JP7404838B2 - 硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、硬化性組成物及び硬化物に関する。
反応性ケイ素基を有する重合体を含む硬化性組成物は、例えば外壁の目地のシーリング材として用いられる。
建築物の外壁は、防汚性に優れ、汚れ難いことが望ましい。そのために、付着した汚れが降雨等によって洗い流されるセルフクリーニング性を有することが望ましい。
特許文献1には、架橋性シリル基含有有機重合体(A)100重量部と、反応性シリコーンオイル(B)0.1~30重量部と、硬化触媒(C)0.1~10重量部と、を含有する硬化性組成物が記載されている。この硬化性組成物をシーリング材として用いた場合、硬化後の表面タック(べたつき)がなくなること及び硬化後の外壁等に砂が付着する問題を回避できることが記載されている。
特開2004-18695号公報
近年、外壁ボードのセルフクリーニング性の向上に伴い、目地の汚れが目立ち難いように、シーリング材にもセルフクリーニング性の向上が求められている。
しかし、特許文献1に記載の硬化性組成物をシーリング材として用いた場合、必ずしもセルフクリーニング性が充分ではない。
本発明は、硬化物の防汚性及びセルフクリーニング性に優れる硬化性組成物、並びにこの硬化性組成物の硬化物の提供を目的とする。
本発明は、以下である。
[1] 第1の有機重合体と、第2の有機重合体とを含む硬化性組成物であって、
前記第1の有機重合体は、シロキサン構造を有さず、かつ、下式1で表される反応性ケイ素基を有する重合体であり、
前記第2の有機重合体は、シロキサン構造を有し、かつ、第1の単量体に基づく単位及び第2の単量体に基づく単位を含む重合体であって、
前記第1の単量体は、下式1で表される反応性ケイ素基を有さず、かつ、シロキサン構造及び重合性不飽和基を有する単量体であり、
前記第2の単量体は、下式1で表される反応性ケイ素基及びシロキサン構造のいずれも有さず、かつ、親水性基及び重合性不飽和基を有する単量体であ
前記硬化性組成物における、前記第1の有機重合体及び前記第2の有機重合体の合計の含有割合は、5~80質量%である、硬化性組成物。
-SiX3-a 式1
式中、Rは加水分解性基以外の炭素数1~20の1価の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、aは1~3の整数であり、aが1である場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3である場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
[2] 前記第1の有機重合体の100質量部に対する前記第2の有機重合体の含有量が1~40質量部である、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 前記第1の単量体は、下式2で表される単量体を含む、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
CH=CR-C(=O)O-Y-SiRO(Si(CHO)-Si(CH 式2
式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは単結合、炭素数1~6の直鎖のアルキレン基又は1個の水素原子が炭素数1~3のアルキル基で置換された炭素数1~6のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリメチルオキシシリル基を表し、cは0~150の整数である。
[4] 前記第2の有機重合体における、前記第2の有機重合体を構成する全ての単位に対する前記第1の単量体に基づく単位の含有割合が、10~80質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[5] 前記第2の有機重合体における、前記第2の有機重合体を構成する全ての単位に対する前記第2の単量体に基づく単位の含有割合が、10~80質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[6] 前記第2の有機重合体が、さらに、前記式1で表される反応性ケイ素基を有し、シロキサン構造及び親水性基のいずれも有さない第3の単量体に基づく単位を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性組成物。
[7] 前記第2の有機重合体における、前記第2の有機重合体を構成する全ての単位に対する前記第3の単量体に基づく単位の含有割合が、0.1~20質量%である、[6]に記載の硬化性組成物。
[8] 前記第2の有機重合体の数平均分子量が1,000~20,000である[1]~[7]のいずれかに記載の硬化性組成物。
] シーリング材用である、[1]~[]のいずれかに記載の硬化性組成物。
10] [1]~[]のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化物。
本発明によれば、硬化物の防汚性及びセルフクリーニング性に優れる硬化性組成物、並びにこの硬化性組成物の硬化物を提供できる。
本明細書における用語の意味及び定義は以下のとおりである。
「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
重合体を構成する「単位」とは単量体の重合により直接形成された原子団を意味する。
「オキシアルキレン重合体」とは、アルキレンオキシド単量体に基づく単位から形成される重合鎖を有する重合体を意味する。
「主鎖末端基」とは、主鎖を構成する末端の原子に結合する原子又は原子団を意味する。
「(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体」とは、アクリル酸アルキルエステル単量体に基づく単位から形成される重合鎖及びメタアクリル酸アルキルエステル単量体に基づく単位から形成される重合鎖の一方又は両方を有する重合体を意味する。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の一方又は両方を意味する。
「エステル部位」は、エステル結合の酸素原子に結合している原子団を意味する。
末端基としての「不飽和基」は、炭素-炭素不飽和結合を含む1価の基である。
「活性水素」とは、アルキレンオキシドが開環付加しうる反応性基が有する水素原子を意味し、酸素原子、窒素原子、イオウ原子等に結合した水素原子を意味する。また、水も活性水素を有するものとする。
「活性水素含有基」とは、上記活性水素を有する基を意味する。なお、活性水素含有基は、イソシアネート基と反応し得る反応性基でもある。
「シリル化率」は、オキシアルキレン重合体の主鎖末端基における、反応性ケイ素基、活性水素含有基、不飽和基のいずれかである末端基の数の合計に対する上記反応性ケイ素基の数の割合である。シリル化率の値はNMR(nuclear magnetic resonance、核磁気共鳴)分析によって測定できる。また、後述のシリル化剤により、オキシアルキレン重合体の主鎖末端基における末端基に上記反応性ケイ素基を導入する際の、末端基の数に対する添加した上記シリル化剤のシリル基の数の割合(モル%)でもよい。
「シリル化剤」とは、活性水素含有基又は不飽和基と反応する官能基と反応性ケイ素基とを有する化合物を意味する。
数平均分子量(以下、「Mn」と記す)及び重量平均分子量(以下、「Mw」と記す)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算分子量である。分子量分布は、MwとMnより算出した値であり、Mnに対するMwの比率(以下、「Mw/Mn」と記す)である。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、第1の有機重合体(以下、「重合体A」という場合がある。)と、第2の有機重合体(以下、「重合体B」という場合がある。)と、を含む。
本発明の硬化性組成物は、重合体Aを2種以上含んでもよい。
本発明の硬化性組成物は、重合体Bを2種以上含んでもよい。
以下、重合体A及び重合体Bについて、詳細に説明する。
〈重合体A(第1の有機重合体)〉
重合体Aは、シロキサン構造を有さず、かつ、下式1で表される反応性ケイ素基を有する。
-SiX3-a 式1
式1中の各記号の意味は以下のとおりである。
Rは、加水分解性基以外の炭素数1~20の1価の有機基を表す。
Xは、水酸基又は加水分解性基を表す。
aは、1~3の整数である。
Rは、炭素数1~20の炭化水素基及びトリオルガノシロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1-クロロアルキル基及びトリオルガノシロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、1-クロロメチル基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基及びトリフェニルシロキシ基からなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましい。
重合体Aの硬化性と硬化性組成物の安定性が良い点から、Rは、メチル基又はエチル基が好ましい。また、本発明の硬化性組成物の硬化速度が速い点から、Rは、1-クロロメチル基が好ましい。また、容易に入手できる点から、Rは、メチル基が特に好ましい。
Xは、加水分解性基が好ましく、上記加水分解性基として、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、スルファニル基及びアルケニルオキシ基が例示される。
加水分解性が穏やかで取扱いやすい点から、上記加水分解性基は、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基及びイソプロポキシ基からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がさらに好ましい。
Xがメトキシ基又はエトキシ基であると、シロキサン結合を速やかに形成して硬化物中に架橋構造を形成しやすく、硬化物の物性値がより良好となる。
