JPH0848850A - 硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

硬化性組成物の製造方法

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JPH0848850A
JPH0848850A JP12495195A JP12495195A JPH0848850A JP H0848850 A JPH0848850 A JP H0848850A JP 12495195 A JP12495195 A JP 12495195A JP 12495195 A JP12495195 A JP 12495195A JP H0848850 A JPH0848850 A JP H0848850A
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文夫 川久保
Katsuhiko Isayama
克彦 諌山
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Abstract

(57)【要約】 【構成】反応性シリコン官能基を有する有機重合体に、
有機物で表面処理した0.1〜1.0μm の均一な立方
形炭酸カルシウムを配合する硬化性組成物の製造方法。 【効果】破断時の伸び及び強度が著しく改善された組成
物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬化後の引張物性・表
面性及び配合時の分散性の改善された硬化性組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】本発明者
等は、既に反応性シリコン官能基を有する重合体が密封
材として有用であることを見出し、その製造方法・組成
物につき提案している。反応性シリコン官能基を有する
重合体を含有する硬化性組成物は安価で優れた性能を有
しているが、配合組成によっては硬化後の引張物性・表
面性が不充分であったり、配合時に炭カルの凝集が生
じ、その分散にロールの使用等の工夫が必要であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、その点を
改良すべく鋭意検討を重ねた結果、配合剤として使用す
る炭酸カルシウムを限定することにより、その他の優れ
た性能を損うことなく、従来の欠点を解消できることを
見出し、本発明に到達した。
【0004】即ち、本発明は、1分子中に少なくとも1
個の反応性シリコン官能基を含有する有機重合体に、
0.1〜1.0μm の均一な立方形炭酸カルシウムを配
合することを特徴とする硬化性組成物の製造方法を提供
するものである。
【0005】本発明において使用する分子中に少なくと
も1個の反応性シリコン官能基を有する有機重合体は、
特公昭45-36319号、同46-12154号、同49-32673号、特開
昭 50-156599号、同51-73561号、同 54-6096号、同55-8
2123号、同 55-123620号、同55-125121号、同 55-13102
2号、同 55-135135号、同 55-137129号の各公報等に提
案されている方法で得ることができるが、好ましくは主
鎖が本質的にポリエーテル、ポリエステル、エーテル−
エステルブロック共重合体で、分子量が500〜30,
000のものである。更に好ましいのは、分子量が50
0〜15,000のアルキレンオキシド重合体であり、
かつ、反応性シリコン官能基が分子の末端に結合したも
のである。
【0006】ここでいう反応性シリコン官能基とは、珪
素原子と結合した加水分解性基やシラノール基のように
湿分や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用する
ことにより縮合反応を起こす基である。
【0007】本発明において使用される少なくとも1分
子中に1個の反応性シリコン官能基を有するポリエーテ
ルは、例えば一般式 H[−Si(R10b −X2-b −O−]−Si(R10a3-a (7) で示される水素化シリコン化合物と、一般式 CH2 =C(R11)−Z−(O)C − (8) (式中、Zは、−R12−、−R12OR12−、−R12OC
(=O)−、−R12C(=O)−、−R12NHC(=
O)−又は−C(=O)−であり、このR12は同種又は
異種の炭素数1〜20個の2価の炭化水素基である。)
で示されるオレフィン基を有するポリエーテルとを、白
金ブラック、塩化白金酸、白金アルコール化合物、白金
オレフィンコンプレックス、白金アルデヒドコンプレッ
クス、白金ケトンコンプレックス等の白金系化合物を触
媒として付加反応させることにより製造することができ
る。
【0008】一般式(7)において、R10は、同種又は
異種の炭素数1〜20個の1価の炭化水素基、例えば、
メチル、エチル等のアルキル基、シクロヘキシル等のシ
クロアルキル基、フェニル等のアリ−ル基、ベンジル等
のアラルキル基から選ばれ、更に式 (R133 SiO− (R13は同種又は異種の炭素数1〜20個の1価の炭化
水素基)で示されるトリオルガノシロキシ基も包含す
る。
【0009】また、一般式(7)において、Xはシラノ
ール基又は異種若しくは同種の加水分解可能な基を示
し、例えば、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基、
アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド
基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ
基等が挙げられる。
【0010】一般式(7)で示される水素化シリコン化
合物の具体例としては、例えば、トリクロロシラン、メ
チルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、トリメチ
ルシロキシジクロルシラン等のハロゲン化シラン類;ト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメト
キシシラン、フェニルジメトキシシラン、1,3,3,5,5,7,
7-ヘプタメチル−1,1-ジメトキシテトラシロキサン等の
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、トリ
メチルシロキシメチルアセトキシシラン等のアシロキシ
シラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラ
ン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラ
ン、ビス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキ
シシラン等のケトキシメートシラン類;ジメチルシラ
ン、トリメチルシロキシメチルシラン、1,1-ジメチル−
2,2-ジメチルジシロキサン等のハイドロシラン類;メチ
ルトリ(イソプロペニルオキシ)シラン等のアルケニル
オキシシラン類等が挙げられるが、これらのみに限定さ
れるものではない。
【0011】前記の製造法においては、式(7)の水素
化シリコン化合物と式(8)のオレフィン基を有するポ
リエーテルとを反応させた後、一部又は全部のX基を更
に他の加水分解可能基又はヒドロキシル基に変換するこ
とができる。例えば、X基がハロゲン原子、水素原子の
場合は、アルコキシ基、アシルオキシ基、アミノオキシ
基、アルケニルオキシ基、ヒドロキシル基等に変換して
使用する方が好ましい。式(8)において、R11は水素
原子又は炭化水素基が好ましく、特に水素原子が好まし
い。Zは、同種又は異種の炭素数1〜20個の2価の有
機基であるが、炭化水素基及びエーテル結合、エステル
結合、ウレタン結合、カーボネート結合を含む炭化水素
基が好ましく、特にメチレン基が好ましい。
【0012】式(8)で示されるオレフィン基を有する
ポリエーテルの具体的な製造法としては、例えば特開昭
54-6097号公報において提示されている方法、或いはエ
チレンオキシド、プロピレンオキシド等のエポキシ化合
物を重合する際に、アリルグリシジルエーテル等のオレ
フィン基含有エポキシ化合物を添加して共重合させるこ
とにより側鎖にオレフィン基を導入する方法等を例示で
きる。
【0013】本発明で使用するポリエーテルの主鎖は、
本質的に、式 −R1 −O− で示される化学的に結合された繰返し単位を有するもの
が好ましい。このR1 は2価の有機基であるが、その大
部分が炭素数1〜8個の炭化水素基であるときが最も有
効である。R1 は、具体的には、−CH2 −、−CH2
CH2 −、−CH(CH3 )CH2 −、−CH(C2
5 )CH2 −、−C(CH32 CH2 −、−CH2
2 CH2 CH2 −等が挙げられる。1種類だけの繰返
し単位からなっていてもよいし、2種類以上の繰返し単
位からなるポリエーテルも有効に使用される。それらの
うち、特に−CH(CH3 )CH2 −が好ましい。ポリ
エーテルの分子量は、300〜30,000のものが有
効に使用され得るが、好ましくは、500〜15,00
0の分子量を有するものが良い。このようなポリエーテ
ルは、特開昭53-12947号公報、特開昭 54-6097号公報に
開示されている方法により製造することができる。
【0014】上記有機重合体は2種又はそれ以上併用す
ることも可能である。また、該有機重合体の存在下で重
合性単量体を重合させることにより得られる有機重合体
も使用することができる。該有機重合体の製造方法につ
いては、特開昭59-78225号、特願昭59-84848号、特願昭
59-84849号に具体的に示されており、具体的には、分子
内に少なくとも1個の反応性シリコン官能基を有する有
機重合体の存在下に、(A)一般式 CH2 =C(R2 )(R3 ) (1) で表わされるビニル系単量体、及び、(B)一般式 R5 −Si(R4a3-a (2) で表わされるビニル系単量体からなる群から選ばれる1
種又は2種以上の重合性単量体を重合させて得ることが
できる。
【0015】一般式(1)で示されるビニル系単量体と
しては、具体的には、エチレン、プロピレン、イソブチ
レン、ブタジエン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、ビニルピリジン、スチレン、クロルス
チレン、2-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2-ヒドロ
キシエチル、アクリル酸ベンジル、グリジシジルアクリ
レート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシ
ル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ベ
ンジル、グリジシルメタクリレート、アクリルアミド、
メタクリルアミド、n-メチロールアクリルアミド等が例
示できる。
【0016】一般式(2)で示されるビニル系単量体と
