JPH0848020A - 親油性画像形成層を用いるリソグラフ印刷版及びその画像形成方法 - Google Patents
親油性画像形成層を用いるリソグラフ印刷版及びその画像形成方法Info
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- Y10S430/145—Infrared
Abstract
安価な構成の且つ先行技術の多くの制限及び欠点を克服
する改良されたリソグラフ印刷版を提供する。 【構成】 リソグラフ印刷版は、砂目立てし陽極処理し
たアルミニウムのような多孔質親水性表面を有する支持
体及びこの多孔質親水性表面の上に任意する親油性画像
形成層からなる。画像形成層は、画像様露光する前には
多孔質親水性表面から容易に除去することができ、そし
て吸収性電磁放射線への画像様露光及びこれに続く下に
ある多孔質親水性表面を現すための未露光領域の除去の
結果としてリソグラフ印刷表面を形成するように適合さ
れた親油性、放射線吸収性、感熱性、フィルム形成性組
成物からなる。未露光領域を除去する適当な方法の例に
は、プレス上での印刷インキとの接触、積層及び剥離現
像工程による除去並びに一体化剥離層を使用することに
よる除去が含まれる。
Description
刷(lithographic printing)に
関し、特に親水性支持体及び親油性画像形成層からなる
新規なリソグラフ印刷版に関する。更に詳しくは、本発
明は現像液での現像を必要としないで画像形成すること
が可能な新規なリソグラフ印刷版に関する。
混和性をベースにしており、この技術に於いては、油性
物質又はインキは画像領域に優先的に留まり、水又はフ
ァウンテイン溶液は非画像領域に優先的に留まる。適当
に調製した表面を水で湿潤させ、次いでインキを適用し
たとき、バックグラウンド又は非画像領域は水を留め、
インキをはじき、一方画像領域はインキを受け入れ、水
をはじく。次いで画像領域上のインキを、紙、布等のよ
うな画像を再生すべき材料の表面に転写する。一般的に
インキはブランケットと呼ばれる中間材料に転写され、
中間材料は次いでこのインキを画像を再生すべき材料の
表面に転写する。
年に亘ってアルミニウムが使用されてきた。このような
用途のためのアルミニウムを製造するために、アルミニ
ウムを砂目立て方法及びその後の陽極処理方法の両方に
付すことが典型的である。砂目立て方法は、その後に適
用される放射線感光性塗膜の接着性を改良し、印刷版の
バックグラウンド領域の水受容特性を向上させるために
機能する。砂目立ては印刷版の性能と耐久性との両方に
影響を及ぼし、砂目立ての品質は印刷版の全体的品質を
決定する重要な要因である。ピットの無い微細で均一な
砂目は本質的に最高の品質性能を与える。
れており、リソグラフ印刷版の製造で広く用いられてい
る。最適な結果は普通、当該技術分野で電気化学砂目立
て又は電気化学粗立て(roughening)とも呼
ばれている電解砂目立てを用いることによって得られ、
リソグラフ印刷版製造で使用するために提案された非常
に多数の異なった電解砂目立て方法がある。電解砂目立
て方法は、例えば、米国特許第3,755,116号、
同第3,887,447号、同第3,935,080
号、同第4,087,341号、同第4,201,83
6号、同第4,272,342号、同第4,294,6
72号、同第4,301,229号、同第4,396,
468号、同第4,427,500号、同第4,46
8,295号、同第4,476,006号、同第4,4
82,434号、同第4,545,875号、同第4,
548,683号、同第4,564,429号、同第
4,581,996号、同第4,618,405号、同
第4,735,696号、同第4,897,168号及
び同第4,919,774号に記載されている。
て方法は典型的に硫酸又はリン酸のような酸を用いる陽
極処理に続き、そして陽極処理方法は典型的に熱ケイ酸
塩化(silication) 又は電気ケイ酸塩化の
方法のような表面を親水性にする方法に続く。陽極処理
工程は、陽極酸化被膜を与えるように機能し、好ましく
は少なくとも0.3g/m2 の層を作るように調節され
る。アルミニウムを陽極処理して陽極酸化被膜を形成
し、次いでケイ酸塩化のような方法により陽極処理され
た表面を親水性にする方法は当該技術分野で非常によく
知られており、本明細書に更に記載する必要はない。
多数の特許には、米国特許第2,594,289号、同
第2,703,781号、同第3,227,639号、
同第3,511,661号、同第3,804,731
号、同第3,915,811号、同第3,988,21
7号、同第4,022,670号、同第4,115,2
11号、同第4,229,266号及び同第4,64
7,346号が含まれる。親水性バリヤー層を形成する
際に有用である多数の物質の例は、ポリビニルホスホン
酸、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ケイ酸塩、
ジルコン酸塩及びチタン酸塩である。リソグラフ印刷版
で用いられる親水性バリヤー層に関する多数の特許に
は、米国特許第2,714,066号、同第3,18
1,461号、同第3,220,832号、同第3,2
65,504号、同第3,276,868号、同第3,
549,365号、同第4,090,880号、同第
4,153,461号、同第4,376,914号、同
第4,383,987号、同第4,399,021号、
同第4,427,765号、同第4,427,766
号、同第4,448,647号、同第4,452,67
4号、同第4,458,005号、同第4,492,6
16号、同第4,578,156号、同第4,689,
272号、同第4,935,332号及びヨーロッパ特
許第190,643号が含まれる。
果、多孔質である酸化皮膜が形成される。孔サイズは陽
極処理方法に用いた条件に依存して広範囲に変わり得る
が、典型的に約0.1〜約10μmの範囲内である。親
水性バリヤー層を用いることは任意であるが好ましい。
バリヤー層の使用の有無に関係なく、アルミニウム支持
体は、それをリソグラフ印刷で、特に長いプレス運転が
必要な状況下で使用するのに特に適合した多孔質耐摩耗
性親水性表面を有することによって特徴付けられる。
適した広範囲の種々の放射線感光性物質は公知である。
露光及び全ての必要な現像及び/又は定着の後で、印刷
用に使用することができる画像様分布の領域を与える任