aが1である場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。
aが2又は3である場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
aは、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
上記式1で表される反応性ケイ素基として、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリス(2-プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、メチルジイソプロポキシシリル基、(1-クロロメチル)ジメトキシシリル基及び(1-クロロメチル)ジエトキシシリル基が例示される。
活性が高く良好な硬化性が得られる点から、上記式1で表される反応性ケイ素基は、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基及びメチルジエトキシシリル基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、メチルジメトキシシリル基又はトリメトキシシリル基がより好ましい。
重合体Aは、上記式1で表される反応性ケイ素基を2以上有していてもよい。
《重合体A及び重合体A
重合体Aは、上記反応性ケイ酸基を有し、シロキサン構造を有しないオキシアルキレン重合体(以下、「重合体A」という場合がある。)及び上記反応性ケイ素基を有し、シロキサン構造を有しない(メタ)アクリル酸エステル重合体(以下、「重合体A」という場合がある。)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
以下、重合体A及び重合体Aについて、詳細に説明する。
(重合体A
重合体Aの主鎖は、1種以上のアルキレンオキシド単量体の開環重合により形成されたオキシアルキレン重合体からなる重合鎖である。重合体Aの主鎖が2種以上のアルキレンオキシド単量体の開環重合により形成された共重合鎖である場合、上記2種以上のアルキレンオキシド単量体の重合は、ランダム共重合、タンデム共重合及びブロック共重合のいずれでもよい。
上記オキシアルキレン重合体からなる重合鎖として、エチレンオキシド単量体からなる重合鎖、プロピレンオキシド単量体からなる重合鎖、ブチレンオキシド単量体からなる重合鎖、テトラメチレンオキシド単量体からなる重合鎖、エチレンオキシド単量体とプロピレンオキシド単量体との共重合鎖及びプロピレンオキシド単量体とブチレンオキシド単量体との共重合鎖が例示される。上記オキシアルキレン重合体からなる重合鎖としては、プロピレンオキシド単量体からなる重合鎖が特に好ましい。
重合体Aは、1分子中に主鎖末端基を2~6個有するものが好ましく、2~4個有するものがより好ましく、2個又は3個有するものがさらに好ましい。
重合体Aの主鎖末端基における末端基は、上記式1で表される反応性ケイ素基、活性水素含有基及び不飽和基からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記式1で表される反応性ケイ素基、水酸基及びアリル基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。重合体Aの主鎖末端基が2個以上の末端基を含む場合、上記2個以上の末端基は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
活性水素含有基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基、ヒドラジド基及びスルファニル基が挙げられる。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基が好ましく、水酸基がより好ましい。
重合体Aは、上記反応性ケイ素基を1つの主鎖末端基あたりに平均して0.5個超2.0個以下有するものが好ましく、硬化物の引張強度が良好となりやすいため、0.6個~1.9個有するものがより好ましい。
重合体Aは、上記反応性ケイ素基を1分子あたりに平均して0.5個超6個以下有するものが好ましく、硬化物の引張強度が良好となりやすいため、1.2個~3.8個有するものがより好ましい。
重合体AのMnは2,000~100,000が好ましく、3,000~50,000がより好ましく、4,000~30,000がさらに好ましい。上記範囲内であると、硬化物の伸び物性により優れ、粘度が充分に低くなりやすい。
重合体Aの分子量分布は1.80以下が好ましい。粘度低減の点から、分子量分布は小さいほうが好ましく、1.50以下がより好ましく、1.40以下がさらに好ましく、1.20以下が特に好ましい。
重合体Aは、後述する前駆重合体の主鎖末端基に上記反応性ケイ素基を、1つの主鎖末端基に平均して0.5個超2.0個以下導入して得られるものが好ましく、引張強度が良好となる観点から0.6~1.9個導入して得られるものがより好ましい。
上記前駆重合体は、活性水素含有基を有する開始剤の活性水素に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシド単量体を開環重合させたオキシアルキレン重合体である。
前駆重合体としては、水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシド単量体を開環重合させた、主鎖末端基が水酸基である前駆重合体が好ましい。
重合体Aの製造方法は、上記前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を1個又は2個導入した後、上記不飽和基とシリル化剤を反応させる方法、又は上記前駆重合体の主鎖末端基の活性水素含有基とイソシアネートシラン化合物をウレタン化反応させる方法が好ましい。
前駆重合体は、活性水素含有基を有する開始剤の活性水素に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシド単量体を開環重合させたオキシアルキレン重合体である。開始剤の活性水素の数と、前駆重合体の主鎖末端基の数と、重合体Aの主鎖末端基の数は同じである。
前駆重合体は、水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシド単量体を開環重合させた、主鎖末端基における末端基が水酸基である重合体が好ましい。
上記開始剤としては、水酸基を2~6個有する開始剤が好ましく、水酸基を2~4個有する開始剤がより好ましく、水酸基を2個又は3個有する開始剤がさらに好ましい。開始剤は2種類以上を併用してもよい。
水酸基を2個有する開始剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール及び低分子量のポリオキシプロピレングリコールが例示される。
水酸基を3個有する開始剤として、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ソルビトール、ペンタエリスリトール及び低分子量のポリオキシプロピレントリオールが例示される。
開始剤にアルキレンオキシド単量体を開環重合させる際の、開環重合触媒としては、従来公知の触媒を用いることができ、例えば、KOHのようなアルカリ触媒、有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物-ポルフィリン錯体触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、ホスファゼン化合物からなる触媒が挙げられる。
重合体Aの分子量分布を狭くすることができ、粘度の低い硬化性組成物が得られやすい点から複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。複合金属シアン化物錯体触媒は、従来公知の化合物を用いることができ、複合金属シアン化物錯体を用いた重合体の製造方法も公知の方法を採用できる。例えば、国際公開第2003/062301号、国際公開第2004/067633号、特開2004-269776号公報、特開2005-15786号公報、国際公開第2013/065802号、特開2015-010162号公報に開示される化合物及び製造方法を用いることができる。
重合体Aの前駆重合体としては、全主鎖末端基が水酸基である前駆重合体が好ましい。
重合体Aの製造方法は、前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を1個又は2個導入した後、上記不飽和基とシリル化剤を反応させる方法、又は上記前駆重合体の主鎖末端基の活性水素含有基とイソシアネートシラン化合物をウレタン化反応させる方法が好ましい。
上記シリル化剤として、不飽和基と反応して結合を形成し得る基(例えばスルファニル基)及び上記反応性ケイ素基の両方を有する化合物、並びにヒドロシラン化合物(例えばHSiX3-a、ただし、X、R及びaは上記式1と同様である。)が例示される。具体的には、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリス(2-プロペニルオキシ)シラン、トリアセトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メトキシエチルシラン、メチルジイソプロポキシシラン、(1-クロロメチル)ジメトキシシラン、(1-クロロメチル)ジエトキシシランが例示できる。活性が高く良好な硬化性が得られる点から、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましく、メチルジメトキシシラン又はトリメトキシシランがより好ましい。
上記イソシアネートシラン化合物としては、例えば、特開2011-178955号公報に記載される、従来公知のイソシアネートシラン化合物を用いることができる。
