラット内で生成された腹水から、50%飽
和硫酸アンモニウムで沈殿し、続いて燐酸緩衝生理食塩
水(PBS;pH7.2)中に透析することによって調製され
た。タンパク濃度は、2−5mg/mlのモノクローナル抗体
を含むOD280によって評価した値が、10mg/mlに調節され
た。全ての抗体製剤は、マウスに投与される前に0.2μ
フィルターを通された。
皮膚移植 皮膚移植は、先に報告されているようにして行われた
(Cobbolod et al,1986,Transplantation,41,634)。簡
略にいうと、ドナーの尾の皮膚移植片(0.5cm〜1.0cm平
方)を、麻酔された移植を受けるマウスの横胸壁に移植
した。この移植片は、ガーゼ及びプラスター包帯で7日
間被覆された。最初の1月間は、週に3回だけ移植片の
状態を記録し、その後は略1週毎に記録した。生存期間
の相違をログラン法(Log−Rank method;Peto et al,B
r.J.Cancer 35,1,1977)を用いて分析した。或るドナー
領域からの多重再移植(multiple re−grafts)を行う
ときは、これらは単一の調製された移植ベッド、通常は
元の皮膚移植とは反対の脇腹に移植された(Cobbolod e
t al,1986,Nature,323,164)。移植片は最初は週に3回
観察され、その後は1週毎に観察された。中間生存期間
(MST)は拒絶が完結するまでの日数として与えられる
が、生存時間が定まらないようなトレランス化された移
植片は、一般に正常な毛の成長を伴う良好な状態にあっ
た。
皮膚移植に対するトレランスの誘導 皮膚移植は抗原/トレロゲンの唯一の供給源として用
いられ、上記のようにして、モノクローナル抗体治療の
開始と同じ日に行われた。モノクローナル抗体は、0日
目から21日目(算入して)まで、週に3回投与された。
最初の2回の注射(0日目および2日目)は静脈内に、
それ以外は腹腔内に行われた。1回の注射で与えられる
全抗体の合計投与量は、0.2mlのPBS中の2mg複水免疫グ
ロブリン画分であった。ラットIgG2b抗体のためには、
これはYTS191.1.2、YTA3.1.2、YTS169.4.2及びYTS156.
7.7の夫々の0.5mgである(CD4およびCD8モノクローナル
抗体の相乗作用的な枯渇性カクテル;Qin et al,1987,Eu
r,J.Immunol.17,1159)。ラットIgG2a抗体の場合は、YT
S177.9.6(CD4)及びYTS105.18.10(CD8)の夫々の1mg
が用いられた。組み合わされた枯渇及びブロッキングの
プロトコールとしては、0日目及び2日目に相乗作用的
ラットIgG2bカクテルがi.v.で与えられ、その後は21日
目まで、ラットIgG2a CD4及びCD8をi.P.で週に3回与え
た。
血清中における活性モノクローナル抗体のレベル モノクローナル抗体投与の最中および投与後の種々の
時点で個々のマウスから採取した血清サンプルを、1%
(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)および5%(v/
v)の熱失活された正常ラビット血清を含むPBSにより1/
5稀釈した状態で、その25μLをCD4およびCD8形質導入
された細胞5×105個に加えた。このCD4形質導人体(tr
ansfectant)はラットNB2−6TGライン発現マウスL3/T4
(例1)であり、一方、CD8(Lyt−2)遺伝子はマウス
L−細胞中において高レベルで発現した(Zamoyska,198
5,Cell,43,153)。結合抗体は、FITCに結合されたモノ
クローナル抗ラットIgG2a(MARG2A−FITC;Serotec,Oxfo
rd,UK)を、製造者が推奨する稀釈度で用いて検出され
た。また、分析は1250コンピュータを具備したオルト社
の50Hサイトフルオログラフ(Ortho,Westwood,MA,USA)
で行った。平均蛍光は、精製されたCD4またはCD8抗体
(YTS177.9.6又はYTS105.18.10)を、血清サンプルと等
しい濃度にするために正常マウス血清中で稀釈された標
準稀釈系列と比較した。蛍光が飽和抗体を示し、または