意の放射線感光性層も適している。有用なネガ型組成物
には、ジアゾ樹脂、光架橋性ポリマー及び光重合性組成
物を含有するものが含まれている。有用なポジ型組成物
には、ベンゾキノンジアジド及びナフトキノンジアジド
のような芳香族ジアゾオキシド化合物が含まれている。
像様に露光された後で現像液で現像される。画像形成層
の非画像領域を除去し、それによって下に位置する多孔
質親水性支持体を現すために使用される現像液には典型
的にアルカリ性水溶液であり、しばしばかなりの量の有
機溶媒を含んでいる。かなりの量のアルカリ性現像液を
使用し廃棄する必要性は長い間印刷技術分野に於ける重
要な関心事であった。
リソグラフ印刷版の製造に対して長年努力が払われてき
た。このような先行する努力に関する多数の特許及び公
開特許出願の例には下記のものが含まれる。
herjeeの米国特許第3,793,033号。この
特許には、支持体並びにフェノール樹脂、ヒドロキシエ
チルセルロースエーテル及び光開始剤からなる親水性画
像形成層からなるリソグラフ印刷版が記載されている。
画像様露光の際に、画像形成層は露光領域で親油性にな
り、一方未露光領域は親水性のままであり、そうして従
来のインキ及びファウンテイン溶液を用い、現像工程を
必要とせず、その結果現像液を必要としないでリソフラ
フ印刷プレスで用いることができる。
gの米国特許第4,034,183号。この特許には、
支持体並びにレーザーに放射線で画像様露光して露光領
域を親油性にし、それによってリソグラフ印刷表面を形
成する親水性画像形成層からなるリソグラフ印刷版が記
載されている。この印刷版は現像工程を必要としないで
従来のインキ及びファウンテイン溶液を用いてリソグラ
フ印刷プレスで使用することができる。親水性画像形成
層が水不溶性である場合には、この層の未露光領域は画
像バックグラウンドとして機能する。親水性画像形成層
が水溶性である場合には、使用される支持体は親水性で
なくてはならず、次いで画像形成層はファウンテイン溶
液によって未露光領域に於いて除去され、下に位置する
親水性の支持体を現す。
ddell他の米国特許第4,054,094号。この
特許には、支持体、支持体上のポリマー層及びポリマー
層上の硬質親水性物質の薄いトップ塗膜からなるリソグ
ラフ印刷版が記載されている。この印刷版の表面をエッ
チ処理するためにレーザービームが使用され、それによ
って印刷版がエッチ処理した領域でインキを受容でき、
エッチ処理しない領域で水を受容できるようにする。
wartz他の米国特許第4,693,958号。この
特許には、支持体並びに赤外レーザーのビームような適
当な手段によって画像様露光し、これを硬化してこれを
露光領域に於いて親油性にする親水性水溶性熱硬化性画
像形成層からなるリソグラフ印刷版が記載されている。
画像形成層の未硬化部分は次いで単に水を流すことによ
って除去することができる。
ai他の米国特許第5,238,778号。この特許に
は、その上に着色剤、熱溶融性物質及び光硬化性組成物
を含有する熱転写層を有する支持体からなる要素を用い
るリソグラフ印刷版の製造方法が記載されている。熱を
画像パターンでかけて画像を親水性表面を有する記録材
料上に転写し、そして転写した画像を化学放射線に露光
してこれを硬化させる。
ッパ特許出願第0 573 091号。この特許出願に
は、親油性表面を有する支持体、レーザービーム放射線
を熱に転換することができる記録層及び疎油性表面層か
らなるリソグラフ印刷版が記載されている。この記録層
及び疎油性表面層は同じか又は別の層であってよい。印
刷版をレーザービームで画像様に露光し、次いで擦って
露光領域の疎油性表面層を除去して下に位置する親油性
表面を現し、それによってリソグラフ印刷表面を形成さ
せる。
ッパ特許出願第0 580 393号。この特許出願に
は、赤外領域で発光するレーザー装置の手段により画像
形成させることが意図されるリソグラフ印刷版が記載さ
れている。印刷の間にファウンテイン溶液をしようする
ウェット版及びインキを直接適用するドライ版の両方が
記載されている。レーザー出力は1個又はそれ以上の層
を除去するか又は表面層を変形させ、それによって露光
領域がインキ又はファウンテイン溶液のようなインキ粘
着性液体に対して親和性を示し、未露光領域のものとは
異なっている。
除くように設計されたリソグラフ印刷版は、その有用性
を制限する1個又はそれ以上の欠点を持っていた。例え
ばこれらは親油性画像領域と親水性非画像領域の間の十
分な識別度が欠けておりその結果印刷時の画像品質が劣
るか又はこれらは長期の印刷運転を可能にするように十
分に耐久性のあるものではない親油性画像領域を有する
か又はこれらは容易に引っ掻き傷が付きすり減る親水性
画像形成層を有するか又はこれらは支持体の上に多層を
塗布することが必要であるために甚だしく複雑であり費
用がかかった。
現像液を必要としない、即ち単純で安価な構成の、且つ
先行技術の多くの制限及び欠点を克服する改良されたリ
ソグラフ印刷版を提供することを目的とする。
印刷版は、多孔質親水性表面を有する支持体及び多孔質
親水性表面の上に位置する親油性画像形成層を含む。こ
の画像形成層は、画像様露光前には多孔質親水性表面か
ら容易に除去することができ、そして吸収性電磁放射線
への画像様露光及びこれに続く下に位置する多孔質親水
性表面を現すための未露光領域の除去の結果としてリソ
グラフ印刷表面を形成するように適合された親油性、放
射線吸収性、感熱性、フィルム形成性組成物からなって
いる。この画像様露光は、画像形成層の露光領域が多孔
質親水性表面と相互作用してそれに強く結合し、そうし
てリソグラフ印刷で有用である耐久性の親油性画像を与
えるのに十分な、画像形成層の露光領域に局部化された
熱を発生せしめる。
層を使用することである。このような画像形成層を使用
することによって、画像形成層を画像様露光により親水
性状態から親油性状態に転換する必要性が避けられる。
対照的に、画像形成層が露光の前には親水性である前記
の米国特許第3,793,033号、同第4,034,
183号及び第4,693,958号に記載されている
もののような先行技術の印刷版では、このような転換が
必要である。本発明に於いて、露光工程の機能は、親油
性画像形成層を下にある多孔質水性表面に露光領域に於
いて強く結合させ、それによって印刷で有用である耐久
性の親油性画像を作ることである。本発明で使用される
画像形成層は画像様露光する前に親油性であるので、こ