上記前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を1個導入した後、上記不飽和基とシリル化剤を反応させる方法、又は上記前駆重合体の主鎖末端基の活性水素含有基とイソシアネートシラン化合物をウレタン化反応させる方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、特公昭45-36319号公報、特開昭50-156599号公報、特開昭61-197631号公報、特開平3-72527号公報、特開平8-231707号公報、特開2011-178955号公報、米国特許第3632557号明細書、又は米国特許第4960844号明細書に提案されている方法が挙げられる。
上記前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を2個導入する方法としては、前駆重合体に、アルカリ金属塩を作用させた後、不飽和基を有するエポキシ化合物を反応させ、次いで不飽和基を有するハロゲン化炭化水素化合物を反応させる方法が好ましい。
上記前駆重合体の1つの主鎖末端基に不飽和基を1個よりも多く導入する方法としては、公知の方法を特に制限なく用いることができ、例えば、国際公開第2013/180203号、国際公開第2014/192842号、特開2015-105293号公報、特開2015-105322号公報、特開2015-105323号公報、特開2015-105324号公報、国際公開第2015/080067号、国際公開第2015/105122号、国際公開第2015/111577号、国際公開第2016/002907号、特開2016-216633号公報、又は特開2017-39782号公報に記載される方法を用いることができる。
上記反応により、前駆重合体の主鎖末端基に上記不飽和基を有するエポキシ化合物に由来する不飽和基が導入され、次いで上記ハロゲン化炭化水素化合物に由来する不飽和基が導入された中間体が得られる。中間体は主鎖末端基における末端基の一部が未反応の活性水素含有基であってもよい。
上記中間体の1分子中に含まれる活性水素含有基の数は、貯蔵安定性の点から0.3個以下が好ましく、0.1個以下がより好ましい。
重合体Aのシリル化率は50モル%超100モル%以下が好ましく、55~98モル%がより好ましく、60~97モル%がさらに好ましい。
本発明の硬化性組成物が、2種以上の重合体Aを含む場合、重合体A全体における平均のシリル化率が上記の範囲内であればよい。
(重合体A
上記重合体Aの主鎖は、(メタ)アクリル酸エステルを含む1種以上の単量体の付加重合により形成された重合鎖である。
重合体Aの主鎖は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく単位の他に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な不飽和基を有する単量体に基づく単位を有してもよい。
重合体Aを構成する単量体としては、例えば、特公平3-14068号公報、特開平6-211922号公報、又は特開平11-130931号公報に記載される、従来公知の単量体を用いることができる。
上記単量体と共重合させる反応性ケイ素基及び不飽和基を含む単量体として、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリス(2-メトキシエトキシ)ビニルシラン、(メタ)アクリル酸-3-(メチルジメトキシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸-3-(トリメトキシシリル)プロピル及び(メタ)アクリル酸-3-(トリエトキシシリル)プロピルが例示される。これらは1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
重合体Aを構成する全単量体に対して、(メタ)アクリル酸エステル単量体は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%でもよい。
重合体Aにおける反応性ケイ素基は、主鎖末端基に導入されていても、側鎖に導入されていても、主鎖末端基と側鎖の両方に導入されていてもよい。
反応性ケイ素基及び重合性不飽和基を含む単量体と、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体をフリーラジカル重合法で重合すると、側鎖に反応性ケイ素基を有する重合体Aが得られる。
リビングラジカル重合法を用いると、主鎖末端基として反応性ケイ素基を有する重合体Aが得られる。
重合体Aは、特開2006-257405号公報、特開2006-37076号公報、又は特開2008-45059号公報等に記載の従来公知の重合方法で重合できる。重合に必要な開始剤等の副資材についても従来公知のものを用いることができ、反応温度や反応圧力等の反応条件も適宜選択できる。
重合方法として、溶液重合、乳化重合、懸濁重合又はバルク重合によるフリーラジカル重合開始剤を用いた重合方法やリビングラジカル重合が例示される。リビングラジカル重合法として、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されているようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、特表2003-500378号公報に示されているようなニトロオキサイドラジカルを用いるもの、特開平11-130931号公報に示されているような有機ハロゲン化物やハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer RadicalPolymerization:ATRP法)が例示される。リビングラジカル重合で得られる重合体は、分子量分布が狭く、低粘度である傾向がある。
重合体AのMnは、500~100,000が好ましく、1,000~80,000がより好ましく、2,000~50,000がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、硬化物の伸び物性により優れ、上限値以下であると、低粘度になりやすく作業性により優れる。
重合体Aの分子量分布は、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。
重合体Aの1分子あたりの反応性ケイ素基の数の平均は0.5個超であり、1.0個以上が好ましい。硬化後の強度の点から1.2個以上が好ましく、1.6個以上がより好ましい。硬化物の伸びが良好となる点から4.0個以下が好ましく、3.0個以下がより好ましい。
重合体Aの1分子あたりの反応性ケイ素基の数の平均は「重合体A中の反応性ケイ素基の濃度[mol/g]×重合体AのMn」で算出する。重合体A中の反応性ケイ素基の濃度[mol/g]は、NMRにより測定できる。
(重合体A及び重合体Aの含有割合)
重合体Aが重合体A及び重合体Aからなる群より選択される少なくとも1種を含む場合の、重合体Aに対する、上記重合体A及び重合体Aからなる群より選択される少なくとも1種の含有割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
重合体A及び重合体Aからなる群より選択される少なくとも1種の含有割合が重合体Aの80質量%以上であると、本発明の硬化性組成物を硬化した硬化物の物性がより良好になりやすい。
重合体Aが重合体A及び重合体Aの両方を含む場合の、重合体A及び重合体Aの合計に対する重合体Aの含有割合は、1~70質量%が好ましく、5~65質量%がより好ましく、10~60質量%がさらに好ましい。上記範囲内であれば、硬化性により優れる。
《重合体A及び重合体A以外の重合体》
重合体Aは、上述した重合体A及び重合体A以外の重合体(以下、「重合体A」という場合がある。)を含んでもよい。
重合体Aとしては、上記式1で表される反応性ケイ素基を有するものであれば特に重合体の主鎖骨格は限定されない。主鎖骨格としては、例えば、飽和炭化水素系重合体、ポリエステル系重合体、重合体A以外のビニル系重合体、ポリサルファイド系重合体、ポリアミド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体が挙げられる。
〈重合体B(第2の有機重合体)〉
重合体Bは、シロキサン構造を有し、かつ、第1の単量体(以下、「単量体b」という場合がある。)に基づく単位及び第2の単量体(以下、「単量体b」という場合がある。)に基づく単位を含む。
《単量体b(第1の単量体)》
単量体bは、上式1で表される反応性ケイ素基を有さず、かつ、シロキサン構造及び重合性不飽和基を有する単量体である。
単量体bの重合性不飽和基として、CH=CH-、CH=CH-CH-O-、CH=CR11-C(=O)O-及びCH=CR11-OC(=O)-が例示される。ここで、R11は、水素原子、塩素原子、フッ素原子又は炭素数1~3の直鎖若しくは分岐のアルキル基である。
単量体bの重合性不飽和基は、CH=CH-、CH=CH-CH-O-、CH=CH-C(=O)O-、CH=C(CH)-OC(=O)O-、CH=CH-OC(=O)-及びCH=C(CH)-OC(=O)-からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、CH=CH-C(=O)O-及びCH=C(CH)-OC(=O)O-からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
単量体bのシロキサン構造は、シロキサン結合による主鎖からなる構造である。単量体bのシロキサン構造は、側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン構造が好ましい。上記有機基として、アルキル基及びトリアルキルオキシシリル基が例示される。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含むことで、得られる硬化物表面のタックが低減し、防汚性が向上する。
重合体Bは、単量体bに基づく単位を、2種以上含んでもよい。
重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位の含有割合は、10~80質量%が好ましく、15~70質量%がより好ましく、20~60質量%がさらに好ましい。