バックグラウンドより高い検出可能な蛍光を示さなくな
った場合、その結果は、標準曲線の滴定可能領域よりも
大きいか又は小さいと推定した。
末梢血液白血球の調製 個々のマウスをその尾血管から脱血(約0.1mL)し、1
Uのヘパリンを含む滅菌チューブ内にこの血液を採取し
た。マイクロヒュージで2分間遠心分離(6000rpm)し
た後、血漿を除去した。室温で10秒間0.9mlの水を添加
し、続いて0.1mlの10x燐酸緩衝生理食塩水を添加するこ
とによって赤血球を2回溶血し、1,000rpmで7分間遠心
分離することによって白血球を回収した(Chandler et
al,1979,J.Immunol.)。
T細胞サブセット枯渇のモニタリング 末梢血液白血球は、上記のように処理された個々のマ
ウスから調製された。これらは、CD4抗原(YTS191.1.2
プラスYTA3.1.2)またはCD8抗原(YTS169.4.2プラスYTS
156.7.7)の何れかに対するモノクローナル抗体を含ん
だ上清で染色された。他のモノクローナル抗体(表6参
照)もまた、対照として使用された。結合抗体は、モノ
クローナル抗ラットIgG2b−FITC(NORIG−7.16−FITC;C
lark,1986,Methods Enzymol.121,548)およびモノクロ
ーナル抗体ラットカッパ軽鎖(MAR−18.5−FITC;Lanier
et al,1982,Hybridoma,1.125)の混合物を用いて検出
された。蛍光は、1250コンピュータ及び線形増幅器を具
備し、且つ生きたリンパ球を選別するための順方向ゲー
ティング及び90゜分散を有するオルト社の50Hサイトフ
ルオログラフ(Ortho,Westwood,MA,USA)を用いて分析
された。
混合リンパ球培養 応答細胞は、個々のマウス血液サンプル(略0.2ml)
から上記の水溶解によって得られた。この細胞を、マイ
トマイシンC(Sigma,Poole,UK;25μg/ml)処理されよ
く洗浄された4×105個の刺激性脾臓細胞を含む、三つ
のU底組織培養マイクロタイターウエル内に分割(ウエ
ル当り略4×105個の白血球)することによって、夫々
のサンプルについて増殖検定を行った。10%熱失活ヒト
AB血清を含有するIscoveの改良Dulbecco培地(IMDM)
は、最終容積が0.1mlであった。5%CO2ガスを充填した
インキュベータ内において、37℃で3日間インキュベー
トした後、5μLの125I−デオキシウリジン(IUDR;10
μCi/ml,Amersham,UK)を6時間添加した。細胞をグラ
スファイバーフィルター上で培養し、フィリップス社の
自動ガンマ線カウンタで計測することによって、125Iの
取り込みを測定した。
枯渇性で且つブロッキング性のCD4及びCD8抗体の組合わ
せは、MHC不適合皮膚移植に対するトレランスを許容す
る 例1は、非枯渇性のCD4抗体およびCD8抗体を用いた3
週間の治療によって、多重マイナー不適合性皮膚移植に
対するトレランスを可能になることを示している。強力
なMHC相違に対してトレランスを生じさせ得るプロトコ
ールを確立するために、我々はBALB/c(H−2d)皮膚を
移植したCBA/Ca(H−2k)マウスウに対して、枯渇性抗
体(ラットIgG2b)を投与した場合、非枯渇性抗体(ブ
ロッキング性のラットIgG2a)を投与した場合、並びに
枯渇性のものに続いてブロッキング性のCD4抗体及びCD8
抗体の組合せを投与した場合の夫々の効果を比較した
(図7)。先に報告したように、厳密に枯渇性のプロト
コールは拒絶反応を顕著に遅延させたが、全てのマウス
は70日以内に拒絶した(MST=55日)。非枯渇性の抗体
は、ここでは効果は小さいが(MST=28日)、二つの非
枯渇性抗体の投与の組合わせは、続いてラットIgG2a抗
体でのブロックによって、その殆ど(全部ではない)の
移植が200日で拒絶されはしたが、最長の移植片生存が
与えられた(MST>100日)。この実験において、94日目
に、第三パーティーのB10(H−2b)皮膚と共に第二のB
ALB/c試験移植片を与えた。これら第三パーティーの移
植片は直ぐに拒絶され(MST=16日)、マウスが免疫適
