JPH0846B2 - 豆腐の製造方法 - Google Patents
豆腐の製造方法Info
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- JPH0846B2 JPH0846B2 JP3180273A JP18027391A JPH0846B2 JP H0846 B2 JPH0846 B2 JP H0846B2 JP 3180273 A JP3180273 A JP 3180273A JP 18027391 A JP18027391 A JP 18027391A JP H0846 B2 JPH0846 B2 JP H0846B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は豆乳にオカラを混合して
大豆をまるごと使用した豆腐の製造方法に関するもので
ある。
大豆をまるごと使用した豆腐の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に市販されている豆腐の製造方法
は、例えば図2に示すように原料大豆を水に約20時間
浸漬した後、ひき水を加えながら粉砕機で細かく粉砕
し、次に粉砕した大豆を生呉煮沸する。この後、煮沸し
た大豆を絞る絞汁を行なって豆乳とオカラに分離する。
次に分離した豆乳のPHを測定してから、脱気しながら
撹拌して豆乳中に含まれる空気を除去した後、冷却し、
ここに硫酸カルシウムやグルコノラクタンなどの凝固剤
を添加し、次いで容器に所定量充填して包装し、容器に
充填した状態で加熱して熱凝固させると共に殺菌した
後、水温まで冷却して絹漉し豆腐を製造していた。この
製造方法では原料大豆60Kgで、豆乳が 270Kg、オカラ70
Kgが製造されるが、豆腐の製造には豆乳だけが利用さ
れ、オカラは廃棄されていた。
は、例えば図2に示すように原料大豆を水に約20時間
浸漬した後、ひき水を加えながら粉砕機で細かく粉砕
し、次に粉砕した大豆を生呉煮沸する。この後、煮沸し
た大豆を絞る絞汁を行なって豆乳とオカラに分離する。
次に分離した豆乳のPHを測定してから、脱気しながら
撹拌して豆乳中に含まれる空気を除去した後、冷却し、
ここに硫酸カルシウムやグルコノラクタンなどの凝固剤
を添加し、次いで容器に所定量充填して包装し、容器に
充填した状態で加熱して熱凝固させると共に殺菌した
後、水温まで冷却して絹漉し豆腐を製造していた。この
製造方法では原料大豆60Kgで、豆乳が 270Kg、オカラ70
Kgが製造されるが、豆腐の製造には豆乳だけが利用さ
れ、オカラは廃棄されていた。
【0003】しかしながら大豆には植物性蛋白質や、リ
ノール酸、ビタミンE、サポニン、植物性コレステロー
ル、食物繊維などが多量に含まれているが、オカラを除
去してしまうので製品となる豆腐にはこれらの有効成分
が少なくなり栄養価が低下してしまう。特にオカラに多
く含まれる不溶性食物繊維が豆腐にはほとんど含まれ
ず、またこの不溶性食物繊維は食感や食味が悪いことか
ら殆ど利用されず、家畜の飼料や廃棄物として廃棄さ
れ、処理費用を負担して業者に引き渡して処分している
のが現状であった。
ノール酸、ビタミンE、サポニン、植物性コレステロー
ル、食物繊維などが多量に含まれているが、オカラを除
去してしまうので製品となる豆腐にはこれらの有効成分
が少なくなり栄養価が低下してしまう。特にオカラに多
く含まれる不溶性食物繊維が豆腐にはほとんど含まれ
ず、またこの不溶性食物繊維は食感や食味が悪いことか
ら殆ど利用されず、家畜の飼料や廃棄物として廃棄さ
れ、処理費用を負担して業者に引き渡して処分している
のが現状であった。
【0004】また従来、オカラを酵素分解して不溶性食
物繊維を低分子化してから脱水することにより食品加工
用原料として利用する技術もあるが、この方法は脱水工
程で有効なオリゴ糖などの糖分や脂質も除去されるた
め、食品加工用原料としての甘味やビフィズス菌の腸内
増殖活性を高める機能が充分に生かされないことにな
る。
物繊維を低分子化してから脱水することにより食品加工