れは下に位置する多孔質親水性表面について強い親和性
を有しておらず、従って未露光領域に於いてそれから容
易に除去することができる。
表面を有する支持体を使用することである。特に、露光
領域に於いて支持体に対する親油性画像形成層の必要な
強い結合を得るために多孔質表面が必要である。本発明
者等は本発明が機能する様式の如何なる理論的説明にも
結び付けることを望むものではないが、吸収性電磁放射
線への画像様露光の結果である局部化加熱は親油性組成
物を支持体材料の孔の中に移動させてそれを強く固着さ
せると信じられる。何れにしても、画像様加熱が多孔質
親水性表面との相互作用を起こし、そうして露光の前に
は容易に除去することができる親油性材料を露光後に強
く結合させることが確立された。露光の機能は単に画像
形成層材料が多孔質親水性支持体に接着する強度を変化
させるだけであるので、露光の前に画像形成層によって
示される親油性特性は露光後に残っている。換言する
と、露光工程の機能は画像をもとの場所に固定すること
である。
は従来のリソグラフ印刷版で広く使用されている陽極処
理したアルミニウム支持体である。適当な支持体の例に
は、前もって砂目立てしないで陽極処理したアルミニウ
ム、砂目立てし陽極処理したアルミニウム及び砂目立て
し、陽極処理しそしてケイ酸塩層のような親水性バリヤ
ー層で被覆したアルミニウムが含まれる。本発明に於い
て、画像形成層は未露光領域に於いて除去され、下に位
置する多孔質親水性表面が現れる。即ち、本発明は陽極
処理したアルミニウム表面の優れた摩耗特性を使用する
ことを可能にする。対照的に、ヨーロッパ特許出願第0
573 091号に記載されているもののような親油
性表面を有する支持体を必要とする先行技術のリソグラ
フ印刷版は、アルミニウム支持体上に親油性オーバーコ
ート層を設けることによってのみアルミニウム支持体を
使用することができ、このようなオーバーコート層は容
易にすり減り、引っ掻き傷を受けるおそれがある。
号の複雑で費用のかかる多層版とは対照的に、本発明の
リソグラフ印刷版は、多孔質親水性表面を有する支持体
及びこのような表面の上に位置する親油性画像形成層の
みを必要とする単純な構成のものである。
画像を与えることができる。対照的に、米国特許第5,
238,778号に記載されているもののような転写法
によって形成された印刷版は、材料が供与体要素と受容
体要素との間の隙間を移動しなくてはならないので、
「点展開(point spread)」又は汚れを受
け得る。
方法によって画像形成することもできる。この印刷版
は、露光領域に於いて発生した熱が支持体の多孔質親水
性表面への所望の強い結合をもたらすと言う意味に於い
て感熱性である。本質的な必要条件は必要な熱を発生さ
せるのに十分な吸収性電磁放射線を与えることである。
即ち、この印刷版はネガトランスパレンシーを通して露
光することによって画像形成することができるか又はレ
ーザービームを使用することによるようなデジタル情報
から露光することができる。好ましくは、この印刷版は
直接レーザー書き込みし、最も好ましくは赤外で発光す
るレーザーによって直接レーザー書き込みする。
アルカリ性現像液の使用を必要とする処理は必要ではな
い。本発明の親油性画像形成層は、露光の前にはリソグ
ラフ印刷インキ中に可溶性であるように配合することが
できる。即ち、非画像領域を除去する単純で便利な方法
を与えるために、画像様露光した印刷版をリソグラフ印
刷プレス上に装着し、インキを流し始め、画像形成層の
未露光領域を除去し下に位置する多孔質親水性表面を現
すのに十分な時間続けることができる。このような除去
が完結すると、従来の印刷インキ及びファウンテイン溶
液の両方を用いて印刷を続けることができる。適当な画
像形成層の未露光領域を除去する他の方法には、このよ
うな領域を擦り取るか又は画像様露光した印刷版を、強
く結合している露光領域に悪影響を与えることなく、未
露光領域を引き剥がす粘着性のシート材料と接触させる
ことによってこのような領域を除去することが含まれ
る。露光を受けなかった画像形成層の領域は、この方法
を使用することによって下にある多孔質親水性表面から
容易にきれいに除去される。
グラフ印刷版は、多孔質親水性表面、このような表面の
上に位置する本明細書に記載したような親油性の画像形
成層及び一体化剥離層からなっている。一体化剥離層は
電磁放射線に対して透明であり、画像形成層の上に重ね
て印刷版を露光するのに使用される。画像様露光の後
で、剥離層を引き剥がし、未露光領域を剥離層に装着さ
せ、一方露光領域を支持体に接着させる。露光は剥離層
を通して行われ、それで剥離層は使用される放射線に対
して必要な透明度を示さなくてはならない。剥離を容易
にするために、引張りタブのような手段を設けることが
できる。この方法は普通「剥離現像」と呼ばれ、グラフ
ィックアーツの技術分野でよく知られており、例えば、
米国特許第4,334,006号のような多数の特許に
記載されている。
持体は、親水性表面を与える任意の支持体材料であって
もよい。前記のように、支持体として陽極層の上に親水
性バリヤー層を有するか又は有しない陽極処理したアル
ミニウムを使用することが特に好ましい。印刷プレスで
使用されるファウンテイン溶液についてのその親和性の
ために及びそれが非常に耐摩耗性であるために、陽極処
理したアルミニウム支持体が好ましい。砂目立て及び陽
極処理の両方を行ったアルミニウム版が特に好ましい。
ズは限定的ではなく、露光した画像形成層との適当な結
合を与える多孔度及び孔サイズの任意のレベルも有用で
ある。典型的には、この親水性多孔質表面は、約0.1
〜約10μmの範囲内のサイズを有する孔が存在するこ
とによって特徴付けられる。
はステンレススチールのような水を受け入れるための電
気化学列で十分高いその他の金属を支持体材料として使
用することができる。表面で必要な多孔性を与えるため
に、例えば、ブラシ砂目立て、グリットブラスト仕上又
は塩酸、硝酸、硫酸若しくはリン酸浴中での電解エッチ
ングのようなよく知られた方法によって金属を粗立てす
ることができる。アルミニウムと紙、金属又はポリマー
樹脂との積層板からなる支持体も有用である。
1〜約1mmの範囲内であり、更に好ましくは約0.1〜
約0.3mmの範囲内である。本発明のリソグラフ印刷版
に使用される画像形成層は、親油性、放射線吸収性、感
熱性、フィルム形成性組成物からなり、典型的に約0.