単量体bは、得られる硬化物表面のタックを低減し、防汚性をさらに高める点で、下式2で表される単量体を含むことが好ましい。
CH=CR-C(=O)O-Y-SiRO(Si(CHO)-Si(CH 式2
式2中の各記号の意味は以下のとおりである。
は、水素原子又はメチル基を表す。
Yは、単結合、炭素数1~6の直鎖のアルキレン基又は1個の水素原子が炭素数1~3のアルキル基で置換された炭素数1~6のアルキレン基を表す。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基及びトリメチルオキシシリル基からなる群より選択されるいずれか1種を表す。
cは0~150の整数である。
上式2で表される単量体としては、得られる硬化物表面のタックを低減する点で、Rが水素原子又はメチル基であり、Yが-CH-、-C-、-C-、-C-、-C10-及び-C12-からなる群より選択されるいずれか1種であり、Rが-H、-CH及び-OSi(CHからなる群より選択されるいずれか1種であり、Rが-H、-CH及び-OSi(CHからなる群より選択されるいずれか1種であり、かつ、cが0~150の整数である化合物が好ましく、Rが-CHであり、Yが-C-であり、Rが-CH又は-OSi(CHであり、Rが-CH又は-OSi(CHであり、かつ、cが0~10の整数である化合物がより好ましい。
単量体bは、上式2で表される単量体を、2種以上含んでもよい。
単量体bに基づく単位の合計質量に対する、上式2で表される単量体に基づく単位の含有割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
単量体bに基づく単位の合計質量に対する、上記式2で表される単量体に基づく単位の割合は、100質量%でもよい。
上記単量体bの具体例を以下に列挙する。
CH=CH-C(O=)O-Si(CH-O-Si(CH
CH=C(CH)-C(O=)O-Si(CH-O-Si(CH
CH=CH-C(O=)O-Si-(OSi(CH
CH=CH-C(O=)O-Si(CH-O(Si(CHO)10-Si(CH
CH=CH-C(O=)O-Si(CH-O(Si(CHO)60-Si(CH
CH=CH-C(O=)O-Si(CH-O(Si(CHO)130-Si(CH
CH=C(CH)-C(O=)O-Si-(OSi(CH
CH=C(CH)-C(O=)O-Si(CH-O(Si(CHO)10--Si(CH
CH=C(CH)-C(O=)O-Si(CH-O(Si(CHO)60-Si(CH
CH=C(CH)-C(O=)O-Si(CH-O(Si(CHO)130-Si(CH
CH=CH-C(=O)O-(CH-Si-(OSi(CH
CH=CH-C(=O)O-(CH-Si(CH-O(Si(CHO)10-Si(CH
CH=CH-C(=O)O-(CH-Si(CH-O(Si(CHO)60-Si(CH
CH=CH-C(=O)O-(CH-Si(CH-O(Si(CHO)130-Si(CH
CH=C(CH)-C(=O)O-(CH-Si-(OSi(CH
CH=C(CH)-C(=O)O-(CH-Si(CH-O(Si(CHO)10-Si(CH
CH=C(CH)-C(=O)O-(CH-Si(CH-O(Si(CHO)60-Si(CH、及び
CH=C(CH)-C(=O)O-(CH-Si(CH-O(Si(CHO)130-Si(CH
《単量体b(第2の単量体)》
単量体bは、上式1で表される反応性ケイ素基及びシロキサン構造のいずれも有さず、かつ、親水性基及び重合性不飽和基を有する単量体である。
単量体bの親水性基として、アルキレンオキシド基(-R’O-;R’はアルキレン基))、アミノ基、ヒドロキシ基、アクリルアミド基(CH=CHCONH-)、カルボキシ基、リン酸基(-PO 2-)、スルホン基(-SO(OH))及び第四級アンモニウム基が例示される。ここで、R’の炭素数は、1~5が好ましく、1~3がより好ましい。
単量体bの親水性基は、アルキレンオキシド基(-R’O-;R’は、炭素数1~5のアルキレン基)、アミノ基、ヒドロキシ基、アクリルアミド基(CH=CHCONH-)、カルボキシ基、リン酸基(-PO 2-)、スルホン基(-SO(OH))及び第四級アンモニウム基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アルキレンオキシド基(-R’O-;R’は、炭素数1~3のアルキレン基)、アミノ基、ヒドロキシ基、アクリルアミド基(CH=CHCONH-)、カルボキシ基、リン酸基(-PO 2-)及びスルホン基(-SO(OH))からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
単量体bの重合性不飽和基は単量体bの重合性不飽和基と同様である。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含むことで、得られた硬化物の表面の表面張力が低くなりやすい。
重合体Bは、単量体bに基づく単位を、2種以上含んでもよい。
重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位の含有割合は、10~80質量%が好ましく、15~70質量%がより好ましく、20~60質量%がさらに好ましい。
重合体Bにおける、重合体Bを構成する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計に対する単量体bに基づく単位の含有割合は、10~90質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましい。
単量体bは、重合体Bの分散安定性がより良好となる点で、-(R’O)-で表されるアルキレンオキシド鎖を有することが好ましい。nは1~30の整数を表す。
nが2以上の場合、n個の(R’O)は1種でもよく2種以上でもよい。また、(R’O)が2種以上場合、重合はランダム重合でもよく、ブロック重合でもよい。
単量体bは、得られる硬化物の親水性がより良好となる点で、下式3で表される単量体を含むことが好ましい。
-Z-(CHCHO)(CH(CH)CHO)21 式3
式3中の各記号の意味は以下のとおりである。
は、重合性不飽和基を含む1価基を表す。
は、単結合又は炭素数1~10の直鎖アルキレン基を表す。
21は、水素原子又はメチル基を表す。
mは、1~30の整数であり、nは、0~25の整数であり、mはnよりも大きい。
は、CH=CH-、CH=CH-CH-O-、CH=CR11-C(=O)-O-又はCH=CR11-OC(=O)-が好ましい。
11は、単量体bの重合性不飽和基におけるR11と同様である。
mは、4~26の整数が好ましい。
nは、1~10の整数が好ましい。
nが1以上であり、かつ、m+nが3以上である場合、上式3中の(CHCHO)(CH(CH)CHO)は、ランダム共重合、タンデム共重合及びブロック共重合のいずれでもよい。
上式3で表される単量体としては、親水化の点で、QがCH=CR11-C(=O)O-であり、R11が水素原子又はメチル基であり、Zが単結合であり、R21がメチル基であり、mが1~30の整数であり、かつ、nが0~20の整数である化合物が好ましく、QがCH=CR11-C(=O)O-であり、R11が水素原子であり、Zが単結合であり、R21がメチル基であり、mが4~26の整数であり、かつ、nが1~10の整数である化合物がより好ましい。
単量体bは、上式3で表される単量体を、2種以上含んでもよい。
単量体bに基づく単位の合計質量に対する、上式3で表される単量体に基づく単位の含有割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
単量体bに基づく単位の合計質量に対する、上式3で表される単量体に基づく単位の含有割合は、100質量%でもよい。
上式3で表される単量体の具体例を以下に列挙する。
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-H、
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-H、
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)10-H、
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)24-H、
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)-H、
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)-H、
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)-H、
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)23-H、
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)4-(CHCH(CH)O)-H、
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)5-(CHCH(CH)O)-H、
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-CH
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-CH
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-CH
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)13-CH
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)-CH
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)-CH
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)-CH