用原料として利用する技術もあるが、この方法は脱水工
程で有効なオリゴ糖などの糖分や脂質も除去されるた
め、食品加工用原料としての甘味やビフィズス菌の腸内
増殖活性を高める機能が充分に生かされないことにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を除
去し、未利用のオカラに含まれる食物繊維を食べ易く分
解するとともにオリゴ糖や、低分子化した糖類を産出し
て、甘味があって美味しく栄養価に富み、吸収消化が良
く整腸作用にも優れ、しかも色や艶、舌ざわりや固さな
どの食感が良く、その上、オカラを廃棄する手間や費用
を不要にした豆腐の製造方法を提供するものである。
去し、未利用のオカラに含まれる食物繊維を食べ易く分
解するとともにオリゴ糖や、低分子化した糖類を産出し
て、甘味があって美味しく栄養価に富み、吸収消化が良
く整腸作用にも優れ、しかも色や艶、舌ざわりや固さな
どの食感が良く、その上、オカラを廃棄する手間や費用
を不要にした豆腐の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】以下本発明方法を図1を
参照して詳細に説明する。原料大豆を水に約20時間浸
漬した後、ひき水を加えながら粉砕機で細かく粉砕し、
次に粉砕した大豆を生呉煮沸する。この後、煮沸した汁
を絞る絞汁を行なって豆乳とオカラに分離する。分離し
た豆乳のPHはPH6.7 〜6.8 に調整しておく。
参照して詳細に説明する。原料大豆を水に約20時間浸
漬した後、ひき水を加えながら粉砕機で細かく粉砕し、
次に粉砕した大豆を生呉煮沸する。この後、煮沸した汁
を絞る絞汁を行なって豆乳とオカラに分離する。分離し
た豆乳のPHはPH6.7 〜6.8 に調整しておく。
【0007】次にこの分離したオカラを粉砕機で機械的
に磨砕して、酵素分解された不溶性食物繊維を短くして
酵素分解を容易にすると共に、豆腐にしたときの食感を
向上させる。次にこの磨砕したオカラを85℃以上で20分
以上加熱して、製造工程で混入した雑菌の殺菌処理を行
い、次工程で添加する酵素の反応環境を整える。この
後、加熱殺菌したオカラを冷却して酵素至適温度に調整
すると共に、PH調整剤を添加して酵素至適PH域内に
調整する。このオカラの冷却方法としては、冷却器を用
いた機械的な冷却や水を直接加える加水冷却で行ない40
〜60℃に温度を調整する。またPH調整剤としては例え
ば乳酸などの有機酸を添加して酵素至適PH域内のPH
4〜6の範囲に調整する。
に磨砕して、酵素分解された不溶性食物繊維を短くして
酵素分解を容易にすると共に、豆腐にしたときの食感を
向上させる。次にこの磨砕したオカラを85℃以上で20分
以上加熱して、製造工程で混入した雑菌の殺菌処理を行
い、次工程で添加する酵素の反応環境を整える。この
後、加熱殺菌したオカラを冷却して酵素至適温度に調整
すると共に、PH調整剤を添加して酵素至適PH域内に
調整する。このオカラの冷却方法としては、冷却器を用
いた機械的な冷却や水を直接加える加水冷却で行ない40
〜60℃に温度を調整する。またPH調整剤としては例え
ば乳酸などの有機酸を添加して酵素至適PH域内のPH
4〜6の範囲に調整する。
【0008】ここで添加する植物細胞壁分解酵素として
は、オカラに含まれるセルロース、ヘミセルロース、分
岐したペクチン質などの分子構造の長い不溶性食物繊維
を分解する酵素で、例えばペクチナーゼ、セルラーゼ、
ヘミセルラーゼなどを用い、これらの酵素は単独でも複
合したものでも良い。また植物細胞壁分解酵素の添加量
は、オカラの温度やPHなどにより異なるが、工業的に
は2時間程度でパサパサの状態から滑らかなペースト状
に分解させるための酵素量を添加するのが望ましく、酵
素量をむやみに増したり、また高温で長時間分解を行な
うことは、素材の褐変を進ませ、また酵素は高価である
ので多量に添加すると不経済である。
は、オカラに含まれるセルロース、ヘミセルロース、分
岐したペクチン質などの分子構造の長い不溶性食物繊維
を分解する酵素で、例えばペクチナーゼ、セルラーゼ、
