JP7306120B2 - 硬化性組成物、及び硬化物 - Google Patents

硬化性組成物、及び硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP7306120B2
JP7306120B2 JP2019128606A JP2019128606A JP7306120B2 JP 7306120 B2 JP7306120 B2 JP 7306120B2 JP 2019128606 A JP2019128606 A JP 2019128606A JP 2019128606 A JP2019128606 A JP 2019128606A JP 7306120 B2 JP7306120 B2 JP 7306120B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
polymer
compound
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019128606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021014491A (ja
Inventor
和真 今野
孝顕 牛尾
佳孝 砂山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2019128606A priority Critical patent/JP7306120B2/ja
Publication of JP2021014491A publication Critical patent/JP2021014491A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7306120B2 publication Critical patent/JP7306120B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Description

本発明は、硬化性組成物、及び硬化物に関する。
反応性ケイ素基を有する重合体は、加水分解反応により硬化して、柔軟性を有するゴム状硬化物を形成し、シーリング材、接着剤等の用途に用いられる。反応性ケイ素基を有する重合体を含む硬化性組成物の硬化性、及び硬化物の物性を最適化するために、硬化性組成物中の反応性ケイ素基を有する重合体及びその他の成分についての検討が行われている。
特許文献1には、加水分解性ケイ素基を有する重合体と、硬化触媒と、分子量1,000以上の高分子可塑剤を含有する硬化性組成物が開示されている。硬化性組成物が高分子可塑剤を含有することにより、硬化性組成物の硬化性、及び塗料耐汚染性に優れることが記載されている。
特許文献2には、反応性ケイ素基を有する有機重合体100重量部に対して、カーボネート基を1個有する化合物を30重量部超、150重量部以下含有する硬化性組成物が開示されている。硬化性組成物がカーボネート基を1個有する化合物を特定量含有することにより、作業性及び深部硬化性に優れ、貯蔵後の硬化遅延が改善されることが記載されている。
特開2000-109676号公報 特開2018-104488号公報
接着剤、シーリング材用途においては、硬化物の強度及び伸びに優れることが求められるが、強度と伸びの両立は困難である。
特許文献1に記載の硬化性組成物により得られる硬化物の強度、伸びは充分ではない。
さらに、特許文献2に記載の硬化性組成物により得られる硬化物の伸びは充分でない。さらに本発明者等が特許文献2に記載の硬化性組成物をシーリング材に適用することを検討したところ、硬化前後で体積が著しく変化し、シーリング材に適用することが困難であることが判明した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、硬化物の強度及び伸びに優れ、硬化前後で体積変化率が小さい硬化性組成物及び前記硬化性組成物の硬化物を提供することを課題とする。
本発明は、下記[1]~[]である。
[1] 下記式1で表される反応性ケイ素基を有する有機重合体と、下記式2で表される1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物と、を含む、硬化性組成物であって、前記有機重合体は、アルキレンオキシド単量体の繰り返し単位を含む重合体であり、前記有機重合体100質量部に対して、前記化合物を5~150質量部含む、硬化性組成物
-SiX3-a 式1
式1中、Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
-[(OR -(OC(O)OR -(OC(O)OR -OH] 式2
式2中、xは、2~8の整数を表し、a、b又はcは、0~250の整数を表し、a+b+cは1以上の整数であり、かつ(b+c)×xは2以上の整数であり、R は、x価の炭素数1~16の飽和炭化水素基を表し、R 及びR は、それぞれ独立に炭素数1~12のアルキレン基を表し、R は、炭素数1~12のアルキレン基、又は-R -R -R -で表される基を表し、R は単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を表し、R は、置換若しくは非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基、置換若しくは非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。前記2価の脂環式飽和炭化水素基における単環又は多環構造の環を構成する1個以上の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。ただし、隣り合う炭素原子は同時に酸素原子に置換されない。
[2] 下記式1で表される反応性ケイ素基を有する有機重合体と、下記式3で表される1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物と、を含む、硬化性組成物であって、前記有機重合体は、アルキレンオキシド単量体の繰り返し単位を含む重合体であり、前記有機重合体100質量部に対して、前記化合物を5~150質量部含む、硬化性組成物。
-SiX 3-a 式1
式1中、Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
HO-R -[(OR -(OC(O)OR -(OC(O)OR ]-OH 式3
式3中、a、b又はcは、0~250の整数を表し、b+cは2以上の整数であり、R 及びR は、それぞれ独立に炭素数1~12のアルキレン基を表し、R は、炭素数1~12のアルキレン基、又は-R -R -R -で表される基を表し、R は単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を表し、R は、置換若しくは非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基、置換若しくは非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。前記2価の脂環式飽和炭化水素基における単環又は多環構造の環を構成する1個以上の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。ただし、隣り合う炭素原子は同時に酸素原子に置換されない。R は、R 、R 、及びR のいずれか一つと同一である。
] 前記化合物の数平均分子量が、400~30,000である、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
] 前記化合物の総質量に対する、カーボネート基に由来する単位の割合は、2~75質量%である、[1]~[]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
] シーリング材用である、[1]~[]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
] 接着剤用である、[1]~[]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
] [1]~[]のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
本発明の硬化性組成物は、硬化物の強度及び伸びに優れ、硬化前後で体積変化率が小さい。
本発明の硬化物は、強度及び伸びに優れる。
本明細書における用語の意味及び定義は以下のとおりである。
「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
重合体を構成する「単位」とは単量体の重合により直接形成された原子団を意味する。
「主鎖」とは、2個以上の単量体の連結により形成された重合鎖をいう。後述のオキシアルキレン重合体における「主鎖」は、開始剤の残基とアルキレンオキシド単量体に基づく繰り返し単位を含む部分をいう。
「主鎖末端基」とは、主鎖を構成する末端の原子に結合する原子又は原子団を意味する。
「オキシアルキレン重合体」とは、アルキレンオキシド単量体に基づく単位から形成される重合鎖を有する重合体を意味する。
「前駆重合体」とは、反応性ケイ素基導入前の重合体であって、開始剤の活性水素にアルキレンオキシド単量体を重合させた主鎖末端基が水酸基であるオキシアルキレン重合体のことである。
「(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体」とは、アクリル酸アルキルエステル単量体に基づく単位から形成される重合鎖及びメタアクリル酸アルキルエステル単量体に基づく単位から形成される重合鎖の一方又は両方を有する重合体を意味する。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の一方又は両方を意味する。
「カーボネート基に由来する単位」とは-O-C(O)-O-で表される単位を意味する。
「活性水素」とは、アルキレンオキシドが開環付加しうる反応性基が有する水素原子を意味し、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等に結合した水素原子を意味する。また、水も活性水素を有するものとする。
「活性水素含有基」とは、上記活性水素を有する基を意味する。なお、活性水素含有基は、イソシアネート基と反応し得る反応性基でもある。
「不飽和基」とは、不飽和性の二重結合を含む1価の基であり、特に断らない限り、ビニル基、アリル基、及びイソプロペニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基のことである。
「シリル化率」は、オキシアルキレン重合体の主鎖末端基における、反応性ケイ素基、活性水素含有基、不飽和基のいずれかである末端基の数の合計に対する前記反応性ケイ素基の数の割合である。シリル化率の値はNMR分析によって測定できる。また、後述のシリル化剤により、オキシアルキレン重合体の主鎖末端基における末端基に前記反応性ケイ素基を導入する際の、末端基の数に対する添加した前記シリル化剤のシリル基の数の割合(モル%)でもよい。
「シリル化剤」とは、活性水素含有基又は不飽和基と反応する官能基と反応性ケイ素基とを有する化合物を意味する。