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)13-CH
CH=C(CH)-C(=O)-O-(CHCHO)23-CH
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-(CHCH(CH)O)-CH、及び
CH=CH-C(=O)-O-(CHCHO)-(CHCH(CH)O)-H。
上式3で表される単量体以外の単量体bの具体例を以下に列挙する。
CH=CH-C(=O)-OH、
CH=C(CH)-C(=O)-OH、
CH=C(CH)-C(=O)-CH-CH-NH
CH=CH-C(=O)-CH-CH-NH
CH=C(CH)-C(=O)-N(CH
CH=CH-C(=O)-N(CH
CH=C(CH)-C(=O)-N(CHCHOCHCH)、
CH=CH-C(=O)-N(CHCHOCHCH)、及び
CH=CH-C(=O)-NH-(CH-N(CH・Cl
重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計含有割合は、20~100質量%が好ましく、30~90質量%がより好ましく、40~80質量%がさらに好ましい。
《単量体b及び単量体b以外の単量体》
重合体Bは、上述した単量体b及び単量体b以外に、さらに、後述する第3の単量体(以下、「単量体b」という場合がある。)、第4の単量体(以下、「単量体b」という場合がある。)、並びに単量体b、単量体b、単量体b及び単量体b以外の単量体(以下、「単量体b」という場合がある。)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。
(単量体b(第3の単量体))
単量体bは、上式1で表される反応性ケイ素基を有し、シロキサン構造及び親水性基のいずれも有さない単量体である。
上記親水性基としては、単量体bにおける親水性基と同様である。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含むことで、得られる硬化物のセルフクリーニング性が向上する。
単量体bとしては、例えば、特公平3-14068号公報、特開平6-211922号公報、又は特開平11-130931号公報に記載される、従来公知の単量体を用いることができる。
単量体bは、シロキサン構造及び親水性基を有さない(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
単量体bの具体例として、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリス(2-メトキシエトキシ)ビニルシラン、(メタ)アクリル酸-3-(メチルジメトキシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸-3-(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸-3-(メチルジエトキシシリル)プロピル及び(メタ)アクリル酸-3-(トリエトキシシリル)プロピルが挙げられる。
単量体bとしては、重合性が良好であり、セルフクリーニング性により優れる硬化物が得られる点から、(メタ)アクリル酸-3-(メチルジメトキシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸-3-(トリメトキシシリル)プロピル及び(メタ)アクリル酸-3-(メチルジエトキシシリル)プロピルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
重合体Bは、単量体bに基づく単位を、2種以上含んでもよい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位の含有割合は、0.1~20質量%が好ましく、0.5~15質量%がより好ましく、0.8~12質量%がさらに好ましい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を0.1~20質量%含むと、セルフクリーニング性により優れる硬化物を得られる。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計含有割合は、25~100質量%が好ましく、35~100質量%がより好ましく、45~100質量%がさらに好ましい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計に対する、単量体bに基づく単位の含有割合は、5~80質量%が好ましく、10~75質量%がより好ましい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計に対する、単量体bに基づく単位の含有割合は、5~80質量%が好ましく、10~75質量%がより好ましい。
(単量体b(第4の単量体))
重合体Bが単量体bに基づく単位を含むことで、得られる硬化物表面の親水性が向上する。
単量体bは、上式1で表される反応性ケイ素基、シロキサン構造及び親水性基のいずれも有さず、エステル部位に炭素数1~8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
重合体Bは、単量体bに基づく単位を、2種以上含んでもよい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位の含有割合は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位の合計含有割合は、25~100質量%が好ましく、35~100質量%がより好ましく、45~100質量%がさらに好ましい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計に対する、単量体bに基づく単位の含有割合は、5~80質量%が好ましく、10~75質量%がより好ましい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する単量体bに基づく単位と単量体bに基づく単位との合計に対する、単量体bに基づく単位の含有割合は、5~80質量%が好ましく、10~75質量%がより好ましい。
単量体bは、重合体Aとの相溶性が得られやすい点で、下式4で表される単量体を含むことが好ましい。
CH=C(R31)-C(=O)O-R32 式4
式4中の各記号の意味は以下のとおりである。
31は、水素原子又はメチル基を表す。
32は、炭素数1~8のアルキル基を表す。
32は、重合体Aとの相溶性の点で、炭素数2~8のアルキル基が好ましく、炭素数2~6のアルキル基がより好ましい。
上記アルキル基は、直鎖でも分岐でもよく、重合体Aとの相溶性の点で直鎖のアルキル基が好ましい。
上式4で表される単量体bの具体例として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルが挙げられる。
上式4で表される単量体bとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルが例示できる。(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル及び(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル及び(メタ)アクリル酸ヘキシルからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
単量体bは、上式4で表される単量体を、2種以上含んでもよい。
単量体bに基づく単位の合計質量に対する、上式4で表される単量体に基づく単位の含有割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
単量体bに基づく単位の合計質量に対する、上式4で表される単量体に基づく単位の含有割合は、100質量%でもよい。
(単量体b(単量体b、単量体b、単量体b及び単量体b以外の単量体))
単量体bは、単量体b、b 及びbと重合体を形成できる単量体であれば特に限定されない。
単量体bとして、例えば、以下の化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ベヘニル等の炭素数9~24のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル。
塩化ビニル、塩化ビニリデン、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル及び2-クロロエチルビニルエーテル等のビニルエーテル。
テトラフルオロエチレン等のハロゲン化ビニル。
酢酸ビニル、酪酸ビニル及びピバル酸ビニル等のビニルエステル。
酢酸アリル及びアジピン酸ジアリル等のアリルエステル。
ジアリルエーテル及び1,3ジアリルオキシ-2-プロパノール等のアリルエーテル。
ラウリン酸ビニル及びステアリン酸ビニル等の長鎖アルキルビニル。
エチレン、プロピレン及び1,4-ブタジエン等の炭化水素オレフィン化合物。
重合体Bは、単量体bに基づく単位を、2種以上含んでもよい。
重合体Bが単量体bに基づく単位を含む場合、重合体Bにおける、重合体Bを構成する全ての単位に対する単量体bに基づく単位の含有割合は、20質量%未満が好ましく、5質量%未満が好ましい。
《重合体BのMn及び分子量分布》
重合体BのMnは、1,000~20,000が好ましく、2,000~18,000がより好ましく、3,000~16,000がさらに好ましい。上記範囲内であると、重合体Aと重合体Bの混合物の粘度がより低下する。
重合体Bの分子量分布は、2.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
《重合体Bの製造方法》
重合体Bは、単量体b及び単量体bを含む単量体成分を、有機溶媒中で重合反応させて得られる。重合体Bが単量体bに基づく単位及び単量体bに基づく単位を含む場合は、単量体b、単量体b、単量体b及び単量体bを含む単量体成分を、有機溶媒中で重合反応させて得られる。上記有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、2-プロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド及びアセトニトリル等が挙げられる。上記有機溶媒は、単量体の溶解性がより良好となり、収率がより良好となる点で、酢酸エチル又は2-プロパノールが好ましい。上記有機溶媒は、1種を単独で、又は2種以上を混合して、使用してもよい。