ヘミセルラーゼなどを用い、これらの酵素は単独でも複
合したものでも良い。また植物細胞壁分解酵素の添加量
は、オカラの温度やPHなどにより異なるが、工業的に
は2時間程度でパサパサの状態から滑らかなペースト状
に分解させるための酵素量を添加するのが望ましく、酵
素量をむやみに増したり、また高温で長時間分解を行な
うことは、素材の褐変を進ませ、また酵素は高価である
ので多量に添加すると不経済である。
【0009】このようにオカラに植物細胞壁分解酵素を
添加して不溶性食物繊維が分解される作用は、セルロー
ス、ヘミセルロースなどの分子構造の長い不溶性食物繊
維を加水分解して低分子化すると共に、分岐したペクチ
ン質、すなわちガラクツロン酸、ラムノース、キシロー
ス、フコース、ガラクトースなどの多糖類を分解して果
糖、ぶどう糖、蔗糖、麦芽糖、ラフィノース、スタキロ
ースなどの糖類に変えることができる。特にラフィノー
ス、スタキロースはオリゴ糖としてビフィズス菌の腸内
増殖活性を高める機能性食品として有効である。
添加して不溶性食物繊維が分解される作用は、セルロー
ス、ヘミセルロースなどの分子構造の長い不溶性食物繊
維を加水分解して低分子化すると共に、分岐したペクチ
ン質、すなわちガラクツロン酸、ラムノース、キシロー
ス、フコース、ガラクトースなどの多糖類を分解して果
糖、ぶどう糖、蔗糖、麦芽糖、ラフィノース、スタキロ
ースなどの糖類に変えることができる。特にラフィノー
ス、スタキロースはオリゴ糖としてビフィズス菌の腸内
増殖活性を高める機能性食品として有効である。
【0010】このように酵素処理されたペースト状のオ
カラは、そのままの状態では更に反応が進むことから、
一般的には再加熱して酵素を死活する必要があるが、再
加熱の工程を経ると素材の褐変が生じ、商品価値が低下
するので、植物細胞壁分解酵素の反応を抑制するように
酵素至適PH域を避けてPHを上げると共に、温度を酵
素至適温度から大幅に下げて冷却する。このPHを上げ
る方法としては、例えば炭酸水素ナトリウムなどPH調
整剤を添加して酵素至適PH域を外すと共に、後工程で
混合する豆乳のPHと適合させるためPH6.7 〜6.8 程
度に調整しておく。
カラは、そのままの状態では更に反応が進むことから、
一般的には再加熱して酵素を死活する必要があるが、再
加熱の工程を経ると素材の褐変が生じ、商品価値が低下
するので、植物細胞壁分解酵素の反応を抑制するように
酵素至適PH域を避けてPHを上げると共に、温度を酵
素至適温度から大幅に下げて冷却する。このPHを上げ
る方法としては、例えば炭酸水素ナトリウムなどPH調
整剤を添加して酵素至適PH域を外すと共に、後工程で
混合する豆乳のPHと適合させるためPH6.7 〜6.8 程
度に調整しておく。
【0011】この後、オカラペーストを冷凍して酵素の
反応を抑制し、使用するまで冷凍保存する。凍結保存し
たオカラペーストを使用する時には、2〜3時間かけて
自然解凍する。次に別工程で絞汁して分離した温度が60
〜70℃程度の豆乳に、オカラペーストを適量混合する。
この混合割合は、豆乳76.78%、オカラペースト23.22
%混合すれば、原料の大豆の成分がまるごと含まれるこ
とになるが、オカラペーストの混合割合は任意に選定し
ても良い。
反応を抑制し、使用するまで冷凍保存する。凍結保存し
たオカラペーストを使用する時には、2〜3時間かけて
自然解凍する。次に別工程で絞汁して分離した温度が60
〜70℃程度の豆乳に、オカラペーストを適量混合する。
この混合割合は、豆乳76.78%、オカラペースト23.22
%混合すれば、原料の大豆の成分がまるごと含まれるこ
とになるが、オカラペーストの混合割合は任意に選定し
ても良い。
【0012】このようにオカラペーストを混合した豆乳
を55〜60℃で脱気撹拌して、豆乳に含まれる気泡を除去
して豆腐を滑らかにする。この後、5〜13℃に冷却して
から凝固剤を泡を出さないようにヘラで静かに素早く混
ぜ合わせる。この凝固剤としては例えば硫酸カルシウム
やグルコノラクタンなどを使用する。このように凝固剤