「主鎖末端基の数」は、例えば、オキシアルキレン重合体の前駆重合体に不飽和基を導入した後、JIS K 0070(1992)に規定されたよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に不飽和基濃度を測定する方法で算出した値である。後述のオキシアルキレン重合体における「主鎖末端基の数」は、後述の、開始剤の活性水素の数と、又は前駆重合体の主鎖末端基の数と同じ数である。
「水酸基換算分子量」とは、アルキレンオキシド単量体に基づく繰り返し単位を含む重合体である場合において、開始剤や前駆重合体の水酸基価をJIS K 1557(2007)に基づいて算出し、「56,100/(水酸基価)×(開始剤の活性水素の数、又は前駆重合体の主鎖末端基の数)」として算出した値である。
数平均分子量(以下、「Mn」と記す。)及び重量平均分子量(以下、「Mw」と記す。)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定によって得られるポリスチレン換算分子量である。分子量分布は、MwとMnより算出した値であり、Mnに対するMwの比率(以下、「Mw/Mn」と記す。)である。後述の1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物において、分子量がGPCで測定できない化合物は、式量を分子量とする。
「カーボネート基に由来する単位の割合(質量%)」は、NMR分析により、a、b、c、xの比率を算出し、GPCにて測定した1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物のMn又は式量を用いて、式2で表される化合物においては下記式4に、また式3で表される化合物においては下記式5に当てはめることで求めた値である。式4及び5中の(12+16×3)はカーボネート基部分(-OC(O)O-)の式量である。
[{(b+c)×x}×(12+16×3)]÷Mn(又は式量) 式4
{(b+c)×(12+16×3)}÷Mn(又は式量) 式5
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、後述の式1で表される反応性ケイ素基を有する有機重合体(以下、「重合体A」という。)と、1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物(以下、「化合物a」という。)と、を含む。硬化性組成物に含まれる重合体Aは2種類以上でもよい。硬化性組成物に含まれる化合物aは2種類以上でもよい。
[重合体A]
重合体Aは、後述の式1で表される反応性ケイ素基を有する有機重合体である。
重合体Aは、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(以下、「重合体A1」という。)、及び反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸エステル重合体(以下、「重合体A2」という。)からなる群から選ばれる1種類以上の重合体が好ましい。硬化性組成物に含まれる重合体A1は2種類以上でもよい。硬化性組成物に含まれる重合体A2は2種類以上でもよい。
反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成して架橋し得る。シロキサン結合を形成する反応は硬化触媒によって促進される。重合体Aにおける反応性ケイ素基は下記式1で表される。
-SiX3-a 式1
前記式1において、Rは炭素数1~20の1価の有機基を示す。Rは加水分解性基を含まない。
Rは、炭素数1~20の炭化水素基及びトリオルガノシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、α-クロロアルキル基及びトリオルガノシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、α-クロロメチル基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基及びトリフェニルシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。反応性ケイ素基を有する重合体の硬化性と硬化性組成物の安定性が良い点からメチル基又はエチル基が好ましい。硬化物の硬化速度が速い点からα-クロロメチル基が好ましい。容易に入手できる点からメチル基が特に好ましい。
前記式1において、Xは水酸基又は加水分解性基を示す。
加水分解性基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、スルファニル基、アルケニルオキシ基が例示できる。
加水分解性が穏やかで取扱いやすい点からアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基であると、シロキサン結合を速やかに形成し硬化物中に架橋構造を形成しやすく、硬化物の物性値がより良好となる。
前記式1において、aは1~3の整数を示す。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なってもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なってもよい。
aは1又は2が好ましく、aは2がより好ましい。
前記式1で表される反応性ケイ素基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリス(2-プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシエチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、(α-クロロメチル)ジメトキシシリル基、(α-クロロメチル)ジエトキシシリル基が例示できる。活性が高く良好な硬化性が得られる点から、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基が好ましく、ジメトキシメチルシリル基及びトリメトキシシリル基がより好ましい。
重合体A1の主鎖は、1種類以上のアルキレンオキシド単量体の重合により形成されたオキシアルキレン重合体からなる重合鎖である。2種類以上のアルキレンオキシド単量体の重合により形成された共重合鎖である場合、それらのアルキレンオキシド単量体は、ブロック重合体を形成していてもよくランダム重合体を形成していてもよい。
オキシアルキレン重合体からなる重合鎖として、エチレンオキシド単量体からなる重合鎖、プロピレンオキシド単量体からなる重合鎖、ブチレンオキシド単量体からなる重合鎖、テトラメチレンオキシド単量体からなる重合鎖、エチレンオキシド単量体とプロピレンオキシド単量体の共重合鎖、プロピレンオキシド単量体とブチレンオキシド単量体の共重合鎖が例示できる。特にプロピレンオキシド単量体からなる重合鎖が好ましい。
重合体A1は、1分子中に主鎖末端基を2~6個有するものが好ましく、2~4個有するものがより好ましく、2個又は3個有するものがさらに好ましく、2個有するものが特に好ましい。
重合体A1の主鎖末端基は、前記式1で表される反応性ケイ素基、活性水素含有基及び不飽和基のいずれかであり、前記式1で表される反応性ケイ素基、水酸基及びアリル基からなる群より選ばれる1種類以上の基が好ましい。それぞれの前記主鎖末端基は互いに同じであっても、異なってもよい。
活性水素含有基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基、ヒドラジド基及びスルファニル基が挙げられる。活性水素含有基としては、水酸基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基が好ましく、水酸基がより好ましい。
重合体A1は、前記式1で表される反応性ケイ素基を1つの主鎖末端基あたりに平均して2.0個以下有するものが好ましく、硬化物の引張強度が良好となりやすいため、0.5個超2.0個以下有するものがより好ましく、0.6個~1.9個有するものがさらに好ましい。前記式1で表される反応性ケイ素基を1つの主鎖末端基あたりに平均して0.5個以下有する重合体を用いる場合には、硬化性が良好となりやすいため、前記式1で表される反応性ケイ素基を1つの主鎖末端基あたりに平均して0.5個超有する重合体と併用することが好ましい。
重合体A1は、前記反応性ケイ素基を1分子あたりに平均して6個以下有するものが好ましく、硬化物の引張強度が良好となりやすいため、0.5個超6個以下有するものがより好ましく、1.2個~3.8個有するものがさらに好ましい。
重合体A1のMnは2,000~100,000が好ましく、3,000~50,000がより好ましく、4,000~30,000がさらに好ましい。前記範囲内であると、硬化物の伸び物性に優れやすく、粘度が充分に低くなりやすい。
重合体A1の分子量分布は1.80以下が好ましい。粘度低減の点から、分子量分布は小さいほうが好ましく、1.50以下がより好ましく、1.40以下がさらに好ましく、1.20以下が特に好ましい。
重合体A1は、後述の前駆重合体の主鎖末端基に前記反応性ケイ素基を、1つの主鎖末端基に平均して2.0個以下導入して得られるものが好ましく、引張強度が良好となる観点から0.5個超2.0個以下導入して得られるものがより好ましく、0.6~1.9個導入して得られるものがさらに好ましい。
前記前駆重合体は、活性水素含有基を有する開始剤の活性水素に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシド単量体を開環付加重合させたオキシアルキレン重合体である。 前駆重合体としては、水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシド単量体を開環付加重合させた、主鎖末端基が水酸基である前駆重合体が好ましい。
重合体A1の製造方法は、前記前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を1個又は2個導入した後、前記不飽和基とシリル化剤を反応させる方法、又は前記前駆重合体の主鎖末端基の活性水素含有基とイソシアネートシラン化合物をウレタン化反応させる方法が好ましい。
前駆重合体は、活性水素含有基を有する開始剤の活性水素に、開環重合触媒の存在下で、アルキレンオキシド単量体を開環付加重合させたオキシアルキレン重合体である。開始剤の活性水素の数と、前駆重合体の主鎖末端基の数と、重合体A1の主鎖末端基の数は同じである。
前駆重合体は、水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシド単量体を開環付加重合させた、主鎖末端基における末端基が水酸基である重合体が好ましい。
前記開始剤としては、水酸基を2~6個有する開始剤が好ましく、水酸基を2~4個有する開始剤がより好ましく、水酸基を2個又は3個有する開始剤がさらに好ましく、水酸基を2個有する開始剤が特に好ましい。
開始剤は2種類以上を併用してもよい。開始剤を2種類以上併用する場合には、それらの開始剤の活性水素含有基の数のモル平均が上述の範囲内であればよい。
水酸基を2個有する開始剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、低分子量のポリオキシプロピレングリコールが例示できる。