0003〜約0.02mmの範囲内の、更に好ましくは約
0.001〜約0.003mmの範囲内の厚さを有してい
る。従来のリソグラフ印刷版とは対照的に、本発明の新
規なリソグラフ印刷版で用いられる画像形成層は、画像
形成が光重合又は光架橋又は光可溶化にするのではな
く、熱固定により行われるので放射線感光性である必要
はない。
外で発光するレーザーに露光することによって画像形成
することができることが、画像形成層にとって特に有利
である。このような画像形成層を形成する適当な方法
は、支持体を溶媒可溶性水不溶性ポリマーバインダー及
び赤外で吸収する色素のような溶媒可溶性水不溶性赤外
吸収剤の有機溶媒溶液で塗布することである。このポリ
マーバインダーは調節可能な接着及び画像識別を促進す
るために選択される。加熱したとき容易に流動するポリ
マーが特に有効である。調節可能で示差的な接着を促進
するために組成物に可塑剤を含有させることもできる。
ロセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びセルロ
ースアセテートプロピオネートのようなセルロース系ポ
リマー;ポリウレタン;ビスフェノールAポリカーボネ
ートのようなポリカーボネート;ポリ(メチルメタクリ
レート)及びポリシアノアクリレートのようなポリアク
リレート;ポリエステル;ポリ(酢酸ビニル);ポリ
(ビニルブチラール)及びポリ(ビニルアルコール−共
−ブチラール)のようなポリアセタール並びにポリ(α
−メチルスチレン)のようなポリスチレンが含まれる。
外線のような適当な電磁放射線への画像様露光の結果で
ある層の局部化加熱が、露光領域を下にある多孔質親水
性表面と相互作用させてそれに強く結合させるようにす
るという点で、感熱性である。この相互作用の正確な性
質は現在理解されない。
によって、画像形成層は赤外線に対して感光性になり、
赤外領域に於いて発光するレーザーに露光することによ
って画像形成することができる直接−レーザー−処理可
能印刷版として有用な印刷版が作られる。赤外吸収剤は
染料又は顔料であってよい。非常に広範囲のこのような
化合物は当該技術分野でよく知られており、これにはス
クアリリウム、クロコネート、シアニン、メロシアニ
ン、インドリジン、ピリリウム及び金属ジチオレン類の
染料又は顔料が含まれる。
剤には、1992年11月24日発行の米国特許第5,
166,024号に記載されているものが含まれる。米
国特許第5,166,024号に記載されているよう
に、特に有用な赤外吸収剤はフタロシアニン顔料であ
る。本発明で使用するための好ましい赤外吸収染料の例
は下記の通りである。
[2− [2−クロロ−3− [(1,3−ジヒドロ−1,
1,3−トリメチル−2H−ベンズ [e] インドール−
2−イリデン)エチリデン−1−シクロヘキセ−1−イ
ル] エテニル] −1,1,3−トリメチル−1H−ベン
ズ [e] インドリウム塩
クロロ−3− [(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリ
メチル−2H−ベンズ [e] インドール−2−イリデ
ン)エチリデン−1−シクロヘキセ−1−イル] エテニ
ル−1,1,3−トリメチル−1H−ベンズ [e] イン
ドリウム塩
−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−5−ニトロ−2
H−インドール−2−イリデン)エチリデン)−1−シ
クロヘキセン−1−イル)エテニル)−1,3,3−ト
リメチル−5−ニトロ−3H−インドリウムヘキサフル
オロホスフェート
ジメチル−6−[ [1−オキソ−2,3−ビス(2,
4,6−トリメチルフェニル)−7(1H)−インドリ
ジニリデン] エチリデン] キノリニウムトリフルオロメ
タンスルホネート 本発明の印刷版を赤外で発光するレーザーを用いること
によって画像形成することが好ましいが、適当な電磁放
射線の他の発光源も使用することができる。例えば、N
d:YAGレーザー、CO2 レーザー、アルゴンイオン
レーザー、クリプトンイオンレーザー、エキシマーレー
ザー、窒素レーザー、He−Neレーザー、He−Cd
レーザー、色素レーザー及び高強度希ガスフラッシュラ
ンプがあげられる。
のようなフィルム形成性ポリマーバインダー中に放射線
吸収剤を分散させることによって製造される。しかしな
がら、これは本発明の必要条件を満たす唯一の方法では
ない。本質的な必要条件は、画像形成層が、画像様放射
線加熱の際に、画像形成層が下に位置する支持体の多孔
質親水性表面に固着され、もはや容易に除去できないよ
うな親油性放射線吸収材料からなっていることである。
即ち、ポリマーフィルム形成性バインダー中に分散され
た赤外吸収剤を使用するための代わりのものは、ポリマ
ー主鎖に赤外吸収性である置換基を有するフィルム形成
性ポリマーを使用することである。
る」は、多孔質親水性表面から画像形成層の未露光領域
を剥がし取るか又は印刷インキのような有機液体組成物
で優しく擦ることによって未露光領域を除去するような
単純な方法によって除去できることを意味する。
て、熱の発生の結果として支持体の表面に強く結合した
親油性画像を残すように支持体の多孔質親水性表面と、
化学的及び/又は物理的意味によって相互作用し得るこ
とが意味される。本明細書で使用する用語「一体化剥離
層」は、印刷版の製造で適用され、それによって印刷版
の一体化部分を形成し、そして剥がし取りそれによって
画像形成層の剥離現像をもたらすことができる層を指
す。
成することができ、それによって中間体の時間、取り扱
い、貯蔵及び費用を削除できることが本発明の重要な利
点である。この印刷版は室内光の下で取り扱うことがで
きるように設計することができ、それによって単純化さ
れた設計の印刷システムで使用することを容易にし、オ
ペレーターの疲労を最少にできることが本発明の別の重
要な利点である。好ましい態様に於いて、この印刷版は
赤外波長に対して感光性であり、それでプリントエンジ
ンが信頼性があり比較的安価であるダイオードレーザー
を用いることができることが本発明の印刷版の更に重要
な利点である。
支持体を使用する際に、任意であるが好ましい工程は、