しては、具体的には、 CH2 =CHSi(CH3 )(OCH32 、 CH2 =CHSi(CH3 )(OCH2 CH32 、 CH2 =CHSi(CH3 )Cl2 、 CH2 =CHS
i(OCH33 、 CH2 =CHSi(OCH2 CH33 、 CH2
CHSiCl3 、 CH2 =CHC(=O)O(CH23 Si(CH3
(OCH32 、 CH2 =CHC(=O)O(CH23 Si(CH3
(OCH2 CH32、 CH2 =CHC(=O)O(CH23 Si(CH3
Cl2 、 CH2 =CHC(=O)O(CH23 Si(OCH
33 、 CH2 =CHC(=O)O(CH23 Si(OCH2
CH33 、 CH2 =CHC(=O)O(CH23 SiCl3 、 CH2 =C(CH3 )C(=O)O(CH23 Si
(CH3 )(OCH32 、 CH2 =C(CH3 )C(=O)O(CH23 Si
(CH3 )(OCH2 CH32 、 CH2 =C(CH3 )C(=O)O(CH23 Si
(CH3 )Cl2 、 CH2 =C(CH3 )C(=O)O(CH23 Si
(OCH33 、 CH2 =C(CH3 )C(=O)O(CH23 Si
(OCH2 CH33 、 CH2 =C(CH3 )C(=O)O(CH23 SiC
3 、 CH2 =CHCH2 OC(=O)[O-Ph]C(=O)
O(CH23 Si(CH3 )(OCH32 、 CH2 =CHCH2 OC(=O)[O-Ph]C(=O)
O(CH23 Si(CH3 )(OCH2 CH32 、 CH2 =CHCH2 OC(=O)[O-Ph]C(=O)
O(CH23 Si(CH3 )Cl2 、 CH2 =CHCH2 OC(=O)[O-Ph]C(=O)
O(CH23 Si(OCH33 、 CH2 =CHCH2 OC(=O)[O-Ph]C(=O)
O(CH23 Si(OCH2 CH33 、 CH2 =CHCH2 OC(=O)[O-Ph]C(=O)
O(CH23 SiCl3 、 [式中、Phはフェニル基又はフェニレン基を示す。以
下同様。]等が例示できるが、特にCH2 =C(CH
3 )CO2 (CH23 Si(OCH33 が好まし
い。
【0017】ビニル系単量体は1種類で使用しても良い
し、2種類以上併用することも可能である。これらの重
合性単量体は、反応性シリコン官能基を含有するポリエ
ーテル100重量部に対して0.1〜1,000重量
部、好ましくは1〜200重量部で使用することができ
る。
【0018】重合は通常の方法で行うことができ、具体
的にはラジカル開始剤による方法、紫外線やX線、γ
線、照射による方法等が採用できる。ラジカル開始剤と
しては、具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ベン
ゾイルハイドロパーオキサイド、ジ−t-ブチルパーオキ
サイド、ジ−t-ブチルハイドロパーオキサイド、アセチ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化
水素等のような過酸化物;アゾ−ビス−イソブチロニト
リルのようなアゾ化合物;過硫酸塩、ジ−イソプロピル
−パーオキシジカーボネートのような過酸化化合物等が
挙げられる。溶剤は必要に応じて使用することは可能で
ある。使用する場合は、反応性シリコン官能基を有する
有機重合体及びビニル系単量体いずれに対しても不活性
な溶剤が好ましく、具体的には、エーテル類、炭化水素
類、酢酸エステル類等が挙げられる。重合温度は特に制
限はなく、重合方法及びラジカル開始剤による方法の場
合は、使用する開始剤種により最適な温度を設定するこ
とができるが、通常は50〜150℃で行うのが好まし
い。また必要に応じてメルカプタン類や含ハロゲン化合
物のような連鎖移動剤を使用することによりビニル系単
量体の重合度を調節することも可能である。ビニル系単
量体は、全量を一括して仕込んでも良いが、発熱量の調
節等の目的で分割又は連続的に仕込むことも可能であ
る。
【0019】また、特定のビニル系単量体の重合体を主
鎖とし、末端に反応性シリコン官能基を有する有機重合
体も使用することができる。該有機重合体の製造方法
は、特願昭58-43848号に具体的に開示されており、具体
的には、一般式(6)で表わされる化合物をラジカル重
合開始剤とし、一般式(4)及び(5)で表わされる化
合物からなる群から選ばれた有機珪素化合物を連鎖移動
剤とし、次の一般式(3)で表わされるアクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステルと不飽和有機珪素化合物
単量体を重合して得られる。
【0020】 CH2 =C(R6 )C(=O)OR7 (3) (式中、R6 は水素原子又はメチル基、R7 は炭素原子
数1〜20のアルキル基を示す) 本発明において用いる(C)成分としては、アクリル酸
エステル類又はメタクリル酸エステル類が挙げられ、そ
れらの1種を用いても良く、2種以上を混合して用いて
も良い。前記アルキル基としては、分岐状のアルキル基
であっても良く、非分岐状のアルキル基であっても良
い。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n-
ブチル、イソブチル、1-エチルプロピル、1-メチルペン
チル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、1-エチル
ブチル、2-エチルブチル、イソオクチル、3,5,5-トリメ
チルヘキシル、2-エチルヘキシル、デシル、ドデシル等