水酸基を3個有する開始剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、低分子量のポリオキシプロピレントリオールが例示できる。
水酸基を4個以上有する開始剤としては、ソルビトール、ペンタエリスリトールが例示できる。
開始剤にアルキレンオキシド単量体を開環付加重合させる際の、開環重合触媒としては、従来公知の触媒を用いることができ、例えば、KOHのようなアルカリ触媒、有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体のような遷移金属化合物-ポルフィリン錯体触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、ホスファゼン化合物からなる触媒が挙げられる。
重合体A1の分子量分布を狭くすることができ、粘度の低い硬化性組成物が得られやすい点から複合金属シアン化物錯体触媒が好ましい。複合金属シアン化物錯体触媒は、従来公知の化合物を用いることができ、複合金属シアン化物錯体を用いた重合体の製造方法も公知の方法を採用できる。例えば、国際公開公報第2003/062301号、国際公開公報第2004/067633号、特開2004-269776号公報、特開2005-15786号公報、国際公開公報第2013/065802号、特開2015-010162号公報に開示される化合物及び製造方法を用いることができる。
重合体A1の前駆重合体としては、全主鎖末端基が水酸基である前駆重合体が好ましい。
重合体A1の製造方法は、前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を1個又は2個導入した後、前記不飽和基とシリル化剤を反応させる方法、又は前記前駆重合体の主鎖末端基の活性水素含有基とイソシアネートシラン化合物をウレタン化反応させる方法が好ましい。
シリル化剤としては、不飽和基と反応して結合を形成し得る基(例えばスルファニル基)及び前記反応性ケイ素基の両方を有する化合物、ヒドロシラン化合物(例えばHSiX3-a、ただし、X、R及びaは前記式1と同様である。)が例示できる。具体的には、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリス(2-プロペニルオキシ)シラン、トリアセトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラン、メチルジイソプロポキシシラン、(α-クロロメチル)ジメトキシシラン、(α-クロロメチル)ジエトキシシランが例示できる。活性が高く良好な硬化性が得られる点から、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましく、メチルジメトキシシラン又はトリメトキシシランがより好ましい。
イソシアネートシラン化合物としては、例えば、特開2011-178955号に記載される、従来公知のイソシアネートシラン化合物を用いることができる。
前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を1個導入した後、前記不飽和基とシリル化剤を反応させる方法、又は前記前駆重合体の主鎖末端基の活性水素含有基とイソシアネートシラン化合物をウレタン化反応させる方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、特公昭45-36319号、特開昭50-156599号、特開昭61-197631号、特開平3-72527号、特開平8-231707号、特開2011-178955号、米国特許3632557、米国特許4960844号の各公報に提案されている方法が挙げられる。
前駆重合体の1つの主鎖末端基に対して不飽和基を2個導入する方法としては、前駆重合体に、アルカリ金属塩を作用させた後、不飽和基を有するエポキシ化合物を反応させ、次いで不飽和基を有するハロゲン化炭化水素化合物を反応させる方法が好ましい。
前駆重合体の1つの主鎖末端基に不飽和基を1個よりも多く導入する方法としては、公知の方法を特に制限なく用いることができ、例えば、国際公開第2013/180203号公報、国際公開第2014/192842号公報、特開2015-105293号、特開2015-105322号、特開2015-105323号、特開2015-105324号、国際公開第2015/080067号公報、国際公開第2015/105122号公報、国際公開第2015/111577号公報、国際公開第2016/002907号公報、特開2016-216633号、特開2017-39782号に記載される方法を用いることができる。
前記反応により、前駆重合体の主鎖末端基に前記不飽和基を有するエポキシ化合物に由来する不飽和基が導入され、次いで前記ハロゲン化炭化水素化合物に由来する不飽和基が導入された中間体が得られる。中間体は主鎖末端基における末端基の一部が未反応の活性水素含有基であってもよい。
前記中間体の1分子中に含まれる活性水素含有基の数は、貯蔵安定性の点から0.3個以下が好ましく、0.1個以下がより好ましい。
重合体A1のシリル化率は50モル%超100モル%以下が好ましく、55~98モル%がより好ましく、60~97モル%がさらに好ましい。
硬化性組成物が、2種類以上の重合体A1を含む場合、重合体A1全体における平均のシリル化率が前記の範囲内であればよい。
重合体A2の主鎖は(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体を重合して形成される。
重合体A2の主鎖は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルに基づく単位のほかに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な不飽和基を有する単量体に基づく単位を有してもよい。
重合体A2を構成する単量体としては、例えば、特公平3-14068号公報、特開平6-211922号公報、特開平11-130931号公報に記載される、従来公知の単量体を用いることができる。
前記単量体と共重合させる反応性ケイ素基及び不飽和基を含む単量体としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリス(2-メトキシエトキシ)ビニルシラン、(メタ)アクリル酸-3-(メチルジメトキシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸-3-(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸-3-(トリエトキシシリル)プロピルが例示できる。これらは1種でもよく、2種類以上を併用してもよい。
重合体A2を構成する全単量体に対して、(メタ)アクリル酸エステル単量体は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%でもよい。
重合体A2における反応性ケイ素基は、主鎖末端基に導入されていても、側鎖に導入されていても、主鎖末端基と側鎖の両方に導入されていてもよい。
反応性ケイ素基及び重合性不飽和基を含む単量体と、(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体をフリーラジカル重合法で重合すると、側鎖に反応性ケイ素基を有する重合体A2が得られる。
リビングラジカル重合法を用いると、主鎖末端基として反応性ケイ素基を有する重合体A2が得られる。
重合体A2は、特開2006-257405号公報、特開2006-37076号公報、特開2008-45059号公報などに記載の従来公知の重合方法で重合できる。重合に必要な開始剤などの副資材についても従来公知のものを用いることができ、反応温度や反応圧力などの反応条件も適宜選択できる。
重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合又はバルク重合によるフリーラジカル重合開始剤を用いた重合方法やリビングラジカル重合が例示できる。リビングラジカル重合法としては、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されているようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、特表2003-500378号公報に示されているようなニトロオキサイドラジカルを用いるもの、特開平11-130931号公報に示されているような有機ハロゲン化物やハロゲン化スルホニル化合物などを開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP法)が例示できる。リビングラジカル重合で得られる重合体は、分子量分布が狭く、低粘度である傾向がある。
重合体A2のMnは、500~100,000が好ましく、1,000~80,000がより好ましく、2,000~50,000がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であると、硬化物の伸び物性に優れやすく、上限値以下であると、低粘度になりやすく作業性により優れる。
(メタ)アクリル酸エステル重合体A2の分子量分布は、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。
重合体A2の1分子あたりの反応性ケイ素基の数の平均は0.5個超であり、1.0個以上が好ましい。硬化後の強度の点から1.2個以上が好ましく、1.6個以上がより好ましい。硬化物の伸びが良好となる点から4.0個以下が好ましく、3.0個以下がより好ましい。
重合体A2の1分子あたりの反応性ケイ素基の数の平均は「重合体A2中の反応性ケイ素基の濃度[mol/g]×重合体A2のMn」で算出する。重合体A2中の反応性ケイ素基の濃度[mol/g]は、NMRにより測定できる。
重合体Aは重合体A1及び重合体A2以外の重合体を含んでもよい。前記重合体としては、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するものであれば特に重合体の主鎖骨格は限定されない。主鎖骨格としては、例えば、飽和炭化水素系重合体、ポリエステル系重合体、重合体A2以外のビニル系重合体、ポリサルファイド系重合体、ポリアミド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体が挙げられる。
[化合物a]
化合物aは、1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物である。
1分子中のカーボネート基の数は、NMR分析により算出することができる。化合物aにおける1分子中のカーボネート基の数は、2個以上であり、3個以上が好ましく、4個以上がより好ましく、150個以下が好ましく、100個以下がより好ましい。上記下限値以上であれは、硬化物の強度と伸びがより優れ、上記上限値以下であれば、粘度が低くなり作業性がより優れる。
化合物aのMnは、400~30,000が好ましく、500~27,000がより好ましく、700~23,000がさらに好ましい。前記範囲の下限値以上であると、硬化前後の体積変化を抑制しやすく、上限値以下であると、硬化物の強度と伸びがより優れる。
化合物aの分子量分布は、3.0以下が好ましく、2.5以下がより好ましい。
