JPH08500307A - 自動車の負圧式制動力ブースタ - Google Patents

自動車の負圧式制動力ブースタ

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JPH08500307A JP6505812A JP50581294A JPH08500307A JP H08500307 A JPH08500307 A JP H08500307A JP 6505812 A JP6505812 A JP 6505812A JP 50581294 A JP50581294 A JP 50581294A JP H08500307 A JPH08500307 A JP H08500307A
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Abstract

(57)【要約】 本発明では、負圧式制動力ブースタの作動中に生起される力、特に、反動力とリセット力との比率を最適にするために、通気可能な作動チャンバ(3)に作用する空気圧を、制御弁(12)のシールシート(15,16)から隔たった制御弁(12)の弁部材(10)の側に作用させることができる手段(36,33,17)が設けられている。この場合、制御弁(12)は、真空圧と大気圧との圧力差を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車の負圧式制動力ブースタ 本発明は、その内部が可動壁によって作動チャンバと真空チャンバとに区画さ れたブースタハウジングと、前記可動壁に作用する圧力差を制御し且つ同心的に 配置された2つのシールシートと弾性変形可能な弁部材とを備えた制御弁とを有 する自動車の負圧式制動力ブースタに関する。 この種の負圧式制動力ブースタは、例えば、DE−OS39 15 219に 開示されている。空気圧差が作用する弁部材の作用面が操作中に膨脹で増大する ことを防止するために、弁部材を取り囲んで弁部材の転動折曲部(rolling fold )の径方向外側への移動を制限する環状の構成要素が設けられている。 真空チャンバの排気中に真空圧と大気圧との間の圧力差によって生起される力 成分が前述した弁部材の作用面上に作用することは好ましくない。すなわち、こ の力成分は、作動方向に作用して、制御ハウジングに設けられたシールシート( 真空側シールシート)を閉じようとする。真空側シールシートを開くためには、 特に可動壁の戻り動作中に、前記力成分に打ち勝つ力が必要である。したがって 、第2のシールシート(大気側シールシート)を作動方向に抗して付勢するバネ が設けられる。しかしながら、このような手段によると、反動力(response for ce)が増大してしまう結果となる。 したがって、本発明の目的は、第2のシールシートに作用するリセット力と負 圧式制動力ブースタの反動力との間の比 率を改良し又は最大限に活用できるようにすることである。 本発明によれば、この目的は、シールシートから隔たった弁部材の側に作動チ ャンバに導入される空気圧を作用させることによって、達成される。 本発明の思想を具現化するために、本発明の好ましい実施例では、可動壁と連 結する制御ハウジング内に制御弁が収容され、その弁部材が制御ハウジング内に 空気チャンバを形成している。そして、作動チャンバに導入された空気圧が前記 空気チャンバに作用する。 また、空気チャンバの通気(evacuation and venting)と空気チャンバ内の急 速な圧力変化とを可能にする非常に短い流路が形成される。すなわち、弁部材は 、そのシール面に隣接する部位に、シールシートによって形成され且つ作動チャ ンバに接続された環状チャンバと空気チャンバとを接続する少なくとも1つの通 路を有している。 また、弁部材は、弁部材をハウジング内で保持する保持リングとともに空気チ ャンバを形成する径方向外側の転動折曲部と径方向内側の転動折曲部とを有して いるため、弁部材の作動中における摩擦の増大が最小限に抑えられる。 本発明に係る負圧式制動力ブースタの他の実施例において、環状に形成された 弁部材は、制御ハウジング内にシール状態で配置された案内部材とともに空気チ ャンバを形成する径方向外側のシールリップと径方向内側のシールリップとを有 しているため、軸方向の全長が短くなり、組み立てや製造が容易になる。 