調節可能な接着を促進する目的で陽極層の表面を界面活
性剤溶液で処理することである。例えば、この表面をト
リエタノールアミンのような可塑剤及びポリグリシドー
ルエーテル界面活性剤のような界面活性剤の素溶液で処
理し、次いで画像形成層を塗布する前に乾燥することが
できる。本発明の一つの好ましい態様に於いて、水混和
性赤外吸収染料を処理溶液に添加して、赤外線の吸収を
増大させる。
をレーザー放射線に画像様露光し、次いでオフセット印
刷プレスに直接装着する。僅か数回の通しを行った後イ
ンキ付け及び印刷工程により画像形成層の未露光領域が
除去され、一方インキが露光領域にのみ残っている。他
の態様に於いて、レーザー露光した印刷版を、接着剤が
塗布されている紙シート又はポリマーフィルムシートと
積層し、次いで積層シートを引き剥がして親油性画像形
成層の未露光部分を除去し、一方露光領域にのみインキ
受容材料を残す。
成層の上にある一体化剥離層が含まれ、この剥離層はレ
ーザー放射線に対して透明である。この剥離層は印刷版
の取り扱い中に保護バリヤーとして作用する。この剥離
層は印刷版の製造の一部として塗布又は積層されるの
で、本明細書に於いてはこれを「一体化」剥離層と言
う。画像様露光した後、一体化剥離層を引き剥がし、そ
れによって画像形成層の未露光領域を除去し、インキ受
容材料を露光領域にのみ残す。
囲の種々の材料を使用することができる。有効な剥離層
についての必要条件の幾つかは、(1)これが下に位置
する画像形成層を溶解又は攻撃しない組成物から塗布又
は積層できること、(2)これが強い接着性フィルムの
形態で塗布又は積層でき、画像様露光した後に画像形成
層の未露光領域を容易に剥がし取ることができること及
び(3)これが画像様露光工程の間に画像形成層の如何
なる成分とも不利に反応しないことである。
位置する画像形成層を攻撃しない水溶液又は有機溶媒溶
液から塗布することができる任意のフィルム形成性ポリ
マーからも形成することができる。適当なフィルム形成
性ポリマーの例には、ヘキサンのような非極性溶媒に可
溶性のポリマー、例えば、ポリイソブチレン、ポリイソ
プレン、ポリブタジエン及びポリメチルペンテン;ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、共−ポリアクリルアミド
−ポリアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリビニル
イミダゾール及びポリビニルピロリドンのような水に可
溶性のポリマー;並びにポリメチルメタクリレート、ポ
リブチルアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチルヘ
キシルアクリレート、ポリヘキシルメタクリレート、ポ
リオクタデシルメタクリレート及びポリプロピオン酸ビ
ニルのような水中に又は水中で重合されたエマルジョン
中に分散することができるポリマーが含まれる。この一
体化剥離層は手により又は適当な機械装置を使用するこ
とによって除去することができる。
は、(1)多孔質親水性表面を有する支持体、(2)支
持体の上に位置する親水性下塗層、(3)赤外線を強く
吸収する下塗層の上に位置する親油性画像形成層及び
(4)画像形成層の上に位置する赤外線に透過性の一体
化剥離層を含む印刷版である。
ナノメーターのレーザービームに露光させることが好ま
しい。このような露光の結果として、画像形成層は急速
に加熱され、レーザービームの作用は画像形成層と下に
位置する多孔質親水性支持体表面との所望の相互作用を
もたらす。露光領域に形成された生成物は下に位置する
多孔質親水性表面に対してしっかり接着し、一方未露光
領域は影響を受けないままであり、それで容易に除去可
能である。レーザービームの作用によって作られた画像
は非常に高いコントラストのものであり容易に見ること
ができる。例えば、それを明るい緑色にする赤外吸収剤
を含有する画像形成層を使用すると、露光領域は明るい
黄褐色に変わり、一方未露光領域は明るい緑色のままで
ある。露光した印刷版を例えば布でその上にインキを擦
り付けるか又は従来のオフセット印刷プレスで表面にイ
ンキ付けすることにより印刷インキと接触させるとき、
インキはレーザー露光領域に接着し、一方未露光領域は
インキによってきれいに拭われ、それによって支持体の
水受容性多孔質親水性表面を残留皮膜が無くインキが無
いようにする。僅か数回のスタートアップ通しを行った
後に高品質の印刷画像を得ることができる。多数回のス
タートアップ通しの助けで印刷プレスを調節することは
オフセット印刷産業で普通に実施されていることであ
り、それで本発明の印刷版を使用することはどのような
追加の工程又は追加の努力も必要としない。
明の態様に於いて、レーザービームの作用は、部分的融
蝕、部分的溶融、部分的蒸発及び部分的分解を起こすと
信じられる。一体化剥離層を通して露光を行ったとき、
蒸気が逃げ得ない以外は同様の結果が起きると信じられ
る。
られているレーザー印刷版作製方法に比較して比較的低
いパワーの露光を必要とする。このことは本発明の最も
重要な利点の一つである。本発明の印刷版と共に使用す
るための適当なプリントエンジンはBaek及びDeB
oerの米国特許第5,168,288号(その開示を
参照して本明細書に含める)に記載されているような熱
媒体上で画像を形成するためにレーザーを使用する感熱
プリンターである。下記の例に於いて、米国特許第5,
168,288号に記載されているようなプリントエン
ジンを用いた。このプリントエンジンは、下記の特徴、
即ち12チャンネル、100mW/チャンネル、700線
/cm,200rpm 及び約25μmのスポットサイズによ
って特徴付けられる。使用した試験画像にはポジ及びネ
ガ文字、ポジ及びネガ線、網点パターン及び網点画像が
含まれていた。
るように厳密に調節しなくてはならない。過度の加熱は
融蝕により画像形成層の全てを除去するであろう。不十
分な加熱は支持体への画像形成層の不十分な結合になる
であろう。赤外露光を用いる際に、約50〜約5000
ミリジュール/平方センチメートル(mJ/cm2 )の範囲
内のエネルギー入力を与えることが好ましい。
体を使用することが、それが長期のプレス運転を容易に