のアルキル基を挙げ得る。
【0021】本発明において(C)成分は、他の共重合
可能な不飽和単量体で一部を代替してもよい。前記代替
し得る不飽和単量体としては、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、2-クロロスチレン等のスチレ
ン類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテ
ル、2-エチルヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類、アクリル酸、メタクリル酸、2-ヒドロキシエチル
アクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、N-
メチルアミノエチルアクリレート、アクリルアミド、N-
メチロールアクリルアミド等のようなカルボキシル基、
水酸基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等の官能基を
含有するアクリル酸系化合物類又はメタクリル酸系化合
物類、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、オ
リゴエステルアクリレート、メチレンビスアクリルアミ
ド、ジアリルフタレート等のような共重合し得る官能基
を1分子中に2個以上含有する不飽和単量体類、無水マ
レイン酸、ケイ皮酸ビニルエステル、ビニルピリジン、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プ
ロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、
ブタジエン、クロロプレン等の炭素原子数2〜30のビ
ニルモノマーが挙げられるが、それらに限定されるもの
ではない。
【0022】前記(C)成分を一部代替する他の共重合
可能な不飽和単量体の量は約50%(重量%、以下同
様)以下である。本発明に用いる(D)成分の不飽和有
機珪素化合物単量体は、(C)成分と共重合させて重合
体の主鎖中に珪素官能基を導入するのに使用される。
(E)成分や(F)成分中の珪素官能基は重合体の末端
に導入されるが、全ての末端に珪素官能基が完全に導入
されるわけではないので、目的に応じて(D)成分の単
量体が少量併用される。(D)成分は、炭素−炭素2重
結合と加水分解性基と結合した珪素原子とを少なくとも
各1個有するものであればよく、代表的には、一般式 CH2 =C(R6 )(C0OR12b Si(R8a3-a (9) (式中、R6 、R8 、X、aは前記と同様。R12は炭素
原子数1〜20の2価の炭化水素基、好ましくは、メチ
レン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、
フェニレン、シクロヘキシレン等の基、bは0又は1を
示す。)で表わされる化合物である。前記R8 で表わさ
れる1価の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、フェニル等の基が挙げられる。
Xで表わされる加水分解性基の具体例としては、フッ
素、塩素、臭素及び沃素から選ばれるハロゲン基、一般
式: −OZ (式中、Zは炭素原子数1〜18のアルケニル基、飽和
又は不飽和の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、炭化
水素エーテル基、アシル基又はN,N-アミノ基を示す。)
で表わされる基、アミノ基、一般式: −ON=CR10 2 (式中、R10は炭素原子数1〜20の炭化水素基を示
す。)で表わされるケトオキシム基、一般式: −ON=CR12 (式中、R12は炭素原子数1〜20の炭化水素基を示
す。)で表わされるケトオキシム基、一般式: −NR10C(=O)R14 (式中、R10は前記と同じ、R14は炭素原子数1〜18
の炭化水素基を示す。)で表わされるアミド基等が挙げ
られる。前記のXのうち、メトキシ基、エトキシ基のよ
うなアルコキシ基が取扱いの簡便さ等の点から特に好ま
しい。
【0023】前記一般式(9)で示される(D)成分の
具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビ
ニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン等が挙げられるが、それらに限定されない。
【0024】本発明における(D)成分の使用量は、
(C)成分100部に対し通常0.01〜20部である
が、特に(C)成分1モルに対し0.05モル以下の使
用量が好ましい。勿論、目的に応じては(D)成分は使
用しなくても良い。(D)成分の使用量が20部を超え
ると重合体分子末端に存在する珪素官能基による伸びの
向上が少ないという欠点が生じる。
【0025】本発明に用いる(E)成分は、重合体の分
子末端に珪素官能基を導入するための連鎖移動剤として
使用され、珪素官能基を含有する通常の連鎖移動剤が使
用され得る。市販の代表的な前記連鎖移動剤としては、
通常一般式(4)又は(5)で示される化合物が挙げら
れる。この一般式(4)又は(5)中のR9 は、好まし
くは炭素原子数1〜18の2価の炭化水素基がよく、具
体例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ヘキシレン、フェニレン、シクロヘキシレン等の
基が挙げられる。R8 、aは前記と同じであり、Xも前
記と同じであるが、特にメトキシ基、エトキシ基のよう