この構成では、環状の補強部材がシールシートから隔たった弁部材の側に設け られ、弁ばねが補強部材に当接して弁部材をシールシートの方向に付勢すること が望ましい。また、補強部材は、U形状の断面を有し、弁部材の通路に対向する 少なくとも1つの開口を有していることが望ましい。 また、補強部材を転動折曲部間に配置することによって、制御ユニットの組立 が非常に簡単になる。さらに、これによって、径方向内側の転動折曲部の適度な 支持状態が確保され、限定された所望の転動径(roll-off diameter)を維持す ることができる。このため、補強部材はL形状の断面を有していても良い。 また、空気チャンバは、シールビーズによってシールされている。シールビー ズは、内側の転動折曲部と外側の転動折曲部とのそれぞれに隣接し、制御ハウジ ングもしくは保持リングにシール状態で当接している。本発明に係る負圧式制動 力ブースタの操作時における信頼性は、この効果的なシールによって向上される 。 結局、前述したバネによってリセット力の大きさを所望する大きさにするため には、径方向内側の転動折曲部の径を第2のシールシートの径よりも小さくする か、もしくは、径方向内側の転動折曲部の径を第2のシールシートの径と略同一 にすることが重要である。 第1図は、本発明に係る負圧式制動力ブースタの要部断面図; 第2図は、第1図の負圧式制動力ブースタに使用される弁部材の拡大平面図; 第3図は、第2図のA−A線に沿う断面図; 第4図は、本発明の第2の実施例に係る負圧式制動力ブースタの制御ユニット の拡大要部断面図である。 以下、図面を参照しつつ本発明の実施例について説明する。 本発明に係る負圧式制動力ブースタのブースタハウジング1が第1図に概略的 に示されている。このブースタハウジング1は、軸方向に移動可能な可動壁2に よって、作動チャンバ3と真空チャンバ4とに区画されている。可動壁2は、金 属板を深絞り加工(deep drawn)して成るダイアフラムプレート8と、このダイ アフラムプレート8に当接する柔軟なダイアフラム(図示せず)とによって形成 されている。この場合、柔軟なダイアフラムは、ダイアフラムプレート8の外面 とブースタハウジング1との間でシールを形成するローリングダイアフラムとし て作用する。 作動ロッド7によって操作可能な制御弁12は制御ハウジング5内に収容され ている。制御ハウジング5は、可動壁2と連結され、ブースタハウジング1内を シール状態で案内される。制御弁12は、制御ハウジング5に設けられた第1の シールシート(sealing seat)15と、作動ロッド7に連結された弁ピストン9 に設けられた第2のシールシート16と、両方のシールシート15,16と共働 し且つ保持リング21に当接する弁スプリング22によってシールシート15, 1 6に対して付勢される弁部材10とを有している。作動チャンバ3は、制御ハウ ジング5内を横方向に延びるチャンネル28を介して、真空チャンバ4と接続可 能である。 制動力は、前方で制御ハウジング5に当接するエラストマー材料からなるリア クションディスク6と先端フランジ部23を有するプッシュロッド14とを介し て、図示しないブレーキシステム(負圧式制動力ブースタの真空側端部に固定さ れている。)のマスターシリンダの作動ピストンに伝達される。作動ロッド7に 生起される入力は、弁ピストン9を介して、リアクションディスク6に伝達され る。 ブースタハウジング1の真空側端部壁に設けられた図示しないフランジ部に当 接するリセットばね26(概略的に示されている。)は、可動壁2を図示する初 期位置に保持する。さらに、第2の圧縮ばね27は、作動ロッド7と支持リング 40との間に介挿されている。支持リング40は、保持リング21に当接してお り、弁部材10を保持リング21に対して固定する。圧縮ばね27のばね力は、 弁部材10を弁ピストン9またはそのシールシート16に対して付勢する。 制御弁12の操作時に作動チャンバ3を外気に接続するために、略径方向に延 びるチャンネル29が制御ハウジング5内に別個に設けられる。ブレーキ操作の 終端における弁ピストン9の戻り移動は、横方向部材11によって制限される。 