上記重合反応は、上記重合体Aと同様の方法で重合できる。
上記重合反応において、開始剤の例としては、パーオキシド重合開始剤、アゾ重合開始剤、又はレドックス重合開始剤や金属化合物触媒等が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’-アゾビスイソブチロ、2,2’-アソビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
重合温度や重合時間は、使用する溶媒の沸点や開始剤の半減期温度等により適宜選択できるが、重合温度は20~200℃であってよく、50~150℃が好ましく、重合時間は数~数十時間が好ましい。
上記重合反応においては、必要により、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン、n-オクタデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、α-メチルスチレン、メルカプト-3-(メチルジメトキシリル)プロピル、メルカプト-3-(トリメトキシリル)プロピル及びメルカプト-3-(メチルジエトキシリル)プロピルが挙げられる。
連鎖移動剤を用いる場合、連鎖移動剤は、1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
〈その他の成分〉
硬化性組成物は、重合体A及び重合体B以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、充填材、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、接着性付与剤、酸素硬化性化合物、光硬化性化合物、硬化触媒(シラノール縮合触媒)及びアミン化合物が例示できる。
その他の成分は、国際公開第2013/180203号、国際公開第2014/192842号、国際公開第2016/002907号、特開2014-88481号公報、特開2015-10162号公報、特開2015-105293号公報、特開2017-039728号公報、又は特開2017-214541号公報等に記載される従来公知のものを、制限なく組み合わせて用いることができる。
各成分は2種類以上を併用してもよい。
上記可塑剤としては、フタル酸エステル(フタル酸ジイソニル等)、エポキシ可塑剤(4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸-ジ-2-エチルヘキシル等)、炭素数6~18のパラフィン系炭化水素(n-ドデカン等)、アクリル系可塑剤(無溶剤型アクリルポリマー等)、ポリエーテル系可塑剤(オキシアルキレン重合体等)が挙げられる。
上記可塑剤の一部又は全部として、Mnが1,000以上、Mwが1,000以上、又は水酸基1個当たりの分子量が500以上の高分子可塑剤を用いると、硬化物の表面汚染や周辺汚染の低減、硬化物上の塗料の乾燥性の向上、塗料表面の汚染性の低減、耐候性の向上等の効果が得られやすい点で好ましい。
[硬化性組成物の製造方法]
硬化性組成物は、重合体A及び重合体Bをそれぞれ合成し、重合体A及び重合体Bに、さらに必要に応じた成分を添加し、混合して得られる。
硬化性組成物における、重合体A及重合体Bの合計の含有割合は、5~80質量%が好ましく、10~70質量%がより好ましく、15~60質量%がさらに好ましい。重合体A及重合体Bの合計の含有割合が上記範囲内であると、得られる硬化物が防汚性、セルフクリーニング性に優れる。
重合体Aの100質量部に対する重合体Bの含有量は、1~40質量部が好ましく、2~30質量部がより好ましく、3~20質量部がさらに好ましい。
重合体Bの含有量が重合体Aの100質量部に対して1質量部以上であると、得られる硬化物が防汚性及びセルフクリーニング性により優れる。
重合体Bの含有量が重合体Aの100質量部に対して40質量部以下であると、重合体Aと重合体Bの相溶性により優れる。
重合体Aと重合体Bとを混合した混合物の25℃における粘度は、1.5~50Pa・sが好ましく、2~35Pa・sがより好ましく、4~40Pa・sがさらに好ましい。
重合体Aと重合体Bとを混合した混合物の25℃における粘度が1.5Pa・s以上であると、作業中の液だれが起こりにくい。
重合体Aと重合体Bとを混合した混合物の25℃における粘度が50Pa・s以下であると、作業性がより良好となる。
上記粘度は、E型粘度計(東機産業社製、製品名:RE80型)を用いて、測定温度25℃ローターNo.4の条件で粘度を測定した値である。
重合体Aと重合体Bとを混合した混合物の粘度を低くする方法として、例えば、重合体Bの分子量を低くする等の方法が挙げられる。
硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合し密封保存して、施工後に空気中の湿気により硬化させる1液型でもよく、少なくとも反応性ケイ素基を有する成分を含む主剤組成物と、少なくとも硬化触媒を含む硬化剤組成物とを別々に保存し、使用前に硬化剤組成物と主剤組成物を混合する2液型でもよい。施工が容易であるため、1液型の硬化性組成物が好ましい。
1液型の硬化性組成物は水分を含まないことが好ましい。水分を含む配合成分を予め脱水乾燥するか、また配合混練中に減圧して脱水することが好ましい。
2液型の硬化性組成物において、硬化剤組成物は水を含んでもよい。主剤組成物は少量の水分を含んでもゲル化し難いが、貯蔵安定性の点からは配合成分を予め脱水乾燥することが好ましい。
貯蔵安定性を向上させるために、1液型の硬化性組成物又は2液型の主剤組成物に脱水剤を添加してもよい。
本発明の硬化性組成物の用途としては、シーリング材(例えば建築用弾性シーリング材、複層ガラス用シーリング材、ガラス端部の防錆・防水用封止材、太陽電池裏面封止材、建造物用密封材、船舶用密封材、自動車用密封材、道路用密封材)、電気絶縁材料(電線・ケーブル用絶縁被覆材)、接着剤が好適である。
特に、セルフクリーニング性が要求される用途に好適であり、例えば屋外に施工されるシーリング材が例示できる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上述した本発明の硬化性組成物を硬化したものである。
本発明の硬化性組成物が1液型である場合は、硬化性組成物を施工に用い、施工後に空気中の湿気により硬化させることが好ましい。
本発明の硬化性組成物が少なくとも反応性ケイ素基を有する成分を含む主剤組成物と、少なくとも硬化触媒を含む硬化剤組成物との2液型である場合は、主剤組成物と硬化剤組成物とを混合した後に施工に用い、施工後に硬化させることが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[測定方法及び評価方法]
〈前駆重合体の分子量〉
水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシドを重合させたオキシアルキレン重合体(前駆重合体)の分子量(以下、「水酸基換算分子量」という。)は、JIS K 1557:2017に基づいて算出された水酸基価より、「56100/(前駆重合体の水酸基価)×開始剤の活性水素の数」の式に基づいて算出した。
〈Mn及び分子量分布〉
HLC-8220GPC(東ソー社製品名)を用いて、Mw及びMnを計測し、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
〈重合体Aにおける1分子中の反応性ケイ素基の平均数(シリル基数)〉
主鎖末端に塩化アリルを用いて不飽和基を導入し、シリル化剤を上記不飽和基と反応させて反応性ケイ素基を導入する方法において、主鎖末端に導入された不飽和基に対する、シリル化剤の反応性ケイ素基の仕込み当量(モル比)をシリル化率とした。
塩化アリルを用いて導入された不飽和基とシリル化剤の反応において、副反応によりシリル化剤と反応しない不飽和基はおよそ10%である。したがって不飽和基の90モル%未満をシリル化剤と反応させる場合には、上記仕込み当量をシリル化率とする。
シリル化率に基づいてシリル基数を算出した。
〈重合体Aにおける1分子中の反応性ケイ素基の平均数(シリル基数)〉
重合体Aのシリル基数は、H-NMRにより算出した重合体中の反応性ケイ素基の濃度[mol/g]に上記GPCにより測定したMnを掛けることにより算出した。
〈接触角〉
約3mm(深さ)×30mm(幅)の溝を設けたフレキシブルボード上に、各例の硬化性組成物をシーリング材として打設し、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下で7日間放置して、硬化物を得た。室温(25℃)にて、硬化物表面に液滴1μLの水を静置し、5秒後及び60秒後の接触角を測定した。
〈硬化物の汚染防止性(セルフクリーニング性)〉
約3mm(深さ)×30mm(幅)の溝を設けたフレキシブルボード上に、各例の硬化性組成物をシーリング材として打設し、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下で7日間放置して硬化物を得た。
得られた硬化物の表面に赤土を振りかけ、フレキシブルボードを垂直に立てた状態のままで20cmの高さから床に3回落とし、余分な赤土を振りおとして試験体とした。
得られた試験体の赤土が付着している状態を、色差計を用いてEab(汚染後)の値を測定した。
Eab(汚染後)が50超であれば不良と判定し、表中に「×」で示した。
Eab(汚染後)が40超50以下であれば良好と判定し、表中に「△」で示した。
Eab(汚染後)が40以下であればより良好と判定し、表中に「〇」で示した。
次いで、試験体を垂直に立てた状態で、赤土を振りかけた面に、霧吹きにて20cmの距離から水100ccを吹きかけ、放置乾燥後、赤土が付着している状態を、色差計を用いてEab(水洗浄後)の値を測定した。