格性を回復したことを示したが、第二のBALB/c移植片は
中間的な43日の間生存した。このことは、BALB/c移植片
抗原に対してある程度の特異的な非応答性が存在してい
るに違いないことを示している。
この株の組合わせにおいて、我々は完全なトレランス
を得てはいないが、B10(H−2b)皮膚をMHC不適合CBA/
Ca(H−2k)マウスウに移植したときに、同じ組合わせ
プロトコールによって完全にトレランスを許容すること
見出だした。図8は、移植を受けたマウスの6/8がその
元の皮膚移植片を無期限(>250日)に保持する一方、
全てのマウスが119日目に移植された第三パーティーのB
ALB/c皮膚を15日以内に拒絶したことを示している。第
二のB10移植片は実質的に生存時間を延長したが(MST=
44日)、遺伝的に同一と思われる第一の移植片が維持さ
れたときでさえ、結局は全てが拒絶された。この結果は
再現性があり、第二の移植片を拒絶する能力をもったエ
フェクター細胞の存在にもかかわらず、トレランスを有
するようになった最初の移植片が保持の特典を享受する
ことを明瞭に示している。そのメカニズムがどうであ
れ、元の皮膚移植はそれ自体に対する非応答性の状態を
誘導し且つ維持するに違いない。第一のB10移植片と第
二のB10移植片とを識別するマウスの能力は、BALB/c移
植片の代わりにB10.BRを与えられたマウスの5/8が三つ
の全部に対してトレランスを維持したように(図8)、
第三パーティーの皮膚に対する拒絶に依存しているよう
に思える。このことは、移植を受けた動物が両ドナーMH
Cの関係においてB10マイナー抗原のトレランスを有して
いることを示している。これは、その移植片自体がトレ
ランスを呈し得ること、また受容動物タイプのMHC(こ
れは元の移植片抗原の再プロセッシング及び受容動物AP
Csによるトレランスの発現に由来するに違いない)をも
呈し得ることを意味する。
これは、高度に免疫源性の皮膚移植片を唯一のトレロ
ーゲンとして用いた、完全なMHCバリアに対する抗体媒
介トレランスに関する最初の報告である。移植片それ自
体が、トレランスを引き起こすために必要な全ての抗原
提示をもたなければならないことが強調されなければな
らない。
枯渇性で且つブロッキング性のCD4及びCD8抗体の組合わ
せもまた、MHC適合性であるが多重非MHCマイナー抗原不
適合性の皮膚移植に対するトレランスを許容する 例1において、我々はCD4およびCD8に対するモノクロ
ーナル抗体でブロッキングすることが、多重マイナー抗
原(CBA/Ca上のB10.BR)が異なる皮膚移植に対してトレ
ランスを得るために十分であることを示した。図11にお
いて、枯渇性のものに続いてブロッキング性プロトコー
ルを組合わせることも、AKR/J移植片を無期限に保持し
ているCBA/Caマウス8/10について有効であることが分か
る。これらマウスのうちの6匹もまた、第二のAKR/J移
植片(更なる抗体治療を行うことなく122日目に移植さ
れた皮膚)を保持したが、全てのマウスは第三パーティ
ーのマイナー不適合皮膚(B10.BR)を拒絶した。しか
し、この第三パーティー皮膚の拒絶は正常なCBA対照群
よりもやや遅かった(正常群の14日に対して、27日;Cob
bold et al.,1986,Transplantation,41,634)。逆のコ
ンビネーション(CBA/Caマウス上のB10.BR)もまた、枯
渇性のものに続いてブロッキング性プロトコールを用い
ることによりトレランスを獲得したが(4/5移植片>220
日)、2/5マウスは第二のB10.BR移植片ならびに第三パ
ーティーのマイナー相違AKR/J皮膚の両方を許容した
(データは示していない)。これは、多数の共通したマ
イナー抗原を反映しており、また異なった実験モデルに
おいて見られる「優勢な」トレランスの発見を暗示して
いる(Zamoyska et al.,1989,Eur.J.Immunol.19,11
1)。
我々はこのセクションの纏めとして、CD4及びCD8抗体
を適切に使用すれば、皮膚移植のみに関して、抗原の造
血源や他の骨髄切除治療を必要とすることなく、MHC及
び非MHC抗原の相違に対するトレランスの誘導が可能で