を添加した豆乳を、包装容器に所定量充填して密閉包装
する。次に凝固剤入りの豆乳を容器ごと加熱して、豆乳
蛋白を熱凝固させると共に、製造工程中に混入した雑菌
を殺菌して保存性を向上させ、同時に酵素を失活させて
酵素反応の進行を停止させる。このように酵素の至適温
度領域及び至適PH領域を外した最終段階で加熱して酵
素を失活させるので、褐変を防止して白い艶のある豆腐
を製造することができる。この後、水温まで冷却してオ
カラ豆腐とする。
を55〜60℃で脱気撹拌して、豆乳に含まれる気泡を除去
して豆腐を滑らかにする。この後、5〜13℃に冷却して
から凝固剤を泡を出さないようにヘラで静かに素早く混
ぜ合わせる。この凝固剤としては例えば硫酸カルシウム
やグルコノラクタンなどを使用する。このように凝固剤
を添加した豆乳を、包装容器に所定量充填して密閉包装
する。次に凝固剤入りの豆乳を容器ごと加熱して、豆乳
蛋白を熱凝固させると共に、製造工程中に混入した雑菌
を殺菌して保存性を向上させ、同時に酵素を失活させて
酵素反応の進行を停止させる。このように酵素の至適温
度領域及び至適PH領域を外した最終段階で加熱して酵
素を失活させるので、褐変を防止して白い艶のある豆腐
を製造することができる。この後、水温まで冷却してオ
カラ豆腐とする。
【0013】このようにして得られたオカラ豆腐は、オ
カラが入って大豆をまるごと使用しているので、植物性
蛋白質や、リノール酸、ビタミンE、サポニン、植物性
コレステロールなどの栄養成分がそのまま含まれ、特に
食物繊維が低分子化されて機能し易くなっていると共
に、果糖、ぶどう糖、蔗糖、麦芽糖、ラフィノース、ス
タキロースなどの糖類に変えて豆腐の甘味が増す。しか
もこの糖類の内ラフィノース、スタキロースはオリゴ糖
としてビフィズス菌の腸内増殖活性を高める機能性食品
として有効に作用することができる。
カラが入って大豆をまるごと使用しているので、植物性
蛋白質や、リノール酸、ビタミンE、サポニン、植物性
コレステロールなどの栄養成分がそのまま含まれ、特に
食物繊維が低分子化されて機能し易くなっていると共
に、果糖、ぶどう糖、蔗糖、麦芽糖、ラフィノース、ス
タキロースなどの糖類に変えて豆腐の甘味が増す。しか
もこの糖類の内ラフィノース、スタキロースはオリゴ糖
としてビフィズス菌の腸内増殖活性を高める機能性食品
として有効に作用することができる。
【0014】また低分子化された食物繊維は、豆腐の食
感を向上させると共に、消化管内に於ける食物繊維の生
理作用により、便秘、憩室症などの腸疾患を予防する作
用がある他、直腸癌、動脈硬化、糖尿病、虚血性心疾
患、胆石などの代謝性疾患を予防する作用にも有効とあ
るといわれている。
感を向上させると共に、消化管内に於ける食物繊維の生
理作用により、便秘、憩室症などの腸疾患を予防する作
用がある他、直腸癌、動脈硬化、糖尿病、虚血性心疾
患、胆石などの代謝性疾患を予防する作用にも有効とあ
るといわれている。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。原料大豆60
Kgを水70リットルの中に20時間浸漬した後、4℃のひ
き水 208リットルを加えながら粉砕機で細かく粉砕し、
このように粉砕した 340リットルの大豆を 105℃で7分
間生呉煮沸する。この後、煮沸した 340リットルの汁を
絞汁して 270リットルの豆乳と70Kgのオカラに分離す
る。次に分離した豆乳のPHを測定したところPH6.8
であった。
Kgを水70リットルの中に20時間浸漬した後、4℃のひ
き水 208リットルを加えながら粉砕機で細かく粉砕し、
このように粉砕した 340リットルの大豆を 105℃で7分
間生呉煮沸する。この後、煮沸した 340リットルの汁を
絞汁して 270リットルの豆乳と70Kgのオカラに分離す
る。次に分離した豆乳のPHを測定したところPH6.8
であった。
【0016】また分離した他方のオカラを磨砕した後、
これを100 ℃で20分加熱して殺菌処理を行なう。この
後、加熱殺菌したオカラに冷却水を添加して55℃に加水