する特に耐久性のバックグラウンド領域を与える点で特
に有利である。上記のように、本発明の印刷版は未露光
領域を除去し下に位置する支持体の多孔質親水性表面を
現すための種々の方法を使用するのに適合している。こ
のような未露光領域を除去する任意の方法も本発明の範
囲内に入ると考えられる。適当な方法の例には、印刷イ
ンキとの接触、積層及び剥離現像工程による除去並びに
一体化剥離層を使用することによる除去が含まれる。
に於いて、リソグラフ印刷版は画像形成層の上に位置す
る一体化剥離層と共に提供される。この層は保護層とし
て機能するが、その主な機能は剥離現像を行うための便
利な手段を提供することである。即ち、画像様露光工程
が完結した後に、一体化剥離層を引き剥がし、それによ
って画像形成層の未露光領域を除去し、下に位置する支
持体の多孔質親水性表面を現す。未露光領域は容易にき
れいに除去され、除去の容易性及び分離の鮮鋭度は少な
くとも部分的に、親油性である画像形成層が親水性表面
に対して小さい親和性を有するという事実に起因させら
れる。
ラウンド領域として機能し、支持体として陽極処理した
アルミニウムのような材料を使用することによって非常
に耐久性で長期間持続する表面が得られるので、画像形
成層の未露光領域が完全に除去されて下にある支持体を
現すことは、本発明の重要な利点である。対照的に、ア
ルカリ性現像液を使用しないでリソグラフ印刷版を用い
る多数の先行技術の方法は、親水性層を露光によって親
油性層に転換することに依存しており、印刷に於けるバ
ックグラウンド領域としてこのような親水性層の未露光
部分を用いている。このような親水性は陽極処理したア
ルミニウム層のような耐久性及び長期間の持続性は殆ど
無い。他の先行技術方法では、支持体の上に多数の皮膜
を適用することが必要であり、これも印刷用のバックグ
ラウンドとして機能させるために支持体自体を用いるこ
とはできない。
り、そのためにファウンテイン溶液を用いることによっ
て除去することはできない。しかしながら、これはリソ
グラフ印刷インキ又はその他の適当な有機溶媒ベースの
組成物を用いることによって露光の前に容易に除去する
ことができる。画像形成層に用いられる赤外吸収染料は
水不溶性でインキ受容性である。一体化剥離層は室温で
除去できるように設計されており、それでこのような剥
離層を使用することによって剥離現像を行うために加熱
工程は必要ではない。多孔質親水性支持体表面の上に下
塗層を使用することは任意であるが、支持体からの未露
光領域のきれいな除去を容易にすることでしばしば有利
である。一体化剥離層の代わりに積層及び剥離現像の方
法を使用する際に、画像用露光は積層工程の前又は後ろ
で行うことができる。
用される支持体材料は、電気分解的に砂目立てし、そし
て陽極処理し、珪酸ナトリウム溶液で処理した2.5g
/m2 の酸化物質量の多孔質陽極層を有する0.14mm
厚さのアルミニウムシートであった。下記の例で用いた
材料及びそれを得た出所を下記の表Iに要約する。
り」を使用することは、下記の方法を指す。4滴の10
−G及び4滴のTEAを含有する水溶液50gを、支持
体表面に0.054g/m2 (湿潤塗布量)の量で塗布
し、49℃で5分間乾燥する。本発明をその実施の下記
の例によって更に示す。
−下塗りで前処理し、次いでNC及びIR−1を含有す
るアセトン溶液で塗布し、49℃で5分間乾燥した。乾
燥被覆量はNCが2.15g/m2 でIR−1が0.7
1g/m2 であった。試験画像での画像用露光を、前記
のプリントエンジンを用いて、それぞれ600mJ/cm2
及び300mJ/cm2 の最大領域露光に対応させて、10
0rpm 及び200rpm 両方で行った。
ミニウムシートに面を上にして接着させ、ミエールプレ
ス(Miehle Press) に装着した。中実巻き
上げ(solid rollup)を行い、20枚のシ
ートを印刷し、その後水の上に回転させた。約125枚
のシートを印刷し、その後インキを止め、ファウンテイ
ン溶液のみを更に50枚のシートについて印刷版に接触
させた。次いでインキ供給を回復させ、追加の25枚を
印刷した。この時点で水を停止し、追加の25枚につい
て中実巻き上げを起こした。水を再び適用して運転を全
部で350枚のシートについて続けた。良好な品質の印
刷物が得られた。
m2 である乾燥被覆量で行った以外は、例1を繰り返し
た。同様の結果が得られた。
m2 である乾燥被覆量で行った以外は、例1を繰り返し
た。同様の結果が得られた。
161g/m2 である乾燥被覆量で、露光を200rpm
のみで行った以外は、例1と同様であった。露光した
後、印刷版を室温で、3Mスコッチ(SCOTCH)接
着テープと共に積層することによってドライ処理し、次
いで印刷版からテープを剥離して未露光領域を除去し、
一方露光領域を支持体に残した。次いで印刷版をキャリ
ヤーにしっかり止め、リソグラフ印刷プレスに装着し
た。試験は、印刷版を湿潤ローラで約100シリンダー
回転の間湿らせ、次いで紙を重ねることによって行っ
た。インキの適用は急速な巻き上げをもたらした。最初
の100枚のシートの後で変化させないで約500枚の
シートを印刷した。500枚のシートの後で水を止め、
印刷版を巻き上げ、次いで水を再適用した。その結果は
最初の100枚のシートの結果と同じであった。
なかった以外は、例4を繰り返した。同様の結果が得ら
れた。
繰り返した。同様の結果が得られた。
162g/m2 である乾燥被覆量で、27℃で3分間乾
燥した以外は、例1と同様であった。印刷版を例1に記
載した方法で露光し、下記のような2種の試験に付し
た。露光した印刷版を3Mスコッチ接着テープと共に積
層し、剥離することによって異なった剥離試験を行っ
た。未露光領域が容易に剥離され、一方露光領域を後に
残す場合には、識別は「優」であると判定される。若し
殆どの未露光領域が剥離され、一方露光領域が残る場合
には、例は「良」であると判定される。幾らかの識別が
起こるが未露光領域の剥離が困難であるか又は大部分の
露光領域が除去される場合には、例は「普通」と判定さ
れる。未露光領域が剥離されないか又は露光領域が完全
に剥離されるために識別が生じない場合には、例は「不
良」と判定される。