上記Eab(汚染後)と同様に、Eab(水洗浄後)を判定し、表中に示した。
また、式[Eab(汚染後)-Eab(水洗浄後)]で表される差分の値を算出し、硬化物汚染性を評価した。Eab(汚染後)及びEab(水洗浄後)の値がいずれも50以下であり、かつ上記差分の値が5超であれば、良好なセルフクリーニング性が得られていることが示されている。
〈タック〉
硬化24時間後の表面タックを調べた。表面タックの有無は、表面を指で触ることにより確認した。表面にべたつきが少ないものを良好(○)、表面にべたつきが多いものを不良(×)と判定した。
[重合体A及び重合体Bの合成]
〈重合体Aの合成〉
(合成例1:重合体A-1)
グリセリンを開始剤とし、配位子がt-ブチルアルコールの亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体(以下、「TBA-DMC触媒」と記す。)を触媒として使用してプロピレンオキシドを重合し、水酸基換算分子量が21,000の前駆重合体を得た。次いで、前駆重合体の水酸基に対して1.15モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加して前駆重合体をアルコラート化した。次に、加熱減圧によりメタノールを留去し、さらに前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して主鎖末端基をアリル基に変換した。次に、塩化白金酸六水和物の存在下、前駆重合体の変換されたアリル基に対して0.65モル当量のメチルジメトキシシランをシリル化剤として添加し、70℃にて5時間反応させ、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基が主鎖末端基に導入されたオキシプロピレン重合体(重合体A-1)を合成した。
表1に、前駆重合体の主鎖末端基の数及び水酸基換算分子量、並びに合成した重合体A-1のMn、Mw/Mn及び1分子あたりの反応ケイ素基の平均数を示す。
(合成例2:重合体A-2)
プロピレングリコールを開始剤とし、TBA-DMC触媒を使用して、プロピレンオキシドを重合し、水酸基換算分子量が15,000の前駆重合体を得た。次いで、前駆重合体の水酸基に対して1.05モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加して前駆重合体をアルコラート化した。次に、合成例1と同様にして、メタノールを留去し、さらに前駆重合体の主鎖末端基をアリル基に変換して、上記アリル基にシリル化剤を反応させて、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基が主鎖末端基に導入されたオキシプロピレン重合体(重合体A-2)を合成した。
表1に、前駆重合体の主鎖末端基の数及び水酸基換算分子量、並びに合成した重合体A-2のMn、Mw/Mn及び1分子あたりの反応ケイ素基の平均数を示す。
〈重合体Aの合成〉
(合成例3:重合体A-1)
メチルメタクリレートの100g、ブチルアクリレートの750g、ステアリルメタクリレートの150g、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの26.7g、n-ドデシルメルカプタンの7.5g及び2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(V65、和光純薬社製品名、以下、「V65」と記す。)の10gを混合した混合液を、70℃に加熱した酢酸エチルの300gに2時間かえて滴下した後2時間重合して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(重合体A-1)を合成した。
表1に、前駆重合体の主鎖末端基の数、並びに合成した重合体A-1のMn、Mw/Mn及び1分子あたりの反応ケイ素基の平均数を示す。
(合成例4:重合体A-2)
本例では、リビングラジカル重合法を用い、重合反応の終期にアルケニル基を2個有する化合物を反応させる方法で下記重合体A-2を合成した。
2Lフラスコに臭化第一銅の8.39g、アセトニトリルの112mLを添加し、窒素気流下70℃で20分間加熱撹拌した。これに2,5-ジブロモアジピン酸ジエチルの17.6g、アクリル酸エチルの130mL、アクリル酸ブチルの720mL、アクリル酸ステアリルの251gを添加し、さらに70℃で40分間加熱撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以下、「トリアミン」という。)0.41mLを添加して反応を開始した。引き続き70℃で加熱撹拌を続け、さらにトリアミンの2.05mLを添加した。反応開始から330分後に1,7-オクタジエンの244mL及びトリアミンの4.1mLを添加し、引き続き70℃で加熱撹拌を続け、反応開始から570分後に加熱を停止した。
得られた反応溶液をトルエンで希釈してろ過し、ろ液を減圧加熱処理して、末端にアルケニル基を有するアクリル酸エステル重合体(重合体X)を得た。
重合体XのMnは22,800、分子量分布は1.40、H-NMR分析より求めた重合体Xの1分子あたりのアルケニル基の平均数は2.8個であった。
次いで、窒素雰囲気下、2Lフラスコに、得られた重合体Xの全量、酢酸カリウムの17.2g、N,N-ジメチルアセトアミドメチル(以下、「DMAc」という。)の700mLを添加し、100℃で10時間加熱撹拌した。反応溶液を減圧加熱してDMAcを除去し、トルエンを添加してろ過した。ろ液を減圧加熱して揮発分を除去した残りを2Lフラスコに添加し、吸着剤(キョーワード500SNとキョーワード700SN(いずれも協和化学製品名)の質量比で1対1の混合物)の100gを添加し、窒素気流下130℃で9時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、ろ過して吸着剤を除去し、ろ液中のトルエンを減圧留去して前駆重合体(重合体X)を得た。
次いで、1L耐圧反応容器に、重合体Xの700g、メチルジメトキシシランの22.2mL、オルトぎ酸メチルの7.71mL及び白金触媒(0価白金の1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジシロキサン錯体)を添加した。ただし、白金触媒の使用量は、重合体Xのアルケニル基に対して9×10-3モル当量とした。反応容器内の混合物を100℃で195分間加熱撹拌した。混合物の揮発分を減圧留去して、主鎖末端にジメトキシメチルシリル基を有する重合体(重合体A-2)を合成した。
表1に、前駆重合体の主鎖末端基の数、並びに合成した重合体A-2のMn、Mw/Mn及び1分子あたりの反応ケイ素基の平均数を示す。
Figure 0007404838000001
表1中の用語の意味は次のとおりである。
主鎖末端基の数…前駆重合体の主鎖末端基の数
水酸基換算分子量…前駆重合体の水酸基換算分子量
Mn…合成した重合体の数平均分子量
Mw/Mn…合成した重合体の分子量分布
反応性ケイ素基の平均数…合成した重合体の1分子あたりの反応性ケイ素基の平均数
〈重合体B又は比較重合体Bの合成又は準備〉
(合成例5:重合体B1)
単量体としてサイラプレーンTM-0701T(JNC社製)の300g、ブレンマーAME400(日油社製)の200gを用いた。単量体の総質量500gに対して、n-ドデシルメルカプタンの6g及びV65の10gを混合した混合液を、80℃に加熱した2-プロパノールの50gに2時間かけて滴下した後、2時間重合して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(重合体B1)を合成した。
使用した単量体の種類及び仕込み部数(質量部)、並びに合成した重合体B1のMnを表2に示す。
(合成例6、7、10、11:重合体B2、B3、比較重合体B8、B9)
単量体の総質量を500gとして、表2に示す割合(単位:質量部)にて、合成例5と同様にして重合体B2、B3、比較重合体B8、B9を合成した。
各合成例について、使用した単量体の種類及び仕込み部数(質量部)、並びに合成した各重合体及び各比較重合体のMnを表2に示す。
(合成例8:重合体B4)
単量体としてTM-0701Tの200g、AME400の150g、ブレンマー50PEP-300(日油社製品名、以下「50PEP-300」と記す。)の50g、ブチルアクリレート(以下、「BA」と記す。)100gを用いた。単量体の総質量500gに対して、V65の10gを混合した混合液を、80℃に加熱した2-プロパノールの50gに2時間かけて滴下した後、2時間重合して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(重合体B4)を得た。
使用した単量体の種類及び仕込み部数(質量部)、並びに合成した重合体B4のMnを表2に示す。
(合成例9:重合体B5)
単量体としてTM-0701Tの200g、AME400の200g、BA100gを用いた以外は、合成例8と同様に重合して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(重合体B5)を得た。
使用した単量体の種類及び仕込み部数(質量部)、並びに合成した重合体B5のMnを表2に示す。
(合成例12:重合体B10)
単量体としてTM-0701Tの195g、AME400の195g、BAの97.5g、KBE-502(信越化学工業社製品名、以下「KBE-502」と記す。)の12.5gを用いた以外は、合成例8と同様に重合して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(重合体B10)を得た。
使用した単量体の種類及び仕込み部数(質量部)、並びに合成した重合体B10のMnを表2に示す。
Figure 0007404838000002
表2中の各単量体は次のとおりである。
単量体b-1…サイラプレーンTM-0701T(JNC社製;式2においてRがメチル基、Yがプロピレン基、RがOSi(CH、RがOSi(CH、cが0の化合物)