なアルコキシ基が取扱いの簡便さ等の点から特に好まし
い。前記一般式(4)又は(5)で示される化合物の具
体例としては、 (CH3 O)3 SiCH2 CH2 CH2 SH、 [(CH3 O)3 SiCH2 CH2 CH2 S−]2 、 (CH3 O)2 (CH3 )SiCH2 CH2 CH2
H、 [(CH3 O)3 Si−(p-Ph)−S−]2 、 (CH3 C(=O)0)2 (C65 )SiC816
H、 (CH3 O)3 Si−(p-Ph)−CH2 SH 等が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0026】本発明における(E)成分の使用量は、
(C)成分100部に対し0.001〜20部である
が、特に(C)成分1モルに対し0.05モル以下の使
用量が好ましい。(E)成分の使用量が20部を超える
と分子量が小さくなり過ぎる等の欠点が生じる。目的に
よっては(E)成分を使用しないで重合したり、(E)
成分を使用せずに珪素官能基を含まない通常の連鎖移動
剤を使用して分子量を調整したり、又は前記通常の連鎖
移動剤と(E)成分を併用して分子量を調整してもよ
い。
【0027】本発明に用いる(E)成分は、重合体の分
子末端に珪素官能基を導入するための珪素基含有ラジカ
ル重合開始剤であり、アゾ系又は過酸化物系の化合物が
使用され得る。それらの化合物のうち、一般式 [X3-a (R8a SiR15C(CN)(CH3 )−N=]2 (10) (式中、R8 、X、aは前記と同じ、R15は炭素原子数
1〜18の2価の炭化水素基を示す。)で表わされるア
ゾ系の化合物が好ましく、特にXがメトキシ基、エトキ
シ基のようなアルコキシ基の場合に好ましい。そのよう
なアゾ系の化合物の具体例としては、[(CH3 O)3
SiCH2 CH2 CH2 C(CN)(CH3 )−N=]
2 、[(CH3 CH2 O)2 (CH3 )Si(CH2
4 C(CN)(CH3 )−N=]2 、[(CH3 O)2
(CH3 )SiCH2 CH2 (p-Ph)CH2 C(C
N)(CH3 )−N=]2 、[(CH3 C(=O)O)
2 (Ph)SiCH2 CH2 CH(CH3 )CH2
(CN)(CH3 )−N=]2 、アゾビス−2-(6-メチ
ルジメトキシシリル−2-シアノヘキサン) ( [(C
3 O)2 (CH3 )SiCH2 CH2 CH2 CH2
(CN)(CH3 )−N=]2 )、アゾビス−2-(6-
トリメトキシシリル−2-シアノヘキサン)、アゾビス−
2-(6-メチルジアセトキシシリル−2-シアノヘキサン)
等が挙げられるが、それらに限定されない。また、過酸
化物系化合物の具体例としては、(CH3 O)2 (CH
3 )SiCH2 CH2 CH2 OC(=O)OOC(CH
33 、[(CH3 O)3 SiCH2 CH2 CH2 OC
(=O)OCH2 CH2 CH2C(=O)O]2
[(CH3 CH2 O)2 (Ph)SiCH2 CH2 CH
2 OC(=O)(p-Ph)C(=O)OCH2 CH2
(=O)O]2 等が挙げられるが、それらに限定されな
い。
【0028】前記(F)成分である珪素官能基含有ラジ
カル重合開始剤は、(C)成分に対し0.01〜20部
使用すれば良いが、(F)成分のみをラジカル重合開始
剤として使用することに限定されるものではなく、
(F)成分と珪素官能基を含有しないアゾ系又は過酸化
物系の通常のラジカル重合開始剤等を併用してもよい。
【0029】本発明の有機重合体1分子中に平均1.2
〜3.5個の珪素官能基が含有されているものが好まし
い。また平均分子量としては、1,000〜100,0
00のものが用いられ得るが、好ましくは3,000〜
50,000の平均分子量をもつものがよい。
【0030】本発明に用いる単量体成分の主な重合素反
応の例を示すと下記の通りである。 (i) I・ + nM → I−Mn ・ (ii) 2I−Mn ・ → I−M2n−I (iii) 2I−Mn ・ → I−Mn-1 −M´ + I−Mn-1 −M” (iv) I−Mn ・ + Y−SH → I−Mn −H + Y−S・ (v) Y−S・ + nM → Y−S−Mn ・ これらの式において、I・は重合開始剤ラジカル、Mは
単量体、I−Mn ・は重合開始剤ラジカルに単量体がn
個重合したラジカル、M´及びM”はI−Mn-1 −M・
から生じる分子末端、Yは一般式: −R9 −Si(R8a3-a (式中、R9 、R8 、X及びaは前記と同じ。)、Y−
S・はY−SHから生ずるラジカル、Y−S−Mn ・は
Y−S・に単量体がn個重合したラジカルを示す。
【0031】(i)に示すように重合体開始剤から生ず
るI・により単量体Mが重合し、I−Mn ・が生成す
る。生成したI−Mn ・は、(ii)に示すようにI−
2n−Iを生成したり、(iii)に示すように不均化
反応をおこしI−Mn-1 −M´やI−Mn-1 −M”を生
成する。また、(iv)に示すようにI−Mn ・はY−
SHで表わされる連鎖移動剤と反応しI−Mn −Hを生
ずる。そのとき生成するY−S・は(i)に示すI・と
同様に単量体Mと反応しY−Mn ・となる。(v)で生
成するY−S−Mn ・は(ii)に示すI−Mn ・と同
様の再結合反応、又は(iii)に示すような不均化反
応を行う。前記(i)〜(v)の重合素反応からも分か
るように重合開始剤ラジカルI・中に珪素官能基を有す
るものを使用すると重合体分子末端の珪素官能基含量を
増加させ得る。(iv)〜(v)の素反応からも分かる