あると結論したい。皮膚移植片は明らかに、拒絶を導く
活性化または許容およびトレランスに導く不活性化のた
めに、末梢T細胞に対して直接に抗原を提示することが
できる。
ラットIgG2a及びIgG2b抗体の組合せによる循環T細胞に
対する影響 上記実験に見られる顕著なトレロゲン効果の観点か
ら、循環CD4+及びCD8+T細胞へのモノクローナル抗体の
影響を評価することが重要である。先に、我々はCD4又
はCD8に対するラットIgG2b抗体がその標的T細胞を枯渇
することを示した(Cobbold et al.,1984,Nature,312,5
48)。例1において、ラットIgG2a抗体は、その与えら
れた投与量では細胞表面の抗原を調節するだけであっ
た。組合せプロトコールの場合には、ラットIgG2b CD4
及びCD8モノクローナル抗体の初期投与量によって期待
通りT細胞数の減少が生じ、次いでIgG2a抗体での治療
を継続する間にCD4+及びCD8+細胞の比率が実際に回復し
始めた(表4)が、発現された抗原の量は遥かに減少し
た(データは示していない)。残りの抗体は投与期間を
通してT細胞上に存在し、これがCD4+及びCD8+細胞の詳
細な測定を困難にした。その後、末梢血液中のT細胞比
率は、抗体治療を停止した後少なくとも1月間は減少し
たままであり、IgG2a抗体が単独で等量与えられたとき
には効果は観察されなかった(データは示していな
い)。
非枯渇性モノクローナル抗体による移植拒絶の抑制の
一つのメカニズムは、抗原提示の間、T細胞表面のCD4
及びCD8アクセサリー分子の機能のブロックングを介す
るものである。これは、血清抗体が抗体陽性細胞を飽和
するに充分なレベルに維持されるときのみ、最も効果的
であろう。治療されたマウスにおける活性抗体のレベル
は、3週間の治療を通して、また何匹かのマウスでは抗
体投与の停止後3週間までは、実際に標的のCD4及びCD8
抗原を飽和するに充分であることが分かった(表5)。
しかし、60日目までに、検出可能のモノクロナル抗体
(<0.5ng/mlのCD4と、<10ng/mlのCD8)は血清中に残
存しなくなったが、さもなければこれは非特異的免疫抑
制を維持することができたであろう。留意しなければな
らないことは、どのマウスも、捕獲ELISAによって測定
されるような何等かの検出可能な抗グロブリン(抗種ま
たは抗イデオタイプの何れも)を造らず、これは、マウ
スがこのプロトコールによってラット免疫グロブリンに
対してもトレランスを与えることを示していることであ
る。
トレランスを有するマウスはIn Vitroにおいて未だ応答
することができる 我々は、上記のようにしてB10皮膚に対するトレラン
スを与えられたCBAマウスが、in vitroにおいてB10刺激
剤脾臓細胞に応答して、未だ増殖し得ることを見出だし
た(表6)。これは、かなりの数の同種反応性T細胞が
枯渇されなかったことを示している。明らかに、移植を
受けた動物の免疫系は元の移植片によって提示される抗
原に通してトレランスを有しているが、未だin vitroで
の脾臓刺激剤細胞又は第二の皮膚移植片による提示に対
して反応することができる。
マイナー抗原に対して前もって感作されたマウスにおけ
るトレランスの誘導 末梢免疫系における無垢のT細胞が、移植で生じた抗
原(graft−born antigens)によってトレランス化され
ることができると仮定して、我々は感作されたT細胞も
トレランス感受性であるか否かを測定した。我々は、二
つの処理プロトコール(ブロッキング単独、または枯渇
性に続いてブロッキング)の両方が、照射したドナー脾
臓細胞で前もって感作されたCBA/Caマウスにおいて、AK
R/JまたはB10.BR皮膚の何れかに対するトレランスの誘
導に効果的であることを見出だした(図10a〜10d)。こ
れとは対照的に、先に我々は、枯渇性のCD4+及びCD8+T
細胞は生まれつきのマウスまたは感作されたマウスにお
いて等しく免疫抑制的ではあるが、全ての移植片が結局
は拒絶されたように、多重マイナー抗原不適合性の皮膚
についてトレランス許容性でないことを示した(Cobbol
d et al.,1986,Transplantation,41,634)。