この横方向部材11は、負圧式制動力ブースタの図示する解除位置で、ブースタ ハウジング1内の制御ハウジング5をシール状態で案内する摺動パッキンリング (sliding packing ring)13に当接する。 特に、第2図及び第3図に示すように、弁部材10は、2つのシールシート1 5,16と共働する環状のシール面42を有しており、金属製の補強ディスク4 1によって補強されるとともに、複数の軸方向通路19を有している。シールシ ート15,16から隔たったシール面42の側には、径方向外側に位置する大径 の転動折曲部(rolling fold)25と、径方向内側に位置する小径の第2の転動 折曲部30とが存在し、これらの各転動折曲部25,30は、シールビーズ38 ,39を横切っている。弁部材10を制御ハウジング5内に装着した状態で、シ ールビーズ38,39は弁部材10の内壁というよりもむしろ弁部材10を保持 する前述した保持リング21にシール状態で当接する。これによって、制御ハウ ジング5内に空気チャンバ17が形成される。好ましくは、U字型の断面形状を 有する環状の補強部材35が2つの転動折曲部25,30の間に介挿され、この 補強部材35に対して弁ばね22が当接支持される。また、補強部材35は、弁 部材10の通路19と対向する複数の開口20を有している。通路19や開口2 0によって形成される流路は、空気チャンバ17と環状チャンバ24とを接続す る。環状チャンバ24は、シールシート15,16によって形成されており、前 述した空気チャンネル29に連通している。これによって、シール面42から隔 たった弁部材10の側に形成された空気チャンバ17が作動チャンバ3と常時接 続され、弁部材10に圧力平衡が生じる。 第4図に示された第2の実施例では、弁部材10が環状に形成されている。そ して、弁部材10は、制御ハウジング5の壁にシール状態で当接する径方向外側 の第1のシールリップ31と、空気(圧力補償)チャンバ17を形成するガイド 部材34と共働する径方向内側の第2のシールリップ32とを備えている。ガイ ド部材34は、Oリング37によって制御ハウジング5に対してシールされてお り、一方でピストンロッド戻しばね27を支持するとともに、他方で弁ばね22 を装着する。第1図ないし第3図に示した実施例と同様、圧力補償チャンバ17 は、弁部材10の通路36と開口33とによって、環状チャンバ24もしくは作 動チャンバ3(図示せず)に接続されている。この場合、開口33は、U字型の 断面形状を有し且つ弁部材10を補強する補強リング35に設けられており、弁 部材10の通路36と対向している。径方向内側のシールリップ32の径は第2 のシールシート16の径と同一寸法である。 第4図に示す解除位置では、真空チャンネル28と環状チャンバ24と空気圧 補償チャンバ17とが略同一の圧力となる。その結果、弁部材10は、空気圧に よる力の作用が平衡状態に維持される。弁ばね22は、弁部材10を第2のシー ルシート16に移動させる所望の押圧力を形成する。 操作時、空気圧差によって環状面に生起される力成分と弁ばね22は、弁部材 10を第1のシールシート15に移動させる所望の押圧力を形成する。この場合 、環状面は、第1のシールリップ31と第1のシールシート15とによって形成 される。 空気チャンバ3,4間の接続を果たし、且つ、可動壁2の戻し移動中に第1の シールシート(真空側シールシート)15を開くために、第2の(ピストンロッ ド戻し)ばね27は、弁ばね22の付勢力と第2のシールシート16に作用する 空気圧とに抗して作用する。ばね27によって形成される力の残余部分が前述し たリセット力である。 したがって、本発明によれば、一定の反動力(responseforce)をもってリセ ット力が増大し、一定のリセット力をもって反動力が減少し、その結果、本発明 に係る制動力ブースタのヒステリシスが改良(向上)されるため、弁ピストン9 に作用する負圧式制動力ブースタの反動力とリセット力との間の差異が減少する 。 参照符号リスト 1…ブースタハウジング 2…可動壁 3…作動チャンバ 4…真空チャンバ 5…制御ハウジング 6…リアクションディスク 7…作動ロッド 8…ダイアフラムプレート 9…弁ピストン 10…弁部材 11…横方向部材 12…制御弁 13…摺動パッキンリング 14…プッシュロッド 15…シールシート 16…シールシート 17…チャンバ 18…ローリングダイアフラム 19…通路 20…開口 21…保持リング 22…弁ばね 23…ヘッドフランジ 24…環状チャンバ 25…転動折曲部 26…リセットばね 27…ピストンロッド戻しばね 28…チャンネル 29…チャンネル 30…転動折曲部 31…シールリップ 32…シールリップ 33…開口 34…案内部材 35…補強部材 36…通路 37…Oリング 38…シールビーズ 39…シールビーズ 40…支持リング 41…補強ディスク 42…シール面