ように連鎖移動剤として珪素官能基含有連鎖移動剤を使
用すれば(iii)の反応に優先して(iv)の反応を
起こすことができるので、更に重合体分子末端の珪素官
能基含量を増加させ得る。特に、 [X3-a (R8a −Si−R9 −S]2 のような連鎖移動剤を使用すると、(iv)の反応によ
り得られる重合体には両末端に珪素官能基を導入できる
ため重合体分子末端の珪素官能基含量をより増大させる
ことができる。Mとしてアクリル酸エステル類を用いる
場合の重合では、(ii)の再結合反応よりも(ii
i)の不均化反応が優先して起こり易いため、M´や
M”のような珪素官能基を含有しない末端が重合条件に
よってはかなり生成し、そのような場合には(D)成分
を少量Mと共に共重合させることにより、実用上問題の
ない硬化性組成物が得られる。
【0032】重合する場合、(C)成分及び必要ならば
(D)成分の単量体全量を重合当初から一括して仕込ん
でおいてもよく、最初は前記単量体の一部分だけを仕込
み、残りの単量体を重合反応の進行と共に滴下法で徐々
に仕込んでもよい。(F)成分の重合開始剤及び(E)
成分の連鎖移動剤も前記単量体と同様にして仕込めばよ
く、例えば最初に一部分だけ仕込み、残りは単量体に溶
解させて仕込んでいく等の方法をとってもよい。重合は
溶剤を使用せずに行う塊状重合法にて行うことが好まし
いが、溶剤を使用する溶液重合法によってもよい。溶剤
を使用する場合には、ヘプタン、トルエン、イソプロパ
ノール等の溶剤を前記単量体、重合開始剤及び連鎖移動
剤の合計量100部に対し30部以下で使用すればよ
い。前記(D)成分、(E)成分及び/又は(F)成分
に含有される加水分解性基がアルコキシ基である場合に
は通常の乳化重合又は懸濁重合法により該組成物を作製
することもできる。
【0033】本発明で用いられる有機重合体は、単独で
使用してもよいし、2種又はそれ以上併用することも可
能である。本発明で使用される0.05〜1.0μmの
均一な立方形炭酸カルシウムは、例えば特公昭53-43694
号、同54-28397号各公報に開示されているような方法、
即ち核剤として微細立方形炭酸カルシウムを添加混合し
た水酸化カルシウムの懸濁液又はこれにアルカリ金属重
炭酸塩を加えた混合水懸濁液を炭酸ガス気流中に噴霧す
るか、充填塔等他の反応形式によって該懸濁液を炭酸ガ
スと速やかに効率よく高頻度に接触反応させることによ
り、該核剤の上に結晶を順次成長させて製造することが
できる。該炭酸カルシウムは、このままでも凝集粒子が
少なく分散性がよいが、より良い性能を得るためには有
機物又は無機物によって表面処理されていることが望ま
しい。表面処理剤としては、例えば高級脂肪酸系有機
物、樹脂酸系有機物、芳香族カルボン酸エステル、界面
活性剤等が挙げられる。本発明においては高級脂肪酸系
有機物を使用するのが好ましい。
【0034】これらの均一な立方系炭酸カルシウムは、
1分子中に少なくとも1個の反応性シリコン官能基を有
する重合体100重量部に対し、10〜300重量部使
用する必要があり、更に好ましくは30〜200重量部
使用することが望ましい。10部未満の使用では得られ
る組成物の硬化後の引張物性の改善効果及び表面性が不
充分である。300部を超えると引張物性等の物性低下
が著しくなる。
【0035】本発明の組成物を硬化させるとき、硬化触
媒を用いても用いなくてもよいが、用いる場合には、例
えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫フタレー
ト、ナフテン酸チタン等の金属カルボン酸塩;テトラブ
チルチタネート、テトライソプロピルチタネート、トリ
エタノールアミンチタネート等のチタン酸エステル;ア
ミン類、アンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独
もしくは併用で用いられる。 本発明の組成物は、更に
種々の充填剤、可塑剤、添加剤等を含んでいてもよい。
充填剤としては、前記炭酸カルシウム以外に、例えば、
カオリン、タルク、シリカ、酸化チタン、珪酸アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック
等が使用される。可塑剤としては、ジオクチルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート、塩素化パラフィン、エ
ポキシ化大豆油等が用いられる。添加剤としては、水添
ヒマシ油、有機ベントナイト等のタレ防止剤、着色剤、
老化防止剤等が用いられる。
【0036】
【実施例】以下に実施例を記載して本発明を説明する。 実施例1、2 比較例1、2 平均分子量8,000、末端基として (CH3 O)2 (CH3 )SiCH2 CH2 CH2 O− 基を全末端基のうち80%有するポリプロピレンオキシ
ド、炭酸カルシウム、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ
オクチル、ジオクチルフタレート、水添化ヒマシ油、オ
リゴエステルアクリレート、 2,2'-メチレン−ビス−
(4-メチル−6-ter-ブチルフェノール)、 2( 2'-ヒド
ロキシ−3',5'-ジ−ter-ブチルフェニル)−5-クロロベ
ンゾトリアゾールを、表1に示す配合組成にて3本ペイ
ントロールに所定回数通して混練し、その後、硬化剤と
してオクチル酸錫ラウリルアミン、ジオクチルフタレー
ト、炭酸カルシウムを添加し、よく混練した後、JIS
−A5758に準じてH型試験片を作成し、引張物性を
測定した。