冷却して酵素至適温度に調整すると共に、PH調整剤と
して乳酸を添加して酵素至適PH域内のPH4.5 に調整
する。この状態でペクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセル
ラーゼを複合した植物細胞壁分解酵素を 210ミリリット
ル添加して50℃で2時間反応させたところオカラはパサ
パサの状態から滑らかなペースト状に分解された。
これを100 ℃で20分加熱して殺菌処理を行なう。この
後、加熱殺菌したオカラに冷却水を添加して55℃に加水
冷却して酵素至適温度に調整すると共に、PH調整剤と
して乳酸を添加して酵素至適PH域内のPH4.5 に調整
する。この状態でペクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセル
ラーゼを複合した植物細胞壁分解酵素を 210ミリリット
ル添加して50℃で2時間反応させたところオカラはパサ
パサの状態から滑らかなペースト状に分解された。
【0017】この後オカラペーストに、豆乳のPHに調
整するため炭酸水素ナトリウムを添加してPH6.7 にし
た後、−18℃に冷凍して酵素至適温度域を外して保存す
る。このようにして冷凍保存したオカラペーストを使用
する時に2時間常温で解凍し、この解凍したオカラペー
スト23Kgを、別工程で分離した温度が70℃の豆乳77Kgに
混合して原料の大豆の成分がまるごと含まれた状態に戻
す。
整するため炭酸水素ナトリウムを添加してPH6.7 にし
た後、−18℃に冷凍して酵素至適温度域を外して保存す
る。このようにして冷凍保存したオカラペーストを使用
する時に2時間常温で解凍し、この解凍したオカラペー
スト23Kgを、別工程で分離した温度が70℃の豆乳77Kgに
混合して原料の大豆の成分がまるごと含まれた状態に戻
す。
【0018】このようにしてオカラペースト混合の豆乳
を55℃で40分間脱気撹拌して、豆乳に含まれる気泡を除
去して豆腐を均質にする。この後、5℃に冷却してから
凝固剤として硫酸カルシウム3.7g/Iとグルコノラクタン
1.0g/Iを添加して泡を出さないようにヘラで静かに素早
く混ぜ合わせる。この後、包装容器に 120g充填して密
閉包装する。次に凝固剤入りの豆乳を容器ごと85℃で40
分間加熱して、豆乳蛋白を熱凝固させると共に、製造工
程中に混入した雑菌を殺菌して保存性を向上させ、同時
に酵素を失活させて酵素反応の進行を停止させる。この
後、水温まで冷却してオカラ豆腐を製造した。
を55℃で40分間脱気撹拌して、豆乳に含まれる気泡を除
去して豆腐を均質にする。この後、5℃に冷却してから
凝固剤として硫酸カルシウム3.7g/Iとグルコノラクタン
1.0g/Iを添加して泡を出さないようにヘラで静かに素早
く混ぜ合わせる。この後、包装容器に 120g充填して密
閉包装する。次に凝固剤入りの豆乳を容器ごと85℃で40
分間加熱して、豆乳蛋白を熱凝固させると共に、製造工
程中に混入した雑菌を殺菌して保存性を向上させ、同時
に酵素を失活させて酵素反応の進行を停止させる。この
後、水温まで冷却してオカラ豆腐を製造した。
【0019】このように製造されたオカラ豆腐の成分を
分析して次表に示すと共に、オカラの状態、オカラペー
ストの状態、および従来方法により製造された絹漉し豆
腐の成分も比較した。リノール酸などの脂質の成分は表
1の通りである。
分析して次表に示すと共に、オカラの状態、オカラペー
ストの状態、および従来方法により製造された絹漉し豆
腐の成分も比較した。リノール酸などの脂質の成分は表
1の通りである。
【0020】
【表 1】
【0021】上表の結果からオカラを酵素分解すること
により脂質が増加し、これを添加したオカラ豆腐は従来
の方法で製造した絹漉し豆腐に比べて75%も増加してい
る。この脂質は、リノール酸などの不飽和脂肪酸が主体
で、これはコレステロールの増加を抑える効果がある。
により脂質が増加し、これを添加したオカラ豆腐は従来
の方法で製造した絹漉し豆腐に比べて75%も増加してい
る。この脂質は、リノール酸などの不飽和脂肪酸が主体