図9の生まれつきのマウスと図10の感作されたマウス
との間の唯一の相違は、抗原再投与の後に見られる。AK
R/Jに対して感作され且つトレランス化された群の約半
分のマウスは、B10.BR第三パーティー移植片よりも遅く
ではあるが、第一及び第二のAKR/J移植片の両方を拒絶
した(夫々、MST=63日および21日;図10a)。CAB上のB
10.BRにおいて、殆どのマウスは元の移植片を無期限に
保持したが、何匹かのマウスでは、第二B10.BRおよびAK
R/J移植片は徐々に拒絶された(図10c)。株の組合わせ
の挙動におけるこの相違は、生まれつきのマウスに見ら
れたものと比較することができ(図9参照)、おそらく
は共通かつ特有のマイナー抗原の複雑なパターンにあ
る。
皮膚移植片の能動拒絶の際のトレランス誘導 感作T細胞ですらトレランス化できることの発見は、
明らかに臨床的な意味を有している。進行中の免疫応答
にもかかわらずトレランスを誘導することは、特に自己
免疫において、又は移植の後の器官拒絶機器(organ re
jection crisis)の最中に明らかに有利である。図11に
おいて、或る場合には第一および第二の移植片の両方に
おいて、多重マイナー抗原不適合性皮膚移植片の進行中
の拒絶を逆行させ、長期間の生存を確立することが実際
に可能であることが分かる。この実験において、枯渇性
に続いてブロック性のものを用いる組合わせが最も効果
的である(図11a)。しかも、ブロッキング性(非枯渇
性)の抗体を与えられたマウスの3/6もその第二の移植
片を保持したように(図11b)、エフェクターT細胞が
不活性化またはトレランス化されることさえ可能である
に違いない。
a) 正常なCBA/Caマウスは、皮膚移植の3日前から始
めて2週間の間、CD4Mabsを投与された(略7mg/マウ
ス)。
b) 最後のMab注射の4日後に採取された末梢血液
は、ビオチン化されたYTA3.1(CD4)、YTS156.7(CD8)
およびYTS154.7(Thy−1)で染色され、続いつストレ
プトアビジン−FITCで染色された。その結果はフローサ
イトメトリーで分析された。
c) B10.BR移植片のMST: 非治療対照:12日 YTS191.1治療:32日(v.s.対照:p≦0.005) YTS177治療:22日(v.s.対照:p≦0.004,v.s.YTS191.1群
p≦0.7) BALB/c移植片のMST: 非治療対照:10.5日 YTS191.1治療:19日(v.s.対照:p≦0.006) YTS177.9治療:20日(v.s.対照 p≦0.006,v.s.YTS191.1
群p≦0.4) モノクローナル抗体治療は、0日目および2日目にラ
ットIgG26 CD4およびCD8を、続いて21日目まで週3回、
ラットIgG2a CD4およびCD8(一回の注射当り合計2mg)
行った。
B10トレランスを有する個々のCBA/Caマウスまたは正
常な対照は、78日目に尾静脈から放血された。
末梢血球の増殖は、例2に記載したようにして測定さ
れた。
与えられた数字は、群当り6マウスの対数平均および
標準偏差である。
図面の簡単な説明 図1は、rIgG2a及びrIgG2bMabsの組合せによる補体溶
解の相乗作用及び干渉を示す図である。
図2は、T細胞を枯渇することなくインビボでrIgG2a
CD4を注射した結果を示す図である。
図3は、IgG2aCD4MabsYTS177.9によってHGGに対する
トレランス誘導される状況を示す図である。
図4は、ラットIgG2aに対して特異的なトレランスを
誘導するためのYTS177.9の注射結果を示す図である。
図5はIgG2aCD4及びCD8Mab処理後の延長した同種皮膚
移植の生存を示す図である。
図6は、rIgG2amAbsによる同種皮膚移植に対するトレ
ランスを示す図である。
図7は、CD4及びCD8抗体の異なる組み合わせにより処
理されたマウスにおける同種異系皮膚移植の生存を示す
図である。
図8は、MHC−不適合皮膚移植片に対するトレランス
誘導を示す図である。
図9は、多マイナー抗原不適合皮膚に対するトレラン
スの誘導を示す図である。
図10は、感作されたレシピエントにおける多マイナー