【0037】表1に示す炭酸カルシウムのうち、Vig
ot−10は本発明における条件を満たす白石工業
(株)製の炭酸カルシウムであり、次の粉体性質を有す
る。 平均粒径 0.10μm 白色度 95.0% 見掛比重 0.25g/mL BET表面積 14.4m2 /g pH 9.7 吸油量(煮アマニ油) 30.0mL/100g また、ホワイトンSBは白石工業(株)製の紡錘形炭酸
カルシウム、CCRは白石工業(株)製の極微細炭酸カ
ルシウムで、本発明の条件を満足しないものである。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、均一な立方形炭
酸カルシウムであるVigot−10を使用すると分散
性が良く、1回のロール通しで安定した物性が得られ、
破断時の伸び及び強度に著しい改善効果が得られること
がわかる。 参考例1 予め全末端の80%が (CH3 O)2 (CH3 )SiCH2 CH2 CH2 O− 基である平均分子量が8,200の反応性シリコン末端
プロピレンオキシド重合体100g を反応容器にとり、
減圧下脱揮し、窒素置換を行った後90℃まで、加温撹
拌しておく。そこへ別に調製しておいたn-ブチルアクリ
レート92.2g、γ−メタクリルオキシプロピルジメ
トキシシラン2.8g 、 2,2'-アゾビスイソブチロニト
リル(以下AIBNと略す)5.0g からなる混合溶液
を窒素雰囲気下2時間かけて滴下する。滴下終了後、1
5分後と30分後に、夫々、AIBN0.25g ずつを
4重量倍のアセトンに溶解し、追加する。追加終了後、
30分間撹拌を続け、重合反応を終了する。
【0040】得られた重合体は微黄色、わずかに濁りの
ある粘稠な液体で、ガスクロマトグラフィー分析(以下
GC分析と略す)による残存モノマー量は0.5%であ
り、粘度は380ポイズ(23℃)であった。 参考例2 予め全末端の80%が (CH3 O)2 (CH3 )SiCH2 CH2 CH2 O− 基である平均分子量が8,200の反応性シリコン末端
プロピレンオキシド重合体100g を反応容器にとり、
減圧下脱揮し、窒素置換を行った後90℃まで、加温、
撹拌しておく。そこへ別に調製しておいたn-ブチルアク
リレート94.5g 、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン1.0g 、AIBN0.5g からなる混合溶
液を窒素雰囲気下2時間かけて滴下する。滴下終了後、
15分後と30分後に、夫々、AIBN0.025g ず
つを4重量倍のアセトンに溶解し、追加する。追加終了
後、30分間撹拌を続け、重合反応を終了する。
【0041】得られた重合体は微黄色、透明な粘稠な液
体で、GC分析による残存モノマー量は0.4%、粘度
は1920ポイズであった。 参考例3 滴下する単量体混合溶液が、n-ブチルアクリレート9
6.9g 、γ−メタクリルオキシプロピルジメトキシシ
ラン0.3g 、γ−メルカプトプロピルジメトキシシラ
ン1.6g 、AIBN0.5g からなる溶液である以外
は、参考例2と同じ条件で重合を行った。
【0042】得られた重合体は微黄色、透明な粘稠な液
体で、GC分析による残存モノマー量は0.7%、粘度
は490ポイズ(23℃)であった。 比較例3〜5、実施例3〜5 参考例1〜3で得られた重合体100重量部、炭酸カル
シウム、酸化チタン、ジオクチルフタレート、水添化ヒ
マシ油、スチレン化フェノール、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤を表2に示す配合組成にて3本ペイントロ
ールを3回通し充分に混練した後、別に調製しておいた
オクチル酸錫、ラウリルアミンからなる硬化触媒(組成
は表2に示す)を添加し、充分に混練する。JIS−A
5758に準じてH型試験片を作成し、引張物性を測定
した。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、均一な立方形炭
酸カルシウムであるVigot−10を使用すると、破
断時の伸び及び強度に著しい改善効果が得られることが
わかる。 実施例6〜8、比較例6〜8 表3に示す成分を混合、撹拌し、均一に溶解させた。該
混合物25g を攪拌機及び冷却管付乾燥窒素ガスで置換
した200mL4つ口フラスコに入れ、窒素ガスを通じな
がら油浴で80℃に加熱した。数分後重合が始まり発熱
したが、その発熱が穏やかになってから残りの混合液を
滴下ロートを用いて徐々に滴下し、重合させた。滴下を
終了するまで3時間を要した。発熱が認められなくなっ
た時点で反応を終了した。
【0045】該組成物100g にジオクチルフタレート
10g 、ルチル型酸化チタン20g及び表3記載の炭酸
カルシウム80g を加え、3本ペイントロールで混合し
てペーストを作製した。前記ペーストにジブチル錫ジラ
ウレート2g 及びラウリルアミン1g を加え、よく混合
した後、深さ3mmの型枠に流し込み、25℃×55%R
H×7日間、更に50℃×7日間乾燥機中で硬化させて
硬化物シートを得た。
【0046】得られたシートからJIS−K6301規
定の3号ダンベルを打抜き、オートグラフにて引張速度
500mm/分で引張試験を行い、伸び破断強度を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0047】なお、表3のMAPTMSはγ−メタクリ
ルオキシプロピルトリメトキシシラン、MPTMSはγ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、Cat