化合物aの総質量に対する、カーボネート基に由来する単位の割合は、2~75質量%が好ましく、3~70質量%がより好ましく、5~60質量%がさらに好ましく、6~55質量%が特に好ましい。前記範囲の下限値以上であると、より硬化物の強度と伸びが優れ、上限値以下であると、粘度が低くなり作業性により優れる。
化合物aとしては下記式2又は後述の式3で表される化合物が好ましい。
-[(OR-(OC(O)OR-(OC(O)OR-OH] 式2
式2中、xは、2~8の整数を表し、a、b又はcは、0~250の整数を表し、a+b+cは1以上の整数であり、かつ(b+c)×xは2以上の整数であり、Rは、x価の炭素数1~16の飽和炭化水素基を表し、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~12のアルキレン基を表し、Rは、炭素数1~12のアルキレン基、又は-R-R-R-で表される基を表し、Rは単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を表し、Rは、置換若しくは非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基、置換若しくは非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。前記2価の脂環式飽和炭化水素基における単環又は多環構造の環を構成する1個以上の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。ただし、隣り合う炭素原子は同時に酸素原子に置換されない。
前記式2において、(OR)単位、(OC(O)OR)単位、(OC(O)OR)単位の結合の順番は特に限定されない。
xは2~4が好ましく、硬化物の伸びが良好であるため、2又は3がより好ましい。
aは0~250が好ましく、より硬化物の強度が上がるため、0~230がより好ましく、0~200がさらに好ましい。
bは1~150が好ましく、粘度が低くなりやすく作業性に優れるため、1~100がより好ましく、1~60がさらに好ましい。
cは0~150が好ましく、粘度が低くなりやすく作業性に優れるため、0~100がより好ましく、1~60がさらに好ましい。
x、a、b、及びcは、NMR分析により算出することができる。NMR分析によって得られたx、a、b、及びcは、小数となることがあるが、この場合、四捨五入することにより整数としてもよい。
a+b+cは1~250が好ましく、2~200がより好ましい。(b+c)×xは2~150が好ましく、粘度が低くなりやすく作業性により優れるため、4~100がより好ましい。
のx価の炭素数1~16の飽和炭化水素基は、直鎖でも分岐でもよい。
がx価の炭素数1~16の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基である場合は、炭素数は1~12が好ましく、1~8がより好ましく、1~6がさらに好ましい。
における、x価の炭素数1~16の飽和炭化水素基は、炭素数1~16の直鎖若しくは分岐の飽和炭化水素化合物、又は炭素数3~16の環状構造を有する飽和炭化水素化合物におけるx個の水素原子が、式2におけるR以外の残基と置換した構造を有する。
上記炭素数1~16の直鎖の飽和炭化水素化合物としては、メタン、エタン、n-プロパン、n-ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカンが例示される。n-プロパン、n-ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタンが好ましく、n-ブタン、n-ペンタン、n-ヘキサンがより好ましい。
上記炭素数1~16の分岐の飽和炭化水素化合物としては、直鎖の飽和炭化水素化合物における水素原子がアルキル基で置換された構造を有する。上記炭素数1~16の分岐の飽和炭化水素化合物は、置換基であるアルキル基の炭素数と置換された直鎖の飽和炭化水素化合物の炭素数との合計が1~16である。上記置換基であるアルキル基としては、炭素数1~4のアルキル基が好ましく、炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。前記置換基であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基及びプロピル基がより好ましく、メチル基及びエチル基がさらに好ましい。
上記炭素数3~16の環状構造を有する飽和炭化水素化合物としては、単環構造及び多環構造を有する飽和炭化水素化合物が例示される。炭素数3~16の単環構造を有する飽和炭化水素化合物が好ましく、炭素数3~12の単環構造を有する飽和炭化水素化合物がより好ましい。単環構造を有する飽和炭化水素化合物としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンが例示される。シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンが好ましく、シクロヘキサンがより好ましい。
上記単環又は多環の飽和炭化水素化合物における水素原子がアルキル基で置換されていてもよい。この場合、置換基であるアルキル基と置換された単環又は多環の飽和炭化水素化合物の炭素数との合計が3~16である。上記置換基であるアルキル基としては、上記炭素数3~16の分岐の飽和炭化水素化合物で説明した置換基であるアルキル基と同様の基が例示され、好ましい態様も同様である。
x=2の時のRとしては、硬化物の強度と伸びがより良好となるため、-(CH-、-CH(CH)CH―が好ましく、-(CH-及び-CH(CH)CH―がより好ましい。x=4の時のRとしては、硬化物の強度と伸びがより良好となるため、C[(CH)-]が好ましい。
、R、及びRの炭素数1~12のアルキレン基は直鎖でも分岐でもよい。R、R、Rのアルキレン基の炭素数は、1~11が好ましく、2~10がより好ましい。
、R、及びRの直鎖のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基が例示され、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基及びn-デシレン基が好ましく、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-オクチレン基及びn-デシレン基がより好ましい。
、R、及びRの分岐のアルキレン基は、直鎖のアルキレン基中の水素原子がアルキル基で置換された構造を有する。前記直鎖のアルキレン基の炭素数は、1~11であり、1~10が好ましく、1~9がより好ましい。前記置換基としてのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基が例示され、メチル基、エチル基及びプロピル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。置換基としてのアルキル基の数は1~4が好ましく、1及び2がより好ましい。
の炭素数1~6のアルキレン基は直鎖でも分岐でもよい。Rが炭素数1~6のアルキレン基である場合、炭素数は1~4が好ましく、1又は2がより好ましい。Rとしては、単結合、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、tーブチレン基が例示され、単結合、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基及びt-ブチレン基が好ましく、単結合、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。
が非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、Rの炭素数は、4~8が好ましく、5~8がより好ましく、5又は6がさらに好ましい。Rの非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基が例示され、化合物aの安定性が良いため、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
が非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基である場合、Rの炭素数は、6~14が好ましく、6~12がさらに好ましい。非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ビフェニレン基が例示され、フェニレン基が好ましい。
が非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、Rの炭素数は、化合物aの安定性が良いため、4~15が好ましく、6~12がさらに好ましい。Rは、2個または3個の環構造を有する基が好ましく、2個の環構造を有する基がより好ましい。
が置換基を有する単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、上記単環構造は、上述の非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基と同様である。
が置換基を有する多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基である場合、上記多環構造は、上述の非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基と同様である。
が置換基を有する炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基である場合、上記芳香族炭化水素基としては、上述の非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基と同様である。
の炭素数は、環を構成する炭素原子の数のみを示し、置換基の炭素数は含まない。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基が例示される。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、が例示される。置換基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子が好ましく、メチル基、エチル基、t-ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素原子がより好ましい。置換基の数は、0~4が好ましく、0~2がより好ましい。
が単環構造又は多環構造を有する脂環式飽和炭化水素基であり、環を構成する1個以上の炭素原子が、酸素原子で置換されていている場合、環を構成する全原子数に対する、酸素原子数の割合は5~50%が好ましく、10~30%がさらに好ましい。
HO-R-[(OR-(OC(O)OR-(OC(O)OR]-OH 式3
式3中、a、b、c、R、R、及びRは前記式2と同様であり、Rは、R、R、及びRのいずれか一つと同一であり、b+cは2以上の整数である。
a、b、及びcの好ましい範囲、並びにR、R、及びRの好ましい態様は、前記式2の説明と同様である。
a+b+cは1~500が好ましく、2~400がより好ましい。b+cは3~150が好ましく、粘度が低くなりやすく作業性により優れるため、4~100がより好ましい。