プリンターインキで擦ることによって異なったインキ付
け試験を行った。未露光領域が容易に拭い去られ露光領
域でインキを後に残す場合には、画像は「優」インキ識
別を有すると判定された。「良」等級は示差化にかなり
の擦りを必要としたことを示した。「普通」等級はイン
キが部分的に露光領域に接着したが、未露光領域の幾ら
かのインキ付けも生じたことを示した。露光領域と未露
光領域との間の識別なしに全表面に亘ってインキが接着
した場合には、結果は「不良」と判定された。この例は
良の示差剥離及び良の示差インキ付けを示した。
り返した。示差剥離及び示差インキ付けは共に良であっ
た。
り返した。示差剥離及び示差インキ付けは共に良であっ
た。
前処理し、49℃で5分間乾燥した以外は、例1と同様
であった。乾燥被覆量はNCが0.324g/m2 であ
り、IR−1が0.162g/m2 であり、皮膜を27
℃で3分間乾燥した。印刷版を200rpm で露光し、露
光した試料を上記の示差剥離試験及び示差インキ付け試
験に付した。得られた結果を下記の表IIに示す。
滴の10−Gからなる溶液で前処理し、0.054g/
m2 (湿潤塗布量)で塗布し49℃で5分間乾燥した以
外は、例10を繰り返した。得られた結果を下記の表II
に示す。
滴のトリエタノールアミンからなる溶液で前処理し、
0.054g/m2 (湿潤塗布量)で塗布し、49℃で
5分間乾燥した以外は、例10を繰り返した。得られた
結果を下記の表IIに示す。
滴の10−G及び8滴のトリエタノールアミンからなる
溶液で前処理し、0.054g/m2 (湿潤塗布量)で
塗布し、49℃で5分間乾燥した以外は、例10を繰り
返した。得られた結果を下記の表IIに示す。
滴の10−G及び4滴のトリエタノールアミンからなる
溶液で前処理し、0.054g/m2 (湿潤塗布量)で
塗布し、49℃で5分間乾燥した以外は、例10を繰り
返した。得られた結果を下記の表IIに示す。
し、界面活性剤−下塗りを使用しなかった以外は、例1
0を繰り返した。得られた結果を下記の表IIに示す。
記の表III に示したようなNC及びIR−1の乾燥被覆
量を用いた。各場合に於いて、印刷版を画像形成し、剥
離及びインキ付けの両方について試験した。試験結果を
表III に要約し、1の等級付けが最善であり7の等級付
けが最悪である等級順序を付ける。
最善の結果を与える傾向であることを示している。
1の量を用いた。表IVにも示されているように、幾つか
の例では界面活性剤−下塗りを用いたが、他の例では用
いなかった。
り厚い層で及び界面活性剤下塗りをした印刷版で生じる
ことを示している。
リマーバインダー及び異なった有機溶媒の使用を示して
いる。各場合に於いて、界面活性剤−下塗りを使用し、
皮膜は0.648g/m2 のポリマーバインダー及び
0.324g/m 2 のIR−1を与えた。得られた結果
を表Vに示す。
ィルム形成性ポリマーバインダーとして広範囲の種々の
ポリマーを使用することができることを示している。特
に良好な結果はニトロセルロースを使用して得られる。
異なった下塗り処理の使用を示す。下塗り皮膜を形成す
るために使用した材料及びg/m2 の使用量を下記の表
VIにまとめる。各場合に於いて、画像形成層は0.64
8g/m2 のNC及び0.324g/m2 のIR−1を
与えるように塗布した。
ち、インキは未露光領域に接着したが、露光領域には接
着しなかった。表VIに示された結果は界面活性剤−下塗
りを使用して特に良好な性能が得られることを示してい
る。
解砂目立ての効果を示す。例42に於いて、支持体は大
日本スクリーン製造株式会社から得られた陽極処理した
が砂目立てしないアルミニウムであった。例43に於い
て、支持体は本明細書の他の全ての例で使用した電解的
に砂目立てし陽極処理したアルミニウムであった。各例
に於いて支持体を1.30g/m2 のNC及び0.64
8g/m 2 のIR−1で塗布した。例42に於いて、示
差剥離等級及び示差インキ付け等級は両方とも劣ってお
り、それに反して例43では両方とも優れており、それ
によって砂目立てしたアルミニウムを使用することによ
って遙かに優れた性能が得られることが示される。これ
は砂目立てから得られる非常に増大した多孔度のためで
あると信じられる。
支持体を界面活性剤−下塗りで処理し、次いで0.64
8g/m2 のNC及び0.324g/m2 のIR−1の
乾燥被覆量を得るためにアセトン溶液を塗布し、27℃
で3分間乾燥した。印刷版をプリントエンジンで100
rpm で露光し、示差剥離試験及び示差インキ付け試験の
両方にけかた。得られた結果を表VII に示す。
した。得られた結果を表VII に示す。
した。得られた結果を表VII に示す。
した。得られた結果を表VII に示す。
した。得られた結果を表VII に示す。
赤外吸収剤が本発明に於いて有用であることを示してい
る。IR−5を含有する皮膜は、他の皮膜が接着したよ
うに支持体に強く接着せず、インキ付け試験でも全く維
持しなかった。
1500rpm で水中の5重量%のソルビトールからなる
溶液でスピンコートし、室温で乾燥させた。1500rp
m で、メチルイソブチルケトン及びエタノールの70:
30混合物中の2重量%のニトロセルロース、1重量%
のIR−1及び0.3重量%のシアン染料2−(4−ク
ロロフェニル)−3− [ [4−ジエチルアミノ)−2−
メチルフェニル] イミノ] −1−プロペン−1,1,3
−トリカルボニトリルからなる溶液でスピンコートする
ことによって、画像形成層を適用した。乾燥した後、1
500rpm で下記のような塗布組成物でスピンコートす
ることによって一体化剥離層を適用した。
チルメタクリレート:2−スルホエチルメタクリレート
ナトリウム塩の80:10:10ターポリマー。 (2)イーストマン・ケミカル社から入手できる水分散
性ポリエステル。 (3)アクリルアミド:2−アミノエチルメチルアクリ
レート塩酸塩の80:20コポリマー。 (4)Avery Dennison Corpora
tion,Framingham,MAから入手できる
接着性ゴムセメント組成物。 (5)MTH Corporation,Amhers
t,N.H.から入手できる接着組成物。
レーザーダイオードビームに露光した。レーザー波長は