(1)はアゾビス−2-(6-トリメトキシシリル−2-シア
ノヘキサン)、VTESはビニルトリエトキシシラン、
MPTESはγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、Cat(2)はアゾビス−2-(6-メチルジエトキシ
シリル−2-シアノヘキサン)、DSPTMSは(CH3
O)3 SiCH2 CH2 CH2 −S−S−CH2 CH2
CH2 Si(OCH33 、Cat(3)はアゾビス−
2-(6-メチルジアセトキシシリル−2-シアノヘキサン)
である。
【0048】
【表3】 表3から明らかなように、均一な立方形炭酸カルシウム
であるVigot−10を使用すると、破断時の伸び及
び強度に著しい改善効果が得られる。
【0049】
【発明の効果】このようにして得られる組成物は、密封
材組成物のほかにも、接着剤や粘着材、塗料、型取り用
材料及び注型ゴム材料、発泡材料等として有用に使用す
ることができる。例えば、密封材組成物に適用する場
合、水分のない状態で前記硬化触媒、配合物を混練する
と、密閉された状態にて保存すれば長期間安定であり、
空気中の湿気にさらすことにより速やかに硬化して良好
なゴム弾性体を形成する1液型密封材組成物が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諌山 克彦 兵庫県神戸市北区筑紫が丘4丁目8−7

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)1分子中に少なくとも1個の反応
    性シリコン官能基を有し、主鎖が本質的に式 −R1
    O− (式中、R1 は炭素原子数が1〜8である2価の
    炭化水素基)で示される繰返し単位を含むポリエーテ
    ル、 (ロ)分子中に少なくとも1個の反応性シリコン官能基
    を有する有機重合体の存在下に、 (A)一般式 CH2 =C(R2 )(R3 ) (1) (式中、R2 は水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数
    が1〜10の置換又は非置換の1価の脂肪族炭化水素
    基、R3 はR2 と同一の基、置換又は非置換の1価の芳
    香族炭化水素基、アルケニル基、カルボキシル基、アシ
    ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトリル基、ピ
    リジル基、アミド基、グリシドキシ基である)で表わさ
    れるビニル系単量体、及び、 (B)一般式 R5 −Si(R4a3-a (2) (式中、R4 は炭素原子数1〜20のアルキル基、アリ
    −ル基、アラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基、
    5 は重合性二重結合を有する有機残基、Xは加水分解
    性基、aは0、1、2の整数)で表わされるビニル系単
    量体からなる群から選ばれる1種又は2種以上の重合性
    単量体を重合させて得られる重合体、及び、 (ハ)(C)一般式 CH2 =C(R6 )C(=O)OR7 (3) (式中、R6 は水素原子又はメチル基、R7 は炭素原子
    数1〜20のアルキル基を示す)で表わされるアクリル
    酸エステル類又はメタクリル酸エステル類を主成分とす
    る単量体100重量部、 (D)不飽和有機珪素化合物単量体0〜20重量部、 (E)一般式 HS−R9 −Si(R8a −X3-a (4) (式中、R8 は炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基、
    9 は2価の有機基、Xは加水分解性基、aは0、1又
    は2を示す)で表わされる化合物、及び、一般式 [X3-a −(R8a Si−R9 −S−]2 (5) (式中、R8 、R9 、X及びaは、前記と同じ)で表わ
    される化合物からなる群から選ばれる有機珪素化合物0
    〜20重量部、(F)一般式 −Si(R8a −X3-a (6) (式中、R8 、R9 、X及びaは、前記と同じ)で表わ
    される基を有するラジカル重合開始剤0.01〜20重
    量部からなる混合物において、(F)を重合開始剤、
    (E)を連鎖移動剤として、(C)及び(D)の不飽和
    単量体を重合して得られる、末端に有機珪素基を含有す
    る重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の
    反応性シリコン官能基を有する有機重合体100重量部
    に対して、 有機物で表面処理した0.1〜1.0μm の均一な立方
    形炭酸カルシウム10〜300重量部を配合することを
    特徴とする硬化性組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機重合体が、反応性シリコン官能基を
    分子の末端に有し、かつ分子量が500〜15,000
    である(イ)の重合体である特許請求の範囲第1項記載
    の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 有機重合体が、加水分解性基Xがアルコ
    キシ基である(ハ)の重合体である特許請求の範囲第1
    項記載の硬化性組成物。
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