前記式3において、(OR)単位、(OC(O)OR)単位、(OC(O)OR)単位の結合の順番は特に限定されないが、例えば、下記式3aで表される結合の順番が例として挙げられる。
HO-R-[(ORa1-(OC(O)OR-(OC(O)OR(ORa2]-OH 式3a
式3a中、a1+a2=aであり、a、b、c、R、R、及びRは前記式3と同様である。
前記式3aで表される化合物aは、カーボネート単位を有する(OC(O)OR)単位及び(OC(O)OR)単位が結合することにより得られた分子鎖の両側に(OR)単位が結合する構造を有する。前記式3aにおいて、(OC(O)OR)単位、(OC(O)OR)単位の結合の順番は特に限定されない。
前記式2及び前記式3において、aが1以上の場合、化合物aの総質量に対する(OR)単位の割合は、10~90質量%が好ましく、20~85質量%が好ましく、40~80質量%がさらに好ましい。前記範囲内であると、硬化物の強度、伸びがより優れる。
化合物aとして、前記式3において、aが0~40であり、bが4~40であり、cが0であり、R、R、及びRがそれぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基である化合物が、得られる硬化物の強度及び伸びに優れる点で好ましく、aが12~24であり、bが6~14であり、cが0であり、R及びRが炭素数2又は3の分岐のアルキレン基であり、かつR、R、及びRが同一である化合物がより好ましい。
化合物aとして、前記式2において、xが3であり、aが0~30であり、bが2~20であり、cが0であり、Rが炭素数3~8の3価の飽和炭化水素基であり、R及びRがそれぞれ独立に炭素数2又は3のアルキレン基である化合物が、得られる硬化物の強度及び伸びに優れる点で好ましく、xが3であり、aが6~12であり、bが3~7であり、cが0であり、Rが炭素数3~6の3価の飽和炭化水素基であり、R、Rが炭素数2又は3の分岐のアルキレン基であり、かつR、Rが同一である化合物がより好ましい。
化合物aとして、前記式3において、aが0であり、bが2~30であり、cが2~30であり、Rが炭素数3~10の直鎖のアルキレン基であり、Rが炭素数3~10の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、RがR又はRと同一である化合物が、得られる硬化物の強度及び伸びに優れる点で好ましく、aが0であり、bが2~12であり、cが2~12であり、Rが炭素数3~6の直鎖のアルキレン基であり、Rが炭素数3~6の分岐のアルキレン基であり、RがR又はRと同一である化合物がより好ましい。
化合物aとして、前記式3において、aが0であり、bが1~30であり、cが1~30であり、Rが炭素数3~10の直鎖のアルキレン基であり、Rが-R-R-R-で表される基であり、2つのRはそれぞれ独立に炭素数1~4のアルキレン基であり、Rは炭素数4~8の単環又は多環のアルキレン基であり、RがR又はRと同一である化合物が、得られる硬化物の強度及び伸びに優れる点で好ましく、aが0であり、bが1~15であり、cが1~15であり、Rが炭素数4~6の直鎖のアルキレン基であり、Rが-R-R-R-で表される基であり、2つのRは炭素数1~3の直鎖のアルキレン基で、かつ2つのRは同一であり、Rはシクロへキシレン基であり、RがR又はRと同一である化合物がより好ましい。
化合物aとして、前記式3において、aが40~140であり、bが2~30であり、cが2~30であり、Rが炭素数2又は3の分岐のアルキレン基であり、Rが炭素数3~10の直鎖のアルキレン基であり、Rが炭素数3~10の直鎖または分岐のアルキレン基であり、RがR、R、及びRのいずれか一つと同一である化合物が、得られる硬化物の強度及び伸びに優れる点で好ましく、aが80~120であり、bが2~12であり、cが2~12であり、Rが炭素数2又は3の分岐のアルキレン基であり、Rが炭素数3~6の直鎖のアルキレン基であり、Rが炭素数3~6の分岐のアルキレン基であり、RがRと同一である化合物がより好ましい。
化合物aとしては、市販のものを用いることができる。市販されている化合物aとしては、Converge polyol 2501-56、Converge polyol 2520-56、Converge polyol 351-30(すべて、アラムコ社製品名)、BENEBIOL NL2050B、BENEBIOL 1010DB、BENEBIOL 2010DB、BENEBIOL NL3010DB、BENEBIOL NL1005B、BENEBIOL NL2005B、BENEBIOL NL1030B、BENEBIOL NL2030B、BENEBIOL HS0830B、BENEBIOL HS0840B、BENEBIOL HS0840H、BBENEBIOL HS0850H、BENEBIOL NL2050DB(すべて、三菱ケミカル社製品名)、ETERNACOLL PH―50、ETERNACOLL PH―100、ETERNACOLL PH―200、ETERNACOLL PH―300、ETERNACOLL UHC50―200、ETERNACOLL UHC50―100、ETERNACOLL UC-100、ETERNACOLL UM―90(3/1)、ETERNACOLL UM-90(1/1)、ETERNACOLL UM―50(1/3)、 ETERNACOLL UP―50(1/3)、ETERNACOLL UP―100、ETERNACOLL UP―200(すべて、宇部興産社製品名)、DURANOL G3452、DURANOL G3450J、DURANOL G4672、DURANOL T4692、DURANOL T4691、DURANOL T4671、DURANOL T5650J、DURANOL T5650E、DURANOL T5651、DURANOL T5652(すべて、旭化成社製品名)が例示できる。
市販されている化合物aとしては、Converge polyol 2501-56(アラムコ社製品名)、BENEBIOL NL2050B(三菱ケミカル社製品名)、ETERNACOLL UM-90(1/1)(宇部興産社製品名)が硬化物の強度及び伸びに優れる点で好ましい。
化合物aの製造方法としては、従来公知のポリカーボネート化合物の製造方法を用いることができる。具体的には、ジオール化合物とホスゲンをトルエンなどの溶媒中で反応させる方法、ジオール化合物と炭酸ジフェニルをエステル交換反応させる方法が例示できる。例えば、特開2018-197358号公報、特開2018-12847号公報に記載される、従来公知の方法を採用することができる。
前記式3において、Rが-CHCH(CH)-、Rが炭素数1~12のアルキレン基、Rが炭素数1~12のアルキレン基又は前記-R-R-R-で表される基である、オキシプロピレンに基づく単位を有する化合物aの製造方法としては、上述の方法と同様にして得られる末端に水酸基を有するポリカーボネート化合物を開始剤として、プロピレンオキシドを開環付加重合させる方法、遷移金属錯体触媒の存在下、プロピレンオキシドと二酸化炭素を共重合する方法が例示できる。例えば、特開2015-28182号公報に記載される、従来公知の方法を採用することができる。
[重合体Aと化合物aの含有量]
硬化性組成物は、重合体A及び化合物aに、さらに必要に応じた成分を添加し、混合して得られる。
硬化性組成物の総質量に対する重合体Aの含有割合は、3~50質量%が好ましく、5~45質量%がより好ましく、10~40質量%がさらに好ましい。重合体Aの含有割合が上記範囲内であると、硬化物の強度と伸びがより優れる。
硬化性組成物における重合体Aの総質量に対する重合体A1と重合体A2の合計の含有割合は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。前記下限値以上であれば、硬化物の物性が良好となりやすい。
硬化性組成物が重合体A1と重合体A2の両方を含む場合の、重合体A1と重合体A2の合計の質量に対する重合体A2の含有割合は、1~70質量%が好ましく、5~65質量%がより好ましく、10~60質量%がさらに好ましい。上記範囲内であれば、硬化性により優れる。
硬化性組成物の総質量に対する化合物aの含有割合は、1~50質量%が好ましく、2~45質量%がより好ましく、3~40質量%がさらに好ましい。化合物aの含有割合が上記範囲内であると、硬化物の強度と伸びがより優れる。
硬化性組成物の総質量に対する重合体A及び化合物aの合計含有割合は、1~100質量%が好ましく、5~90質量%がより好ましく、10~80質量%がさらに好ましい。重合体Aと化合物aの合計含有割合が上記範囲内であると、硬化物の強度と伸びがより優れる。
重合体Aの100質量部に対する、化合物aの含有量は5~150質量部が好ましく、10~120質量部がより好ましく、20~80質量部がさらに好ましく、20~60質量部が特に好ましい。化合物aの含有量が前記範囲の下限値以上であると、より良好な強度と伸びを得られ、上限値以下であると粘度が低くなりやすく作業性により優れる。
後述の実施例に示すように、本発明の硬化性組成物のJIS A 1439の5.11.2に記載の体積損失試験に準拠して測定した体積変化率は、10%以下となりやすく、さらには8%以下となりやすい。6%以下であれば建築用のシーリング材として好適である。
本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の、後述の実施例に示される引張試験により測定した、50%伸張したときの応力(M50)は、0.27N/mm以上となりやすく、さらには0.28N/mm以上となりやすい。0.30N/mm以上であれば、良好な強度が得られ、建築用のシーリング材として好適である。
本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の、後述の実施例に示される引張試験により測定した、最大点凝集力は、1.25N/mm以上となりやすく、さらには1.27N/mm以上となりやすい。1.30N/mm以上であれば、良好な強度が得られ、建築用のシーリング材として好適である。
本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の、後述の実施例に示される引張試験により測定した、最大点伸びは、400%以上となりやすく、さらには410%以上となりやすい。420%以上であれば、良好な伸びが得られ、建築用のシーリング材として好適である。
[その他の成分]
硬化性組成物は、前記重合体A及び化合物a以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、上記式1で表される反応性ケイ素基を有さない有機重合体、充填材、可塑剤、チクソ性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、接着性付与剤、アミン化合物、酸素硬化性化合物、光硬化性化合物、硬化触媒(シラノール縮合触媒)が例示できる。
その他の成分は、国際公開第2013/180203号、国際公開第2014/192842号、国際公開第2016/002907号、特開2014-88481号公報、特開2015-10162号公報、特開2015-105293号公報、特開2017-039728号公報、特開2017-214541号公報などに記載される従来公知のものを、制限なく組み合わせて用いることができる。
各成分は2種類以上を併用してもよい。
硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合し密封保存して、施工後に空気中の湿気により硬化させる1液型でもよく、少なくとも反応性ケイ素基を有する成分を含む主剤組成物と、少なくとも硬化触媒を含む硬化剤組成物とを別々に保存し、使用前に硬化剤組成物と主剤組成物を混合する2液型でもよい。施工が容易であるため、1液型の硬化性組成物が好ましい。
1液型の硬化性組成物は水分を含まないことが好ましい。水分を含む配合成分を予め脱水乾燥するか、また配合混練中に減圧して脱水することが好ましい。
2液型の硬化性組成物において、硬化剤組成物は水を含んでもよい、主剤組成物は少量の水分を含んでもゲル化し難いが、貯蔵安定性の点からは配合成分を予め脱水乾燥することが好ましい。
貯蔵安定性を向上させるために、1液型の硬化性組成物又は2液型の主剤組成物に脱水剤を添加してもよい。
硬化性組成物の用途としては、シーリング材(例えば建築用弾性シーリング材、複層ガラス用シーリング材、ガラス端部の防錆・防水用封止材、太陽電池裏面封止材、建造物用密封材、船舶用密封材、自動車用密封材、道路用密封材)、電気絶縁材料(電線・ケーブル用絶縁被覆材)、接着剤、ポッティング材が好適である。
特に、優れた強度と伸びが要求される用途に好適であり、例えば屋外に施工されるシーリング材及び接着剤が好適である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
<測定方法・評価方法>
[前駆重合体の分子量]
水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシドを重合させたオキシアルキレン重合体(前駆重合体)の分子量(以下、「水酸基換算分子量」という。)は、JIS K 1557(2017年)に基づいて算出された水酸基価より、「56100/(前駆重合体の水酸基価)×開始剤の活性水素の数」の式に基づいて算出した。
[Mn及び分子量分布]
HLC-8220GPC(東ソー社製品名)を用いて、Mw、Mn及びMw/Mnを求めた。
[重合体A1における1分子中の反応性ケイ素基の平均数(シリル基数)]
主鎖末端に塩化アリルを用いて不飽和基を導入し、シリル化剤を上記不飽和基と反応させて反応性ケイ素基を導入する方法において、主鎖末端に導入された不飽和基に対する、シリル化剤の反応性ケイ素基の仕込み当量(モル比)をシリル化率とした。
塩化アリルを用いて導入された不飽和基とシリル化剤の反応において、副反応によりシリル化剤と反応しない不飽和基はおよそ10%である。したがって不飽和基の90モル%未満をシリル化剤と反応させる場合には、上記仕込み当量をシリル化率とする。
シリル化率に基づいてシリル基数を算出した。
[重合体A2における1分子中の反応性ケイ素基の平均数(シリル基数)]
重合体A2のシリル基数は、H-NMRにより算出した重合体中の反応性ケイ素基の濃度[mol/g]に上記GPCにより測定したMnを掛けることにより算出した。
[引張試験]
測定対象の硬化性組成物を厚さ2mmの型枠に充填し、温度23℃、湿度50%で3日間養生し、更に温度50℃、湿度65%で4日間養生した。得られた硬化物をダンベル型枠で打ち抜いて、試験片を得た。この試験片を引張速度500mm/分で引張試験を行い、50%伸張した時の応力(M50、単位:N/mm)、最大点凝集力(単位:N/mm)、最大点伸び(単位:%)の引張特性を測定した。
[体積変化率の測定]
JIS A 1439の5.11.2(2016年)に記載の体積損失試験に準拠して行った。体積変化率が10%以下であれば、体積損失が少なく、建築用のシーリング材として好適と判断することができる。
[カーボネート基に由来する単位の割合]
NMR分析及びMnより、各化合物におけるカーボネート基に由来する単位の割合を求めた。
<重合体Aの合成>
(合成例1:重合体A1-1)
プロピレングリコールを開始剤とし、配位子がt-ブチルアルコールの亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体(以下、「TBA-DMC触媒」と記す。)を触媒として使用してプロピレンオキシドを重合し、水酸基換算分子量が18,000の前駆重合体を得た。次いで、前駆重合体の水酸基に対して1.15モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加して前駆重合体をアルコラート化した。次に、加熱減圧によりメタノールを留去し、さらに前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して主鎖末端基をアリル基に変換した。次に、塩化白金酸六水和物の存在下、前駆重合体の変換されたアリル基に対して0.65モル当量のメチルジメトキシシランをシリル化剤として添加し、70℃にて5時間反応させ、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基が主鎖末端基に導入されたオキシプロピレン重合体(重合体A1-1)を得た。
得られた重合体のMn、Mw/Mn、1分子あたりの反応ケイ素基の平均数を表1に示す(以下、同様に示す。)。
(合成例2:重合体A1-2)
Mnが約2,000で、両末端に水酸基を1個ずつ有するオキシプロピレン重合体を開始剤として使用し、TBA-DMC触媒を触媒として使用してプロピレンオキシドを重合し、オキシプロピレン重合体(前駆重合体A’)を得た。前駆重合体A’は、両末端に水酸基を有し、水酸基換算分子量は18,000であった。
前駆重合体A’の水酸基に対して1.15モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加した。脱気により減圧下でメタノールを留去し、さらに前駆重合体A’の水酸基に対して1.05モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加し、130℃で2時間反応させた。次いで、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに2.10モル当量の塩化アリルを添加して130℃で2時間反応を行い、末端基をアリル基に変換し、減圧下で系中から未反応の塩化アリルを除去し、主鎖末端にアリル基が導入されたオキシプロピレン重合体(重合体Q1)を得た。重合体Q1の1つの主鎖末端に導入されたアリル基は平均2.0個であった。次いで、白金ジビニルジシロキサン錯体の存在下、重合体Q1のアリル基に対して0.80モル当量のジメトキシメチルシランをシリル化剤として添加し、70℃にて5時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下で除去し、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基が主鎖末端に導入された重合体(重合体A1-2)を得た。
(合成例3:重合体A2-1)
メチルメタクリレートの100g、ブチルアクリレートの250g、ステアリルメタクリレートの85g、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの12g、n-ドデシルメルカプタンの1.6g及び2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル(V65、和光純薬社製品名)の4gを混合した混合液を、70℃に加熱した酢酸エチルの300gに2時間かけて滴下した後2時間重合して、(メタ)アクリル酸エステル重合体(重合体A2-1)を得た。
(合成例4:重合体A2-2)
本例では、リビングラジカル重合法を用い、重合反応の終期にアルケニル基を2個有する化合物を反応させる方法で下記重合体A2-2を合成した。
2Lフラスコに臭化第一銅の8.39g、アセトニトリルの112mLを添加し、窒素気流下70℃で20分間加熱撹拌した。これに2,5-ジブロモアジピン酸ジエチルの17.6g、アクリル酸エチルの130mL、アクリル酸ブチルの720mL、アクリル酸ステアリルの251gを添加し、さらに70℃で40分間加熱撹拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以下、「トリアミン」という。)0.41mLを添加して反応を開始した。引き続き70℃で加熱撹拌を続け、さらにトリアミンの2.05mLを添加した。反応開始から330分後に1,7-オクタジエンの244mL及びトリアミンの4.1mLを添加し、引き続き70℃で加熱撹拌を続け、反応開始から570分後に加熱を停止した。
得られた反応溶液をトルエンで希釈してろ過し、ろ液を減圧加熱処理して、末端にアルケニル基を有するアクリル酸エステル重合体(重合体Y1)を得た。
重合体Y1のMnは22,800、分子量分布は1.40、H-NMR分析より求めた重合体Y1の1分子あたりのアルケニル基の平均数は2.8個であった。
次いで、窒素雰囲気下、2Lフラスコに、得られた重合体Y1の全量、酢酸カリウムの17.2g、N,N-ジメチルアセトアミドメチル(以下、「DMAc」という。)の700mLを添加し、100℃で10時間加熱撹拌した。反応溶液を減圧加熱してDMAcを除去し、トルエンを添加してろ過した。ろ液を減圧加熱して揮発分を除去した残りを2Lフラスコに添加し、吸着剤(キョーワード500SNとキョーワード700SN(いずれも協和化学製品名)の質量比で1対1の混合物)の100gを添加し、窒素気流下130℃で9時間加熱撹拌した。トルエンで希釈し、ろ過して吸着剤を除去し、ろ液中のトルエンを減圧留去して重合体(重合体Y2)を得た。
次いで、1L耐圧反応容器に、重合体Y2の700g、メチルジメトキシシランの22.2mL、オルトぎ酸メチルの7.71mL及び白金触媒(0価白金の1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジシロキサン錯体)を添加した。ただし、白金触媒の使用量は、重合体Y2のアルケニル基に対して9×10-3モル当量とした。反応容器内の混合物を100℃で195分間加熱撹拌した。混合物の揮発分を減圧留去して、主鎖末端にジメトキシメチルシリル基を有する重合体(重合体A2-2)を得た。
Figure 0007306120000001
<化合物aの合成>
(合成例5:化合物a1)
グローブボックスの中で、特開2015-28182号の段落[0434]~[0436]に記載のコバルト錯体(5.4mg、1.0当量)を、オーブン乾燥した20mLガラスライナーに仕込んだ。このライナーをステンレススチール製高圧反応器に挿入した。反応器内を窒素でパージした後、COでパージした。系内を5回Nでパージし、COで2回パージした。ジプロピレングリコール[HO-CH-CH(CH)-O-CH(CH)-CH-OH]の75μLと、プロピレンオキシドの5mL(25,000当量)を前記高圧反応器に仕込んだ。反応物を50℃に加熱し、次いでCOで加圧(300psi)し、撹拌した。
6時間後、酸性メタノールの0.2mLを添加して反応を終了させて、生成物を取り出した。この生成物を室温まで冷却し、精製したポリマーをアセトンの5mLで希釈し、ホイルパンに移した。未反応のプロピレンオキシド及びアセトンを蒸発により取り除くことによって、1分子中に2個以上のカーボネート基を有し、かつプロピレンオキシドに基づく単位を有する化合物a1を得た。
化合物a1は、前記式3において、aが17であり、bが10であり、cが0であり、R、R、Rがともに-CHCH(CH)-である化合物である。