830nmであり、レーザー出力は100mWであった。レ
ーザービームの線書き込み速度は87.8cm/秒であ
り、ラスター走査の線のピッチは945/cmであった。
印刷版の露光は1.08ジュール/cm2 であった。露光
後に、剥離層が自己剥離である例54の場合を除いて、
家庭用透明テープを補助にして剥離することによって剥
離層を除去した。例49〜54のそれぞれに於いて、露
光領域は露光のきれいな画像を与え、一方バックグラウ
ンド(未露光)領域は完全に透明であった。
ラフ印刷版は、最も一般的には、親水性表面を有する砂
目立てし陽極処理したアルミニウム支持体及びこのよう
な表面の上にある、適当なトランスパレンシーを通した
UV露光により架橋された感光性ポリマーからなる画像
形成層かなっている。リソグラフ印刷表面は、画像様露
光した印刷版を、未露光領域からフォトポリマーを除去
し下にある砂目立てし陽極処理したアルミニウム支持体
の親水性表面を現すアルカリ性現像液で現像することに
よって得られる。このような印刷版は、露光工程に於い
てトランスパレンシーとして機能するために必要なフィ
ルム介在物の取り扱い、貯蔵及び費用に含まれる不利を
蒙る。更に、これらはアルカリ性現像液を必要とし、そ
れによって環境に廃棄しなくてはならない望ましくない
廃液を生じるという別の不利を蒙る。
は、中間のトランスパレンシーを必要とすることなく、
デジタルデータから直接リソグラフ印刷版を製造するこ
とを実行可能にする。他のレーザー印刷版作製方法に比
較して相対的に低い露光が必要である。本発明の印刷版
はレーザー露光の前及び後の両方で室内光の下で便利に
取り扱うことができる。更に、この印刷版は安価で非常
に信頼性のあるダイオードレーザーを用いて画像様に露
光することができる。きっちりと合焦させたレーザーを
用いることによって露光された画像を極めて鮮鋭にする
ことができる。未露光領域は、従来のリソグラフ印刷版
の未露光領域のようにリソグラフ印刷工程に対して耐久
性である。更に、本発明の印刷版はアルカリ性現像液の
必要性を排除し、それによって時間を節約し、印刷版処
理機の費用、保守及び床面積を排除する。
て詳細に記載したが、その変形及び修正が本発明の精神
及び範囲内で有効であることはいうまでもない。
Claims (4)
- 【請求項1】 多孔質親水性表面を有する支持体並びに
画像様露光前には該多孔質親水性表面から容易に除去す
ることができ、そして吸収性電磁放射線への画像様露光
及びこれに続く下に位置する多孔質親水性表面を現すた
めの未露光領域の除去の結果としてリソグラフ印刷表面
を形成するように適合された親油性、放射線吸収性、感
熱性、フィルム形成性組成物からなる該多孔質親水性表
面の上に位置する親油性画像形成層を含んでなり、前記
画像様露光が、該露光領域が該多孔質親水性表面と相互
作用してそれに強く結合し、そうしてリソグラフ印刷に
有用な耐久性の親油性画像を与えるのに十分な、該画像
形成層の露光領域に局部化された熱を発生せしめてリソ
グラフ印刷版。 - 【請求項2】 多孔質親水性表面を有する支持体、画像
様露光前には該多孔質親水性表面から容易に除去するこ
とができ、そして吸収性電磁放射線への画像様露光及び
これに続く下に位置する多孔質親水性表面を現すための
未露光領域の除去の結果としてリソグラフ印刷表面を形
成するように適合された親油性、放射線吸収性、感熱
性、フィルム形成性組成物からなる、該多孔質親水性表
面の上に位置する親油性画像形成層並びに該画像形成層
の上に位置する一体化剥離層を含んでなり、前記画像様
露光が、該露光領域が該多孔質親水性表面と相互作用し
てそれに強く結合し、そうしてリソグラフ印刷に有用な
耐久性の親油性画像を与えるのに十分な、該画像形成層
の露光領域に局部化された熱を発生せしめ、該剥離層が
該電磁放射線に対して透明であり、該露光領域を該多孔
質親水性表面に強く結合させたままでそれに接着した該
未露光領域と共に該画像形成層から引き剥がされるよう
に適合されているリソグラフ印刷版。 - 【請求項3】 (1)多孔質親水性表面を有する支持体
並びに画像様露光前には該多孔質親水性表面から容易に
除去することができ、そして吸収性電磁放射線への画像
様露光及びこれに続く下に位置する多孔質親水性表面を
現すための未露光領域の除去の結果としてリソグラフ印
刷表面を形成するように適合された親油性、放射線吸収
性、感熱性、フィルム形成性組成物からなる、該多孔質
親水性表面の上に位置する親油性画像形成層を含んでな
る、リソグラフ印刷版を用意する工程、 (2)該リソグラフ印刷版を吸収性電磁放射線に画像様
露光して、該露光領域が該多孔質親水性表面と相互作用
してそれに強く結合し、そうしてリソグラフ印刷で有用
である耐久性の親油性画像を与えるのに十分な、該画像
形成層の露光領域に局部化された熱を発生せしめる工
程、並びに (3)該画像形成層の未露光領域を除去し、それによっ
て下に位置する多孔質親水性表面を現す工程からなる、
リソグラフ印刷版の画像形成方法。 - 【請求項4】 (1)多孔質親水性表面を有する支持
体、該多孔質親水性表面の上に位置する画像様露光前に
は該多孔質親水性表面から容易に除去することができ、
そして吸収性電磁放射線への画像様露光及びこれに続く
下に位置する多孔質親水性表面を現すための未露光領域
の除去の結果としてリソグラフ印刷表面を形成するよう
に適合された親油性、放射線吸収性、感熱性、フィルム
形成性組成物からなる、親油性画像形成層並びに該画像
形成層の上に位置する一体化剥離層からなり、リソグラ
フ印刷版を用意する工程、 (2)該リソグラフ印刷版を、該一体化剥離層を通して
吸収性電磁放射線に画像様露光して、該露光領域が該多
孔質親水性表面と相互作用してそれに強く結合し、そう
してリソグラフ印刷で有用である耐久性の親油性画像を
与えるのに十分な、該画像形成層の露光領域に局部化さ
れた熱を発生せしめる工程、及び (3)該一体化剥離層を該剥離層に接着している該未露
光領域と共に該画像形成層から引き剥がし、該露光領域
を該支持体に強く結合したままにする工程からなる、リ
ソグラフ印刷版の画像形成方法。
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