で、これはコレステロールの増加を抑える効果がある。
【0022】また本発明のオカラ豆腐と従来の絹漉し豆
腐に含まれる糖類とを分析した結果は次表に示す通りで
ある。
腐に含まれる糖類とを分析した結果は次表に示す通りで
ある。
【0023】
【表2】
【0024】上表の結果から、オカラに含まれる多糖類
で形成されたペクチン質を酵素分解することにより、果
糖、ぶどう糖、蔗糖、麦芽糖、ラフィノース、スタキロ
ースなどの糖類が増加し、特に豆乳だけで製造されてい
た従来の絹漉し豆腐には全く含まれていなかったぶどう
糖と麦芽糖が産出されて、甘味が増加していると共にラ
フィノースやスタキロースなどのオリゴ糖も増加してい
た。
で形成されたペクチン質を酵素分解することにより、果
糖、ぶどう糖、蔗糖、麦芽糖、ラフィノース、スタキロ
ースなどの糖類が増加し、特に豆乳だけで製造されてい
た従来の絹漉し豆腐には全く含まれていなかったぶどう
糖と麦芽糖が産出されて、甘味が増加していると共にラ
フィノースやスタキロースなどのオリゴ糖も増加してい
た。
【0025】また本発明のオカラ豆腐に含まれるペクチ
ン質と不溶解性繊維質を分析し、これと従来の絹漉し豆
腐とを比較して次表に示した。
ン質と不溶解性繊維質を分析し、これと従来の絹漉し豆
腐とを比較して次表に示した。
【0026】
【表3】
【0027】上表の結果から、ペクチン質と不溶解性繊
維質は豆乳には全く含まれず、オカラにだけ含まれるペ
クチン質は単糖類に分解されて甘味とオリゴ糖を増加さ
せると共に、豆腐の食感を損ねることなく機能性食品と
し有効な不溶解性繊維質を多量に含むことが確認され
た。
維質は豆乳には全く含まれず、オカラにだけ含まれるペ
クチン質は単糖類に分解されて甘味とオリゴ糖を増加さ
せると共に、豆腐の食感を損ねることなく機能性食品と
し有効な不溶解性繊維質を多量に含むことが確認され
た。
【0028】また本発明のオカラ豆腐を 100人に食べさ
せて食感試験を行なった結果は次表に示す通りである。
せて食感試験を行なった結果は次表に示す通りである。
【0029】
【表4】
【0030】上表の結果から、オカラ豆腐の見た目の感
じや色、艶の感じなど外観は満足する人が多く、また香
りの良さも良好な結果が得られた。また食べた感じで
は、特に甘さが優れていると共に、舌ざわり歯ざわり、
固さ、飲込み易さなども良いと判定する人が多く、酵素
分解したオカラを添加したことにより美味しい豆腐が得
られることが確認された。
じや色、艶の感じなど外観は満足する人が多く、また香
りの良さも良好な結果が得られた。また食べた感じで
は、特に甘さが優れていると共に、舌ざわり歯ざわり、
固さ、飲込み易さなども良いと判定する人が多く、酵素
分解したオカラを添加したことにより美味しい豆腐が得
られることが確認された。
【0031】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る豆腐の製
造方法によれば、従来未利用のオカラに含まれる食物繊
維を食べ易く分解すると共にオリゴ糖などの糖分を産出
して、甘味があって美味しく栄養価に富み、吸収消化が
良く整腸作用にも優れ、しかも色や艶、舌ざわりや固さ
などの食感が良く、その上、オカラを廃棄する手間や費
用を不要にできるなど種々の効果を得ることができる。
造方法によれば、従来未利用のオカラに含まれる食物繊
維を食べ易く分解すると共にオリゴ糖などの糖分を産出
して、甘味があって美味しく栄養価に富み、吸収消化が
良く整腸作用にも優れ、しかも色や艶、舌ざわりや固さ
などの食感が良く、その上、オカラを廃棄する手間や費
用を不要にできるなど種々の効果を得ることができる。
【図1】本発明のオカラ豆腐の製造方法を示す工程図で
ある。
ある。
【図2】従来の絹漉し豆腐の製造方法を示す工程図であ
る。