得られた化合物a1のMn、Mw/Mn、化合物a1の総質量に対するカーボネート基に由来する単位の割合を表2に示す(以下、同様に示す。)。
(合成例6:化合物a2)
攪拌機、留出液トラップおよび圧力調整装置を備えた反応管に、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジフェニルカーボネート、酢酸マグネシウム4水和物を入れ、反応管中を窒素置換した。200℃に設定したオイルバスで反応基質を加熱溶解し、30分間反応させた。反応圧力は、400Paを超えていた。
その後、5時間30分かけて圧力を400Paまで下げつつ、留出したフェノールおよび未反応のジオールを除いた。次に200℃、400Paに保持したまま30分間反応させ、副生したネオペンチルグリコールカーボネートを留出させて除き、1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物a2を得た。
化合物a2は、前記式3において、aが0であり、bが7であり、cが8であり、R及びRが-(CH-であり、Rが-CHC(CHCH-である化合物である。
化合物a2の1,4-ブタンジオールに由来する単位とネオペンチルグリコールに由来する単位の割合は、50:50であった。
(合成例7:化合物a3)
合成例6で得られた化合物a2に、TBA-DMC触媒を触媒として使用してプロピレンオキシドを重合し、1分子中に2個以上のカーボネート基を有し、かつプロピレンオキシドに基づく単位を有する化合物a3を得た。
化合物a3は、前記式3において、aが103であり、bが8であり、cが8であり、R及びRが-CHCH(CH)-であり、Rが-(CH-であり、Rが-CHC(CHCH-である化合物である。
化合物a3の総質量に対するプロピレンオキシドに基づく単位の割合は、75質量%であり、1,4-ブタンジオールに由来する単位とネオペンチルグリコールに由来する単位の割合(モル比)は、50:50であった。
(合成例8:化合物a4)
1,6-ヘキサンジオールとカーボネート化合物をエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させた。次いで、残存する触媒に失活処理を施して、ジオール成分が1,6-ヘキサンジオールであるMnが500のポリカーボネートジオール1を得た。
1,6-ヘキサンジオールを1,4-シクロヘキサンジメタノールとする他は上記と同様にして、ジオール成分が1,4-シクロヘキサンジメタノールであるMnが500のポリカーボネートジオール2を得た。
攪拌機と温度計を備えた反応器に、ポリカーボネート1とポリカーボネート2とチタンテトラ-n-ブトキシドとを仕込み、圧力約0.03MPa、窒素雰囲気下で、170℃に昇温して6時間攪拌した。反応終了後、反応液を冷却して室温で、1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物a4を得た。
化合物a4は、前記式3において、aが0であり、bが2.8であり、cが2.8であり、R及びRが-(CH-であり、Rが2つのRがメチレン基で、Rがシクロヘキシレン基である-R-R-Rで表されるアルキレン基である化合物である。
(合成例9:化合物a5)
グローブボックスの中で、合成例5で使用したのと同一のコバルト錯体(5.4mg、1.0当量)を、オーブン乾燥した20mLガラスライナーに仕込んだ。このライナーをステンレススチール製高圧反応器に挿入した。反応器内を窒素でパージした後、COでパージした。系内を5回Nでパージし、COで2回パージした。グリセリン[HO-CH-CH(OH)-CH-OH]の75μL、プロピレンオキシドの3mL(25,000当量)を前記高圧反応器に仕込んだ。反応物を50℃に加熱し、次いでCOで加圧(300psi)し、撹拌を行った。
6時間後、酸性メタノールの0.2mLを添加して反応を終了させて、生成物を取り出した。この生成物を室温まで冷却し、精製したポリマーをアセトンの5mLで希釈し、ホイルパンに移した。未反応のプロピレンオキシド及びアセトンを蒸発により取り除くことによって、1分子中に2個以上のカーボネート基を有し、かつプロピレンオキシドに基づく単位を有する化合物a5得た。
化合物a5は、前記式2において、xが3であり、aが9であり、bが5であり、cが0であり、Rが-CH-CH-CH-(n-プロパンの3つの炭素それぞれから、水素原子を1個除去した3価の基)、であり、R、Rがともに-CHCH(CH)-である化合物である。
Figure 0007306120000002
表2に記載の比較化合物b1~b3は以下の通りである。
比較化合物b1:EXCENOL 2020、AGC社製品名
比較化合物b2:プロピレンカーボネート、東京化成社製(式量:102)
比較化合物b3:ジメチルカーボネート、東京化成社製(式量:90)
比較化合物b1は、分子中にカーボネート基を有さない。比較化合物b2及び比較化合物b3は、1分子中に1個のカーボネート基を有する。
Figure 0007306120000003
<その他の成分>
表3に記載の添加物は以下の通りである。
ホワイトンSB:重質炭酸カルシウム、白石工業社製品名。
CCR:膠質炭酸カルシウム、白艶化CCR、白石工業社製品名。
R-820:酸化チタン、石原産業社製品名。
バルーン80GCA:有機バルーン、松本油脂社製品名。
N-12D:カクタスノルマルパラフィンN-12D、n-ドデカン、純度98.0%、JXTGエネルギー社製品。
サンソサイザーEPS:4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸-ジ-2-エチルヘキシル、新日本理化社製品名。
ディスパロン6500:水添ひまし油系チクソ性付与剤、楠本化成社製品名。
IRGANOX1135:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製品名。
TINUVIN326:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製品名。
TINUVIN765:3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製品名。
LA-63P:アデカスタブLA-63P、ADEKA社製品名。
KBM-1003:ビニルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
KBM-403:3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
KBM-603:3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
ラウリルアミン:試薬、純正化学社製。
ファーミンCS:ココナットアミン、花王社製品名。
EH-235R-2:ケチミン化合物、ADEKA社製品名。
桐油;空気酸化硬化性化合物、木村社製。
M-309:アロニックスM-309、東亜合成社製品名。
U-220H:ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、日東化成社製品名。
<硬化性組成物の製造>
例1~10、例16~85は実施例であり、例11~15は比較例である。
(例1~15)
表4に示す配合(単位:質量部)の重合体A、化合物a、比較化合物b及び表3に示す配合の添加剤1を混合して硬化性組成物を調製した。表3に示す配合は重合体Aの合計100質量部に対する値(単位:質量部)である。
得られた硬化性組成物の硬化物について、上記の方法により、M50、最大点凝集力、最大点伸び、体積変化率を評価した。結果を表4に示す。
例1~10は硬化物のM50、最大点凝集力、及び最大点伸びの値が高く、強度と伸びの両方が優れていた。また、体積変化率は3%以下であり、建築用のシーリング材として好適であった。
例11、14、15は分子中にカーボネート基を有さないMnが2,000の比較化合物b1を使用した比較例である。例11は重合体Aの構成が同じである例1~6と比較して、強度と伸びの両方が劣った。例14は重合体Aの構成が同じである例8と比較して強度と伸びの両方が劣った。例15は重合体Aの構成が同じである例10と比較して強度と伸びの両方が劣った。
例12は1分子中にカーボネート基を1個有する比較化合物b2(式量:102)を使用した比較例である。例13は1分子中にカーボネート基を1個有する比較化合物b3(式量:90)を使用した比較例である。例12、例13は体積変化率がそれぞれ、22%、14%となり、建築用のシーリング材に適用することは困難であることがわかった。
Figure 0007306120000004
(例16~85)
上記例1~10において添加剤を表3の添加剤2~8に変更してそれぞれ硬化性組成物を調製し、上記と同様に評価した。例16~25は添加剤2を添加した例であり、例26~35は添加剤3を添加した例であり、例36~45は添加剤4を添加した例であり、例46~55は添加剤5を添加した例であり、例56~65は添加剤6を添加した例であり、例66~75は添加剤7を添加した例であり、例76~85は添加剤8を添加した例である。いずれの例においても、硬化物のM50、最大点凝集力、及び最大点伸びの値が高く、強度と伸びの両方が優れていた。また、体積変化率は10%以下であり、建築用のシーリング材として好適であった。

Claims (7)

  1. 下記式1で表される反応性ケイ素基を有する有機重合体と、下記式2で表される1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物と、を含む、硬化性組成物であって、
    前記有機重合体は、アルキレンオキシド単量体の繰り返し単位を含む重合体であり、
    前記有機重合体100質量部に対して、前記化合物を5~150質量部含む、硬化性組成物
    -SiX3-a 式1
    式1中、Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
    -[(OR -(OC(O)OR -(OC(O)OR -OH] 式2
    式2中、xは、2~8の整数を表し、a、b又はcは、0~250の整数を表し、a+b+cは1以上の整数であり、かつ(b+c)×xは2以上の整数であり、R は、x価の炭素数1~16の飽和炭化水素基を表し、R 及びR は、それぞれ独立に炭素数1~12のアルキレン基を表し、R は、炭素数1~12のアルキレン基、又は-R -R -R -で表される基を表し、R は単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を表し、R は、置換若しくは非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基、置換若しくは非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。前記2価の脂環式飽和炭化水素基における単環又は多環構造の環を構成する1個以上の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。ただし、隣り合う炭素原子は同時に酸素原子に置換されない。
  2. 下記式1で表される反応性ケイ素基を有する有機重合体と、下記式3で表される1分子中に2個以上のカーボネート基を有する化合物と、を含む、硬化性組成物であって、
    前記有機重合体は、アルキレンオキシド単量体の繰り返し単位を含む重合体であり、