単量体b-1…ブレンマーAME400(日油社製;メトキシポリエチレングリコールアクリレート(式3において、QがCH=C(CH)-C(=O)O-、Zが単結合、R21がメチル基、mが約9、nが0の化合物))
単量体b-2…ブレンマー50PEP-300(日油社製;式3において、QがCH=C(CH)-C(=O)O-、Zが単結合、R21がH、mが約3.5、nが約2.5のエチレンオキシドに基づく単位とプロピレンオキシドに基づく単位がランダムに結合された化合物)
単量体b-1…KBE-502(信越化学工業社製;メタクリル酸-3-(メチルジエトキシシリル)プロピル)
単量体b-1…ブチルアクリレート
(準備例1、2)
準備例1:比較重合体重合体B6…反応性シリコーンオイル(KF8010,東レダウ社製;Mn=400)
準備例2:比較重合体重合体B7…片末端反応性シリコーンオイル(X22-170DX,信越化学工業社製;Mn=5600)
B6及びB7は、いずれも、単量体b~単量体bに基づく単位を含まない。
〈その他の成分〉
(調製例1~9:添加剤C1~C9)
表3に記載の各成分を混合して添加剤C1~C9を調製した。
Figure 0007404838000003
表3中の各成分は次のとおりである。
・充填剤
充填材1…重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB,白石工業社製)
充填材2…膠質炭酸カルシウム(白艶化CCR,白石工業社製)
充填材3…酸化チタン(R-820,石原産業社製)
充填材4…有機バルーン(バルーン80GCA,松本油脂社製)
・可塑剤
可塑剤1…Mn=1,500のアクリルポリマー(ARUFON UP-1110,東亜合成社製)
可塑剤2…1分子あたり水酸基を2個有し、水酸基換算分子量が2,000であるオキシアルキレン重合体(エクセノール 3020,AGC社製)
可塑剤3…ジイソノニルフタレート(ビニサイザー90,花王社製)
可塑剤4…n-ドデカン、純度98.0%(カクタスノルマルパラフィンN-12D,JXTGエネルギー社製)
可塑剤5…4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸-ジ-2-エチルヘキシル(サンソサイザーEPS,新日本理化社製)
・酸化防止剤
酸化防止剤1…ヒンダードフェノール系酸化防止剤(IRGANOX1135,BASF社製)
・紫外線吸収剤
紫外線吸収剤1…ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin 326,BASF社製)
・光安定剤
光安定剤1…ヒンダードアミン系光安定剤(Tinuvin 765,BASF社製)
光安定剤2…ヒンダードアミン系光安定剤(アデカスタブLA-63P,ADEKA社製)
・脱水剤
脱水剤1…ビニルトリメトキシシラン(KBM-1003,信越化学社製)
・接着性付与剤
接着性付与剤1…3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-403,信越化学社製)
接着性付与剤2…3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(KBM-603,信越化学社製)
・アミン化合物
アミン化合物1…ラウリルアミン(純正化学社製)
アミン化合物2…ココナットアミン(ファーミンCS,花王社製)
アミン化合物3…ケチミン化合物(EH-235R-2,ADEKA社製)
・酸素硬化性化合物
酸素硬化性化合物1…空気酸化硬化性化合物(桐油,木村社製)
・光硬化性化合物
光硬化性化合物1…トリメチロールプロハントリアクリレート(アロニックスM-309,東亜合成社製)
・硬化触媒
触媒1…ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)(U-220H,日東化成社製)
[硬化性組成物の製造]
例1~14、例20~132は実施例であり、例15~19は比較例である。
(例1~19)
表4~6に示す配合(単位:質量部)の重合体(重合体A-1~A-2及び重合体B1~B5、B10)、比較重合体(比較重合体B6~B9)及び添加剤(添加剤C1)を混合して硬化性組成物を調製した。
表4~6に示す配合は、重合体Aの合計100質量部に対する値(単位:質量部)である。
得られた硬化性組成物の硬化物について、上記の方法により、タック、水に対する接触角及び硬化物の汚染防止性を評価した。結果を表4~6に示す。
Figure 0007404838000004
Figure 0007404838000005
Figure 0007404838000006
例1~14はタックが良好で、水の接触角測定から表面の親水化が確認され、セルフクリーニング性が良好であった。
(例20~132)
例1~14において添加剤を添加剤C1から添加剤C2~C9のいずれかに変更して各硬化性組成物を調製し、上記と同様に評価した。
例20~33は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C2を添加した例である。
例34~47は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C3を添加した例である。
例48~62は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C4を添加した例である。
例63~76は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C5を添加した例である。
例77~90は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C6を添加した例である。
例91~104は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C7を添加した例である。
例105~118は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C8を添加した例である。
例119~132は、例1~14における添加剤C1に代えて、添加剤C9を添加した例である。
例20~132のいずれの例においても、水の接触角測定から表面の親水化が確認され、セルフクリーニング性が良好であった。

Claims (10)

  1. 第1の有機重合体と、第2の有機重合体とを含む硬化性組成物であって、
    前記第1の有機重合体は、シロキサン構造を有さず、かつ、下式1で表される反応性ケイ素基を有する重合体であり、
    前記第2の有機重合体は、シロキサン構造を有し、かつ、第1の単量体に基づく単位及び第2の単量体に基づく単位を含む重合体であって、
    前記第1の単量体は、下式1で表される反応性ケイ素基を有さず、かつ、シロキサン構造及び重合性不飽和基を有する単量体であり、
    前記第2の単量体は、下式1で表される反応性ケイ素基及びシロキサン構造のいずれも有さず、かつ、親水性基及び重合性不飽和基を有する単量体であ
    前記硬化性組成物における、前記第1の有機重合体及び前記第2の有機重合体の合計の含有割合は、5~80質量%である、硬化性組成物。
    -SiX3-a 式1
    式中、Rは加水分解性基以外の炭素数1~20の1価の有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、aは1~3の整数であり、aが1である場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3である場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
  2. 前記第1の有機重合体の100質量部に対する前記第2の有機重合体の含有量が1~40質量部である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記第1の単量体は、下式2で表される単量体を含む、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
    CH=CR-C(=O)O-Y-SiRO(Si(CHO)-Si(CH 式2
    式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Yは単結合、炭素数1~6の直鎖のアルキレン基又は1個の水素原子が炭素数1~3のアルキル基で置換された炭素数1~6のアルキレン基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はトリメチルオキシシリル基を表し、cは0~150の整数である。
  4. 前記第2の有機重合体における、前記第2の有機重合体を構成する全ての単位に対する前記第1の単量体に基づく単位の含有割合が、10~80質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記第2の有機重合体における、前記第2の有機重合体を構成する全ての単位に対する前記第2の単量体に基づく単位の含有割合が、10~80質量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記第2の有機重合体が、さらに、前記式1で表される反応性ケイ素基を有し、シロキサン構造及び親水性基のいずれも有さない第3の単量体に基づく単位を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記第2の有機重合体における、前記第2の有機重合体を構成する全ての単位に対する前記第3の単量体に基づく単位の含有割合が、0.1~20質量%である、請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. 前記第2の有機重合体の数平均分子量が1,000~20,000である請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. シーリング材用である、請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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