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅野 隆夫 福島県伊達郡国見町大字山崎字宮館1番地 の17 (72)発明者 金子 憲太郎 福島県郡山市開成3丁目25番2号 郡山女 子大学短期大学部内 (72)発明者 中村 精治 福島県安達郡安達町油井字蓑掛10 福島県 醤油醸造協同組合内 (72)発明者 宮崎 久重 福島県安達郡安達町油井字北向206 福島 県味噌醤油工業協同組合内 (72)発明者 伊藤 正義 福島県二本松市休石167番 東日本酒造協 業組合内 (72)発明者 池田 昌弘 福島県福島市瀬上町字南中川原1番地 池 田食品工業株式会社内 (72)発明者 大内 千賀子 福島県郡山市田村町金屋字川久保56ー1 株式会社宝来屋本店内 (72)発明者 渡辺 久 福島県福島市瀬上町字南中川原1番地 池 田食品工業株式会社内 (72)発明者 橋本 昭子 福島県郡山市富久山町久保田字郷花4ー8 株式会社福豆屋内 (72)発明者 佐藤 祐子 福島県福島市鎌田字樋口3ー12 東日本冷 蔵株式会社内 (72)発明者 丸山 昭子 福島県郡山市富久山町久保田字石鼻1ー1 株式会社小田原屋内
Claims (1)
- 【請求項1】 大豆を水に浸漬・粉砕・煮沸してからこ
れを絞汁して豆乳とオカラとに分離した後、分離したオ
カラを機械的に磨砕して微細化し、次いでこのオカラを
加熱殺菌した後、このオカラを冷却してPH4〜6、温
度40〜60℃に調整し、ここに植物細胞壁分解酵素を添加
して前記オカラをパサパサの状態から滑らかなペースト
状に分解し、次いで分解したオカラペーストを豆乳の至
適PH領域に調整して凍結保存し、これを前記豆乳と混
合してから凝固剤を添加して容器に充填包装した後、こ
れを加熱して熱凝固させると共に、前記酵素の失活と殺
菌を行なうことを特徴とする豆腐の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3180273A JPH0846B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 豆腐の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3180273A JPH0846B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 豆腐の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH053761A JPH053761A (ja) | 1993-01-14 |
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ID=16080347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3180273A Expired - Lifetime JPH0846B2 (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 豆腐の製造方法 |
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JP (1) | JPH0846B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP4129085A4 (en) * | 2020-03-31 | 2024-04-10 | Kikkoman Corporation | METHOD FOR PRODUCING A CHEESE-LIKE FERMENTED FOOD AND CHEESE-LIKE FERMENTED FOOD |
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-
1991
- 1991-06-25 JP JP3180273A patent/JPH0846B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH053761A (ja) | 1993-01-14 |
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