    前記有機重合体100質量部に対して、前記化合物を5~150質量部含む、硬化性組成物。
    -SiX 3-a 式1
    式1中、Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基または加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
    HO-R -[(OR -(OC(O)OR -(OC(O)OR ]-OH 式3
    式3中、a、b又はcは、0~250の整数を表し、b+cは2以上の整数であり、R 及びR は、それぞれ独立に炭素数1~12のアルキレン基を表し、R は、炭素数1~12のアルキレン基、又は-R -R -R -で表される基を表し、R は単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を表し、R は、置換若しくは非置換の単環構造を有する炭素数3~9の2価の脂環式飽和炭化水素基、置換若しくは非置換の多環構造を有する炭素数4~16の2価の脂環式飽和炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。前記2価の脂環式飽和炭化水素基における単環又は多環構造の環を構成する1個以上の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。ただし、隣り合う炭素原子は同時に酸素原子に置換されない。R は、R 、R 、及びR のいずれか一つと同一である。
  3. 前記化合物の数平均分子量が、400~30,000である、請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記化合物の総質量に対する、カーボネート基に由来する単位の割合は、2~75質量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  5. シーリング材用である、請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 接着剤用である、請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
JP2019128606A 2019-07-10 2019-07-10 硬化性組成物、及び硬化物 Active JP7306120B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019128606A JP7306120B2 (ja) 2019-07-10 2019-07-10 硬化性組成物、及び硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019128606A JP7306120B2 (ja) 2019-07-10 2019-07-10 硬化性組成物、及び硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021014491A JP2021014491A (ja) 2021-02-12
JP7306120B2 true JP7306120B2 (ja) 2023-07-11

Family

ID=74530348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019128606A Active JP7306120B2 (ja) 2019-07-10 2019-07-10 硬化性組成物、及び硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7306120B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023204064A1 (ja) * 2022-04-22 2023-10-26 Agc株式会社 硬化性組成物及びその硬化物
WO2023204067A1 (ja) * 2022-04-22 2023-10-26 Agc株式会社 硬化性組成物及びその硬化物

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002088255A1 (en) 2001-04-26 2002-11-07 Orient Chemical Industries, Ltd. Polymeric material, molded article, and processes for producing these
WO2012144605A1 (ja) 2011-04-22 2012-10-26 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ
JP2014514412A (ja) 2011-04-25 2014-06-19 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 湿気硬化型組成物およびその組成物からなる低表面エネルギーのコーティング組成物
JP2014528496A (ja) 2011-09-30 2014-10-27 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー シリル化ポリマーにおける圧縮歪み特性の改善
JP2015172119A (ja) 2014-03-11 2015-10-01 株式会社カネカ 硬化性組成物およびその硬化物
US20160244606A1 (en) 2015-02-23 2016-08-25 King Industries Curable coating compositions of silane functional polymers
WO2018066218A1 (ja) 2016-10-03 2018-04-12 Dic株式会社 セミipn型複合体の製造方法
JP2018104488A (ja) 2016-12-22 2018-07-05 株式会社カネカ 硬化性組成物

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09278982A (ja) * 1996-04-15 1997-10-28 Dainippon Ink & Chem Inc 硬化性樹脂組成物ならびにそれらを用いた塗膜形成方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002088255A1 (en) 2001-04-26 2002-11-07 Orient Chemical Industries, Ltd. Polymeric material, molded article, and processes for producing these
WO2012144605A1 (ja) 2011-04-22 2012-10-26 横浜ゴム株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびスタッドレスタイヤ
JP2014514412A (ja) 2011-04-25 2014-06-19 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 湿気硬化型組成物およびその組成物からなる低表面エネルギーのコーティング組成物
JP2014528496A (ja) 2011-09-30 2014-10-27 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー シリル化ポリマーにおける圧縮歪み特性の改善
JP2015172119A (ja) 2014-03-11 2015-10-01 株式会社カネカ 硬化性組成物およびその硬化物
US20160244606A1 (en) 2015-02-23 2016-08-25 King Industries Curable coating compositions of silane functional polymers
WO2018066218A1 (ja) 2016-10-03 2018-04-12 Dic株式会社 セミipn型複合体の製造方法
JP2018104488A (ja) 2016-12-22 2018-07-05 株式会社カネカ 硬化性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021014491A (ja) 2021-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2022075628A (ja) 硬化性組成物の製造方法
JP4951889B2 (ja) 室温硬化性組成物
JP5320743B2 (ja) 室温硬化性組成物
JP2021059722A (ja) 硬化性材料、硬化性組成物、硬化物、ポリカーボネート重合体の製造方法、及びポリカーボネート重合体
JP7306120B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
JP2019199581A (ja) 硬化性組成物及びその製造方法、ならびに硬化物及びシーリング材
JPWO2011111797A1 (ja) 硬化性組成物
JP6977747B2 (ja) 床用接着剤用硬化性組成物、及び硬化物
JP6610690B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
JP6579206B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
JP7342412B2 (ja) 硬化性組成物及び硬化物
JP7127302B2 (ja) オキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物、シーリング材用のオキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物、及び硬化物
JP7404838B2 (ja) 硬化性組成物及び硬化物
WO2004076555A1 (ja) 硬化性樹脂組成物およびその製造方法
JP7259346B2 (ja) 硬化性組成物
JP7375508B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
JP6953910B2 (ja) 硬化性組成物およびその製造方法、硬化物、ならびにシーリング材
JP7243332B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
WO2004096875A1 (ja) 反応性改質剤
JP2021055013A (ja) 反応性ケイ素基含有重合体及び硬化性組成物
JP7380041B2 (ja) 硬化性組成物の製造方法
JP7056478B2 (ja) 硬化性組成物及びその硬化物
JP7358950B2 (ja) 硬化性組成物、及び硬化物
WO2023282298A1 (ja) 硬化性組成物、硬化物、接着剤、及びシーリング材
JP4302957B2 (ja) アクリル系重合体組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7306120

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150