抗原不適合皮膚に対するトレランスの誘導を示す図であ
る。
図11は、第1の皮膚移植片を活発に拒絶するマウスに
おけるトレランス誘導を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−2934(JP,A) The Journal of Ex perimentalMedicin e,Vol.169(Feb.1989) p p.493−502 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 39/395 CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】治療剤がCD4抗原に指向する非枯渇性モノ
    クローナル抗体を包含しており、非枯渇性抗CD4モノク
    ローナル抗体を非枯渇性抗CD8モノクローナル抗体と共
    に人体に投与して、抗原の存在下に該抗体によって人体
    内に免疫トレランス許容環境を誘導することを包含する
    方法によって、人体に抗原に対する免疫トレランス状態
    を誘導するために人体を処置する治療剤。
  2. 【請求項2】治療剤がCD8抗原に指向する非枯渇性モノ
    クローナル抗体を包含しており、非枯渇性抗CD8モノク
    ローナル抗体を非枯渇性抗CD4モノクローナル抗体と共
    に人体に投与して、抗原の存在下に該抗体によって人体
    内に免疫トレランス許容環境を誘導することを包含する
    方法によって、人体に抗原に対する免疫トレランス状態
    を誘導するために人体を処置する治療剤。
  3. 【請求項3】抗原が移植抗原、自己抗原及びイムノグロ
    ブリンから選ばれる請求項1又は2に記載の治療剤。
  4. 【請求項4】治療剤が全抗体としてCD4抗原に指向する
    非枯渇性モノクローナル抗体を包含しており、非枯渇性
    抗CD4モノクローナル抗体を人体に投与して、抗原の存
    在下に該抗体によって人体内に免疫トレランス許容環境
    を誘導することを包含する方法によって、自己抗原、移
    植抗原及びイムノグロブリンから選ばれる抗原に対する
    免疫トレランス状態を誘導するために人体を処置する治
    療剤。
  5. 【請求項5】抗体が1以上の免疫抑制治療と共に投与さ
    れる請求項1ないし4のいずれかに記載の治療剤。
  6. 【請求項6】枯渇性抗CD4モノクローナル抗体及び/又
    は枯渇性抗CD8モノクローナル抗体が非枯渇性抗体の投
    与前に投与される請求項1ないし4のいずれかに記載の
    治療剤。
  7. 【請求項7】非枯渇性抗CD4モノクローナル抗体、及び
    使用される場合には非枯渇性抗CD8モノクローナル抗体
    が各組換え抗体である請求項1ないし6のいずれかに記
    載の治療剤。
  8. 【請求項8】抗原が自己抗原である請求項1ないし7の
    いずれかに記載の治療剤。
  9. 【請求項9】リウマチ様関節炎又は多発硬化症の処置に
    おけるトレランスの誘導のための請求項8に記載の治療
    剤。
  10. 【請求項10】単位用量当り1〜400mgの非枯渇性抗CD4
    モノクローナル抗体又は非枯渇性抗CD8モノクローナル
    抗体を、人体への投与に適した形態の薬学的受容性キャ
    リヤー又は希釈剤と共に包含する単位用量形態の免疫ト
    レランス状態誘導用の薬学的組成物。
  11. 【請求項11】単位用量が20〜400mgの抗体を含有する
    請求項10に記載の薬学的組成物。
  12. 【請求項12】単位用量が30〜400mgの抗体を含有する
    請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 【請求項13】抗体が抗CD4抗体である請求項10〜12の
    いずれかに記載の薬学的組成物。
  14. 【請求項14】抗体が抗CD8抗体である請求項10〜12の
    いずれかに記載の薬学的組成物。
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