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.その内部が可動壁によって作動チャンバと真空チャンバとに区画されたブ ースタハウジングと、前記可動壁に作用する圧力差を制御し且つ同心的に配置さ れた2つのシールシートと弾性変形可能な弁部材とを備えた制御弁とを有する自 動車の負圧式制動力ブースタにおいて、 作動チャンバ(3)に導入された空気圧をシールシート(15,16)から隔 たった弁部材(10)の側に作用させる手段(19,20,17,36,33) が設けられていることを特徴とする負圧式制動力ブースタ。 2.可動壁と連結された制御ハウジング内に制御弁が配置される請求項1に記 載の負圧式制動力ブースタにおいて、 前記弁部材(10)が制御ハウジング(5)内に空気チャンバ(17)を形成 し、作動チャンバ(3)に導入された空気圧が前記空気チャンバ(17)に作用 することを特徴とする負圧式制動力ブースタ。 3.弁部材(10)は、そのシール面(42)に隣接する部位に、シールシー ト(15,16)によって形成され且つ作動チャンバ(3)に接続された環状チ ャンバ(24)と空気チャンバ(17)とを接続する少なくとも1つの通路(1 9)を有していることを特徴とする請求項2に記載の負圧式制動力ブースタ。 4.弁部材(10)は、弁部材(10)をハウジング(5)内で保持する保持 リング(21)やシール面(42)ととも に空気チャンバ(17)を形成する径方向外側の転動折曲部(25)と径方向内 側の転動折曲部(30)とを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項 3のいずれか1項に記載の負圧式制動力ブースタ。 5.環状に形成された弁部材(10)は、制御ハウジング(5)内にシール状 態で配置された案内部材(34)やシール面(42)とともに空気チャンバ(1 7)を形成する径方向外側のシールリップ(31)と径方向内側のシールリップ (32)とを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1 項に記載の負圧式制動力ブースタ。 6.環状の補強部材(35)がシールシート(15,16)から隔たった弁部 材(10)の側に設けられ、弁ばね(22)が補強部材(35)に当接して弁部 材(10)をシールシート(15,16)の方向に付勢することを特徴とする請 求項4または請求項5に記載の負圧式制動力ブースタ。 7.補強部材(35)は、U形状の断面を有し、弁部材(10)の通路(19 ,36)に対向する少なくとも1つの開口(20,33)を有していることを特 徴とする請求項6に記載の負圧式制動力ブースタ。 8.補強部材(35)が転動折曲部(25,30)間に配置されていることを 特徴とする請求項4または請求項6または請求項7に記載の負圧式制動力ブース タ。 9.補強部材(35)がL形状の断面を有していることを特徴とする請求項8 に記載の負圧式制動力ブースタ。 10.空気チャンバ(17)がシールビーズ(38,39) によってシールされ、各シールビーズ(38,39)が、内側の転動折曲部(3 0)と外側の転動折曲部(25)とのそれぞれに隣接し、制御ハウジング(5) もしくは保持リング(21)にシール状態で当接していることを特徴とする請求 項4または請求項8に記載の負圧式制動力ブースタ。 11.径方向内側の転動折曲部(30)の径が第2のシールシート(16)の 径よりも小さいか、もしくは、径方向内側の転動折曲部(30)の径が第2のシ ールシート(30)の径と略同一であることを特徴とする請求項4または請求項 8ないし請求項10のいずれか1項に記載の負圧式制動力ブースタ。
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